JP2005218153A - 電動機駆動用インバータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機が被駆動体を駆動する場合に許容できる速度の限界内において、電動機の省エネルギー化をさらに向上させた電動機用インバータ制御装置を提供する。
【解決手段】基本速度指令設定手段により設定する基本速度指令値の絶対値と、基本速度指令値に対する負荷トルクとの乗算により得られる第1の電力指令値を一定の割合で減じた第2の電力指令値を定める電力指令演算器23と、電動機のトルク分電流検出値と速度検出値とから定まる実電力値を演算する実電力演算器25と、第2の電力指令値から実電力値を減じた電力偏差にもとづいて、基本速度指令の速度垂下量を定める速度垂下器24とを備え、電力偏差が負の値のとき、基本速度指令値から速度垂下量を加えた速度を速度指令値とし、電力偏差がゼロまたは正の値のとき、基本速度指令値を前記速度指令値とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動機駆動用インバータ制御装置に関し、特に、電動機の省エネルギー化を実現するインバータ制御装置に関するものである。
ブロワ、ポンプ等を駆動する電動機の省エネルギー化を実現するためにインバータによる速度制御装置として、非特許文献1に記載の装置が提案されている。すなわち、この文献によれば、従来、風水力機械の風量、流量の調整方法として、速度制御を採用すれば、電動機の省エネルギー化が大幅に図れることがよく知られている。
さらに、従来のインバータによる速度制御装置の例として、非特許文献2に記載の装置が提案されている。図7は、この文献に記載される従来のベクトル制御方式のインバータによる誘導電動機の速度制御ブロック図を示す。
ベクトル制御による誘導電動機(以下「電動機」と称す)のインバータ制御装置の構成について、図7にもとづいて説明する。すなわち、インバータ制御装置2は、速度制御器7、励磁分電流制御器8、トルク分電流制御器9、2相→3相座標変換器10、電力変換器11、電流検出器12、3相→2相座標変換器13、回転磁界位置演算器14、減算器15から構成される。なお、1は三相電源、3は基本速度指令設定器、4は誘導電動機、5は速度検出器、6は負荷を示している。
このインバータ制御装置2の動作を、説明する。基本速度指令設定器3からの速度指令ωr *と速度検出器5からの速度検出値ωr との差がゼロとなるように、トルク分電流指令I2 *を変化させる。一方、電動機4の固定巻線の各相に接続された電流検出器12(他の2個は図示していない)に流れる電流は、3相→2相座標変換器13により励磁分電流検出値I0 とこれと直交するトルク分電流検出値I2 とに変換され、これらが励磁分電流指令I0 *、トルク分電流指令I2 *に等しくなるように電流制御され、電動機4の駆動周波数並びに電圧または電流の位相を制御する。
図4は、前記非特許文献1に記載されている、ブロワにおけるインバータ制御とダンパ制御による電動機の所要電力の比較を説明する図である。縦軸は風圧、横軸は風量を示し、それぞれ定格時の風圧と風量を、各々100%とし百分率表示とする。実線はファン特性曲線、破線は送風抵抗曲線を示す。
図7の電動機4の省エネルギー化について、被駆動体6としてブロワを例とし、図4にもとづき以下に説明する。
ブロワのファンの動作点は、送風抵抗曲線R1 とファン特性曲線N1 の交点A1 となる。A1 は100%風量時の動作点を示しており、電動機4の所要電力は、C0 1 1 1 で囲まれた面積で示される。何故ならば、所要電力は、風量と風圧の積に比例するからである。そして風量を50%にしたときの所要電力は、吐出し側にダンパを配置したダンパ制御によると、すなわち、風量を50%にするためにダンパを絞ると、送風抵抗曲線はR1 からR2 に変わり、動作点はA2 に移動する。
一方、インバータによる速度制御によると、風量を定格の50%にするために、速度を低下すると、ファン特性はN1 からN2 に変わるので、動作点はA3 に移る。この時の所要電力は、C0 2 3 3 で囲まれた面積になる。インバータ制御による省エネルギー量は、図4において右上がりの斜線を施した面積になる。したがって、インバータ速度制御による省エネルギー量は、ダンパ制御で風量を調節する場合に比べて、大幅に節約できる(非特許文献1)。
