JP2005136127A - セラミック容器およびそれを用いたタンタル電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 タンタル電解コンデンサが半田付けされるときに高温に曝されても、タンタル電解コンデンサ素子の気密性を保持することができるとともに、小型化できるタンタル電解コンデンサ用のセラミック容器およびタンタル電解コンデンサを提供すること。
【解決手段】 本発明のセラミック容器6は、上面の中央部に直方体状の凹部3−Bが形成され、凹部3−Bの底面に第一のメタライズ層3aおよび第二のメタライズ層3bが互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層3cおよび第二の導体層3dが互いに独立して形成されたセラミック基体3と、第一のメタライズ層3aと第一の導体層3cとを電気的に接続する第一の接続導体3eおよび第二のメタライズ層3bと第二の導体層3dとを電気的に接続する第二の接続導体3fとを具備しており、第一のメタライズ層3aの上面に銅,錫,銀または銀−銅合金から成る金属層30が被着されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子回路などに使用されるタンタル電解コンデンサに関し、特にセラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサに関する。
従来の樹脂封止された固体電解質コンデンサとして面実装型のタンタル電解コンデンサが知られている。このタンタル電解コンデンサは携帯電話などの通信機器、デジタルカメラなどのAV機器、パソコンなどのコンピュータ機器、エアバッグ,アンチロックブレーキなどの自動車用機器を始めとする幅広い分野で大量に用いられ、また、用途としては電源の平滑回路、コンピュータのバックアップ、タンタル電解コンデンサの充放電時間を利用したタイマー回路、高周波フィルタなどがあり、上記機器類に欠くことのできない電子部品である。
このようなタンタル電解コンデンサは、タンタル電解コンデンサ素子部とリードフレームとこれらを気密に封止する外装樹脂とからなり、リードフレームは一般的に例えば鉄(Fe)−ニッケル(Ni)合金などの強度が大きなものが使用され、また外装樹脂としてはエポキシ樹脂などがその耐熱性、耐湿性が良好なために用いられている。
以下に、この種の従来のタンタル電解コンデンサについて図3を用いて説明する。図3は従来のタンタル電解コンデンサの構成を示す断面図であり、同図において11はタンタル電解コンデンサ、12はタンタル電解コンデンサ素子、12bは陽極リード端子を示し、タンタル電解コンデンサ素子12はタンタルなどから成る陽極リード端子12bの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体12aに誘電体の酸化皮膜層(図示せず)を形成し、固体電解質層(図示せず)を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層12cを形成することにより得られる。
陽極リード端子12bは他端部がリードフレーム13に溶接され、このリードフレーム13が外装樹脂14から突出して外装樹脂14の外形に沿って下面に至るまで折り曲げられることにより外部接続用の陽極端子13aとされる。また、リードフレーム13が導電性接合材15を介して陰極層12c上に接合され、外装樹脂14から突出して外装樹脂14の外形に沿って外装樹脂14の下面に至るように折り曲げられることにより外部接続用の陰極端子13bとされる。リードフレーム13は、これを曲げて両極用の接続端子とするために、また同時に曲げることができるように外装樹脂14の対向する側面の同じ高さから両側方向に突出された構造となっている。外装樹脂14にはエポキシ系樹脂がその耐熱性、耐湿性などが優れているという理由から使用されている。
次に、このタンタル電解コンデンサ11の製造方法について説明する。まず、リードフレーム13におけるタンタル電解コンデンサ素子12の固定部16にタンタル電解コンデンサ素子12を載置し、タンタル電解コンデンサ素子12の陽極リード端子12bと陽極端子13aとが溶接により互いに接合され、またタンタル電解コンデンサ素子12の陰極層12bと陰極端子13bとが熱硬化性の導電性接合材15を介して接合される。導電性接合材15は例えば銀(Ag)を含有するエポキシ系樹脂接合材が用いられ、300℃程度の温度で約10分加熱することにより硬化させる。
さらに、リードフレーム13が接合されたタンタル電解コンデンサ素子12を所定の位置に載置し、次いで外部電気回路基板との接合部となる端部を外部に露出するようにしてタンタル電解コンデンサ素子12をリードフレーム13の一部とともにエポキシ系樹脂から成る外装樹脂14で被覆し、150〜180℃で約1時間加熱することにより外装樹脂14を硬化させる。これにより、外装樹脂14の高分子架橋の割合が増加して耐熱性、耐湿性が向上し、信頼性の高いタンタル電解コンデンサ11が得られる。次いで、陽極端子13a、陰極端子13bがタンタル電解コンデンサ11の下面に位置するようにリードフレーム13が外装樹脂14の外形に沿うように下方に曲げられてタンタル電解コンデンサ11の下面の一部を構成する。これにより外部電気回路基板への実装を容易なものとし、量産に適したものとすることができる。
