JP2005223033A - 積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一、均質な層を得ることができ、しかも、少ない工程数にて、同時に、しかも、層間における正確なアライメントを行う必要無しにパターニングし得る積層構造の形成方法を提供する。
【解決手段】積層構造の形成方法は、(A)基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層した後、(B)第1層10と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域10Bとエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域10Aとから成る第1層10、及び、エネルギー線の照射を受けた領域20Aから成る第2層20を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
現在、多くの電子機器に用いられている薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,TFT)を含む電界効果型トランジスタ(FET)は、例えば、シリコン半導体基板あるいはシリコン半導体材料層に形成されたチャネル形成領域及びソース/ドレイン電極、シリコン半導体基板表面あるいはシリコン半導体材料層表面に形成されたSiO2から成るゲート絶縁層、並びに、ゲート絶縁層を介してチャネル形成領域に対向して設けられたゲート電極から構成されている。あるいは又、基体上に形成されたゲート電極、ゲート電極上を含む基体上に形成されたゲート絶縁層、並びに、ゲート絶縁層上に形成されたチャネル形成領域及びソース/ドレイン電極から構成されている。そして、これらの構造を有する電界効果型トランジスタの作製には、非常に高価な半導体製造装置が使用されており、製造コストの低減が強く要望されている。
そこで、近年、各種の真空技術を用いない方法に基づき製造が可能な有機半導体材料を用いたFET(便宜上、有機FETと呼ぶ)の研究、開発に注目が集まっている。このような有機FETの製造における導電性有機材料のパターニング方法として、一般に、フォトレジストを利用した従来のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術(例えば、特開2001−168420参照)や、インクジェット方式、マイクロコンタクトプリンティング方式といった印刷法が採用されている。
特開2001−168420
しかしながら、フォトレジストを利用した従来のフォトリソグラフィ技術を採用した場合、複数の層のパターニングを行う場合、各層毎にフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を実行する必要があり、工程数の削減を図れないといった問題がある。また、層間における正確なアライメントを行う必要があるといった問題もある。一方、印刷法を採用した場合、均一、均質な層を得ることが難しいといった問題がある。
従って、本発明の目的は、均一、均質な層を得ることができ、しかも、複数の層が積層された構造における各層のパターニングを、少ない工程数にて、同時に、しかも、層間における正確なアライメントを行う必要無しに実行し得る積層構造の形成方法、及び、係る積層構造の形成方法を応用した電界効果型トランジスタの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法は、
(A)基体上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
(B)第1層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域とから成る第1層、及び、エネルギー線の照射を受けた領域から成る第2層を得ることを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る積層構造の形成方法は、
(A)基体上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が除去される第2層とを、順次、積層した後、
(B)第1層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域とから成る第1層、及び、エネルギー線の照射を受けなかった領域から成る第2層を得ることを特徴とする。
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る積層構造の形成方法においては、第1層と第2層との間の電気的絶縁性を確保するといった観点から、第1層と第2層との間に、エネルギー線に対して透明な層間絶縁層が形成されていることが好ましい。即ち、この場合には、積層構造は、第1層、層間絶縁層、第2層が、順次、積層された構造を有する。
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る積層構造の形成方法によって得られた第1層及び第2層は、例えば、配線として機能する。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法を応用した方法であり、
(A)基体上に、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層と、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、ゲート絶縁層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
(B)少なくとも、第1層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像する、
工程から成り、
ソース/ドレイン電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
ゲート電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする。
尚、第1層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する際、第1層の下に位置する半導体材料層にエネルギー線が局所的に照射される場合もある。
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法を応用した方法であり、
(A)基体上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層と、ゲート絶縁層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
(B)第1層と半導体材料層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像する、
工程から成り、
ソース/ドレイン電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
ゲート電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法を応用した方法であり、
