JP2005220440A - 耐水素脆化特性に優れた超高強度鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐水素脆化特性に優れた超高強度鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水素脆化特性に優れた超高強度鋼板を提供する。
【解決手段】 質量%で、 C :0.06〜0.6%、 Si+Al:0.5〜3%、 Mn:0.5〜3%、 P :0.15%以下、 S :0.02%以下を含有し、且つ、 全組織に対する面積率で、 残留オーステナイト組織を3%以上、 ベイナイト組織を30%以上含有しており、 更にフェライト組織を50%以下含有していてもよく、 該ベイナイト組織のうち、同一視野をEBSP(Electron Back Scatter Diffraction Pattern)とSEMで対比観察して判定されるベイニティックフェライト中、ベイナイトブロックの平均粒径が20μm未満を満足する超高強度鋼板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、1180MPa級以上の超高強度鋼板であって、耐水素脆化特性に優れた超高強度鋼板、及び当該超高強度鋼板を効率よく製造することのできる方法に関するものである。
自動車や産業用機械等にプレス成形して使用される鋼板は、優れた強度と延性を兼ね備えていることが要求されており、近年では、1180MPa級以上の超高強度鋼板に対するニーズが高まっている。この様なニーズに応える鋼板として、特にTRIP(TRansformation Induced Plasticity;変態誘起塑性)鋼板が注目されている。
TRIP鋼板は、オーステナイト組織が残留しており、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)以上の温度で加工変形させると、応力によって残留オーステナイト(γR,残留γ)がマルテンサイトに誘起変態して大きな伸びが得られる鋼板であり、例えば、ポリゴナルフェライトを母相とし、残留オーステナイトを含むTRIP型複合組織鋼(TPF鋼);焼戻マルテンサイトを母相とし、残留オーステナイトを含むTRIP型焼戻マルテンサイト鋼(TAM鋼);ベイニティックフェライトを母相とし、残留オーステナイトを含むTRIP型ベイナイト鋼(TBF鋼)等が知られている。このうちTBF鋼は古くから知られており(例えば1980年発行の日新製鋼技報第43号等)、硬質のベイナイト組織によって高強度が得られ易い;当該ベイナイト組織中には、ラス状のベイニティックフェライトの境界に微細な残留オーステナイトが生成し易いことから、非常に優れた伸びが得られるといった特徴がある。また、TBF鋼は、1回の熱処理(連続焼鈍工程またはめっき工程)によって容易に製造できるという製造上のメリットもある。
ところが1180MPa級以上の超高強度域になると、TRIP鋼板は通常の高強度鋼板と同様、水素脆化による遅れ破壊(割れ等)という新たな弊害が生じることが知られている。遅れ破壊は、高強度鋼において、腐食環境または雰囲気から発生した水素が、転位、空孔、粒界などの欠陥部へ拡散して材料を脆化させ、応力が付与された状態で破壊を生じる現象のことであり、その結果、金属材料の延性や靭性が低下する等の弊害をもたらしている。
そこで、最近になって、TRIP鋼の水素脆化特性に関する研究が進められている(非特許文献1及び2)。これらの報告によれば、前述したいずれのTRIP鋼においても優れた耐水素脆化特性が認められるが、とりわけTBF鋼の水素吸蔵量が多く、TBF鋼の破面を観察すると、水素吸蔵による擬へき開破壊が抑えられていることが示されている。このことは、TBF鋼による優れた耐遅れ破壊特性を顕著に示唆するものである。その理由としては、TBF鋼はベイナイト組織で構成されているため、母相の転位密度が高く、この転位上に水素が多数トラップされる結果、他のTRIP鋼に比べて多量の水素が吸蔵されるものと推定されている。
しかしながら、上記文献に報告されたTBF鋼の遅れ破壊特性は、陰極チャージ試験による割れ発生時間でせいぜい、1000秒程度に止まっており、更なる特性の改善が要請されている。また、上記文献の熱処理条件は、加熱温度を高く設定している為に実機の生産効率等が悪い等の不具合も有しており、生産効率にも優れた新規なTBF鋼の開発が切望されている。
北條智彦、外5名,「超高強度低合金TRIP鋼の水素脆性(第1報 水素吸蔵特性と延性)」,日本材料学会第51期 学術講演会講演論文集,2002年,第8巻,p.17-18 北條智彦、外5名,「超高強度低合金TRIP鋼の水素脆性に及ぼすオーステンパ処理温度の影響」,CAMP−ISIJ,2003年,第16巻,p.568
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベイナイト組織を母相とするTRIP鋼板であって、引張強度が1180MPa以上の超高強度を示すと共に、TRIP鋼の特徴である延性を損なうことなく、耐水素脆化特性の改善された新規な鋼板;及び当該鋼板を効率よく製造することのできる方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明の超高強度鋼板(引張強度が1180MPa以上の超高強度鋼板であって、伸び、及び耐水素脆化特性に優れた超高強度鋼板)とは、質量%で、
