JP2005221366A - 膜厚測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来方法では困難であった液晶表示装置用基板上の、ITO膜、PS膜からなる2層膜の高精度な膜厚測定を、短時間で、非破壊計測可能な膜厚測定装置として、膜厚測定装置を提供する。
【解決手段】 基板8上に形成されるフォトスペーサー膜及び透明導電膜からなる2層の各々の膜厚の所定の波長を使用して2層の各々の膜に対する分光反射率を測定し、演算部5によって膜厚を算出し、算出された膜厚が正常か否かを判別する。
【選択図】 図2

Description

本発明は分光干渉法により薄膜の膜厚を非接触にて測定する膜厚測定装置に関する。特に、液晶表示装置用基板上に形成される、フォトスペーサー膜、透明導電膜からなる2層膜を非接触にて測定する膜厚測定装置に関するものである。
液晶表示装置用基板上にPS(フォトスペーサー)パターンを製造する従来の技術の概要は以下の通りである。まず、ガラス基板にクロムや黒色樹脂などでブラックマトリクスと呼ばれる格子状のパターンを形成する。この格子状のパターンにR(赤)、G(緑)、B(青)のパターンをさらに形成し、このR(赤)、G(緑)、B(青)のパターン上にITO膜を形成した基板上にPS用のレジストを塗布する。そして、減圧乾燥、プレベーク後、アライメントしてPS用のマスクで露光する。塗布されたレジストは光硬化性を有するので、マスクパターンの光透過部と遮光部で硬化部と非硬化部とが形成される。そして、マスクパターン形成後、現像、洗浄、ボストベークの工程を経て、PS膜のパターンが形成される。
このように形成されたPS膜のパターンの膜厚は、液晶セルのセルギャップを決定する為に非常に重要である。従って、塗布後、速やかに塗布したPS膜の膜厚測定を行うことが、塗布工程起因不良によるロスを減らすために必要である。
従来、透明膜の膜厚測定では、分光干渉法による非接触膜厚測定が既に実用化され、各種薄膜の膜厚測定に使用されている。この分光干渉法による非接触膜厚測定は、透明膜等の膜に光を照射し、膜表面からの反射光と膜を通過して膜と基板境界面で反射して戻ってくる光を分光器で捕らえ、前者と後者の光の位相差により生ずる干渉を測定する。位相差は膜厚が変わって両者の光学距離が変わることで変化するので、膜の屈折率が分かれば膜厚が算出できる。
また、多層膜の膜厚の測定方法として、マトリクス法と呼ばれる光学シミュレーションを用い、カーブフィット法にて多層膜の膜厚を算出する方法などが広く知られ、実用化されている。このカーブフィット法は、多層膜の膜厚の初期値における反射率、透過率をマトリクス法により理論値を算出し、実測された測定値との誤差が最小になるように初期値を変更して、実測の反射率、透過率にカーブフィットするに最適な膜厚を算出する。(例えば、特許文献1参照)。
特開平07−004922。
ところが、このような構成では、カーブフィット法を用いて膜厚を算出する場合は、測定する膜の屈折率が膜の上部と下部で大きく異なる場合に、カーブフィットの誤差が収束しない、或は収束誤差が大きすぎる等の精度の低下が見られる場合がある。また、カーブフィット法における問題の一つとして、初期値の設定条件により誤差が最小となる値に収束せず、誤差関数の他の極小値に収束してしまうことがある。そして、この問題を避ける為にあらゆる初期値を設定して真の極小値を探すなど、最適な解を求める為には計算に非常に時間がかかり、インラインの測定装置には適用できない場合がある。さらに、測定対象が2層膜である為に、触針式の段差計で膜厚を測定することが出来ない。また、測定ステージが従来の平板ステージであると、照射した光がステージからも反射してしまい、光の干渉を精度良く測定することが困難である。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、従来方法では困難であった基板上に形成された膜、特に液晶表示装置用基板上の、ITO膜、PS膜からなる2層膜の高精度な膜厚測定を、短時間で、かつ非破壊計測可能な膜厚測定装置を提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するものであり、基板上に形成された単層膜又は多層膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、前記基板上に光を照射して反射光又は透過光を測定する測定手段と、前記測定手段による測定値に基づいて、前記基板上に形成された単層膜又は多層膜の膜厚を算出する演算手段と、前記反射光又は透過光の測定時に、前記基板を下面から支える多数の支柱を備えた測定ステージ手段とを少なくとも備える膜厚測定装置である。