さらに、ブロワやポンプのように、トルク負荷が回転速度の2乗に比例する、いわゆる2乗低減トルク負荷の場合、電動機4の所要電力は負荷トルクTと回転速度ωの積に比例するから、結局、電動機4の所要電力は回転速度の3乗に比例する。したがって、2乗低減トルク負荷を駆動するインバータの速度制御によって電動機4の速度を僅かだけ下げても、電動機4が大きな省エネルギー効果を生む。
以上、省エネルギー効果を、ブロワの流量−風圧特性グラフを用い電動機4の所要動力(または電力)に基づき説明したが、ポンプの場合については、ファンの場合と違って、実揚程があるので流量がゼロでも揚程(圧力)はゼロにならない点について異なるが、省エネルギー効果の基本的な考え方は適用できる。
山川孝之、"省エネルギーへのインバータ応用"、オートメーション、Vol.41、No.8 August 1996 正田英介、"ベクトル制御による誘導電動機の速度制御構成"、パワーエレクトロニクス、185ページ、平成11年4月30日
しかしながら、省エネルギー効果については、上述した従来技術では満足できるものではない。本発明の目的は、電動機が被駆動体を駆動する場合に許容できる速度の限界内において、電動機の省エネルギー化をさらに向上させた電動機用インバータ制御装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、この発明は、インバータ主回路が出力する交流電力の電圧または電流および周波数を、基本速度指令手段で設定した速度指令値に制御するインバータ制御装置を備え、電動機の速度に応じ負荷トルクが1次元または多次元に変化する被駆動体を駆動する電動機を、所望の速度で運転する電動機駆動用インバータ制御装置において、基本速度指令設定手段により設定する基本速度指令値の絶対値と基本速度指令値に対する負荷トルクとの乗算により得られる第1の電力指令値を一定の割合で減じた第2の電力指令値を定める電力指令演算手段と、電動機のトルク分電流検出値と速度検出値とから定まる実電力値を演算する実電力演算手段と、第2の電力指令値から実電力値を減じた電力偏差にもとづいて、基本速度指令の速度垂下量を定める速度垂下手段とを備え、電力偏差が負の値のとき、基本速度指令値から速度垂下量を加えた速度を速度指令値とし、電力偏差がゼロまたは正の値のとき、基本速度指令値を速度指令値とすることを特徴とする。
電力指令演算手段は、基本速度指令設定手段からの基本速度指令値の絶対値を得る絶対値演算手段と、被駆動体の速度と負荷トルクとの関係を示すテーブルを記憶し、基本速度指令値に対応した負荷トルクを読み出す速度−負荷トルクテーブルと、読み出された負荷トルクと演算された絶対値とを乗算して、第1の電力指令値を得る乗算手段と、第1の電力指令値にゲイン定数(1未満の正の数)を乗じて第2の電力指令値を得るゲイン設定手段とからなることを特徴とする。
さらに、速度垂下手段は、電力偏差から前記速度垂下量を演算する比例調節手段と、比例調節手段の出力が、ゼロまたは正の値の場合には、ゼロを出力し、比例調節手段の出力が負の値の場合には、速度垂下量の限界を規定して出力するリミッタ手段とからなることを特徴とする。
さらに、基本速度指令値が、電動機の加減速運転の経過時間の平方根に比例し、かつ、電動機および被駆動体の総合慣性モーメントの平方根に反比例することを特徴とする。
本発明によれば、電動機を定速運転並びに加減速運転するときに、電動機の消費電力をさらに低減できる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電動機用インバータ制御装置の構成を示す図である。図1において、図7と機能が同一ものについて同一の符号を付す。すなわち、インバータ制御装置20は、速度指令補正器21、加算器22、速度制御器7、励磁分電流制御器8、トルク分電流制御器9、2相→3相座標変換器10、電力変換器11、電流検出器12、3相→2相座標変換器13、回転磁界位置演算器14、減算器15、16、17から構成される。
図2は、速度指令補正器21の構成を示すブロック図である。速度指令補正器21は、電力指令演算器23、速度垂下器24、実電力演算器25から構成される。電力指令演算器23は、基本速度指令設定器3からの電動機4の基本速度指令ωr *、電動機4の負荷トルクT(ω)にもとづき、第2の電力指令P**を出力する。実電力演算器25は、速度検出器5からの電動機4の速度検出値ωr、3相→2相変換器13からのトルク分電流検出値I2 にもとづき、実電力Pr を出力する。速度垂下器24は、第2の電力指令P**から実電力Pr を減じた電力偏差εp にもとづき、速度垂下量βを出力する。
