JP2005217097A - タンタル電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 タンタル電解コンデンサを半田付け処理時等の高温に曝しても、タンタル電解コンデンサ素子の気密性を保持することができるとともに、長期にわたり正確かつ安定してタンタル電解コンデンサ素子を作動させることができる電気的特性に優れるタンタル電解コンデンサを提供すること
【解決手段】 上面の中央部に直方体状の凹部が形成されたセラミック基体3の凹部の内面に第一のメタライズ層3aおよび第二のメタライズ層3bが互いに独立して形成されるセラミック容器6と、タンタル粉末の焼結体2aの側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部の下側に平面部が形成され、その平面部とそれに周方向で隣接する面との間の角部が第一のメタライズ層3aに当接されて溶接接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 上面の中央部に直方体状の凹部が形成されたセラミック基体3の凹部の内面に第一のメタライズ層3aおよび第二のメタライズ層3bが互いに独立して形成されるセラミック容器6と、タンタル粉末の焼結体2aの側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部の下側に平面部が形成され、その平面部とそれに周方向で隣接する面との間の角部が第一のメタライズ層3aに当接されて溶接接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電子回路などに使用されるタンタル電解コンデンサに関し、特にセラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサに関する。
従来の樹脂封止された固体電解質コンデンサとして面実装型のタンタル電解コンデンサが知られている。このタンタル電解コンデンサは携帯電話などの通信機器やデジタルカメラなどのAV機器、パソコンなどのコンピュータ機器、エアバッグやアンチロックブレーキなどの自動車用機器をはじめとする幅広い分野で大量に用いられ、また、用途としては電源の平滑回路やコンピュータのバックアップ,タンタル電解コンデンサの充放電時間を利用したタイマー回路,高周波フィルタなどがあり、上記機器類に欠くことのできない電子部品である。
このようなタンタル電解コンデンサは、タンタル電解コンデンサ素子部とリードフレームとこれらを気密に封止する外装樹脂とから成り、リードフレームは一般的に例えば鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金などの強度が高いものが使用される。また外装樹脂としてはエポキシ樹脂などが耐熱性や耐湿性が良好なために用いられている。
以下に、この種の従来のタンタル電解コンデンサについて図4を用いて説明する。図4は従来のタンタル電解コンデンサの構成を示す断面図であり、同図において11はタンタル電解コンデンサ、12はタンタル電解コンデンサ素子、12bは陽極リードを示し、タンタル電解コンデンサ素子12はタンタルなどから成る陽極リード12bの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体12aに誘電体の酸化皮膜層(図示せず)を形成し、固体電解質層(図示せず)を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層12cを形成することにより得られる。
陽極リード12bは他端部がリードフレーム13に溶接され、このリードフレーム13が外装樹脂14から突出して外装樹脂14の外形に沿って下面に至るまで折り曲げられることにより外部接続用の陽極端子13aとされる。また、リードフレーム13が導電性接合材15を介して陰極層12c上に接合され、外装樹脂14から突出して外装樹脂14の外形に沿って外装樹脂14の下面に至るように折り曲げられることにより外部接続用の陰極端子13bとされる。リードフレーム13は両極用の接続端子とするとともに曲げ加工を可能とするために外装樹脂14の対向する側面の同じ高さから両側方向に導出された構造となっている。
次に、このタンタル電解コンデンサ11の製造方法について説明する。まず、リードフレーム13のタンタル電解コンデンサ素子12の固定部16にタンタル電解コンデンサ素子12を載置し、タンタル電解コンデンサ素子12の陰極層12cと陰極端子13bとを熱硬化性の導電性接合材15を介して接合する。さらにタンタル電解コンデンサ素子12の陽極リード12bと陽極端子13aとを溶接により互いに接合する。また。導電性接合材15は例えば銀(Ag)を含有するエポキシ系樹脂接合材が用いられ、300℃程度の温度で約10分加熱することにより硬化される。
さらに、リードフレーム13に接合したタンタル電解コンデンサ素子12を所定の位置に載置し、次いで外部電気回路基板との接合部となる陽極端子13aおよび陰極端子13bの端部を外部に露出するようにしてタンタル電解コンデンサ素子12をリードフレーム13の一部とともにエポキシ系から成る外装樹脂14で被覆し、150〜180℃で約1時間加熱することにより外装樹脂14を硬化させる。これにより、外装樹脂14の高分子架橋の割合が増加して耐熱性および耐湿性が向上し、信頼性の高いタンタル電解コンデンサ11が得られる。次いで、陽極端子13a、陰極端子13bがタンタル電解コンデンサ11の下面に位置するようにリードフレーム13が外装樹脂14の外形に沿うように下方に曲げられてタンタル電解コンデンサ11の下面の一部を構成する。これにより外部電気回路基板への実装を容易なものとし、量産に適したものとすることができる。