したがって本発明は、基板上に光を照射された反射光又は透過光が測定され、測定された測定値に基づいて、基板上に形成された単層膜又は多層膜の膜厚が算出され、反射光又は透過光の測定時には、基板を下面から支える多数の支柱が備えられている。このため、大幅に膜厚の算出時間を短縮でき、また、実際の運用に際しての信頼性が得られる。さらに、この膜厚測定作業を非破壊化、自動化し、測定頻度も上げることで、膜厚変動による不良品の発生によるロスを大幅に低減することができる。
また、本発明は、前記反射光を測定する場合に、前記測定ステージ手段の光照射部分に反射防止手段を備えるものである。このため、膜厚測定の精度が向上する。
本発明の膜厚測定装置によれば、基板を支柱によって支える構造としたので、大型基板であっても、安定して支えることができるとともに、任意の測定点を決め易くなる。また、反射光を測定する場合には、測定ステージに反射防止機構を備えるようにしたため、膜厚測定の精度が向上する。また、測定膜が多層膜の場合には、多層膜全体の膜厚に近い1層の膜厚の初期値を2段階で求めるようにしたため、測定精度が向上するとともに、多層膜の各膜厚の測定時間を従来の方法に比べて大幅に短縮することができる。
さらに、測定時間の大幅な短縮と測定精度の向上を果たした本発明を、液晶表示装置用基板上に形成されたPS膜とITO膜の膜厚測定に適用することで、この膜厚測定作業を非破壊化、自動化し、測定頻度も上げることが可能になったことから、製造ラインに組み込んで全数検査することが可能になった。そのため、膜厚変動による不良品の発生によるロスを大幅に低減することができ、途布工程の異常を早期に検知して、塗布工程起因の不良によるロスを減らすことができる。
次に、本願発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る膜厚測定装置の構成を示す模式図である。
膜厚測定装置は、測定手段としての膜厚測定部101、測定中の薄膜形成後の基板102、測定待ちの薄膜形成後の基板103、XY移動ロボット104、測定ステージ105、搬送ロボット106、基板支持ピン107、反射防止機構108から構成されている。
次に図2は、本発明の一実施形態に係る膜厚測定装置の膜厚測定部の詳細な構成を示す模式図である。
膜厚測定装置の膜厚測定部101は、光源部1、2分岐ファイバー2、対物レンズ3、分光器4、演算部5から構成されているものである。対物レンズ3以外は、測定ステージ上ではなく、別の場所に置いておくことも可能であり、駆動を考慮すると、その方が望ましい。
光源部1は、電球10とカットフィルタ9を備える。電球10は、例えば可視光の光量の大きいハロゲン電球を使用している。
2分岐ファイバー2は、光源部1に接続している部分が投光用で、分光器4に接続している部分が受光用である。それぞれ光ファイバーを例えば数100本を束ねたもので、途中でそれらが1本にまとめられている。この束の中で、投光用と受光用の光ファイバー1本1本は入り交じって束ねられ、対物レンズ3に接続している面では均等に両方の光ファイバーが配置されるようになっている。対物レンズ3により入射光が被測定物として、例えば基板8である液晶表示装置用基板(例えば、PS(フォトスペーサー)膜とITO(透明導電)膜等から構成される)上に集光される。
基板8上の薄膜からの反射光は、対物レンズ3、2分岐ファイバー2を経由して分光器4に入る。分光器4は回折格子、リニアアレイ等から成る分光器部6と、分光器部6の制御と信号をデジタル変換する制御部7から成る。
使用する波長は、回折格子とリニアアレイ素子の組み合わせで決まるが、400nm〜750nm程度の波長範囲を使用すれば十分である。
分光器4は、パーソナルコンピュータ、キーボード、マウス、ディスプレイモニタ等から構成される演算部5に接続され、ここで、演算を行い、膜厚値を算出する。また、分光器4の制御やユーザーインターフェイス処理を受け持つ。
上記のように、本発明によるPS膜厚測定装置は、可視光域の光量が大きいハロゲン電球を光源とするので、透明導電膜(以下、ITO膜ともいう)内の上部と下部での屈折率の変化の影響を受けずらい波長域での膜厚計算が可能となる。