以上のような機能を有する電力指令演算器23、速度垂下器24、実電力演算器25の構成および動作をさらに詳細に説明する。
電力指令演算器23は、絶対値演算器27、速度―負荷トルクテーブル28、乗算器29、ゲイン設定器30から構成される。
絶対値演算器27は、基本速度指令設定器3からの基本速度指令値ωr *を入力とし、基本速度指令値ωr *の絶対値|ωr *|を出力する。
速度−負荷トルクテーブル28は、電動機4の回転軸に連結された被駆動体6、例えば、ブロワ、ポンプのファンまたはプロペラの速度と負荷トルクT(ω)との関係を示すテーブルを記憶し、必要に応じて読み出すことができる。
乗算器29は、絶対値|ωr *|と基本速度指令ωr *に対応した負荷トルクT(ω)とを入力とし、これらを乗算して第1の電力指令P* を出力する。
ゲイン設定器30は、第1の電力指令P* を入力とし、ゲイン定数Kを乗じた第2の電力指令P**を出力する。
実電力演算器25は、3相→2相変換器13からのトルク分電流検出値I2 と、速度検出器5からの速度検出値ωr とを入力とし、電動機4の実電力Pr を出力する。
速度垂下器24は、減算器26、関数器31、リミッタ32から構成される。
減算器26は、第2の電力指令P**から実電力Pr を差引いて、電力偏差εp を出力する。
関数器31は、正の比例定数Kp とする関数を与え、電力偏差εp を入力としεp ×Kp を出力する。
リミッタ32は、入力がゼロまたは正の値に対してはゼロを出力し、入力が負の値に対しては許容限界範囲を規定して出力する。入力が負の値の場合に、許容限界範囲を規定する理由は、電動機4の運転仕様上、基本速度指令ωr *を低減させ得る速度変化量には限界があるからである。基本速度指令に対する許容速度低減率の限界(以下「限界速度低減率」と称す)をαとすると、速度垂下量βの限界βL は、限界速度低減率αと基本速度指令ωr *とを乗算したものである。
以上の構成の速度指令補正器21によれば、基本速度指令ωr *から電動機4の第2の電力指令P**から実電力Pr を差引いた電力偏差εp が負の値のとき、速度垂下量βを加えた新たな速度指令ωr ** を生成する。また、電力偏差εp がゼロまたは正の値のとき、速度垂下量βをゼロとし新たな速度指令ωr ** は元の基本速度指令ωr *のままとなる。
次に、インバータ制御装置20の動作について図1および図2にもとづき説明する。
基本速度指令設定器3が出力する基本速度指令ωr *が、インバータ制御装置20に入力されると、先ず、絶対値演算器27によって基本速度指令ωr *の絶対値|ωr *|を演算し出力する。次に、速度−負荷トルクテーブル28に予め記憶された速度−負荷トルク特性T(ω)から、絶対値|ωr *|に応じた負荷トルクT(|ω* |)を読み出す。この負荷トルクT(|ω* |)と絶対値|ωr *|を乗算器29に入力し、乗算した結果得られる第1の電力指令P*
(数1)
* =T(|ωr *|)×|ωr *
を出力する。
ゲイン設定器30で、第1の電力指令P* とゲイン定数K(1未満の正の数)とを乗算し、電動機4の第2の電力指令P**
(数2)
**=K×P* =K×T(|ωr *|)×|ωr *
を出力する。
図5は、速度指令補正器21におけるゲイン定数Kを説明するための図である。縦軸は電動機4の所要電力P、横軸は電動機4の速度ωを示す。ここで、例えば、電動機4の負荷トルクT(ω)が速度ωに対し2乗低減トルク特性であれば、電動機4の所要電力Pは、P=a|ω|3 で示されるように、速度ωの3乗に比例する。ここで、aは比例定数である。
さらに、ゲイン定数Kと電動機4の限界速度低減率αとの関係を、図5にもとづいて説明する。グラフP上の点Eは、電動機4の速度指令が基本速度指令|ωr *|の場合の電動機4の第1の電力指令P* を示す。点Fは、電動機4の速度が基本速度指令|ωr *|であり、所要電力が第1の電力指令P* にゲイン定数Kを乗算した第2の電力指令P**である点を示す。点Gを、第2の電力指令P**を与える速度ω0 とすると、速度ω0 、第2の電力指令P**なる点はグラフP上に位置する。したがって、ゲイン定数Kと限界速度低減率αとの関係は、