C :0.06〜0.6%、
Si+Al:0.5〜3%、
Mn:0.5〜3%、
P :0.15%以下、
S :0.02%以下
を含有し、且つ、
全組織に対する面積率で、
残留オーステナイト組織を3%以上、
ベイナイト組織を30%以上含有しており、
更にフェライト組織を50%以下含有していてもよく、
該ベイナイト組織のうち、同一視野をEBSP(Electron Back Scatter Diffraction Pattern)とSEMで対比観察して判定されるベイニティックフェライト中、ベイナイトブロックの平均粒径が20μm未満であるところに要旨を有するものである。
上記鋼板において、鋼中の化学成分として更に、質量%で、Mo:1%以下(0%を含まない),Ni:0.5%以下(0%を含まない),Cu:0.5%以下(0%を含まない),Cr:1%以下(0%を含まない)の少なくとも一種を含有するもの;Ti:0.1%以下(0%を含まない),Nb:0.1%以下(0%を含まない),V:0.1%以下(0%を含まない)の少なくとも一種を含有するもの;Ca:0.003%以下(0%を含まない)、及び/又はREM:0.003%以下(0%を含まない)を含有するものはいずれも本発明の好ましい態様である。
また、上記課題を解決し得た本発明の製造方法とは、連続焼鈍工程またはめっき工程を施すことによって前述した超高強度鋼板を製造する方法であって、上記鋼中成分を満足する鋼をA3点〜(A3点+20℃)の温度で10〜600秒間加熱保持した後、3℃/s以上の平均冷却速度でMs点以上Bs点以下の温度まで冷却し、該温度域で1〜1800秒間加熱保持するところに要旨を有するものである。
本発明によれば、引張強度が1180MPa以上の超高強度鋼板であって、耐水素脆化特性の改善された超高強度鋼板を、生産性よく製造することができる。
本発明者らは、引張強度が1180MPa以上の超高強度域における耐水素脆化特性を一層向上させるべく、TRIP鋼板のなかでもベイナイト組織を母相とするTBF鋼に着目して鋭意検討した。特に、前述した非特許文献2の方法では、加熱温度が高い為に実機の生産効率に劣る他、炉を傷め易い、脱炭が生じ易い等といった不具合も抱えていることに鑑み、加熱温度を中心に研究を重ねたところ、従来のTBF鋼に比べて加熱温度を低く制御すれば、オーステナイトの粒成長を防止できること;その結果、これまでのTBF鋼では得られなかった微細なベイナイトブロックが生成され、鋼材の靭性が改善されて耐水素脆化特性が向上することを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明について詳述する。
[組織]
まず、本発明を最も特徴付ける組織について説明する。
本発明の超高強度鋼板は、全組織に対する面積率で、残留オーステナイト組織を3%以上、ベイナイト組織を30%以上含有しており(従って、残留オーステナイトとベイナイト組織のみで構成されていても良い)、更にフェライト組織を50%以下含有していても良く(0%を含む)、該ベイナイト組織のうち、EBSPとSEMで対比観察して判定されるベイニティックフェライト中、ベイナイトブロックの平均粒径が20μm未満であることを満足するものである。
ベイナイト組織
前述した通り、ベイナイト組織は硬質であり、高強度が得られ易い。また、母相の転位密度が高い為、この転位上に水素が多数トラップされる結果、他のTRIP鋼に比べて多量の水素が吸蔵されるという利点もある。更にベイナイト組織中には、ラス状のベイニティックフェライトの境界に微細な残留オーステナイトが生成し易いことから、非常に優れた伸びが得られるといったメリットもある。この様な作用を有効に発揮させる為には、全組織に対する面積率で、ベイナイト組織を30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上とする。尚、その上限は、他の組織とのバランスによって決定され得、一律に決定することは困難であるが、フェライト組織を含有しない場合は、その上限を概ね、95%以下、より好ましくは93%以下に制御することが推奨される。また、フェライト組織を含有する場合は、その上限を概ね、92%以下、より好ましくは90%以下に制御することが推奨される。
上記ベイナイト組織の面積率は、鋼板をナイタールで腐食し、板厚1/4の位置で圧延面と平行な面における、任意の測定面積(約50×50μm)をSEM(走査型電子顕微鏡)観察(倍率:1500倍)することにより、算出される。
ここで、本発明で使用するSEMは、「EBSP検出器を備えた高分解能型FE−SEM(Philips社製、XL30S−FEG)」であり、SEM観察した領域をその場で同時に、EBSP検出器によって解析することができるというメリットがある。また、上記FE−SEMの活用により、ベイニティックフェライトのうちのベイナイトブロックを同定することができる(この点は後記する)。
ベイナイトブロックの平均粒径<20μm
更に本発明鋼板は、上記ベイナイト組織のうち、後記する方法により同定されるベイニティックフェライト中、ベイナイトブロックの平均粒径が20μm未満を満足するものである。この様に本発明では、ベイナイト組織のなかでも特に、ベイナイトブロックを微細化させることにより、TBF鋼の耐水素脆化特性を高めたところに最大の特徴がある。ベイナイトブロックの平均粒径が20μmを超えて粗大化すると、所望の特性が得られない。ベイナイトブロックの平均粒径は小さければ小さい程良く、好ましくは18μm以下、より好ましくは16μm以下である。
