JP2005220020A - 光学活性3−ハロ−1、2−プロパンジオールの製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】医薬品中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを安価な原料から簡便に製造できる方法を提供する。
【解決手段】安価に入手可能な2−クロロアリルアルコールと次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンを反応させてハロヒドロキシアセトン誘導体に変換した後、ハロヒドロキシアセトン誘導体を、遷移金属と光学活性ホスフィン配位子より調製される不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することにより、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを製造する。
【選択図】 なし。
【解決手段】安価に入手可能な2−クロロアリルアルコールと次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンを反応させてハロヒドロキシアセトン誘導体に変換した後、ハロヒドロキシアセトン誘導体を、遷移金属と光学活性ホスフィン配位子より調製される不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することにより、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを製造する。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール、とりわけ光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールの製法に関する。より詳細には、安価に入手可能な2−クロロアリルアルコールから簡便な方法によりハロヒドロキシアセトン誘導体を合成し、そのカルボニル基を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することを特徴とする、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール、とりわけ光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールの製造法としては、以下の様な方法が知られている。
1)微生物を用いて、ラセミ体の3−クロロ−1,2−プロパンジオールの一方の光学異性体のみを資化分解することより、(S)または(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオールを残存させる方法(化学と工業、1997年、71巻、482〜489頁)。
2)ラセミ体の3−クロロ−1,2−プロパンジオールを、チオール化合物存在化下、微生物で処理することにより、(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール及び(S)−チオグリセリンに変換した後、(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオールを分離精製する方法(特開昭62−122596、特開昭62−122597)。
3)1−アセトキシ−3−クロロ−2―プロパノンを、微生物を用いて立体選択的に還元した後、リパーゼを用いて脱アセチル化することにより、光学活性3―クロロ−1,2―プロパンジオールを取得する方法(特開平11−103878)
4)ラセミ体のエピクロルヒドリンを(R,R)−Jacobsen触媒存在下、不斉開環することにより、(S)−エピクロルヒドリン(収率44%、光学純度96%ee)及び(R)−3―クロロ−1,2−プロパンジオール(収率50%、光学純度96%ee)に変換した後、(R)−3―クロロ−1,2−プロパンジオールを分離精製する方法(WO00/009463)。
【0003】
しかしながら、1)の方法では光学分割法である為、理論収率は50%以下であり、また原料の仕込濃度が低い為、生産性が悪い。2)の方法では、含硫化合物等の廃棄物が多量に副生する。3)の方法では、基質が極めて入手困難であり、またリパーゼを用いて脱アシルする必要がある為、煩雑な製法となる。4)の方法では、高価な不斉触媒が必要であり、得られる光学活性3―クロロ−1,2−プロパンジオールの光学純度も低い。このように、いずれの方法においても工業的に利用するには大きな課題を有している。
【0004】
一方、プロキラルな化合物であるハロヒドロキシアセトン誘導体を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することにより、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを得る方法については、全く報告されていない。
【0005】
ハロヒドロキシアセトン誘導体の製造法としては、以下の製造法が知られている。
5)α−クロロピルビン酸を硫酸存在下、オルト蟻酸メチル/メタノールで処理した後、リチウムアルミニウムハイドライドを用いて還元することにより3−クロロ−2,2−ジメチルオキシ−1−プロパノールを合成し、これを酸で処理して1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを水溶液として得る方法(J.Org.Chem.,1982,47,2355〜2358)。
6)2−クロロアリルアルコールをN−ブロムスクシニルイミド(NBS)で処理することにより、1−ブロモ−3−ヒドロキシアセトンを得る方法(Tetrahedron Lett.,1993,34,1733〜1736)。
7)クロロプロパルギルアルコールを炭酸カリ存在下、ホルムアルデヒドと反応させることにより1−クロロ−2,3−メチレンジオキシプロペンに変換した後、これを酸で処理して1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを得る方法(Justus Liebigs Ann.Chem.,1969,724,128〜136)。
8)2−クロロアリルアルコールを次亜塩素酸(ClOH)で処理することにより、1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを得る方法(J.Chem.Soc.(B),1969,421)。
【0006】
しかしながら、5)の方法では、高価な還元剤を使用しなけらばならず、また、工程数が長くて煩雑である、6)の方法では、出発原料が入手困難であり、高価なNBSが必要である、7)の方法では、出発原料が高価であり、操作が煩雑である8)の方法では、入手困難な次亜塩素酸を用いる等、工業的製法としては、改善すべき点を有している。
【0007】
また、1−クロロ−3−ヒドロキシアセトン、または、その2量体である2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの単離精製法については全く報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記に鑑み、本発明の目的は、医薬品の中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール、中でも光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールを安価で入手容易な原料から簡便に製造できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記に鑑み、鋭意検討を行った結果、安価に入手可能な2−クロロアリルアルコールから簡便な方法にてハロヒドロキシアセトン誘導体を合成し、そのカルボニル基を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することにより、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを簡便に製造できる方法を見出した。
【0010】
さらに、上記製造法で副生する不純物を水と共沸除去する、または、有機溶剤を用いて目的物を晶析することにより高純度の目的物を取得できることも見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は下記式(1);
【0012】
【化9】
【0013】
で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させることを特徴とする、下記式(2);
【0014】
【化10】
【0015】
(式中、Xはハロゲンを表す。)、または下記式(3);
【0016】
【化11】
【0017】
(式中、Xは前記と同じ。)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体の製造法である。
【0018】
また、本発明は、前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させて、下記式(4);
【0019】
【化12】
【0020】
または、下記式(5);
【0021】
【化13】
【0022】
で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体とし、次いで共存する2,2,3−トリクロロプロパノールを水と共沸除去することを特徴とする前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の製造法である。
【0023】
また、本発明は、前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させて得られた、不純物が混入している前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を、有機溶剤を用いて晶析することにより上記不純物を除去し、前記式(5)で表される化合物の結晶として取得することを特徴とする、前記式(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の製造法である。
【0024】
また、本発明は、前記式(2)または(3)で表される化合物を、遷移金属と光学活性ホスフィン配位子より調製される不斉水素化と水素を用いて不斉水素化することを特徴とする下記式(6);
【0025】
【化14】
【0026】
で表される光学活性3−ハロ−1,2−−プロパンジオール誘導体の製造法でもある。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
前記式(1)、(2)、(3)及び(6)において、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子を表す。また、前記式(6)において、*は不斉炭素を表す。
【0028】
前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールは、工業廃棄物として安価に入手可能できる。また、より安価な1,2,3−トリクロロプロパンまたは2,3−ジクロロプロペンを、炭酸カリウム等を用いて加水分解することにより製造することもできる(US 2285329)。本発明においては、上記加水分解反応によって製造した2−クロロアリールアルコールを、単離精製して使用してもよいし、単離精製することなく加水分解反応液をそのまま、あるいは、反応液を蒸留して得られる2−クロロアリールアルコールと水の混合物として用いることもできる。
【0029】
