JP2005221562A - 投射型表示装置および投射型表示装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光を射出する光源10と、光源10からの光を空間変調する第1の光変調手段51、52、53と、光源10からの光を時間変調する第2の光変調手段30と、第1の光変調手段51、52、53および第2の光変調手段30に変調された光を投射する投射手段70と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従来の投射型表示装置における投射画像のダイナミックレンジは、投射型表示装置の最大出力と最低出力で決まり、映像の中における1部のシーンや、1フレームでのダイナミックレンジは、画素値の最大値と最小値に応じた投射型表示装置からの出力値で決まっている(例えば、非特許文献1参照。)。
「日経 エレクトロニクス」、2003年11月24日、p.114
つまり、第1の光変調手段および第2の光変調手段のどちらか一方の光変調手段に変調され表示された画像の階調を、さらに他方の光変調手段により変調させることにより、より細かい階調の画像として表示することができる。
つまり、空間変調、例えば液晶ライトバルブによる変調における光のロスと、時間変調、例えばミラーデバイスによる変調における光のロスと、を比較すると、空間変調における光のロスの方が大きく、空間変調を2回行うと光のロスが大きくなり、投射される画像が暗くなる恐れがある。また、時間変調を2回行う場合は、第2の光変調手段の駆動周波数に上限があるため、画像の階調増加に上限があり、十分に細かい階調の画像を表示することが困難である。
つまり、光源からの光を画像を構成する画素に応じて空間変調することにより画像を形成し、さらに画素に応じて時間変調することにより、画素毎の輝度をより細かく制御する(階調を細かくする)ことができる。
つまり、第1の光変調手段の画素と第2の光変調手段の画素とが1対1に対応しているため、投射される画像の各画素について、第1の光変調手段の画素および第2の光変調手段の画素が対応することになる。その結果、画像の各画素について空間変調および時間変調の制御が行われ、投射される画像の階調を画素ごとに柔軟に制御することができる。
また、投射される画像の画素密度は、第2の光変調手段に形成された画素の密度により規定されるため、製造の容易な画素開口率の小さい第1の光変調手段を用いても画素密度の高い(解像度の高い)投射画像を得ることができる。
そのため、例えば第2の光変調手段としてミラーデバイスを用いる場合、投射画像の画素よりも大きなマイクロミラーを用いることができ、比較的安価で製造容易なミラーデバイスを用いることができる。
つまり、根本的にミラーデバイスの応答時間の方が、液晶の応答時間よりも短いため、ミラーデバイスが入射した光の射出方向(反射方向)を制御するのに要する時間は、反射型液晶パネルが入射した光の透過、遮断の切替えに要する時間よりも短い。そのため、ミラーデバイスが時間変調できる最短時間単位は、反射型液晶パネルの最短時間単位よりも短く、きめ細かく時間変調することができより細かな階調を表現することができる。
例えば、複数フレーム分のデータを一時保存する記憶部を回路構成に追加する必要がない分、回路構成を簡略化することができる。また、複数フレームにわたって階調の整合性を取る演算を行う必要がない分、演算アルゴリズムを簡略化することができる。
つまり、1フレームごとに階調の増加を決定している場合、連続するフレームにおける同一の画素の輝度は、連続して変化しない(急に明るくなったり暗くなったりする)恐れがあるが、複数フレームごとに階調の増加を決定することにより、前述のような不具合の発生を確実に防止することができる。
また、当該投射型表示装置の外に制御信号の生成を行う機器を備える場合と比べ、当該投射型表示装置のみで階調が増加された画像を投射できるため、持ち運び性に優れ、設置場所を必要としないといった優れた点を有する。
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る投射型表示装置について説明する。本実施形態の投射型表示装置は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色毎に透過型液晶ライトバルブを備え、透過型液晶ライトバルブにより空間変調された光をミラーデバイスにより時間変調する投射型カラー液晶表示装置である。
投射型表示装置は、図1に示すように、白色光を射出する照明装置1と、白色の光をR、G、Bの異なる色光に分光するダイクロイックミラー41、42と、各色光を空間変調する液晶ライトバルブ(第1の光変調手段)51、52、53と、空間変調された各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム60と、合成された光を時間変調するミラーデバイス(第2の光変調手段)30と、時間変調された光を投射する投射レンズ(投射手段)70とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー41、42は、例えばガラス表面に誘電体多層膜を積層したもので、所定の色光を選択的に反射し、それ以外の波長の光を透過するようになっている。すなわち、青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー41は、光源10からの白色光のうちの赤色光LRを透過させるとともに、青色光LBと緑色光LGとを反射するようになっている。また、緑色光反射のダイクロイックミラー42は、ダイクロイックミラー41で反射された青色光LBと緑色光LGの内、青色光LBを透過し緑色光LGを反射するようになっている。
