JP2005219298A - 合成樹脂製積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、耐擦傷性、耐摩耗性及び耐候性に優れ、且つ透明な合成樹脂製積層体及び該合成樹脂製積層体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面と、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させ、該積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100である熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)を有することを特徴とする合成樹脂製積層体に係り、透明性に優れ、表面硬度に優れ、かつ耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れており、さらに外観および色調にも優れた合成樹脂製積層体である。
【選択図】 図2
本発明は、耐擦傷性、耐摩耗性及び耐候性に優れ、且つ透明な合成樹脂製積層体及び該合成樹脂製積層体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面と、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させ、該積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100である熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)を有することを特徴とする合成樹脂製積層体に係り、透明性に優れ、表面硬度に優れ、かつ耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れており、さらに外観および色調にも優れた合成樹脂製積層体である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、合成樹脂製積層体及び合成樹脂製積層体の製造方法に関し、さらに詳しくは、表面に硬化皮膜層を有する透明性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れた透明合成樹脂製積層体及び該合成樹脂製積層体の製造方法に関する。
透明合成樹脂は、加工の自由性及び軽量性に優れていることからガラスに代わる構造材料として広く使用されてきており、例えば、計器カバー、グレージング、ランプレンズ等の自動車用途、携帯電話、モバイルの携帯端末のハウジング、表示板等のOA・電気・電子用途、温室被覆材、アーケード、採光用屋根材等の建材用途、歩道の腰板、高速道路のフェンス等の道路資材、銘板等の産業資材用途に幅広く用いられている。
しかしながら、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性等の表面特性が不十分であることからその用途は制限されており、合成樹脂基材の表面特性を改良することが切望されている。表面特性の改良方法としては、合成樹脂成形品の表面を表面処理剤で被覆する方法があり、例えば、多官能アクリル系の光硬化性樹脂や、メラミン系またはポリオルガノシロキサン系の熱硬化性樹脂からなる硬化被膜層を合成樹脂基材の表面に形成する方法が提案されている。
これらの中では、ポリオルガノシロキサンで被覆した製品が耐摩耗性、耐薬品性に優れており、ポリオルガノシロキサンによるコーティングが有用とされている。しかし、ポリオルガノシロキサンによるコーティングは合成樹脂に対しては密着性に問題があり、特に屋外で長時間に亘って用いられる場合には、コーティング層が合成樹脂層から剥がれ落ちるという不具合があった。
密着性を改良する方法としては、接着性良好な各種ポリマーを塗料に配合する方法が例えば特許文献1に記載されているが、表面硬度が低下し、場合によっては塗料の耐候性を著しく低下させる。耐候性を向上させるためには、高濃度のUV吸収剤を添加する方法があるが、耐摩耗性を著しく低下させる不具合がある。従って、表面硬度及び耐候性を要求する用途では、一般にアクリル系プライマーを用いる2コート方式が用いられるが、作業工程が長くなり生産性が低下しやすい。
また表面硬度及び耐候性、耐磨耗性など改良した合成樹脂積層体として、例えば、透明合成樹脂層(a)の少なくとも一方の面に、耐紫外線性透明合成樹脂層(b)及び硬化皮膜層(c)が順次積層された合成樹脂積層体が特許文献2に、または透明合成樹脂層(a)の少なくとも一方の面に、透明合成樹脂中間層(b)を介して、耐紫外線性透明合成樹脂層(c)および硬化皮膜層(d)が積層された合成樹脂積層体が特許文献3に、それぞれ記載されている。また、プラスチック基材の少なくとも一方の面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層を設けた積層板のアクリル樹脂層にポリオルガノシロキサンを塗布、硬化させたプラスチック積層板において、連続重合法で製造されたアクリル樹脂を使用したプラスチック積層板が特許文献4に記載されている。
また表面硬度及び耐候性、耐磨耗性など改良した合成樹脂積層体として、例えば、透明合成樹脂層(a)の少なくとも一方の面に、耐紫外線性透明合成樹脂層(b)及び硬化皮膜層(c)が順次積層された合成樹脂積層体が特許文献2に、または透明合成樹脂層(a)の少なくとも一方の面に、透明合成樹脂中間層(b)を介して、耐紫外線性透明合成樹脂層(c)および硬化皮膜層(d)が積層された合成樹脂積層体が特許文献3に、それぞれ記載されている。また、プラスチック基材の少なくとも一方の面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層を設けた積層板のアクリル樹脂層にポリオルガノシロキサンを塗布、硬化させたプラスチック積層板において、連続重合法で製造されたアクリル樹脂を使用したプラスチック積層板が特許文献4に記載されている。
本発明の目的は、従来技術における上記問題を解決し、耐擦傷性、耐摩耗性及び耐候性に優れ、且つ透明な合成樹脂製積層体及び該合成樹脂製積層体の製造方法を提供することにある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その要旨は、射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面と、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させ、該アクリル樹脂被覆層に、特定の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる皮膜層(b−3)(C)を設けてなる合成樹脂製積層体及びその製造法に係る。
さらに、射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)、透明樹脂基材(b−1)、アクリル樹脂層(b−2)、皮膜層(b−3)の線膨張係数を種々変更したものを塗膜化してその性能を評価したところ、各層間の線膨張係数の差が10×10−5/℃以下である合成樹脂製積層体は、より厳しい耐候性試験後においても耐擦傷性、密着性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面と、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させ、該積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100である熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)を有することを特徴とする合成樹脂製積層体に関する。
また、本発明は、積層基板(B)におけるアクリル樹脂層(b−2)が金型内表面の少なくとも一方の面に接するように積層基板(B)を配置し、次いで該金型内へ射出成形により形成される透明合成樹脂を射出注入し、積層基板(B)における透明樹脂基材(b−1)と射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とを接合させて積層一体化後、積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させて硬化皮膜層(C)を形成することを特徴とする合成樹脂製積層体の製造方法に関する。
さらに、本発明は射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)と透明樹脂基材(b−1)、透明樹脂基材(b−1)とアクリル樹脂層(b−2)、アクリル樹脂層(b−2)とポリオルガノシロキサン組成物を硬化させた硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差がそれぞれ10×10−5/℃以下であることを特徴とする。