特開2002−134360号公報(3−4頁,図1)
近年、地球環境問題の意識が高まるとともに鉛(Pb)を用いない半田が使用されるようになってきた。しかしながら、Pbを含んでいない半田は、半田付けする際の温度が従来のPb(鉛)40%−Sn(錫)60%の半田の処理温度(220〜230℃)に比して40〜50℃高くなり、この温度で半田付けが行われると外装樹脂14が熱で変質してリードフレーム13との間に隙間が発生し、この隙間から水分が侵入して漏れ電流を発生させたり、ショートによる不良を発生させたりするという問題点を有していた。
そこで、外装樹脂14にシリカ(SiO)やアルミナ(Al)などのフィラーを添加して高耐熱性を付与することが検討されたが、この場合には外装樹脂14の熱膨張率が小さくなってリードフレーム13の熱膨張係数との差が増大し、よって半田付けをするときの温度でリードフレーム13と外装樹脂14との間に隙間が発生し、水分が侵入して上記不良を発生させるため、この方法は実用的ではなかった。
さらに、外装樹脂14としてポリイミドなどの高耐熱性の樹脂を用いることも検討されたが、材料が高価であることに加えてポリイミドでは熱膨張率がリードフレーム13の熱膨張係数(7×10−6/℃)の8倍を超えるおよそ60×10−6/℃であることから、やはりリードフレーム13と外装樹脂14との間に隙間を発生させ、上記不良を招来するという問題点を有していた。
また、従来のタンタル電解コンデンサ11は、外装樹脂14からリードフレーム13が突出する構造であるため、近時のタンタル電解コンデンサ11の小型化要求に応えられなくなってきた。
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、タンタル電解コンデンサが半田付けされるときに高温に曝されても、タンタル電解コンデンサ素子の気密性を保持することができるとともに、小型化できるタンタル電解コンデンサを提供することにある。
本発明のセラミック容器は、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、この凹部の底面に第一のメタライズ層および第二のメタライズ層が互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して形成されたセラミック基体と、前記第一のメタライズ層と前記第一の導体層とを電気的に接続する第一の接続導体および前記第二のメタライズ層と前記第二の導体層とを電気的に接続する第二の接続導体とを具備しており、前記第一のメタライズ層の上面に銅,錫,銀または銀−銅合金から成る金属層が被着されていることを特徴とする。
本発明のタンタル電解コンデンサは、上記構成のセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が前記金属層に溶接接合されているタンタルから成る陽極リード端子、および前記焼結体の下面に被着されるとともに前記第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、前記セラミック基体の上面に前記凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明のセラミック容器によれば、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、凹部の底面に第一のメタライズ層および第二のメタライズ層が互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して形成されたセラミック基体と、第一のメタライズ層と第一の導体層とを電気的に接続する第一の接続導体および第二のメタライズ層と第二の導体層とを電気的に接続する第二の接続導体とを具備しており、第一のメタライズ層の上面に銅,錫,銀または銀−銅合金から成る金属層が被着されていることから、Pbを含んでいない半田を用いて第一の導体層および第二の導体層を外部電気回路基板に電気的に接続しても、セラミック基体は耐熱性を有するため熱で変形し難く、セラミック容器に隙間が発生するのを防止して気密性を良好に維持できる。従って、セラミック容器の内部に水分が浸入するのを有効に防止し、漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりするのを有効に防止できる。
よって、従来の外装樹脂とリードフレームを有する構成における気密性に比べて、格段に気密信頼性があり、タンタル電解コンデンサ素子を内部に収容した場合、タンタル電解コンデンサ素子が水分による腐食等で誤作動するのを有効に防止できるとともに、タンタル電解コンデンサ素子の電気特性を長期間にわたって良好に維持することができる。
また、セラミック容器の内部にタンタル電解コンデンサ素子を収容することにより、リードフレームを用いることなくタンタル電解コンデンサを構成することができるため、従来のタンタル電解コンデンサに比べて大幅な小型化が可能となる。
