JP2005219309A - 熱転写印刷装置及びその制御方法 - Google Patents

熱転写印刷装置及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コストの増大や装置寸法の拡大を招くことなく、印画され切断された記録媒体を確実に排出させることが可能な熱転写印刷装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 帯状の記録媒体の一部に印画したのち、所定の切断位置まで搬送し、当該印画した記録媒体の一部を切断し排出する熱転写印刷装置であって、前記印画された記録媒体の一部が切断された後に(ステップS303)、当該残りの記録媒体を所定の搬送距離搬送する(ステップS305)搬送手段と、前記搬送手段により搬送された後、当該搬送距離と同じ距離だけ前記残りの記録媒体を逆方向に搬送する(ステップS306)逆搬送手段とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱溶融式記録や熱昇華式記録を行う熱転写方式の印刷装置ならびにその制御方法に関するものである。
一般に、熱溶融式記録や熱昇華式記録を行う熱転写方式の印刷装置(熱転写印刷装置)は、印画紙等の記録媒体にインクリボンを重畳させた状態で、印刷ヘッドによりインクリボンのインクを昇華または溶融させることで当該記録媒体への印画を行う。そして、印刷ヘッドにより印画された記録媒体は、所定の切断位置まで搬送され規定の寸法に切断されたうえで、排出口より外部に排出される。
ここで、印画された記録媒体の排出は、通常、切断された記録媒体の自重に基づく自然落下により行われる。このため、排出口周辺のわずかな摩擦や、静電気、あるいは湿度等の周辺環境の状態によって、切断された記録媒体が排出口周辺に貼り付いてしまうことがあった。
このため、例えば、特許文献1では排出口の手前にサブローラを設け、切断された記録媒体を当該サブローラにより確実に排出するようにしている。また、特許文献2では、専用の排出機構を設けて記録媒体の排出を行うようにしている。
特開2000−118820号公報 特開平05−085657号公報
しかしながら、上記特許文献1および2によれば、いずれも専用の装置や機構の追加が必要であり、コストの増大や装置寸法の拡大等を招くという問題がある。このため、専用の装置や機構の追加を行わなくとも、印画され、切断された記録媒体が排出口に貼り付いてしまうのを回避することが可能な装置の提供が望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コストの増大や装置寸法の拡大を招くことなく、印画され切断された記録媒体を確実に排出させることが可能な熱転写印刷装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る熱転写印刷装置は以下のような構成を備える。即ち、
帯状の記録媒体の一部に印画したのち、所定の切断位置まで搬送し、当該印画した記録媒体の一部を切断し排出する熱転写印刷装置であって、
前記印画された記録媒体の一部が切断された後に、当該残りの記録媒体を所定の搬送距離搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された後、当該搬送距離と同じ距離だけ前記残りの記録媒体を逆方向に搬送する逆搬送手段とを備える。
かかる構成によれば、印画され切断された記録媒体が排出される際、残りの記録媒体により押されるため、確実に排出さえることが可能となる。これは、熱転写印刷装置において用いられる記録媒体が、普通紙よりも厚く、排出口に貼り付いた記録媒体を押した程度では変形せず、また傷等が付くこともないという特質を利用するものである。さらに貼り付きは、静電気や摩擦を主要因とするものであるため、わずかな力で押圧するだけで切断された記録媒体の貼り付きを回避可能であるという特質によるものである。
また、上記熱転写印刷装置は、前記印画された記録媒体の一部が切断された後、残りの記録媒体の一部に一定時間内に印画することがあるか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記搬送手段は、一定時間内に前記残りの記録媒体の一部に印画することはないと判定された場合に、当該残りの記録媒体を所定の搬送距離搬送することを特徴とする。
かかる構成により、連続印画でない場合において生じる貼り付きを回避することが可能となる。
また、上記熱転写印刷装置において、前記搬送距離は、任意に設定可能であることを特徴とする。かかる構成により、装置の大きさや排出される記録媒体のサイズ等に応じて最適に設定することが可能となり、貼り付きを確実に排除することができるようになる。