ここでベイニティックフェライトとは、板状のフェライトであるが、転位密度の高い下部組織(ラス状組織は、有していても有していなくても良い)を意味し;転位密度がないか或いは極めて少ない下部組織を有するポリゴナルフェライト(本発明では、このポリゴナルフェライトを「フェライト」と呼ぶ)とは、SEM観察によって以下の通り、明瞭に区別されるものである。
・ポリゴナルフェライト:SEM写真において黒色であり、多角形の形状で、内部に、残留オーステナイトやマルテンサイトを含まない。
・ベイニティックフェライト:SEM写真では濃灰色を示し、ベイニティックフェライトと、残留オーステナイトやマルテンサイトとを分離区別できない場合も多い。
次に、ベイニティックフェライトの中からベイナイトブロックを同定する方法について、図1及び図2を参照しつつ説明する。これらは、後記する実施例1のNo.2(本発明例)について、前述した「EBSP検出器を備えたFE−SEM」を用いて、同一領域を観察したときの結果を夫々示したものであり、このうち図1は、上記方法に基づいて測定したSEM観察写真(倍率:1500倍);図2は、SEM観察した測定領域と同じ領域を、同時にEBSP解析したときの板厚方向断面写真(倍率:1500倍)である。上記EBSPの検出、測定、及び解析に係るハードウェアおよびソフトは、TexSEM Laboratories Inc.のOIM(Orientation Imaging MicroscopyTM)システムを用いた。測定間隔は0.1μmである。
図1に示す通り、SEM観察によれば、ポリゴナルフェライトとベイニティックフェライトを識別することができるので、図1のSEM写真と図2のEBSP写真を対比観察し、EBSP解析によってマッピングされた図2の組織のうち、SEMで識別できるポリゴナルフェライトを排除した領域(ベイニティックフェライト)を容易に決定することができる。
この様にして決定されるベイニティックフェライトのうち、隣接する組織同士間で、傾角15°以上の方位差を持つ領域(本発明では、この様な領域は結晶方位が同一である領域と考えている)の組織をカラーマッピングし(赤色になる)、001逆極点図(Inverse Pole Figure)に結晶粒界(Grain Boundaries:Min15°、Max180°)を付記する。この様にしてマッピングされた領域(傾角15°以上の方位差を持つ領域)を、本発明における「ベイナイトブロック」と定める。即ち、本発明におけるベイナイトブロックとは、同一視野をSEM観察及びEBSP解析したとき、SEMによって識別されるベイニティックフェライトのうち、EBSP解析により、結晶方位が同一である領域(傾角15°以上の方位差を持つ領域)と定義される。
ここでEBSP法について簡単に説明すると、EBSPは、試料表面に電子線を入射させ、このときに発生する反射電子から得られた菊池パターンを解析することにより、電子線入射位置の結晶方位を決定するものであり、電子線を試料表面に2次元で走査させ、所定のピッチごとに結晶方位を測定すれば、試料表面の方位分布を測定することができる。このEBSP観察によれば、通常の顕微鏡観察では同一と判断される組織であって結晶方位差の異なる板厚方向の組織を、色調差によって識別できるという利点がある。本発明の如く、結晶方位に基づいて定義されるベイナイトブロックを発明の構成要件として定めている場合には、上記EBSP法による組織観察が必要となるのである。
次に、この様にして検出されるベイナイトブロックについて、当該ベイナイトブロックと同じ面積を有する円の直径(円相当径)を算出する。尚、ベイナイトブロックの直径を算出するに当たっては、倍率5000倍のEBSP解析写真を使用する。同様にして、測定対象面積(約50×50μm)に存在する全てのベイナイトブロックの直径(円相当径)を求め、その平均を、本発明における「ベイナイトブロックの平均粒径」と定義する。
残留オーステナイト組織(γ R ,残留γ)
残留オーステナイトは全伸びの向上に有用であり、この様な作用を有効に発揮させる為には、全組織に対する面積率で3%以上(好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上)とする。但し、多量に存在すると所望の超高強度を確保できない為、その上限を、好ましくは30%(より好ましくは25%)とすることが推奨される。
尚、本発明における残留オーステナイトの形態は、ラス状であることが好ましい。ここで、「形態がラス状である」とは、平均軸比(長軸/短軸)が2以上(好ましくは4以上、より好ましくは6以上である)のものを意味する。この様なラス状の残留オーステナイト は、従来の残留オーステナイトと同様のTRIP効果を奏するのみならず、更に顕著な耐遅れ破壊特性向上効果を奏する点で極めて有用である。尚、上記平均軸比の上限は特に規定されないが、TRIPの効果を有効に発揮させる為には、残留オーステナイトの厚さが或る程度必要であること等を考慮すると、好ましい上限は30、より好ましくは20である。
