JP2005222205A - 無線タグ情報通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、シールド環境の構築や小出力化・識別通信等の手法を必要とせず、簡易な構造かつ簡便な手法により対象の無線タグ回路素子に対してのみ情報の読み取り又は書き込みを行う。
【解決手段】無線タグ回路素子Toを複数収納するとともに順次取り出し可能に構成された第1ロール102と、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成する高周波回路21と、生成したアクセス情報を無線通信によりタグ側アンテナ152に伝達する指向性アンテナ14と、第1ロール102から順次取り出した無線タグ回路素子Toを所定のアクセスエリアに保持する主搬送ガイド13とを有し、この主搬送ガイド13は、指向性アンテナ14の指向性方向側に配置され、第1ロール102は、指向性アンテナ14の反指向性方向側に配置される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線通信により外部と情報の授受が可能な無線タグに備えられた無線タグ回路素子に対して、外部より情報の読み取り又は書き込みを行う無線タグ情報通信装置に関する。
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Ratio Frequency Identification)システムが知られている。例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
例えば、このような無線タグ回路素子に対し情報の書き込みを行うライタ(書き込み装置)としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、所定間隔で長方形状のラベルが貼り付けられた帯状の用紙が搬送路を搬送される際に、各ラベルに貼り付けられた無線タグ回路素子側に対し、装置側で生成した所定の情報を送信することにより、無線タグ回路素子のIC回路部に対して順次書き込みが行われる。
特開2002−230499号公報(段落番号0012〜0021、図1及び図2)
無線タグとの通信においては、その周波数帯域として、従来、古くから利用されている125KHz帯、利用実績が多い13.56MHz帯等が用いられてきた。しかしながら、これらの帯域を用いたものでは通信距離が短いため、無線タグとしての用途が限られてしまうという難点があった。そこで、今後は、通信距離が長く、周波数帯域として、欧米で多く利用されているUHF帯等(830〜930MHz帯、2.45GHz帯等)の高周波の利用が考えられつつある。
上記従来技術においては、このような高周波帯を利用する場合についてまで特に配慮されていないため、そのままでは、通信距離が長くなることによって本来の情報書き込み対象である無線タグ回路素子のみならず、後続の他の無線タグ回路素子のIC回路部にまで情報が書き込まれてしまう可能性があった。このため、仮にこれを防止しようとすれば、例えば、送信出力を小さくして極近傍のタグのみと通信可能とするか、シールドされた環境にて書き込み対象タグ回路素子への通信を行うか、先にそのタグ回路素子を識別するための通信を別途行い通信対象を特定した後に情報書き込みのための通信を行うようにする、等の方策が必要であった。
また、無線タグ回路素子からの読み取りの際においても、上記同様、そのままでは、通信距離が長くなることによって本来の情報読み取り対象である無線タグ回路素子のみならず、後続の他の無線タグ回路素子のIC回路部の情報が読み出されてしまう可能性があり、これを防止するために同様の方策が必要であった。
本発明の目的は、UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、シールド環境の構築や小出力化・識別通信等の手法を必要とせず、簡易な構造かつ簡便な手法により読み取り又は書き込み対象の無線タグ回路素子に対してのみ情報の読み取り又は書き込みを行うことができる無線タグ情報通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明は、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子を複数収納するとともに順次取り出し可能に構成された無線タグ回路素子収納手段と、前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、無線通信により非接触にて前記タグ側アンテナに伝達し、前記IC回路部の前記無線タグ情報にアクセスを行う指向性アンテナと、前記無線タグ回路素子収納手段から順次取り出した前記無線タグ回路素子を、前記指向性アンテナから前記無線タグ情報にアクセスするための所定のアクセスエリアに保持する無線タグ回路素子保持手段とを有し、この無線タグ回路素子保持手段は、前記指向性アンテナの指向性方向側に配置されており、前記無線タグ回路素子収納手段は、前記指向性アンテナの反指向性方向側に配置されていることを特徴とする。
無線タグ回路素子に対する読み取り又は書き込みの際には、アクセス情報生成手段で生成されたアクセス情報が、装置側の指向性アンテナから非接触で無線タグ回路素子のタグ側アンテナを介しIC回路部側に伝達され、これによってIC回路部の無線タグ情報へのアクセスが行われる。そして、ある一方向への指向性を備えた指向性アンテナの指向性方向側に無線タグ回路素子保持手段を設けアクセスエリアを形成するとともに、複数の無線タグ回路素子を収納した無線タグ回路素子収納手段を指向性アンテナの指向性と反対側に配置する。これにより、アクセスエリアに保持された無線タグ回路素子に対しては装置側の指向性アンテナからのアンテナ感度が高く無線通信信号の強度が大きくなる一方、無線タグ回路素子収納手段に収納された無線タグ回路素子や排出口方向に対しては装置側の指向性アンテナからのアンテナ感度が低く無線通信信号の強度が低減される。この結果、無線タグ回路素子収納手段から取り出された後、無線タグ回路素子保持手段に保持された無線タグ回路素子のIC回路の無線タグ情報にのみアクセス可能となる(放射を行う)。したがって、UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、簡易な構造かつ簡便な手法により読み取り対象又は書き込み対象の無線タグ回路素子にのみ無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行うことができ、シールド環境の構築や小出力化・識別通信等の手法を必要としない。