本発明によれば、印画され、切断された記録媒体を確実に排出させることが可能な熱転写印刷装置を安価に提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<昇華型プリンタの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかる昇華型プリンタの一例を示す外観斜視図である。図1に示す昇華型プリンタ100は、プリンタ本体部101と、プリンタ本体部101から引き出し可能に設けられた引出し部102と、を備える写真印刷用のプリンタを想定している。
プリンタ本体部101の上面には、開閉可能なカバー101aが設けられている。このカバー101aを回動(矢印D1)して開放すると、プリンタ本体部101の内部が露出し、ここにインクリボンカセット120を交換可能に装着することができる(矢印D3)。インクリボンカセット120には、インクリボンRが巻き回されたインクリボン供給ローラ120aと、インクリボン供給ローラ120aから使用済みのインクリボンRを巻き取る巻き取りローラ120bと、が回転自在に設けられている。また、プリンタ本体部101の前面中央部付近には、昇華型プリンタ100によって印刷された記録媒体が排出される排出口(スリット101b)が設けられている。
引き出し部102は、前面パネル1021と左右一対の側板1022とを含み、前面パネル1021に設けられたハンドル1021aの操作によりプリンタ本体部101から引き出し(矢印D2)、また、プリンタ本体部101へ戻すことができる。
引き出し部102には、印画される帯状の記録媒体であるロール紙RP(幅が127mm、152mmの2種類に規格化されている)が、交換可能に側板1022間に装填されている。各側板1022の内側にはそれぞれ軸受け1023が取り付けられており、ロール紙RPの中心穴に嵌通されるローラのシャフト103によって軸受け1023に支持され、回転可能に構成されている。軸受け1023は、上方に開放した切り欠きを有し、この切り欠きにシャフト103を落としこむことでこれを支持するようにしている。ロール紙RPを上方へ持ち上げると、軸受け1023からシャフト103が外れる構成となっており、これによりロール紙RPを交換することができる。
引き出し部102の底部には、引き出し部102の後方へ延在する左右一対のガイドレール1024が設けられている。このガイドレール1024は、プリンタ本体部101の底板上に固定されたガイド104に支持されており、ガイド104にガイドレール1024が案内されることにより、引き出し部102がプリンタ本体部101に対して出し入れすることができる。
引き出し部102の前面パネル1021の裏面には、ロール紙RPの切断片を収容するための、上方が開口した収容器1028が着脱自在に装着されている。
引き出し部102の後方には、ロール紙RPを挟持して搬送する一対のローラ1025及び1026が設けられている。ローラ1025は、側板1022間に回転自在に支持されており、ローラ1026は、各側板1022にそれぞれピン1027aを介して回動可能に支持された一対の回動板1027間に回転自在に支持されている。一対の回動板1027とローラ1026とは、コ型の枠体状に形成されており、ピン1027a周りに全体として回動する。
<昇華型プリンタの内部構成>
図2は、昇華型プリンタ100の内部構成を示す図である。ロール紙RPのセットが完了した後、引き出し部102を元の位置へ戻して、印刷待機状態となる。
先端がローラ1025及び1026に挟持されてセットされたロール紙RPは、ローラ1025に回転力を付勢することにより、始めに図の上方へ搬送される。ローラ1025に付勢される回転力は、ステッピングモータ105が発生し、ベルト106及びプーリ107を介して伝達される。プーリ107には、ローラ1025に取り付けられたギア1025aに噛み合うギアが取り付けられており、プーリ107が回転するとローラ1025も回転することなる。
ローラ1025の回転により、ロール紙RPの先端は、次に、案内板108aに案内されて、ロール紙RPの搬送方向を略直角に変更する案内ガイド109へ向かう。案内ガイド109は、表面が平滑化された内側曲面を有しており、また、内側曲面に対向して案内ローラ110が設けられている。ロール紙RPの先端は、案内ガイド109の内側曲面と案内ローラ110との間の隙間を通過し、案内ガイド109の内側曲面に案内されて略直角に曲折する。
ロール紙RPの先端は、案内ローラ110を通過すると、ピンチローラ111と搬送ローラ112との間に挟持され、搬送ローラ112の回転により更に搬送されることとなる。搬送ローラ112は、プーリ112aに取り付けられており、ステッピングモータ105の回転力がベルト106及びプーリ112aを介して搬送ローラ112に伝達することにより、回転する。