(A)基体上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、ゲート絶縁層と、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
(B)第1層とゲート絶縁層と半導体材料層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像する、
工程から成り、
ゲート電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
ソース/ドレイン電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法を応用した方法であり、
(A)基体上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、ゲート絶縁層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
(B)第1層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像した後、
(C)少なくとも、現像処理によって残された第2層の領域の間に位置するゲート絶縁層上に、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層を形成する、
工程から成り、
ゲート電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
ソース/ドレイン電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする。
尚、半導体材料層は、現像処理によって残された第2層の領域(ソース/ドレイン電極)の間に位置するゲート絶縁層上だけでなく、現像処理によって残された第2層の領域(ソース/ドレイン電極)上にまで延在するように形成されていてもよい。
本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る積層構造の形成方法、あるいは又、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、基体を、酸化ケイ素系材料(例えば、SiOXやスピンオンガラス(SOG));窒化ケイ素(SiNY);酸化アルミニウム(Al23);金属酸化物高誘電絶縁膜から構成することができる。基体をこれらの材料から構成する場合、基体を、以下に挙げる材料から適宜選択された支持体上に(あるいは支持体の上方に)形成すればよい。即ち、支持体として、あるいは又、上述した基体以外の基体として、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)に例示される有機ポリマー(高分子材料から構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板といった高分子材料の形態を有する)を挙げることができる。このような可撓性を有する高分子材料から構成された基体を使用すれば、例えば曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電界効果型トランジスタの組込みあるいは一体化が可能となる。あるいは又、基体(あるいは支持体)として、各種ガラス基板や、表面に絶縁層が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基板、表面に絶縁層が形成されたシリコン基板を挙げることができる。更には、支持体として、その他、導電性基板(金属基板や、高配向性グラファイトから成る基板)を挙げることができる。
本発明におけるエネルギー線として、紫外線、電子線、エックス線、イオン・ビームを例示することができる。
また、本発明において、第1層を構成する材料として、メチルセルロースといった溶剤に、ドーパントであるカンファースルホン酸、及び、導電性高分子であるポリアニリンを溶解し、更に、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加したものを挙げることができる。
更には、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法、あるいは又、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法にあっては、第2層を構成する導電性材料として、通常のネガ型レジスト剤に、導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]を分散させたものを挙げることができる。一方、本発明の第2の態様に係る積層構造の形成方法、にあっては、第2層を構成する導電性材料として、通常のポジ型レジスト剤に、導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]を分散させたものを挙げることができる。尚、第2層の現像処理方法としては、第2層を構成する導電性材料に含まれるレジスト剤に適した現像処理方法とすればよい。ネガ型レジスト剤やポジ型レジスト剤にあっては、例えば、現像液に浸漬するといった現像処理を行えばよい。
第1層及び第2層の形成方法、更には、半導体材料層やゲート絶縁層、層間絶縁層の形成方法として、スピンコート法;エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法、浸漬法といった各種コーティング法;及び、スプレー法の内のいずれかといった液状材料を塗布する方法を挙げることができる。
第1層と第2層の積層構造へのエネルギー線の局所的な照射方法として、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスクを用いる方法、エネルギー線を成形ビームとしてステップ状に照射したり、ビーム走査する方法を例示することができる。エネルギー線のパワー、ピーク値、照射時間、パルス幅、パルス重畳回数、走査速度、走査面積、波長等といったエネルギー線の特性は、第1層、第2層を構成する材料や積層構造の厚さ、パターニングする第1層、第2層の面積や形状、基体を構成する材料等に応じて、適宜、最適化を図ればよい。
ゲート絶縁層や層間絶縁層を構成する材料として酸化ケイ素系材料、窒化ケイ素(SiNY)、金属酸化物高誘電絶縁膜にて例示される無機系絶縁材料だけでなく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)にて例示される有機系絶縁材料を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。尚、酸化ケイ素系材料として、二酸化シリコン(SiO2)、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、低誘電率SiOX系材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー及びベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン、有機SOG)を例示することができる。ゲート絶縁層や層間絶縁層の形成方法として、使用する材料やゲート絶縁層よりも下に位置する基体や各種の層を構成する材料にも依るが、各種物理的気相成長法(PVD法);各種化学的気相成長法(CVD法);スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;上述した各種コーティング法;浸漬法;キャスティング法;及び、スプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
