JP2005219140A - 光学シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学シートの切断面にバリや欠けがなく品質を向上させ得るとともに割れにくくし、また、溶融飛散物及び切粉の発生をなくす。
【解決手段】被切断物である光学シート材1の片面における所定位置にほぼ円形の刃3を押し当てながら当該刃3と光学シート材1とを相対的に移動させて、光学シート材1の平均厚さの10%以上70%以下の深さ範囲の凹溝2を光学シート材1に形成し、凹溝2に曲げ応力を集中させて切断することにより、光学シート1aの切断面への実質上問題となるようなバリの発生及び反対側面等への欠けの発生を抑えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学シートの製造方法に関するものであり、特に、背面投写型テレビジョンの透過型スクリーン等に用いられる光学シートの製造方法に関するものである。
背面投写型テレビジョンの透過型スクリーン等に用いられる光学シートは、通常、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等が密着されて構成され、その厚みは、0.3mm〜2mm程度に形成されている。前記フレネルレンズシートは、等間隔で同心円状の微細ピッチのレンズからなるフレネルレンズが光出射面に設けられて構成されている。また、前記レンチキュラーレンズシートは、かまぼこ型のレンズが光入射面側に等間隔になるようにそれぞれ配置されている(例えば、特許文献1参照)。
このような、透過型スクリーン等に用いられる光学シートは、実質的に透明な合成樹脂を用い、押出成形、熱プレス成形、又は射出成形等で成形して光学シート材とした後、製品サイズの光学シートに切断するという方法で製造されるのが一般的である。そして、光学シート材を切断する手段としては、レーザカット装置、回転鋸、又はギロチン刃等が用いられている。
特開2004−4916号公報。
しかしながら、従来の光学シート材を切断する手段として、例えばギロチン刃を用いた場合は、切断開始面の反対側面にバリが生じやすい。レーザカット装置を用いた場合も、アシストエアが光学シート材に対して厚み方向に吹き付けられ、溶融樹脂が変形して、ギロチン刃を用いた場合と同様に切断開始面の反対側面にバリが生じたり、また、発生した溶融飛散物が切断された光学シートに再付着して外観を損ねるという問題があった。また、回転鋸を用いた場合は、鋸刃の剛性が不十分であると、刃が変形して、刃の側面が光学シート材に接触するなどして光学シートを傷付けたり、切断された光学シートが過熱によって融着する等の問題があった。
上述のように、従来の切断方法によると、光学シートの切断面にバリや欠けが発生して外観品質が損なわれたり、また、バリや欠けが応力集中点となって割れが生じやすくなっていた。さらに、切断の際に生じた光学シート材の切粉や溶融飛散物、また切断面に生じたバリが輸送中あるいは使用中に脱落し、これが光学シート面に付着して点状、線状の欠点となったり、光学シートを傷つけることがあった。このため、光学シートの切断面に生じるバリや欠けを極力抑制するとともに溶融飛散物や切粉の発生のない切断方法が求められていた。
そこで、光学シートの切断面にバリや欠けがなく品質を向上させ得るとともに割れにくくし、また、溶融飛散物及び切粉の発生をなくすために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、被切断物である光学シート材の片面における所定位置にほぼ円形の刃を押し当てながら当該刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、該光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲で凹溝を前記光学シート材に形成し、該凹溝に曲げ応力を集中させることにより切断する光学シートの製造方法を提供する。
この構成によれば、光学シート材の片面に、その平均厚さの10%以上70%以下の範囲で凹溝を形成し、この凹溝に曲げ応力を集中させて折り割ることにより光学シートが製造される。凹溝の深さを、光学シート材の平均厚さの70%以下とすることで、光学シートの切断面に実質上問題となるようなバリの発生及び反対側面等への欠けの発生が抑えられる。凹溝の深さが、光学シート材の平均厚さの10%未満であると、その凹溝に曲げ応力を集中させて折り割る際に、光学シートの切断面が変形する等の問題が生じることがある。また、切削等による切断とは異なり、切断の際に熱の発生を殆ど伴わないので溶融飛散物がなく、切粉の発生もない。