また、上記ラス状残留オーステナイトによる効果を有効に発揮させる為には、残留オーステナイト中に占めるラス状残留オーステナイトの占積率は多ければ多い程良い。具体的には、他の組織(ベイナイトやフェライト等)とのバランスによって定められるものであり、所望の特性を発揮し得る様、適切に制御することが推奨されるが、強度向上という観点からすれば、ラス状残留オーステナイトの占積率を50%以上、より好ましくは60%以上、更により好ましくは70%以上、更に一層好ましくは80%以上、更により一層好ましくは85%以上とすることが推奨される。尚、残留オーステナイトのすべてがラス状残留オーステナイトで構成されていても良いが、加熱設備や冷却設備の制約等を考慮すると、実用レベルで、その上限を95%程度とすることが推奨される。
更に上記残留オーステナイト中のC濃度(CγR)は0.8%以上であることが推奨される。このCγRは、TRIP(歪誘起変態加工)の特性に大きく影響し、0.8%以上に制御すると、特に、伸び等の向上に有効である。好ましくは1%以上、より好ましくは1.2%以上である。尚、上記CγRの含有量は多い程好ましいが、実操業上、調整可能な上限は、概ね1.6%と考えられる。
ここで、本発明における残留オーステナイトは、前述したFE−SEM/EBSP法により、FCC相(面心立方格子)として観察される領域を意味する。具体的には、ベイナイト組織と同様に、板厚1/4の位置で圧延面と平行な面における任意の測定面積(約50×50μm、測定間隔は0.1μm)を測定対象とする。尚、当該測定面まで研磨する際には、残留オーステナイトの変態を防ぐ為、電解研磨する。次に、上記FE−SEMを用い、SEMの鏡筒内にセットした試料に電子線を照射する。スクリーン上に投影されるEBSPを高感度カメラ(Dage-MTI Inc.製 VE-1000-SIT)で撮影し、コンピューターに画像として取込む。コンピューターで画像解析を行い、既知の結晶系[残留オーステナイトの場合はFCC相(面心立方格子)]を用いたシミュレーションによるパターンとの比較によって決定したFCC相をカラーマップする。この様にしてマッピングされた領域の面積率を求め、これを「残留オーステナイトの面積率」と定める。尚、上記解析に係るハードウェアおよびソフトは、TexSEM Laboratories Inc.のOIM(Orientation Imaging MicroscopyTM)システムを用いた。
参考までに図3に、前述した図2のEBSP解析写真を、FCC相としてマッピングしたEBSP解析写真(倍率:1500倍)を示す。図3中、矢印(←)で示した領域が残留オーステナイト(γR)である。
フェライト
本発明における「フェライト」とは、ポリゴナルフェライト、即ち、転位密度がないか或いは極めて少ないフェライトを意味する。
本発明では、フェライトは任意組織であり、0%を含み得る。尚、フェライトによる伸び特性向上作用を有効に発揮させる為には、フェライトの面積率を5%以上とすることが好ましい。より好ましくは10%以上である。特に伸び特性の向上という観点からすれば、フェライトは多い方がよい。但し、50%を超えると、必要な超高強度を確保するのが困難となる為、その上限を50%とする。好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。
上記フェライトの面積率は、下式により算出される。
フェライト面積率(%)=100−[ベイナイト面積率(%)]−[残留オーステナイト
面積率(%)]
注:ベイナイト面積率及び残留オーステナイト面積率は前述した方法によって
測定されるものである。
その他
本発明の鋼板は、上記組織のみ(即ち、ベイナイト及び残留オーステナイトの混合組織、若しくはベイナイト、フェライト、及び残留オーステナイトの混合組織)から構成されていても良いが、本発明の作用を損なわない範囲で、他の組織(例えばマルテンサイト等)を有していても良い。これらは本発明の製造過程で必然的に残存し得る組織であるが、少なければ少ない(例えば合計面積率の上限は、せいぜい、10%)程好ましい。
次に、本発明鋼板を構成する基本成分について説明する。以下、化学成分の単位はすべて質量%である。
C:0.06〜0.6%
Cは、高強度を確保し、且つ、残留オーステナイトを確保するために必須の元素である。詳細には、オーステナイト相中に充分なC量を含み、室温でも所望のオーステナイト相を残留させる為に重要な元素であり、強度−伸びのバランスを高めるのに有用である。特にC量を0.25%以上添加すると、残留オーステナイト量が増加し、更に残留オーステナイトへのC濃縮が高くなるので、極めて高い強度−伸びを得ることができる。
但し、0.6%を超えて添加すると、その効果が飽和するのみならず、鋳造中への中心偏析などによる欠陥などが見られる。また、0.25%以上添加すると溶接性が劣化する。
従って、溶接性を主に考慮すれば、C:0.06〜0.25%(より好ましくは0.2%以下、更により好ましくは0.15%以下)に制御することが好ましく、一方、点溶接を必要とせず高い伸び等が要求される場合には、C:0.25〜0.6%(より好ましくは0.3%以上)に制御することが推奨される。
Si+Al:0.5〜3%
Si及びAlは、残留オーステナイトが分解して炭化物が生成するのを有効に抑える元素である。特にSiは、固溶強化元素としても有用である。この様な作用を有効に発揮させる為には、Si及びAlを合計で0.5%以上添加することが必要である。好ましくは0.7%以上、より好ましくは1%以上である。但し、上記元素を合計で、3%を超えて添加しても上記効果は飽和してしまい、経済的に無駄である他、多量に添加すると、熱間脆性を起こす為、その上限を3%とする。好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