一方、ダイクロイックミラー41で反射した色光のうち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラー42によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ52に入射される。一方、青色光LBはダイクロイックミラー42も透過し、リレーレンズ46、反射ミラー43、リレーレンズ47、反射ミラー44、リレーレンズ48からなるリレー系49を経て青色光用液晶ライトバルブ53に入射される。
また、液晶ライトバルブ51、52、53には、画素スイッチング用素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を用いたTN(Twisted Nematic)モードのアクティブマトリクス方式透過型液晶セルが使用されている。
そして、液晶ライトバルブ51、52、53は、変調した色光LR、LG、LBがクロスダイクロイックプリズム60の異なる面に入射されるように配置されている。
クロスダイクロイックプリズム60のカラー画像光の射出面には、リレーレンズ61が配置され、カラー画像光をミラーデバイス30に集光される。
投射レンズ70は、ミラーデバイス30に時間変調された光をスクリーン71上に拡大投射するように配置されている。
ランプ11から射出された照明光(白色光)の一部は、図1に示すように、直接第1のインテグレータレンズ21に入射する。残りの光は、リフレクタ12に反射されて第1のインテグレータレンズ21に入射する。
第1のインテグレータレンズ21に入射された照明光は、第1のインテグレータレンズ21および第2のインテグレータレンズ22により液晶ライトバルブ51、52、53においてその照度分布が均一化するように重畳される。
一方の直線偏光となった照明光はダイクロイックミラー41に入射し、ダイクロイックミラー41は赤色光LRを透過させるとともに青色光LBおよび緑色光LGを反射する。反射された青色光LBおよび緑色光LGはダイクロイックミラー42に入射し、ダイクロイックミラー42は青色光LBを透過するとともに緑色光LGを反射する。
リレーレンズ61に入射された光は、ミラーデバイス30のマイクロミラーが配置された面に集光される。マイクロミラーは、入力される映像信号に基づいてマイクロミラーごとに反射される光の射出方向を、投射レンズ70方向と、それ以外の方向、例えば光を吸収する吸収体(図示せず)方向とに制御する。
投射レンズ70方向に反射された光は、投射レンズ70に入射してスクリーン71上に拡大投射される。
図2(a)は、照明光が液晶ライトバルブにより変調される概念を示す図である。図2(b)は、液晶ライトバルブに変調された光がミラーデバイスにより変調される概念を示す図である。
液晶ライトバルブ51、52、53における所定の画素においては、図2(a)に示すように、入力される映像信号に基づいて各色光R、G、Bが所定の照度となるように空間変調されている。その後、空間変調された各色光R、G、Bは、図2(b)に示すように、映像信号に基づいてミラーデバイス30のマイクロミラーにより、所定の照度となるように時間変調されている。
上述した光の変調を、時間を横軸に表して示したのが図3(a)、(b)となる。ここでは、説明を簡単にするために、RGB値が同じ白色光を例に挙げて説明する。
液晶ライトバルブにおける所定の画素においては、図3(a)に示すように、時間的に連続する光が、映像信号に基づいてフレームごとに所定の照度となるように空間変調されている。その後、空間変調された光は、図3(b)に示すように、映像信号に基づいてミラーデバイス30のマイクロミラーにより、各フレームの所定時間だけ投射されるように時間変調される。
上述したように、液晶ライトバルブ51、52、53による空間変調を行った後に、ミラーデバイス30による時間変調を行うことで、投射画像の階調を増加させることができる。このことを図で示したのが、図4(a)、(b)であり、横軸に映像信号の画素値、縦軸に出力値を示したものである。
例えば、液晶ライトバルブ51、52、53による空間変調のみの場合、図4(a)に示すように、画素値i1からi2の間を3段階に分割して、画素値i1からi2に対応する出力値o1からo2の間を3段階の階調として表現することができる。
一方、液晶ライトバルブ51、52、53およびミラーデバイス30による変調を行う場合、例えば、上述のように空間変調により、画素値i′1からi′2の間を3段階に分割して、さらにミラーデバイス30による空間変調で各段階を2段階に分割し(全体として6段階に分割し)、画素値i′1からi′2に対応する出力値o′1からo′2の間を6段階の階調として表現することができる。この時、i′1およびi′2は、o′1およびo′2がo1およびo2と等しくなるように設定されているとする。
図5は本実施形態における投射型表示装置の駆動回路の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、図5に示すように、例えばPCや、DVD、TVアンテナから出力されたアナログ信号である映像信号がA/D変換部81に入力され、デジタル信号に変換されて制御部82に入力される。
