JP2005221562A - 投射型表示装置および投射型表示装置の制御方法 - Google Patents

投射型表示装置および投射型表示装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 投射画像の階調を増加させ、投射画像の画質を高めることができる投射型表示装置および投射型表示装置の制御方法を提供する。
【解決手段】 光を射出する光源10と、光源10からの光を空間変調する第1の光変調手段51、52、53と、光源10からの光を時間変調する第2の光変調手段30と、第1の光変調手段51、52、53および第2の光変調手段30に変調された光を投射する投射手段70と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、投射型表示装置および投射型表示装置の制御方法に関する。
光変調デバイスとして液晶表示装置(LCD)や、例えばTI(テキサスインスツルメンツ)社のDMD(デジタルマイクロミラーデバイス、登録商標)素子などのミラーデバイスなどを用いた投射型表示装置(プロジェクタ)が知られ、オフィスでのデータプロジェクタ、家庭でのビデオプロジェクタとして広く使用されている。
従来の投射型表示装置における投射画像のダイナミックレンジは、投射型表示装置の最大出力と最低出力で決まり、映像の中における1部のシーンや、1フレームでのダイナミックレンジは、画素値の最大値と最小値に応じた投射型表示装置からの出力値で決まっている(例えば、非特許文献1参照。)。
「日経 エレクトロニクス」、2003年11月24日、p.114
そのため、表示する画像(シーン)によっては、充分なダイナミックレンジを確保できないため、画像の暗い部分や明るい部分において階調が潰れてしまい不鮮明となりやすいという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、投射画像の階調を増加させ、投射画像の画質を高めることができる投射型表示装置および投射型表示装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の投射型表示装置は、光を射出する光源と、光源からの光を空間変調する第1の光変調手段と、光源からの光を時間変調する第2の光変調手段と、第1の光変調手段および第2の光変調手段に変調された光を投射する投射手段と、を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の投射型表示装置は、第1の光変調手段および第2の光変調手段を用いて、光源から射出された光を空間変調および時間変調するため、空間変調および時間変調のどちらか一方の変調により表示される画像の階調よりも、当該投射型表示装置により投射される画像の階調を増加させることができ、投射画像の画質を高めることができる。
つまり、第1の光変調手段および第2の光変調手段のどちらか一方の光変調手段に変調され表示された画像の階調を、さらに他方の光変調手段により変調させることにより、より細かい階調の画像として表示することができる。
また、空間変調と時間変調を組み合わせて変調を行うことにより、変調による光のロスを最小限に抑えるとともに、細かい階調の画像を表示することができる。
つまり、空間変調、例えば液晶ライトバルブによる変調における光のロスと、時間変調、例えばミラーデバイスによる変調における光のロスと、を比較すると、空間変調における光のロスの方が大きく、空間変調を2回行うと光のロスが大きくなり、投射される画像が暗くなる恐れがある。また、時間変調を2回行う場合は、第2の光変調手段の駆動周波数に上限があるため、画像の階調増加に上限があり、十分に細かい階調の画像を表示することが困難である。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第2の光変調手段は、第1の光変調手段に変調された光を変調することが望ましい。
この構成によれば、光源から射出された光を第1の光変調手段により空間変調し、その後、第2の光変調手段により時間変調することにより、投射される画像の階調を増加させることができる。
つまり、光源からの光を画像を構成する画素に応じて空間変調することにより画像を形成し、さらに画素に応じて時間変調することにより、画素毎の輝度をより細かく制御する(階調を細かくする)ことができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第1の光変調手段に形成された画素数と、第2の光変調手段に形成された画素数とが同じであってもよい。
この構成によれば、第1の光変調手段および第2の光変調手段における画素の数が同じであるため、投射される画像の階調を画素ごとに柔軟に制御することができる。