Mn:0.5〜3%
Mnは、オーステナイトを安定化し、所望の残留オーステナイトを得る為に必要な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、0.5%以上添加することが必要である。好ましくは0.7%以上、より好ましくは1%以上である。但し、3%を超えて添加すると、鋳片割れが生じる等の悪影響が見られる。好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
P:0.15%以下(0%を含まない)
Pは、所望の残留オーステナイトを確保するのに有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、0.03%以上(より好ましくは0.05%以上)添加することが推奨される。但し、0.15%を超えて添加すると二次加工性が劣化する。より好ましくは0.1%以下である。
S:0.02%以下(0%を含まない)
SはMnS等の硫化物系介在物を形成し、割れの起点となって加工性を劣化させる元素である。好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下である。尚、Sの低減化による加工性劣化の抑制作用は、Sを0.003%以下まで低減すると飽和してしまい、逆にSを低減する為のコストが高くつくことを考慮すると、下限は0.003%超、より好ましくは0.005%以上にすることが推奨される。
本発明の鋼は上記成分を基本的に含有し、残部:実質的に鉄及び不純物であるが、その他、本発明の作用を損なわない範囲で、以下の許容成分を添加することができる。
Mo:1%以下(0%を含まない),Ni:0.5%以下(0%を含まない),Cu:0.5%以下(0%を含まない),Cr:1%以下(0%を含まない)の少なくとも一種
これらの元素は、鋼の強化元素として有用であると共に、残留オーステナイトの安定化や所定量の確保に有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、Mo:0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)、Ni:0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)、Cu:0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)、Cr:0.05%以上(より好ましくは0.1%以上)を、夫々添加することが推奨される。但し、Mo及びCrは1%、Ni及びCuは0.5%を超えて添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である。より好ましくはMo:0.8%以下、Ni:0.4%以下、Cu:0.4%以下、Cr:0.8%以下である。
Ti:0.1%以下(0%を含まない),Nb:0.1%以下(0%を含まない),V:0.1%以下(0%を含まない)の少なくとも一種
これらの元素は、析出強化及び組織微細化効果があり、高強度化に有用な元素である。この様な作用を有効に発揮させる為には、Ti:0.01%以上(より好ましくは0.02%以上)、Nb:0.01%以上(より好ましくは0.02%以上)、V:0.01%以上(より好ましくは0.02%以上)を、夫々添加することが推奨される。但し、いずれの元素も0.1%を超えて添加すると上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である。より好ましくはTi:0.08%以下、Nb:0.08%以下、V:0.08%以下である。
Ca:0.003%以下(0%を含まない)、及び/又は
REM:0.003%以下(0%を含まない)
Ca及びREM(希土類元素)は、鋼中硫化物の形態を制御し、加工性向上に有効な元素である。ここで、本発明に用いられる希土類元素としては、Sc、Y、ランタノイド等が挙げられる。上記作用を有効に発揮させる為には、夫々、0.0003%以上(より好ましくは0.0005%以上)添加することが推奨される。但し、0.003%を超えて添加しても上記効果が飽和してしまい、経済的に無駄である。より好ましくは0.0025%以下である。
次に、本発明鋼板を製造する方法について説明する。
本発明の製造方法は、前述した成分組成を満足する鋼をA3点〜(A3点+20℃)の温度で10〜600秒間加熱保持した後、3℃/s以上の平均冷却速度でMs点以上Bs点以下の温度まで冷却し、該温度域で1〜1800秒間加熱保持するところに特徴がある。以下、本発明法の概略図(図4)を参照しつつ、各処理について詳述する。
まず、前述した成分組成を満足する鋼をA3点〜(A3点+20℃)の温度(図4中、T1)で10〜600秒間(図4中、t1)加熱保持する。ここでT1(均熱温度)及びt1(均熱時間)は、所望のベイナイトブロックを得る為に極めて重要であり、T1が(A3点+20℃)の温度を超えるか、t1が600秒を超えるとオーステナイトの粒成長を招き、粗大なベイナイトブロックが生成してしまう。
一方、T1がA3点の温度よりも低くなると、所定のベイナイト組織が得られない。また、t1が10秒未満では、オーステナイト化が充分行われずにセメンタイトやその他の合金炭化物が残存してしまう。