次に、本発明の一実施形態に係るフォトスペーサー膜厚インライン測定方法を適用したフォトスペーサー膜厚インライン測定装置の動作を説明する。
以下の説明では、膜厚測定部101としては、駆動を考慮して対物レンズ3以外の機能を別の場所に置いた場合について説明する。
フォトスペーサー膜厚インライン測定装置の液晶表示装置用基板が待機位置に設置され、位置合わせが行われた後、基板搬送ロボット106が基板を測定ステージ105に載せる。ここで、測定ステージ105は測定時に液晶表示装置用基板裏面側からの反射の影響を最小にする反射防止機構を有している。この反射防止機構を図13に示した。
図13は、基板上の膜を計測する上で不必要な反射光を、膜厚測定部101で受光しない構造を示している。反射防止機構108は、反射光の影響を最小にする構造で、傾斜を持たせることにより反射光が測定センサーに戻らないようになっており、黒塗装を施すことで、光の散乱を防いでいる。また、液晶表示装置用基板のたわみを防止するため、格子状に基板支持ピン107で支える構造を採っている。
再び図1及び図2に戻り、膜厚測定部101は、XY移動ロボット104に取り付けられて、測定対象液晶表示装置用基板102の任意の位置に測定ヘッドを移動できる。測定制御部5にて予め指定した測定位置に膜厚測定部101を移動させ、膜厚測定を行う。測定済みの液晶表示装置用基板は搬送ロボット106が下流工程に受け渡す。これを繰り返して膜厚測定を行い、制御部5にてトレンドグラフを表示したり、予め設定した範囲外の膜厚を検知した場合には、アラームを発することができる。なお、本発明の測定装置を設置するのは、塗布直後ではレジストの溶剤成分が蒸発中で、膜の光学特性が安定せず、正確な測定が行えない。ブレベーク後は安定しているが、異常の検知が遅くなる。従って、減圧乾燥工程後が望ましい。
次に、本発明に係る膜厚測定装置を適用した膜厚測定方法について、図14のフローチャートを参照して説明する。当該膜厚測定方法は、基板上に形成される多層膜の各膜厚を測定する膜厚測定方法であるが、この多層膜は、多層膜全体の膜厚に近い膜厚を持つ1層と、他の膜厚が非常に薄い層とから構成される場合に適用できるものである。
まず、多層膜に光源からの光を照射する(ステップS1)。次に、基板からの反射光又は透過光を分光器で測定する(ステップS2)。次に、多層膜を多層膜全体の膜厚に近い1層の単層膜とみなして、ステップS2で得られた測定値からPV法などの単層膜の膜厚を求める手法を用いて、演算によって求めた値を、多層膜全体の膜厚に近い1層の膜厚の仮初期値とするとともに、膜厚の非常に薄い層の膜厚の正初期値を任意に定める(ステップS3)。そして、ステップS3で求めた仮初期値近傍の膜厚における理論値をマトリクス法によって求め、測定値と理論値の誤差を求める(ステップS4)。次に、求めた理論値と測定値の誤差が最小となる膜厚を多層膜全体の膜厚に近い1層の膜厚の正初期値とする(ステップS5)。そして、多層膜それぞれの膜厚の正初期値に基づいて、多膜膜の各膜厚を最小二乗法などの最適化手法を用いて算出する(ステップS6)。
次に、液晶表示装置用基板のPS膜とITO膜の各膜厚を測定する場合を用いて、上述した多層膜が2層膜の場合の具体例を説明する。
ステップS1では、光源部1から出力され、対物レンズ3を介した入射光は、被測定物である液晶表示装置用基板8上に集光する。ステップS2で、入射光は、液晶表示装置用基板8上で反射し、この反射光は、対物レンズ3および分岐ファイバー2を経由して分光器4に入る。なお、分光器4は、回折格子とリニアアレイ素子の組み合わせで使用する波長が決まるが、可視光領域である400nm〜750nm程度の波長範囲を使用すれば十分である。ステップS3で、演算部5では、PS膜とITO膜の2層膜をPS膜の1層膜とみなして、PV法を用いて膜厚を測定し、仮初期値とする。また、ITO膜厚の正初期値を任意に求める。ステップS4では、PS膜厚の仮初期値近傍の膜厚における理論値を求め、前記測定値と該理論値との誤差を求める。ステップS5で、演算部5は、誤差が最小となる膜厚を2層膜のPS膜の膜厚の正初期値とする。ステップS6で、演算部5は、これら2つの正初期値に基づいて、例えば、最小二乗法を用いて、2層膜のそれぞれの膜厚を算出する。
このように、本発明によれば、PS膜厚測定装置は、可視光域の光量が大きいハロゲン電球を光源とするので、ITO膜内の上部と下部での屈折率の変化の影響を受けずらい波長域での膜厚計算が可能となる。
