JP2005217547A - 拡声通話装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通話開始直後の音声通話による声の頭切れや通話中の音切れを防止し、通話直後から双方向の同時通話を行うことができる拡声通話装置を提供する。
【解決手段】呼出ボタン部1の呼出ボタンが押されると、通話開始前に相手方を呼び出すための報知音が報知音生成部6で生成される。生成された報知音は加算器11に送られ、音響エコーキャンセラ部8の参照信号となる。音響エコーキャンセラ部8は、この参照信号とマイク部18に入力される音響エコー信号とを用いて適応フィルタ係数を推定する。最適なフィルタ係数が上記のアルゴリズムにより推定されると、そのフィルタ係数を用いて作成される擬似音響エコー信号をマイク部18に入力される信号から差し引くことで、音響エコーを消去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スピーカとマイクロホンを用いて通話を行う拡声通話装置に関する。
近年、市民生活の安全を確保するため、市街地等にスーパー防犯灯が導入されたり、学校の通学路での事件事故を防ぐ目的で子供緊急通報装置の導入がされたりしている。スーパー防犯灯、子供緊急通報装置は、路上の通報呼び出しボタンを押すと、ピーピーといった防犯音が鳴動するとともに、近隣の警察署に連絡され、呼び出しボタンを押した通報装置の画像や映像が警察署に伝送されるとともに、応対する警察署の受付装置と通報装置との間で音声通話を行うことができるシステムである。
上記のようなシステムには、音声通話を行う装置としてスピーカとマイクロホンを用いた拡声通話装置が利用されている。拡声通話装置は、通話中に両手が自由に使える、画像等を組み合わせて自然な対面通話ができるなどの多くの利点がある反面、スピーカとマイクロホンの音響結合による音響エコーの発生という問題があった。
従来の拡声通話装置では、通話開始から音響エコーキャンセラを作動させ、スピーカからマイクロホンに至る経路の音響伝達特性を推定し、擬似音響エコーを生成して、マイクロホンからの入力信号から差し引くことで音響エコーを消去していた。
特許第3211884号公報 特開2002−118503号公報
しかし、上記従来の拡声通話装置では、スピーカからマイクロホンに至る経路の音響伝達特性を推定するために、音響エコーキャンセラ内の適応フィルタのフィルタ係数学習を行ってフィルタ係数を決定する必要があり、この学習時間に通話開始から10秒程かかることもあった。
そのため、通話開始直後の音声通話においては、音響エコーを適切に消去することができず、音声の頭切れや通話中の音切れが発生していた。このような現象は、緊急性を要する上記通報装置における拡声通話装置では特に重大な問題となっている。
また、通報装置等では、通報装置側と受付装置側との双方向通話となっており、同時通話状態になることも頻繁であるから、通話が開始されてから同時通話の状態でフィルタ係数学習を行うと、フィルタ係数の推定に誤りを生じるので、同時通話時には適応フィルタの適応動作を停止させるか、適応動作速度を低減させることが必要となっていた。
したがって、通話開始直後に音響エコーを精度良く低減させることができず、緊急性を要する通報装置等では、従来の拡声通話装置を用いることは困難である。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、通話開始直後の音声通話による声の頭切れや通話中の音切れを防止し、通話直後から双方向の同時通話を行うことができる拡声通話装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、通話要求の信号が受信されると、通話開始前に所定の報知音で話者に知らせる拡声通話装置において、受話信号を出力するスピーカ部と、送話信号を入力するマイク部と、トーン性伝達音とメッセージ音とを備えた報知音を生成する報知音発生手段と、前記スピーカ部から前記マイク部への空間の音響伝達特性を推定し、前記受話信号から擬似