つまり、第1の光変調手段の画素と第2の光変調手段の画素とが1対1に対応しているため、投射される画像の各画素について、第1の光変調手段の画素および第2の光変調手段の画素が対応することになる。その結果、画像の各画素について空間変調および時間変調の制御が行われ、投射される画像の階調を画素ごとに柔軟に制御することができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第1の光変調手段に形成された画素数よりも、第2の光変調手段に形成された画素数が多くてもよい。
この構成によれば、投射される画像の階調制御は、第2の光変調手段に形成された画素に対応する画素ごとに行うことができる。例えば、複数の第1の光変調手段に形成された画素により空間変調された光は、第2の光変調手段に形成された別々の画素に入射され時間変調されるため、投射される画像の画素密度は、第2の光変調手段に形成された画素の密度により規定される。
また、投射される画像の画素密度は、第2の光変調手段に形成された画素の密度により規定されるため、製造の容易な画素開口率の小さい第1の光変調手段を用いても画素密度の高い(解像度の高い)投射画像を得ることができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第1の光変調手段に形成された画素数よりも、第2の光変調手段に形成された画素数が少なくてもよい。
この構成によれば、例えば、第1の光変調手段に形成された複数の画素により空間変調された光を、第2の光変調手段に形成された1つの画素の異なる領域に入射させて時間変調することにより、投射される画像の階調制御を行うことができる。
そのため、例えば第2の光変調手段としてミラーデバイスを用いる場合、投射画像の画素よりも大きなマイクロミラーを用いることができ、比較的安価で製造容易なミラーデバイスを用いることができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第2の光変調手段が、入射した光の射出方向を制御することにより、入射した光を時間変調するミラーデバイスであることが望ましい。
この構成によれば、第2の光変調手段がミラーデバイスであるため、例えば反射型液晶パネルなどの液晶パネルよりも、きめ細かく入射した光を時間変調することができる。
つまり、根本的にミラーデバイスの応答時間の方が、液晶の応答時間よりも短いため、ミラーデバイスが入射した光の射出方向(反射方向)を制御するのに要する時間は、反射型液晶パネルが入射した光の透過、遮断の切替えに要する時間よりも短い。そのため、ミラーデバイスが時間変調できる最短時間単位は、反射型液晶パネルの最短時間単位よりも短く、きめ細かく時間変調することができより細かな階調を表現することができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第2の光変調手段での階調の増加は、投射する画像の1フレームごとに決定してもよい。
この構成によれば、1フレームごとに階調の増加を決定しているため、複数フレームごとに階調の増加を決定する場合と比較して、階調の増加を決定する回路構成を簡略化することができる。また、階調の増加を決定する演算アルゴリズムを簡略化することができる。
例えば、複数フレーム分のデータを一時保存する記憶部を回路構成に追加する必要がない分、回路構成を簡略化することができる。また、複数フレームにわたって階調の整合性を取る演算を行う必要がない分、演算アルゴリズムを簡略化することができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第2の光変調手段での階調の増加は、投射する画像の複数フレームごとに決定してもよい。
この構成によれば、複数フレームごとに階調の増加を決定しているため、1フレームごとに階調の増加を決定する場合と比較して、連続するフレーム間における画像の輝度の連続性がよくなる。
つまり、1フレームごとに階調の増加を決定している場合、連続するフレームにおける同一の画素の輝度は、連続して変化しない(急に明るくなったり暗くなったりする)恐れがあるが、複数フレームごとに階調の増加を決定することにより、前述のような不具合の発生を確実に防止することができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第2の光変調手段への制御信号の生成は、当該装置内で行ってもよい。
この構成によれば、当該投射型表示装置内で制御信号の生成を行うため、画像情報のみを有する映像信号を入力するだけで階調が増加された画像を投射することができる。つまり、当該投射型表示装置に、通常のTV信号、ビデオ信号などを入力することにより、階調が増加されたTV画像や、ビデオ画像を容易に投射することができる。
また、当該投射型表示装置の外に制御信号の生成を行う機器を備える場合と比べ、当該投射型表示装置のみで階調が増加された画像を投射できるため、持ち運び性に優れ、設置場所を必要としないといった優れた点を有する。
上記の構成を実現するために、より具体的には、第2の光変調手段への制御信号の生成は、当該装置外の画像出力機器内で行ってもよい。