なお、ロール紙RPを搬送するためにローラ1025、搬送ローラ112に回転力を与えるステッピングモータ105の制御は、不図示の搬送制御装置により行われるものとする。
搬送ローラ112の回転により、ロール紙RPはサーマルヘッド113とプラテンローラ114との間に挿入される。サーマルヘッド113とプラテンローラ114との間には、インクリボンRが挿通しており、サーマルヘッド113によってインクリボンRのインクを昇華させることによりロール紙RPへの印画が行われる。カラー印刷の場合、インクリボンRには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク層と、保護層となるオーバーコート層とが所定単位で繰り返し施されており、搬送ローラ112の正転、逆転を繰り返してロール紙RPを往復動させることにより、各色の印刷およびオーバーコートが行われる。使用済みのインクリボンRは、図示しない駆動機構により回転する巻き取りローラ120bによって順次巻き取られることとなる。
印画されたロール紙RPは、案内板108cにより案内されて切断機115へ向かい、所定サイズ毎に切断されて一枚の写真となる。写真は、その後、案内板108dにより案内されて、自重によりスリット101bから昇華型プリンタ100外へ排出される。なお、排出時の昇華型プリンタ100の動作については、以下に詳述する。
<昇華型プリンタの動作概要>
図3は、本実施形態にかかる昇華型プリンタの動作(1枚分の写真を印画・排出する動作)の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは本実施形態にかかる昇華型プリンタの動作の特徴を明確にすべく、従来の昇華型プリンタの動作の流れを示す図4のフローチャートと対比しながら、説明することとする。
図4に示すように、従来の昇華型プリンタによれば、搬送ローラの回転によりロール紙はサーマルヘッドとプラテンローラとの間に搬送され(ステップS401)、サーマルヘッドにより印画が行われた後(ステップS402)、切断機に向かい、所定サイズに切断される(ステップS403)ことで、一枚の写真の排出を終了していた。つまり、切断されたロール紙は自然落下によりスリットより排出されていた。しかし、自然落下を妨げる要因(静電気や摩擦)があった場合には、適切にスリットから排出されず、スリット周辺に貼り付いてしまう。
これに対して、本実施形態にかかる昇華型プリンタ100の場合、所定サイズに切断されるまでの処理(ステップS301〜ステップS303)は、従来の昇華型プリンタと同様であるが、その後、ステップS304にて次の印画処理があるか(印画されたロール紙RPが切断された後、残りのロール紙RPの一部への印画を一定時間内にする連続印画を行うか)否かを判断し(ステップS304)、次の印画処理がない場合には、微小搬送を行い(ステップS305)、切断後の残りのロール紙RPの先端部により、すでに切断されスリット101b周辺に貼り付いた写真(図5参照)の後端部を押圧する点に特徴がある。
そして、ステップS305の動作により、貼り付いた写真が押し出され(図6参照)、スリット101bから排出されることとなる。これは昇華型プリンタ100において用いられるロール紙RPが、普通紙よりも厚く、スリット101b周辺に貼り付いた写真を押した程度では変形せず、また傷等が付くこともないために実現できるものである。さらに貼り付きは、静電気や摩擦が主要因であるため、わずかな力で押圧するだけで写真の貼り付きを取り除くことができるからである。
ステップS305において微小搬送することで、前の写真をスリット101bから押し出した後は、ステップS306で当該微小搬送距離分だけ逆搬送し、微小搬送前の元の位置に戻り、排出された1枚分の写真についての印画・排出処理を終了する。
一方、ステップS304にて次の印画処理がある(連続印画である)と判断された場合には、上記微小搬送(ステップS305)および逆搬送(ステップS306)を行うことなく、排出された1枚分の写真についての印画・排出処理を終了する。これは、次のロール紙RPが印画され、切断位置まで搬送されることで、スリット101bに貼り付いた前の写真の後端部を自ずと押圧することとなり、貼り付きが回避されるからである(つまり、印画と印画との間隔が一定時間内である連続印画の場合には、微小搬送を行わなくとも、貼り付き状態がすぐに回避できるからである)。