第2の発明は、上記第1発明において、前記指向性アンテナは、一方側にマイクロストリップアンテナ素子を備え他方側に地板を備えたマイクロストリップアンテナであることを特徴とする。
これにより、マイクロストリップアンテナ素子及び地板を備えたマイクロストリップアンテナのアンテナ素子側への指向性を利用して、読み取り対象又は書き込み対象の無線タグ回路素子にのみ無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行うことができる。
第3の発明は、上記第2発明において、前記無線タグ回路素子保持手段は、前記マイクロストリップアンテナ素子側に配置されており、前記無線タグ回路素子収納手段は、前記地板側に配置されていることを特徴とする。
指向性方向であるマイクロストリップアンテナ素子側に無線タグ回路素子保持手段を配置し、指向性方向と反対側の地板側に無線タグ回路素子収納手段を配置することにより、確実に読み取り対象又は書き込み対象の無線タグ回路素子にのみ無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行うことができる。
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記マイクロストリップアンテナ素子は、前記無線タグ回路素子が前記アクセスエリアに保持された状態での前記タグ側アンテナの長手方向に沿った方向における寸法が、当該タグ側アンテナの長手方向寸法よりも小さいことを特徴とする。
近接して配置されたマイクロストリップアンテナ素子とタグ側アンテナとの間で信号の授受を行う場合、指向性方向においてマイクロストリップアンテナ素子のうちタグ側アンテナの長手方向寸法より長い部分の放射は、タグ側アンテナと授受されずに漏れやすいため信号の授受にあまり寄与しない。本願第4発明においては、これに対応して、アンテナ素子の上記長手方向寸法をタグ側アンテナより短くすることで、効率よく信号の授受を行うことができる。
第5の発明は、上記第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記無線タグ回路素子保持手段より前記指向性方向側に、無線通信信号の強度を低減するシールド手段を設けたことを特徴とする。
これにより、指向性アンテナと無線タグ回路素子保持手段に保持されたタグ側アンテナとの信号授受を確保する一方で、それよりもさらに指向性方向側への信号の放射をブロックし、装置外部への漏れを低減できる。
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれか1つにおいて、前記アクセスエリアにて前記IC回路部の前記無線タグ情報へのアクセスが終了した前記無線タグ回路素子を装置外へと排出する排出口を有することを特徴とする。
これにより、アクセスエリアにてIC回路部の無線タグ情報の読み取り処理あるいは書き込み処理が終了した無線タグ回路素子を、円滑に装置外へと排出することができる。
第7の発明は、上記第6発明において、前記排出口は、前記指向性アンテナよりその指向性方向と略直角方向に配置されていることを特徴とする。
排出口を指向性アンテナからの信号強度が弱くなる指向性方向と略直角方向に配置することにより、装置外部への信号の漏れを抑制できる。
第8の発明は、上記第6又は第7発明において、前記排出口は、前記指向性アンテナより、その電界強度が前記指向性アンテナの指向性方向における電界強度より10dB以上小さくなる方向に配置されていることを特徴とする。
排出口を指向性アンテナからの指向性方向と電界強度が10dB以上小さくなる方向に配置することにより、確実に装置外部への信号の漏れを抑制できる。
第9の発明は、上記第2乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記地板は、その大きさが、前記マイクロストリップアンテナから見た前記無線タグ回路素子収納手段の投影面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする。
これにより、無線タグ回路素子収納手段側へと漏れる信号を確実にブロックして地板による電波の回り込みを少なくすることができる。
第10の発明は、上記第2乃至第4発明及び第9発明のいずれか1つにおいて、前記地板は、前記無線タグ回路素子収納手段の側方側に向かって前記マイクロストリップアンテナ素子と反対側に延設された側壁部を備えることを特徴とする。
地板の側壁部で無線タグ回路素子収納手段を側方側から覆うようにすることで、無線タグ回路素子収納手段側へと漏れる信号をさらに確実にブロックして地板による電波の回り込みを確実に少なくすることができる。
第11の発明は、上記第10発明において、前記地板は、略コの字状形状を備えていることを特徴とする。
略コの字状形状を備えた地板の側壁部で無線タグ回路素子収納手段を側方側から覆うようにすることで、無線タグ回路素子収納手段側へと漏れる信号をさらに確実にブロックして地板による電波の回り込みを確実に少なくすることができる。
本発明によれば、アクセスエリアに保持された無線タグ回路素子に対しては装置側の指向性アンテナからのアンテナ感度が高く無線通信信号の強度が大きくなる一方、無線タグ回路素子収納手段に収納された無線タグ回路素子や排出口方向に対しては装置側の指向性アンテナからのアンテナ感度が低く無線通信信号の強度が低減される。したがって、UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、シールド環境の構築や小出力化・識別通信等の手法を必要とせず、簡易な構造かつ簡便な手法により読み取り又は書き込み対象の無線タグ回路素子に対してのみ情報の読み取り又は書き込みを行うことができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の無線タグ情報通信装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。この実施形態は、本発明を読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、本実施形態による無線タグ情報通信装置(読み取り装置)2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
図2は、上記無線タグ情報通信装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