なお、本明細書において、以下、透明合成樹脂製積層体を単に「積層体」と呼称することがある。
なお、本明細書において、以下、透明合成樹脂製積層体を単に「積層体」と呼称することがある。
本発明の積層体は、透明性に優れ、表面硬度に優れ、かつ耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性に優れており、さらに外観および色調にも優れており、計器カバー、グレージング、ランプレンズ、ルーフ窓用ガラス等の自動車用途、携帯電話、モバイルの携帯端末のハウジング、表示板等のOA・電気・電子用途、温室被覆材、アーケード、採光用屋根材等の建材用途、歩道の腰板、高速道路のフェンス等の道路資材、銘板等の産業資材用途の各種の用途において有用である。
本発明の積層体を構成する射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の透明合成樹脂および透明樹脂基材(b−1)の透明合成樹脂としては、それぞれ、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエステルポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、MS樹脂(MMA−SM共重合樹脂)、非晶質ポリオレフィン系樹脂(APO)、透明ABS樹脂、透明ポリスチレン樹脂(透明PS)、特殊アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリサルフォン樹脂(PSF)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、透明エポキシ樹脂、TPX樹脂(ポリ−4−メチルペンテン−1)、フッ素化ポリイミド樹脂、透明フッ素樹脂、透明フェノキシ樹脂、含硫黄ウレタン樹脂、ノルボルネン系樹脂などが挙げられ、特に好ましくはポリカーボネート樹脂(PC)が挙げられる。
本発明の積層体における射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みは、好ましくは0.8〜30mmである。0.8mm以下では、樹脂の充填が困難になりやすく、30mm以上では製品賦形が困難となる。射出成形により形成された透明合成樹脂層の厚みは、より好ましくは1〜20mmであり、最も好ましくは1.2〜10mmである。
該射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)における透明合成樹脂のヘイズは、厚さ1mmの成形品による測定で好ましくは10%以下である。ヘイズが10%以上であると合成樹脂製積層体における透明性が不十分となりやすい。射出成形により形成された透明合成樹脂のヘイズは、厚さ1mmの成形品による測定で、より好ましくは8%以下であり、最も好ましくは5%以下である。
本発明の積層体における透明樹脂基材(b−1)を形成する透明合成樹脂のヘイズは、厚さ1mmの成形品による測定で好ましくは10%以下である。ヘイズが10%以上であると積層体における透明性が不十分となりやすい。透明樹脂基材(b−1)を形成する透明合成樹脂のヘイズは、厚さ1mmの成形品による測定で、より好ましくは8%以下であり、最も好ましくは5%以下である。
本発明に係る積層体を構成する射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の透明合成樹脂および透明樹脂基材(b−1)を形成する透明合成樹脂のヘイズは、同一又は近似していることが成形品の透明性を確保する上から重要であり、両者のヘイズが大きく異なる場合には成形品の透明性が低下し好ましくない。したがって、上記透明合成樹脂層(A)を形成する透明合成樹脂と透明樹脂基材(b−1)を形成する透明合成樹脂はこれらの点を考慮して選択される。
本発明の射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の透明合成樹脂および透明樹脂基材(b−1)を形成する透明合成樹脂は、それぞれ、透明性を損なわない程度にベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、サリシレート系化合物、トリアリールトリアジン系化合物等の有機系紫外線吸収剤や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等無機系紫外線遮蔽剤を含有してもよく、また、他の光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、難燃剤、滑剤、顔料、フィラー等を含んでいてもよい。
透明樹脂基材(b−1)を形成する透明合成樹脂が、紫外線吸収剤を含有する場合、透明合成樹脂の紫外線吸収剤含有量は、使用する紫外線吸収剤の紫外線吸収能及び透明樹脂基材(b−1)の厚みによるが、透明合成樹脂に対して好ましくは0.5重量%未満である。本発明の積層体においては紫外線吸収剤がアクリル樹脂層(b−2)を形成するアクリル樹脂に含有されており、該アクリル樹脂層の耐紫外線性を十分に保持することにより、透明樹脂基材(b−1)における透明合成樹脂の紫外線吸収剤含有量を0.5重量%以上にしても本発明の積層体の耐候性に顕著な効果は認められない。
本発明の積層体における透明樹脂基材(b−1)と熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)の間に位置するアクリル樹脂層(b−2)のアクリル樹脂について具体的に述べる。該アクリル樹脂はメチルメタクリレートとメチルアクリレート又はエチルアクリレートとの共重合体であり、共重合組成及び分子量は共押出条件、製造されたフィルム、シート、ボードなどの外観により適宜選択すればよいが、共重合組成比としてはメチルメタクリレート80〜99%、メチル又はエチルアクリレート1〜20%が、分子量は5〜30万程度が適当であるが、これらだけに限定されるものではない。アクリル樹脂の荷重撓み温度は90℃以上がよく、好ましくは95℃以上、さらに好ましくは100℃以上が良い。
アクリル樹脂層(b−2)におけるアクリル樹脂の製法は、一般的に乳化重合法、懸濁重合法、連続重合法とに大別されるが、本発明に使用されるアクリル樹脂は連続重合法により製造されたアクリル樹脂が使用される。さらに、連続重合法には連続塊状重合法と連続溶液重合法に分けることが出来るが、発明においてはどちらの製法で得られたアクリル樹脂も用いることができるが、具体的な製造例として特開平7−133303号公報記載の方法で製造されたものがある。
アクリル樹脂層(b−2)におけるアクリル樹脂の製法は、一般的に乳化重合法、懸濁重合法、連続重合法とに大別されるが、本発明に使用されるアクリル樹脂は連続重合法により製造されたアクリル樹脂が使用される。さらに、連続重合法には連続塊状重合法と連続溶液重合法に分けることが出来るが、発明においてはどちらの製法で得られたアクリル樹脂も用いることができるが、具体的な製造例として特開平7−133303号公報記載の方法で製造されたものがある。
アクリル樹脂層(b−2)を形成するアクリル樹脂中の紫外線吸収剤含有量は、使用する紫外線吸収剤の紫外線吸収能及びアクリル樹脂層の厚みにもよるが、アクリル樹脂に対して好ましくは0.01〜5重量%である。含有量が0.01重量%未満の場合は、耐紫外線性が不十分であり、また5重量%を超えると耐紫外線透明合成樹脂層に紫外線吸収剤特有の着色が起こりやすく、更にシート成形時に紫外線吸収剤の揮散による冷却用ロールの汚れや作業環境の汚れが発生し、シート外観を損ないやすい。アクリル樹脂層(b−2)におけるアクリル樹脂の紫外線吸収剤含有量は、アクリル樹脂に対して、より好ましくは0.02〜3.5重量%であり、特に好ましくは0.03〜3.2重量%である。
アクリル樹脂用の紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、サリシレート系化合物、トリアリールトリアジン系化合物等の有機系紫外線吸収剤などが挙げられ、好ましくはトリアリールトリアジン系化合物及びベンゾトリアゾール系化合物が挙げられる。トリアリールトリアジン系化合物は、280〜300nm付近の紫外線吸収性が高く且つ揮散性が少なく、合成樹脂製積層体における耐紫外線性を著しく向上させる。トリアリールトリアジン系化合物としては、下記化学式で示される化合物が好ましい。
式中、R1は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜15のアルコキシ基で置換された炭素数2〜6のアルキル基、又はベンジル基であり、R2〜R5は、それぞれ、水素原子又はメチル基である。
アクリル樹脂層(b−2)を形成するアクリル樹脂は、透明性を損なわない範囲で、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等無機系紫外線遮蔽剤を含有してもよく、また、他の光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、難燃剤、滑剤、顔料、フィラー等を含んでいてもよい。