(数3)
α=1−(K)1/3
となる。
図6は、本発明の運転モードにおける電動機4の速度パターンを示す図である。縦軸は電動機4の運転速度、横軸は経過時間を示す。
例えば、図5において、電動機4の速度指令ωr *が図6における定速運転時の速度とし、仮にゲイン定数Kが0.86とすると、電動機4の所要電力は定速運転時に比べて14%の省エネルギー効果を得る。一方、そのときの限界速度低減率αがおよそ5%となる。
一方、3相→2相座標変換器13は、電動機4の固定巻線の各相に接続された電流検出器12から検出した電動機4の各相の電流検出値を、トルク分電流検出値I2 と励磁分電流検出値I0 とに変換する。トルク分電流検出値I2 は、速度指令補正器21に出力される。
速度指令補正器21の実電力演算器25は、トルク分電流検出値I2 から図示しない電流−トルク変換器により求めた電動機4の実際の負荷トルクT(ω)と、速度検出器12から検出した速度検出値ωr を乗算し、電動機4の実電力Pr を求め、速度垂下器24に出力する。
速度垂下器24の減算器26は、第2の電力指令P**から実電力Pr を差引いて電力偏差εp を求め、関数器31に出力する。
電流偏差εp が負の値のとき、関数器31で正の比例定数Kp が乗算されて、リミッタ32に出力される。
εp ×Kp が限界値βL を越えないならば、速度垂下量βは、
(数4)
β=Kp ×(P**−Pr )=Kp ×εp
となる。ここで、関数器31は、例えば、電力偏差εp を小さく抑えるとき、Kp を大きく、電力偏差εp を大きくするとき、Kp を小さく設定する。
εp ×Kp が限界値βL を越えたならば、速度垂下量βはβL となる。
演算された速度垂下量βは、加算器22に出力される。加算器22では、基本速度指令ωr *に速度垂下量βを加えて、新たな速度指令ωr ** を生成する。
一方、電力偏差εp がゼロまたは正の値のときには、リミッタ32は、β=0を出力する。この場合、加算器22の出力である新たな速度指令ωr ** は元の基本速度指令ωr *のままとなる。
以上、電動機4が図6に示す速度パターンにおける定速運転モード、すなわち、電動機4の基本速度指令ωr *が一定である運転モードに対し、基本速度指令ωr *を速度垂下量βによって補正した速度を新たな速度指令値ωr ** とし速度制御することについて説明したが、加減速運転モード、すなわち、電動機4の基本速度指令ωr *が時間に応じて変化するモードの場合について説明する。
慣性モーメントJを有する電動機4および被駆動体6を微小時間dtの間に速度零からωまで加速するために必要な電動機4の負荷トルクτは、
(数5)
τ=J×dω/dt
である。
また、被駆動体6を加速するための電動機4の所要電力Pは、
(数6)
P=τ×ω=(1/2)×J×dω2 /dt
となる。
電動機4の所要電力Pが最小となる電動機4の速度ωm *は、数6において、dP/dt=0と置いてωを求めると、
(数7)
ωm *=√((2C/J)×t)
となる。ここで、Cは定数である。
したがって、電動機4の基本速度指令ωm *が、電動機4および被駆動体6の総合慣性モーメントJの平方根に反比例し、かつ、基本速度指令ωm *を速度垂下量βによって補正した新たな速度指令値ωr ** によって速度制御すると、電動機4の所要電力が最小となる。すなわち、電動機4の基本速度指令ωr *が数7に示す速度ωm *のとき、電動機4の省エネルギー化を最大限に図ることができる。
次に、本発明の電動機駆動用インバータ制御装置を用いて、被駆動体をブロワとした場合の電動機4の省エネルギー化について図3にもとづいて説明する。図3において、インバータ制御の場合、電動機4の速度がωr *のときの風量をQ3 とすると、前述したようにダンパ制御の場合、風量Q3 を与える風圧はC4 となる。したがって、インバータ制御による省電力は、右上がり斜線を施した面積C5 5 4 4 に相当する。さらに、電動機4の速度がωr ** のときの風量をQ4 とすると、電動機4の所要電力は面積C0 4 6 6 に相当する。したがって、インバータ制御による省電力は右下がり斜線を施した面積分だけ増えることになる。すなわち、電動機4の電力指令P**から実電力Pr を差引いた電力偏差εp に応じた速度垂下量βによって基本速度指令ωr *またはωm *を低減する補正したインバータ制御による電動機4の省エネルギー効果を一層図ることができる。