音響エコーを生成して前記送話信号から差し引く音響エコーキャンセラ部とを備え、前記報知音を前記音響エコーキャンセラ部で前記音響伝達特性を推定するための参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の拡声通話装置において、前記音響エコーキャンセラ部は、前記報知音におけるトーン性伝達音の信号期間については音響伝達特性の推定動作を停止することを特徴とする拡声通話装置である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の拡声通話装置において、前記報知音からトーン性の伝達音を除去する報知音キャンセル部を前記音響エコーキャンセラ部内と、前記マイク部と前記音響エコーキャンセラ部との間に各々設けたことを特徴とする拡声通話装置ある。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載の拡声通話装置において、ランダム雑音を発生させる雑音発生手段を備え、前記雑音発生手段で生成された雑音と前記報知音発生手段で生成された報知音とを加算した信号を前記音響エコーキャンセラ部の参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置である。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜3記載の拡声通話装置において、前記マイク部からの入力信号を蓄積する雑音蓄積制御部と、前記雑音蓄積制御部で蓄積された信号から定常雑音信号を推定して抽出する定常雑音推定部とを備え、前記音定常雑音推定部から出力される定常雑音と前記報知音発生手段で生成された報知音とを加算した信号を前記音響エコーキャンセラ部の参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置である。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜3記載の拡声通話装置において、前記マイク部からの入力信号を蓄積する雑音蓄積制御部と、前記雑音蓄積制御部で蓄積された信号から定常雑音信号を推定してその定常雑音のスペクトル分析を行う雑音スペクトル分析/推定部と、前記雑音スペクトル分析/推定部で分析したスペクトル分布に基づき所定の周波数領域の信号を通過させるように構成した雑音スペクトルフィルタ部と、白色雑音を発生させる雑音発生手段とを備え、前記雑音発生手段で生成された白色雑音を前記雑音スペクトルフィルタ部のスペクトルフィルタを用いてフィルタ処理を行った信号と前記報知音発生手段で生成された報知音とを加算した信号を前記音響エコーキャンセラ部の参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置である。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6記載の拡声通話装置において、前記音響エコーキャンセラ部と前記マイク部との間に設けられ前記マイク部からの入力信号により音量を計測し、計測された音量を一定に保つように音量を調節する音量調節手段と、前記音量調節手段により調節された音量変化量を元にもどすように送話信号のゲインを決定する通話ゲイン変換部とを備えたことを特徴とする拡声通話装置である。
本発明によれば、通話開始前に発せられる報知音によって、スピーカからマイクへの音響伝達特性を推定するようにしているので、周囲騒音の影響を受けずに推定動作が行われるとともに、通話開始直後の音声通話による声の頭切れや通話中の音切れを防止し、通話直後から双方向の同時通話を行うことができる。
また、トーン性伝達音鳴動区間を除いた報知音を参照信号とすることで、音響エコーキャンセラ部のダイナミックレンジが不足するというリスクを回避できる。
また、ランダム雑音を加えた信号を参照信号とすることで、エコーキャンセラの学習速度が速くなり、エコー推定精度も向上するとともに、音響エコーキャンセラ部のダイナミックレンジが不足するというリスクを回避できる。