さらに、第一のメタライズ層の上面に銅,錫,銀または銀−銅合金から成る金属層が被着されていることから、第一のメタライズ層にタンタル電解コンデンサ素子の陽極リード端子を溶接法によって溶接する際、第一のメタライズ層の上面に被着された銅,錫,銀または銀−銅合金を溶かして、第一のメタライズ層に陽極リード端子を容易かつ強固に溶接接合させることができる。その結果、陽極リード端子を外部電気回路に効率よくかつ確実に電気的接続できる。
本発明のタンタル電解コンデンサは、上記構成のセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が金属層に溶接接合されているタンタルから成る陽極リード端子、および焼結体の下面に被着されるとともに第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、セラミック基体の上面に凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備していることにより、上記本発明のセラミック容器を用いた気密信頼性の高いものとなる。また、タンタルから成る陽極リード端子を有することによって熱膨張差によってタンタル粉末の焼結体にクラック等の破損が生ずるのを有効に防止できる。さらに、第一のメタライズ層の上面に被着された銅,錫,銀または銀−銅合金から成る金属層を有することによって、溶接の熱に溶けにくいタンタルから成る陽極リード端子であっても、陽極リード端子を第一のメタライズ層に確実に溶接接合することができる。また周知のセラミックグリーンシート積層法による多数個取りの手法で製造することが可能となるため、非常に量産性に優れるものとなる。さらに、リードフレームを用いることがないことから、従来のタンタル電解コンデンサに比べて大幅な小型化が可能となる。
本発明のセラミック容器およびタンタル電解コンデンサについて以下に詳細に説明する。図1(a)は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のセラミック容器の断面図である。また、図2は本発明のタンタル電解コンデンサの実施の形態の一例を示す断面図である。これらの図において、1はタンタル電解コンデンサ、2はタンタル電解コンデンサ素子、3はセラミック基体、3aは第一のメタライズ層、30は金属層、3bは第二のメタライズ層、3cは第一の導体層、3dは第二の導体層、3eは第一の接続導体、3fは第二の接続導体、4は蓋体、6はセラミック容器である。
本発明のセラミック容器6は、上面の中央部に直方体状の凹部3−Bが形成され、凹部3−Bの底面に第一のメタライズ層3aおよび第二のメタライズ層3bが互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層3cおよび第二の導体層3dが互いに独立して形成されたセラミック基体3と、第一のメタライズ層3aから第一の導体層3cにかけて形成された第一の接続導体3eと、第二のメタライズ層3bから第二の導体層3dにかけて形成された第二の接続導体3fとを具備しており、第一のメタライズ層3aの上面に銅(Cu),錫(Sn),銀(Ag)またはAg−Cu合金から成る金属層30が被着されている。
そして、セラミック容器6は、第一のメタライズ層3aの金属層30にタンタル電解コンデンサ素子2の陽極リード端子2bが溶接接合されるとともに、第二のメタライズ層3bにタンタル電解コンデンサ素子2の陰極層2cが電気的に接続され、セラミック基体3の側壁3−Aの上面に凹部3−Bを塞ぐように蓋体4が取着されることによりタンタル電解コンデンサ1と成る。
セラミック基体3は、アルミナ質焼結体等のセラミックスから成り、上面の中央部に凹部3−Bが形成されている。好ましくは、図1(b)に示すように第一のメタライズ層3aが形成される部位が凹部3−Bの一側面と底面との間に形成された段差3−Cの上面となっているのがよい。セラミック基体3に段差3−Cが形成されるとともにその上面に第一のメタライズ層3aが形成されることによって、タンタル電解コンデンサ素子2の陽極リード2bの第一のメタライズ層3aへの電気的な接続が容易なものとなり、タンタル電解コンデンサ素子2の陽極リード2bを第一のメタライズ層3aに接続する作業効率が大幅に改善する。
セラミック容器6は、例えば、以下のようにして作製される。セラミック基体3がアルミナ質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム(Al),酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤等を添加混合してスラリーと成す。このスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法によってグリーンシートと成し、所要の大きさに切断する。次に、その中から選ばれた複数のグリーンシートにおいて段差3−Cを形成するために適当な打抜き加工を施す。
そして、これらのグリーンシートにタングステン(W)等の金属粉末を主成分とする金属ペーストを印刷塗布して第一および第二のメタライズ層3a,3b、第一および第二の導体層3c,3dとなる導体層を形成し、次いでこれらの導体層を形成したグリーンシートを積層し、外側面に第一および第二の接続導体3e,3fと成る金属ペーストを塗布し、最後に約1600℃の温度で焼成することによってセラミック容器6が作製される。