次に、上記に例示したPS膜とITO膜の各膜厚を測定する場合の測定光として、可視光領域である400nm〜750nm程度の波長範囲を使用するに至った理由について説明する。
図3、4は、ITO膜内の上部と下部での屈折率の変化を示したもので、可視光域の方が近赤外域よりも屈折率の変化が明らかに小さい。このため、可視光域の波長域でカーブフィット法の処理をした結果の計算誤差は近赤外域の波長域でカーブフィット法の処理をした結果に比べて大幅に小さくなっていることが図5、6で示されている。
これらの結果は、この後に説明する最適な初期値を用いたカーブフィット法を適用した場合の結果であり、処理方法の優劣とは関係の無いITO膜の物性の問題であり、使用する波長域で解決可能である。
続いて、本実施形態で適用するカーブフィット法の初期値の設定方法について説明する。カーブフィット法において初期値の設定はきわめて重要な要素であり、この設定次第で膜厚計算の精度は良くも悪くも成り得る。カーブフィット法の初期値の設定条件による膜厚計算の収束結果の違いをシミュレーションし、比較した結果を図7に示す。このシュミレーションでは、PS膜に4500nm、ITO膜に160nmのものを用いた。図の左側は、PS膜およびITO膜のそれぞれの初期値であり、右側は、それぞれの収束値である。
上記の結果で注意したいことは、初期値の変数としてITO膜厚とPS膜厚の2つの変数があることである。図7に示した結果から明らかなように、PS膜の初期値の設定が真の値(4500nm)に非常に近いものしか正しい値(4500nm)に収束していないのに対して、ITO膜厚の初期値の設定はそれほど真の値(160nm)に近くなくても正しい値(160nm)に収束しているという特徴がある。
ITO膜厚の測定においては、製造上ITO膜の形成は通常130nm〜190nm程度の範囲で膜厚制御が可能であり、このレンジ内であれば、何れの値を初期値としてもカーブフィット法による膜厚算出に大きな影響は無い。
しかし、PS膜厚の測定においては、製造上PS膜の形成の膜厚制御が難しく、測定には2000nm〜6000nm程度の範囲が必要である。このレンジ内で何れかの値を初期値と設定すると、その値によっては正しい値に収束しなくなってしまい、検査装置の性能を満たすことができない。
この原因を図8(ITO膜厚を一定とした時のPS膜厚変位に対する誤差量をプロットした図)を用いて検証してみると、ITO膜厚を一定とし、PS膜厚を変化させた場合の誤差関数においては波形が周期的になり、更にPS膜厚測定に必要なレンジにおいて極小値が多数存在するので、カーブフィット法により誤った膜厚に収束させない為には、真の膜厚のプラスマイナス50nm程度の範囲にPS膜厚の初期値を設定する必要がある。これに対して、PS膜厚を一定とし、ITO膜厚を変化させた場合の誤差関数においては、図示はしないが、ITO膜厚の測定に必要なレンジに極小値が1点しか無いため、130nm〜190nm程度の範囲にITO膜厚の初期値を設定すれば、正しい膜厚に収束するということが分かる。
これら液晶表示装置用基板8上のPS膜の測定における、製造上の問題等を考慮すると、ITO膜厚は製造上に制御可能な範囲で初期値を設定し、PS膜厚は何らかの方法で、真の膜厚のプラスマイナス50nm程度の範囲で初期値を設定してから、カーブフィット法を適用して正しい膜厚を算出する必要がある。
以上より、PS膜厚の初期値の設定方法をクリアすればよいことがわかる。本実施形態においてはPS膜の測定を、単層膜の測定に定評のあるPV法を用いた膜厚測定法を使用して初期値を設定する。以下にその方法についてさらに詳しく説明する。
PV法を用いた膜厚測定法は、ノイズ等にも強く精度も高い測定方法であるが、その厳密な理論は単層膜にのみ適用されるものであり、多層膜の推定には基本的に適用できない。ただし、液晶表示装置用基板8上に形成されるITO膜の膜厚は薄く、その厚さを無視して、更にその上に形成されるPS膜の測定を行なっても測定誤差3%程度の測定は可能である。本実施形態においては、まず、このPV法にてPS膜のおおよその測定を行ない、仮初期値を算出する。
PS膜の複数のサンプルを、PV法を適用して膜厚測定したので、その結果を図6に示す。このようにPV法によりPS膜厚を測定するが、図9の結果から分かるように、先に説明したプラスマイナス50nmの精度(接触式との誤差が50nm以内の精度)では計算できないことが判明した。ここで測定された初期値を仮初期値とする。