また、周囲の環境騒音を雑音として加えた信号を参照信号とすることで、上記の効果に加えて呼び出し音、保留音の音色に違和感がなくなる。
また、白色雑音を周囲の環境騒音スペクトルフィルタでフィルタリングすることで、上記の効果に加えて、さらにエコーキャンセラの学習速度が速くなる。
また、音量調節機構を設けることで、拡声通話装置の環境によって音響エコーキャンセラの性能が左右されなくなり、安定した通話環境を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の拡声通話装置の構成例を示す図である。
図1に示すように、拡声通話装置は、呼出ボタン部1、主制御部2、DSP(Digital Signal Processor)3、不揮発性メモリ等で構成された報知音格納部7、D/A変換器(Digital to Analog Converter)13、A/D変換器(Analog to Digital Converter)14、スピーカアンプ15、マイクアンプ16、スピーカ部17、マイク部18から構成されており、また、DSP3の内部は、DSP主制御部4、報知音制御部5、報知音生成部6、音響エコーキャンセラ部8により構成されている。音響エコーキャンセラ部8は、さらに、フィルタ部9、適応アルゴリズム部10、加算器11、加算器12から構成されている。
図1の拡声通話装置は以下のように動作する。呼出ボタン部1の呼出ボタンが押されると、通話要求の信号が主制御部1に入力され、主制御部2はDSP主制御部4に報知音を鳴動させるための要求を出力する。DSP主制御部2では報知音鳴動要求を受信すると、報知音格納部7に格納されている報知音圧縮データを取り出すために、制御部5、報知音生成部6を介して報知音格納部7に指令を送出する。報知音格納部7から取り出された圧縮データは報知音生成部6で、報知音制御部5の制御に基づいて圧縮データを伸張して報知音が生成される。
報知音発生手段として、上記のように報知音格納部7の圧縮データと報知音制御部5や報知音生成部6等を用いているが、DSP主制御部4等によって演算処理を行って報知音を生成することもできる。
次に、生成された報知音は加算器11に送られ、音響エコーキャンセラ部8の参照信号Xnとなる。報知音が鳴動している期間は、まだ相手方とつながっていない状態であるので、受付装置からの信号は加算器11に入力されず、参照信号としては報知音のみとなる。
この参照信号は、D/A変換器13でデジタル信号からアナログ信号に変換される。アナログ信号に変換された報知音(参照信号)はスピーカアンプ15で増幅された後、スピーカ部17から空間へ発せられる。空間へ放射された報知音の一部はマイク部18に入力されて、マイクアンプ16で増幅され、A/D変換器14でアナログ信号からデジタル信号に変換されて加算器12に送信される。
音響エコーキャンセラ部8では、A/D変換器14から加算器12へ送られる音響エコー信号をgn、フィルタ部9から加算器12に向けて出力される擬似音響エコー信号をGnとすると、誤差信号En=gn−Gnが最小(=0)となるようにフィルタ係数Hn(m)を推定する動作が行われる。このフィルタ係数Hn(m)がスピーカ部17からマイク部18へ至る空間の音響伝達特性を推定したものとなる。
最適なフィルタ係数が上記のアルゴリズムにより推定されると、そのフィルタ係数を用いて作成される擬似音響エコー信号をマイク部18に入力される信号から差し引くことで、スピーカ部17からマイク部18に回り込む音響エコーを消去する。
本発明に用いられる報知音は、図2に示すような構成となっている。報知音は、ルルルーやピーピーなどの呼び出し音や保留音からなるトーン性伝達音の部分と、「ただいま、呼び出しています」などのメッセージ音の部分が含まれる。報知音鳴動の1周期は、トーン性伝達音鳴動区間、鳴動休止区間、メッセージ鳴動区間、鳴動休止区間の4区間より構成されており、通話相手とつながるまでは、この周期で繰り返して報知音が発生するようになっている。音響エコーキャンセラ部8が、フィルタ係数を推定するために報知音を参照信号とする区間(エコーキャンセラ学習区間)は、図2に示すように1周期分全区間である。