なお、第一および第二の接続導体3e,3fは、セラミック基体3に形成した貫通導体であってもよい。
また、このようにして作製されたセラミック容器6に形成されたこれらの導体層の露出した表面には、耐食性に優れかつ半田との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ1〜12μmのニッケル(Ni)層および厚さ0.3〜5μmの金(Au)層をめっき法等により順次被着しておくのがよい。これにより、第一および第二の導体層3c,3dにおいては半田との濡れ性が良くなり、外部電気回路基板上の電極(図示せず)との接合強度がより強固なものとなる。
Ni層の厚さが1μm未満であれば、メタライズ層から成る各導体の酸化腐蝕を防止するのが困難になって外部電気回路基板への接合強度が劣化し易く成る。また、Ni層の厚さが12μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなるとともに電気抵抗が大きくなり易い。
また、Au層の厚さが0.3μm未満であれば、均一な厚さのAu層を形成するのが困難となり、Au層がきわめて薄い部位が形成されたりAu層が形成されていない部位が生じたりし易く、酸化腐食の防止効果や半田との濡れ性が低下し易くなる。またAu層の厚さが5μmを超えると、めっき形成に多大の時間がかかることになり量産性が低下し易くなる。
なお、第一のメタライズ層3aの上面にはNi層が1〜12μm被着されるのがよく、この構成により、金属層30を第一のメタライズ層3aに強固に密着させることができる。
セラミック容器6は、内部にタンタル電解コンデンサ素子2が収容され、下面の第一および第二の導体層3c,3dが外部電気回路基板(図示せず)の表面の配線導体にAu−Sn半田やAg−Sn半田等の半田を介して接合されることにより、内部に収容するタンタル電解コンデンサ素子2と外部電気回路基板の配線導体とを電気的に接続させることができる。
本発明の第一のメタライズ層3aの上面にはCu,Sn,AgまたはAg−Cu合金から成る金属層30が被着されている。この構成により、第一のメタライズ層3aにタンタル電解コンデンサ素子2の陽極リード端子2bを溶接法によって溶接する際、第一のメタライズ層3aの上面に被着されたCu(融点1083℃),Sn(融点228℃),Ag(融点961℃)またはAg−Cu合金(融点800℃)を溶かして、第一のメタライズ層3aに陽極リード端子2bを容易かつ強固に溶接接合させることができる。その結果、陽極リード端子2bを金属層30に溶接接合した後、第一の導体層3cを外部電気回路基板に半田接合することにより外部電気回路基板に効率よくかつ確実に電気的接続できるとともに、陽極リード端子2bと第一のメタライズ層3aとの接合面積のばらつきによる抵抗値の変動を有効に防止して精度のよい抵抗値を有するものとすることができる。また、陽極リード端子2bがタンタル(融点2996℃)等の溶接の熱に溶けにくい材料から成る場合であっても、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに確実に溶接接合することができる。
陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに溶接接合する際には、スポット溶接法等の抵抗溶接法やレーザ溶接法を用いて溶接接合する。
金属層30は、第一のメタライズ層3aの上面に電解メッキ法,無電解メッキ法といったメッキ法によって被着されたり、第一のメタライズ層3aの上面に金属層30となる金属のプリフォームを載置し、この状態で熱を加えて金属層30となる金属のプリフォームを溶融させることによって被着(これを溶着ともいう)されたり、第一のメタライズ層3aの上面にスパッタリング等の蒸着法を用いることによって被着されたり、種々の方法によって被着される。例えば、金属層30がCuまたはSnから成り、溶着によって形成するのが困難な場合は、メッキ法によって形成すればよい。
好ましくは、金属層30の厚さは30〜100μmであるのがよく、これによって陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに確実かつ強固に接合させることができ、陽極リード端子2bと第一のメタライズ層3aとの接合信頼性を高めることができる。30μm未満であると、金属層30の厚みが薄すぎて、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに接合する際に溶ける金属層30がわずかなものとなって、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに強固に接合できなくなり、陽極リード端子2bと第一のメタライズ層3aとの接合信頼性を低下させてしまう場合がある。金属層30の厚さが100μmを超えると、金属層30の厚さが厚くなりすぎて、陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに接合する際に金属層30が周囲に飛散し易くなって、例えば第一のメタライズ層3aと第二のメタライズ層3b等との電気的短絡を引き起こし、タンタル電解コンデンサ1が正常に作動できなくなる場合がある。