特開2002−134360号公報(3−4頁,図1)
近年、地球環境問題の意識が高まるとともに鉛(Pb)を用いないPbフリー半田が使用されるようになってきた。しかしながら、Pbフリー半田は、半田付けする際の温度が従来の錫(Sn)60%−Pb40%の半田の処理温度(220〜230℃)に比して40〜50℃高くなり、この温度で半田付けが行なわれると外装樹脂14が熱で変質してリードフレーム13との間に隙間が発生し、この隙間から水分等が侵入して漏れ電流を発生させたり、短絡不良を発生させたりするという問題点を有していた。
そこで、外装樹脂14にシリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)などのフィラーを添加して高耐熱性を付与することが検討されたが、この場合には外装樹脂14の熱膨張率が小さくなり、リードフレーム13との熱膨張係数の差が増大する。これにより半田付け処理の温度でリードフレーム13と外装樹脂14との間に隙間が発生し、水分等が侵入して上記不良を発生させるため、この方法は実用的ではなかった。
さらに、外装樹脂14としてポリイミドなどの高耐熱性の樹脂を用いることも検討されたが、材料が高価であることに加えてポリイミドでは熱膨張率がリードフレーム13の熱膨張係数(約7×10−6/℃)の8倍を超える値(約60×10−6/℃)であることから、やはりリードフレーム13と外装樹脂14との間に隙間が発生し、上記不良を発生するという問題点を有していた。
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、タンタル電解コンデンサを半田付け処理時等の高温に曝しても、タンタル電解コンデンサ素子の気密性を保持することができるとともに、長期にわたり正確かつ安定してタンタル電解コンデンサ素子を作動させることができる電気的特性に優れるタンタル電解コンデンサを提供することにある。
本発明のタンタル電解コンデンサは、上面の中央部に直方体状の凹部が形成されたセラミック基体の前記凹部の内面に第一のメタライズ層および第二のメタライズ層が互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して形成され、前記第一のメタライズ層と前記第一の導体層とを電気的に接続する第一の接続導体および前記第二のメタライズ層と前記第二の導体層とを電気的に接続する第二の接続導体が形成されたセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が前記第一のメタライズ層に溶接接合されている陽極リード端子および前記焼結体の下面に被着されるとともに前記第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、前記セラミック容器の上面に前記凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備しているタンタル電解コンデンサにおいて、前記陽極リード端子は、前記他端部の下側に平面部が形成されているとともに、該平面部とそれに周方向で隣接する面との間の角部が前記第一のメタライズ層に当接されて溶接接合されていることを特徴とする。
本発明のタンタル電解コンデンサによれば、上面の中央部に直方体状の凹部が形成されたセラミック基体の前記凹部の内面に第一のメタライズ層および第二のメタライズ層が互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して形成され、第一のメタライズ層と第一の導体層とを電気的に接続する第一の接続導体および第二のメタライズ層と第二の導体層とを電気的に接続する第二の接続導体が形成されたセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が第一のメタライズ層に溶接接合されている陽極リード端子および焼結体の下面に被着されるとともに第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、セラミック容器の上面に凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備していることから、半田付けする際の温度が高いPbフリー半田を用いて第一の導体層および第二の導体層を外部電気回路基板の配線導体に電気的に接続しても、セラミック基体は耐熱性を有するため、セラミック基体が熱で変形してセラミック容器に隙間が発生することがないので、気密性を良好に維持できる。
また、セラミック容器の内部にタンタル電解コンデンサ素子を収容することにより、従来のリードフレームや外装樹脂を用いた構成から成るタンタル電解コンデンサにのように、熱膨張係数の差や、振動や衝撃などによる外的要因により、リードフレームと外装樹脂との間に剥離や隙間が発生することをなくすことができる。