図2において、無線タグ情報通信装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部にカートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム103(後述の図3参照)に所定の印字(印刷)を行う印字ヘッド(サーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボンを駆動するリボン巻き取りロール駆動軸11と、印字済みタグテープ110をカートリッジ本体100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸12と、印字済タグテープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ14と、上記印字済タグテープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグTを生成するカッタ15と、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグTを案内するための一対の上記主搬送ガイド13と、その案内された無線タグTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグTの有無を検出するセンサ18と、カッタ15と主搬送ガイド13との間に設けられた一対の副搬送ガイド19と、副搬送ガイド19と主搬送ガイド13との間に設けられ印字済タグテープ110の方向を約90°転向させる搬送ローラ20とを有している。
センサ18は、例えば投光器及び受光器からなる透過型の光電センサである。投光器と受光器との間に無線タグTが存在しない場合には、その投光器から出力された光が受光器に入力される。一方、投光器と受光器との間に無線タグTが存在する場合には、投光器から出力された光が遮蔽されて受光器からの制御出力が反転させられるようになっている。
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻き取りロール駆動軸11及びテープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、無線タグ情報通信装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
図3は、カートリッジ100の詳細構造を表す側面図である。
この図3において、カートリッジ100は、帯状の上記基材テープ101(タグテープ;テープ状ラベル素材)が巻回された上記第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された上記第2ロール104と、上記インクリボン105を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻き取る上記リボン巻き取りロール106と、上記基材テープ101とカバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済タグテープ110としつつ矢印で示す方向にテープ送りをする上記テープ送りローラ107とを有している。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが順次形成された上記基材テープ101を巻回しており、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。
リボン巻き取りロール106及びテープ送りローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータであるカートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻き取りロール駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
第1ロール102に巻き回される基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報を記憶するIC回路部151が一体的に設けられており、ベースフィルム101bの裏側の表面にはIC回路部151に接続され情報の送受信を行うアンテナ(アンテナ部、タグ側アンテナ)152が形成されており、これらIC回路部151及びアンテナ152によって無線タグ回路素子Toが構成されている(後述の図5も参照)。
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側には、上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
第2ロール104より巻き出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻き取りロール106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
上記構成において、カートリッジ100が上記装置本体8に装着され上記ローラホルダが離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻き取りロール106及びテープ送りローラ107が矢印で示す方向にそれぞれ同期して自転される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12とサブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴いテープ送りローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から4層構造の基材テープ101が繰り出される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面(=粘着層101a側の面)に所定の文字、記号、バーコード等の印字R(後述の図6(a)参照)が印刷(但し裏面から印刷するので印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷している)される。そして、上記4層構造の基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグテープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻き取りロール駆動軸11の駆動によりリボン巻き取りロール106に巻き取られる。
