JP2005220169A - 脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材 - Google Patents

脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材 Download PDF

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康彰 三木
Katsuhisa Kumazawa
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Abstract

【目的】 成形体としたときのヤケやブツ等の異物の発生が抑制された脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材を提供する。
【構成】 数平均分子量10,000以上の脂肪族或いは脂環式ポリエステルの粒状体からなり、該粒状体中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が2.0重量%以下である脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材。

Description

本発明は、脂肪族或いは脂環式ポリエステルの粒状体からなる成形材に関し、更に詳しくは、成形体としたときのヤケやブツ等の異物の発生が抑制された脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材に関する。
従来より、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体、ヒドロキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体、ラクトン成分又は/及びラクチド成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体或いは共重縮合体等の脂肪族或いは脂環式ポリエステルは、生分解性を付与できるプラスチックとして注目され、フィルム、シート、容器、繊維等の成形体として各種包装資材、農業資材、漁業資材等に使用され、或いはその使用が試みられている。
しかしながら、脂肪族或いは脂環式ポリエステルを溶融成形して得られる成形体には、往々にしてヤケやブツ等が異物として発生し、それが機械的強度の低下や外観の不良等の問題を招いていた。
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、成形体としたときのヤケやブツ等の異物の発生が抑制された脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定分子量以上の脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材としてのチップ、ペレット等の粒状体中に、その粒状化のためのカッティング時や、粒状体の輸送、取扱い時等で発生し、更には、ポリエステル製造時に副生した環状オリゴマー等を低減化すべく水や有機溶剤等に接触処理した後には増加傾向となる、少量含まれる粉状体が、溶融成形時において、成形機スクリューへの食い込み性が劣って成形機中での滞留時間が長くなり、又、比表面積が大きいこと、脂肪族或いは脂環式ポリエステル自体が一般に熱安定性が低いこと等と相まって、熱劣化を起こし易く、それが成形体中にヤケやブツ等の異物として混入されることになることを見出し、本発明に到達したものであり、従って、本発明は、数平均分子量10,000以上の脂肪族或いは脂環式ポリエステルの粒状体からなり、該粒状体中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が2.0重量%以下である脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材、を要旨とする。
本発明によれば、成形体としたときのヤケやブツ等の異物の発生が抑制された脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材を提供することができる。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材を構成する脂肪族或いは脂環式ポリエステルとしては、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体、ヒドロキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体、ラクトン成分又は/及びラクチド成分に由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体等が挙げられる。
尚、ここで、その脂肪族或いは脂環式ジオール成分としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、これらの中で、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが更に好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、その脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分としては、具体的には、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ダイマー酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、及び、これらジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、無水物等のエステル形成性誘導体等が挙げられ、これらの中で、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、及び、これらジカルボン酸のアルキルエステル、無水物等が好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、そのヒドロキシカルボン酸成分としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−n−酪酸、3−ヒドロキシ−n−酪酸、4−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−n−吉草酸、3−ヒドロキシ−n−吉草酸、4−ヒドロキシ−n−吉草酸、5−ヒドロキシ−n−吉草酸、2−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、3−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、4−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、5−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、6−ヒドロキシ−n−ヘキサン酸、1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボン酸、2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸等が挙げられ、これらの中で、グリコール酸、乳酸等が好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、そのラクトン成分としては、例えば、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトン等が、又、ラクチド成分としては、例えば、前記ヒドロキシカルボン酸の環状多量体等が、それぞれ挙げられ、これらは2種以上が併用されていてもよい。