なお、投射型表示装置に入力される映像信号がデジタル信号である場合には、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部81は不要となり、制御部82へ直接デジタル信号を入力してもよい。また、投射型表示装置に入力される映像信号が、例えばMPEG2などの圧縮されたデータの場合、A/D変換部81の代わりに圧縮データをデコードするデコーダ部を備え、デコーダ部に圧縮信号を入力してもよいし、制御部82にデコード機能を持たせ、制御部82に圧縮信号を入力してもよい。
なお、複数フレーム分の映像信号から前述の各信号値を決定してもよいし、1フレーム分の映像信号から前述の各信号値を決定してもよい。この場合、複数フレーム分の映像信号を一時的に記憶するデータ記憶部83は用いられないため、データ記憶部83を設けない構成であってもよい。
ミラーデバイス30の反射率に対応する制御信号(デジタル信号)は、ミラーデバイスドライバ29に入力され、ミラーデバイスドライバ29は制御信号に基づきミラーデバイス30の各ミラーにおける反射率を制御する。
図6(a)は、画素値を増加させていない時の各画素の出力階調を示した図であり、図6(b)は、画素値を増加させた時の各画素の出力階調を示した図である。
画素値を増加させていないときには、図6(a)に示すように、表現できる階調が少ないため、本来表現したい階調の変化(図中の点線で示す線)に対して、とびとびの階調でしか表現できない。制御部82は、図6(b)に示すように、隣接する画素の画素値から、本来表現したい階調との差が大きい画素の値を補間して生成することにより、画素値を増加させている。
なお、前述のように、制御部82において画素の値を補間することにより画素値を増加させてもよいし、投射型表示装置に入力される元々の映像信号の画素値が大きい時には、制御部82で補間することなく、映像信号のデータを使用してもよい。
また、投射型表示装置の外に階調増加の計算を行う機器を備える場合と比べ、投射型表示装置のみで階調が増加された画像を投射できるため、持ち運び性に優れ、設置場所を必要としないといった優れた点を有する。
この構成によれば、投射型表示装置よりもスペースの制約が少ない外部の画像出力機器91に制御部82より複雑、大型な回路を配置することができ、それにより複雑な演算アルゴリズムによるきめ細かな階調制御を行うことができる。
例えば、上記の実施の形態においては、液晶ライトバルブの後段にミラーデバイスを配置する構成に適応して説明したが、この構成に限られることなく、ミラーデバイスの後段に液晶ライトバルブを配置する構成など、その他各種の構成に適応することができるものである。
Claims (11)
- 光を射出する光源と、前記光源からの光を空間変調する第1の光変調手段と、前記光源からの光を時間変調する第2の光変調手段と、前記第1の光変調手段および前記第2の光変調手段により変調された光を投射する投射手段と、を備えることを特徴とする投射型表示装置。
- 前記第2の光変調手段は、前記第1の光変調手段により変調された光を変調することを特徴とする請求項1記載の投射型表示装置。
- 前記第1の光変調手段に形成された画素数と、前記第2の光変調手段に形成された画素数とが同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
- 前記第1の光変調手段に形成された画素数よりも、前記第2の光変調手段に形成された画素数が多いことを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
- 前記第1の光変調手段に形成された画素数よりも、前記第2の光変調手段に形成された画素数が少ないことを特徴とする請求項1または2に記載の投射型表示装置。
- 前記第2の光変調手段が、入射した光の射出方向を制御することにより、入射した光を時間変調するミラーデバイスであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記第2の光変調手段での階調の増加を、投射する画像の1フレームごとに決定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記第2の光変調手段での階調の増加を、投射する画像の複数フレームごとに決定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記第2の光変調手段への制御信号の生成を、当該装置内で行うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 前記第2の光変調手段への制御信号の生成を、当該装置外の画像出力機器内で行うことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の投射型表示装置。
- 光を射出する光源と、前記光源からの光を空間変調する第1の光変調手段と、前記光源からの光を時間変調する第2の光変調手段と、前記第1の光変調手段および前記第2の光変調手段に変調された光を投射する投射手段と、を備える投射型表示装置の制御方法であって、
前記第2の光変調手段により、投射される画像の階調を増加させることを特徴とする投射型表示装置の制御方法。
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