JP2005223776A - 画像処理装置及び方法及び記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 差分画像処理の対象となる画像を撮像する際の、姿勢・吸気レベルの違いによる撮像失敗を回避すること。
【解決手段】 少なくとも2枚の医用画像における被写体の経時的変化を現す差分画像を生成する画像処理装置を、画像を入力する画像入力手段と、該入力画像を保存する保存手段と、該保存手段に保存された画像もしくは前記入力画像を表示する表示手段と、前記入力画像又は前記保存手段に保存された画像から差分画像を生成する差分処理手段から構成すると共に、前記表示手段は、前記入力画像と前記保存手段に保存された過去画像との差分処理に係るパラメータを表示するようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像処理システム及び方法及びこの方法を記憶した記憶媒体に関するものであり、より具体的には単純X線画像等の医療画像における被写体の経時変化を高精度に表示するシステムに関する。
医療画像分野においては、近年CAD(コンピュータ支援診断:Computer Aided Diagnosis)の研究が活発に行われており、単純X線、CTなどの画像をコンピュータにより解析し、病変部分の疑いがある部分を検出することで、疾病の早期発見に貢献することが期待されている。
CADには対象とする画像や検出対象により様々な種類が考えられているが、その中に同一部位を撮影した画像の差分を取ることにより、経時変化を強調した画像を得る経時差分方式によるCADが注目されている。
経時差分CADにおいては、例えば時間的に異なる時点で撮影された1組の胸部単純X線画像のフイルムをスキャナで入力してデジタル画像を生成し、画像解析を行ってそれぞれの画像において解剖学的に同一となる位置を求め、現在又は過去のいずれか一方の画像を変形し、画素毎の差分処理を行う。
この場合、入力された2枚の画像(一方を現在画像、他方を所定の過去の時点で撮像された過去画像とする)に対して所定の基準位置が検出され、被写体の全体的なずれが求められる。基準位置としては、被写体の全体的な姿勢又は特定部位の位置を表現するものであればよく、例えば”Image feature analysis of computer−aided diagnosis : Accurate determination of ribcage boundary in chest radiographs”、 Xin−Wei Xu and Kunio Doi、 Med. Phys. 22(5)、 May 1995 など)によることが出来る。
ところで差分画像は、正常な解剖学的構造が十分除去され、経時的な変化が生じた部分のみが差分信号として抽出されることが望ましい。これには、例えば胸部X線画像においては差分処理対象となる1対の画像の間で、被験者の姿勢および吸気の状態ができるだけ同一である必要がある。
姿勢を同一に保つためには、例えば被験者の身体の一部分を何らかの基準位置に固定するようにするなどの方法で、ある程度の姿勢を保つことが可能であるが、吸気の状態については撮像を行いフイルムに現像してからでないと確認することは出来ない。
吸気の状態が大きく異なる2枚の画像に対して差分処理を行った場合は、肺野の大きさが大きく異なるために位置合わせがうまくいかず、2枚の画像間の位置ずれが原因となった陰影(アーチファクト)が多い差分画像となってしまうという問題がある。
本発明は前述した問題点に鑑み、経時差分処理システムにおいて、被験者の姿勢変化・吸気状態等に起因するアーチファクトの影響を排除した差分画像を生成可能な方法を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明による画像処理装置は、画像を入力する画像入力手段と、該入力画像を保存する保存手段と、該保存手段に保存された画像もしくは前記入力画像を表示する表示手段と、前記入力画像又は前記保存手段に保存された画像から差分画像を生成する差分処理手段から構成され、前記表示手段は前記入力画像と前記保存手段に保存された過去画像の差分処理に係るパラメータを表示することを特徴とする。
以上述べたように、本発明によれば撮像時にモダリティのモニタに差分処理時の基準点を表示し、姿勢および吸気の状態の違いに基づいた警告表示を行っている。これにより、撮像時に差分処理の可否を判断して再撮影を行うなどの対処が可能となるため、差分画像処理時の失敗を防止することができる。
<第1実施の形態>
図1は本発明による画像処理システムの構成を示す図である。以下に同図を参照して本実施の形態における画像処理装置の全体的な動作について説明する。
同図においてMは診断に用いられる医用画像を新たに生成する撮像装置、例えばX線撮像装置等のモダリティ全体である。本実施の形態においては胸部を対象としたFPD(Flat Panel Detector)による単純X線撮像装置であるとする。
モダリティMにおいて撮像部1はFPD等のセンサであり、これにより生成されたデジタル画像は一時記憶部2に記憶される。記憶された画像はモダリティMに装備された表示部4に出力され、画像が正常に撮像されていることが確認された後、ネットワーク9を介して保存部5に出力保存される。保存部5に保存された画像および後述する処理により生成される差分画像は必要に応じて表示部8に表示され、診断等の用途に用いられる。
次に、差分処理部6の概要について説明する。保存部5に保存された新たに撮像された画像(以降現在画像と呼ぶ)と、同一被験者の過去の画像(過去画像と呼ぶ)は差分処理部6により読み出され、差分処理が行われる。
図2は差分処理部6の構成図である。同図において、入力された1対の画像はグローバルマッチング部601において各々の画像中における所定の基準点が検出され、詳細マッチング部602で基準点を元にさらに精密な位置ずれ量が計測される。さらに、変形部603においていずれか一方の画像の座標値を他方の対応する座標に変換された変形画像が生成され、差分計算部604において差分画像が生成される。