次に、本発明における光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールの製造法について説明する。
【0030】
まず、本発明における前記式(2)または(3)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体の製造法について説明する。前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを溶媒に加え、酸性条件下にて次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンを添加することにより、前記式(2)または(3)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体を製造することができる。
【0031】
上記次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンとしては、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)、サラシ粉(Ca(ClO)2・CaCl2・2H2O)、高純度サラシ粉( Ca(ClO)2・3H2O 、サラシ液( Ca(ClO)2)、塩素、臭素、沃素等が挙げられ、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムまたは塩素が挙げられる。次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンの使用量は、2−クロロアリルアルコールと次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンのモル比として、5:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:2である。
【0032】
本反応に使用できる溶媒としては水、または水を含む混合溶媒である。混合溶媒に用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤;ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。上記溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
本反応においては、生成物であるハロヒドロキシアセトン誘導体が中性〜アルカリ性では不安定な為、反応を酸性条件下にて行う必要がある。例えば、本反応の好適なpH範囲としては、pH5以下、好ましくはpH3以下である。また、本反応において次亜ハロゲン酸塩を用いる場合は、反応系がアルカリ条件になるのを防ぐ為に、予め対応する量の酸を添加しておく、あるいは酸を用いてpHコントロールしながら反応することが望ましい。
【0034】
上記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、クエン酸等の有機酸が挙げられ、好ましくは、硫酸である。酸の使用量は、酸と次亜ハロゲン酸塩の当量比として、5:1〜1:5、好ましくは5:1〜1:2、より好ましくは2:1〜1:2である。
【0035】
本反応の反応温度としては、好ましくは−20〜60℃、より好ましくは0〜40℃である。本反応の反応時間としては、好ましくは1時間〜72時間、より好ましくは1時間〜10時間である。
【0036】
本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な後処理を行えばよい。例えば、クロロヒドロキシアセトン誘導体を含む反応液から、一般的な抽出溶媒、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出し、減圧加熱等の操作により反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
【0037】
上記方法により前記式(4)または前記式(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を製造する場合、製造過程における分解や副反応のため、アセトール、1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシアセトン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、1,3−ジクロロアセトン、1,3−ジヒドロキシアセトン、2,2,3−トリクロロプロパノール等の各種不純物を含有しやすい。とりわけ、上記反応においては、1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシアセトン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、または2,2,3−トリクロロプロパノール等を副生する傾向があり、高品質の目的物を得るためには、これらの不純物を除去することが好ましい。
【0038】
一般に、構造の類似した不純物(類縁物質)の除去は難しく、これらの不純物を除去して高品質の目的物を得るためには、優れた精製、単離方法が必要である。本発明者らは鋭意検討の結果、前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体及び不純物含有する水溶液から不純物を水と共沸除去すること、または、不純物を含有する前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を有機溶剤から晶析することにより、こ高純度の目的物を効率よく取得できる方法を開発するに至った。
【0039】
前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体に含まれる不純物、特に2,2,3−トリクロロプロパノールは水との共沸混合物として留去することが好ましい。水との共沸除去は、例えば前記反応液を減圧加熱下に濃縮する等、常法により行うことができる。この方法により、目的物であるクロロヒドロキシアセトン誘導体をほとんどロスすることなく、2,2,3−トリクロロプロパノール等の不純物を除去することができる。
【0040】
この様にして得られた反応液から一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、tertブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、塩化メチレン等を用いて抽出した後、溶媒を留去することにより化学純度の高い目的物を効率よく取得することができる。
【0041】
以上の操作を行って得られたクロロヒドロキシアセトンをさらに高品質化(化学純度を高める)する為には晶析を行うことが好ましい。
【0042】
前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の晶析は必ずしも容易ではないが、前述の不純物の共沸除去操作を行い、また、好適な晶析溶媒を利用することにより、驚くべきことに極めて容易に前記式(5)で表される2量体、2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの結晶として採取し得ることを見い出した。
【0043】
本晶析は前記式(4)で表される1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの2量化反応とその2量体の結晶化により成り立っている。即ち、前記式(4)で表される1−クロロ−3−ヒドロキシアセトン(油状物)は適当な溶媒中にて冷却されることにより、2量化してより安定な前記式(5)で表される2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(結晶性化合物)に変換され、その後、2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンが結晶化して析出することにより、目的化合物が結晶として得られる。
【0044】
本発明においては、不純物として少なくとも1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシアセトン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等を含有するクロロヒドロキシアセトン誘導体を、有機溶剤を用いて晶析することにより、上記不純物を除去し、高純度の2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンを取得することができる。
【0045】
本工程において使用される有機溶剤として、湿結晶からの溶剤の乾燥や溶剤の回収再利用(蒸留回収)等の点を考慮すると、比較的沸点の低い有機溶剤が好ましく、一般には、1気圧以下で沸点が約100℃以下の有機溶剤が挙げられる。
【0046】
前記有機溶剤としては特に限定されず、具体的には例えば、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tret−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ―ブチロラクトン等のエステル系溶剤;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランアセトン等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1―トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、1,3,5−メシチレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。
【0047】
好ましくはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、1,3,5−メシチレン等の芳香族炭化水素系溶剤であり、更に溶剤コストや取り扱い性の総合的観点から、トルエン、キシレン等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0048】
前記有機溶剤を使用すると、前記化合物(5)の高い精製効果、即ち、各種不純物、とりわけ前記化合物(5)の類縁物質の効果的な除去が達成される。前記有機溶剤の使用量は、前記化合物(5)の結晶化のための操作終了時において、取得物の流動性が維持できる量であるのが好ましく、例えば、前記化合物(5)に対し、好ましくは約30倍重量以下であり、更に好ましくは約0.5〜10倍重量である。
【0049】
本発明において、前記化合物(5)の結晶化の際には、反応晶析、冷却晶析、濃縮晶析等の晶析方法、または、これらの晶析方法を組み合わせて用いることができる。なお、前記濃縮晶析は、前記有機溶剤以外の他の溶剤からなる溶液を前記有機溶剤からなる溶液に置換していく晶析法であってもよい。また、結晶化に際しては、種晶を添加してもよい。
【0050】
本発明において、結晶化に際しては前記有機溶剤の他に、前記化合物(5)の収量、処理濃度、及び得られる結晶の物性のうち、少なくとも1つを改善するために、更に補助的な溶剤を用いることができる。前記補助的な溶剤は、必要に応じて、前記有機溶剤に添加してもよく、予め補助的な溶剤と前記有機溶剤の混合溶液に前記化合物(5)を加熱溶解させ、冷却晶析することもできる。
【0051】
前記補助的な溶剤としては、特に限定されず、例えばペンタン、石油エーテル、ネオペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なかでも、湿体からの溶剤の乾燥、溶剤の回収再利用(蒸留回収)、溶剤コストや取り扱い性等の総合的観点から、ヘキサン、ヘプタン等が好ましい。
