JP2005222760A - 燃料電池用燃料タンク及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の残量が無くなったときにタンク内に水が残らない小型の燃料タンク及び燃料電池システムを提供する。
【解決手段】容器内部を燃料室101と水室100とに区画する仕切り部材102を有し、前記燃料室101に発電セルに用いられる液体燃料よりも濃度の高い燃料を貯蔵する燃料電池用燃料タンクである。前記燃料室101及び水室100は前記発電セルのアノードに前記燃料室101に貯蔵された前記液体燃料を給送する燃料給送口40と前記水室100に貯蔵された水を給送する水給送口41とをそれぞれ備え、前記仕切り部材102は、前記水室100に貯蔵された水を前記燃料室101に浸透可能な半透膜で構成された浸透部を備える。
【選択図】図4A

Description

本発明は、燃料電池に関し、特にメタノールなどの有機燃料をアノードに直接供給して発電する発電セルに用いられる燃料タンク及び発電セルを用いて発電を行うための燃料供給系等の補機とを備える燃料電池システムに関する。
携帯電話、携帯型情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型オーディオ、携帯型ビジュアル機器など携帯用電子機器の普及が進んでいる。従来、このような携帯用電子機器は、一次電池又は二次電池によって駆動している。特に、二次電池としては、ニッカド電池又はリチウムイオン電池が用いられ、小型で高エネルギー密度を持つ電池が開発されている。しかし、二次電池は一定量の電力使用後に充電機器を用いて一定時間の充電をおこなう必要があるため、短い充電時間で長時間連続駆動が可能な電池が要望されている。
この要望に応えるため、充電を必要としない燃料電池が提案されている。燃料電池は、燃料の持つ化学エネルギーを電気化学的にエネルギーに変換する発電機である。このような燃料電池の例としては、パーフルオロカーボンスルフォン酸系の電解質を用いてアノード極で水素ガスを還元し、カソード極で酸素を還元して発電を行うという固体高分子形燃料電池(PEFC)が知られている。このようなPEFCは、出力密度が高い電池であるという特徴を有しており、その開発が進められている。
しかしながら、このようなPEFCに用いられる水素ガスは容積エネルギー密度が低く、燃料タンクの体積を大きくする必要があることや、燃料ガス、酸化ガスを発電セル(発電部)に供給する装置、電池性能を安定にするため加湿する装置などの補機が必要であり、燃料電池システムが大型になるため、携帯電子機器用の電源としては適さない。
一方、メタノールから直接プロトンを取り出すことにより発電を行う直接型メタノール燃料電池(DMFC)は、PEFCと比較してその出力が小さくなるという欠点があるものの、燃料の体積エネルギー密度を上げることができることと、発電セルの補機を減らすことができるため小型化が可能となる。このため、携帯機器用電源として注目されており、幾つかの提案がなされている。
このDMFCにおける発電セル内でおこなわれるアノードの反応及び、カソードの反応は以下の通りである。
アノード:CHOH+HO→6H+6e+CO
カソード:6H+6e+3/2O→3H
上記化学式に示すように、燃料電池を用いて発電することにより、アノードでは二酸化炭素が生成し、カソードでは水が生成する。よって、継続した発電を行うためには当該生成された二酸化炭素と水の処理を行うための補機を搭載した燃料電池システムを構成する必要がある。
このような従来のDMFC方式の燃料電池システムの構成としては、米国特許第5599638号明細書(特許文献2、図1及び図2)などが例示できる。この燃料電池システムは、燃料としてのメタノール水溶液が収容された循環タンクからアノードに安定してメタノールを供給するために、ポンプを用いてアノードにメタノール水溶液を供給し、当該アノードで消費されなかった残りのメタノール水溶液を再び循環タンクに戻して回収し、再び燃料として使うという燃料循環方式が採用されている。
しかし、現在の燃料電池は、イオン交換膜の性質として、水素イオンを透過するだけでなく、燃料のメタノールをメタノールのまま直接イオン交換膜を透過してしまうクロスオーバーと呼ばれる不都合な問題がある。この場合には、カソードで、メタノールが充満してしまい、水素イオンを空気中の酸素の反応を低下させるため、発電効率を下げてしまう不都合がある。
そのための対策として、現在では、アノードに供給する燃料のメタノール濃度を10wt%以下の比較的低濃度のメタノール水溶液を燃料として用いざるを得ない状況となっている。すなわち、アノードに供給される水とメタノールは上記反応式で示されるようにメタノール1モルに対し水1モルであるが、クロスオーバーの対策として、水の分量を多くして数%に希釈したメタノール水溶液を燃料電池セルに供給することとしている。
燃料電池セルに供給される数%のメタノール溶液をそのまま燃料タンクに貯蔵したのでは、体積効率が悪くなり、燃料タンクは非常に大きなものとなる。特に、燃料電池を主電源とする移動可能な電子機器は、なるべくシンプルで小型であることが要求されていることから、燃料電池システム自体の構成も小型にすることが求められる。