この構成によれば、当該投射型表示装置外の画像出力機器に画像情報のみを有する映像信号を入力して制御信号の生成を行っているため、当該投射型表示装置内で制御信号の生成を行っている場合と比較して、より細かく階調が増加された画像を投射することができる。つまり、投射型表示装置よりもスペースの制約が少ない外部の画像出力機器で制御信号の生成を行うため、より複雑、大型な回路を用いることができ、それにより複雑な演算アルゴリズムによるきめ細かな制御を行うことができる。
本発明の投射型表示装置の制御方法は、光を射出する光源と、光源からの光を空間変調する第1の光変調手段と、光源からの光を時間変調する第2の光変調手段と、第1の光変調手段および第2の光変調手段に変調された光を投射する投射手段と、を備える投射型表示装置の制御方法であって、第2の光変調手段により、投射される画像の階調を増加させることを特徴とする。
すなわち、本発明の投射型表示装置の制御方法は、第1の光変調手段により入射した光を空間変調して投射する画像を形成し、第2の光変調手段により入射した光を時間変調して投射される画像の階調を増加し、投射画像の画質を高めている。
以下、本発明の実施の形態に係る投射型表示装置およびその制御方法について図1から図6を参照して説明する。
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る投射型表示装置について説明する。本実施形態の投射型表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色毎に透過型液晶ライトバルブを備え、透過型液晶ライトバルブにより空間変調された光をミラーデバイスにより時間変調する投射型カラー液晶表示装置である。
図1は、本実施の形態に係る投射型表示装置の概略を示す図である。
投射型表示装置は、図1に示すように、白色光を射出する照明装置1と、白色の光をR、G、Bの異なる色光に分光するダイクロイックミラー41、42と、各色光を空間変調する液晶ライトバルブ(第1の光変調手段)51、52、53と、空間変調された各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム60と、合成された光を時間変調するミラーデバイス(第2の光変調手段)30と、時間変調された光を投射する投射レンズ(投射手段)70とから概略構成されている。
照明装置1は、照明光としての白色光を射出する光源10と白色光の照度分布を均一化するインテグレータレンズ21、22と、照明光を一方の直線偏光にそろえる偏光変換素子23と、から構成されている。光源10は高圧水銀ランプ等のランプ11とランプ11の光を反射するリフレクタ12とから構成されている。
また、光源光の照度分布を被照明領域である液晶ライトバルブ51、52、53において均一化させるため、光源10側から第1のインテグレータレンズ21、第2のインテグレータレンズ22が順次設置されている。ここで、インテグレータレンズ21、22は複数のマイクロレンズを平面状に配列したマイクロレンズアレイとして形成され、第1のインテグレータレンズ21は光源10から射出された光(照明光)を複数の光束に分割し、第2のインテグレータレンズ22はライトバルブ位置においてそれらを重畳する重畳レンズとしての機能を有する。場合によっては2次光源像を重畳するためのコンデンサーレンズを第2のインテグレータレンズ22の位置、もしくはその後段に配しても良い。以下では重畳レンズとして第2のインテグレータレンズが用いられた場合について説明を行う。
偏光変換素子23は、第2のインテグレータレンズ22に光射出側に設けられた偏光ビームスプリッタアレイ(PBSアレイ)と、PBSアレイによって反射された偏光の偏光方向を変換する1/2波長板アレイとから構成され、光源光の光強度を損なうことなく光の偏光方向を一方向にそろえるようになっている。
ダイクロイックミラー41、42は、例えばガラス表面に誘電体多層膜を積層したもので、所定の色光を選択的に反射し、それ以外の波長の光を透過するようになっている。すなわち、青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー41は、光源10からの白色光のうちの赤色光Lを透過させるとともに、青色光Lと緑色光Lとを反射するようになっている。また、緑色光反射のダイクロイックミラー42は、ダイクロイックミラー41で反射された青色光Lと緑色光Lの内、青色光Lを透過し緑色光Lを反射するようになっている。
青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー41は、光源10からの白色光のうちの赤色光Lを透過させるとともに、青色光Lと緑色光Lとを反射させるものである。ダイクロイックミラー41を透過した赤色光Lは反射ミラー45で反射されて赤色光用液晶ライトバルブ51に入射される。