チャネル形成領域を形成するための半導体材料層として、2,3,6,7−ジベンゾアントラセン(ペンタセンとも呼ばれる)、C99(ベンゾ[1,2−c;3,4−c’;5,6−c”]トリス[1,2]ジチオール−1,4,7−トリチオン)、C24146(アルファ−セキシチオフェン)、銅フタロシアニンで代表されるフタロシアニン、フラーレン(C60)、テトラチオテトラセン(C1884)、テトラセレノテトラセン(C188Se4)、テトラテルルテトラセン(C188Te4)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]を挙げることができる。尚、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の構造式(1)、ポリスチレンスルホン酸の構造式(2)を図7に示す。
あるいは又、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層として、例えば、以下に例示する複素環式共役系導電性高分子及び含ヘテロ原子共役系導電性高分子を用いることができる。尚、構造式中、「R」,「R’」はアルキル基(Cn2n+1)を意味する。
[複素環式共役系導電性高分子]
ポリピロール[図7の構造式(3)参照]
ポリフラン[図7の構造式(4)参照]
ポリチオフェン[図7の構造式(5)参照]
ポリセレノフェン[図7の構造式(6)参照]
ポリテルロフェン[図7の構造式(7)参照]
ポリ(3−アルキルチオフェン)[図7の構造式(8)参照]
ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)[図7の構造式(9)参照]
ポリ(N−アルキルピロール)[図8の構造式(10)参照]
ポリ(3−アルキルピロール)[図8の構造式(11)参照]
ポリ(3,4−ジアルキルピロール)[図8の構造式(12)参照]
ポリ(2,2’−チエニルピロール)[図8の構造式(13)参照]
[含ヘテロ原子共役系導電性高分子]
ポリアニリン[図8の構造式(14)参照]
ポリ(ジベンゾチオフェンスルフィド)[図8の構造式(15)参照]
あるいは又、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層を構成する有機半導体分子は、共役結合を有する有機半導体分子であって、分子の両端にチオール基(SH)、アミノ基(−NH2)、イソシアノ基(−NC)、チオアセトキシル基(−SCOCH3)又はカルボキシル基(−COOH)を有することが望ましく、より具体的には、有機半導体分子として、以下の材料を例示することができる。
4,4’−ビフェニルジチオール[図9の構造式(16)参照]
4,4’−ジイソシアノビフェニル[図9の構造式(17)参照]
4,4’−ジイソシアノ−p−テルフェニル[図9の構造式(18)参照]
2,5−ビス(5’−チオアセトキシル−2’−チオフェニル)チオフェン[図9の構造式(19)参照]
半導体材料層を無機半導体材料から構成することもでき、無機半導体材料として、具体的には、Si、Ge、Seを挙げることができる。
半導体材料層の形成方法として、半導体材料層を構成する材料等にも依るが、真空蒸着法やスパッタリング法に例示される物理的気相成長法(PVD法);各種の化学的気相成長法(CVD法);スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;上述した各種コーティング法;スタンプ法;リフトオフ法;シャドウマスク法;及び、スプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
本発明の電界効果型トランジスタを、ディスプレイ装置や各種の電子機器に適用、使用する場合、多数の電界効果型トランジスタを集積したモノリシック集積回路としてもよいし、各電界効果型トランジスタを切断して個別化し、ディスクリート部品として使用してもよい。また、電界効果型トランジスタを支持体に載置してもよいし、樹脂にて封止してもよい。
本発明においては、第1層及び第2層を構成する材料の有する所謂ネガ型・ポジ型の相反する性質を利用して、少なくとも第1層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像することで、パターニングされた第1層及び第2層を得ることができる。即ち、例えば、1回の露光によって第1層及び第2層を同時にパターニングすることができる。従って、フォトレジストを利用した従来のフォトリソグラフィ技術とは異なり、複数の層のパターニングを行う場合に各層に対して別々にパターニング処理を行う必要が無く、工程数の削減を図ることができるし、層間における正確なアライメントを行うことが不要となる。また、第1層及び第2層において、容易に均一、均質な膜を得ることが可能となる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法、及び、本発明の第1の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法に関する。実施例1において得られる電界効果型トランジスタ(以下、FETと略称する場合がある)は、トップゲート/トップコンタクト型のFETである。
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例6において、第1層を構成する材料として、メチルセルロースといった溶剤に、ドーパントであるカンファースルホン酸、及び、導電性高分子であるポリアニリンを溶解し、更に、光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加したものを使用する。また、第2層を構成する導電性材料として、レジスト剤に、導電性高分子であるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]を分散させたものを使用する。また、第1層及び第2層の形成方法、更には、半導体材料層やゲート絶縁層、層間絶縁層の形成方法として、スピンコート法を用いる。尚、実施例1〜実施例5においては、レジスト剤としてネガ型レジスト剤を用い、実施例においては、レジスト剤としてポジ型レジスト剤を用いる。
また、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例6において、エネルギー線として紫外線を使用し、第1層と第2層の積層構造へのエネルギー線の局所的な照射方法として、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスクを用いる方法を採用する。紫外線のパワーや照射時間、波長等の特性は、第1層、第2層を構成する材料や積層構造の厚さ、パターニングする第1層、第2層の面積や形状、基体を構成する材料等に応じて、適宜、最適化を図っている。