通話開始前の報知音をエコーキャンセラの学習に用いることで、通話開始前に最適フィルタ係数の推定を終了させることができ、通話時の音響エコーによる障害をなくすとともに、トーン性伝達音という周囲騒音よりも大きな音を参照信号としているので、周囲騒音の影響を受けずにエコーキャンセラ学習を行うことができる。
ところで、トーン性伝達音は、図2からもわかるように信号形状がパルス状信号に近く、信号の変化幅が大きい単一周波数に近い狭帯域信号であるので、音響エコーキャンセラ部8では、フィルタ係数推定過程で演算誤差が生じ、演算誤差の蓄積によりハードウエアのビット制限を越えて飽和状態(ダイナミックレンジの不足)となり、演算機能が働かなくなってしまう場合がある。
このような危険性を回避するために、図3に示すように音響エコーキャンセラ部8の参照信号とするのは、トーン性伝達音鳴動区間を除いた他の信号区間でのみ行うようにすることができる。
この場合DSP主制御部4から音響エコーキャンセラ部8への信号により、報知音のトーン性伝達音鳴動区間のみ音響エコーキャンセラ部8の音響伝達特性の推定動作(フィルタ係数の推定)を停止するようにすれば良い。
図4は、図1の構成に報知音キャンセル部34、35を設けて上記と同様にトーン性伝達音を参照信号から除去するようにしたものである。報知音キャンセル部34は参照信号Xnがフィルタ係数の推定を行うブロックに入る手前に配置され、報知音キャンセル部35はA/D変換器14と加算器12との間の配置されており、報知音キャンセル部34、35ともに、トーン性伝達音を除去するために、例えば、トーン性伝達音の周波数範囲の信号を通さないようなフィルタ(バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ等)で構成されている。図4の構成にすれば、音響エコーキャンセラ部8のエコーキャンセラ学習区間は図3と同様になる。
図5は報知音にランダム雑音を加算した信号を参照信号とする例を示す。図1の構成に、雑音格納部23、雑音生成部21、報知音・雑音加算出力部22を付加した構成となっている。雑音格納部23には、白色雑音やピンクノイズなどのランダム雑音圧縮データが格納されている。この圧縮データを読み出して雑音生成部21に出力し、雑音生成部21で圧縮データを伸張してランダム雑音を生成する。
雑音発生手段としては、上記のように雑音格納部23、雑音生成部21等を用いているが、雑音生成部21において演算処理により計算してランダム雑音を発生させるようにしても良い。
以上のように、ランダム雑音を発生させた後、報知音・雑音加算出力部22でランダム雑音と前述した報知音生成部6等で生成された報知音とを加算し、この加算された信号を加算器11に入力するので、音響エコーキャンセラ部8の参照信号としては、報知音とランダム雑音とが加算された信号となる。
図6は報知音信号とランダム雑音信号との例とこれらが加算された後の状態を示している。加算後のエコーキャンセラ学習区間を示したのが図7であり、加算信号の1周期全区間が学習区間となる。
報知音のトーン性伝達音の部分は単一周波数に近い狭帯域信号であるので、前述したように音響エコーキャンセラ部8の演算処理が飽和状態になる場合を注意する必要があるが、このように周波数帯域が広帯域のランダム雑音を加算することで、全体として周波数帯域が広がるので、音響エコーキャンセラ部8の飽和状態リスクを回避することができる。また、図2と図7とを比較してもわかるように、鳴動休止区間にもランダム雑音信号が存在するため、鳴動休止区間においても音響エコーキャンセラ部8はエコーキャンセラ学習を行うことができ、参照信号の全区間でエコーキャンセラ学習ができるのでフィルタ係数の推定速度が速くなるとともに、推定精度を向上させることができる。
図8は、ランダム雑音ではなく、定常雑音を報知音に加算する構成を示す。図1の構成に、雑音蓄積制御部25、定常雑音推定部26、報知音・雑音加算出力部24が付加されている。