一方、ダイクロイックミラー41で反射した色光のうち、緑色光Lは緑色光反射用のダイクロイックミラー42によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ52に入射される。一方、青色光Lはダイクロイックミラー42も透過し、リレーレンズ46、反射ミラー43、リレーレンズ47、反射ミラー44、リレーレンズ48からなるリレー系49を経て青色光用液晶ライトバルブ53に入射される。
液晶ライトバルブ51、52、53は、本実施形態の場合、画像を表示する画素がマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型の透過型液晶パネルから構成されており、信号処理した映像信号に基づいて入射した光を画素ごとに光の透過率を変える(空間変調する)ように駆動される。つまり、液晶ライトバルブの光透過性電極に印加する電圧を制御することにより、光の透過率を0%に近い値から100%の間で制御している。
また、液晶ライトバルブ51、52、53には、画素スイッチング用素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたTN(Twisted Nematic)モードのアクティブマトリクス方式透過型液晶セルが使用されている。
そして、液晶ライトバルブ51、52、53は、変調した色光L、L、Lがクロスダイクロイックプリズム60の異なる面に入射されるように配置されている。
クロスダイクロイックプリズム60は、直角プリズムが貼り合わされた構造となっており、その内面に赤色光Lを反射するミラー面と青色光Lを反射するミラー面とが十字状に形成されている。そして、三つの色光L、L、Lがこれらのミラー面によって合成されてカラー画像を表す光が形成される。
クロスダイクロイックプリズム60のカラー画像光の射出面には、リレーレンズ61が配置され、カラー画像光をミラーデバイス30に集光される。
ミラーデバイス30は、画像の画素に対応するマイクロミラーがマトリクス状に配置されるとともに、マイクロミラーの反射面の向きを変えられるように(首振り可能に)、配置されている。また、信号処理した映像信号に基づいてカラー画像を表す光を時間変調するように駆動される。ミラーデバイス30に配置されたマイクロミラーの数は、液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素の数と同じ数であるとともに、その配置パターンも同じとされている。
投射レンズ70は、ミラーデバイス30に時間変調された光をスクリーン71上に拡大投射するように配置されている。
次に、上記の構成からなる投射型表示装置における作用について説明する。
ランプ11から射出された照明光(白色光)の一部は、図1に示すように、直接第1のインテグレータレンズ21に入射する。残りの光は、リフレクタ12に反射されて第1のインテグレータレンズ21に入射する。
第1のインテグレータレンズ21に入射された照明光は、第1のインテグレータレンズ21および第2のインテグレータレンズ22により液晶ライトバルブ51、52、53においてその照度分布が均一化するように重畳される。
照度分布が均一化された照明光は、偏光変換素子23のPBSアレイにより互いに直交する直線偏光に分離され、1/2波長板アレイにより一方の直線偏光にそろえられる。
一方の直線偏光となった照明光はダイクロイックミラー41に入射し、ダイクロイックミラー41は赤色光Lを透過させるとともに青色光Lおよび緑色光Lを反射する。反射された青色光Lおよび緑色光Lはダイクロイックミラー42に入射し、ダイクロイックミラー42は青色光Lを透過するとともに緑色光Lを反射する。
赤色光Lは反射ミラー45で反射されて赤色光用液晶ライトバルブ51に入射され、緑色光Lは緑色光用液晶ライトバルブ52に入射される。青色光Lは、リレーレンズ46、反射ミラー43、リレーレンズ47、反射ミラー44、リレーレンズ48を経て青色光用液晶ライトバルブ53に入射される。
各液晶ライトバルブ51、52、53に入射された各色光は、投射型表示装置に入力された映像信号に基づいて画素ごとに空間変調されてクロスダイクロイックプリズム60に入射される。空間変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズム60において合成され、カラー画像を表す光としてリレーレンズ61に向けて射出される。
リレーレンズ61に入射された光は、ミラーデバイス30のマイクロミラーが配置された面に集光される。マイクロミラーは、入力される映像信号に基づいてマイクロミラーごとに反射される光の射出方向を、投射レンズ70方向と、それ以外の方向、例えば光を吸収する吸収体(図示せず)方向とに制御する。
投射レンズ70方向に反射された光は、投射レンズ70に入射してスクリーン71上に拡大投射される。
ここで、液晶ライトバルブ51、52、53およびミラーデバイス30により、投射される画像の階調が増加する作用について説明する。
図2(a)は、照明光が液晶ライトバルブにより変調される概念を示す図である。図2(b)は、液晶ライトバルブに変調された光がミラーデバイスにより変調される概念を示す図である。