また、カソードで生成した水をすべて外部に排出したとすると、当該排出された水や水蒸気が、携帯機器に付着して電子機器に影響を及ぼしたり、例えばカバンやポケットに携帯機器を収納した場合、ポケットの中やカバンの中がぬれるといった問題が発生する。これらのような理由から、現在の燃料電池システムは、カソードから排出された水を回収装置で回収し、アノードに供給して燃料の希釈に再利用するという構成を取っている(特許文献1)。
特表平11−510311 米国特許第5599638号明細書
しかし、カソードで発生する水は、発電が開始してはじめて発生するものであり、また、燃料の供給を受ける機器側も内蔵する燃料電池セル及びアノードに燃料を供給する経路の状態(希釈燃料が残留しているのか、空になっているのか)によって、供給する燃料の水とメタノールの比率を変えてメタノール水溶液を供給する必要が生じる。したがって、カソードで発生する水を燃料の希釈に用いるシステムであったとしても、燃料タンクにはメタノール希釈用の水を蓄えておくことが必要となる。
ところで、燃料希釈用にカソードで発生した水の再利用を考慮すると、タンクに貯蔵される水は発電開始時のメタノールの希釈に用いればよく、あとは、カソードで発生される水の再利用及びその不足分を補うだけで済み、タンクに貯蔵されている水はあまり消費されることがない。一方で、燃料タンクにおける発電の容量(寿命)を決めるのはメタノールの残量であり、燃料であるメタノールが完全に消費されれば、もはやその燃料タンクを用いて発電することができず、燃料タンクの交換又は燃料の補充をしなければならない。
このように、燃料電池セルに供給される燃料と水とを個別に貯蔵した燃料タンクでは、メタノールを使いきっても水が残る場合が起こってくる。このことは、消費者から見ればタンク内に液体が残っているにもかかわらず、燃料切れで発電することができなくなることとなり、このことを理解しない消費者にとっては、タンク内に液体が残っているにもかかわらず発電できないということから電池又は電器機器の故障と認識するという混同を生じ、市場トラブルの原因となる。この消費者の混同を防止するためには、メタノールの残量が無くなったときに水がタンク内に残らないようにすることが必要である。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、例えばメタノール等の液体燃料をアノードに直接供給しながら発電する燃料電池に用いられる燃料と水とを分離して格納する燃料電池タンクにおいて、小型に構成することができるとともに、燃料の残量が無くなったときにタンク内に水が残らない燃料タンク及び燃料電池システムを提供することである。
本発明の第1態様によれば、内部を燃料室と水室とに区画する仕切り部材を有し、前記燃料室に発電セルに用いられる液体燃料よりも濃度の高い燃料を貯蔵する燃料電池用燃料タンクであって、
前記燃料室及び水室は前記発電セルのアノードに、前記燃料室に貯蔵された前記液体燃料を給送する前記燃料室に連通する燃料給送口と前記水室に貯蔵された水を給送する水室に連通する水給送口とをそれぞれ備え、
前記仕切り部材は、前記水室に貯蔵された水を前記燃料室に浸透可能な半透膜で構成された浸透部を備える燃料電池用燃料タンクを提供する。
本発明の第2態様によれば、前記半透膜はセロファン膜である第1態様の燃料電池用燃料タンクを提供する。
本発明の第3態様によれば、第1又は第2態様の燃料電池用燃料タンクと、
燃料を酸化するアノードと、酸素を還元するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された電解質膜とを有する発電セルと、
前記燃料タンクの水給送口と連結可能に構成され、前記燃料タンクの水室と発電セルのアノードとを連結する水供給管と、
前記燃料タンクの燃料給送口と連結可能に構成され、前記燃料タンクの燃料室と前記発電セルのアノードとを連結する燃料供給管と、
前記発電セルのカソードから生成される水を前記水供給管を介して前記発電セルのアノードに給送する水連結配管と、
前記発電セルのアノード内の燃料の濃度を測定する濃度測定装置と、
前記水給送口から給送される水の量及び燃料給送口から給送される燃料の量を調整する給送量調整装置と、
前記濃度測定装置により測定された前記アノード内の燃料の濃度と前記カソードから生成される水の量に基づいて前記アノード内の燃料の濃度が所定の値になるように前記給送量調整手段を制御する制御手段を備える燃料電池システムを提供する。
本発明の第4態様によれば、前記水給送配管及び発電セルのアノードの容積合計は、前記燃料タンクの水室の容量よりも小さく構成されている第4態様の燃料電池システムを提供する。
本発明の第5態様によれば、前記燃料タンクは、未使用時には、前記水室にはその容量よりわずかに少ない水が貯蔵され、前記燃料室にはその容量の燃料が充填されること第3又は第4態様の燃料電池システムを提供する。