呼出ボタン1が押されなくても、定期的にマイク部18から外部の環境騒音Nnを拾い、雑音蓄積制御部25に一定時間蓄積しておく。この蓄積された環境騒音信号から人の音声や自動車の通過音等の過渡的な信号を除いた拡声通話装置設置環境の定常雑音信号を定常雑音推定部26で推定し、抽出する。
定常雑音の推定方法としては、蓄積された環境騒音信号を短時間ごと(例えば16ms毎)に区切り、その区間内の平均レベルを算出し、各短時間毎の信号平均レベルを所定期間集めて(例えば10個程度)、その期間内における長時間平均レベルを算出し、短時間平均レベルと長時間平均レベルの差や比の変動、長時間平均レベル値に基づいて非音声区間、すなわち定常雑音信号区間を検出する方法等が用いられる。この検出された信号区間内のデータを平均化処理等行うことで定常雑音を抽出することができる。
定常雑音推定部26で定常雑音が抽出されると、報知音・雑音加算出力部24で前述の報知音と加算され、加算器11に入力される。図9に、報知音生成6で生成された報知音信号と定常雑音推定部26で抽出された定常雑音信号と、これらの2つの信号を加算した信号の例を示す。このように周波数帯域が広帯域の定常雑音を加算することで、全体として周波数帯域が広がるので、図5の構成の場合と同様に音響エコーキャンセラ部8の飽和状態リスクを回避することができる。
また、図7の場合と同様に、鳴動休止区間においても定常雑音によるエコーキャンセラ学習ができ、参照信号の全区間でエコーキャンセラ学習ができるのでフィルタ係数の推定速度が速くなるとともに、推定精度を向上させることができる。
さらに、拡声通話装置設置環境の騒音を雑音として使用することにより、呼出音、保留音が拡声通話装置設置環境の中に溶け込み、その音色に違和感がなくなるという利点がある。
図10は、ランダム雑音を拡声通話装置設置環境の定常雑音に基づいてフィルタ処理した信号を報知音に加算する構成を示す。図5の構成に雑音スペクトルフィルタ部32、雑音スペクトル分析/推定部33、雑音蓄積制御部25が付加された構成となっている。
雑音蓄積制御部25は、図8で示されたものと同様であり、呼出ボタン1が押されなくても、定期的にマイク部18から外部の環境騒音Nnを拾い、雑音蓄積制御部25に一定時間蓄積される。この蓄積された環境騒音信号から人の音声や自動車の通過音等の過渡的な信号を除いた拡声通話装置設置環境の定常雑音信号スペクトルを雑音スペクトル分析/推定部33で推定し、分析する。
雑音スペクトル分析/推定部33では、例えば、図8の定常雑音推定部26と同様の方法で定常雑音を抽出しておき、これをフーリエ変換処理を行うなどにより、スペクトルを求める。雑音スペクトル分析/推定部33で分析されたスペクトル分布に基づいて、雑音スペクトルフィルタ部32ではどの周波数領域の信号を通すかを決めるフィルタを決定する。
既述のように、雑音生成部21ではランダム雑音が生成されるが、本実施例の場合は特にランダム雑音の中で、各周波数成分に対して同じ強さを持つ白色雑音を用いる。この白色雑音を雑音スペクトルフィルタ部32のフィルタでフィルタリングして、拡声通話装置設置環境の周波数特性を有する白色性雑音を生成して報知音・雑音加算出力部22で報知音と加算され、加算された信号は加算器11に入力される。
図11に、定常雑音をフーリエ変換(FFT)してスペクトル解析した結果例を示す。スペクトル解析図の横軸は周波数、縦軸はパワーを示し、低周波部分はかなり大きく一定しているが、高周波成分になる程減少していくことがわかる。
図12は、白色雑音に図11で示されたスペクトル特性を持つフィルタでフィルタリングを行った場合に生成される雑音の状態を示す。図13は、既述の報知音信号に図12で示した雑音生成部21から出力される周囲環境の周波数特性を有する白色性雑音信号を加算した信号の状態を示す。
すでに述べたように効果としては、全体として周波数帯域が広がるので、音響エコーキャンセラ部8の飽和状態リスクを回避することができ、鳴動休止区間にもランダム雑音信号が存在するため、鳴動休止区間においても音響エコーキャンセラ部8はエコーキャンセラ学習を行うことができ、フィルタ係数の推定速度が速くなるとともに、推定精度を向上させることができる。