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(読み取り/書き込みを行う)ための搬送波を発生させる搬送波発生手段として機能する水晶振動子35、PLL(Phase Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記搬送波発生手段により発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する搬送波変調手段として機能する送信側乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信側乗算回路38により変調された変調波を増幅(この例では制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)する変調波増幅手段として機能する送信側アンプ39とを備えている。そして、上記搬送波発生手段により発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信側アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記搬送波発生手段により発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信側第1乗算回路40と、その受信側第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信側第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記搬送波発生手段により発生された後に位相が90°ずらされた搬送波とを掛け合わせる受信側第2乗算回路44と、その受信側第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信側第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
また、受信側第1アンプ43及び受信側第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態の無線タグ情報通信装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
図5は、上記した印字済タグテープ110に備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
この図5において、無線タグ回路素子Toは、無線タグ情報通信装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155(後述)に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記無線タグ情報通信装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの返信信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を反射変調する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図6(a)及び図6(b)は、上記のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグテープ110の切断が完了し形成された無線タグTの外観の一例を表す図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は下面図である。また図7は、図6中VII‐VII′断面による横断面図である。
これら図6(a)、図6(b)、及び図7において、無線タグTは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図7中上側)よりその反対側(図7中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のように ベースフィルム101bの裏側に、IC回路部151及びアンテナ152からなる無線タグ回路素子Toが備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
図8は、上述したような無線タグ情報通信装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(この例では読み取り)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
図8において、この例では、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(この例では読み取り)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作により無線タグ情報通信装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読み出される。
図9は、制御回路30によって実行される制御のうち、無線タグ回路素子ToのIC回路部151からの上記無線タグ情報の読み取り手順を表すフローチャートである。
この図9において、上記無線タグ情報通信装置2の読み取り操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS110において、通信不良等が疑われるときのリトライ(再試行)の回数をカウントする変数Nを0に初期化する。
そして、ステップS120において、「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路52に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス可能範囲(この例では読み取り可能範囲、後述するように本実施形態ではこの範囲が限定される)にある無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
次に、ステップS130において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス可能範囲の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS140において、上記ステップS130で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS150に移ってNに1を加え、さらにステップS160においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS120に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS170に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして読み取りが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS140の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