更には、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例6において、基体としてポリエーテルスルホン(PES)を使用し、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例6において、ゲート絶縁層や層間絶縁層を構成する材料としてポリビニルフェノール(PVP)を用い、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4において、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層としてポリアニリンを用いる。尚、後述する実施例5〜実施例6においては、基体を、例えば、予め形成されたトランジスタを覆う絶縁層としてもよい。
以下、基体等の模式的な一部端面図である図1の(A)〜(C)を参照して、実施例1における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明する。
[工程−100]
先ず、基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。
あるいは又、基体1上に、チャネル形成領域40Aを形成するための半導体材料層40と、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、ゲート絶縁層30と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。こうして、図1の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−110]
次に、第1層10と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。あるいは又、少なくとも、第1層10とゲート絶縁層30と第2層20の積層構造に(実施例1においては、より具体的には、半導体材料層40と第1層10とゲート絶縁層30と第2層20の積層構造に)、エネルギー線を局所的に照射する。具体的には、第2層20の上方に、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスク50を配置し、エネルギー線として紫外線を使用して、これらの層に紫外線を照射する。この状態を、模式的に図1の(B)に示す。
第1層10において、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域は、ソース/ドレイン電極10Bとなる。一方、エネルギー線の照射を受けた第1層10の領域は、絶縁性の領域(第1層絶縁部10A)になる。絶縁性の領域(第1層絶縁部10A)は、導電性の領域(ソース/ドレイン電極10B)によって挟まれている。また、第2層20において、エネルギー線の照射を受けた領域は不溶性の第2層不溶化部20Aとなり、一方、エネルギー線の照射を受けなかった領域はそのままであり、可溶性の可溶部である。第1層絶縁部10Aの射影像と、第2層20のエネルギー線の照射を受けなかった領域の射影像とは、重なり合う。
[工程−120]
その後、第2層20を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)が除去される。尚、現像液(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムを水で2.38%まで希釈したもの。尚、特にネガ型レジスト剤でポリビニルアルコールを主成分としたレジスト剤の中には、現像液として水を利用するものもある)に第2層20を浸漬した後、乾燥することで、第2層20を現像することができる。後述する実施例2〜実施例5においても、第2層20の現像を同様に行えばよい。こうして、図1の(C)に示す構造を得ることができる。即ち、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(ソース/ドレイン電極10B)とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域(第1層絶縁部10A)とから成る第1層10、及び、エネルギー線の照射を受けた導電性の領域(第2層不溶化部20A,ゲート電極)から成る第2層20を得ることができる。
[工程−130]
その後、全面に絶縁層を形成し、各種の配線を設ける。更には、完成後のFETにエネルギー線が照射されることによって第1層や第2層に損傷や変化、変質が生じることを防止するために、FETにエネルギー線吸収層(例えば、紫外線吸収層、紫外線カット層)を形成することが好ましい。以下の実施例においても同様である。
実施例2は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法、及び、本発明の第2の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法に関する。実施例2において得られるFETは、トップゲート/ボトムコンタクト型のFETである。
以下、基体等の模式的な一部端面図である図2の(A)〜(C)を参照して、実施例2における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明する。
[工程−200]
先ず、基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。
あるいは又、基体1上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、チャネル形成領域40Aを形成するための半導体材料層40と、ゲート絶縁層30と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。こうして、図2の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−210]
次に、第1層10と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。あるいは又、第1層10と半導体材料層40とゲート絶縁層30と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。具体的には、第2層20の上方に、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスク50を配置し、エネルギー線として紫外線を使用して、これらの層に紫外線を照射する。この状態を、模式的に図2の(B)に示す。
実施例1と同様に、第1層10において、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域は、ソース/ドレイン電極10Bとなる。一方、エネルギー線の照射を受けた第1層10の領域は、絶縁性の領域(第1層絶縁部10A)になる。絶縁性の領域(第1層絶縁部10A)は、導電性の領域(ソース/ドレイン電極10B)によって挟まれている。また、第2層20において、エネルギー線の照射を受けた領域は不溶性の第2層不溶化部20Aとなり、一方、エネルギー線の照射を受けなかった領域はそのままであり、可溶性の可溶部である。実施例2においても、第1層絶縁部10Aの射影像と、第2層20のエネルギー線の照射を受けなかった領域の射影像とは、重なり合う。
[工程−220]