又、これらの脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、共重縮合成分として、例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、及び、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、並びに、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、トリカルバリル酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、及び、林檎酸、枸櫞酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸、没食子酸等の三官能以上の多官能成分に由来する構成繰返し単位を5モル%以下の割合で含んでいてもよい。これらの中で、林檎酸、枸櫞酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸等の三官能以上の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、林檎酸、枸櫞酸、酒石酸が特に好ましい。
これらの脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂の中で、本発明においては、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体が好ましく、これらのジオール成分とジカルボン酸成分から主としてなり、三官能以上のヒドロキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位を0.001〜5モル%含む共重縮合体が特に好ましい。
脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなる重縮合体及び共重縮合体は、前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とを、必要に応じて用いられる前記共重縮合成分と共に、エステル化反応或いはエステル交換反応を経て、重縮合触媒の存在下に重縮合させることにより製造される。即ち、前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と、前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とを、必要に応じて用いられる前記共重縮合成分と共に、攪拌下に混合して原料スラリーとなし、エステル化反応槽で常圧〜加圧下、加熱下で、エステル化反応させ、或いは、エステル交換触媒の存在下にエステル交換反応させた後、得られたエステル化反応生成物、或いはエステル交換反応生成物としてのポリエステル低分子量体を溶融重合槽に移送し、重縮合触媒の存在下に、常圧から漸次減圧としての減圧下、加熱下で、溶融重縮合させることにより製造される。尚、必要に応じて、引き続き固相重合装置に移送し、加熱下で固相重縮合させることとしてもよい。尚、これらは連続式又は回分式でなされ、又、エステル化反応槽、重縮合槽、及び固相重縮合装置は、それぞれ一段としても多段としてもよい。
その際、前記製造方法において、原料スラリー調製時の前記脂肪族或いは脂環式ジオール成分と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分との使用割合は、後者のジカルボン酸成分1モルに対して、前者のジオール成分を通常0.5〜2モル、好ましくは0.8〜1.5モルの範囲とする。又、共重縮合成分として好ましいとするヒドロキシカルボン酸成分の使用割合は、全成分に対して、0.02〜30モル%とするのが好ましく、0.5〜20モル%とするのが更に好ましく、1〜10モル%とするのが特に好ましい。
又、エステル化反応或いはエステル交換反応は、単一の反応槽、又は、複数の反応槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、通常50〜300℃程度、好ましくは120〜260℃程度の温度、常圧から微減圧下で、生成する水又はアルコールを系外に留出させながら、通常20分〜5時間程度、好ましくは30分〜3時間程度の時間でなされる。
又、溶融重縮合は、単一の溶融重合槽、又は、複数の溶融重合槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、重縮合触媒の存在下、通常100〜350℃程度、好ましくは150〜300℃程度の温度、通常1〜1,300Pa程度、好ましくは10〜700Pa程度の減圧下で、通常1〜15時間程度、好ましくは1〜6時間程度の時間でなされる。
又、溶融重縮合における重縮合触媒としては、ポリエステルの重縮合触媒として従来より慣用されている触媒が用いられ、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド等のゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、メトキシアンチモン等のアンチモン化合物、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム等のチタン化合物等が挙げられ、更に、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合物、及びコバルト化合物等が併用されて用いられる。これらの中で、本発明においては、ゲルマニウム化合物、又は/及びチタン化合物が特に好ましい。又、重縮合触媒の使用量は、前記ジオール成分と前記ジカルボン酸成分等の原料100重量部に対して、通常0.001〜3重量部程度、好ましくは0.005〜1.5重量部程度とされる。