この様な点を考慮すると、T1(均熱温度)を、好ましくは650℃以上、900℃以下とし;t1(均熱時間)を、好ましくは30秒以上、300秒以下、より好ましくは60秒以上、240秒以下とする。
次いで、上記鋼板を冷却するが、本発明では、3℃/s以上の平均冷却速度(図4中、CR1)でMs点以上Bs点以下の温度(図1中、T2)まで冷却し、該温度域で1〜1800秒間(図4中、t2)加熱保持する。
この工程は、所望のベイナイト組織(フェライト組織も含み得る)を確保すると共に、本発明にとっては好ましくないパーライト組織の生成を避ける(本発明では、パーライト組織の面積率を最大でも、10%以下に抑制する)為に特に設定されたものである。
まず、上記の如く加熱した鋼板を、3℃/s以上の平均冷却速度(CR1)で冷却するが、これは、パーライト変態領域を避けてパーライト組織の生成を防止する為である。この平均冷却速度は大きい程よく、好ましくは10℃/秒以上(より好ましくは20℃/秒以上)とすることが推奨される。尚、冷却に当たっては、図1に示す様に、所定温度(T2)まで単調に急冷しても良い(一段冷却)が、フェライト組織をも生成させたい場合には一段冷却によってフェライト組織を安定に導入し難いことから、冷却速度を複数回に分けて設定する多段冷却法を採用することが推奨される。この場合における各工程の平均冷却速度についても、一段冷却の場合と同様に、3℃/s以上(好ましくは10℃/s以上、より好ましくは20℃/s以上)とすることが推奨される。
次に、Ms点以上Bs点以下の温度(T2)まで急冷した後で恒温変態させることによって所定のベイナイト組織を導入することができる。加熱温度T2がBs点を超えると、本発明にとって好ましくないパーライトが多量に生成し、所定のベイナイト組織を確保することができない。一方、T2がMs点を下回ると残留オーステナイトの面積率が少なくなる。
また、加熱保持時間t2が1800秒を超えるとベイナイトの転位密度が小さくなり、所定の残留オーステナイトが得られない。一方、t2が1秒未満では、所定のベイナイト組織が得られない。好ましいt2は30秒以上、1200秒以下;より好ましくは60秒以上、600秒以下である。
実操業を考慮すると、上記焼鈍処理は、連続焼鈍設備またはバッチ式焼鈍設備を用いて行うのが簡便である。また冷間圧延板にめっきを施して溶融亜鉛めっきとする場合には、めっき条件が上記熱処理条件を満足するように設定し、該めっき工程で上記熱処理を行ってもよい。更には当該めっきを合金化処理しても良い。
また、前述した連続焼鈍処理する前の熱延工程,冷延工程は特に限定されず、通常、実施される条件を適宜選択して採用することができる。具体的には、上記熱延工程としては、Ar3点以上で熱延終了後、平均冷却速度約30℃/sで冷却し、約500〜600℃の温度で巻取る等の条件を採用することができる。
本鋼板は、伸びと耐水素脆化特性に優れると共に、耐衝突安全性にも優れていることから、その用途として、例えば自動車や産業用機械等の構造部品が挙げられ、中でも、自動車用構造部品であるフロントやリア部サイドメンバー、クラッシュボックス等の衝突部品をはじめ、センターピラーRF(リインフォース)等のピラー類、ルーフレールRF(リインフォース)、サイドシル、フロアメンバー、キック部等の車体構成部品、バンパーRF(リインフォース)やドアインパクトビーム等の耐衝撃吸収部品の製造に適している。
以下、実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含される。
実施例1:成分組成の検討
本実施例では、表1に記載の成分組成からなる供試鋼No.A〜T(残部は鉄及び不純物であり、表中の単位は質量%)を真空溶製し、実験用スラブとしてから、下記工程(熱延→冷延→連続焼鈍)に従って、板厚3.2mm(供試鋼No.Q〜Tについては板厚2.5mm)の熱延鋼板を得た後、酸洗により表面スケールを除去し、1.2mm厚となるまで冷間圧延した。
熱延工程:開始温度(SRT)1150℃、仕上温度(FDT)850℃、冷却速度40℃/s、巻取温度550℃
冷延工程:冷延率50%
連続焼鈍工程:各供試鋼について、表2中のT1(A3点+約15℃)で120秒間(表2中、t1)保持し、表2中のCR1(平均冷却速度)で表2中のT2まで冷却した(水冷)後、該T2で120秒間(表2中、t2)保持した。
この様にして得られた各鋼板について、引張強度(TS)、伸び[全伸びのこと(El)]、及び耐水素脆化特性(陰極CH寿命)を下記要領で夫々測定した。尚、各鋼板における組織の面積率、及びベイナイトブロックの平均粒径は、前述した方法に従って測定した。
[引張強度(TS)、及び伸びの測定]
引張試験はJIS5号試験片を用い、引張強度(TS)及び伸び(El)を測定した。尚、引張試験の歪速度は1mm/secとした。尚、本発明では、上記方法によって測定される引張強度が1180MPa以上のものを対象にしており、伸びが13%以上のものを、「伸びに優れる」と評価している。
[耐水素脆化特性の測定]
耐水素脆化特性を測定するに当たっては、上記の各鋼板を15mm×65mmのサイズに調整した短冊試験片を用いた。この短冊試験片に対し、四点曲げにより980MPaの応力を負荷し、(0.5mol硫酸+0.01molのKSCN)の混合溶液中にて、ポテンショスタットを用いて自然電位よりも卑な−80mVの電位を与えたときに割れが発生する時間を測定することにより、耐水素脆化特性(陰極CH寿命)を評価した。尚、本発明では、上記方法による測定時間が1000秒以上のものを、「耐水素脆化特性に優れる」と評価している。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2005220440