アクリル樹脂層(b−2)を形成するアクリル樹脂のヘイズは、厚さ1mmの成形品による測定で好ましくは10%以下である。ヘイズが10%以上であると合成樹脂製積層体における透明性が不十分となりやすい。アクリル樹脂層(b−2)を形成するアクリル樹脂のヘイズは、厚さ1mmの成形品による測定で、より好ましくは8%以下であり、最も好ましくは5%以下である。
アクリル樹脂層(b−2)の厚みは、必要とする耐紫外線性を有する厚みであればよく、好ましくは1〜200μmである。1μm未満であると紫外線吸収効果が不十分であり、200μmを越えても耐紫外線性に顕著な向上が見られず、衝撃強度を著しく低下させることがある。アクリル樹脂層(b−2)の厚みは、より好ましくは3〜150μmであり、最も好ましくは5〜100μmである。
透明樹脂基材(b−1)の厚みとアクリル樹脂層(b−2)の厚みの合計は、好ましくは0.2〜3mmであり、より好ましくは0.3〜2.5mmである。
透明樹脂基材(b−1)の厚みとアクリル樹脂層(b−2)の厚みの合計が小さすぎても大きすぎてもシート、フィルムとしての取り扱いが難しく、成形等の際の作業性に劣る。透明樹脂基材(b−1)の厚みは、アクリル樹脂層(b−2)の厚みに比べ厚くすることが好ましく、透明樹脂基材(b−1)の厚みを厚くすることで、紫外線吸収性に優れた耐紫外線性アクリル樹脂層(b−2)の厚みを比較的小さくできる。
透明樹脂基材(b−1)の厚みとアクリル樹脂層(b−2)の厚みの合計が小さすぎても大きすぎてもシート、フィルムとしての取り扱いが難しく、成形等の際の作業性に劣る。透明樹脂基材(b−1)の厚みは、アクリル樹脂層(b−2)の厚みに比べ厚くすることが好ましく、透明樹脂基材(b−1)の厚みを厚くすることで、紫外線吸収性に優れた耐紫外線性アクリル樹脂層(b−2)の厚みを比較的小さくできる。
アクリル樹脂層(b−2)の厚みと透明樹脂基材(b−1)の厚みとの比は、好ましくは1/250〜1/2である。厚み比が1/250未満であると耐紫外線性アクリル樹脂層(b−2)の耐紫外線の効果が不十分になりやすく、1/2を越えると耐紫外線の効果が過剰になりコスト的に不利となる上、着色により透明性が阻害されやすい。耐紫外線性アクリル樹脂層(b−2)の厚みと透明樹脂基材(b−1)の厚みとの比は、より好ましくは1/200〜1/3であり、最も好ましくは1/150〜1/4である。
アクリル樹脂層(b−2)の厚みと透明樹脂基材(b−1)の厚みの合計は、好ましくは、合成樹脂製積層体の厚みの3/100〜50/100である。耐紫外線性アクリル樹脂層(b−2)の厚みと透明樹脂基材(b−1)の厚みの合計が、合成樹脂製積層体の厚みの3/100より小さいと合成樹脂製積層体の耐紫外線性が不十分になりやすく、50/100を超えると射出成形により形成された透明合成樹脂層(A)の厚みが十分でなく射出成形し難いことがある。耐紫外線性アクリル樹脂層(b−2)の厚みと透明樹脂基材(b−1)の厚みの合計は、より好ましくは、合成樹脂製積層体の厚みの5/100〜40/100である。
本発明の積層体を構成する硬化皮膜層(C)は、1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100である熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなるものである。
本発明で使用される熱硬化型のポリオルガノシロキサンは、一般式R1nSi(OR2)4−nで表される通常のオルガノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物及び/又は部分縮合物である。特に好ましいオルガノシランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これらのオルガノシランは、単独、もしくは2種以上を併用して使用することができる。これらオルガノシラン類は所定量の水を用いて加水分解・縮合され、オリゴマー化され、単量体はほぼ消費されており、反応系内には存在しない。その後、1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100であるポリオルガノシロキサン組成物となるようにさらに反応を進める。反応温度は、通常25℃〜70℃、好ましくは30℃〜60℃、さらに好ましくは30〜50℃で、徐々に後段の反応を進める。しかし、25℃未満では所望のオリゴマー組成にするのに長時間を要するため、好ましくない。70℃を越えると架橋反応が起こることがあるので、好ましくない。
本発明で使用する熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を得るためのオルガノシランの加水分解は、通常公知の方法により行うことができ、酸性の加水分解性触媒を含有した水の存在下で行うことが好ましい。上記加水分解性触媒は、pH2〜5の酸性を示す公知の触媒の中から選択使用できる。
また、pHを調節するための緩衝剤となる酸・塩基性化合物の組み合わせ(酢酸と酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムとクエン酸等)、分散溶媒、あるいは優れた皮膜性能を賦与するために有機樹脂、顔料、染料、レベリング剤、紫外線吸収剤、保存安定剤などを適宜添加して使用することができる。
また、pHを調節するための緩衝剤となる酸・塩基性化合物の組み合わせ(酢酸と酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムとクエン酸等)、分散溶媒、あるいは優れた皮膜性能を賦与するために有機樹脂、顔料、染料、レベリング剤、紫外線吸収剤、保存安定剤などを適宜添加して使用することができる。
ここで得られたポリオルガノシロキサン組成物の保存温度は、通常25℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは5℃以下である。25℃を越えると、保存期間が長い場合、加水分解・縮合反応が徐々に進行するので好ましくない。
本発明で熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物用いて硬化皮膜を形成させる際、硬化皮膜の硬度や耐擦傷性の向上、または高屈折率化などの光学的機能性を賦与させるために、公知の硬化触媒や金属酸化物及びその他の添加剤を適宜加えても良い。
本発明で熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物用いて硬化皮膜を形成させる際、硬化皮膜の硬度や耐擦傷性の向上、または高屈折率化などの光学的機能性を賦与させるために、公知の硬化触媒や金属酸化物及びその他の添加剤を適宜加えても良い。
硬化触媒としては、公知の塩基性化合物、金属化合物、酸性化合物などが挙げられる。硬化触媒の添加量は、ポリオルガノシロキサン組成物100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。
金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セシウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げられる。特に耐擦傷性を目的としたハードコート剤とする場合には、コロイダルシリカ(シリカゾル)が好適である。ハードコート剤として使用する場合の金属酸化物の添加量は、ポリオルガノシロキサン100重量部に対し、5〜500重量部、特に10〜200重量部であることが好ましい。これらの金属酸化物の存在下に縮合反応を行っても良く、また縮合反応後に加えても良い。
金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セシウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げられる。特に耐擦傷性を目的としたハードコート剤とする場合には、コロイダルシリカ(シリカゾル)が好適である。ハードコート剤として使用する場合の金属酸化物の添加量は、ポリオルガノシロキサン100重量部に対し、5〜500重量部、特に10〜200重量部であることが好ましい。これらの金属酸化物の存在下に縮合反応を行っても良く、また縮合反応後に加えても良い。
熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物の塗装方法はその目的に応じて、刷毛、ロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、スクリーンプロセス、電着塗装、蒸着塗装などがある。
本発明の積層体における硬化被膜層(C)の厚さは、好ましくは1〜15μmである。硬化被膜層の厚さが1μm未満であると表面硬化の効果が不十分になりやすく、15μmを超えても表面硬化の効果は更には向上し難く、コスト的に不利である。硬化被膜層の厚さは、より好ましくは2〜12μmである。
