JP2005221797A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
プラズマディスプレイ装置が発生する電磁波による不要輻射の低減策には、近年のデジタル機器同様に、機器全体の電磁シールド実施等の多大なコストを要することが多く、より低コストで効果的な低減策が求められている。
【解決手段】
本発明では、上記課題を解決するために、パネル電流経路中にループ構造を設け、このループ構造により発生する磁界の向きを、維持放電時のインパルス電流により発生する磁界の逆向きとし、磁界を相殺することにより不要輻射を低減することを特徴とする。
【選択図】 図1
プラズマディスプレイ装置が発生する電磁波による不要輻射の低減策には、近年のデジタル機器同様に、機器全体の電磁シールド実施等の多大なコストを要することが多く、より低コストで効果的な低減策が求められている。
【解決手段】
本発明では、上記課題を解決するために、パネル電流経路中にループ構造を設け、このループ構造により発生する磁界の向きを、維持放電時のインパルス電流により発生する磁界の逆向きとし、磁界を相殺することにより不要輻射を低減することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はプラズマディスプレイ装置に係わり、特にプラズマディスプレイパネルの維持放電時に発生する不要輻射を低減することができるプラズマディスプレイ装置に関する。
プラズマディスプレイ装置は、大画面で薄型の平面ディスプレイを実現でき、業務用、家庭用共に需要が高まっている。
従来のプラズマディスプレイ装置は、対向して配置されたガラス基材からなる前面板と背面板で構成され、前面板側に略平行に配置された対を成す維持放電電極(以下、「X電極」と記す)と維持・走査放電電極(以下、「Y電極」と記す)が表示ライン数分設けられ、背面板側に前記電極対と略直交配置されY電極との間で走査放電を行うアドレス電極が表示ドット数分設けられたプラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と省略する)と、各電極に駆動パルス電圧を印加するX,Yおよびアドレスの各駆動回路と、各駆動回路に電源を供給する電源回路から構成されている。パネルの各画素となる放電セルはX,Y電極対とアドレス電極の交点に表示ライン数×表示ドット数分形成され、各放電セルの背面板側内壁には蛍光体が塗布されている。
そして、その駆動方法としては、階調表示を放電回数で制御するサブフィールド駆動方式が一般的である。各サブフィールドは、リセット期間、アドレス期間、および維持放電期間から構成され、各々は概略次のような動作を行う。
リセット期間では、X,Y電極間にリセットパルス電圧を印加して全画素で放電させ、直前のサブフィールドでの壁電荷を消去する。次のアドレス期間では、各Y電極に順次に走査パルスを印加し、同時に映像表示内容に対応する画素のアドレス電極にアドレスパルス電圧を印加することにより、前記画素のY電極とアドレス電極間にアドレス放電を発生させて、壁電荷を蓄積させる。続く維持放電期間では、X電極とY電極間に維持放電パルス電圧を印加し、アドレス期間に壁電荷を蓄積した画素において維持放電を発生させる。この維持放電により発生した真空紫外線が蛍光体に照射されることにより可視光が発生し、その画素を点灯させる。
以上述べたような、背景技術については、例えば特許文献1に記載されている。
プラズマディスプレイ装置では、上記維持放電期間に数百V、数百kHzの駆動電圧をX電極とY電極に交互に印加し両電極間の画素で放電を発生させるが、特に全面白等のAPLの高い画像を表示する場合、発光する全画素分の静電容量の充電・放電に伴う大きなインパルス電流が、駆動回路とX電極およびY電極間に流れる。この維持放電時のインパルス電流の瞬時ピーク値は、例えば42型程度のパネルの場合、数十A程度となる。
なお、例えばX電極側に駆動電圧を印加する場合、この電流はX駆動回路電源 →X駆動出力→パネルX電極→各画素→パネルY電極→Y駆動出力→Y駆動回路グラウンド(以下、「GND」と記す)→X駆動回路電源GNDのループ経路を流れる。通常回路基板はパネル背面に配置されるため、放電電流はパネル長辺方向を周回し、ほぼパネル長辺の2倍の距離を流れることになる。これらの経路に含まれるインダクタンス成分に、インパルスの大電流が流れることにより、大きな磁界が発生し不要電磁波輻射(以下、「不要輻射」と省略する)の原因となっている。