本発明の第6態様によれば、第4又は第5態様の燃料電池システムの発電電力を主電力として使用する持ち運び可能な電子機器であって、
前記燃料タンク以外の部材を取り外し不可に搭載するとともに、
前記燃料タンクを取り外し可能に保持する保持部材を有する電子機器を提供する。
第1態様及び第2態様にかかる発明によれば、燃料タンクに水と燃料とを仕切って貯蔵し、仕切り部材に水室に貯蔵された水を燃料室に浸透可能な半透膜で構成された浸透部を有することにより、発電に伴い燃料が消費されると、燃料室に水が浸透する。したがって、燃料の消費と共に水の貯蔵量が減少し、燃料を完全に消費した場合に水室の水の残量もなくなることとなる。また、燃料の消費と共に燃料タンクに貯蔵された燃料の濃度は低くなるが、発電セルに用いられる燃料よりも濃度の高い燃料を用いるため、浸透部を通じて燃料室に移動する水による燃料の希釈はほとんど問題とならない。
第3態様にかかる発明によれば、制御手段により濃度測定装置により測定された濃度になるように給送量調整手段を制御し燃料室及び水室からの給送量を決定することができる。また、燃料タンクに貯蔵された水により燃料を希釈することができるため、カソードからの水が生成しない初期起動時において水不足を起こすことがない。
第4態様にかかる発明によれば、カソードからの水の供給がない燃料電子システムの初期起動時において、燃料を希釈するための水が不足することがなく、燃料を所定の濃度で発電セルに供給することができる。
第5態様にかかる発明によれば、水室には、容量よりわずかに少ない水が貯蔵されているため、温度変化などによる水の体積膨張によって燃料タンクに余計な圧力がかからないようにすることができると共に、燃料室には完全充填された燃料が貯蔵されているため、未使用時には燃料室に水が浸透せず、燃料室の燃料が希釈されることがない。すなわち、燃料タンクの使用により燃料室の燃料が消費され空間が形成されると、燃料室に水室の水が浸透する。したがって、未使用時において水室の水が少なくなることがなく、たとえば、初期起動時において、燃料希釈用の水が不足することがない。
第6態様にかかる発明によれば、耐久材である発電セルの配管を電子機器本体に、消費材である水と燃料を交換可能な外部供給部材とすることができ、燃料電池を主たる電源として電子機器システムを非常に安価に構築することができる。
以下、本発明の各実施形態に係る燃料電池システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料の持つ化学エネルギーを電気化学的に電気エネルギーに変換して発電を行なう発電部である発電セル2と、この発電に必要な燃料等を発電セル2に供給する等の補機系とを備えている。
発電セル2は、有機系の液体燃料の一例であるメタノール水溶液を燃料とし、このメタノールから直接的にプロトンを取り出すことにより発電を行なう直接型メタノール燃料電池(DMFC)である。図1に示すように、発電セル2は、アノード(燃料極)3、カソード(空気極)5、及び膜電極組立体4を備えている。アノード3は、供給されるメタノールに対して酸化反応を行ない、プロトンと電子を取り出す反応(アノード反応)を行なう。当該電子は、アノード3とカソード5とを電気的に接続する外部回路(図示なし)を通してカソード5へ移動し、当該プロトンは、膜電極組立体4を通してカソード5へ移動する。また、カソード5は、外部から供給される酸素と、アノード3より膜電極組立体4を通して移動してきたプロトンを、上記外部回路を通して流れてきた電子で還元して、水を生成する反応(カソード反応)を行なう。このようにアノード3にて酸化反応を、カソード5にて還元反応を夫々行ない、電極線に電子を流すことで発電する。
図2に図1の燃料電システムに用いられる発電セルの概略構成を示す。アノード3は、その内部に上記アノード反応に必要なメタノール水溶液を供給させるための燃料供給口203及び、当該アノード反応により生成された二酸化炭素や、当該反応に用いられなかった残りのメタノール水溶液を上記内部より排出するための排出口205を備えている。
また、カソード5は、上記カソード反応の実施のために用いられる酸素を供給するために、例えば、空気を用い、当該空気をその内部に供給するための空気供給口201と、当該カソード反応にて生成される生成物の一例である水(液相又は気相のいずれの状態、あるいは夫々の状態が混在した状態のいずれの場合をも含む)及び、反応に用いられなかった空気を排出するための排出口202とを備えている。なお、この生成物は水を主成分として含むものであるが、その他に、ギ酸、ギ酸メチル、及びメタノール(後述するクロスオーバーによる)等も含まれる場合がある。
当該電子は、アノード3とカソード5に設けられた電極86、87と電気的に接続する電極線86a,87aを通してカソード3へ移動し、当該プロトンは、膜電極組立体4を通してカソード5へ移動する。また、カソード5は、外部から供給される酸素と、アノード3より膜電極組立体4を通して移動してきたプロトンを、上記外部回路を通して流れてきた電子で還元して、水を生成する反応(カソード反応)を行なう。このようにアノード3にて酸化反応を、カソード5にて還元反応を夫々行ない、電極線86a,87aに電子を流すことで発電する。