なお、本実施形態では排出される写真のサイズがA6であることを想定して、微小搬送の際の搬送距離は50mmに設定されている。ただし、かかる微小搬送の距離はこれに限られず、昇華型プリンタ100の大きさや排出される写真のサイズ等に応じて任意に設定可能であるものとする。また、本実施形態では、微小搬送の距離は、ステッピングモータ105のパルス数で制御されるが、特にこれに限られるものではない。
さらに、このような搬送制御方法を備える熱転写印刷装置としては、昇華型プリンタに限られず、溶融型プリンタであってもよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、切断された写真がスリット周辺に貼り付いて排出されないといった状態を回避することが可能となる。また、本実施形態によれば、既存の昇華型プリンタの搬送制御方法を変更するだけでよいため、新たな部品や機構を追加する必要がなく、コストの増大や装置寸法の拡大を招くことなく目的を達成できるという効果がある。
さらに本実施形態にかかる昇華型プリンタにおいては、貼り付きの心配がなくなるため、オペレータのいない環境下において利用された場合に特に効果がある。また、オペレータがいる環境下においても、適切に写真が排出されているか否かをオペレータが常時監視する必要がなくなるため、オペレータの負荷を軽減させることができる。
本発明の一実施形態にかかる昇華型プリンタの外観構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる昇華型プリンタの内部構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる昇華型プリンタの動作の流れを示すフローチャートである。 従来の昇華型プリンタの動作の流れを示すフローチャートである。 切断された写真がスリット周辺に貼り付いた状態を示す図である。 図3のステップS305の微小搬送により、スリット周辺に貼り付いた写真が排出された様子を示す図である。
符号の説明
RP ロール紙
R インクリボン
100 昇華型プリンタ
101 プリンタ本体部
102 引き出し部
120 インクリボンカセット
120a インクリボン供給ローラ
120b インクリボン巻き取りローラ
113 サーマルヘッド
114 プラテンローラ

Claims (4)

  1. 帯状の記録媒体の一部に印画したのち、所定の切断位置まで搬送し、当該印画した記録媒体の一部を切断し排出する熱転写印刷装置であって、
    前記印画された記録媒体の一部が切断された後に、当該残りの記録媒体を所定の搬送距離搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送された後、前記搬送距離と同じ距離だけ前記残りの記録媒体を逆方向に搬送する逆搬送手段と
    を備えることを特徴とする熱転写印刷装置。
  2. 前記印画された記録媒体の一部が切断された後、残りの記録媒体の一部に一定時間内に印画することがあるか否かを判定する判定手段を更に備え、
    前記搬送手段は、一定時間内に前記残りの記録媒体の一部に印画することはないと判定された場合に、当該残りの記録媒体を所定の搬送距離搬送することを特徴とする請求項1に記載の熱転写印刷装置。
  3. 前記搬送距離は、任意に設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写印刷装置。
  4. 帯状の記録媒体の一部に印画したのち、所定の切断位置まで搬送し、当該印画した記録媒体の一部を切断し排出する熱転写印刷装置における制御方法であって、
    前記印画された記録媒体の一部が切断された後に、当該残りの記録媒体を所定の搬送距離搬送する搬送工程と、
    前記搬送工程により搬送された後、前記搬送距離と同じ距離だけ前記残りの記録媒体を逆方向に搬送する逆搬送工程と、
    前記印画された記録媒体の一部が切断された後、残りの記録媒体の一部に一定時間内に印画することがあるか否かを判定する判定工程と
    を備えることを特徴とする制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014223986A (ja) * 2013-05-17 2014-12-04 ブラザー工業株式会社 搬送装置及び画像記録装置
JP2018505080A (ja) * 2014-11-19 2018-02-22 ツェーエーヴェーエー シュティフトゥンク ウント コー.カーゲーアーアーCewe Stiftung & Co. Kgaa カットオブジェクト製造装置
JP7547961B2 (ja) 2020-11-30 2024-09-10 ブラザー工業株式会社 プリンタ

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