本発明で使用される積層基板(B)は、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を接合させたものである。
本発明の積層体を構成する積層基板(B)におけるアクリル樹脂層(b−2)面と反対の透明樹脂基材(b−1)面に、印刷部を有することができる。印刷部としては、文字、マーク、色彩、模様等が挙げられる。文字、マーク、色彩、模様などの美装処理面を形成する方法としては、従来から知られている方法を用いることができ、具体的には、シルクスクリーン印刷法、ホットスタンプ法などが挙げられる。本発明の積層体を構成する積層基板(B)におけるアクリル樹脂層(b−2)が積層した面と反対の面である透明樹脂基材(b−1)面には、さらに、所望に応じて熱線反射性能、熱線吸収性能、導電性能などの少なくとも一つ以上の機能性膜を印刷することもできる。
本発明の合成樹脂製積層体は、射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面と、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させ、該積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100である熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)を有することを特徴とする合成樹脂製積層体、および射出成形により形成された透明合成樹脂層(A)の両面に、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させてなる積層体のアクリル樹脂層(b−2)面に、上記の熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる皮膜層(C)を有する合成樹脂製積層体が挙げられる。
本発明の合成樹脂製積層体の製造方法は、次の通りである。すなわち、積層基板(B)におけるアクリル樹脂層(b−2)が金型内表面の片面または両面に接するように積層基板(B)を配置し、次いで該金型内へ射出成形により形成される透明合成樹脂を射出注入し、積層基板(B)における透明樹脂基材(b−1)と射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とを接合させて積層一体化後、積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させて硬化皮膜層(C)を形成する製造方法である。
製品形状として2次曲面或いは3次曲面の絞り比が高い合成樹脂製積層体を得るには、予め積層基板(B)を金型キャビティの形状に賦形後、金型内に配置することが好ましい。積層基板(B)と射出成形により形成された透明合成樹脂層(A)を積層一体成形する場合、製品の曲率(H/D)が大きくなると、積層基板(B)上を流れる樹脂で製品形状に賦形される積層基板(B)の端部に樹脂で絞りきれないために皺が発生する問題がある。この様な場合、予め積層基板(B)を真空成形、圧空成形、プレス成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形等により予備成形を行うことが好ましく、真空成形等により形状を付与することにより賦形性に優れる合成樹脂製積層体が得られる。
透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)を製造する方法については、特に制限はなく、例えば、透明樹脂基材(b−1)及び紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)の原料樹脂を同時に溶融押出して成形する共押出法や、透明樹脂基材(b−1)の透明樹脂をシート状に押出成形する際に同時に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層を溶融押出してラミネートする方法、予めフィルム状に成形されたアクリル樹脂層(b−2)を透明樹脂基材(b−1)の押出成形時に連続的に熱ラミネートする方法、シート状或いはフィルム状に成形された透明樹脂基材(b−1)及びアクリル樹脂層(b−2)をプレス機にて熱圧着する方法等が用いられるが、安価に大量に生産する場合は共押出法が好適である。
共押出法で用いられる押出装置としては、透明樹脂基材(b−1)を構成する熱可塑性樹脂を押し出すメイン押出機と、被覆層となるアクリル樹脂層(b−2)を構成するアクリル樹脂を押出す1又は2以上のサブ押出機により構成され、通常サブ押出機はメイン押出機より小型のものが採用される。メイン押出機の温度条件は、通常230℃〜290℃、好ましくは240℃〜280℃であり、サブ押出機の温度条件は、通常220℃〜270℃、好ましくは230℃〜260℃である。2種以上の溶融樹脂を被覆する方法としては、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式等の公知の方法を用いることが出来る。この場合、フィードブロックで積層された溶融樹脂はTダイなどのシート成形ダイに導かれ、シート状に成形された後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリッシングロール)に流入して、バンクを形成する。このシート状成形物は、成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却が行われ、積層板が形成される。マルチマニホールドダイの場合は、該ダイ内で積層された溶融樹脂は同様にダイ内部でシート状に成形された後、成形ロールにて鏡面仕上げ及び冷却が行われ、積層板が形成される。ダイの温度としては、通常220℃〜280℃、好ましくは230℃〜270℃であり、成形ロール温度としては、通常100〜190℃、好ましくは110〜180℃である。ロールは縦型ロールまたは、横型ロールを適宜使用できる。
本発明の合成樹脂製積層体は多くの特徴を有するが、その中に於ける大きな特徴の一つは、各層材料間の線膨張係数の差を一定値以下に限定することにより、厳しい条件下で使用しても層間剥離がなく、密着性に優れているということである。すなわち、射出成形により形成された透明合成樹脂層(A)と透明樹脂基材(b−1)、透明樹脂基材(b−1)とアクリル樹脂層(b−2)、アクリル樹脂層(b−2)とポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる皮膜層(C)の線膨張係数の差がそれぞれ10×10−5/℃以下であり、好ましくは8×10−5/℃以下であり、更に好ましくは7×10−5/℃以下である。射出成形により形成された透明合成樹脂層(A)と透明樹脂基材(b−1)、透明樹脂基材(b−1)とアクリル樹脂層(b−2)、及びアクリル樹脂層(b−2)とポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる皮膜層(C)間での線膨張係数の差は出来るだけ小さい方が良く、10×10−5/℃より大きいと、所望の耐候性を有する合成樹脂製積層体を製造することが困難になる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、評価用サンプルには、得られた合成樹脂製積層体を適当な大きさに切断したものを用いた。
実施例、比較例等における評価方法は次のとおりである。
実施例、比較例等における評価方法は次のとおりである。
(1)線膨張係数
塗料3gをアルミカップに秤取り、約45℃のホットプレート上で2時間放置、揮発成分を除去した。次いで、125℃の乾燥機内で2時間硬化させ、これを線膨張係数測定試料とした。また、ポリカーボネートはシートを、ポリメチルメタクリレートはペレットをそのまま線膨張係数測定試料とした。
測定器:TMA100(セイコー電子工業(株))
温度条件:30〜190℃、10℃/分で昇温
荷重:−1g
雰囲気:N2、300ml/分
測定:2回目以降の昇温時でのデータを採用(1回目は熱履歴消去のため)。
5回繰り返し測定し、60〜90℃の温度範囲の値を平均した。
塗料3gをアルミカップに秤取り、約45℃のホットプレート上で2時間放置、揮発成分を除去した。次いで、125℃の乾燥機内で2時間硬化させ、これを線膨張係数測定試料とした。また、ポリカーボネートはシートを、ポリメチルメタクリレートはペレットをそのまま線膨張係数測定試料とした。
測定器:TMA100(セイコー電子工業(株))
温度条件:30〜190℃、10℃/分で昇温
荷重:−1g
雰囲気:N2、300ml/分
測定:2回目以降の昇温時でのデータを採用(1回目は熱履歴消去のため)。
5回繰り返し測定し、60〜90℃の温度範囲の値を平均した。
(2)GPC