発電セル2における膜電極組立体4は、例えば、電解質膜83として、Dupont社製のナフィオン117(商品名)を用い、電解質膜83の一方の表面に、アノード3のアノード触媒82として、炭素系粉末担体に白金とルテニウム、あるいは白金とルテニウムの合金を分散させて担持したものを形成し、他方の表面に、カソード5のカソード触媒84として、炭素系担体に白金微粒子を分散担持したものを形成する。膜電極組立体4の両端には、例えばカーボンペーパーからなる電極兼拡散層81、85を上記アノード触媒82及び上記カソード触媒84の夫々に密着させた後、アノードセパレータ90及びカソードセパレータ80を介してハウジング2xに固定することにより組み上げられる。
図3A及び図3Bは、カソードに用いられるセパレータの構成を示す図である。セパレータ80、90は、厚み方向に扁平な非導電性材料の板状本体80aで構成され、その一方の表面に溝80bが設けられている。以下、カソードを例として説明するが、アノードも同様の組立構造を有する。カソードセパレータ80と膜電極組立体4は、溝が設けられている側の表面をカソード電極兼拡散層85に押圧するように接触し、溝80bとカソード電極兼拡散層85とで囲まれる領域を空気の通路として画定する。カソードセパレータ80の表面に設けられた溝80bは、板状本体80aの上端一方端部と上端他方端部との間を蛇行して設けられている。また、カソードの空気供給口201に接続する導入口80cとカソードの排出口202に接続する排出口80dにつながっているため、カソードの空気供給口201から供給された空気は、導入口80cから溝80bを通り、排出口80dを経由してカソードの排出口202から外部に放出される。
なお、アノード側のセパレータは、後述するようにメタノール及び水を加えてアノード内の燃料の濃度を制御するため、カソード側セパレータのように蛇行した流路構造を取らず、例えば、アノードの下端から上端までを一方向に流れる流路等を備えた断面波形状のセパレータなどを使用する。
次に、燃料電池システム1の上記補機系の構成について説明する。上記補機系の構成としては、発電セル2のアノード3にメタノール水溶液を供給するための補機構成と、カソード5に空気を供給するための補機構成と、カソード5で生成された排出物を回収するための補機構成とが備えられている。
図1に示すように、上記燃料供給のための補機構成としては、メタノール水溶液を液体燃料原液としてアノード3に供給可能に収容する燃料タンク10と、燃料タンク10とアノード3とを接続する燃料供給管71と、燃料供給管71の途中に設けられた燃料ポンプ6と、燃料タンクの水室とアノードを接続する水供給管72と水供給管の途中に設けられた水ポンプ7とを備えている。
燃料タンク10は、図4A及び図4Bに示すように、ポリカーボンで成形加工された容器本体11で構成され、仕切り板102によって、水室100と燃料室101に区画されている。水室100と燃料室101には、それぞれ発電セル2のアノードに水及び燃料を供給する水供給管72及び燃料供給管71に連結する水給送口41、燃料給送口40を備えている。
水室100と燃料室101とを区画する仕切り板102は、容器本体と一体的に構成されたフレーム部103とフレーム部103により固定された浸透部104とを備える。
本実施形態において、燃料室101及び水室100の容積はおのおの100mlとした。燃料室101には使用初期時において液体燃料原液が燃料室101内にほぼ充満する量が貯留されている。液体燃料原液としては、メタノールやエタノール、ジメチルエーテル及びこれらの水溶液などが使用可能であるが、本実施形態では、64wt%のメタノールを用いている。
水室100は使用初期には、純水95mlが封入されている。完全充填しないのは輸送中の温度変化による体積膨張を考慮したものである。水室100の容積は、後述するように、発電セルのアノードの容積及び水供給管72の合計容積よりも大きくすることが好ましく、具体的にはこれらの容積を70mlとしている。
仕切り板102は燃料室101と水室100とを分割するためのものであり、水飲みを透過可能な半透膜で構成された浸透部を有する。浸透部は、厚さ0.13mmの半透膜で構成されており、水室内の水を燃料室内へ浸透可能に構成されている。材料としてはメタノール分子よりも小さい水の分子が透過する隙間を有する高分子材料を使用可能であり、例えば、セロファンなどが使用できる。仕切り板102は、水室100内に貯蔵されている水の量が少なくなっても浸透部104と水とが接触できるように、仕切り板102の大部分が浸透部104となるように構成されている。また、燃料タンクを電子機器に固定する場合に、電子機器の使用時において、水平に2室を仕切るように構成することにより、水の量が少なくなっても水と浸透部とを接触させることができる。