液晶ライトバルブ51、52、53における所定の画素においては、図2(a)に示すように、入力される映像信号に基づいて各色光R、G、Bが所定の照度となるように空間変調されている。その後、空間変調された各色光R、G、Bは、図2(b)に示すように、映像信号に基づいてミラーデバイス30のマイクロミラーにより、所定の照度となるように時間変調されている。
図3(a)は、照明光が液晶ライトバルブにより空間変調される概念を示す図である。図3(b)は、空間変調された光がミラーデバイスにより時間的に変調される概念を示した図である。
上述した光の変調を、時間を横軸に表して示したのが図3(a)、(b)となる。ここでは、説明を簡単にするために、RGB値が同じ白色光を例に挙げて説明する。
液晶ライトバルブにおける所定の画素においては、図3(a)に示すように、時間的に連続する光が、映像信号に基づいてフレームごとに所定の照度となるように空間変調されている。その後、空間変調された光は、図3(b)に示すように、映像信号に基づいてミラーデバイス30のマイクロミラーにより、各フレームの所定時間だけ投射されるように時間変調される。
図4(a)は、ミラーデバイスによる変調が無い場合の出力値の階調を説明する図であり、図4(b)は、ミラーデバイスによる変調がある場合の出力値の階調を説明する図である。
上述したように、液晶ライトバルブ51、52、53による空間変調を行った後に、ミラーデバイス30による時間変調を行うことで、投射画像の階調を増加させることができる。このことを図で示したのが、図4(a)、(b)であり、横軸に映像信号の画素値、縦軸に出力値を示したものである。
例えば、液晶ライトバルブ51、52、53による空間変調のみの場合、図4(a)に示すように、画素値i1からi2の間を3段階に分割して、画素値i1からi2に対応する出力値o1からo2の間を3段階の階調として表現することができる。
一方、液晶ライトバルブ51、52、53およびミラーデバイス30による変調を行う場合、例えば、上述のように空間変調により、画素値i′1からi′2の間を3段階に分割して、さらにミラーデバイス30による空間変調で各段階を2段階に分割し(全体として6段階に分割し)、画素値i′1からi′2に対応する出力値o′1からo′2の間を6段階の階調として表現することができる。この時、i′1およびi′2は、o′1およびo′2がo1およびo2と等しくなるように設定されているとする。
次に、本実施形態の投射型表示装置の駆動方法について説明する。
図5は本実施形態における投射型表示装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、図5に示すように、例えばPCや、DVD、TVアンテナから出力されたアナログ信号である映像信号がA/D変換部81に入力され、デジタル信号に変換されて制御部82に入力される。
なお、投射型表示装置に入力される映像信号がデジタル信号である場合には、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部81は不要となり、制御部82へ直接デジタル信号を入力してもよい。また、投射型表示装置に入力される映像信号が、例えばMPEG2などの圧縮されたデータの場合、A/D変換部81の代わりに圧縮データをデコードするデコーダ部を備え、デコーダ部に圧縮信号を入力してもよいし、制御部82にデコード機能を持たせ、制御部82に圧縮信号を入力してもよい。
制御部82では、複数フレーム分の映像信号から、各色光に対応した液晶ライトバルブ51、52、53の1フレーム当たりの光透過率の制御信号値と、ミラーデバイス30の反射率に対応する制御信号値と、を画素ごとに決定する。複数フレーム分の映像信号は、制御部82からデータ記憶部83に一時的に記憶されていて、必要に応じて制御部82へ読み込まれる。
なお、複数フレーム分の映像信号から前述の各信号値を決定してもよいし、1フレーム分の映像信号から前述の各信号値を決定してもよい。この場合、複数フレーム分の映像信号を一時的に記憶するデータ記憶部83は用いられないため、データ記憶部83を設けない構成であってもよい。
液晶ライトバルブ51、52、53の光透過率の制御信号(デジタル信号)は、各液晶ライトバルブ51、52、53に対応するD/A変換部84、85、86に入力され、アナログ信号の制御信号に変換される。制御信号(アナログ信号)は、各液晶ライトバルブ51、52、53に対応するパネルドライバ87、88、89に入力され、パネルドライバ87、88、89は、制御信号に基づき液晶ライトバルブ51、52、53の各画素における光透過率を制御する。
ミラーデバイス30の反射率に対応する制御信号(デジタル信号)は、ミラーデバイスドライバ29に入力され、ミラーデバイスドライバ29は制御信号に基づきミラーデバイス30の各ミラーにおける反射率を制御する。
ここで、入力された映像信号から映像信号に含まれない画素値を増加させる方法について説明する。
図6(a)は、画素値を増加させていない時の各画素の出力階調を示した図であり、図6(b)は、画素値を増加させた時の各画素の出力階調を示した図である。