以上のルーチンにより、アクセス対象である無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスし、これを読み出すことができる。但し、上記動作フローにおいては、印刷動作に伴い主搬送ガイド13を移動中の印字済タグテープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセスするようにした例を示したが、これに限られない。すなわち、その印字済タグテープ110を所定位置で停止させて主搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。
なお、上記のような読み取りの際、生成された無線タグTのIDとその無線タグTのIC回路部151から読み出された情報との対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
以上のような基本構成に対し、本実施形態の無線タグ情報通信装置2の最も大きな特徴は、図2に示すように、アンテナ14として指向性を備えたマイクロストリップアンテナ(指向性アンテナ)を設け、主搬送ガイド13をそのアンテナ14よりその指向性方向側(図2中左側)に配置すると共に、カートリッジ100をアンテナ14より反指向性方向側(図2中右側)に配置したことにある。また主搬送ガイド13のさらにアンテナ14の指向性方向側(図2中左側)には、電波の通信信号強度を低減するシールド手段(シールド板)50を設けている。なお、シールド手段は、電磁波が外部に漏れるのを防げばよいので、網状あるいはストライプ形状、金属メッキ等でも良い。
図10(a)は、アンテナ14の詳細構造を表す側面図であり、図10(b)はその断面図である。
これら図10(a)及び図10(b)において、アンテナ14は、一方側(図中上側)に半径が約半波長の長さとなる円形のマイクロストリップアンテナ素子14Aを備え、他方側(図中下側)に地板14Bを備え、それらに挟まれるように中間に誘電体14Cを備えている。
地板14B及び誘電体14Cの径方向略中央部より約1/4波長離れた位置にはそれぞれ貫通孔14Ba,14Caが備えられており、一端が高周波回路21に接続された(図2参照)アンテナ14への給電線としての同軸ケーブル49の他端側の中心導体49aが、マイクロストリップアンテナ素子14Aの径方向略中央部より約1/4波長離れた位置に設けた給電点Pへと延設され接続されている。なお、マイクロストリップアンテナ素子14Aは正方形であっても良い。
図11は、図2に示した構造のうち主搬送ガイド13及びカートリッジ100等の要部構成を簡潔に概念的に表した図である。
図11において、前述した主搬送ガイド13及びカートリッジ100の配置位置は、主搬送ガイド13がマイクロストリップアンテナ素子14A側、第1ロール102を備えたカートリッジ100が地板14B側に配置されている。特に、マイクロストリップアンテナ素子14Aは、アンテナ152の長手方向に沿った方向における寸法D1が、アンテナ152の長手方向寸法D2よりも小さくなっている。また、搬出口16は、アンテナ14よりその指向性方向と略直角方向(図中上下方向)に位置するように配置されており、地板14Bは、その大きさ(面積)A1が、アンテナ14側から見たカートリッジ100内の第1ロール102の投影面積A2よりも大きくなるように構成されている。
以上において、第1ロール102が、各請求項記載の無線タグ回路素子を複数収納するとともに順次取り出し可能に構成された無線タグ回路素子収納手段を構成し、搬送ガイド13が、無線タグ回路素子収納手段から順次取り出した無線タグ回路素子を、指向性アンテナから無線タグ情報にアクセスするための所定のアクセスエリアに保持する無線タグ回路素子保持手段を構成する。
上記のように構成した本実施形態の動作及び作用を以下に説明する。
この無線タグ情報通信装置2においては、カートリッジ100から印刷済みタグテープ110として取り出され主搬送ガイド13によってアンテナ14に対向する所定位置(アクセスエリア)に設定保持された無線タグ回路素子Toに対し、順次アクセス(この例ではIC回路部151の無線タグ情報の読み取り)が行われる。すなわち、無線タグ情報通信装置2の信号処理回路22で生成されたアクセス情報(前述のScroll All ID信号)は、第1ミキサ38で用いられてVCO37からの搬送波が変調され、さらに送信側アンプ39で増幅された後、アンテナ14から非接触で無線タグ回路素子ToのIC回路部151側に伝達される。このとき、UHF帯等の高周波を用いた無線通信により送受信を行う場合その特性上通信距離が長くなるため、そのままでは本来の情報読み取り対象である主搬送ガイド13に保持された無線タグ回路素子Toのみならず、これより後続の無線タグ回路素子To(すぐ後方に続くカートリッジ100より巻き出された直後の無線タグ回路素子やその他カートリッジ10内に収納された無線タグ回路素子)からも情報が読み出されてしまう可能性がある。
そこで本実施形態の無線タグ情報通信装置2においては、前述のように、アンテナ14としてある一方向への指向性を備えたマイクロストリップアンテナを用いると共に、その指向性方向側に主搬送ガイド13を設けてアクセスエリアを形成するとともに、複数の無線タグ回路素子Toを収納したカートリッジ100を指向性アンテナの指向性と反対側に配置している。これにより、アクセスエリアに保持された無線タグ回路素子Toに対してはアンテナ14からのアンテナ感度が高く無線通信信号の強度が大きくなる(図11中の領域B参照)一方、カートリッジ100内の第1ロール102に収納された無線タグ回路素子Toや排出口16方向に対してはアンテナ14からのアンテナ感度が低く無線通信信号の強度が低減される。この結果、カートリッジ100から取り出された後主搬送ガイド13に保持された無線タグ回路素子ToのIC回路151の無線タグ情報にのみアクセス可能となる(放射を行う)。したがって、UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、上記のように簡易な構造かつ簡便な手法により、従来手法のようなシールド環境の構築や小出力化・識別通信等の手法を必要とすることなく読み取り対象の無線タグ回路素子ToからのみIC回路部151の無線タグ情報の読み取りを行うことができる。