その後、第2層20を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)が除去される。こうして、図2の(C)に示す構造を得ることができる。即ち、実施例1と同様に、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(ソース/ドレイン電極10B)とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域(第1層絶縁部10A)とから成る第1層10、及び、エネルギー線の照射を受けた導電性の領域(第2層不溶化部20A,ゲート電極)から成る第2層20を得ることができる。その後、実施例1の[工程−130]と同様の工程を実行する。
実施例3は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法、及び、本発明の第3の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法に関する。実施例3において得られるFETは、ボトムゲート/トップコンタクト型のFETである。
以下、基体等の模式的な一部端面図である図3の(A)〜(C)を参照して、実施例3における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明する。
[工程−300]
先ず、基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。
あるいは又、基体1上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、ゲート絶縁層30と、チャネル形成領域40Aを形成するための半導体材料層40と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。こうして、図3の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−310]
次に、第1層10と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。あるいは又、第1層10とゲート絶縁層30と半導体材料層40と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。具体的には、第2層20の上方に、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスク50を配置し、エネルギー線として紫外線を使用して、これらの層に紫外線を照射する。この状態を、模式的に図3の(B)に示す。
第1層10において、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域は、ゲート電極10Cとなる。一方、エネルギー線の照射を受けた第1層10の領域は、絶縁性の領域(第1層絶縁部10D)になる。絶縁性の領域(第1層絶縁部10D)は、ゲート電極10Cの両側に形成される。また、第2層20において、エネルギー線の照射を受けた領域は不溶性の第2層不溶化部20A(ソース/ドレイン電極)となり、一方、エネルギー線の照射を受けなかった領域はそのままであり、可溶性の可溶部である。第1層10のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(ゲート電極10C)の射影像と、第2層20のエネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)の射影像とは、重なり合い、更には、チャネル形成領域40Aの射影像とも重なり合う。
[工程−320]
その後、第2層20を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)が除去される。こうして、図3の(C)に示す構造を得ることができる。即ち、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(ゲート電極10C)とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域(第1層絶縁部10D)とから成る第1層10、及び、エネルギー線の照射を受けた導電性の領域(第2層不溶化部20A,ソース/ドレイン電極)から成る第2層20を得ることができる。その後、実施例1の[工程−130]と同様の工程を実行する。
実施例4は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法、及び、本発明の第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法に関する。実施例4において得られるFETは、ボトムゲート/ボトムコンタクト型のFETである。
以下、基体等の模式的な一部端面図である図4の(A)〜(C)を参照して、実施例4における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明する。
[工程−400]
先ず、基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。
あるいは又、基体1上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層10と、ゲート絶縁層30と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層20とを、順次、積層する。こうして、図4の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−410]
次に、第1層10と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。あるいは又、第1層10とゲート絶縁層30と第2層20の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。具体的には、第2層20の上方に、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスク50を配置し、エネルギー線として紫外線を使用して、これらの層に紫外線を照射する。この状態を、模式的に図4の(B)に示す。
実施例3と同様に、第1層10において、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域は、ゲート電極10Cとなる。一方、エネルギー線の照射を受けた第1層10の領域は、絶縁性の領域(第1層絶縁部10D)になる。絶縁性の領域(第1層絶縁部10D)は、ゲート電極10Cの両側に形成される。また、第2層20において、エネルギー線の照射を受けた領域は不溶性の第2層不溶化部20A(ソース/ドレイン電極)となり、一方、エネルギー線の照射を受けなかった領域はそのままであり、可溶性の可溶部である。実施例4においても、第1層10のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(ゲート電極10C)の射影像と、第2層20のエネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)の射影像とは、重なり合い、更には、チャネル形成領域40Aの射影像とも重なり合う。
[工程−420]
その後、第2層20を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)が除去される。
[工程−430]