画素値を増加させていないときには、図6(a)に示すように、表現できる階調が少ないため、本来表現したい階調の変化(図中の点線で示す線)に対して、とびとびの階調でしか表現できない。制御部82は、図6(b)に示すように、隣接する画素の画素値から、本来表現したい階調との差が大きい画素の値を補間して生成することにより、画素値を増加させている。
なお、前述のように、制御部82において画素の値を補間することにより画素値を増加させてもよいし、投射型表示装置に入力される元々の映像信号の画素値が大きい時には、制御部82で補間することなく、映像信号のデータを使用してもよい。
上記の構成によれば、液晶ライトバルブ51、52、53により空間変調された画像の階調を、さらにミラーデバイス30により時間変調させることにより、空間変調および時間変調のどちらか一方の変調により表示される画像の階調よりも細かい階調の画像として表示することができ、投射画像の画質を高めることができる。
液晶ライトバルブ51、52、53の画素数およびミラーデバイス30のマイクロミラー数が同じであるため、液晶ライトバルブ51、52、53の画素とミラーデバイス30のマイクロミラーとが1対1に対応し、投射される画像の各画素について、液晶ライトバルブ51、52、53の画素およびミラーデバイス30のマイクロミラーが対応することになる。その結果、画像の各画素について空間変調および時間変調の制御が行われ、投射される画像の階調を画素ごとに柔軟に制御することができる。
時間変調する手段として、ミラーデバイス30を用いているため、例えば反射型液晶パネルなどの液晶を用いたライトバルブよりも短い周期で光の制御(反射方向の制御)を行うことができる。そのため、きめ細かく時間変調することができより細かな階調を表現することができる。
複数フレームごとに階調の増加を決定しているため、連続するフレーム間における画像の輝度の連続性を考慮することができ、画素の輝度が不連続に変化することを確実に防止することができる。
投射型表示装置内に配置された制御部82で階調の増加を決定する計算を行うため、通常のTV信号、ビデオ信号などを入力することにより、階調が増加されたTV画像や、ビデオ画像を投射することができる。
また、投射型表示装置の外に階調増加の計算を行う機器を備える場合と比べ、投射型表示装置のみで階調が増加された画像を投射できるため、持ち運び性に優れ、設置場所を必要としないといった優れた点を有する。
なお、液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素の数と、ミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数が、上述のように同じであり、1対1に対応していてもよいし、液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素の数がミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数よりも多くてもよいし、逆に液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素の数がミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数よりも少なくてもよい。さらには、ミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数が1つであってもよい。
液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素の数がミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数よりも多い場合には、ミラーデバイス30の1つのマイクロミラーの異なる領域に、液晶ライトバルブ51、52、53により変調された光を隣接するように入射させ、同一のマイクロミラーに入射した光を一括して時間変調することができる。そのため、投射画像の画素よりも大きなマイクロミラーを用いることができ、比較的安価で製造容易なミラーデバイスを用いることができる。
液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素の数がミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数よりも少ない場合には、例えば、液晶ライトバルブ51、52、53に空間変調された各色光を、ミラーデバイス30の別々のマイクロミラーに入射させて時間変調させ、投射することができる。そのため、投射画像の画素密度はミラーデバイス30のマイクロミラー配置密度と対応し、開口率の小さな液晶パネルを液晶ライトバルブ51、52、53として用いても解像度の高い画像を得ることができる。
ミラーデバイス30に形成されたマイクロミラーの数が1つの場合であっても、液晶ライトバルブ51、52、53に形成された画素に空間変調された各色光を複数フレームにわたって時間変調することにより、階調を増加させることができる。