図3は差分処理部6の動作を示すフローチャートであり、同図を参照して差分処理部6のさらに詳細な動作を説明する。
ステップS401:
グローバルマッチング部601において、入力された2枚の画像(一方を現在画像、他方を所定の過去の時点で撮像された過去画像とする)に対して所定の基準位置が検出され、被写体の全体的なずれが求められる。基準位置としては、被写体の全体的な姿勢又は特定部位の位置を表現するものであれば良い。図4は基準位置の検出例である。同図において例えば(a)は現在画像、(b)は過去画像であり各々の画像において3つの基準点(P1、P1’〜P3、P3’)が検出される。検出の方法については公知の方法(例えば”Image feature analysis of computer−aided diagnosis : Accurate determination of ribcage boundary in chest radiographs”、 Xin−Wei Xu and Kunio Doi、 Med. Phys. 22(5)、 May 1995 など)によることが出来る。
次に検出した3対の基準点を元に2つの画像間の位置ずれを補正するパラメータを計算する。補正の方法としては例えば(式1)に示すアフィン変換を用いることが出来る。
Figure 2005223776
上式においてx、yは過去画像の基準点座標値、u、vは現在画像の基準点座標値を表し、a〜dは2つの画像間の回転および拡大を、eおよびfは並行移動を表すパラメータであり、前述した3つの基準点の座標を元に上式のパラメータを決定すれば2つの画像間の全体的な位置ずれ量を決定して対応する点間における座標変換を行うことが出来る。すなわち、過去画像の点(x、y)を現在画像における対応点(u、v)に変換することが可能となる。なおパラメータの決定方法に関しては、例えば(“画像解析ハンドブック”、高木幹雄 監修、東京大学出版会、1991)に記載されているため詳細説明は省略する。また求められた3対の基準点座標値およびパラメータは不図示のメモリに記憶される。なお、以降の説明でこのパラメータをグローバルマッチングパラメータと呼ぶ。
ステップS402:
図5に示すように、詳細マッチング部602において、過去および現在画像に複数の矩形領域(ROI)がオーバラップした状態で設定される。この時、2つの画像における、位置的に対応するROIはステップS401において求められた全体的な座標変換のパラメータ(a〜f)に基づき決定される。すなわち、過去画像におけるある1つのROIの設定位置(x、y)に対応する、現在画像の設定位置(u、v)は(式1)により計算される。これにより、後続の詳細マッチングを行う際に2つの対応するROIは解剖学的に略等しい位置に設定されることとなる。なお、本実施の形態においてはROIの大きさは予め決定されており、過去画像のROIサイズは現在画像のROIサイズよりも小さく設定されているものとする。
ステップS403:
さらにステップS402において、過去画像および現在画像に設定された対応するROIの間でマッチングを行い、各ROIのペア毎に最大のマッチ度を示す座標が計算される。ここで、マッチングは過去画像のROIを、対応する現在画像のROIに対して位置をずらしながら行うものとする。マッチングの方法としては例えば相互相関、差分の最大値等の尺度を用いることが出来る。ここで最大のマッチ度を示す座標値間の差分を求めることにより、図6に示すように各ROIのペア毎に2つの画像間のシフトベクトル(Δxi、Δyi)を求めることができる。
ステップS404:
ステップS403において求められた複数のシフトベクトルを基にして過去画像の任意の位置(x、y)に対応する、現在画像の設定位置(u、v)に座標変換するパラメータを求める。ここで、本ステップでは2つの画像の位置合わせ方法がステップS402と比較して、より局所的な歪みを補正可能な方法であることが望ましい。そこで本実施の形態では座標変換方法として高次多項式を用いるとする。この場合は、(式2)に示す変換式におけるパラメータaijおよびbijを先に述べたように公知の技術、例えば最小2乗法により求めればよい。
Figure 2005223776
なお、以降の説明ではこれらのパラメータを詳細マッチングパラメータと呼ぶ。マッチングパラメータは先のグローバルマッチングパラメータと同様に不図示のメモリに記憶される。
ステップS405:
変形部603において、ステップS404により求められた詳細マッチングパラメータを用いて、過去画像の座標を現在画像の座標に変換した変形画像を生成する。
ステップS406:
差分計算部604においてステップS405により生成された過去画像を変形した画像と現在画像の画素毎の差分を計算し、計算結果を画素値とする差分画像を生成する。なお、ステップS405およびステップS406は区別せずに直接座標を変換しながら差分処理を行っても良い。この場合は過去画像を変形した画像を生成する必要はない。
ステップS407:
ステップS406において生成された差分画像と不図示のメモリに記憶された基準点座標値、グローバルマッチングパラメータ、詳細マッチングパラメータを保存部5に対して出力する。
次に、本実施の形態における撮像時の動作についてさらに詳細に説明する。
撮像部1により生成された画像は一旦記憶部2に記憶され、さらに制御部3を介して表示部4に出力される。表示部4はモダリティMに付属した、撮影された画像の確認を行うためのモニタであり、通常診断には用いられない。一方制御部3は、現在撮影中の画像に対して差分処理を行う際に対となる過去画像および当該過去画像に対してさらに以前の過去画像と差分処理が行われた際のグローバルマッチングパラメータを保存部5から読み込む。
さらに、本実施の形態において制御部3は差分処理部6におけるグローバルマッチング部601を備えており、現在撮影されている新しい画像に対して前述した方法により、3つの基準点を求め、現在画像および過去画像に対して基準点を重ね合わせて表示部4に出力する。