金属層30がこのように30〜100μmの厚さで形成される場合、好ましくは、AgまたはAg−Cu合金から成るのがよく、これによって、金属層30を溶着によって形成させることができ、第一のメタライズ層3aに30〜100μmの厚さの金属層30を効率よく形成させることが可能となる。また、金属層30にAgが含まれることによって、金属層30の陽極リード端子2bに対する濡れ性を非常に良好なものとし、金属層30と陽極リード端子2bとの接合強度をより強固なものとすることができる。
また、金属層30はCu,Sn,AgまたはAg−Cu合金の一層の層であってもよいし、これら金属の二層以上の層であってもよい。例えば、第一のメタライズ層3aの上面にCu層およびAg層を順次形成しておき、陽極リード端子2bを最上面のAg層に溶接接合させてもよい。この場合、融点の低いAg層がまず溶融し、溶融したAg層がその下層のCu層の上に広がることによって熱がCu層に伝えられ易くなり、Cu層が溶融され易くなる。
さらに、Cu層とAg層の厚みの比を例えば4:6としておくと、Ag層とCu層が融けた際に、これらが混合してAg72%−Cu28%合金が形成され、金属層30と陽極リード端子2bとの濡れを非常に良好なものとするとともに、金属層30と陽極リード端子2bとの接合強度をより強固なものとすることができる。
また、下層と成る一層目の金属層30の上面のセラミック基体3の側壁3−Aと陽極リード端子2bとの間の空間となる部分に上層と成る二層目の金属層30を形成しておくと、二層目の金属層30の端を陽極リード端子2bの端を位置決めする当てとして使用することができるとともに、陽極リード端子2bの端部において金属層30を溶融することによって、陽極リード端子2bの端部に良好なメニスカスを形成し、金属層30と陽極リード端子2bとの接合強度をより強固なものとすることができる。
本発明のタンタル電解コンデンサ1は、上記構成のセラミック容器6と、タンタル粉末の焼結体2aの側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が第一のメタライズ層3aに溶接接合されている陽極リード端子2b、および焼結体2aの下面に被着されるとともに第二のメタライズ層3bに導電性接着材5を介して接合されるとともに電気的に接続されている陰極層2cとを有するタンタル電解コンデンサ素子2と、セラミック基体3の上面に凹部3−Bを塞ぐように取着された蓋体4とを具備している。
タンタル電解コンデンサ素子2は、タンタルから成る陽極リード端子2bの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体2aに誘電体の酸化皮膜層(図示せず)を形成し、固体電解質層(図示せず)を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層2cを形成することにより得られる。
陽極リード端子2bは他端部が抵抗溶接法やレーザ溶接法等の溶接法によって、第一のメタライズ層3aに電気的に接続されている。第一のメタライズ層3aの上面にはCu,Sn,AgまたはAg−Cu合金から成る金属層30が被着されているので、陽極リード端子2bが溶接の熱に溶けにくいタンタルから成る場合であっても陽極リード端子2bを第一のメタライズ層3aに確実に溶接接合することができる。
この第一のメタライズ層3aは第一の接続導体3eを経由して第一の導体層3cに電気的に接続されている。即ち、第一の導体層3cが外部接続用の陽極端子となる。
また、陰極層2cはAgの粒子を含むエポキシ系樹脂接合材等の導電性接合材5を介して第二のメタライズ層3b上に電気的に接続されている。第二のメタライズ層3bは第二の接続導体3fを経由して第二の導体層3dに電気的に接続されている。即ち、第二の導体層3dが外部接続用の陰極端子となる。
このように構成された本発明のタンタル電解コンデンサ1によれば、Pbを含んでいない半田を用いて第一および第二の導体層3c,3dを外部電気回路基板に電気的に接続しても、セラミック基体3は耐熱性を有するため熱で変形し難くなり、セラミック容器6に隙間が発生するのを防止して気密性を良好に維持できる。従って、セラミック容器6の内部に水分が浸入するのを有効に防止し、漏れ電流が発生したり、ショート不良が発生したりするのを有効に防止できる。
よって、従来の外装樹脂とリードフレームを有する構成における気密性に比べて、格段に気密信頼性があり、タンタル電解コンデンサ素子2が水分による腐食等で誤作動するのを有効に防止できるとともに、タンタル電解コンデンサ素子2の電気特性を長期間にわたって良好に維持することができる。
また、タンタル電解コンデンサ1の陽極リード端子2bおよび陰極層2cにそれぞれ電気的に接続される第一および第二の導体層3c,3dをともにセラミック基体3の下面に設けることによって、リードフレーム等を用いることなく外部電気回路基板の表面の配線導体に表面実装によって容易に接続することが可能となり、リードフレームの曲げ加工の必要がないので、量産性に優れたものとなるとともに、従来のタンタル電解コンデンサに比べて大幅な小型化が可能となる。