請求項2記載の発明は、被切断物である光学シート材の両面におけるほぼ一致する所定の相対位置にそれぞれほぼ円形の刃を押し当てながら当該刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、該光学シート材の両面にそれぞれ凹溝を形成し、且つ、両面の凹溝の深さの合計が当該光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲となるように形成し、該両凹溝に曲げ応力を集中させることにより切断する光学シートの製造方法を提供する。
この構成によれば、それぞれの深さの合計が光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲となるように光学シート材の両面に凹溝を形成し、この両凹溝に曲げ応力を集中させることで、容易に折り割りが行われて光学シートが製造される。両凹溝の合計深さを、光学シート材の平均厚さの70%以下とすることで、光学シートの切断面に実質上問題となるようなバリ及び欠けの発生が確実に抑えられる。両凹溝の合計深さが、光学シート材の平均厚さの10%未満であると、光学シート材の両面にそれぞれ凹溝を形成しても、その両凹溝に曲げ応力を集中させて折り割る際に、光学シートの切断面が変形する等の問題が生じることがある。また、上記請求項1記載の発明の作用と同様に、切削等による切断とは異なり、切断の際に熱の発生を殆ど伴わないので溶融飛散物がなく、切粉の発生もない。
請求項3記載の発明は、上記ほぼ円形の刃の直径は、10mm以上60mm以下である請求項1又は2記載の光学シートの製造方法を提供する。
この構成によれば、ほぼ円形の刃の直径を、10mm以上60mm以下とすることで、十分な剛性が得られて所定の切断位置に誤差を生じさせることなく凹溝を形成することが可能となる。ほぼ円形の刃の直径が10mm未満であると、刃の周辺長が短くなり、刃の交換頻度が多くなって作業性が悪化する。ほぼ円形の刃の直径が60mmを超過すると、刃の剛性が不足して切断位置に誤差を生じやすくなる場合がある。
請求項4記載の発明は、上記ほぼ円形の刃が上記光学シート材との摩擦により回転する請求項1,2又は3記載の光学シートの製造方法を提供する。
この構成によれば、凹溝を形成する際、ほぼ円形の刃が回転することで、刃の周辺部は、光学シート材に対してほぼ厚さ方向のみに移動するようになる。このため、光学シート材が、例えばレンチキュラーレンズシート材のように表面に凹凸構造がある場合でも、その凹凸構造を変形させることが極めて少なくなる。
請求項1記載の発明は、被切断物である光学シート材の片面における所定位置にほぼ円形の刃を押し当てながら当該刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、該光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲で凹溝を前記光学シート材に形成し、該凹溝に曲げ応力を集中させることにより切断するようにしたので、光学シートの切断面への実質上問題となるようなバリの発生及び反対側面等への欠けの発生が抑えられる。また、切断の際に溶融飛散物及び切粉の発生がなく、これらが光学シートの切断面に付着することがない。したがって、切断された光学シートの品質を向上させることができ、また、前記バリや欠けを応力集中点とした割れの発生を抑えることができるという利点がある。
請求項2記載の発明は、被切断物である光学シート材の両面におけるほぼ一致する所定の相対位置にそれぞれほぼ円形の刃を押し当てながら当該刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、それぞれの深さの合計が光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲となるように当該光学シート材の両面に凹溝を形成し、該両凹溝に曲げ応力を集中させることにより切断するようにしたので、光学シートの切断面への実質上問題となるようなバリ及び欠けの発生が確実に抑えられる。また、切断の際に溶融飛散物及び切粉の発生がなく、これらが光学シートの切断面に付着することがない。したがって、光学シート材の両面に凹溝を形成したことで一層容易に切断を行うことができるとともに、切断された光学シートの品質を一層向上させることができ、また、前記バリや欠けを応力集中点とした割れの発生を確実に抑えることができるという利点がある。
請求項3記載の発明は、上記ほぼ円形の刃の直径は、10mm以上60mm以下としたので、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加えてさらに、ほぼ円形の刃の十分な剛性が得られて所定の切断位置に凹溝を形成することができるという利点がある。