上記不要輻射の低減方法として、例えば特許文献2,3および4の技術が開示されている。特許文献2では、パネルに印加する維持放電パルスを偽似ランダムノイズ発生回路で位相変調するものであり、この駆動方法は、維持放電時のインパルス電流の位相を分散させることによりピーク電流値を減少し、不要輻射の発生を抑えるものである。一方、特許文献3および4では、維持放電時にパネルに流れるインパルス電流の向きをX,Y電極対毎、またはX,Y電極複数対からなるブロック毎に互いに逆方向とすることにより、不要輻射の発生を抑えるものである。
しかし、前述した特許文献2による放電時のインパルス電流の位相を分散させる方法によると、放電のタイミングをランダムに位相変調する必要があるため、駆動回路が複雑となり、コストアップを招く。
一方、特許文献3および4によれば、パネルに流れるインパルス電流を略同値で向きを互いに逆方向にすることにより、GNDのように両者に共通な電流経路では電流が互いに逆方向で相殺されるため、不要輻射源であるインパルス電流の発生が抑えられ、またパネルでは互いに逆方向に流れる電流により電極のインダクタンス成分により発生する電磁波が相殺される。
しかしながら、パネルの各画素の放電開始電圧にはバラツキがあるため、各画素の維持放電時のインパルス電流は同時には流れず、時間的にあるバラツキ範囲を持つことが知られている。更に、各画素に印加される駆動電圧は電極インピーダンスにより積分され波形遅延が生じるが、パネル上の画素位置により電極長が変わり、電極インピーダンスが変化するため、遅延量も変化する。この点からも各画素のインパルス電流にはズレが発生する。
以上より、インパルス電流を互いに逆方向に流しても、時間的なズレがあるため、完全な相殺とはならず、意図する不要輻射低減効果が得られない。
プラズマディスプレイ装置が発生する電磁波による不要輻射は、法律的な規制の対象となる30MHz〜1GHzを含め、更に低周波の領域でも大きく、周辺機器に対しノイズ妨害や誤動作の発生を招き好ましくないため、規制値を満足するだけでなく、更なる幅広い領域に亘り効果のある低減策が望まれる。また従来の不要輻射の低減策には、近年のデジタル機器同様に、機器全体の電磁シールド実施等の多大なコストを要することが多く、より低コストで効果的な低減策が求められている。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、各画素の放電開始電圧のバラツキや画素位置等による維持放電時のインパルス電流の時間的なズレの影響を受けることなく磁界の相殺を図りながら、低コストで不要輻射を低減できるプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
本発明では、上記課題を解決するために、インパルス電流経路中にループ構造を設け、このループ構造により発生する磁界の向きを、維持放電時のインパルス電流により発生する磁界の逆向きとし、磁界を相殺することにより不要輻射を低減することを特徴とする。
上記ループ構造は、例えばY駆動回路GND−X駆動回路GND間、すなわちパネルを流れたインパルス電流が駆動回路に戻る戻り電流経路に設け、このループに流れるインパルス電流により発生する磁界の向きが、X(またはY)駆動出力−パネルX(またはY)電極−各画素−パネルY(またはX)電極−Y(またはX)駆動出力により発生する磁界の向きと逆方向になるようにする。
本発明によれば、インパルス電流の経路中にループ構造を設けるため、このループ構造に流れる電流は維持放電時のインパルス電流そのものである。このため、同一電流により発生する逆向き磁界により相殺が行われるため、パネル各画素の放電開始電圧のバラツキ等による維持放電時のインパルス電流の時間的なズレの影響を受けず、より高い相殺効果が得られる。
また上記箇所は、従来は低インピーダンスの専用部材(線材、アルミシャーシ等)が使用されているが、本発明では、低インピーダンス且つループ構造を形成するに必要な長さを持つ部材、例えばやや太い線材等に置き換えで済み、機器全体のシールドに比較し、低コストで実現可能である。
以上のように、維持放電時のインパルス電流そのもので逆向きの磁界を発生させて相殺を行うため、各画素の放電開始電圧のバラツキ等による維持放電時のインパルス電流の時間的なズレの影響を受けることなく、不要輻射の低減ができる。
低コストで不要輻射の低減が可能なプラズマディスプレイ装置を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の最良の形態について説明する。なお、各図において、共通な機能を有する要素には同一符号を付して示し、一度述べたものについては煩雑さを避けるために重複した説明を省略する。また、説明の都合上、パネルがX駆動回路側から駆動されて維持放電が生じているものとする。