また、拡声通話装置設置環境の騒音を雑音として使用することにより、呼出音、保留音が拡声通話装置設置環境の中に溶け込み、その音色に違和感がなくなるという効果の他に、白色雑音を用いているので他の雑音を用いるよりもフィルタ係数の更新による収束が早くなるという利点がある。白色雑音を用いることで、例えば、エコーキャンセラの学習時間を1秒前後に近づけることもできる。
図14は、音量変更を行う機構を取り付けた構成を示す。図10の構成に、マイクゲイン変換部36、ゲイン決定部37、報知音回込音量計測部38、通話ゲイン決定部39を付加した構成となっている。
スピーカ部17から呼出音、保留音などのトーン性伝達音が鳴動している期間に報知音回込音量計測部38でマイク18から入力する信号を計測し、ゲイン決定部37では報知音回込音量計測部38で計測された信号のトーン性伝達音鳴動区間における平均振幅を計算する。この平均振幅になるようにマイクゲイン変換部36ではA/D変換器14の出力信号を増幅する。
トーン性信号を用いるのは、平均振幅を求める際に安定して演算することができるためであり、平均振幅を計算する時間間隔は、例えば、16ms間の短時間平均をトーン性伝達音信号が鳴動する区間の加算平均を求めることにより計算する。
一方、このように増幅された信号は、通話ゲイン変換部39でゲイン決定部37により決定したゲインの逆数を掛けられ、元の信号の大きさに戻される。
上記のように構成することで、音響エコーキャンセラ部8の出力音量とマイク部18を通ってくる回込音量が一定になるので、一定の音響エコーキャンセラの性能を発揮することができる。また、拡声通話装置の環境によって音響エコーキャンセラの性能が左右されなくなり、安定した拡声通話環境を提供することができる。
図15は、本発明の拡声通話装置を用いた緊急通報システムを示す。緊急通報システムには、呼出ボタン部、マイク部、スピーカ部の他に、カメラ部等も備えられている。拡声通話装置はLANを経由して警察署等にある受付装置と接続される。
呼出ボタン部1が押されると、スピーカ部17から呼び出し中であることを知らせる呼び出し音が出力され、受付装置のスピーカ部から呼び出し音が出力されるとともに、拡声通話装置のカメラ部で撮影した画像や映像をLAN経由で受付装置に伝送され、受付装置の画面に表示される。
受付装置で通話開始ボタン(図示せず)を押すと、拡声通話装置のマイク部18からの入力信号がLANを経由して受付装置のスピーカ部から出力される。同時に、受付装置のマイク部に入力した信号がLANを経由して拡声通話装置に伝送され、スピーカ部17から出力する。これらの伝送が全2重通信で行われることにより、双方向通話が実現できる。
本発明の拡声通話装置では、上記呼び出し音が出力されているときに、音響エコーキャンセラ部の音響伝達特性の推定動作(フィルタ係数の推定)が効率良く行われているので、通話開始が行われた際には、双方向通話が正確に行うことができる。
本発明の拡声通話装置の構成例を示す図である。 報知音信号の構成例とエコーキャンセラ学習区間を示す図である。 報知音信号において図2とは異なるエコーキャンセラ学習区間を示す図である。 トーン性伝達音を参照信号から除去する構成例を示す図である。 報知音にランダム雑音を加算した信号を参照信号とする構成例を示す図である。 報知音信号とランダム雑音信号との例とこれらが加算された後の状態を示す図である。 図6における加算後の信号のエコーキャンセラ学習区間を示す図である。 報知音に定常雑音を加算した信号を参照信号とする構成例を示す図である。 報知音信号と定常雑音信号との例とこれらが加算された後の状態を示す図である。 報知音にランダム雑音を定常雑音に基づいてフィルタ処理した信号を加算した信号を参照信号とする構成例を示す図である。 定常雑音をフーリエ変換してスペクトル解析した結果例を示す図である。 白色雑音に図11で示されたスペクトル特性を持つフィルタでフィルタリングを行った場合に生成される雑音の例を示す図である。 報知音信号に図12で示した周囲環境の周波数特性を有する白色性雑音信号を加算した信号の例を示す図である。 音量変更を行う機構を取り付けた構成を示す図である。 本発明の拡声通話装置を用いた緊急通報システムを示す図である。