次に、少なくとも、現像処理によって残された第2層20の導電性の領域(第2層不溶化部20A,ソース/ドレイン電極)の間に位置するゲート絶縁層30上に(実施例4においては、より具体的には、露出したゲート絶縁層30及びソース/ドレイン電極20A上に、言い換えれば、全面に)、チャネル形成領域40Aを形成するための半導体材料層40を形成する。こうして、図4の(C)に示す構造を得ることができる。即ち、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(ゲート電極10C)とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域(第1層絶縁部10D)とから成る第1層10、及び、エネルギー線の照射を受けた導電性の領域(第2層不溶化部20A,ソース/ドレイン電極)から成る第2層20を得ることができる。その後、実施例1の[工程−130]と同様の工程を実行する。
実施例5は、本発明の第1の態様に係る積層構造の形成方法に関する。実施例5においては、トランジスタにおいて、第1層から成る下層配線、及び、第1層の上方に位置し、第2層から成る上層配線が、層間絶縁層を介して形成された積層構造を得ることができる。尚、実施例5にあっては、第1層から成る下層配線、及び、第2層から成る上層配線は、同じパターンを有する。
以下、基体等の模式的な一部端面図である図5の(A)〜(C)を参照して、実施例5における積層構造の形成方法を説明する。
[工程−500]
先ず、基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層110と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層120とを、順次、積層する。より具体的には、実施例5においては、基体1上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層110と、層間絶縁層130と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層120とを、順次、積層する。こうして、図5の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−510]
次に、第1層110と第2層120の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。実施例5においては、第1層110と層間絶縁層130と第2層120の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。具体的には、第2層120の上方に、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスク50を配置し、エネルギー線として紫外線を使用して、これらの層に紫外線を照射する。この状態を、模式的に図5の(B)に示す。
第1層110において、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域は、下層配線となる。一方、エネルギー線の照射を受けた第1層110の領域は、第1層絶縁部110Aになる。また、第2層120において、エネルギー線の照射を受けた領域は不溶性の第2層不溶化部120Aとなり、一方、エネルギー線の照射を受けなかった領域はそのままであり、可溶性の可溶部である。
[工程−520]
その後、第2層120を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった領域(可溶部)が除去される。こうして、図5の(C)に示す構造を得ることができる。即ち、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(下層配線)とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域(第1層絶縁部110A)とから成る第1層110、及び、エネルギー線の照射を受けた導電性の領域(第2層不溶化部120A,上層配線)から成る第2層120を得ることができる。下層配線の射影像と上層配線の射影像とは重なり合う。その後、エネルギー線が照射されることによって第1層や第2層に損傷や変化、変質が生じることを防止するために、全面にエネルギー線吸収層(例えば、紫外線吸収層、紫外線カット層)を形成することが好ましい。以下の実施例6においても同様である。
実施例6は、本発明の第2の態様に係る積層構造の形成方法に関する。実施例6においても、トランジスタにおいて、第1層から成る下層配線、及び、第1層の上方に位置し、第2層から成る上層配線が、層間絶縁層を介して形成された積層構造を得ることができる。尚、実施例5と異なり、第1層から成る下層配線のパターンと、第2層から成る上層配線のパターンとは、一種の反転パターンの関係を有する。
以下、基体等の模式的な一部端面図である図6の(A)〜(C)を参照して、実施例6における積層構造の形成方法を説明する。
[工程−600]
先ず、基体1上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層210と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が除去される第2層220とを、順次、積層する。より具体的には、実施例6においては、基体1上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層210と、層間絶縁層230と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が除去される第2層220とを、順次、積層する。こうして、図6の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−610]
次に、第1層210と第2層220の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。実施例6においては、第1層210と層間絶縁層230と第2層220の積層構造にエネルギー線を局所的に照射する。具体的には、第2層220の上方に、エネルギー線透過領域と不透過領域とを有するマスク50を配置し、エネルギー線として紫外線を使用して、これらの層に紫外線を照射する。この状態を、模式的に図6の(B)に示す。
第1層210において、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域は、下層配線となる。一方、エネルギー線の照射を受けた第1層210の領域は、第1層絶縁部210Aになる。また、第2層220において、エネルギー線の照射を受けなかった領域はそのまま(不溶性の不溶部)であり、一方、エネルギー線の照射を受けた領域は、第2層可溶化部220Bとなる。
[工程−620]