【0052】
前記補助的な溶剤の適切な使用量は、簡単な実験により設定できる。収量や結晶スラリーの流動性の観点からは、前記化合物(5)の結晶化のための操作が終了した時点において、前記有機溶剤と前記補助的な溶剤の容量比は、補助的な溶剤/前記溶剤として、20以下となる量が好ましい。より好ましくは、10以下となる量が用いられる。
【0053】
本発明の精製、単離方法は、室温付近で実施することができる。必要に応じて、加温又は冷却をすることができ、例えば、約60℃以下、通常は−30℃〜50℃で行う。
【0054】
このようにして得られた前記化合物(5)は、固液分離を行い、必要に応じて、更にケーキ洗浄し、乾燥することもできる。前記固液分離の方法としては特に限定されず、例えば、加圧濾過、減圧濾過、遠心分離等の方法が挙げられる。上記乾燥の方法としては、例えば、熱分解や溶融を避けて約60℃以下で、減圧乾燥(真空乾燥)するのが好ましい。
【0055】
次に、本発明における光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール誘導体の製造法について説明する。
【0056】
本発明では、前記式(2)又は(3)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化し、前記式(6)で表される光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを製造する。なかでも、医薬中間体としては光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールが好ましく、従って、本発明においては、前記式(4)又は(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を不斉水素化するのが好ましい。高純度の光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールを製造するためのには、上記の水との共沸により不純物を除去した化合物(4)または(5)を不斉水素化するのが好ましく、さらに、上記晶析法によって精製された化合物(5)を不斉水素化するのがより好ましい。
【0057】
本発明で用いる不斉水素化触媒は遷移金属と光学活性ホスフィン配位子より調製される錯体である。
【0058】
遷移金属としては、特には限定されないが、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、ニッケル等が挙げられる。好ましくは、当該化合物に対する反応性の点からルテニウムである。
【0059】
ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体としては、下記式(7)
【0060】
【化15】
【0061】
で表される錯体、下記式(8)
Ru(P−P)Y2(arene) (8)
(式中P−Pは光学活性ホスフィン配位子を表し、areneは芳香族配位子を表し、Yは前記と同じ)で表される錯体、又は、下記式(9)
【0062】
【化16】
【0063】
で表される錯体などが挙げられる。
【0064】
上記式(7)、(8)、(9)中、ホスフィン配位子としては、光学活性なビスホスフィンであり、光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチル(BINAPと称す)、又は光学活性1,2−ビス(trans−2,5−ジアルキルホスホラノ)ベンゼン(DuPhosと称す)、又は光学活性1,2−ビス(trans−2,5−ジアルキルホスホラノ)エタン(BPEと称す)、又は光学活性ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)エタン(BisP*と称す)等が挙げられ、好ましくは立体選択性、反応性の点から光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチルである。
【0065】
光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチルにおけるアリール基としては、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、2−フリル基、2−チオフェニル、2−ピリジル基、3−ピリジル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基である。
【0066】
上記式(7)において、Yとしては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子が好ましく、より好ましくは臭素原子である。
【0067】
上記式(7)、及び(8)で表されるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体の調製法としては、次のような方法が知られている。
(一)入手容易な[Ru(COD)(methylallyl)2](ここでシクロオクタ−1,5−ジエンを表す)と光学活性ビスホスフィンを混合加熱することにより、式(7)においてYがメチルアリル基であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする、若しくは更にHBr溶液と反応させ式(7)においてYが臭素原子であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする方法(Tetrahedron Asymmetry(1994)5巻、655頁)。
(二)[RuCl2(COD)]nと光学活性ビスホスフィンをトリエチルアミン存在下反応させ、次いで酢酸ナトリウムを作用させることにより、式(7)においてYがアセトキシ基であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とするか、さらにこのものにハロゲン化水素水溶液を加え、式(7)においてYがハロゲン原子であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする方法(J.Am.Chem.Soc.(1986)108巻、7117頁)。
(三)[RuY2(arene)]2(式中Yは上記に同じ、areneは芳香族化合物を表す)と光学活性ビスホスフィンをジメチルホルムアミド中加熱することで、Ru(P−P)Y2(arene)とする方法(J.Org.Chem.(1992)57巻、4053頁)。
(四)Ru(acac)3(式中acacはアセチルアセトナート基を表す)と光学活性ビスホスフィンを反応させ、式(7)においてYがアセチルアセトナート基であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする方法(Organometallics.(1993)12巻、1467頁)。
なかでも、好ましくは上記(一)に記載の方法である。
【0068】
上記式(9)において、Zはハロゲン原子であり、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子などが挙げられる。好ましくは塩素である。
【0069】
上記式(9)で表されるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体の調製法としては、[RuCl2(COD)]nと光学活性ビスホスフィンをトリエチルアミン存在下反応させる方法(Organometallics(1996)15巻、1521頁)が挙げられる。
【0070】
上記式(7)、(8)及び(9)で表される不斉水素化反応を触媒する金属錯体として、高立体選択性、高収率かつ比較的低い水素圧で反応を実施する点で、好ましくは、式(7)で表される錯体において、Yが臭素原子であり、光学活性ホスフィン配位子が光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチル(BINAP)であるRuBr2BINAP錯体である。
【0071】
次に、上記触媒を用いた不斉水素化反応に関して説明する。
【0072】
上記不斉触媒の当量としては、反応が十分に進行する量であれば特に制限されない。好ましい触媒使用量は、触媒や溶媒の種類、及び反応条件によって異なるが、反応速度および経済性を考慮すると上記式(2)及び(3)で表される化合物に対して1/50〜1/100000当量、さらに好ましくは1/100〜1/10000当量である。
【0073】
不斉水素化反応における水素圧は、好ましくは1−100kg/cm2であり、より好ましくは1〜10kg/cm2である。
【0074】
反応溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトン、ブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、水などが挙げられる。また、上記溶媒を単独で用いても良いし、混合して使用してもよい。好ましくは、水若しくはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのプロトン性極性溶媒又は、プロトン性極性溶媒と水の混合溶媒であり、より好ましくはメタノールと水の混合溶媒である。
【0075】
上記プロトン性極性溶媒−水の混合溶媒の比率は任意に選択できるが、好ましくはプロトン性極性溶媒/水として100/1〜1/1であり、さらに好ましくは20/1〜4/1である。
【0076】
上記反応は、例えば上記溶媒中、−50℃〜150℃の穏和な条件から選択できるが、収率向上の点から、好ましくは0℃〜80℃である。また、反応時間30分〜24時間程度反応することにより行うことができる。
【0077】
上記反応の後処理としては、反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー、あるいは蒸留により精製することで、目的の光学活性化合物を取得することができる。
【0078】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0079】
【実施例】
(実施例1) 1−クロロ−3−ヒドロシアセトンの製造
2、3−ジクロロプロぺン22.19g、炭酸カリウム30.41gを水100mlに溶解させた後、48時間還流した。得られた加水分解反応液(2−クロロアリルアルコールを含有する)を氷冷し、濃硫酸24.5g添加した後、13%次亜塩素酸ナトリウム溶液133mlをゆっくりと滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液を約1/2容量まで減圧濃縮した後、酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチルを留去して薄黄色油状の濃縮物13.9g(化学純度80%、2,2,3−トリクロロプロパノール 1%未満:下記条件にて分析)を得た。得られた濃縮物をシリカゲルカラムにて精製することにより、表題化合物を透明油状物として得た。
(GC分析条件)
カラム:PEG−20M 10% ChromsorbWAW DMCS 80/100(ジーエルサイエンス株式会社製)
H2:1.5kg/cm2
N2:0.5kg/cm2
Air:1.0kg/cm2
検出:FID
カラム温度:150℃
【0080】
(実施例2) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの製造