又、本発明において、重縮合時には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記各化合物以外の金属化合物を存在させてもよく、その場合の金属化合物としては、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、ニッケル、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、錫、アンチモン、ランタン、セリウム等の酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩、燐酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等の化合物が挙げられる。
又、重縮合時には、前記重縮合触媒と共に、正燐酸、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート、亜燐酸等の燐化合物を安定剤として共存させてもよい。
又、原料スラリー調整時、前記エステル化反応或いはエステル交換反応の開始時、又は、前記溶融重縮合時には、タルク、ポリエチレン、ポリプロピレン、有機スルホン酸塩、有機カルボン酸塩等の核剤が添加されてもよい。
溶融重縮合後のポリエステルは、通常、重合槽の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に抜き出して、水冷しながら若しくは水冷後、カッターで切断されてチップ、ペレット等の粒状体とされる。又、引き続き固相重縮合を行う場合には、その粒状体を、通常、130Pa〜常圧程度の圧力下、60〜220℃程度の温度で、30分〜50時間程度の時間加熱することによりなされる。この固相重縮合により、ポリエステルを更に高重合度化させ得ると共に、環状オリゴマー等の反応副生物を低減化させることができる。
更に、本発明において、環状オリゴマー等の反応副生物、低分子量物等の低減化のために、製造された前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル粒状体を、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素系、トルエン、キシレン等の芳香族系、等の有機溶媒、若しくは水とそれらの有機溶媒との混合物に接触させる後処理が施されてもよい。
その際の水、有機溶媒等との接触は、ポリエステル粒状体をそれらの処理液中に浸漬する方法が好ましいが、その他に、ポリエステル粒状体を仕込んだ容器内にそれらの処理液を循環させる方法や、ポリエステル粒状体にそれらの処理液を噴霧する方法等であってもよい。又、その接触処理における温度としては、室温から処理液の沸点の間の温度とするのが好ましく、その間のより高温度とするのが更に好ましく、又、処理時間としては、1分〜20時間とするのが好ましく、1〜10時間とするのが特に好ましい。
前記接触処理されたポリエステル粒状体は、風乾、加熱、温風、減圧下、電磁波照射等によって、通常室温以上、ポリエステルの融点未満の温度の範囲で、通常1〜40時間、好ましくは1〜30時間で、乾燥される。
本発明における脂肪族或いは脂環式ポリエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量が10,000以上であり、200,000以下であるのが好ましく、20,000〜150,000であるのが特に好ましい。数平均分子量が前記範囲未満では、成形体としての機械的強度が劣ることとなり、一方、前記範囲超過では、溶融成形性が低下し、成形機内での発熱等により環状オリゴマー等が副生し易い傾向となる。
尚、本発明において、前記脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成繰返し単位と前記脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成繰返し単位から主としてなる脂肪族或いは脂環式ポリエステルとしては、前記数平均分子量の範囲とするために、更に、前記脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成繰返し単位を含ませることにより高分子量化する方法、又は、末端が実質的にヒドロキシル基であるポリエステルジオールに、その溶融状態でカップリング剤としてのイソシアナート化合物を添加してウレタン結合により高分子量化する方法等が採られていてもよい。
又、本発明における脂肪族或いは脂環式ポリエステルは、環状オリゴマーの含有量が0.5重量%以下であるのが好ましく、0.2重量%以下であるのが更に好ましく、0.1重量%以下であるのが特に好ましい。環状オリゴマーの含有量が前記範囲超過では、成形時の金型等の成形装置の汚染を生じ易い傾向となって、成形体としたときの表面外観が低下し易い傾向となる。
本発明の脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材は、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステルの粒状体からなり、該粒状体中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が2.0重量%以下であることを必須とし、粒径1mm未満の粉状体の割合が1.0重量%以下であるのが好ましく、又、粉状体の粒径としては、0.5mm以下であるのが好ましい。粒径1mm未満の粉状体の割合が前記範囲超過では、成形体としたときにヤケやブツ等の異物が生じ、機械的強度の低下や外観の不良等の問題を招くこととなる。
尚、ここで、粒状体としては、所謂、チップ又はペレットと呼ばれている、円柱状、角柱状、板状、球状、楕円球状等の形状であって、大径が2〜5mm程度の大きさのものが用いられる。
又、粒状体中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が前記範囲の成形材は、例えば、粒状体を所定目開きの篩にかけて粉状体を除去する方法、或いは、粒状体を分級機、フロスセパレータ等で処理して粉状体を除去する方法等により調製することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
内容積5,000Lの反応容器に、1,4−ブタンジオール1,140kg、琥珀酸1,024kg、アジピン酸330kg、枸櫞酸200kg、及び、90重量%乳酸水溶液に710gの二酸化ゲルマニウムを溶解した水溶液71kgを仕込み、攪拌下に窒素ガスを導入しつつ220℃で2時間エステル化反応させ、次いで、反応液を重合容器に移送し、220℃から徐々に昇温すると共に、1.5時間かけて常圧から漸次減圧とし、230℃、0.3hPaの減圧下で、更に3時間かけて溶融重縮合を行い、その後、容器内を窒素にて加圧して重合容器の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に押し出して、水冷後、カッターで切断してペレット状の脂肪族ポリエステルを製造した。得られた脂肪族ポリエステルペレットは、以下に示す方法で測定した数平均分子量が12,000、以下に示す方法で測定した環状オリゴマーの含有量が0.72重量%のものであった。