符号の説明
1 呼出ボタン部
2 主制御部
3 DSP
4 DSP主制御部
5 報知音制御部
6 報知音生成部
7 報知音格納部
8 音響エコーキャンセラ部
9 フィルタ部
10 適応アルゴリズム部
11 加算器
12 加算器
13 D/A変換器
14 A/D変換器
15 スピーカアンプ
16 マイクアンプ
17 スピーカ部
18 マイク部

Claims (7)

  1. 通話要求の信号が受信されると、通話開始前に所定の報知音で話者に知らせる拡声通話装置において、
    受話信号を出力するスピーカ部と、
    送話信号を入力するマイク部と、
    トーン性伝達音とメッセージ音とを備えた報知音を生成する報知音発生手段と、
    前記スピーカ部から前記マイク部への空間の音響伝達特性を推定し、前記受話信号から擬似音響エコーを生成して前記送話信号から差し引く音響エコーキャンセラ部とを備え、
    前記報知音を前記音響エコーキャンセラ部で前記音響伝達特性を推定するための参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置。
  2. 請求項1記載の拡声通話装置において、
    前記音響エコーキャンセラ部は、前記報知音におけるトーン性伝達音の信号期間については音響伝達特性の推定動作を停止することを特徴とする拡声通話装置。
  3. 請求項1記載の拡声通話装置において、
    前記報知音からトーン性の伝達音を除去する報知音キャンセル部を前記音響エコーキャンセラ部内と、前記マイク部と前記音響エコーキャンセラ部との間に各々設けたことを特徴とする拡声通話装置。
  4. 請求項1〜3記載の拡声通話装置において、
    ランダム雑音を発生させる雑音発生手段を備え、前記雑音発生手段で生成された雑音と前記報知音発生手段で生成された報知音とを加算した信号を前記音響エコーキャンセラ部の参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置。
  5. 請求項1〜3記載の拡声通話装置において、
    前記マイク部からの入力信号を蓄積する雑音蓄積制御部と、前記雑音蓄積制御部で蓄積された信号から定常雑音信号を推定して抽出する定常雑音推定部とを備え、前記音定常雑音推定部から出力される定常雑音と前記報知音発生手段で生成された報知音とを加算した信号を前記音響エコーキャンセラ部の参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置。
  6. 請求項1〜3記載の拡声通話装置において、
    前記マイク部からの入力信号を蓄積する雑音蓄積制御部と、前記雑音蓄積制御部で蓄積された信号から定常雑音信号を推定してその定常雑音のスペクトル分析を行う雑音スペクトル分析/推定部と、前記雑音スペクトル分析/推定部で分析したスペクトル分布に基づき所定の周波数領域の信号を通過させるように構成した雑音スペクトルフィルタ部と、白色雑音を発生させる雑音発生手段とを備え、
    前記雑音発生手段で生成された白色雑音を前記雑音スペクトルフィルタ部のスペクトルフィルタを用いてフィルタ処理を行った信号と前記報知音発生手段で生成された報知音とを加算した信号を前記音響エコーキャンセラ部の参照信号とすることを特徴とする拡声通話装置。
  7. 請求項1〜6記載の拡声通話装置において、
    前記音響エコーキャンセラ部と前記マイク部との間に設けられ前記マイク部からの入力信号により音量を計測し、計測された音量を一定に保つように音量を調節する音量調節手段と、前記音量調節手段により調節された音量変化量を元にもどすように送話信号のゲインを決定する通話ゲイン変換部とを備えたことを特徴とする拡声通話装置。
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