また、特にマイクロストリップアンテナ素子14Aと無線タグ回路素子Toのアンテナ152とが近接している場合、これらの間で信号の授受を行う場合、指向性方向においてマイクロストリップアンテナ素子14Aのうちタグ側アンテナ152の長手方向寸法D2より長い部分からの放射は、タグ側アンテナ152と授受されずに漏れやすいため信号の授受にあまり寄与しない。本実施形態の無線タグ情報通信装置2においては、これに対応し、アンテナ素子14Aの上記長手方向寸法D1をタグ側アンテナ152の寸法D2より短くしているので、効率よく信号の授受を行うことができる。
また、地板14Bの大きさ(面積)A1を、アンテナ14から見た第1ロール102の投影面積A2よりも大きくしている。これにより、カートリッジ100側へと漏れる信号を確実にブロックして地板14Bによる電波の回り込みを少なくすることができる。
さらに、シールド手段50を設けていることにより、アンテナ14と主搬送ガイド13に保持されたタグ側アンテナ152との信号授受を確保する一方で、それよりもさらに指向性方向側への信号の放射をブロックし(図11中の領域B参照)、装置2外部への漏れを低減できる。
また、搬出口16をアンテナ14からの信号強度が弱くなる指向性方向と略直角方向に配置することにより、これによっても装置2外部への信号の漏れを抑制できる。ここで、一般にマイクロストリップアンテナは、例えば、羽石操、平澤一紘、鈴木康夫著「平面・小型アンテナ」、電子情報通信学会、1996年、p.100にも記載されているように、最も電界強度の強い指向性方向(前面側)と、最も電界強度の弱い後面側(背面側)とでは20dB程度の強度差が生じ、その中間の指向性方向と直角方向(横方向)では10dB程度の強度差が生じることが知られている。したがって、少なくとも、上記搬出口16を、その電界強度がアンテナ14の指向性方向における電界強度より10dB以上小さくなる方向(言いかえれば横方向及びこれより背面側)に配置すれば、上記と同様の効果を得られる。
なお、上記実施形態においては、地板14Bは、単純なフラット形状であったが、これに限られず、他の形状でもよい。そのような変形例を図12により説明する。
図12は、別の形状の地板14B′を備える変形例を表す図であり、上記実施形態における図11にほぼ相当する図である。
図12において、この変形例では、地板14B′は略コの字形状をしており、第1ロール102の側方側に向かってマイクロストリップアンテナ素子14Aと反対側に延設された側壁部14B′aを備えている。なお、第1ロール102を内包するカートリッジ100ごと側壁部14B′aで覆うようにしてもよいし、カートリッジ100の筐体3の役割を側壁部14B′aに持たせることで、カートリッジ100を省略してもよい(着脱可能としてもよいし、据え付け式でもよい)。
この変形例では、地板14B′の側壁部14B′aで第1ロール102を側方側から覆うようにすることで、第1ロール102側へと漏れる信号をさらに確実にブロックして地板14B′による電波の回り込みを確実に少なくすることができる効果がある。
また、上記実施形態においては、先に図10に示したように、アンテナ14への信号線である同軸ケーブル49をマイクロストリップアンテナ素子14A、地板14B、誘電体14Cの面方向に対して略直角方向に配設したが、これに限られず、他の接続方法でも良い。
図13は、そのような変形例を表す図であり、図10(a)中C方向から見た図に相当する下面図である。図13において、この変形例では、地板14Bの裏面に略水平方向に溝14Bbが形成され、この溝14Bb内に、地板14Bの給電点Pへ至る給電線49Aが略水平方向に延設(形成)されている。そしてこの給電線49Aの地板14B外縁側に露出した端部に、同軸ケーブル49の中心導体49aが略水平方向から接続されている。
この変形例は、同軸ケーブル49がマイクロストリップアンテナ素子14A、地板14B、誘電体14Cの面方向とほぼ平行に配設されるので、上記実施形態において先に図10を用いて示した構造のような同軸ケーブル49の配設スペースをとれない場合に有効である。
さらに、上記実施形態においては、無線タグ回路素子収納手段として、リール部材102aの周りに、無線タグ回路素子Toが順次形成された上記基材テープ101を巻回した第1ロール102を用いていたが、これに限られず、他の態様でもよい。
例えば、無線タグ回路素子収納手段として略平箱状のトレイ部材(図示省略)を設けてもよい。このトレイ部材の中に、それぞれに1つの無線タグ回路素子Toが形成された平紙状の複数のラベル素材を平積み方向に積層して収納し、例えばトレイ部材の側面に設けた取り出し口より上記平紙状のラベル素材を1枚ずつ引き出すことで、複数の無線タグ回路素子Toを順次取り出せるようにすればよい。
この変形例でも、主搬送ガイド13をアンテナ14よりその指向性方向側に配置すると共に、トレイ部材をアンテナ14より反指向性方向側に配置することで、上記実施形態同様、読み取り対象である無線タグ回路素子Toに対してはアンテナ14からの無線通信信号の強度が強くなる一方、読み取り対象でない無線タグ回路素子Toや排出口16方向に対してはアンテナ14からの(及びアンテナ14への)無線通信信号の強度が大きく低減されるので、同様の効果を得ることができる。
さらに、以上においては、読み取りのみ可能な(書き込みは不可の)無線タグの生成システムに本発明を適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に無線タグ情報の書き込みを行う無線タグの生成システムに本発明を適用してもよい。
この場合、前述した無線タグ情報通信装置2の構成において、高周波回路51はアンテナ14を介し無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へアクセス(書き込み)を行う機能を果たし、その送信部32の水晶振動子35、PLL36、VCO37はIC回路部151の無線タグ情報にアクセス(書き込み)を行うための搬送波を発生させる搬送波発生手段として機能する。また、信号処理回路22はIC回路部151へアクセスするためのアクセス情報(後述する「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等)を生成するアクセス情報生成手段として機能する。