さらに、セラミック容器6は周知のセラミックグリーンシート積層法による多数個取りの手法で製造できることから非常に量産性に優れるものとなる。
本発明の実施例について以下に説明する。
図1に示す構成のセラミック容器6のサンプルを以下のようにして作製した。
アルミナ質焼結体から成る外形が縦3.1mm,横3.6mm,高さ1mmの直方体状で、上面の中央部に縦2.6mm,横3.1mm,深さ0.75mmの直方体状の凹部3−Bが形成され、凹部3−Bの底部に凹部3−Bの内側の縦方向の辺に平行にかつ全長に亘って接するようにして縦2.6mm,横0.55mm,高さ0.25mmの段差3−Cが形成されるとともにその上面の縦方向における中央部に幅(縦)0.5mm,長さ(横)0.55mmの第一のメタライズ層3aが形成されたセラミック基体3を用意した。そして、第一のメタライズ層3aの上面に全面にわたって50μmの厚さでCuまたはSnからなる金属層30を電解めっき法によって被着させたセラミック容器6のサンプルを作製し、またAgまたはAg−Cu合金からなる金属層30を溶着法によって被着させたセラミック容器6のサンプルを作製した。ここで、金属層30がCuから成るものをサンプルA、金属層30がSnから成るものをサンプルB、金属層30がAgから成るものをサンプルC、金属層30がAg−Cu合金から成るものをサンプルDとする。
さらに比較例として、上記と同様のセラミック基体3を用意し、第一のメタライズ層3aの上面に全面にわたって50μmの厚さでNiから成る金属層30を形成したものを作製した。これをサンプルEとする。
そして、これらのサンプルA〜Eを10個ずつ用意し、各サンプルの第一のメタライズ層3aの上面にタンタルから成る直径0.25mm,長さ1mmの円柱形状をした陽極リード端子2bの一端を電圧1.8V,溶接時間0.15秒の条件でスポット溶接した。
サンプルA〜Eについて第一のメタライズ層3aに陽極リード2bが溶接接合できた割合を表1に示す。
Figure 2005136127
表1より、サンプルA〜Dでは、すべてのサンプルについて第一のメタライズ層3aに陽極リード端子2bを確実に溶接接合することができたが、サンプルEでは第一のメタライズ層3aに陽極リード端子2bを溶接接合できない場合があった。よって、金属層30はCu,Sn,AgまたはAg−Cu合金にすると良好な結果が得られることが判った。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、タンタル電解コンデンサ1のセラミック基体3の材質がアルミナ質焼結体である場合について説明したが、窒化アルミニウム(AlN)質焼結体やガラスセラミックス等の他のセラミックスから成っていてもよい。AlN質焼結体から成る場合には作動時の熱を効率よく外部に放散させることができるので、タンタル電解コンデンサ1の熱劣化を防ぎ、電気特性をより長期間にわたって保持することができる。
(a)は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は(a)のセラミック容器の断面図である。 本発明のタンタル電解コンデンサの実施の形態の一例を示す断面図である。 従来のタンタル電解コンデンサの例を示す断面図である。
符号の説明
1:タンタル電解コンデンサ
2:タンタル電解コンデンサ素子
2a:焼結体
2b:陽極リード端子
2c:陰極層
3:セラミック基体
3a:第一のメタライズ層
3b:第二のメタライズ層
3c:第一の導体層
3d:第二の導体層
3e:第一の接続導体
3f:第二の接続導体
3−B:凹部
4:蓋体
5:導電性接着材
6:セラミック容器
30:金属層

Claims (2)

  1. 上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の底面に第一のメタライズ層および第二のメタライズ層が互いに独立して形成されるとともに、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して形成されたセラミック基体と、前記第一のメタライズ層と前記第一の導体層とを電気的に接続する第一の接続導体および前記第二のメタライズ層と前記第二の導体層とを電気的に接続する第二の接続導体とを具備しており、前記第一のメタライズ層の上面に銅,錫,銀または銀−銅合金から成る金属層が被着されていることを特徴とするセラミック容器。
  2. 請求項1記載のセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が前記金属層に溶接接合されているタンタルから成る陽極リード端子、および前記焼結体の下面に被着されるとともに前記第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、前記セラミック基体の上面に前記凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備していることを特徴とするタンタル電解コンデンサ。
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