請求項4記載の発明は、上記ほぼ円形の刃が上記光学シート材との摩擦により回転するようにしたので、上記請求項1,2又は3記載の発明の効果に加えてさらに、刃の周辺部が光学シート材に対してほぼ厚さ方向のみに移動することで、光学シート材が、例えばレンチキュラーレンズシート材のように表面に凹凸構造がある場合でも、その凹凸構造を変形させることが極めて少なくなるという利点がある。
光学シートの切断面にバリや欠けがなく品質を向上させ得るとともに割れにくくし、また、溶融飛散物及び切粉の発生をなくすという目的を、被切断物である光学シート材の片面における所定位置に、直径が10mm以上60mm以下の円形の刃を押し当て、且つ、当該円形の刃を前記光学シート材との摩擦により回転させながら該円形の刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、該光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の深さ範囲の凹溝を前記光学シート材に形成し、該凹溝に曲げ応力を集中させて切断することにより実現した。
以下、本発明の実施例1を図面にしたがって詳述する。図1は、光学シートの製造方法を説明するための側面図。図2は、光学シート材の搬送装置を示す正面図。図3は、光学シート材に凹溝が形成される様子を比較例とともに示す解説図。図4は、図1との比較例を説明するための側面図である。本実施例に係る光学シートの製造方法は、光学シート材として前述したレンチキュラーレンズシート材に適用されている。
まず、本実施例に係る光学シートの製造方法に使用される器具及び装置から説明する。図1において、レンチキュラーレンズシート材1に凹溝2を形成するためのほぼ円形の刃(以下、単に円形刃とも言う)3は、一般的な刃物用工具鋼等の金属材料を用いて、その直径が10mm以上60mm以下に形成されている。直径を10mm以上60mm以下とすることで、十分な剛性が得られて所定の切断位置に誤差を生じさせることなく凹溝2を形成することが可能となる。直径が10mm未満であると、円形刃3の周辺長が短くなり、交換頻度が多くなって作業性が悪化する。直径が60mmを超過すると、剛性が不足して凹溝2を形成する位置、即ち切断位置に誤差を生じやすくなる場合がある。
また、前記円形刃3の断面の角度は、一般的なカッターナイフの刃角でよく、例えば15゜以上30゜以下が好ましく、20゜以上25゜以下が特に好ましい。
図1及び次に述べる図2に示すように、前記円形刃3には、中心軸3aが固着され、該中心軸3aの両端部が図示省略の軸受に支持されている。このため、円形刃3は、レンチキュラーレンズシート材1に押し当てられて図示省略の移動機構の駆動により移動したとき、該レンチキュラーレンズシート材1との摩擦により、回転するように構成されている。なお、円形刃3でレンチキュラーレンズシート材1に凹溝2を形成するとき、上記のように円形刃3側のみを移動させる場合に限らず、円形刃3とレンチキュラーレンズシート材1とは、相対的に移動可能に構成されていればよい。
図2は、レンチキュラーレンズシート材1の搬送装置4を示している。レンチキュラーレンズシート材1は、凹溝2が形成された後、前記搬送装置4で搬送され、該搬送装置4の終端点でレンチキュラーレンズシート1aの自重で凹溝2に曲げ応力が加えられて切断されるように構成されている。
次に、上述のような器具及び装置を用いた光学シートとしてのレンチキュラーレンズシート1aの製造方法を説明する。図1に示すように、レンチキュラーレンズシート材1の片面における所定位置に、円形刃3を所要の押圧力で押し当て、且つ、当該円形刃3を前記レンチキュラーレンズシート材1との摩擦により回転させながら移動機構の駆動により円形刃3を適宜の移動速度で移動させる。
そして、この移動操作により、図3(a)に示すように、レンチキュラーレンズシート材1の表面部に、当該レンチキュラーレンズシート材1の平均厚さの10%以上70%以下の範囲で深さdの凹溝2を形成する。このとき、円形刃3は、前記のように十分な剛性を有するものが用いられているので、凹溝2は、所定の切断位置に誤差を生じることなく形成される。
上記のように、円形刃3で形成する凹溝2の深さdを、レンチキュラーレンズシート材1の平均厚さの70%以下とすることで、その凹溝2に曲げ応力を加えて切断したとき、レンチキュラーレンズシート1aの切断面に実質上問題となるようなバリの発生及び反対側面等への欠けの発生が抑えられる。凹溝2の深さdが、レンチキュラーレンズシート材1の平均厚さの10%未満であると、その凹溝2に曲げ応力を集中させて切断する際に、レンチキュラーレンズシート1aの切断面が変形する等の問題が生じることがある。