以上の実施の形態では、電動機4の速度を変える方法としてベクトル制御の場合について説明したが、ベクトル制御の代わりに、V/F制御を用いても良い。
本発明の一実施の最良の形態に係る電動機用インバータ制御装置の構成を示す図である。 本発明の速度指令補正器の制御ブロック図を示す。 本発明に係るブロワにおけるインバータ制御とダンパ制御による所要電力の比較を説明する説明図である。 従来のブロワにおけるインバータ制御とダンパ制御による所要電力の比較を説明する説明図である。 本発明の速度補正器におけるゲイン定数Kを説明する説明図である。 本発明の運転モードにおける電動機の速度パターンを示す図である。 従来の電動機用インバータ制御装置を示す制御ブロック図である。
符号の説明
1 三相電源
2 インバータ制御装置
3 基本速度指令設定器
4 誘導電動機
5 速度検出器
6 負荷
7 速度制御器
8 励磁分電流制御器
9 トルク分電流制御器
10 2相−3相変換器
11 電力増幅器
12 3相−2相変換器
13 回転磁界位置演算器
15、16、17、26 減算器
20 インバータ制御装置
21 速度指令補正器
22 加算器
23 電力指令演算器
24 速度垂下器
25 実電力演算器
27 絶対値演算器
28 速度―負荷テーブル
29 乗算器
30 ゲイン設定器
31 関数器
32 リミッタ
ωr * 基本速度指令
ωm * 基本速度指令
ωr ** 新たな速度指令
ω 速度検出値
β 速度垂下量
0 励磁分電流検出値
2 トルク分電流検出値
d0 * 励磁分電流指令
2 * トルク分電流指令
* 第1の電力指令
** 第2の電力指令
r 実電力

Claims (4)

  1. インバータ主回路が出力する交流電力の電圧または電流および周波数を、基本速度指令手段で設定した速度指令値に制御するインバータ制御装置を備え、電動機の速度に応じ負荷トルクが変化する被駆動体を駆動する前記電動機を、所望の速度で運転する電動機駆動用インバータ制御装置において、
    前記基本速度指令設定手段により設定する基本速度指令値の絶対値と、前記基本速度指令値に対する負荷トルクとの乗算により得られる第1の電力指令値を一定の割合で減じた第2の電力指令値を定める電力指令演算手段と、
    前記電動機のトルク分電流検出値と速度検出値とから定まる実電力値を演算する実電力演算手段と、
    前記第2の電力指令値から前記実電力値を減じた電力偏差にもとづいて、前記基本速度指令の速度垂下量を定める速度垂下手段とを備え、
    前記電力偏差が負の値のとき、前記基本速度指令値から前記速度垂下量を加えた速度を前記速度指令値とし、前記電力偏差がゼロまたは正の値のとき、基本速度指令値を前記速度指令値とすることを特徴とする電動機駆動用インバータ制御装置。
  2. 前記電力指令演算手段は、
    前記基本速度指令設定手段からの基本速度指令値の絶対値を得る絶対値演算手段と、
    前記被駆動体の速度と前記負荷トルクとの関係を示すテーブルを記憶し、前記基本速度指令値に対応した負荷トルクを読み出す速度−負荷トルクテーブルと、
    前記読み出された負荷トルクと前記演算された絶対値とを乗算して、前記第1の電力指令値を得る乗算手段と、
    前記第1の電力指令値にゲイン定数(1未満の正の数)を乗じて第2の電力指令値を得るゲイン設定手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の電動機駆動用インバータ制御装置。
  3. 前記速度垂下手段は、
    前記電力偏差から前記速度垂下量を演算する比例調節手段と、
    前記比例調節手段の出力が、ゼロまたは正の値の場合には、ゼロを出力し、前記比例調節手段の出力が負の値の場合には、前記速度垂下量の限界を規定して出力するリミッタ手段とからなることを特徴とする請求項2に記載の電動機駆動用インバータ制御装置。
  4. 前記基本速度指令値が、前記電動機の加減速運転の経過時間の平方根に比例し、かつ、前記電動機および被駆動体の総合慣性モーメントの平方根に反比例することを特徴とする請求項1,2または3に記載の電動機駆動用インバータ制御装置。
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