ポリオルガノシロキサン組成物溶液5gを氷浴中、10mmHg以下の減圧下で揮発成分(主に水、及び有機溶剤;アルコール類、アセチルアセトンなど)を除去する。次いでTHFに溶解して濃度0.1%溶液にメスアップし、0.1μのメンブランフィルターを通した後、GPC分析した。
測定機器:Shodex システム21(昭和電工)
カラム(低分子量用):KF-803L×1本+KF-802.5×1本+KF-801×2本
分子量測定範囲=200〜70,000
試料濃度:0.1%THF
溶離液:THF
オーブン温度:40℃
検量線標準物質:ポリスチレン
ポリオルガノシロキサン組成物溶液5gを氷浴中、10mmHg以下の減圧下で揮発成分(主に水、及び有機溶剤;アルコール類、アセチルアセトンなど)を除去する。次いでTHFに溶解して濃度0.1%溶液にメスアップし、0.1μのメンブランフィルターを通した後、GPC分析した。
測定機器:Shodex システム21(昭和電工)
カラム(低分子量用):KF-803L×1本+KF-802.5×1本+KF-801×2本
分子量測定範囲=200〜70,000
試料濃度:0.1%THF
溶離液:THF
オーブン温度:40℃
検量線標準物質:ポリスチレン
(3)耐候性
岩崎電気(株)製スーパーUVテスターを使用し、光照射5時間(紫外線強度50mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、湿度50%)、結露1時間(温度30℃以上、湿度100%)のサイクルで試験を行い、さらに光照射時に10分毎に10秒間シャワーを行った。600時間処理後におけるクラック、自然剥離等の硬化皮膜外観並びに黄変度の変化(△YI)を調べた。尚、試験は、サンプルの硬化皮膜層(b−3)が照射面側になるように設置した。
岩崎電気(株)製スーパーUVテスターを使用し、光照射5時間(紫外線強度50mW/cm2、ブラックパネル温度63℃、湿度50%)、結露1時間(温度30℃以上、湿度100%)のサイクルで試験を行い、さらに光照射時に10分毎に10秒間シャワーを行った。600時間処理後におけるクラック、自然剥離等の硬化皮膜外観並びに黄変度の変化(△YI)を調べた。尚、試験は、サンプルの硬化皮膜層(b−3)が照射面側になるように設置した。
(4)テーバー摩耗性
ASTM−D1044に準拠し、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で500回転後のヘイズを測定し、試験前のヘイズを差し引いた値を示した。
ASTM−D1044に準拠し、テーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷重500g下で500回転後のヘイズを測定し、試験前のヘイズを差し引いた値を示した。
(5)密着性
JIS K5400に準拠し、サンプルを剃刀の刃で2mm間隔に6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がしたとき、塗膜が剥離せずに残存した升目数をX/25で表示した。
JIS K5400に準拠し、サンプルを剃刀の刃で2mm間隔に6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がしたとき、塗膜が剥離せずに残存した升目数をX/25で表示した。
(6)透明性/ヘイズ
日本電色工業(株)製ヘイズメーターにてヘイズ(%)を測定した。
日本電色工業(株)製ヘイズメーターにてヘイズ(%)を測定した。
(7)色調/黄変度
日本電色工業(株)製ヘイズメーターにて黄変度(YI)を測定した。
日本電色工業(株)製ヘイズメーターにて黄変度(YI)を測定した。
(8)耐煮沸性
評価サンプルを100℃の沸騰水中に2時間浸漬した後の外観変化、硬化皮膜層の密着性を評価した。
評価サンプルを100℃の沸騰水中に2時間浸漬した後の外観変化、硬化皮膜層の密着性を評価した。
(9)耐熱性
評価サンプルを100℃の熱風循環乾燥機中に100時間放置下の外観変化、硬化皮膜層の密着性を評価した。
評価サンプルを100℃の熱風循環乾燥機中に100時間放置下の外観変化、硬化皮膜層の密着性を評価した。
(10)落錘衝撃強度
試験は、筒の中にある重量5kgの錘を所定の高さまでワイヤで持ち上げた後、固定してある150mm×150mm(厚み3mm)のサンプル上に落下させ、破壊するまでの高さを評価した。尚、錘は、評価サンプルの硬化皮膜層(b−3)側に落下させた。
試験は、筒の中にある重量5kgの錘を所定の高さまでワイヤで持ち上げた後、固定してある150mm×150mm(厚み3mm)のサンプル上に落下させ、破壊するまでの高さを評価した。尚、錘は、評価サンプルの硬化皮膜層(b−3)側に落下させた。
合成例1/ポリオルガノシロキサンの合成
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にメチルトリメトキシシラン272重量部、メタノール160重量部を加え、窒素雰囲気下で氷冷して10℃以下とした。次に、0.1%の酢酸溶液400重量部を40分かけて滴下し、アルコキシシランの加水分解をおこなった。滴下終了後に、氷冷下で1時間反応継続してから室温で3時間撹拌し、加水分解を完結させた。
得られたシラノール溶液に、メタノールシリカゾル(粒径15μm、シリカ固形分30%)200重量部及びイソプロパノール600重量部を加え、20〜50mmHgの減圧下で、内温を35℃以下の条件でストリッピングし、メタノール及び残存する水を除去した。最終的に得られたポリオルガノシロキサン溶液(非揮発性物質(以下、NVMと記す)20%)は650重量部であった。さらに、この反応溶液を暗所40℃、7時間縮合反応を徐々に進行させた。このポリオルガノシロキサン溶液(H1)のGPC分析を行った結果、1〜2量体は存在せず、3量体が0.01%、4量体が9.9%、5量体が11.4%、6量体以上が78.7%であった。そして数平均重合度は10.8であった。このオリゴマー化反応の間、各分子は直鎖状に連結したものと考えている。そして、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の60〜90℃での線膨張係数は10.0×10−5/℃であった。
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にメチルトリメトキシシラン272重量部、メタノール160重量部を加え、窒素雰囲気下で氷冷して10℃以下とした。次に、0.1%の酢酸溶液400重量部を40分かけて滴下し、アルコキシシランの加水分解をおこなった。滴下終了後に、氷冷下で1時間反応継続してから室温で3時間撹拌し、加水分解を完結させた。
得られたシラノール溶液に、メタノールシリカゾル(粒径15μm、シリカ固形分30%)200重量部及びイソプロパノール600重量部を加え、20〜50mmHgの減圧下で、内温を35℃以下の条件でストリッピングし、メタノール及び残存する水を除去した。最終的に得られたポリオルガノシロキサン溶液(非揮発性物質(以下、NVMと記す)20%)は650重量部であった。さらに、この反応溶液を暗所40℃、7時間縮合反応を徐々に進行させた。このポリオルガノシロキサン溶液(H1)のGPC分析を行った結果、1〜2量体は存在せず、3量体が0.01%、4量体が9.9%、5量体が11.4%、6量体以上が78.7%であった。そして数平均重合度は10.8であった。このオリゴマー化反応の間、各分子は直鎖状に連結したものと考えている。そして、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の60〜90℃での線膨張係数は10.0×10−5/℃であった。
合成例2/ポリオルガノシロキサンの合成
合成例1で得られたシラノール溶液に、メタノールシリカゾル(粒径15μm、シリカ固形分30%)200重量部及びイソプロパノール600重量部を加え、20〜50mmHgの減圧下で、内温を35℃以下の条件でストリッピングし、メタノール及び残存する水を除去した。最終的に得られたポリオルガノシロキサン溶液(NVM20%)は650重量部であった。このポリオルガノシロキサン溶液(H1)のGPC分析を行った結果、1〜2量体が4.4%、3量体が7.2%、4量体が19.7%、5量体が32.4%、6量体以上が36.3%であった。そして数平均重合度は5.3であった。このオリゴマー化反応の間、各分子は直鎖状に連結したものと考えている。そして、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の60〜90℃での線膨張係数は10.5×10−5/℃であった。