1、2、3−トリクロロプロパン147.4g、炭酸ナトリウム235.5gを水1000mlに溶解させた後、48時間還流した。得られた加水分解反応液を蒸留することにより、沸点95〜100℃の留出画分212gを得た(2−クロロアリルアルコールを含有する)。濃硫酸59gを水100mlに添加し、氷冷下にて上記留出各分を加えた後、13%次亜塩素酸ナトリウム溶液633mlをゆっくり滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液の一部を酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチルを留去して薄黄色油状の濃縮物1.1g(純度57.1%、1,2,3−トリクロロプロパノール 15.6%:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0081】
(実施例3) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの製造
2−クロロアリルアルコール925mgを20%硫酸2.08mlに溶解した後、氷冷下にて13%次亜塩素酸ナトリウム溶液6.67mlをゆっくり滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチルを留去して薄黄色油状の濃縮物1.21g(純度64.4%、1,2,3−トリロプロパノール 11.6%:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0082】
(実施例4) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの製造
2−クロロアリルアルコール925mgを水5mlに溶解した後、氷冷下にて塩素ガスを吹きこ込み、さらに2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、減圧濃縮することにより薄黄色油状の濃縮物1.01g(純度=58.3%、1,2,3−トリロプロパノール=19.5%:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0083】
(実施例5) 2,5−ジブロモメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの製造
2−クロロアリルアルコール925mgを水5mlに溶解した後、氷冷下にて臭素1.6gを添加し、さらに2時間攪拌した。反応液を塩化メチレンにて抽出し、減圧濃縮した後、濃縮液を冷却晶析することにより表題化合物の白色結晶200mgを得た。
【0084】
(実施例6) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの精製
実施例2で得られた1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを含有する反応液を1/2容量まで減圧濃縮した後、酢酸エチルにて抽出、減圧濃縮することにより、薄黄色油状の濃縮物85g(純度67.9%、1,2,3−トリクロロプロパン 1%以下:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0085】
(実施例7) 2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの精製
上記実施例6で得られた濃縮物をトルエン60mlに溶解させた後、氷冷下にて12時間攪拌することにより晶析した。晶析溶液(スラリー状)にヘキサン60mlをゆっくりと適下した後、濾過することにより、表題化合物を白色結晶として得た(純度99%以上:実施例1記載の条件にて分析)。
【0086】
(実施例8) 2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの精製
実施例3で得られた濃縮物をトルエンに溶かした後、氷冷下にて12時間攪拌することにより晶析した。晶析溶液(スラリー状)にヘキサンをゆっくりと適下した後、濾過することにより、表題化合物を白色結晶として得た(純度99%以上:実施例1記載の条件にて分析)。
【0087】
(実施例9) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い70℃まで昇温させた後、水素圧(3.0kg/cm2)で20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を102.6mg(収率93%)得た。
ここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオール(33.2mg、0.30mmol)、p−トルエンスルホン酸クロリド(57.3mg、0.30mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン(3.7mg、0.03mmol)をピリジン(1.0mL)に溶解させ、室温で1時間反応させた。反応溶液に塩酸を加え酢酸エチルで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた残査を薄層クロマトグラフィーにより精製し1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールを得た。このものの光学純度はHPLC分析(キラルセルAD、ヘキサン/イソプロパノール=9/1、1.0mL/min、235nm)により、79.0%eeであった。(保持時間(S)体18.7分、(R)体21.1分)。
【0088】
(実施例10) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い50℃まで昇温させた後、水素圧(3.0kg/cm2)で20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を108.5mg(収率98%)得た。
実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、75.8%eeであった。
【0089】
(実施例11) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。水素置換を行い室温で、水素圧(3.0kg/cm2)で20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を18.5mg(収率17%)得た。
実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、71.4%eeであった。
【0090】
(実施例12) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にエタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い100℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を62.4mg(収率57%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、67.8%eeであった。
【0091】
(実施例13) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にイソプロパノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い100℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を9.9mg(収率9%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、67.5%eeであった。
【0092】
(実施例14) (S)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2BisP*(2.5mg、0.0050mmol)(BisP*は(S、S)ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)エタンを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い70℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を26.2mg(収率24%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、52.1%eeであった。
【0093】
(実施例15) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(R)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い70℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を101.0mg(収率91%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、78.0%eeであった。
【0094】
【発明の効果】
本発明の方法により、医薬品中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを安価な原料から簡便に製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール、とりわけ光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールの製法に関する。より詳細には、安価に入手可能な2−クロロアリルアルコールから簡便な方法によりハロヒドロキシアセトン誘導体を合成し、そのカルボニル基を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することを特徴とする、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール、とりわけ光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールの製造法としては、以下の様な方法が知られている。
1)微生物を用いて、ラセミ体の3−クロロ−1,2−プロパンジオールの一方の光学異性体のみを資化分解することより、(S)または(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオールを残存させる方法(化学と工業、1997年、71巻、482〜489頁)。
2)ラセミ体の3−クロロ−1,2−プロパンジオールを、チオール化合物存在化下、微生物で処理することにより、(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール及び(S)−チオグリセリンに変換した後、(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオールを分離精製する方法(特開昭62−122596、特開昭62−122597)。
3)1−アセトキシ−3−クロロ−2―プロパノンを、微生物を用いて立体選択的に還元した後、リパーゼを用いて脱アセチル化することにより、光学活性3―クロロ−1,2―プロパンジオールを取得する方法(特開平11−103878)
4)ラセミ体のエピクロルヒドリンを(R,R)−Jacobsen触媒存在下、不斉開環することにより、(S)−エピクロルヒドリン(収率44%、光学純度96%ee)及び(R)−3―クロロ−1,2−プロパンジオール(収率50%、光学純度96%ee)に変換した後、(R)−3―クロロ−1,2−プロパンジオールを分離精製する方法(WO00/009463)。