まず、実施例の説明の前に、理解を容易とするために、本発明に用いる手法について、その手法を示す図12を用いて説明する。同図において、ループ回路100はC点で交差した8の字形状をしており、C点を境にループ形状Aとループ形状Bが形成されている。今、駆動回路200からループ回路100に矢印のように電流Iが流れると、ループ形状Aに流れる電流Iaの方向とループ形状Bに流れる電流Ibの方向が互いに逆方向となるため、電流Iaで生じる磁界Haと電流Ibで生じる磁界Hbの方向も逆となり、磁界は互いに打ち消しあい、相殺されることになる。即ち、ループ回路100に流れる電流Iで生じる不要輻射は低減されることになる。なお、I=Ia=Ibである。
本発明に用いる手法は、このように、「不要輻射を低減するために、駆動源と負荷回路との間を還流する電流の閉じた電流経路が、少なくとも2つのループ形状経路を成すように構成し、各ループ形状経路に流れる電流で生じる磁界を互いに打ち消し合うようにする」というものである。
図1は上記手法を適用した本発明による第1の実施例を示すプラズマディスプレイ装置の概略構造の水平方向断面図、図2は図1の各部電流経路を示す抜粋回路図、図3は図1によるプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。以下、図1乃至図3を用いて第1の実施例について述べる。
先ず、図1について述べる。図1において、1はパネル、2はX駆動回路基板、3はY駆動回路基板、4はX駆動回路基板2のGND(図示せず)とY駆動回路基板3のGND(図示せず)とを結ぶ接続配線、6はパネル1で生じた熱を放熱するとともにシャーシを構成するアルミシャーシ、20はX駆動回路基板2の出力(図示せず)とパネル1とを接続するフレキシブル配線基板(Flexible Printed Circuit board)、30はパネル1とY駆動回路基板3の出力(図示せず)とを接続するフレキシブル配線基板である。
図1において、パネル1がX駆動回路側から駆動される維持放電期間では、放電電流で生じたインパルス電流Iは、矢印のように、X駆動回路基板2→フレキシブル配線基板20→パネル1→フレキシブル配線基板30→Y駆動回路基板3と流れ、接続配線4を通ってX駆動回路基板2に戻ってくるループ経路101を形成している。即ち、パネル1に流れた放電電流は、X駆動回路基板2のGNDとY駆動回路基板3のGNDとを結ぶ接続配線4を介して戻り電流となって戻ってくる。
X駆動回路基板2のGNDとY駆動回路基板3のGNDとを結ぶ接続配線4は、G点で交差しており、G点を境にして図紙面下側にループ形状Fを形成している。従って上記ループ経路101は8の字形状となり、G点を境にして図紙面上側にもループ形状Eを形成している。
従って、図12で述べたように、ループ形状Eの経路に流れる放電電流Ieで生じる磁界Heとループ形状Fの経路に流れる戻り電流Ifで生じる磁界Hfはその方向が逆となり、互いに磁界が打ち消し合うので、合成された磁界は小さくなる。すなわち、パネル1の放電で生じる不要輻射を低減することができる。なお、I=Ie=Ifである。
従来のプラズマディスプレイ装置では、X駆動回路基板2とY駆動回路基板3の各々のGND間を専用コネクタ(図示せず)で極力短くなるように接続、またはアルミシャーシ6を介して接続しているので、図1とは異なり、戻り電流経路に磁界打ち消し用のループ形状の経路は形成されない。このため、磁界Heのみが発生し、不要輻射の原因となっている。
本実施例では、図1に示すように、各駆動回路のGND間を結ぶ戻り電流経路に磁界打ち消し用のループ形状の経路を形成している。この経路で発生する磁界は、紙面の裏面から表面に向かう方向、すなわち○枠内に黒丸印の方向で示される磁界Hfである。この磁界Hfは、放電電流が形成する磁界Heと逆方向であるため、ループ形状Fの面積をループ形状Eの面積にほぼ等しくすることにより、プラズマディスプレイ装置外における磁界を効果的に相殺出来る。
図2は図1の各部電流経路を示す抜粋回路図である。図2では、パネル1は等価的にコンデンサに置き換えられるためコンデンサで表記し、図1の電流と同一方向の各部電流の向きを矢印により示している。
図2に示されるように、各部は直列に接続されており、各部に流れる電流は同一であり、時間的なズレも無い。このためループ形状Fの経路に流れる電流で生じる磁界Hfは、ループ形状Eの経路に流れる電流で生じる磁界Heと時間的なズレが無く、磁界の効果的な相殺が可能となる。