したがって、きわめて効果的に水分や有害なガスなどの進入を防止することができ、気密信頼性を高くすることができることから、タンタル電解コンデンサ素子などに腐食や濡れ電流,短絡などが発生することを効果的に防止できるので、長期にわたり正確かつ安定してタンタル電解コンデンサ素子を作動させることができる電気的信頼性の高いタンタル電解コンデンサとすることができる。
また、本発明の陽極リード端子は、他端部の下側に平面部が形成されているとともに、平面部とそれに周方向で隣接する面との間の角部が第一のメタライズ層に当接されて溶接接合されていることから第一のメタライズ層にタンタル電解コンデンサ素子の陽極リード端子を溶接法によって溶接する際、第一のメタライズ層と陽極リード端子の平面部とそれに周方向で隣接する面との間の角部とを点接触または線接触させることができるので、この接触部の電気抵抗を大きくすることができる。その結果、陽極リード端子を第一のメタライズ層に抵抗溶接させる際に接触部において高温とすることができ、陽極リード端子の第一のメタライズ層に接触する部位のみを優先的に溶かすことができる。したがって、陽極リード端子を第一のメタライズ層に効率的かつ確実に溶接接合することができるとともに、溶接部以外の部位への溶接による熱等の影響をきわめて少なくすることができる。
本発明のタンタル電解コンデンサについて以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明のタンタル電解コンデンサに用いるセラミック容器の一例を示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のセラミック容器の断面図である。また、図2は本発明のタンタル電解コンデンサの実施の形態の一例を示す断面図である。図3は本発明のタンタル電解コンデンサの実施の形態の一例を示し、陽極リード端子と第一のメタライズ層との接合部周辺の要部拡大断面図である。これらの図において、1はタンタル電解コンデンサ、2はタンタル電解コンデンサ素子、2aはタンタル粉末の焼結体、2bは陽極リード端子、2b−Aは陽極リード端子2bの平面部、2cは陰極層、3はセラミック基体、3aは第一のメタライズ層、3bは第二のメタライズ層、3cは第一の導体層、3dは第二の導体層、3eは第一の接続導体、3fは第二の接続導体、4は蓋体、5は導電性接合材、6はセラミック容器である。
本発明のタンタル電解コンデンサ1によれば、上面の中央部に直方体状の凹部が形成されたセラミック基体3の凹部の内面に第一のメタライズ層3aおよび第二のメタライズ層3bが互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層3cおよび第二の導体層3dが互いに独立して形成され、第一のメタライズ層3aと第一の導体層3cとを電気的に接続する第一の接続導体3eおよび第二のメタライズ層3bと第二の導体層3dとを電気的に接続する第二の接続導体3fが形成されたセラミック容器6と、タンタル粉末の焼結体2aの側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が第一のメタライズ層3aに溶接接合されている陽極リード端子2bおよび焼結体2aの下面に被着されるとともに第二のメタライズ層3bに電気的に接続されている陰極層2cとを有するタンタル電解コンデンサ素子2と、セラミック容器6の上面に凹部を塞ぐように取着された蓋体4とを具備している。さらに、陽極リード端子2bの他端側の下側に平面部2b−Aが形成されているとともに、平面部2b−Aそれに周方向で隣接する面との間の角部(以下、角部ともいう)で陽極リード端子2bが第一のメタライズ層3aに当接されて溶接接合されている。
セラミック容器6は、例えば、以下のようにして作製される。セラミック基体3がアルミナ質焼結体から成る場合、Al2O3やSiO2,酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤等を添加混合してスラリーと成す。このスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法によってグリーンシートと成し、所要の大きさに切断する。しかる後、複数のグリーンシートに適当な打抜き加工を施すことにより凹部を形成する。
そして、これらのグリーンシートにタングステン(W)等の金属粉末を主成分とする金属ペーストを印刷塗布して第一および第二のメタライズ層3a,3b、第一および第二の導体層3c,3dとなる導体層を形成し、次いでこれらの導体層を形成したグリーンシートを積層し、外側面に第一および第二の接続導体3e,3fと成る金属ペーストを塗布し、約1600℃の温度で焼成することによってセラミック容器6が作製される。
なお、第一および第二の接続導体3e,3fは、セラミック基体3に形成した貫通導体であってもよい。貫通導体とする場合は、上記グリーンシートに貫通孔となる孔を所要位置に打抜き加工により形成し、この貫通孔に金属ペーストを充填して焼成すればよい。
また、このようにして作製されたセラミック容器6に形成された導体層の露出した表面には、耐食性に優れかつ半田との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ1〜12μmのNi層をめっき法等により順次被着しておくのがよい。これにより、導体層が大気中の酸素や水分等により酸化腐食されるのを防止するとともに、第一および第二の導体層3c,3dにおいては半田との濡れ性が良くなり、外部電気回路基板上の電極(図示せず)との接合強度がより強固なものとなる。