ここで、前記バリとは、切断工程の際に生じた応力や熱等によって被切断物の一部が塑性変形、溶融といった現象を起こして切断面に付着あるいは切断面が変形し、本来あるべき切断面形状が乱されたものを指している。
本実施例では、前述したように、円形刃3で所要深さの凹溝2を形成し、その凹溝2に曲げ応力を加えて切断することで、このバリの発生を抑えている。これに対し、図3(b)の比較例に示すように、一般的なギロチン刃5を用いてレンチキュラーレンズシート材1を切断した場合は、該ギロチン刃5がレンチキュラーレンズシート材1を押し退けた体積分だけ、そのギロチン刃5が最初に接触した面側に盛り上がり、この盛り上がりがバリeになってしまうという不具合が生じる。また、一般的なギロチン刃5又は鋸刃で切断した場合は、反対側面に欠けが生じやすいが、本実施例では、前記のように、反対側面等への欠けの発生が抑えられる。
本実施例では、凹溝2を形成する際、前記のように、円形刃3がレンチキュラーレンズシート材1との摩擦により回転する。これにより、円形刃3の周辺部は、レンチキュラーレンズシート材1に対してほぼ厚さ方向のみに移動するようになる。このため、レンチキュラーレンズシート材1のように表面に凹凸構造がある光学シート材でも、その凹凸構造を変形させることが極めて少なくなる。これに対し、図4の比較例に示すように、一般的な刃6を用いて、これをレンチキュラーレンズシート材1に押し当てながら移動させる方法で凹溝2を形成すると、凹凸構造の端部に変形fが生じる場合がある。
さらに、本実施例に係る光学シートの製造方法は、切削等による切断とは異なり、切断の際に熱の発生を殆ど伴わない。このため、溶融飛散物の発生はなく、また切粉の発生も殆どない。
次いで、本実施例の具体例を、比較例と対比して述べる。
〔具体例〕
まず、本実施例の具体例を述べる。押出成形法によって成形したアクリル樹脂製で平均厚さが1mmの光学シート材としてのレンチキュラーレンズシート材1を、次のような各条件で幅1mにわたって凹溝2を形成し、その後、図2に示すように、搬送装置4で搬送し、該搬送装置4の終端点でレンチキュラーレンズシート1aの自重で凹溝2に曲げ応力を加えることにより切断した。
円形刃の直径 :40mm
円形刃の断面角度 :20゜
形成した凹溝深さ :0.3mm
円形刃の移動速度 :12m/min
円形刃の回転 :自由に回転するように中心軸で保持されている。円形刃の移動速
度と回転数とを測定して算出した結果、円形刃周辺部の速度は1
1m/minであった。
〔比較例1〕
上記本実施例の具体例と同様の光学シート材としてのレンチキュラーレンズシート材を、回転鋸によって切断した。
切断装置 :協立精機製縦型パネルソー
鋸刃の形状 :直径255mm、鋸刃チップ厚み2.0mm、鋸刃チップ数100、チ
ップタイプBA
鋸刃回転速度 :6000rpm
切断速度 :2m/min
〔比較例2〕
前記本実施例の具体例と同様の光学シート材としてのレンチキュラーレンズシート材を、レーザ切断機によって切断した。
レーザ切断機 :三菱電機株式会社製レーザ加工機
切断条件 :レーザ出力800ワット、アシストガス圧2.5kgf/cm、切
断速度12m/min
上記本実施例の具体例及び比較例1,2におけるレンチキュラーレンズシートの切断面を観察し、欠け、バリ、切粉の発生を評価した。
欠け :光学顕微鏡20倍で観察し、切断長500mmにわたり、250μm以上の大
きさの欠けの数を数えた。
バリ :投影機にて切断面より観察し、バリの高さを測定した。
切粉 :100枚を切断し、その際の切粉を吸引して重量測定した。
上記の評価結果を表1に示す。
Figure 2005219140
表1の評価結果から明らかなように、本実施例の切断方法は、比較例1,2と比べて、欠け、バリ及び切粉の発生が極めて少なかった。
上述したように、本実施例に係る光学シートの製造方法においては、光学シートとしてのレンチキュラーレンズシート1aの切断面への実質上問題となるようなバリの発生及び反対側面等への欠けの発生を抑えることができる。また、切断の際に溶融飛散物及び切粉の発生がなく、これらがレンチキュラーレンズシート1aの切断面に付着することがない。したがって、切断されたレンチキュラーレンズシート1aの品質を向上させることができ、また、前記バリや欠けを応力集中点とした割れの発生を抑えることができる。
さらに、円形刃3の周辺部がレンチキュラーレンズシート材1に対してほぼ厚さ方向のみに移動することで、レンチキュラーレンズシート材1のように表面に凹凸構造がある光学シート材でも、その凹凸構造を変形させることが極めて少なくなる。