Figure 2005220440
これらの結果より、以下の様に考察することができる(以下のNo.はすべて、表2中のNo.を意味する)。
まず、No.2〜4、8〜19はいずれも、本発明の範囲を満足する鋼種(表1のNo.B〜D、H〜S)を用い、本発明で規定する方法に従って製造した本発明例であるが、1180MPa以上の超高強度域において、伸び、及び耐水素脆化特性の双方に優れている。
これに対し、本発明の範囲を満足しない鋼種(表1のNo.A、E〜G)を用いた下記例は夫々、以下の不具合を有している。
まず、No.1はC量が少ない鋼種Aを用いた例であり、所定量のベイナイト組織(硬質)が得られず、フェライト組織が過剰となり、強度が低下している。尚、耐水素脆化特性は、四点曲げ応力を負荷し得ない程強度が低い為、測定しなかった。
また、No.5は、(Si+Al)の合計量が少ない鋼種Eを用いた例であり、所望の残留オーステナイトが得られず、伸びが低下している。
No.6は、Mn量が少ない鋼種Fを用いた例であり、所望の残留オーステナイトが得られない為、伸びが低い。
No.7は、Mn量が多い鋼種Gを用いた例であり、強度が高過ぎる為に熱延時に熱間圧延割れを生じ、その後の焼鈍処理ができなかった。
No.20は、従来のDP(デュアル・フェーズ)鋼板であり、ベイナイト組織を有していないため、強度が低下している。尚、No.20では、所定の強度を満たしていないため、耐水素脆化特性は測定しなかった。
次に、上記No.17とNo.20の鋼板を用いて部品を成形し、下記の通り、耐圧壊性試験、耐衝撃特性試験、耐水素脆化特性の評価を行って、成形品としての性能(耐圧壊性、耐衝撃特性及び耐水素脆化特性)を調べた。
<耐圧壊性試験>
まず、No.17,19の鋼板を用いてそれぞれ図5に示す様な部品(試験体,ハットチャンネル部品)1を作成し、次の様にして圧壊性試験を行なった。即ち、図5に示す部品のスポット溶接位置2に、先端径6mmの電極から、チリ発生電流よりも0.5kA低い電流を流して、図5に示す通り35mmピッチでスポット溶接を行った。そして図6に示す様に、部品1の長手方向中央部の上方から金型3を押し付けて最大荷重を求めた。また荷重−変位線図の面積から吸収エネルギーを求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2005220440
表3より、No.17の鋼板を用いて作成した部品(試験体)は、強度の低い従来の鋼板を用いた場合より高い荷重を示し、また吸収エネルギーも高くなっていることから、優れた耐圧壊性を有していることがわかる。
<耐衝撃特性試験>
No.17,19の鋼板を用いてそれぞれ図7に示す様な部品(試験体,ハットチャンネル部品)4を作成し、次の様にして耐衝撃特性試験を行なった。尚、図8は、図7における部品4のA−A断面図を示している。耐衝撃特性試験は、上記耐圧壊性試験の場合と同様に部品4のスポット溶接位置5にスポット溶接を行った後、図9に模式的に示す通り部品4を土台7にセットし、該部品4の上方から、落錘(質量:110kg)6を高さ11mの位置から落下させて、部品4が40mm変形(高さ方向が収縮)するまでの吸収エネルギーを求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2005220440
表4より、No.17の鋼板を用いて作成した部品(試験体)は、強度の低い従来の鋼板を用いた場合より高い吸収エネルギーを示し、優れた耐衝撃特性を有していることがわかる。
<耐水素脆化特性の評価>
No.17,19の鋼板を用いて実部品に成形し、耐水素脆化特性を成形品の状態で評価した。具体的に、No.17,19の鋼板を用いてセンターピラーRF、ドアインパクトビーム、ルーフレールRFをプレス加工して作成し、5%の塩酸に浸漬して24時間までの割れ発生の有無を比較した。その結果を表5に示す。
Figure 2005220440
表5より、No.17の鋼板を用いて作成した各部品は、高強度であるにもかかわらず、いずれも割れが発生せず、優れた耐水素脆化特性を有していることがわかる。
実施例2:製造条件の検討
本実施例では、表1の鋼種B(本発明の成分組成を満足する鋼)を用いた実験用スラブを用い、実施例1と同じ条件で熱延及び冷延した後、表6に示す種々の条件にて連続焼鈍を施すことによりNo.1〜11に示す冷延鋼板を得た。板厚はすべて1.2mmである。
次に、実施例1と同様の方法で、上記鋼板の組織及び種々の特性を調べた。これらの結果を表6に併記する。
Figure 2005220440
まず、No.1は、本発明で規定する方法に従って製造した本発明例;及び、No.11は、上記工程の後、更に合金化処理(溶融亜鉛めっきに浸漬した後、合金化の目的で500℃にて熱処理)した本発明例であるが、いずれも1180MPa以上の超高強度を有しており、且つ、伸び及び耐水素脆化特性の双方に優れている。
これに対し、本発明で規定する条件のいずれかを満足しないNo.2〜10は夫々、以下の不具合を有している。
このうちNo.2は、加熱温度T1が930℃と、本発明の上限(鋼種BのA3点は795℃のため、815℃となる)を超える為、粗大なベイナイトブロックが生成し、耐水素脆化特性が低下した。