Ni層の厚みが1μm未満であれば、メタライズ層から成る各導体層の酸化腐蝕を防止するのが困難になるとともに外部電気回路基板の電極への接合強度が低下し易くなる。また、Ni層の厚みが12μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなるとともにメタライズ層から成る各導体層との熱膨張差による応力によりめっき層が剥がれ易くなる。
セラミック容器6の内部に収容されたタンタル電解コンデンサ素子2の陽極リード端子2bと陰極層2cとがそれぞれ第一のメタライズ層3aおよび第二のメタライズ層3bに接続され、セラミック基体3の下面に形成された第一および第二の導体層3c,3dが外部電気回路基板上の電極にAu−Sn半田やAg−Sn半田等の半田を介して接合されることにより、セラミック容器6の内部に収容されたタンタル電解コンデンサ素子2と外部電気回路基板上の電極とが電気的に接続される。
タンタル電解コンデンサ素子2は、陽極リード2bの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体2aに誘電体の酸化皮膜層(図示せず)を形成し、固体電解質層(図示せず)を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層2cを形成することにより得られる。
陽極リード2bは他端部が抵抗溶接法やレーザ溶接法等の溶接法によって、第一のメタライズ層3aに電気的に接続される。この第一のメタライズ層3aは第一の接続導体3eを経由して第一の導体層3cに電気的に接続されている。すなわち、第一の導体層3cが外部電気回路基板の配線導体に接続されるタンタル電解コンデンサ1の陽極端子となる。
陽極リード端子2bは、例えばタンタルやニオブ等から成るが、好ましくは、陽極リード端子2bがタンタルから成ることにより、タンタル電解コンデンサ素子2となるタンタルの焼結体2aに強固に接合させることができるとともに、タンタルは電気抵抗率(13.5×10-8Ωm)が高いことから第一のメタライズ層3aと接続部において、電気抵抗を大きくし電気信号を熱に変換し易くすることにより、陽極リード端子2bを溶かし易くすることができ、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに確実に接続し易くすることができる。
また、陰極層2cはAgを含有するエポキシ系樹脂接合材等の導電性接合材5を介して第二のメタライズ層3b上に電気的に接続される。そして、第二のメタライズ層3bは第二の接続導体3fを経由して第二の導体層3dに電気的に接続されている。すなわち、第二の導体層3dが外部配線導体に接続されるタンタル電解コンデンサ1の陰極端子となる。
本発明のタンタル電解コンデンサ1において、陽極リード端子2bは、図3(a)に示すように他端側の下側に平面部2b−Aが形成されているとともに、陽極リード端子2bの角部で陽極リード端子2bが第一のメタライズ層3aに当接されて溶接接合されている。この構成により、第一のメタライズ層3aにタンタル電解コンデンサ素子2の陽極リード端子2bを溶接法によって溶接する際、陽極リード端子2bの角部と陽極リード端子2bとを点接触または線接触にて接触させることができ、この接触部において電気抵抗を大きくできる。その結果、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに抵抗溶接させる際に接触部において高温とすることができ、陽極リード端子2bの第一のメタライズ層3aに接触する部位のみを優先的に溶かすことができる。したがって、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに溶接接合し易くすることができる。さらに、溶接部以外の部位への溶接による熱等の影響をきわめて少なくすることができる。
このような平面部2b−Aは、陽極リード端子2bの縦断面が円や楕円等の円状であった場合,他端側に切削加工や研削加工,プレス加工,エッチング加工等の従来周知の金属加工を施すことによって形成される。また、図3(b)に示すように、陽極リード端子2bは他端側の下側と上側の二面に平面部2b−Aが形成されていてもよい。この場合、陽極リード端子2bの下側と上側の二面に平面部2b−Aが形成されている構成によって、陽極リード端子2bを上下方向から平板でプレス加工することができ、平面部2b−Aを容易に作業効率よく形成することができる。あるいは、陽極リード端子2bの縦断面が、三角や四角等の多角形状であってもよい。この場合、陽極リード端子2bの下側の平面部と第一のメタライズ層3aとが角度を成すようにタンタルの焼結体2aに固定しなければならない。
さらに、陽極リード端子2bの平面部2b−Aと、平面部2b−Aと周方向で隣接する面とが成す角部の角度は小さいことが好ましい。これにより、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに抵抗溶接させる際に、接触部で発生する熱が陽極リード端子2bに逃げにくくなるので、接触部をより高温とすることができる。その結果、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに効率よくかつ確実に溶接接続できるとともに、溶接部以外の部位への溶接による熱等の影響をきわめて少なくすることができる。