したがって、この時表示部4には図4(a)および(b)に示すように現在撮影中の画像および差分処理に用いられる過去画像が、各々の画像の基準点と共に表示されることになる。また、制御部3は各点の座標値から以下に示す2つの係数CRおよびCLを求める。
Figure 2005223776
ただし、yp1〜y’p3は各基準点の画像左上隅を原点とする垂直方向座標値であり、各点の座標は、
Figure 2005223776
として現されるものとする。さらに、制御部3はCRおよびCLが予め定められた範囲の値ではない場合、図7のALTで示すように吸気不足の表示を行う。
すなわち、(式3)においてCRおよびCLは現在および過去画像間の右肺および左肺の長さの比に略対応しており、これらの値がある範囲を超えている場合は、吸気の状態が現在画像と過去画像の間で大きく異なっているとして警告表示が行われる。
なお、CRおよびCLに対する閾値は差分処理におけるマッチングの範囲や、肺野長の差に起因する差分画像のアーチファクトを解析した結果等に基づいて設定すればよい。
このように撮像時に差分処理時の基準点を表示して警告表示を行うことにより、その場で再撮影を行うことが可能となる。したがって、アーチファクトの少ない差分処理画像を生成するために、患者が再度レントゲン室等のモダリティが設置されている場所に足を運ぶ必要がない。
<第2実施の形態>
第1実施の形態においては基準点に基づいた垂直方向距離の比に基づいて警告表示を行ったが、これは主に吸気の状態が大きく異なっている場合に対応しているが、水平方向の距離を考慮するようにしてもよい。
具体的には得られた基準点に基づいて(式1)に基づきアフィン変換のパラメータを計算し、当該パラメータが所定の範囲を超えている場合に警告表示を行うようにしても良い。
<第3実施の形態>
第1実施の形態において、差分処理部6はモダリティとはネットワークを介して接続されていたが、差分処理部6自体がモダリティに組み込まれていても良い。すなわち、図8に示すように差分処理部6はモダリティMを構成しており、差分画像はモダリティM内の保存部5に保存される。処理により得られた差分画像はネットワーク9を介して表示部8に表示される。
この構成においては制御部3にグローバルマッチング部6は含まれず、新たに撮像された画像の基準点は差分処理部6内のグローバルマッチング部601により求められ、過去画像の基準点はモダリティM内の保存部5から読み出される。
<その他の実施の形態>
尚、本発明の目的は、上記第1〜3実施形態の装置又はシステムの機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、装置又はシステムに供給し、その装置又はシステムのコンピュータ(CPU又はMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読みだして実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上記第1〜3実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体及び当該プログラムコードは本発明を構成することとなる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記第1〜3実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記第1〜3実施形態の機能が実現される場合も本発明の実施の態様に含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記第1〜3実施形態の機能が実現される場合も本発明の実施の態様に含まれることは言うまでもない。
このようなプログラム又は当該プログラムを格納した記憶媒体に本発明が適用される場合、当該プログラムは、例えば、上述の図3に示されるフローチャートに対応したプログラムコードから構成される。
本発明による画像処理装置の構成図 差分処理部の構成図 差分処理のフローチャート グローバルマッチングによる基準点説明図 ROIの設定例 シフトベクトル説明図 基準点の表示例 別形態の構成図
符号の説明
1 撮像部
2 記憶部
3 制御部
4 表示部
5 保存部
6 差分処理部
7 制御部
8 表示部
9 ネットワーク
601 グローバルマッチング部
602 詳細マッチング部
603変形部
604 差分計算部

Claims (4)

  1. 少なくとも2枚の医用画像における被写体の経時的変化を現す差分画像を生成する画像処理装置において、該画像処理装置は、画像を入力する画像入力手段と、該入力画像を保存する保存手段と、該保存手段に保存された画像もしくは前記入力画像を表示する表示手段と、前記入力画像又は前記保存手段に保存された画像から差分画像を生成する差分処理手段から構成され、前記表示手段は前記入力画像と前記保存手段に保存された過去画像の差分処理に係るパラメータを表示することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記パラメータは、前記入力画像および前記過去画像における被写体における所定の部位の位置であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. さらに前記表示手段は前記パラメータに基づいて計算される、前記被写体の特定部位の大きさに関する特徴量が所定の条件を満たさない場合、差分処理適用可否を示す表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. さらに前記表示手段は前記パラメータに基づいて計算される、前記被写体の変形に関する特徴量を元に、差分処理適用可否を示す表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
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