【0003】
しかしながら、1)の方法では光学分割法である為、理論収率は50%以下であり、また原料の仕込濃度が低い為、生産性が悪い。2)の方法では、含硫化合物等の廃棄物が多量に副生する。3)の方法では、基質が極めて入手困難であり、またリパーゼを用いて脱アシルする必要がある為、煩雑な製法となる。4)の方法では、高価な不斉触媒が必要であり、得られる光学活性3―クロロ−1,2−プロパンジオールの光学純度も低い。このように、いずれの方法においても工業的に利用するには大きな課題を有している。
【0004】
一方、プロキラルな化合物であるハロヒドロキシアセトン誘導体を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することにより、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを得る方法については、全く報告されていない。
【0005】
ハロヒドロキシアセトン誘導体の製造法としては、以下の製造法が知られている。
5)α−クロロピルビン酸を硫酸存在下、オルト蟻酸メチル/メタノールで処理した後、リチウムアルミニウムハイドライドを用いて還元することにより3−クロロ−2,2−ジメチルオキシ−1−プロパノールを合成し、これを酸で処理して1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを水溶液として得る方法(J.Org.Chem.,1982,47,2355〜2358)。
6)2−クロロアリルアルコールをN−ブロムスクシニルイミド(NBS)で処理することにより、1−ブロモ−3−ヒドロキシアセトンを得る方法(Tetrahedron Lett.,1993,34,1733〜1736)。
7)クロロプロパルギルアルコールを炭酸カリ存在下、ホルムアルデヒドと反応させることにより1−クロロ−2,3−メチレンジオキシプロペンに変換した後、これを酸で処理して1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを得る方法(Justus Liebigs Ann.Chem.,1969,724,128〜136)。
8)2−クロロアリルアルコールを次亜塩素酸(ClOH)で処理することにより、1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを得る方法(J.Chem.Soc.(B),1969,421)。
【0006】
しかしながら、5)の方法では、高価な還元剤を使用しなけらばならず、また、工程数が長くて煩雑である、6)の方法では、出発原料が入手困難であり、高価なNBSが必要である、7)の方法では、出発原料が高価であり、操作が煩雑である8)の方法では、入手困難な次亜塩素酸を用いる等、工業的製法としては、改善すべき点を有している。
【0007】
また、1−クロロ−3−ヒドロキシアセトン、または、その2量体である2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの単離精製法については全く報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記に鑑み、本発明の目的は、医薬品の中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール、中でも光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールを安価で入手容易な原料から簡便に製造できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記に鑑み、鋭意検討を行った結果、安価に入手可能な2−クロロアリルアルコールから簡便な方法にてハロヒドロキシアセトン誘導体を合成し、そのカルボニル基を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化することにより、光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを簡便に製造できる方法を見出した。
【0010】
さらに、上記製造法で副生する不純物を水と共沸除去する、または、有機溶剤を用いて目的物を晶析することにより高純度の目的物を取得できることも見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は下記式(1);
【0012】
【化9】
【0013】
で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させることを特徴とする、下記式(2);
【0014】
【化10】
【0015】
(式中、Xはハロゲンを表す。)、または下記式(3);
【0016】
【化11】
【0017】
(式中、Xは前記と同じ。)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体の製造法である。
【0018】
また、本発明は、前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させて、下記式(4);
【0019】
【化12】
【0020】
または、下記式(5);
【0021】
【化13】
【0022】
で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体とし、次いで共存する2,2,3−トリクロロプロパノールを水と共沸除去することを特徴とする前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の製造法である。
【0023】
また、本発明は、前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させて得られた、不純物が混入している前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を、有機溶剤を用いて晶析することにより上記不純物を除去し、前記式(5)で表される化合物の結晶として取得することを特徴とする、前記式(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の製造法である。
【0024】
また、本発明は、前記式(2)または(3)で表される化合物を、遷移金属と光学活性ホスフィン配位子より調製される不斉水素化と水素を用いて不斉水素化することを特徴とする下記式(6);
【0025】
【化14】
【0026】
で表される光学活性3−ハロ−1,2−−プロパンジオール誘導体の製造法でもある。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
前記式(1)、(2)、(3)及び(6)において、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子を表す。また、前記式(6)において、*は不斉炭素を表す。
【0028】
前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールは、工業廃棄物として安価に入手可能できる。また、より安価な1,2,3−トリクロロプロパンまたは2,3−ジクロロプロペンを、炭酸カリウム等を用いて加水分解することにより製造することもできる(US 2285329)。本発明においては、上記加水分解反応によって製造した2−クロロアリールアルコールを、単離精製して使用してもよいし、単離精製することなく加水分解反応液をそのまま、あるいは、反応液を蒸留して得られる2−クロロアリールアルコールと水の混合物として用いることもできる。
【0029】
次に、本発明における光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールの製造法について説明する。
【0030】
まず、本発明における前記式(2)または(3)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体の製造法について説明する。前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを溶媒に加え、酸性条件下にて次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンを添加することにより、前記式(2)または(3)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体を製造することができる。
【0031】
上記次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンとしては、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)、サラシ粉(Ca(ClO)2・CaCl2・2H2O)、高純度サラシ粉( Ca(ClO)2・3H2O 、サラシ液( Ca(ClO)2)、塩素、臭素、沃素等が挙げられ、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムまたは塩素が挙げられる。次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンの使用量は、2−クロロアリルアルコールと次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンのモル比として、5:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:2である。
【0032】
本反応に使用できる溶媒としては水、または水を含む混合溶媒である。混合溶媒に用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤;ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル等の含窒素系溶剤;ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。上記溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
本反応においては、生成物であるハロヒドロキシアセトン誘導体が中性〜アルカリ性では不安定な為、反応を酸性条件下にて行う必要がある。例えば、本反応の好適なpH範囲としては、pH5以下、好ましくはpH3以下である。また、本反応において次亜ハロゲン酸塩を用いる場合は、反応系がアルカリ条件になるのを防ぐ為に、予め対応する量の酸を添加しておく、あるいは酸を用いてpHコントロールしながら反応することが望ましい。
【0034】
上記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、クエン酸等の有機酸が挙げられ、好ましくは、硫酸である。酸の使用量は、酸と次亜ハロゲン酸塩の当量比として、5:1〜1:5、好ましくは5:1〜1:2、より好ましくは2:1〜1:2である。
【0035】
本反応の反応温度としては、好ましくは−20〜60℃、より好ましくは0〜40℃である。本反応の反応時間としては、好ましくは1時間〜72時間、より好ましくは1時間〜10時間である。
【0036】
本反応の後処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な後処理を行えばよい。例えば、クロロヒドロキシアセトン誘導体を含む反応液から、一般的な抽出溶媒、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出し、減圧加熱等の操作により反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