半透膜のセロファンで構成された浸透部104は高濃度メタノール水溶液に水が拡散透過していく作用を有するので、燃料室101の中のメタノールが発電セルに供給され燃料室101に空間が出来ると、水室100の水が拡散される。上記のように、初期状態では、燃料室101は完全充填されているため、水が燃料室101へ拡散・透過していくことはない。発電により燃料室のメタノールが消費され、燃料室101に空間が生じると、その空間の部分に水室100の水が浸透していき、メタノールの濃度勾配により常に水室100の水が燃料室101に供給される構成になっている。
燃料給送口40は、発電セル2のアノード3側に接続する水給送管71と連結可能なコネクタを備えており、非連結時は燃料室101内のメタノールが漏れ出さないようにするとともに、連結時には燃料室101内のメタノールを発電セル2のアノードに給送することができる。このときの液体燃料の給送のための推力は、燃料供給管71に設けられた燃料ポンプ6により創出される。
水給送口41は、発電セル2のアノード3側に接続する水給送管72と連結可能なコネクタを備えており、被連結時は水室100内の水が漏れ出さないようにするとともに、連結時には水室100内の水を発電セル2のアノードに供給可能となる。水給送口41を通って発電セル2に供給される水の量を制御するために、水ポンプ7が設けられている。
図5に水給送口及び燃料給送口に設けられているコネクタの概略構成を示す。コネクタはプラグ部とソケット部とから構成されており、水又は燃料給送口40,41に設けられているコネクタは、水又は燃料の給送管71,72の端に設けられているコネクタと連結可能な組み合わせとなるようになっている。図5(a)はプラグ部を、(b)はソケット部の構造を示す断面図である。図6は結合時の構造を示す断面図である。
プラグ部は、プラグ本体150にバルブ153が進退可能に設けられており、分離時にはバルブ153に設けられたパッキン154で密閉されている。バルブ153はバルブホルダ151によって保持されており、スプリング152によって、バルブ本体150の先端側へ付勢されている。バルブ150の先端155は、パッキン154よりも突出して設けられており、後述するように、ソケット部と連結したときには、ソケット部のバルブ163の先端170と接触してバルブ150が押しこまれ、液体が流動可能となる。
ソケット部は、プラグ部と同様に、ソケット本体160にバルブ163が進退可能に設けられており、分離時にはバルブ163に設けられたパッキン164で密閉されている。バルブ163はバルブホルダ161によって保持されており、スプリング162によって、バルブ本体160の先端側へ付勢されている。
図6に示すように、ソケット部とバルブ部が連結した時はソケット部のスリーブ167をソケットの根本側に動かしたままにプラグ部を押し込むと、スリーブスプリング166の力でスリーブが元の位置に戻り、スチールボール168がロックされて両者が連結する。この時ソケット側のバルブ先端170とプラグ側のバルブ先端155がお互いに押し合って通路が開き液体が流れる構造であり、外部への流体の漏れはOリング165でシールされる。分離させたい時は、ソケットのスリーブ167をソケット側に動かすとスチールボール168が外側へ移動可能となり、ソケット部およびプラグ部のバルブスプリング152、153の反力でプラグがソケットから分離する。分離と同時にソケット側およびプラグ側ともにバルブが閉まり液体の流れを止める。このため、切り離している時も接続しているときも液体の漏れを防ぎ安全に燃料補給をすることができる。
また、例えば燃料タンク2の水給送口41にはプラグ形状、燃料供給口40にはソケット形状のものを用い、水給送管72の端部のコネクタ125にはソケット形状、燃料給送管71の端部のコネクタ126にはプラグ形状のものを用いることにより、燃料タンクを取り付ける組み合わせが一通りに決まり、メタノールを水給送管72に供給するような問題を防止することができる。
水給送管及び燃料給送管には、それぞれ流動する液体が逆流しないように逆止弁12a,12bが設けられており、燃料給送管71と水給送管72とは合流し、メタノールと水とが混合した状態でアノードに到達する。アノード3内のメタノール濃度を測定するためにアノード内には濃度センサ16が設けられている。
発電セルのアノード内のメタノールを所定の濃度とするために、燃料ポンプ6及び水ポンプ7を制御する燃料制御部15が設けられている。燃料制御部15は、濃度センサ16により検出されたアノード内のメタノール濃度に基づいて、アノード内のメタノール水溶液が所定の濃度となるように、水ポンプ7及び燃料ポンプ6を制御する。制御例としては、例えば、アノード内のメタノール水溶液の濃度が所定範囲を越えている場合は、水の給送量を多くするように水ポンプを駆動させる、又は、燃料室からの燃料を少なくするように燃料ポンプを駆動させるなどの制御を行い、メタノール濃度を低くするように制御する。一方、アノード内のメタノール濃度が下がれば高濃度である燃料(メタノール)を供給し、供給しすぎて濃度が上がりすぎると水を供給する。