合成例1で得られたシラノール溶液に、メタノールシリカゾル(粒径15μm、シリカ固形分30%)200重量部及びイソプロパノール600重量部を加え、20〜50mmHgの減圧下で、内温を35℃以下の条件でストリッピングし、メタノール及び残存する水を除去した。最終的に得られたポリオルガノシロキサン溶液(NVM20%)は650重量部であった。このポリオルガノシロキサン溶液(H1)のGPC分析を行った結果、1〜2量体が4.4%、3量体が7.2%、4量体が19.7%、5量体が32.4%、6量体以上が36.3%であった。そして数平均重合度は5.3であった。このオリゴマー化反応の間、各分子は直鎖状に連結したものと考えている。そして、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の60〜90℃での線膨張係数は10.5×10−5/℃であった。
合成例3/アクリル系プライマーの合成
攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、及び滴下ロートを備えた反応器にジアセトンアルコール100重量部を加え、撹拌しながら反応器内を窒素ガスにて十分置換し、80〜90℃に加熱した。他方、トリメトキシプロピルメタクリレート20重量部、メチルメタクリレート60重量部、メチルアクリレート5重量部、酢酸ビニル5重量部、グリシジルメタクリレート10重量部、エチレングリコールジメタクリレート0.2重量部と開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3重量部を滴下ロートに加え、1時間を要して反応器内に徐々に加え、この間、撹拌と窒素ガスの導入は継続した。その後、90℃で3時間反応継続し、終了とした。そして、分子量(Mw)15万のポリメチルメタクリレート20重量部と溶剤としてのメチルイソブチルケトン150重量部、酢酸セロソルブ150重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル110重量部、イソプロパノール110重量部、ジアセトンアルコール50重量部を加え、NVM15%とした。この反応溶液に紫外線吸収剤として2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノンをNVMに対して2%を加え、プライマー塗料組成物(P1)を得た。そして、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の60〜90℃での線膨張係数は24.0×10−5/℃であった。
攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、及び滴下ロートを備えた反応器にジアセトンアルコール100重量部を加え、撹拌しながら反応器内を窒素ガスにて十分置換し、80〜90℃に加熱した。他方、トリメトキシプロピルメタクリレート20重量部、メチルメタクリレート60重量部、メチルアクリレート5重量部、酢酸ビニル5重量部、グリシジルメタクリレート10重量部、エチレングリコールジメタクリレート0.2重量部と開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3重量部を滴下ロートに加え、1時間を要して反応器内に徐々に加え、この間、撹拌と窒素ガスの導入は継続した。その後、90℃で3時間反応継続し、終了とした。そして、分子量(Mw)15万のポリメチルメタクリレート20重量部と溶剤としてのメチルイソブチルケトン150重量部、酢酸セロソルブ150重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル110重量部、イソプロパノール110重量部、ジアセトンアルコール50重量部を加え、NVM15%とした。この反応溶液に紫外線吸収剤として2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノンをNVMに対して2%を加え、プライマー塗料組成物(P1)を得た。そして、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の60〜90℃での線膨張係数は24.0×10−5/℃であった。
アクリル樹脂の製造例(特開平7-133303号公報記載の方法)
メチルメタクリレート88重量部、メチルアクリレート4重量部、メタノール8重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.032重量部(2×10−3モル/1)及びn−ドデシルメルカプタン0.21重量部(10×10−3モル/1)を混合後、窒素吹き込みによって溶存酸素を除去し原料液を調整した。熱媒を循環するジャケットとヘリカルリボン撹拌翼を備えた内容積6Lの重合槽に、予めこの原料液5kgを添加して密閉し、十分撹拌して均一混合状態を保ちながら、150℃に昇温して単量体転化率75%及び重合体濃度69%に到達するまで重合させた後、この原料液を1kg/hの割合で重合槽に連続的に供給した。
メチルメタクリレート88重量部、メチルアクリレート4重量部、メタノール8重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.032重量部(2×10−3モル/1)及びn−ドデシルメルカプタン0.21重量部(10×10−3モル/1)を混合後、窒素吹き込みによって溶存酸素を除去し原料液を調整した。熱媒を循環するジャケットとヘリカルリボン撹拌翼を備えた内容積6Lの重合槽に、予めこの原料液5kgを添加して密閉し、十分撹拌して均一混合状態を保ちながら、150℃に昇温して単量体転化率75%及び重合体濃度69%に到達するまで重合させた後、この原料液を1kg/hの割合で重合槽に連続的に供給した。
重合温度を150℃及び平均滞留時間を約5時間に維持したところ、重合液の粘度は45Pa・秒、単量体転化率は75%及び重合体濃度は69%で安定に保たれた。この重合液を1kg/hの流量で抜き出し、250℃まで加熱後、減圧下にある脱揮タンク内にフラッシュした。脱揮された重合体は脱揮タンク底部より溶融状態で抜き出し、ダイスによりストランド状に取り出され、水冷後ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットは残存揮発成分としてメチルメタクリレート0.27%、メチルアクリレート0.01%で、重合開始剤及び連鎖移動剤のn−ドデシルメルカプタンはGC分析では検出されなかった。得られたペレットの外観は無色透明で良好であった。GPC測定により重量平均分子量(Mw)10.3万で、荷重撓み温度は105℃、1mm厚成形品のヘイズは0.2%であった。60〜90℃での線膨張係数は8.0×10−5/℃であった。
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートペレット3種類、合成例1および2のポリオルガノシロキサン、及び合成例3のメタクリル系プライマーの線膨張係数測定を行い、結果を表1にまとめた。表1よりメタクリル系プライマー以外の樹脂間の線膨張係数の差は、2.5×10−5/℃以下であることが分かる。
積層基板(B)=共押出板の製造例1
基板層にポリカーボネート(NF2000U、三菱瓦斯化学社製で、1mm厚成形品のヘーズは0.3)を用い、ポリカーボネートの押出機として、バレル径65mm、スクリューL/D35、シリンダー温度270℃とした。また被覆層を形成するアクリル樹脂の押出機は、バレル径32mm、スクリューのL/D32、シリンダー温度250℃に設定した。2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロック(幅500mm)を使用し、ポリカーボネートの片面にアクリル樹脂を積層した。ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度110℃、2番ロール温度180℃、3番ロール温度180℃に設定した。
基板層にポリカーボネート(NF2000U、三菱瓦斯化学社製で、1mm厚成形品のヘーズは0.3)を用い、ポリカーボネートの押出機として、バレル径65mm、スクリューL/D35、シリンダー温度270℃とした。また被覆層を形成するアクリル樹脂の押出機は、バレル径32mm、スクリューのL/D32、シリンダー温度250℃に設定した。2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロック(幅500mm)を使用し、ポリカーボネートの片面にアクリル樹脂を積層した。ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた3本のポリッシングロールに導かれ、1番ロール温度110℃、2番ロール温度180℃、3番ロール温度180℃に設定した。
最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させた。引取速度は1.2m/分、引き取り用ピンチロール速度1.6m/分とした。得られたシート厚さ0.9mm、アクリル樹脂層は20μmで、外観の優れたものであった。