【0037】
上記方法により前記式(4)または前記式(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を製造する場合、製造過程における分解や副反応のため、アセトール、1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシアセトン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、1,3−ジクロロアセトン、1,3−ジヒドロキシアセトン、2,2,3−トリクロロプロパノール等の各種不純物を含有しやすい。とりわけ、上記反応においては、1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシアセトン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、または2,2,3−トリクロロプロパノール等を副生する傾向があり、高品質の目的物を得るためには、これらの不純物を除去することが好ましい。
【0038】
一般に、構造の類似した不純物(類縁物質)の除去は難しく、これらの不純物を除去して高品質の目的物を得るためには、優れた精製、単離方法が必要である。本発明者らは鋭意検討の結果、前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体及び不純物含有する水溶液から不純物を水と共沸除去すること、または、不純物を含有する前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を有機溶剤から晶析することにより、こ高純度の目的物を効率よく取得できる方法を開発するに至った。
【0039】
前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体に含まれる不純物、特に2,2,3−トリクロロプロパノールは水との共沸混合物として留去することが好ましい。水との共沸除去は、例えば前記反応液を減圧加熱下に濃縮する等、常法により行うことができる。この方法により、目的物であるクロロヒドロキシアセトン誘導体をほとんどロスすることなく、2,2,3−トリクロロプロパノール等の不純物を除去することができる。
【0040】
この様にして得られた反応液から一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、tertブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、塩化メチレン等を用いて抽出した後、溶媒を留去することにより化学純度の高い目的物を効率よく取得することができる。
【0041】
以上の操作を行って得られたクロロヒドロキシアセトンをさらに高品質化(化学純度を高める)する為には晶析を行うことが好ましい。
【0042】
前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の晶析は必ずしも容易ではないが、前述の不純物の共沸除去操作を行い、また、好適な晶析溶媒を利用することにより、驚くべきことに極めて容易に前記式(5)で表される2量体、2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの結晶として採取し得ることを見い出した。
【0043】
本晶析は前記式(4)で表される1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの2量化反応とその2量体の結晶化により成り立っている。即ち、前記式(4)で表される1−クロロ−3−ヒドロキシアセトン(油状物)は適当な溶媒中にて冷却されることにより、2量化してより安定な前記式(5)で表される2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(結晶性化合物)に変換され、その後、2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンが結晶化して析出することにより、目的化合物が結晶として得られる。
【0044】
本発明においては、不純物として少なくとも1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシアセトン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等を含有するクロロヒドロキシアセトン誘導体を、有機溶剤を用いて晶析することにより、上記不純物を除去し、高純度の2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンを取得することができる。
【0045】
本工程において使用される有機溶剤として、湿結晶からの溶剤の乾燥や溶剤の回収再利用(蒸留回収)等の点を考慮すると、比較的沸点の低い有機溶剤が好ましく、一般には、1気圧以下で沸点が約100℃以下の有機溶剤が挙げられる。
【0046】
前記有機溶剤としては特に限定されず、具体的には例えば、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tret−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ―ブチロラクトン等のエステル系溶剤;tert−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランアセトン等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1―トリクロロエタン等のハロゲン系溶剤;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、1,3,5−メシチレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。
【0047】
好ましくはベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、1,3,5−メシチレン等の芳香族炭化水素系溶剤であり、更に溶剤コストや取り扱い性の総合的観点から、トルエン、キシレン等が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0048】
前記有機溶剤を使用すると、前記化合物(5)の高い精製効果、即ち、各種不純物、とりわけ前記化合物(5)の類縁物質の効果的な除去が達成される。前記有機溶剤の使用量は、前記化合物(5)の結晶化のための操作終了時において、取得物の流動性が維持できる量であるのが好ましく、例えば、前記化合物(5)に対し、好ましくは約30倍重量以下であり、更に好ましくは約0.5〜10倍重量である。
【0049】
本発明において、前記化合物(5)の結晶化の際には、反応晶析、冷却晶析、濃縮晶析等の晶析方法、または、これらの晶析方法を組み合わせて用いることができる。なお、前記濃縮晶析は、前記有機溶剤以外の他の溶剤からなる溶液を前記有機溶剤からなる溶液に置換していく晶析法であってもよい。また、結晶化に際しては、種晶を添加してもよい。
【0050】
本発明において、結晶化に際しては前記有機溶剤の他に、前記化合物(5)の収量、処理濃度、及び得られる結晶の物性のうち、少なくとも1つを改善するために、更に補助的な溶剤を用いることができる。前記補助的な溶剤は、必要に応じて、前記有機溶剤に添加してもよく、予め補助的な溶剤と前記有機溶剤の混合溶液に前記化合物(5)を加熱溶解させ、冷却晶析することもできる。
【0051】
前記補助的な溶剤としては、特に限定されず、例えばペンタン、石油エーテル、ネオペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。なかでも、湿体からの溶剤の乾燥、溶剤の回収再利用(蒸留回収)、溶剤コストや取り扱い性等の総合的観点から、ヘキサン、ヘプタン等が好ましい。
【0052】
前記補助的な溶剤の適切な使用量は、簡単な実験により設定できる。収量や結晶スラリーの流動性の観点からは、前記化合物(5)の結晶化のための操作が終了した時点において、前記有機溶剤と前記補助的な溶剤の容量比は、補助的な溶剤/前記溶剤として、20以下となる量が好ましい。より好ましくは、10以下となる量が用いられる。
【0053】
本発明の精製、単離方法は、室温付近で実施することができる。必要に応じて、加温又は冷却をすることができ、例えば、約60℃以下、通常は−30℃〜50℃で行う。
【0054】
このようにして得られた前記化合物(5)は、固液分離を行い、必要に応じて、更にケーキ洗浄し、乾燥することもできる。前記固液分離の方法としては特に限定されず、例えば、加圧濾過、減圧濾過、遠心分離等の方法が挙げられる。上記乾燥の方法としては、例えば、熱分解や溶融を避けて約60℃以下で、減圧乾燥(真空乾燥)するのが好ましい。
【0055】
次に、本発明における光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオール誘導体の製造法について説明する。
【0056】
本発明では、前記式(2)又は(3)で表されるハロヒドロキシアセトン誘導体を不斉水素化触媒と水素を用いて不斉水素化し、前記式(6)で表される光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを製造する。なかでも、医薬中間体としては光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールが好ましく、従って、本発明においては、前記式(4)又は(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を不斉水素化するのが好ましい。高純度の光学活性3−クロロ−1,2−プロパンジオールを製造するためのには、上記の水との共沸により不純物を除去した化合物(4)または(5)を不斉水素化するのが好ましく、さらに、上記晶析法によって精製された化合物(5)を不斉水素化するのがより好ましい。
【0057】
本発明で用いる不斉水素化触媒は遷移金属と光学活性ホスフィン配位子より調製される錯体である。
【0058】
遷移金属としては、特には限定されないが、例えばルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、ニッケル等が挙げられる。好ましくは、当該化合物に対する反応性の点からルテニウムである。
【0059】
ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体としては、下記式(7)
【0060】
【化15】
【0061】
で表される錯体、下記式(8)
Ru(P−P)Y2(arene) (8)
(式中P−Pは光学活性ホスフィン配位子を表し、areneは芳香族配位子を表し、Yは前記と同じ)で表される錯体、又は、下記式(9)
【0062】
【化16】
【0063】
で表される錯体などが挙げられる。
【0064】
上記式(7)、(8)、(9)中、ホスフィン配位子としては、光学活性なビスホスフィンであり、光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチル(BINAPと称す)、又は光学活性1,2−ビス(trans−2,5−ジアルキルホスホラノ)ベンゼン(DuPhosと称す)、又は光学活性1,2−ビス(trans−2,5−ジアルキルホスホラノ)エタン(BPEと称す)、又は光学活性ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)エタン(BisP*と称す)等が挙げられ、好ましくは立体選択性、反応性の点から光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチルである。