次に、上記空気供給の補機構成としては、カソード5の空気供給口201にその一端が接続された酸素供給用通路の一例である空気供給管73と、空気供給管73の途中に配置され、空気供給管73を通して、空気をカソード5内に供給する酸素供給装置の一例(あるいは空気供給ポンプの一例)である空気ポンプ8とが備えられている。この空気ポンプ8としては、小型でかつ消費電力が小さいものを用いることが好ましく、例えば、モータ式ポンプ(逆止弁付、吐出量:0〜2L/分、吐出圧力:30kPa)を用いており、使用時は、例えば、1L/分で空気を供給する。また、発電セル2にて発電が行なわれる際に、空気ポンプ8が駆動されてカソード5内に必要な酸素が供給され、当該発電が停止されるときには、空気ポンプ8の駆動が停止されることとなる。なお、発電停止の際には、燃料ポンプ6及び水ポンプ7が停止することにより、燃料の供給も停止される。
上記水を回収するための補機構成としては、カソード5の排出口202と、水給送管72とをそれぞれ連結する水連結配管74を備える。カソード5にて生成された水は、水給送管72に送られ、水給送管を介して再度アノード3に供給されて再利用される。水給送管72を流れる水が水連結配管74に2逆流しないように、水連結配管74には、逆止弁11が設けられている。
水連結配管74における水の流通の推力は、空気ポンプ8の駆動によるカソード5内の加圧により、カソード5内で生成された排出物が排出口202を通して水連結配管74内に送り出されることにより行なわれる。
図1の燃料電池システム1には、夫々の装置や構成機器の動作を制御する制御装置(図示なし)が備えられている。
次に、図1の燃料電池システム1において発電が行なわれる場合の各構成機器の動作について説明する。
まず、図1の燃料電池システム1において、空気ポンプ8が駆動し、空気供給管73、空気供給口201を通してカソード5に空気、すなわち、酸素が供給される。カソードを通った空気は水連結配管74に送り込まれる。
また、水ポンプ7及び燃料ポンプ6が駆動することにより、アノード3にメタノール水溶液が供給される。アノードでは上述のアノード反応が進行し、カソード5においてはカソード反応が進行する。これにより、アノード3とカソード5との間、すなわち、発電回路に電力が発生する。アノード3にて上記アノード反応が進行することにより生成された二酸化炭素は、排出口205を通して、外部に放出される。
一方、カソード5で反応が行なわれることにより生成された水と空気を含む排出物は、カソード5内が空気ポンプ8により加圧されていることにより、排出口202を通して水連結配管74に送り出される。一方アノードでは、上記発電が行なわれることにより、アノード3内のメタノール水溶液メタノール及び水が消費される。
燃料電池システムの動作に関して、まず燃料電池システム1を初期起動する場合を説明する。燃料電池システムの初期起動時には、発電セル2のアノード3及び水供給管72には空気が充満しているだけで、燃料は入っていない。この状態は電子機器を長期間使用しなかった場合も同じである。例えば、工場で出荷検査を行ったときに燃料を供給して動作確認を行った後でも、長期間保存状態で待機していると、発電セルの気液分離膜から燃料の蒸発作用が起きてほぼ燃料供給管71内の燃料は蒸発しきっているのが普通である。したがって、ここでの初期起動には、長期間保存状態での待機時を含むものとする。
なお、初期起動時におけるメタノール及び水の供給を可能とするため、このアノード3と水供給管72の容積は外部供給される燃料タンクの水の容積より若干少なくなるように設計し、本実施例では、このアノード3とそれに至る水供給管72の合計の容積を70mlとした。
初期起動に際しては、まず燃料タンク10の水供給口41に水供給路のコネクタ125を接続し、水ポンプ7で水を60ml汲み上げ、アノード3に供給し、遅れて燃料タンク10の燃料供給口40に燃料供給管71のコネクタ126を接続して燃料ポンプ6でメタノールを約10ml汲み上げ、アノード3に供給した。
その結果、アノードでは約5wt%のメタノール水溶液が供給され、アノードの触媒作用により水素の電子とイオンが分離され、イオンが膜電極組立体4を通り、電子が電子機器の電子回路に流れることにより発電が開始する。
電子機器の使用する発電電力に対して、例えば、毎分0.3mlのメタノールを燃料タンクの燃料室101から供給してイオン化することにより必要な電力を得ることができる。このときこの消費したメタノールとほぼ3倍の水がカソード5の中で発生するため、その水をアノードに供給して再利用することにより、起動以後の燃料タンクからの水の供給は、理論的には不要となる。しかし反応によって生成された水は気体であり、冷却して液体にする必要がある。メタノールがクロスオーバーしてカソード側で酸化するために発生する熱、メタノールの水とで炭酸ガスを発生する反応熱、カソードでの水を生成する反応熱などにより発電セルは60度以上の高温になっているために、冷却効率を出来るだけ上げて、少なくとも1/3の水をアノードに供給して再利用する。もし1/3以下の効率で水が回収される場合は、燃料タンクの水室の水をアノードに供給する必要がある。