なお、投射型表示装置に入力される映像信号(アナログ信号)は、上述のように、A/D変換部81に直接入力されてもよいし、図7に示すように、外部のPCや専用コンバータなどの画像出力機器91に入力させて、ミラーデバイス30を制御する制御信号を画像出力機器91において算出し、映像信号をA/D変換部81に入力し、制御信号を制御部82に入力させてもよい。
この構成によれば、投射型表示装置よりもスペースの制約が少ない外部の画像出力機器91に制御部82より複雑、大型な回路を配置することができ、それにより複雑な演算アルゴリズムによるきめ細かな階調制御を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、液晶ライトバルブの後段にミラーデバイスを配置する構成に適応して説明したが、この構成に限られることなく、ミラーデバイスの後段に液晶ライトバルブを配置する構成など、その他各種の構成に適応することができるものである。
本発明による第1の実施形態に係る投射型表示装置を示す概略図である。 照明光が空間変調および時間変調される概念を示す図である。 照明光が空間変調および時間変調される概念を示す図である。 投射画像の階調が時間変調により増加される概念を示す図である。 投射型表示装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。 画素値と出力階調の対応を示す図である。 投射型表示装置における駆動回路の別の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
10・・・光源、 30・・・ミラーデバイス(第2の光変調手段)、 51、52、53・・・液晶ライトバルブ(第1の光変調手段)、 70・・・投射レンズ(投射手段)、91・・・画像出力機器

Claims (11)

  1. 光を射出する光源と、前記光源からの光を空間変調する第1の光変調手段と、前記光源からの光を時間変調する第2の光変調手段と、前記第1の光変調手段および前記第2の光変調手段により変調された光を投射する投射手段と、を備えることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記第2の光変調手段は、前記第1の光変調手段により変調された光を変調することを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。
  3. 前記第1の光変調手段に形成された画素数と、前記第2の光変調手段に形成された画素数とが同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記第1の光変調手段に形成された画素数よりも、前記第2の光変調手段に形成された画素数が多いことを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
  5. 前記第1の光変調手段に形成された画素数よりも、前記第2の光変調手段に形成された画素数が少ないことを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
  6. 前記第2の光変調手段が、入射した光の射出方向を制御することにより、入射した光を時間変調するミラーデバイスであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の投射型表示装置。
  7. 前記第2の光変調手段での階調の増加を、投射する画像の1フレームごとに決定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の投射型表示装置。
  8. 前記第2の光変調手段での階調の増加を、投射する画像の複数フレームごとに決定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の投射型表示装置。
  9. 前記第2の光変調手段への制御信号の生成を、当該装置内で行うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の投射型表示装置。
  10. 前記第2の光変調手段への制御信号の生成を、当該装置外の画像出力機器内で行うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の投射型表示装置。
  11. 光を射出する光源と、前記光源からの光を空間変調する第1の光変調手段と、前記光源からの光を時間変調する第2の光変調手段と、前記第1の光変調手段および前記第2の光変調手段に変調された光を投射する投射手段と、を備える投射型表示装置の制御方法であって、
    前記第2の光変調手段により、投射される画像の階調を増加させることを特徴とする投射型表示装置の制御方法。
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