【0065】
光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチルにおけるアリール基としては、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、2−フリル基、2−チオフェニル、2−ピリジル基、3−ピリジル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基である。
【0066】
上記式(7)において、Yとしては、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子が好ましく、より好ましくは臭素原子である。
【0067】
上記式(7)、及び(8)で表されるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体の調製法としては、次のような方法が知られている。
(一)入手容易な[Ru(COD)(methylallyl)2](ここでシクロオクタ−1,5−ジエンを表す)と光学活性ビスホスフィンを混合加熱することにより、式(7)においてYがメチルアリル基であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする、若しくは更にHBr溶液と反応させ式(7)においてYが臭素原子であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする方法(Tetrahedron Asymmetry(1994)5巻、655頁)。
(二)[RuCl2(COD)]nと光学活性ビスホスフィンをトリエチルアミン存在下反応させ、次いで酢酸ナトリウムを作用させることにより、式(7)においてYがアセトキシ基であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とするか、さらにこのものにハロゲン化水素水溶液を加え、式(7)においてYがハロゲン原子であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする方法(J.Am.Chem.Soc.(1986)108巻、7117頁)。
(三)[RuY2(arene)]2(式中Yは上記に同じ、areneは芳香族化合物を表す)と光学活性ビスホスフィンをジメチルホルムアミド中加熱することで、Ru(P−P)Y2(arene)とする方法(J.Org.Chem.(1992)57巻、4053頁)。
(四)Ru(acac)3(式中acacはアセチルアセトナート基を表す)と光学活性ビスホスフィンを反応させ、式(7)においてYがアセチルアセトナート基であるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体とする方法(Organometallics.(1993)12巻、1467頁)。
なかでも、好ましくは上記(一)に記載の方法である。
【0068】
上記式(9)において、Zはハロゲン原子であり、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子などが挙げられる。好ましくは塩素である。
【0069】
上記式(9)で表されるルテニウム−光学活性ホスフィン錯体の調製法としては、[RuCl2(COD)]nと光学活性ビスホスフィンをトリエチルアミン存在下反応させる方法(Organometallics(1996)15巻、1521頁)が挙げられる。
【0070】
上記式(7)、(8)及び(9)で表される不斉水素化反応を触媒する金属錯体として、高立体選択性、高収率かつ比較的低い水素圧で反応を実施する点で、好ましくは、式(7)で表される錯体において、Yが臭素原子であり、光学活性ホスフィン配位子が光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチル(BINAP)であるRuBr2BINAP錯体である。
【0071】
次に、上記触媒を用いた不斉水素化反応に関して説明する。
【0072】
上記不斉触媒の当量としては、反応が十分に進行する量であれば特に制限されない。好ましい触媒使用量は、触媒や溶媒の種類、及び反応条件によって異なるが、反応速度および経済性を考慮すると上記式(2)及び(3)で表される化合物に対して1/50〜1/100000当量、さらに好ましくは1/100〜1/10000当量である。
【0073】
不斉水素化反応における水素圧は、好ましくは1−100kg/cm2であり、より好ましくは1〜10kg/cm2である。
【0074】
反応溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトン、ブタノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、水などが挙げられる。また、上記溶媒を単独で用いても良いし、混合して使用してもよい。好ましくは、水若しくはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのプロトン性極性溶媒又は、プロトン性極性溶媒と水の混合溶媒であり、より好ましくはメタノールと水の混合溶媒である。
【0075】
上記プロトン性極性溶媒−水の混合溶媒の比率は任意に選択できるが、好ましくはプロトン性極性溶媒/水として100/1〜1/1であり、さらに好ましくは20/1〜4/1である。
【0076】
上記反応は、例えば上記溶媒中、−50℃〜150℃の穏和な条件から選択できるが、収率向上の点から、好ましくは0℃〜80℃である。また、反応時間30分〜24時間程度反応することにより行うことができる。
【0077】
上記反応の後処理としては、反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー、あるいは蒸留により精製することで、目的の光学活性化合物を取得することができる。
【0078】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0079】
【実施例】
(実施例1) 1−クロロ−3−ヒドロシアセトンの製造
2、3−ジクロロプロぺン22.19g、炭酸カリウム30.41gを水100mlに溶解させた後、48時間還流した。得られた加水分解反応液(2−クロロアリルアルコールを含有する)を氷冷し、濃硫酸24.5g添加した後、13%次亜塩素酸ナトリウム溶液133mlをゆっくりと滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液を約1/2容量まで減圧濃縮した後、酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチルを留去して薄黄色油状の濃縮物13.9g(化学純度80%、2,2,3−トリクロロプロパノール 1%未満:下記条件にて分析)を得た。得られた濃縮物をシリカゲルカラムにて精製することにより、表題化合物を透明油状物として得た。
(GC分析条件)
カラム:PEG−20M 10% ChromsorbWAW DMCS 80/100(ジーエルサイエンス株式会社製)
H2:1.5kg/cm2
N2:0.5kg/cm2
Air:1.0kg/cm2
検出:FID
カラム温度:150℃
【0080】
(実施例2) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの製造
1、2、3−トリクロロプロパン147.4g、炭酸ナトリウム235.5gを水1000mlに溶解させた後、48時間還流した。得られた加水分解反応液を蒸留することにより、沸点95〜100℃の留出画分212gを得た(2−クロロアリルアルコールを含有する)。濃硫酸59gを水100mlに添加し、氷冷下にて上記留出各分を加えた後、13%次亜塩素酸ナトリウム溶液633mlをゆっくり滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液の一部を酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチルを留去して薄黄色油状の濃縮物1.1g(純度57.1%、1,2,3−トリクロロプロパノール 15.6%:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0081】
(実施例3) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの製造
2−クロロアリルアルコール925mgを20%硫酸2.08mlに溶解した後、氷冷下にて13%次亜塩素酸ナトリウム溶液6.67mlをゆっくり滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチルを留去して薄黄色油状の濃縮物1.21g(純度64.4%、1,2,3−トリロプロパノール 11.6%:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0082】
(実施例4) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの製造
2−クロロアリルアルコール925mgを水5mlに溶解した後、氷冷下にて塩素ガスを吹きこ込み、さらに2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、減圧濃縮することにより薄黄色油状の濃縮物1.01g(純度=58.3%、1,2,3−トリロプロパノール=19.5%:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0083】
(実施例5) 2,5−ジブロモメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの製造
2−クロロアリルアルコール925mgを水5mlに溶解した後、氷冷下にて臭素1.6gを添加し、さらに2時間攪拌した。反応液を塩化メチレンにて抽出し、減圧濃縮した後、濃縮液を冷却晶析することにより表題化合物の白色結晶200mgを得た。
【0084】
(実施例6) 1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンの精製
実施例2で得られた1−クロロ−3−ヒドロキシアセトンを含有する反応液を1/2容量まで減圧濃縮した後、酢酸エチルにて抽出、減圧濃縮することにより、薄黄色油状の濃縮物85g(純度67.9%、1,2,3−トリクロロプロパン 1%以下:実施例1記載の条件にて分析)を得た。
【0085】
(実施例7) 2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの精製
上記実施例6で得られた濃縮物をトルエン60mlに溶解させた後、氷冷下にて12時間攪拌することにより晶析した。晶析溶液(スラリー状)にヘキサン60mlをゆっくりと適下した後、濾過することにより、表題化合物を白色結晶として得た(純度99%以上:実施例1記載の条件にて分析)。
【0086】
(実施例8) 2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの精製
実施例3で得られた濃縮物をトルエンに溶かした後、氷冷下にて12時間攪拌することにより晶析した。晶析溶液(スラリー状)にヘキサンをゆっくりと適下した後、濾過することにより、表題化合物を白色結晶として得た(純度99%以上:実施例1記載の条件にて分析)。
【0087】