その後、第2層220を現像することで、エネルギー線の照射を受けた領域(第2層可溶化部220B)が除去される。尚、現像液(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムを水で2.38%まで希釈したもの)に第2層220を浸漬した後、乾燥することで、第2層220を現像することができる。こうして、図6の(C)に示す構造を得ることができる。即ち、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(下層配線)とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域(第1層絶縁部210A)とから成る第1層210、及び、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域(上層配線)から成る第2層220を得ることができる。下層配線の射影像と、上層配線と上層配線との間の隙間の射影像とは重なり合う。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。FETの構造や構成、製造条件、使用した材料は例示であり、適宜変更することができる。
図1の(A)〜(C)は、実施例1における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。 図2の(A)〜(C)は、実施例2における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。 図3の(A)〜(C)は、実施例3における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。 図4の(A)〜(C)は、実施例4における積層構造の形成方法及び電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。 図5の(A)〜(C)は、実施例5における積層構造の形成方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。 図6の(A)〜(C)は、実施例6における積層構造の形成方法を説明するための基体等の模式的な一部端面図である。 図7は、本発明における使用に適した高分子材料の構造式を例示したものである。 図8は、本発明における使用に適した高分子材料の構造式を例示したものである。 図9は、本発明における使用に適した高分子材料の構造式を例示したものである。
符号の説明
1・・・基体、10・・・第1層、10A,10D,110A,210A・・・絶縁性の領域(第1層絶縁部)、10B・・・ソース/ドレイン電極(導電性の領域)、10C・・・ゲート電極、20,120,220・・・第2層、20A・・・導電性の領域(第2層不溶化部,ゲート電極)、30・・・ゲート絶縁層、40・・・半導体材料層、40A・・・チャネル形成領域、50・・・マスク、110,210・・・第1層(下層配線)、110A,210A・・・絶縁性の領域(第1層絶縁部)、120A・・・第2層不溶化部(上層配線)、220B・・・第2層可溶化部、130,230・・・層間絶縁層

Claims (6)

  1. (A)基体上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
    (B)第1層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域とから成る第1層、及び、エネルギー線の照射を受けた領域から成る第2層を得ることを特徴とする積層構造の形成方法。
  2. (A)基体上に、少なくとも、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が除去される第2層とを、順次、積層した後、
    (B)第1層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像することで、エネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域とエネルギー線の照射を受けた絶縁性の領域とから成る第1層、及び、エネルギー線の照射を受けなかった領域から成る第2層を得ることを特徴とする積層構造の形成方法。
  3. (A)基体上に、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層と、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、ゲート絶縁層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
    (B)少なくとも、第1層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像する、
    工程から成り、
    ソース/ドレイン電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
    ゲート電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  4. (A)基体上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層と、ゲート絶縁層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
    (B)第1層と半導体材料層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像する、
    工程から成り、
    ソース/ドレイン電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
    ゲート電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  5. (A)基体上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、ゲート絶縁層と、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
    (B)第1層とゲート絶縁層と半導体材料層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像する、
    工程から成り、
    ゲート電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
    ソース/ドレイン電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  6. (A)基体上に、エネルギー線の照射によって導電性から絶縁性へと導電性が変化する材料から成る第1層と、ゲート絶縁層と、導電性材料から成り、エネルギー線の照射及び現像処理によってエネルギー線の照射を受けた領域が残される第2層とを、順次、積層した後、
    (B)第1層とゲート絶縁層と第2層の積層構造にエネルギー線を局所的に照射し、次いで、第2層を現像した後、
    (C)少なくとも、現像処理によって残された第2層の領域の間に位置するゲート絶縁層上に、チャネル形成領域を形成するための半導体材料層を形成する、
    工程から成り、
    ゲート電極は、第1層のエネルギー線の照射を受けなかった導電性の領域から構成され、
    ソース/ドレイン電極は、第2層のエネルギー線の照射を受けた領域から構成されることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
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