そこで更に、PV法で求めた仮初期値に対応する膜厚の例えば、プラスマイナス400nmの範囲を25nmの間隔で操作していき、マトリクス法にて算出した誤差が最も小さい点を定め、そのときの膜厚を初期値(正初期値)として採用する。
上記のようにして決定した初期値(正初期値)を用い、カーブフィット法を適用して算出した膜厚測定の精度は、高精度となる。なお、カーブフィット法は周知の手法であるので、ここでは詳細な説明を省略する。また、本発明においては、仮初期値を求める方法としてPV法を用いて説明しているが、(仮初期値を求めるための)おおよその膜厚を知ることが出来る測定手法であれば、どのような方法を用いても構わない。
以下に、本発明の具体的な実施形態を用いてさらに詳しく説明する。
本実施形態では、液晶表示装置基板8上に形成されたITO膜とPS膜の2層膜からなる膜を測定し、そのうちPS膜厚を高精度に求める方法の一実施形態を説明する。なお、測定に使用した分光器は、松下インターテクノ社社製の反射型測定器を使用し、使用する波長は、例えば、450nm〜700nmとする。また、演算装置としては、パーソナルコンピュータを使用した。
以上のような条件を基に膜厚測定を行ない、接触式の膜厚測定装置の測定値と比較して、本発明によるPS膜の膜厚測定方法を適用した膜厚測定装置の評価を行なう。
先ず、図2と同様の構成からなる測定装置で液晶表示装置用基板8上のPS膜の分光反射率を測定し、これを単層膜とみなしてPV法を適用して膜厚(の仮初期値)を算出する。実測の分光反射率は図10に示すようになり、PV法により算出したPS膜厚は以下のようになった。
PV法算出(仮初期値)=3657nm
このように、PV法により求めたPS膜厚を仮初期値として、この値の例えば、プラスマイナス400nmの範囲を25nm間隔で操作していき、マトリクス法にて誤差を算出する。また、ITO膜厚は160nmで一定とした。
算出方法は以下のとおりである。
Figure 2005221366
マトリクス法により算出した誤差は図11のようになった。
図11の誤差の中で最小であるときのPS膜厚は、3482nmであるので、これを初期値として決定し、ITO膜厚の初期値である160nmとあわせてカーブフィット法を用いた膜厚を算出する。本発明によるPS膜測定装置にて測定した膜厚を、接触式の膜厚測定装置の測定値と比較した結果、本発明によるPS膜厚の測定値は3476nm、接触式によるPS膜厚の測定値は3453nmで膜厚差は0.67%であった。
また、本発明によるITO膜厚の測定値は157nmであった。
また、これを複数のPS膜のサンプルで実施した結果は図12であり、膜厚の誤差は、0.36−1.60パーセントとなった。
以上説明したように、本発明のPS膜厚測定方法、及びPS膜厚測定装置を用いることにより、従来方法より精度の高いPS膜厚の測定が可能となる。また、カーブフィット法の欠点の誤った値での計算収束を避ける為に、「PV法により仮の初期値を設定する」および「仮の初期値の周辺を詳細に計算し、マトリクス法による誤差算出値が最小になる点を初期値に設定する」という、2段階の方式を採用することにより、PS膜厚の測定に必要な2000nm〜6000nmの全ての点を初期値としてマトリクス法により誤差を算出し、その最小値を探るという非常に計算負荷が高い方法と比較すれば、大幅に計算時間を短縮できた。この計算時間の短縮は、製造工程におけるPS膜厚の測定において非常に重要で、本発明の膜厚測定装置、及び膜厚測定方法を用いることで製造ライン上での検査も可能となる。また、多層膜の光学特性を求める理論式のマトリクス法を用いたカーブフィット法を採用することで、実際の運用に際しての信頼性が得られる。
なお、本装置では反射率で測定を行なう例を挙げているが、光学系を変えることで、透過率測定でも可能である。その場合マトリクス法の式も透過率を求める式となる。
以上、本発明の実施形態を用いることにより、精度の高いPS膜厚の測定が可能となり、また、大幅に膜厚の演算時間を短縮できることから、製造ラインに組み込んで全数検査をすることが可能になる。さらに、多層膜の光学特性を求める理論式のマトリクス法を用いたカーブフィット法を採用することで、実際の運用に際しての信頼性が得られる。