(実施例9) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い70℃まで昇温させた後、水素圧(3.0kg/cm2)で20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を102.6mg(収率93%)得た。
ここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオール(33.2mg、0.30mmol)、p−トルエンスルホン酸クロリド(57.3mg、0.30mmol)、N、N−ジメチルアミノピリジン(3.7mg、0.03mmol)をピリジン(1.0mL)に溶解させ、室温で1時間反応させた。反応溶液に塩酸を加え酢酸エチルで2回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた残査を薄層クロマトグラフィーにより精製し1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールを得た。このものの光学純度はHPLC分析(キラルセルAD、ヘキサン/イソプロパノール=9/1、1.0mL/min、235nm)により、79.0%eeであった。(保持時間(S)体18.7分、(R)体21.1分)。
【0088】
(実施例10) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い50℃まで昇温させた後、水素圧(3.0kg/cm2)で20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を108.5mg(収率98%)得た。
実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、75.8%eeであった。
【0089】
(実施例11) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。水素置換を行い室温で、水素圧(3.0kg/cm2)で20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を18.5mg(収率17%)得た。
実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、71.4%eeであった。
【0090】
(実施例12) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にエタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い100℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を62.4mg(収率57%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、67.8%eeであった。
【0091】
(実施例13) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(S)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にイソプロパノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い100℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を9.9mg(収率9%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、67.5%eeであった。
【0092】
(実施例14) (S)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2BisP*(2.5mg、0.0050mmol)(BisP*は(S、S)ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)エタンを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い70℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を26.2mg(収率24%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、52.1%eeであった。
【0093】
(実施例15) (R)−3−クロロ−1、2−プロパンジオールの製造
2,5−ジクロロメチル−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(108.5mg、0.50mmol)、RuBr2(R)−BINAP(4.4mg、0.0050mmol)(BINAPは2、2’−ビスジフェニルホスフィノ−1,1’−ビナフチルを表す。)にメタノール−水(10/1)溶液を2mL加え、窒素雰囲気下で完全に溶解させた。室温で水素置換を行い70℃で、水素圧(3.0kg/cm2)、20時間反応させた。水素ガスを放棄した後、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を101.0mg(収率91%)得た。実施例5と同様の方法にてここで得られた3−クロロ−1、2−プロパンジオールを1−クロロ−3−p−トルエンスルホニルオキシ−2−プロパノールとしたのち光学純度をHPLC分析にて測定したところ、78.0%eeであった。
【0094】
【発明の効果】
本発明の方法により、医薬品中間体として有用な光学活性3−ハロ−1,2−プロパンジオールを安価な原料から簡便に製造することができる。
Claims (29)
- Xが塩素である請求項1記載の製造法。
- 次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンが、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)、サラシ粉(Ca(ClO)2・CaCl2・2H2O)、高純度サラシ粉(Ca(ClO)2・3H2O)、サラシ液(Ca(ClO)2)、塩素、臭素、またはヨウ素である請求項1記載の製造法。
- 次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンが次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)または塩素である請求項1記載の製造法。
- 2−クロロアリルアルコールとして、1,2,3−トリクロロプロパン若しくは2,3−ジクロロプロペンをアルカリ加水分解した反応液、又は、該加水分解反応液を蒸留して得られる2−クロロアリルアルコールと水との混合物を用いることを特徴とする請求項1記載の製造法。
- 前記式(1)で表される2−クロロアリルアルコールを、酸性条件下、次亜ハロゲン酸塩またはハロゲンと反応させて得られた、不純物が混入している前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を、有機溶剤を用いて晶析することにより上記不純物を除去し、前記式(5)で表される化合物の結晶として取得することを特徴とする、前記式(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体の製造法。
- 上記不純物がアセトール、1,1−ジクロロ−3−ヒドロキシ−2−プロパノン、2,5−ジ(ジクロロメチル)−2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、または2,2,3−トリクロロプロパノールである請求項8記載の製造法。
- 晶析に先立ち、前記式(4)又は(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体に混入している2,2,3−トリクロロプロパノールを、水と共沸除去することを特徴とする請求項7記載の製造法。
- 上記有機溶剤がエステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、ニトリル系溶剤、ハロゲン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤またはアルコールからなる群より選択された少なくとも1種である請求項7記載の製造法。
- 上記有機溶剤が酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸メチル、tert−ブチルメチルエーエル、ジエチルエーエル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーエル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、O−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールからなる群より選択された少なくとも1種である請求項7記載の製造法。
- 前記式(5)で表される化合物の収量、処理濃度、液性状、得られる結晶の物性のうち少なくとも1つを改善するために、さらに補助的な溶剤を用いて行う請求項7記載の製造法。
- 補助的な溶剤が脂肪族炭化水素系溶剤である請求項12記載の製造法。
- 脂肪族炭化水素系溶剤が、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンからなる群より選択された少なくとも1種である請求項13記載の製造法。
- 補助的な溶剤の使用量は、結晶化の為の操作が収量した時点で、前記有機溶剤と前記補助的な溶剤との容量比が、補助的な溶剤/前記有機溶剤として20以下である請求項12記載の製造法。
- 請求項1記載の方法で製造された前記式(2)または(3)で表されるハロヒドロキシアセトンを用いる請求項16記載の製造法。
- 前記式(2)または(3)において、Xが塩素原子である前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を用いる請求項16記載の製造法。
- 請求項6または7記載の方法で製造された前記式(4)または(5)で表されるクロロヒドロキシアセトン誘導体を用いる請求項18記載の製造法。
- 光学活性ホスフィン配位子が光学活性2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチル、又は光学活性ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)エタンである請求項16記載の製造法。
- 光学活性ホスフィン配位子が2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチルである請求項20記載の製造法。
- 遷移金属がルテニウムである請求項16記載の製造法。
- 触媒として、式(7)においてYが臭素原子である化合物を用いる請求項23記載の製造法。
- 触媒として、式(7)において光学活性ホスフィン配位子が2,2’−ビスジアリールホスフィノ−1,1’−ビナフチルであり、Yが臭素原子である錯体を用いる請求項23記載の製造法。
- 反応を水素圧1〜10kg/cm2で行う請求項16記載の製造法。
- 反応を0〜80℃の反応温度で行う請求項16記載の製造法。
- 反応溶媒としてプロトン性溶媒−水混合溶媒を用いる請求項16記載の製造法。
- プロトン溶媒としてメタノールを用い、メタノール−水混合溶媒を使用する請求項28記載の製造法。
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