図3は図1によるプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。図1と同様に各部電流の方向を矢印により示している。また、磁界の方向を白抜きの矢印で示す。
同図では、接続配線4の部材として低インピーダンスとするために幅の広い編組線や複数線材からなるコネクタ等を使用し、図中に示すようにループ形状Fによる磁界Hfが、ループ形状Eにより発生する磁界Heと逆方向となる向きに、ループ形状Fを構成している。上記した接続配線4の部材は特殊な部材ではなく、容易にまた安価に入手が可能なもので、プラズマディスプレイ装置のコストを押し上げるものではない。
以上述べたように、本実施例によれば、各駆動回路のGNDを結ぶ戻り電流経路に磁界打ち消し用のループ形状の経路を形成することで、不要輻射を低減することができるので、従来のように、位相変調回路の増設や各X,Y電極対に対する交互反転接続等のような複雑な駆動回路を必要とすることなく、また、各画素の放電開始電圧のバラツキや画素位置等による維持放電時のインパルス電流の時間的なズレの影響を受けることもなく、低コストで不要輻射を低減できるAC駆動型プラズマディスプレイ装置を提供することができる。
図4は第2の実施例を示すプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。第1の実施例では、図3で示すように、接続配線4を各駆動回路基板の部品面側に配置していたが、図4では各駆動回路基板のパターン面側に配置している。これにより、図1のプラズマディスプレイ装置をより薄型の構造とすることが出来る。
図5は第3の実施例を示すプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。図5では、基板2,3や他の配線を避けるため、接続配線4をパネル1の図紙面の上端部付近に配置した一例を示している。
以上述べた実施例では、一つの電流ループ経路を交差させて、少なくとも2つのループ形状の経路を形成し、各ループ形状の経路に流れる電流の方向を逆になるようにして、各ループ形状の経路に流れる電流で生じる磁界を互いに打ち消しあうようにしたが、下記に述べる第4の実施例では、戻り電流を少なくとも2つに分流させ、分流した各電流がパネル面を境にして逆方向に流れるようにして、すなわち各電流がパネルを囲むように流れて、各分流電流で生じる磁界を互いに打ち消し合うようにする。
図6は、本発明による第4の実施を示すプラズマディスプレイ装置の概略構造および回路接続の構成図、図7は図6の各部発生磁界を示す抜粋回路図、図8は図6によるプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。以下、図6乃至図8を用いて第4の実施例について述べる。
図6,図7,図8において、5はパネル1の前面に配置されて、パネルからの近赤外線を除去する光学フィルタ(図示せず)や、外光の反射を防ぐ反射防止フィルム(図示せず)および防眩フィルム(図示せず)等を備えると共に、電磁シールドのための透光性の導電層(図示せず)を有する前面フィルタである。20a,20bはX駆動回路基板2の出力とパネル1とを接続するフレキシブル配線基板、30a,30bはパネル1とY駆動回路基板3の出力とを接続するフレキシブル配線基板、40aはX駆動回路基板2のGNDとアルミシャーシ6とを接続する接続配線、40bはX駆動回路基板2のGNDと前面フィルタ5の導電層(図示せず)とを接続する接続配線、41aはY駆動回路基板3のGNDとアルミシャーシ6とを接続する接続配線、41bはY駆動回路基板3のGNDと前面フィルタ5の導電層(図示せず)とを接続する接続配線である。なお、7はパネル1で発生する熱をアルミシャーシ6に効果的に伝導させるための熱伝導性接着部材である。また図中の矢印は各部電流の方向を示す。
図6において、前面フィルタ5とアルミシャーシ6はパネル1の図紙面左右両端部で各駆動回路基板のGNDと電気的に接続され、共にX駆動回路基板2とY駆動回路基板3の双方のGND間を接続する戻り電流経路となっている。図6における磁界の相殺について、図7を用いて以下に述べる。
図7は図6の各部発生磁界を示す抜粋回路図である。図7において、X駆動回路基板2からパネル1に供給された放電電流IはY駆動回路基板3に吸い込まれ、Y駆動回路基板3のGNDからX駆動回路基板2のGNDに戻る戻り電流となる。この時、戻り電流Iのうち、一部の電流Ikがアルミシャーシ6を通って、また残りの電流Ijが前面フィルタ5の導電層を通って、パネル1を囲むように流れて、X駆動回路基板2のGNDに戻る。