メタノールの消費により形成される空間には、連続的に水室から水が浸透する。このときの燃料タンク10の水室と燃料室に貯蔵される流体の容積の時間変化の説明図を図7に示す。一般的にメタノール100mlを貯蔵し、10数W出力であれば、燃料タンクのメタノールは、数時間維持されるために、メタノールが完全に消費されるよりも前に水が浸透部を通って燃料室に浸透するには十分である。
起動時直前には、メタノール100mlと水95mlが燃料タンク10に貯蔵されていたが、起動準備で燃料を本体に導入することにより、メタノールは90ml及び、水35mlが燃料タンクに残存する。その後、燃料タンクからメタノールが供給され、水はカソードから発生したものでほぼ十分であるため、燃料タンクの水は、ほぼ35ml残ることとなる。
燃料タンク10のメタノールと水の仕切り板102が半透膜で構成されているため、メタノールの消費により燃料室101に生じる空間に水室100に残存した水が浸透する。このように、メタノールの消費に応じて水室100に残存する水が燃料室101に移動するため、燃料室のメタノールの消費に伴い、水室に残存する水の量が減少する。その結果、燃料タンクのメタノールを完全に消費したときには、水室の水も残らないこととなる。なお、上記のように、アノードに供給されるメタノール水溶液(約5wt%)に対して、燃料室に著像されるメタノール(約64wt%)が十分高濃度であるため、水室100から浸透した水によって希釈された場合でも、燃料タンクのメタノールを用いて発電することにほとんど影響を及ぼさない。
次に、燃料タンクが電子機器使用状態の途中で燃料切れが生じた場合など、発電中断に時間が短い場合について説明する。例えば、燃料タンクのメタノールを完全に消費し、燃料切れをおこした場合、燃料タンクは即時新しい満タンに充填された燃料タンクと交換することとなる。この場合は、発電セル2のアノード3中の燃料を廃棄することなく、新しい燃料タンクのメタノールだけを供給すれば十分で、不要な発電の停止を選択する必要がない。
したがって、メタノールの消費は、毎分約0.3mlであり、消費したメタノールの分水が燃料室101に浸透する。すなわち、メタノールが消費していけば、その空間部分に水が透過・拡散していき水の残分が残ることはない。ただし、初期起動時の場合と異なり、アノードで消費される水の補給として空気室で生成される水の再利用の割合を燃料タンク10の水の容積分少なくすることが好ましく、これらは燃アノード3のメタノール水溶液の濃度管理と水供給管72及び燃料供給管71を流動する流体の量を水及び燃料ポンプ6、7の駆動能力を制御することにより達成される。なおこの場合も、アノードに供給されるメタノール水溶液(約5wt%)に対して、燃料室に著像されるメタノール(約64wt%)が十分高濃度であるため、水室100から浸透した水によって希釈された場合でも、燃料タンクのメタノールを用いて発電することにほとんど影響を及ぼさない。
これらの動作が連続的にかつ繰り返して行なわれることにより、発電セル2にて必要な電力量(所定の電力量)の発電が継続的に行なわれる。一方、燃料電池システム1にて発電を停止する際には、空気ポンプ8を停止するとともに、燃料制御部15の停止と共に燃料ポンプ6及び水ポンプ7も停止する。
図8は、図1燃料電池システムをノート型パーソナルコンピュータ用の電池として用いる場合の模式斜視図である。本実施形態の燃料電池システム1は、燃料タンクに高濃度の燃料を貯蔵することにより燃料タンクを小型に構成することができ、また、カソードからの水を再利用するため水分の外部放出がなく、携帯電子機器などに好適に用いることができる。図8に示すように燃料電池システム1は、燃料タンク10のみをビスなどの手段によりパーソナルコンピュータ本体200に取り外し可能に固定する一方、燃料電池システム1の他の構成部品をパーソナルコンピュータ本体内に搭載することにより、耐久財である発電セル及び配管を電子機器本体に、消費材である水と燃料を交換可能な外部供給部材とすることができ、燃料電池を主たる電源とするコンピュータを非常に安価に構築することができる。また、小型に構成することができるため、ノート型パーソナルコンピュータの本体に付属させた場合であっても、携帯の邪魔にならず好適に用いることが可能となる。
以上のように燃料タンクを電子機器に取付可能に構成する一方、発電セル及び他の補機の搭載を電子機器に搭載する構成をとることにより、燃料電池を構成する部分の体積を効率よく小型に設計できる。
また、水が燃料側に浸透可能な半透膜で構成された浸透部を有する仕切り板で燃料タンクを仕切ることにより、主たる燃料のメタノールが完全に消費された時点で水が無くなっているという明快な残量表示が可能である。
燃料タンク内の水は、発電セルで生じるクロスオーバーの対策のために、アノードのメタノール濃度を下げるだけの水の量で十分である。そのためにアノード3と水供給管72の容積の総和にほぼ匹敵する容積の水を燃料タンク10に貯蔵した。現在の触媒・イオン透過膜の性能からすると、5wt%前後が燃料として最適なメタノール濃度であるので、水60mlと50%mol濃度のメタノールを10ml供給した例を示したがこれに限るものではない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