そして、先に図8を用いて説明したように、この場合、前記端末5又は汎用コンピュータ6には、印字文字R、無線タグ回路素子Toのアクセス(この場合は書き込み)ID、物品情報のアドレス、及び対応情報の格納先アドレス等が表示される。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作により無線タグ情報通信装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる。
図14は、この変形例において制御回路30によって実行される制御のうち、無線タグ回路素子ToのIC回路部151への無線タグ情報の書き込み手順を表すフローチャートである。
図14において、上記無線タグ情報通信装置2の書き込み操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS210において、通信不良等が疑われるときのリトライ(再試行)の回数をカウントする変数N,Mをそれぞれ0に初期化する。
そして、ステップS220において、「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス対象(この例では書き込み対象)の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
次に、ステップS230において、「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS240において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS250において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS260に移ってMに1を加え、さらにステップS270においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS280に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS250の判定が満たされた場合、ステップS290に移り、「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で本来書き込みたい所定の情報であるアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に上記所定の情報が書き込まれる。
その後、ステップS300において、「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS310において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS320において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
判定が満たされない場合はステップS330に移ってNに1を加え、さらにステップS340においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS290に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS280に移り、同様に上記端末5又は汎用コンピュータ6に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
ステップS320の判定が満たされた場合、ステップS350に移り、「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止し、このルーチンを終了する。
以上のルーチンにより、書き込み対象の無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し、所望の情報(無線タグ情報)を書き込むことができる。
以上のようにIC回路部151への無線タグ情報の書き込みを行う基本構成及び機能に対し、前述した実施形態あるいはその変形例における第1ロール102又はトレイ部材と無線タグ情報通信装置2のアンテナ14及び搬送ガイド13との相互位置関係を適用することにより、書き込み対象である無線タグ回路素子Toに対してはアンテナ14からの無線通信信号の強度が強くなる。その一方、書き込み対象でないカートリッジ100等に収納された又は取り出し直後の無線タグ回路素子Toや排出口16方向に対してはアンテナ14からの(及びアンテナ14への)無線通信信号の強度が大きく低減され、無線タグ回路素子Toにのみ通信可能となる。したがって、前述と同様、UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、上記のように簡易な構造かつ簡便な手法により、従来手法のようなシールド環境の構築や小出力化・識別通信等の手法を必要とすることなく書き込み対象の無線タグ回路素子Toに対してのみIC回路部151へ無線タグ情報の書き込みを行うことができる。
さらに、以上において、カートリッジ100やトレイ部材のような無線タグ情報通信装置本体側に着脱可能なものに限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型のものを用いてもよい。この場合も同様の効果を得る。
また、以上は、無線タグ情報通信装置2は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行うと共に、サーマルヘッド10によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷(印字)を行うものであったが、この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み取り又は書き込みのみを行うものであっても構わない。
また、主搬送ガイド13とシールド手段50、あるいはアンテナ14と主搬送ガイド13が一体になっていても良い。この場合、通信条件の変動が少なくなるという効果が得られる。