従って、アルミシャーシ6に流れる電流Ikの経路に着目すると、パネル1→アルミシャーシ6→パネル1と流れる電流Ikのループ形状Kの経路を考えることができ、同様に、前面フィルタ5の導電層に流れる電流Ijの経路に着目すると、パネル1→前面フィルタ5→パネル1と流れる電流Ijのループ形状Jの経路を考えることができる。
ループ形状Kの経路に流れる電流Ikは、図紙面を表面から裏面に向かう方向の磁界、すなわち磁界Hkを発生させる。従来のプラズマディスプレイ装置においても、戻り電流経路としてアルミシャーシ6または専用コネクタ(図示せず)のどちらを用いた場合でも、図7の磁界Hkと同様な磁界のみが発生し、不要輻射の原因となっている。
一方、ループ形状Jの経路に流れる電流Ijは、ループ形状Kの経路に流れる電流Ikの方向とは逆であり、図紙面を裏面から表面に向かう方向の磁界、すなわち磁界Hjを発生させる。磁界Hjは磁界Hkと逆方向であり、互いに磁界が打ち消し合い、合成された磁界が小さくなるので、不要輻射を低減することができる。
なお低減効果を高めるためには、双方の磁界の強さを同等にすることが必要条件であり、このため前面フィルタ5の導電層とアルミシャーシ6を略同等のインピーダンスとし、双方に流れる電流を略同一とする必要がある。一般的に前者はパネル発光による可視光を効率的に透過させるためメッシュ形状となっているが、部材に抵抗率の小さい銅や銀等を使用し、且つ厚みを調整することにより、アルミシャーシ6と同等のインピーダンスとすることは可能である。
図8は、図6によるプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。同図において、8はY駆動回路基板3と各部(パネル1,アルミシャーシ6,前面フィルタ5の導電層)間を接続する接続部である。なお、ループ形状Kによる磁界Hkは下向きの白抜き矢印、ループ形状Jによる磁界Hjは上向きの白抜き矢印(破線)で示している。
接続部8において、Y駆動回路基板3の駆動回路出力(図示せず)を部品面側に設けたフレキシブル配線基板30a,30bでパネル1へ接続し、Y駆動回路基板3のGND(図示せず)をパターン面側に設けた接続配線41bで前面フィルタ5の導電層へ接続し、接続配線41aでアルミシャーシ6へ接続している。なお、パネル他端のX駆動回路基板2と各部(パネル1,アルミシャーシ6,前面フィルタ5の導電層)間を接続する接続についても上記と同様に構成されていることはいうまでもない。
以上述べた本実施例によれば、前記した実施例1乃至3と同様な効果を得ることができる。すなわち、従来のように、位相変調回路の増設や各X,Y電極対に対する交互反転接続等のような複雑な駆動回路を必要とすることなく、また、各画素の放電開始電圧のバラツキや画素位置等による維持放電時のインパルス電流の時間的なズレの影響を受けることもなく、低コストで不要輻射を低減できるAC駆動型プラズマディスプレイ装置を提供することができる。
図8では、磁界HkとHjの相殺効果は得られるが、Y駆動回路基板3と各部間との接続部8の各接続配線に流れる電流により別の磁界が発生する(パネル他端のX駆動回路基板2側の接続部についても同様である)。これらの磁界も不要輻射の原因となり得るため、低減することが好ましい。
図9は、上記図8の各接続配線の電流により発生する磁界を低減する手段の一例を示す第5の実施例の外観構造図である。図9では、Y駆動回路基板3側の接続部の部分のみ抜粋し図示している。
同図において、Y駆動回路基板3の駆動回路出力のフレキシブル配線基板31a,31bのうち、一方の例えばフレキシブル配線基板31aは実施例4の通り部品面側に、他方の例えばフレキシブル配線基板31bはパターン面側に設ける。そして、Y駆動回路基板3のGNDの2個の接続配線43a,43bのうち、一方の例えば接続配線43aは実施例4の通りY駆動回路基板3のパターン面側に設けるが、この時、フレキシブル配線基板31aと接続配線43aが上下に重なるようにする。他方の例えば接続配線43bはY駆動回路基板3の部品面側に設けるが、この時、フレキシブル配線基板31bと接続配線43bが上下に重なるようにする。
以上により、上下に重ねたフレキシブル配線基板31aと接続配線43aでは、流れる電流により白抜き矢印51で示す方向の磁界が発生し、上下に重ねたフレキシブル配線基板31bと接続配線43bでは、流れる電流により白抜き矢印52で示す方向の磁界が発生する。これらの磁界の方向は逆向きであるため、相互に相殺され、該部分による不要輻射を低減することが可能である。