本発明の一実施形態に係る膜厚測定装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る膜厚測定装置の膜厚測定部の詳細な構成を示す模式図である。 ITO膜内の上部と下部での屈折率の変化を示した図である。 ITO膜内の上部と下部での屈折率の変化を示した図である。 カーブフィット法によるシミュレーションと実測値の反射率の比較を赤外線の波長域で示した図である。 カーブフィット法によるシミュレーションと実測値の反射率の比較を可視光線の波長域で示した図である。 この発明の実施形態に係わるカーブフィット法の初期値の設定条件による膜厚計算の収束結果の違いをシミュレーションし、比較した結果を示す図である。 この発明の実施形態に係わるITO膜厚を一定とした時のPS膜厚変位に対する誤差量のプロットを示す図である。 PS膜の複数のサンプルを、PV法を適用して測定した膜厚の測定結果を示す図である。 PS膜の実測分光反射率を示した図である。 この発明の実施形態に係わるマトリクス法により算出した誤差を示す図である。 複数のPS膜のサンプルで実施した測定結果を示した図である。 基板上の膜を計測する上で不必要な反射光を、測定ヘッドで受光しない構造を示した模式図である。 この発明の実施形態に係わる膜厚測定のフローチャートである。
符号の説明
1・・・光源部、2・・・2分岐ファイバー、3・・・対物レンズ、4・・・分光器、5・・・演算部、6・・・分光器部、7・・・制御部、8・・・PS膜形成後の液晶表示装置用基板(被測定物)、9・・・カットフィルタ、10・・・電球、101・・・膜厚測定部、102・・・測定中のPS膜形成後の液晶表示装置用基板、103・・・測定待ちのPS膜形成後の液晶表示装置用基板、104・・・XY移動ロボット、105・・・測定ステージ、106・・・搬送ロボット、107・・・基板支持ピン、108・・・反射防止機構

Claims (5)

  1. 基板上に形成された単層膜又は多層膜の膜厚を測定する膜厚測定装置であって、
    前記基板上に光を照射して反射光又は透過光を測定する測定手段と、
    前記測定手段による測定値に基づいて、前記基板上に形成された単層膜又は多層膜の膜厚を算出する演算手段と、
    前記反射光又は透過光の測定時に、前記基板を下面から支える多数の支柱を備えた測定ステージ手段と、
    を少なくとも備える膜厚測定装置。
  2. 前記反射光を測定する場合に、前記測定ステージ手段の光照射部分に反射防止手段を備える請求項1記載の膜厚測定装置。
  3. 前記基板上に形成された膜が多層膜であって、該多層膜は、少なくとも多層膜全体の膜厚に近い膜厚を持つ1層と、この層より膜厚の薄い1層と含み、
    前記演算手段は、
    前記多層膜全体の膜厚に近い1層の膜厚の仮初期値を前記測定手段により測定して得られた測定値から演算によって求める仮初期値演算手段と、
    前記膜厚の薄い1層の膜厚の正初期値を任意に定める正初期値演算手段と、
    前記演算によって求めた仮初期値近傍の膜厚における理論値を求め、前記測定値と該理論値の誤差を求める誤差演算手段と、
    前記誤差が最小となる膜厚を前記多層膜全体の膜厚に近い1層の膜厚の正初期値とする正初期値確定手段と、
    前記多層膜それぞれの膜厚の正初期値に基づいて、前記多層膜の各膜厚を算出する膜厚演算手段と、
    を含む請求項1または2に記載の膜厚測定装置。
  4. 前記基板上に形成された膜が2層膜であって、前記2層膜全体の膜厚に近い膜厚を持つ1層がPS膜であり、前記PS膜より膜厚の薄い1層がITO膜であることを特徴とする請求項3に記載の膜厚測定装置。
  5. 前記測定手段において、測定する光の波長が、400〜750nmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の膜厚測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009222428A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Avanstrate Inc ガラス板の厚さ測定装置およびガラス板の厚さ測定方法
JP2009257987A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Konica Minolta Holdings Inc 膜厚計測装置、膜厚計測方法

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