本発明の実施例2を図5及び図6にしたがって説明する。実施例2に係る光学シートの製造方法に使用される器具及び装置は上記実施例1のものと同様であり、また光学シート材としてレンチキュラーレンズシート材に適用されている点も上記実施例1の場合と同様である(以下、符号は、上記実施例1のものと同一符号を用いる)。
実施例2において、前記実施例1と異なるのは次の点である。即ち、実施例2は、レンチキュラーレンズシート材1の両面におけるほぼ一致する所定の相対位置にそれぞれ円形刃3,3を押し当て、且つ、当該両円形刃3,3を前記レンチキュラーレンズシート材1との摩擦により回転させながら適宜の移動速度で移動させている。そして、この移動操作により、当該レンチキュラーレンズシート材1の両面にそれぞれ凹溝2,2を形成し、且つ、両面の凹溝2,2の夫々の深さd1,d2の合計が当該光学シート材1の平均厚さの10%以上70%以下の範囲となるように形成する。
そして、この両凹溝2,2に曲げ応力を集中させることで、容易に折り割りが行われてレンチキュラーレンズシート1a(図2に示したもの)が製造される。両凹溝2,2の深さの合計(d1+d2)を、レンチキュラーレンズシート材1の平均厚さの70%以下の範囲とすることで、その両凹溝2,2に曲げ応力を加えて切断したとき、レンチキュラーレンズシート1aの切断面に実質上問題となるようなバリ及び欠けの発生が確実に抑えられる。また、両凹溝2,2の深さの合計(d1+d2)が、レンチキュラーレンズシート材1の平均厚さの10%未満であると、その両凹溝2,2に曲げ応力を集中させて切断する際に、レンチキュラーレンズシート1aの切断面が変形する等の問題が生じることがある。
また、前記レンチキュラーレンズシート材1の両面に形成する両凹溝2,2の相対位置は、ほぼ一致することが好ましい。この両凹溝2,2の相対位置がレンチキュラーレンズシート材1の平均厚さの50%以上ずれると、切断後のレンチキュラーレンズシート1aの切断線が直線にならない等の不具合が生じる場合がある。
上述したように、実施例2に係る光学シートの製造方法においては、光学シートとしてのレンチキュラーレンズシート1aの切断面への実質上問題となるようなバリ及び欠けの発生が確実に抑えられる。また、切断の際に、前記実施例1と同様に、溶融飛散物及び切粉の発生がなく、これらがレンチキュラーレンズシート1aの切断面に付着することがない。したがって、レンチキュラーレンズシート材1の両面に凹溝を形成したことで一層容易に切断を行うことができるとともに、切断されたレンチキュラーレンズシート1aの品質を一層向上させることができ、また、前記バリや欠けを応力集中点とした割れの発生を確実に抑えることができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
本発明の実施例1に係る光学シートの製造方法を説明するための側面図。 実施例1に適用される光学シート材の搬送装置を示す正面図。 (a)実施例1において光学シート材に凹溝が形成される様子を示す解説図、(b)従来の製造方法を比較例として示す解説図。 図1との比較例を説明するための側面図。 本発明の実施例2に係る光学シートの製造方法を説明するための側面図。 実施例2において光学シート材に凹溝が形成される様子を示す解説図。
符号の説明
1 レンチキュラーレンズシート材(光学シート材)
1a レンチキュラーレンズシート(光学シート)
2 凹溝
3 ほぼ円形の刃

Claims (4)

  1. 被切断物である光学シート材の片面における所定位置にほぼ円形の刃を押し当てながら当該刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、該光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲で凹溝を前記光学シート材に形成し、該凹溝に曲げ応力を集中させることにより切断することを特徴とする光学シートの製造方法。
  2. 被切断物である光学シート材の両面におけるほぼ一致する所定の相対位置にそれぞれほぼ円形の刃を押し当てながら当該刃と前記光学シート材とを相対的に移動させて、該光学シート材の両面にそれぞれ凹溝を形成し、且つ、両面の凹溝の深さの合計が当該光学シート材の平均厚さの10%以上70%以下の範囲となるように形成し、該両凹溝に曲げ応力を集中させることにより切断することを特徴とする光学シートの製造方法。
  3. 上記ほぼ円形の刃の直径は、10mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学シートの製造方法。
  4. 上記ほぼ円形の刃が上記光学シート材との摩擦により回転することを特徴とする請求項1,2又は3記載の光学シートの製造方法。
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