ここで使用したアクリル樹脂は上記製造例により連続重合法で製造された三菱瓦斯化学社製MGC-10に紫外線吸収剤としてチヌビン1577(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)2%と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学社製)0.1%、及びアデカスターブPEP−36(旭電化工業社製)0.05%を添加した樹脂(1mm厚成形品のヘイズは0.2%)を用いた。
ここで使用したアクリル樹脂は上記製造例により連続重合法で製造された三菱瓦斯化学社製MGC-10に紫外線吸収剤としてチヌビン1577(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)2%と、酸化防止剤としてスミライザーBHT(住友化学社製)0.1%、及びアデカスターブPEP−36(旭電化工業社製)0.05%を添加した樹脂(1mm厚成形品のヘイズは0.2%)を用いた。
積層基板(B)=共押出板の製造例2
共押出板の製造例1と同様の装置、製造条件にてシートを成形した。ここで使用したアクリル樹脂(1mm厚成形品のヘイズは0.2%)は連続溶液(トルエン)重合法で製造されたアトフィナ製アトグラスV020を用いた。製造されたシートはブツ、スジ、気泡などがなく、外観の優れたものであった。
共押出板の製造例1と同様の装置、製造条件にてシートを成形した。ここで使用したアクリル樹脂(1mm厚成形品のヘイズは0.2%)は連続溶液(トルエン)重合法で製造されたアトフィナ製アトグラスV020を用いた。製造されたシートはブツ、スジ、気泡などがなく、外観の優れたものであった。
積層基板(B)=共押出板の製造例3
共押出シートの製造として、アクリル樹脂を連続重合品(アトグラスV020)から懸濁重合品(バラペットHR−L、クラレ社製、1mm厚成形品のヘイズは0.2%)に変えた以外は、共押出板の製造例1と同様に実施した。製造されたシートはブツ、スジ、気泡などが目立ち、外観の優れたものではなかった。
また、これらを改善するために、ダイヘッド温度を250℃に低下させたが、得られたシートの外観は多少良くなる傾向を示したものの、十分満足できる外観ではなかった。
共押出シートの製造として、アクリル樹脂を連続重合品(アトグラスV020)から懸濁重合品(バラペットHR−L、クラレ社製、1mm厚成形品のヘイズは0.2%)に変えた以外は、共押出板の製造例1と同様に実施した。製造されたシートはブツ、スジ、気泡などが目立ち、外観の優れたものではなかった。
また、これらを改善するために、ダイヘッド温度を250℃に低下させたが、得られたシートの外観は多少良くなる傾向を示したものの、十分満足できる外観ではなかった。
実施例1
積層基板(B)=共押出板の製造例1で製造した500mm×1000mmのポリカーボネート/アクリル樹脂積層シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層20μm)を用い、そのポリカーボネート樹脂面にスクリーン印刷を施し、次いでサンルーフモデル形状(600mm×400mm)に切断し、該積層板のアクリル樹脂層がサンルーフモデル金型(厚み5mm)内表面の片面に接するように配置し、次いで該金型内へポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製/ユーピロンS3000)を射出注入し、積層基板とポリカーボネートとを積層一体化した成形品を得た。得られた積層一体化成形品のアクリル樹脂層(b−2)上に、合成例1で得たポリオルガノシロキサン塗料を硬化被膜として2〜5μmになるようにスプレーにて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、120℃にて1時間硬化し硬化皮膜を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
積層基板(B)=共押出板の製造例1で製造した500mm×1000mmのポリカーボネート/アクリル樹脂積層シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層20μm)を用い、そのポリカーボネート樹脂面にスクリーン印刷を施し、次いでサンルーフモデル形状(600mm×400mm)に切断し、該積層板のアクリル樹脂層がサンルーフモデル金型(厚み5mm)内表面の片面に接するように配置し、次いで該金型内へポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス社製/ユーピロンS3000)を射出注入し、積層基板とポリカーボネートとを積層一体化した成形品を得た。得られた積層一体化成形品のアクリル樹脂層(b−2)上に、合成例1で得たポリオルガノシロキサン塗料を硬化被膜として2〜5μmになるようにスプレーにて塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、120℃にて1時間硬化し硬化皮膜を有する合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
実施例2
積層基板(B)=共押出板の製造例1で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂積層シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層30μm)を用いる以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
積層基板(B)=共押出板の製造例1で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂積層シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層30μm)を用いる以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
実施例3
実施例1と同様の樹脂積層板(B)を、サンルーフ形状に2枚切断し、1枚のシートをアクリル樹脂層(b−2)が金型内表面の片面に接するように配置し、もう一枚の積層樹脂板(B)のアクリル樹脂層(b−2)がもう一方の片面に接するように配置した以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
実施例1と同様の樹脂積層板(B)を、サンルーフ形状に2枚切断し、1枚のシートをアクリル樹脂層(b−2)が金型内表面の片面に接するように配置し、もう一枚の積層樹脂板(B)のアクリル樹脂層(b−2)がもう一方の片面に接するように配置した以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
実施例4
積層基板(B)=共押出板の製造例2で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層20μm)を用いて、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
積層基板(B)=共押出板の製造例2で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層20μm)を用いて、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表2に示す。
実施例5
積層板(B)=共押出板の製造例2で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層40μm)を用いて、硬化皮膜層(C)の膜厚が7μm以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂積層体の評価結果を表2に示す。
積層板(B)=共押出板の製造例2で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層40μm)を用いて、硬化皮膜層(C)の膜厚が7μm以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂積層体の評価結果を表2に示す。
比較例1
実施例1と同一条件で得た積層一体化成形品のアクリル樹脂層(b−2)上に、合成例2で調整したポリオルガノシロキサン溶液(NVM20%)を塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、120℃、1時間硬化し合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示す。
実施例1と同一条件で得た積層一体化成形品のアクリル樹脂層(b−2)上に、合成例2で調整したポリオルガノシロキサン溶液(NVM20%)を塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、120℃、1時間硬化し合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示す。
比較例2