No.3は、加熱温度T1が760℃と、本発明の下限(鋼種BのA3点=795℃)を下回る為、所定量のベイナイト組織が得られず、強度が低下した。尚、耐水素脆化特性は、四点曲げ応力を負荷し得ない程強度が低い為、測定しなかった。
No.4は、加熱時間t1が長い為、オーステナイトの粒成長を招いて粗大なベイナイトブロックが生成し、耐水素脆化特性が低下した。
No.5は、加熱時間t1が短い為、オーステナイト化が充分進行せずにセメンタイトが残存し、所定の残留オーステナイトが得られず、伸びが低下した他、耐水素脆化特性も低下した。
No.6は、冷却速度CR1が小さい為、パーライト組織が多量に生成して所定量のベイナイト組織が得られず、所望の強度及び耐水素脆化特性が確保できなかった。また、所定量の残留オーステナイトも得られず、伸びも低下した。
No.7は、冷却後の加熱温度T2が600℃と、Ms点を超えた例であり、パーライト組織が多量に生成して所定量のベイナイト組織が得られず、所望の強度を確保できず、耐水素脆化特性も低下した。また、所定量の残留オーステナイトも得られず、伸びも低下した。
No.8は、冷却後の加熱温度T2が200℃と、Bs点を下回る例であり、所定量の残留オーステナイトが得られず、伸びが低下する他、耐水素脆化特性も低下した。
No.9は、冷却後の加熱時間t2が短い例であり、所定のベイナイト組織が得られず、耐水素脆化特性が低下した。また、マルテンサイトが生成し、伸びも低下した。
No.10は、冷却後の加熱時間t2が長い例であり、残留オーステナイトの分解が進行して所定量の残留オーステナイトが得られず、伸びが低くなった。
参考までに図10に、本発明例(No.1)及び比較例(No.2)における、板厚方向断面のEBSP写真(カラーマップ:倍率5000倍)の結果を示す。図10より、本発明法で製造したNo.1[図10(a)]は、所望の微細なベイナイトブロックが生成されているのに対し、本発明法で製造しない比較例のNo.2[図10(b)]では、粗大なベイナイトブロックが生成していることが分かる。
実施例1のNo.2(本発明例)におけるSEM写真(倍率:1500倍)である。 図1と同じ領域をEBSP解析した写真(倍率:1500倍)である。 図2のEBSP解析写真において、残留オーステナイトγR(FCC相)をマッピングした写真である。 本発明法の代表的な工程を説明した概略図である。 実施例1における耐圧壊性試験に用いた部品の概観斜視図である。 実施例1における耐圧壊性試験の様子を模式的に示した側面図である。 実施例1における耐衝撃特性試験に用いた部品の概観斜視図である。 上記図7におけるA−A断面図である。 実施例1における耐衝撃特性試験の様子を模式的に示した側面図である。 実施例2における本発明例(No.1)及び比較例(No.2)のEBSP写真(倍率:5000倍)である。
符号の説明
1 耐圧壊性試験用部品(試験体)
2,5 スポット溶接位置
3 金型
4 耐衝撃特性試験用部品(試験体)
6 落錘
7 (耐衝撃特性試験用)土台

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.06〜0.6%、
    Si+Al:0.5〜3%、
    Mn:0.5〜3%、
    P :0.15%以下、
    S :0.02%以下
    を含有し、且つ、
    全組織に対する面積率で、
    残留オーステナイト組織を3%以上、
    ベイナイト組織を30%以上含有しており、
    更にフェライト組織を50%以下含有していてもよく、
    該ベイナイト組織のうち、同一視野をEBSP(Electron Back Scatter Diffraction Pattern)とSEMで対比観察して判定されるベイニティックフェライト中、ベイナイトブロックの平均粒径が20μm未満であることを特徴とする耐水素脆化特性に優れた超高強度鋼板。
  2. 更に、質量%で、
    Mo:1%以下 (0%を含まない),
    Ni:0.5%以下(0%を含まない),
    Cu:0.5%以下(0%を含まない),
    Cr:1%以下 (0%を含まない)
    の少なくとも一種を含有するものである請求項1に記載の超高強度鋼板。
  3. 更に、質量%で、
    Ti:0.1%以下(0%を含まない),
    Nb:0.1%以下(0%を含まない),
    V :0.1%以下(0%を含まない)
    の少なくとも一種を含有するものである請求項1または2に記載の超高強度鋼板。
  4. 更に、質量%で、
    Ca :0.003%以下(0%を含まない)、及び/又は
    REM:0.003%以下(0%を含まない)
    を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の超高強度鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の超高強度鋼板を製造する方法であって、
    請求項1〜4のいずれかに記載の成分を満足する鋼をA3点〜(A3点+20℃)の温度で10〜600秒間加熱保持した後、3℃/s以上の平均冷却速度でMs点以上Bs点以下の温度まで冷却し、該温度域で1〜1800秒間加熱保持することを特徴とする超高強度鋼板の製造方法。
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