なお、図9ではY駆動回路基板3側の接続部の部分について述べたが、パネル他端のX駆動回路基板2側の接続部についても上記と同様に構成されることはいうまでもない。
実施例1では各駆動回路のGND間を結ぶ戻り電流経路に磁界打ち消し用のループ形状の経路を1つ形成したが、戻り電流経路に磁界打ち消し用のループ形状の経路を複数(下記第6の実施例では2つ)形成する実施例を以下示す。
図10は本発明による第6の実施例を示すプラズマディスプレイ装置の概略構造の水平方向断面図、図11は図10によるプラズマディスプレイ装置の外観構造図である。以下、図10と図11を参照しながら、第6の実施例について説明する。
本実施例では、図10,図11に示すように、主たる構成要素として、パネル1、X駆動回路基板2、Y駆動回路基板3、およびアルミシャーシ6に加え、新たに金属板9と金属板10を備えている。
金属板9,10は、銅やアルミ等の導電材料を用い、サイズは各々X駆動回路基板2やY駆動回路基板3と同等以上とし、各基板を覆い隠すように配置する。
図10,図11において、X駆動回路基板2の出力2OUTとパネル1はフレキシブル配線基板22a,22bで図紙面左側端において接続され、X駆動回路基板2のGNDである2GNDは、出力2OUTとは反対側(図紙面右側)において金属板9と接続配線44bで接続され、金属板9の反対側(図紙面左側)で接続された接続配線44aを介してアルミシャーシ6の図紙面左側端に接続されている。
また、Y駆動回路基板3の出力3OUTとパネル1はフレキシブル配線基板32a,32bで図紙面右側端において接続され、Y駆動回路基板3のGNDである3GNDは、出力3OUTとは反対側(図紙面左側)において金属板10と接続配線45bで接続され、金属板10の反対側(図紙面右側)で接続された接続配線45aを介してアルミシャーシ6の図紙面右側端に接続されている。
以上のようにパネル1,X駆動回路基板2,Y駆動回路基板3,アルミシャーシ6および金属板9,10が接続されたプラズマディスプレイ装置において、今、X駆動回路側からパネル1が駆動されて維持放電が生じている場合、図10に示す矢印のように維持放電時のインパルス電流が流れる。すなわち、X駆動回路基板2の出力2OUT→パネル1→Y駆動回路基板3の出力3OUT→Y駆動回路基板3のGND3GND→金属板10→アルミシャーシ6→金属板9→X駆動回路基板2のGND2GND→X駆動回路基板2の出力2OUTとループ経路を形成してインパルス電流が流れる。
この時、図10から明らかなように、該ループ経路がL点とM点で交差しているので、3つのループ形状の経路が形成される。以下、パネル1とアルミシャーシ6に流れる電流で形成されるループ形状をループ形状P、X駆動回路基板2と金属板9に流れる電流で形成されるループ形状をループ形状Q、Y駆動回路基板3と金属板10に流れる電流で形成されるループ形状をループ形状Rと称する。
ループ形状Pの経路に流れる電流により磁界Hpが発生するが、ループ形状Qの経路に流れる電流により発生する磁界Hq、およびループ形状Rの経路に流れる電流により発生する磁界Hrは、磁界Hpと逆方向であり、このため磁界Hpは磁界Hq、Hrにより相殺・低減され、不要輻射も低減される。
なお、上記した磁界Hp,Hq,Hrは、図11では白抜き矢印で示している。
以上述べた本発明による実施例1乃至6は一実施例であり、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが出来るのはいうまでもない。
1…プラズマディスプレイパネル、2…X駆動回路基板、3…Y駆動回路基板、4…接続配線、5…前面フィルタ、6…アルミシャーシ、7…熱伝導性接着部材、8…接続部、9…金属板、10…金属板、20…フレキシブル配線基板、30…フレキシブル配線基板、100…ループ回路、200…駆動回路
Claims (6)
- 放電を行う電極を有するプラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルに電圧を印加する複数の駆動回路と、
前記プラズマディスプレイパネルと前記駆動回路とを接続する第1の配線と、
プラズマディスプレイパネルから見て前記駆動回路の後方にて第1のループを形成し、前記複数の駆動回路間を接続する第2の配線とを備え、