また、セラミック基体3の凹部の一側面と底面との間に段差が形成されて、その段差の上面に第一のメタライズ層3aが形成されていてもよい。この構成によって、タンタル電解コンデンサ素子2の側面から陽極リード端子2bをタンタル電解コンデンサ素子2に対して略水平な状態で第一のメタライズ層3aに溶接接合することができる。さらに、第一のメタライズ層3aの上面と陽極リード端子2bの角部の他端側の端部とがほぼ同じ高さとなるようにする。この構成によって、第一のメタライズ層3aと陽極リード端子2bとの溶接接合の作業効率を向上できるとともに、溶接接合の際に陽極リード端子2bを曲げたりすることがないため、陽極リード端子2bが折れやクラック等によって断線するのを防止することができる。
このように構成された本発明のタンタル電解コンデンサ1によれば、Pbフリー半田を用いて第一および第二の導体層3c,3dを外部電気回路基板に電気的に接続しても、セラミック基体3は耐熱性を有するため、セラミック基体3が熱で変形してセラミック容器6に隙間が発生することがないので気密性を良好に維持できる。したがって、セラミック容器6の内部に水分や異物,有害なガス等が侵入するのを有効に防止できるので腐食や漏れ電流,短絡などが発生することを効果的に防止できるので、長期にわたり正確かつ安定してタンタル電解コンデンサ素子2を作動させることができる電気的信頼性の高いタンタル電解コンデンサ1とすることができる。
また、タンタル電解コンデンサ1の陽極リード端子2bおよび陰極層2cにそれぞれ電気的に接続される第一および第二の導体層3c,3dをともにセラミック基体3の下面に設けることによって、リードフレーム等を用いることなく外部電気回路基板の表面の配線導体に表面実装によって容易に接続することが可能となり、リードフレームの曲げ加工の必要がないので、量産性に優れたものとなるとともに、従来のタンタル電解コンデンサに比べて小型化が可能となる。
さらに、セラミック容器6は周知のセラミックグリーンシート積層法による多数個取りの手法で製造できることから非常に量産性に優れるものとなる。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、タンタル電解コンデンサ1のセラミック基体3の材質がアルミナ質焼結体である場合について説明したが、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体やガラスセラミックス等の他のセラミックスから成っていてもよい。AlN質焼結体から成る場合にはタンタル電解コンデンサ素子2が作動する際に発生する熱を効率よく外部に放散させることができるので、タンタル電解コンデンサ1の電気特性をより長期間にわたって保持することができる。
本発明のタンタル電解コンデンサは携帯電話などの通信機器,デジタルカメラなどのAV機器,パソコンなどのコンピュータ機器の他、特に過酷な環境条件下で長期信頼性が要求されるエアバッグ,アンチロックブレーキなどの自動車用機器をはじめとする幅広い分野にも好適に利用できる。
1:タンタル電解コンデンサ
2:タンタル電解コンデンサ素子
2a:焼結体
2b:陽極リード端子
2b−A:平面部
2c:陰極層
3:セラミック基体
3a:第一のメタライズ層
3b:第二のメタライズ層
3c:第一の導体層
3d:第二の導体層
3e:第一の接続導体
3f:第二の接続導体
4:蓋体
6:セラミック容器
2:タンタル電解コンデンサ素子
2a:焼結体
2b:陽極リード端子
2b−A:平面部
2c:陰極層
3:セラミック基体
3a:第一のメタライズ層
3b:第二のメタライズ層
3c:第一の導体層
3d:第二の導体層
3e:第一の接続導体
3f:第二の接続導体
4:蓋体
6:セラミック容器
Claims (1)
- 上面の中央部に直方体状の凹部が形成されたセラミック基体の前記凹部の内面に第一のメタライズ層および第二のメタライズ層が互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して形成され、前記第一のメタライズ層と前記第一の導体層とを電気的に接続する第一の接続導体および前記第二のメタライズ層と前記第二の導体層とを電気的に接続する第二の接続導体が形成されたセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が前記第一のメタライズ層に溶接接合されている陽極リード端子および前記焼結体の下面に被着されるとともに前記第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、前記セラミック容器の上面に前記凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備しているタンタル電解コンデンサにおいて、前記陽極リード端子は、前記他端部の下側に平面部が形成されているとともに、該平面部とそれに周方向で隣接する面との間の角部が前記第一のメタライズ層に当接されて溶接接合されていることを特徴とするタンタル電解コンデンサ。
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