上記実施の形態において、拡散層にはカーボンペーパーを使用しているが、他の材料を使用してもよい。例えば、例えばステンレス材料からなる発泡金属を用いることもできる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 図1の燃料電池システムに用いられる発電セルの概略構成を示す図である。 図1の発電セルのカソードに用いられるカソード側セパレータの構成を示す平面図である。 図3AのA−A’断面図である。 図1の燃料電池システムに用いられる燃料タンクの構成を示す外観斜視図である。 図1の燃料電池システムに用いられる燃料タンクの構成を示す断面図である。 図13の燃料タンクと燃料供給管及び水供給管の連結に用いられるコネクタの具体例を示す断面図であり、(a)はプラグ部、(b)はソケット部である。 図5のプラグ部とソケット部が連結した状態の図11の接続器の断面図である。 図1の燃料電池システムの初期起動時における水室及び燃料室の容量の経時変化を示すグラフである。 図1の燃料電池システムを燃料電池パックとして、ノート型パーソナルコンピュータ用の電池として用いる場合の模式斜視図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 発電セル
3 アノード
4 膜電極組立体
5 カソード
6 燃料ポンプ
7 水ポンプ
8 空気ポンプ
10 燃料タンク
40 燃料給送口
41 水給送口
71 燃料供給管
72 水給送管
73 空気供給管
74 水連結配管
100 水室
101 燃料室
102 仕切り板
103 フレーム部
104 浸透部

Claims (6)

  1. 内部を燃料室(101)と水室(100)とに区画する仕切り部材(102)を有し、前記燃料室(101)に発電セル(2)に用いられる液体燃料よりも濃度の高い燃料を貯蔵する燃料電池用燃料タンクであって、
    前記燃料室(101)及び水室(100)は前記発電セル(2)のアノード(3)に、前記燃料室(101)に貯蔵された前記液体燃料を給送する前記燃料室に連通する燃料給送口(40)と前記水室(100)に貯蔵された水を給送する水室に連通する水給送口(41)とをそれぞれ備え、
    前記仕切り部材(102)は、前記水室(100)に貯蔵された水を前記燃料室(101)に浸透可能な半透膜で構成された浸透部(104)を備えることを特徴とする、燃料電池用燃料タンク。
  2. 前記半透膜はセロファン膜であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用燃料タンク。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料電池用燃料タンク(10)と、
    燃料を酸化するアノード(2)と、酸素を還元するカソード(5)と、前記アノードと前記カソードとの間に配置された電解質膜(4)とを有する発電セル(2)と、
    前記燃料タンク(10)の水給送口(41)と連結可能に構成され、前記燃料タンクの水室(100)と発電セルのアノード(3)とを連結する水供給管(72)と、
    前記燃料タンク(10)の燃料給送口(40)と連結可能に構成され、前記燃料タンク(10)の燃料室(101)と前記発電セルのアノード(3)とを連結する燃料供給管(71)と、
    前記発電セルのカソード(5)から生成される水を前記水供給管(72)を介して前記発電セルのアノード(3)に給送する水連結配管(74)と、
    前記発電セルのアノード(3)内の燃料の濃度を測定する濃度測定装置(16)と、
    前記水給送口(41)から給送される水の量及び燃料給送口(40)から給送される燃料の量を調整する給送量調整装置(6、7)と、
    前記濃度測定装置(15)により測定された前記アノード(3)内の燃料の濃度と前記カソード(5)から生成される水の量に基づいて前記アノード(3)内の燃料の濃度が所定の値になるように前記給送量調整手段(6、7)を制御する制御手段(15)を備えることを特徴とする、燃料電池システム。
  4. 前記水給送配管(71)及び発電セルのアノード(3)の容積合計は、前記燃料タンク(10)の水室(100)の容量よりも小さく構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料タンクは、未使用時には、前記水室(100)にはその容量よりわずかに少ない水を貯蔵し、前記燃料室(101)にはその容量の燃料を充填されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  6. 請求項3から5のいずれか1つに記載の燃料電池システムからの発電電力を主電力として使用する持ち運び可能な電子機器であって、
    前記燃料タンク(10)以外の部材を取り外し不可に搭載するとともに、
    前記燃料タンク(10)を取り外し可能に保持する保持部材を有することを特徴とする電子機器。
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