共押出板の製造例1で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層300μm)を用いた以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示す。
共押出板の製造例1で製造したポリカーボネート/アクリル樹脂シート(0.9mm厚、アクリル樹脂層300μm)を用いた以外は、実施例1と同一方法で合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示す。
比較例3
実施例1と同一条件で得た積層一体化成形品のアクリル樹脂層(7μm)上に、合成例3で調整したアクリル系プライマーを塗布し、室温で20分間乾燥させた後、125℃で1時間硬化乾燥させた。その後、合成例1で得たポリオルガノシロキサン溶液(NVM20%)を塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、120℃にて1時間硬化し合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示す。
実施例1と同一条件で得た積層一体化成形品のアクリル樹脂層(7μm)上に、合成例3で調整したアクリル系プライマーを塗布し、室温で20分間乾燥させた後、125℃で1時間硬化乾燥させた。その後、合成例1で得たポリオルガノシロキサン溶液(NVM20%)を塗布し、室温で20分間自然乾燥させた後、120℃にて1時間硬化し合成樹脂製積層体を得た。得られた合成樹脂製積層体の評価結果を表3に示す。
1 硬化皮膜層
2 アクリル樹脂層
3 透明樹脂基材
4 印刷部
5 透明合成樹脂層
2 アクリル樹脂層
3 透明樹脂基材
4 印刷部
5 透明合成樹脂層
Claims (18)
- 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の少なくとも一方の面と、透明樹脂基材(b−1)の片面に紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を設けた積層基板(B)の透明樹脂基材(b−1)面とを接合させ、該積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に1〜2量体成分は実質的に存在せず、3量体成分が0.01〜3%、4量体成分が1〜15%、5量体成分が1〜13%、6量体以上が69〜97%であって、数平均重合度が8〜100である熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)を有することを特徴とする合成樹脂製積層体。
- 紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)を構成するアクリル樹脂が連続重合法で製造されたものであり、かつ、メタクリル酸メチルを主成分とするアクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製積層体。
- 紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)の紫外線吸収剤量が0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成樹脂製積層体。
- 透明樹脂基材(b−1)と紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層(b−2)が共押出法により同時に成形され、該透明樹脂基材(b−1)の厚さが0.2〜3mmで、該アクリル樹脂層(b−2)の厚さが1〜200μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 前記ポリオルガノシロキサン組成物にコロイダルシリカを含有させることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)と透明樹脂基材(b−1)、透明樹脂基材(b−1)とアクリル樹脂層(b−2)、アクリル樹脂層(b−2)とポリオルガノシロキサン組成物を硬化させた硬化皮膜層(C)との線膨張係数の差が、それぞれ10×10−5/℃以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 透明合成樹脂層(A)、透明樹脂基材(b−1)及びアクリル樹脂層(b−2)のヘイズが、厚さ1mmの成形品による測定で、10%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 透明合成樹脂層(A)及び透明樹脂基材(b−1)がポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)の厚みが0.8〜30mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 透明樹脂基材(b−1)の透明樹脂における紫外線吸収剤の含有量が、0.5重量%未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる皮膜層(C)の厚みが1〜15μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 積層基板(B)を構成する透明樹脂基材(b−1)におけるアクリル樹脂層(b−2)面と反対の透明樹脂基材(b−1)面に、印刷部を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 射出成形により形成された透明合成樹脂層(A)の両面に、透明樹脂基材(b−1)を密着させた積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなる硬化皮膜層(C)を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
- 積層基板(B)におけるアクリル樹脂層(b−2)が金型内表面の少なくとも一方の面に接するように積層基板(B)を配置し、次いで該金型内へ射出成形により形成される透明合成樹脂を射出注入し、積層基板(B)における透明樹脂基材(b−1)と射出成形により形成される透明合成樹脂層(A)とを接合させて積層一体化後、積層基板(B)のアクリル樹脂層(b−2)に熱硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させて硬化皮膜層(C)を形成することを特徴とする合成樹脂製積層体の製造方法。
- 積層基板(B)を予め金型キャビティの形状に賦形後、金型内に配置することを特徴とする請求項14に記載の合成樹脂製積層体の製造方法。
- アクリル樹脂層(b−2)の厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項14または15のいずれかに記載の合成樹脂製積層体の製造方法。
- アクリル樹脂層(b−2)における紫外線吸収剤の含有量が0.03〜4.0重量%であることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の合成樹脂製積層体の製造方法。
- 透明合成樹脂層(A)と樹脂積層板(B)で構成される積層体が車輌用窓ガラスである請求項1〜13のいずれかに記載の合成樹脂製積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004028296A JP2005219298A (ja) | 2004-02-04 | 2004-02-04 | 合成樹脂製積層体及びその製造方法 |
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ID=34995327
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1813968A1 (en) * | 2006-01-31 | 2007-08-01 | Konica Minolta Opto, Inc. | Optical element |
CN103009649A (zh) * | 2012-12-07 | 2013-04-03 | 中兴通讯股份有限公司 | 镜片加工方法、镜片及其电子设备 |
JP2014162096A (ja) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Teijin Ltd | ポリカーボネート樹脂積層体 |
JP2014240200A (ja) * | 2014-08-27 | 2014-12-25 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 積層体 |
-
2004
- 2004-02-04 JP JP2004028296A patent/JP2005219298A/ja active Pending
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