<数平均分子量>
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8020」を用い、クロロホルム溶媒とし、カラムは東ソー社製「PLgel−10μ−MIX」を用いて、ポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
<環状オリゴマー含有量>
島津製作所製液体クロマトグラフィー「LC−10A」を用い、移動相をアセトニトリル/水(容量比4/6)とし、カラムは資生堂社製「SHISEIDO CAPCELL PAK C−18 TYPE MG」を用いて、環状二量体量を定量した。
得られた脂肪族ポリエステルペレット1,500kgを、内容積5,000Lのジャケット付コニカルドライヤーに充填し、水18kgとアセトン1,782kgを投入して、内温を30℃に保ちながら6時間静置し、次いで、溶媒を抜き取り、ドライヤーを回転させながら装置内を減圧とし、内温60℃、内圧力2.5hPa以下で40時間かけて乾燥させた。得られた脂肪族ポリエステルペレットを目開き2mmの篩にかけることにより、本発明の成形材を調製した。得られた脂肪族ポリエステル成形材は、成形材中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が0.3重量%、前記と同様の方法で測定した環状オリゴマーの含有量が0.10重量%のものであった。
得られた脂肪族ポリエステル成形材を、樹脂温度160℃でインフレーション成形して厚み30μmのフィルムを成形し、そのフィルム1g中の異物の量を目視観察したところ、径0.1〜0.3mmの大きさのものが5個、0.3mm超過の大きさのものは0個であった。
実施例2
内容積5,000Lの反応容器に、1,4−ブタンジオール778kg、琥珀酸1,003kg、及び、二酸化ゲルマニウムを4重量%となる量で溶解させた27.7重量%林檎酸水溶液13.4kgを仕込み、攪拌下に窒素ガスを導入しつつ220℃で1.5時間エステル化反応させ、次いで、220℃から徐々に昇温すると共に、1.5時間かけて常圧から漸次減圧とし、230℃、0.3hPaの減圧下で、更に2.5時間かけて溶融重縮合を行い、その後、容器内を窒素にて加圧して重合容器の底部に設けられた抜き出し口からストランド状に押し出して、水冷後、カッターで切断してペレット状の脂肪族ポリエステルを製造した。得られた脂肪族ポリエステルペレットは、前記と同様の方法で測定した数平均分子量が13,000、前記と同様の方法で測定した環状オリゴマーの含有量が0.72重量%のものであった。
得られた脂肪族ポリエステルペレット1,500kgを、内容積5,000Lのジャケット付コニカルドライヤーに充填し、アセトン1,800kgを投入して、内温を50℃に保ちながら12時間静置し、次いで、溶媒を抜き取り、ドライヤーを回転させながら装置内を減圧とし、内温70℃、内圧力2.5hPa以下で35時間かけて乾燥させた。得られた脂肪族ポリエステルペレットを目開き2mmの篩にかけることにより、本発明の成形材を調製した。得られた脂肪族ポリエステル成形材は、成形材中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が0.25重量%、前記と同様の方法で測定した環状オリゴマーの含有量が0.08重量%のものであった。
得られた脂肪族ポリエステル成形材を、樹脂温度160℃でインフレーション成形して厚み30μmのフィルムを成形し、そのフィルム1g中の異物の量を目視観察したところ、径0.1〜0.3mmの大きさのものが4個、0.3mm超過の大きさのものは0個であった。
比較例1
実施例2で得られた脂肪族ポリエステルペレット1,500kgとアセトン1,800kgを、スクリューを装備したSVミキサーに投入し、内温を30℃に保ちながら6時間静置し、次いで、溶媒を抜き取り、ミキサーのスクリューを自転20rpm、公転0.6rpmで回転させながら、内温60℃、内圧力3hPa以下で40時間かけて乾燥させた。得られた脂肪族ポリエステル成形材は、成形材中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が2.5重量%、前記と同様の方法で測定したオリゴマーの含有量が0.35重量%のものであった。
得られた脂肪族ポリエステル成形材を、樹脂温度160℃でインフレーション成形して厚み30μmのフィルムを成形し、そのフィルム1g中の異物の量を目視観察したところ、径0.1〜0.3mmの大きさのものが18個、0.3mm超過の大きさのものは5個であった。
本発明によれば、成形体としたときのヤケやブツ等の異物の発生が抑制された脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材を提供することができ、該成形材は、必要に応じてポリエステルに通常添加される酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、核剤、可塑剤、着色剤、充填材等を添加され、常法により溶融混練することにより成形用材料として調製され、例えば、圧縮成形法、押出成形法、射出成形法、中空成形法等のプラスチックの通常の溶融成形法により成形体とされ、又は更に、熱成形、延伸成形、発泡成形等の二次成形に付され、例えば、フィルム状、シート状、繊維状、トレイ状、ボトル状、パイプ状、その他特定形状等の成形体として、例えば、包装用資材、農業用資材、土木用資材、建築用資材、漁業用資材、自動車部品、家電部品、その他工業用資材等として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 数平均分子量10,000以上の脂肪族或いは脂環式ポリエステルの粒状体からなり、該粒状体中に含まれる粒径1mm未満の粉状体の割合が2.0重量%以下であることを特徴とする脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材。
  2. 脂肪族或いは脂環式ポリエステルにおける環状オリゴマーの含有量が0.5重量%以下である請求項1に記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材。
  3. 脂肪族或いは脂環式ポリエステルが、脂肪族或いは脂環式ジオール成分と脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸成分とに由来する構成繰返し単位から主としてなるものである請求項1又は2に記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材。
  4. 脂肪族或いは脂環式ポリエステルが、更に、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸成分に由来する構成繰返し単位を含む請求項3に記載の脂肪族或いは脂環式ポリエステル成形材。
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