前記第1のループを流れる電流により生じる磁界の向きは、前記駆動回路と前記プラズマディスプレイパネルとで形成される第2のループから生じる磁界向きとは逆方向であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記プラズマディスプレイパネルは、互いに平行な複数の維持放電用のX電極と維持走査放電用のY電極とを備えた前面板と、前記XおよびY電極と直交配置された複数のアドレス電極背面板を備えた背面板とを備え
X電極とY電極間の維持放電時のインパルス電流経路中に、前記第2の配線により第1のループを設けることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記第1のループをY電極を駆動する駆動回路のGNDとX電極を駆動する駆動回路のGND間の経路に設けたことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置。
- 放電を行う電極を有するプラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルの後方に配置されるシャーシと、
前記プラズマディスプレイの前面に配置される導電部材と、
前記プラズマディスプレイに電圧を印加する駆動回路と、
を備え、
前記駆動回路より印加される電圧により、前記プラズマディスプレイパネルと前記導電部材に流れる電流より生じる磁界の向きと、前記駆動回路より印加される電圧により、前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシに流れる電流より生じる磁界の向きとは逆方向であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記導電部材は、前記プラズマディスプレイからの近赤外線を除去する前面フィルタであることを特徴とする請求項4記載のプラズマディスプレイ装置。
- 放電を行う電極を有するプラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルに電圧を印加する駆動回路と、
前記プラズマディスプレイパネルと前記駆動回路の間に配置されるシャーシと、
前記駆動回路と対に設けられた金属板と、を備え
前記プラズマディスプレイパネルおよび前記シャーシを流れる電流により生じる磁界の向きは、前記駆動回路と前記金属板を流れる電流により生じる磁界向きとは逆方向であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004030097A JP2005221797A (ja) | 2004-02-06 | 2004-02-06 | プラズマディスプレイ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004030097A JP2005221797A (ja) | 2004-02-06 | 2004-02-06 | プラズマディスプレイ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=34997473
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005221797A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009223003A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Panasonic Corp | プラズマディスプレイ装置 |
JP2009223004A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-10-01 | Panasonic Corp | プラズマディスプレイ装置 |
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-
2004
- 2004-02-06 JP JP2004030097A patent/JP2005221797A/ja active Pending
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US8077121B2 (en) | 2007-12-04 | 2011-12-13 | Panasonic Corporation | Plasma display panel display device |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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