さらに、アンテナ14と主搬送ガイド13との間の間隔より、シールド手段50と主搬送ガイド13との間隔を大きくすれば、タグ通信位置に置かれたときのシールド手段50の影響が小さくなるため、より安定した通信が可能になる。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の一実施形態による無線タグ情報通信装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。 図1に示した無線タグ情報通信装置の詳細構造を表す概念的構成図である。 図2に示したカートリッジの詳細構造を表す側面図である。 図2に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。 無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。 完成された無線タグの外観の一例を表す上面図及び下面図である。 図6中VII‐VII′断面による横断面図である。 無線タグ情報へのアクセスに際し、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。 図2に示した制御回路の実行する無線タグ情報の読み取り手順を表すフローチャートである。 図2に示したアンテナの詳細構造を表す側面図及び断面図である。 図2に示した構造のうち主搬送ガイド及びカートリッジ等の要部構成を簡潔に概念的に表した図である。 別の形状の地板を備える変形例を表す図である。 アンテナへの信号線の接続態様に関する変形例を表す、図10(a)中C方向から見た図に相当する下面図である。 書き込みを行う変形例において制御回路によって実行される無線タグ情報の書き込み手順を表すフローチャートである。
符号の説明
2 無線タグ情報通信装置
13 主搬送ガイド(無線タグ回路素子保持手段)
14 アンテナ(指向性アンテナ)
14A マイクロストリップアンテナ素子
14B 地板
14B′ 地板
14B′a 側壁部
16 搬出口(排出口)
21 高周波回路(アクセス情報生成手段)
50 シールド手段
102 第1ロール(無線タグ回路素子収納手段)
151 IC回路部
152 アンテナ(マイクロストリップアンテナ、タグ側アンテナ)
To 無線タグ回路素子

Claims (11)

  1. 所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子を複数収納するとともに順次取り出し可能に構成された無線タグ回路素子収納手段と、
    前記IC回路部の無線タグ情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、
    このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、無線通信により非接触にて前記タグ側アンテナに伝達し、前記IC回路部の前記無線タグ情報にアクセスを行う指向性アンテナと、
    前記無線タグ回路素子収納手段から順次取り出した前記無線タグ回路素子を、前記指向性アンテナから前記無線タグ情報にアクセスするための所定のアクセスエリアに保持する無線タグ回路素子保持手段とを有し、
    この無線タグ回路素子保持手段は、前記指向性アンテナの指向性方向側に配置されており、
    前記無線タグ回路素子収納手段は、前記指向性アンテナの反指向性方向側に配置されていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  2. 請求項1記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記指向性アンテナは、一方側にマイクロストリップアンテナ素子を備え他方側に地板を備えたマイクロストリップアンテナであることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  3. 請求項2記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記無線タグ回路素子保持手段は、前記マイクロストリップアンテナ素子側に配置されており、
    前記無線タグ回路素子収納手段は、前記地板側に配置されていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  4. 請求項2又は3記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記マイクロストリップアンテナ素子は、前記無線タグ回路素子が前記アクセスエリアに保持された状態での前記タグ側アンテナの長手方向に沿った方向における寸法が、当該タグ側アンテナの長手方向寸法よりも小さいことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記無線タグ回路素子保持手段より前記指向性方向側に、無線通信信号の強度を低減するシールド手段を設けたことを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記アクセスエリアにて前記IC回路部の前記無線タグ情報へのアクセスが終了した前記無線タグ回路素子を装置外へと排出する排出口を有することを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  7. 請求項6記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記排出口は、前記指向性アンテナよりその指向性方向と略直角方向に配置されていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  8. 請求項6又は7記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記排出口は、前記指向性アンテナより、その電界強度が前記指向性アンテナの指向性方向における電界強度より10dB以上小さくなる方向に配置されていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  9. 請求項2乃至4のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記地板は、その大きさが、前記マイクロストリップアンテナから見た前記無線タグ回路素子収納手段の投影面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  10. 請求項2、3、4、及び9のいずれか1項記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記地板は、前記無線タグ回路素子収納手段の側方側に向かって前記マイクロストリップアンテナ素子と反対側に延設された側壁部を備えることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  11. 請求項10記載の無線タグ情報通信装置において、
    前記地板は、略コの字状形状を備えていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
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