JP2005216724A - 有機el表示装置の製造装置及び製造方法並びに有機el表示装置 - Google Patents

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朋子 笹林
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Abstract

【課題】 有機EL素子の特性が高い有機EL表示装置を製造することができ、またサイズが小型の有機EL表示装置の製造装置及びこの製造装置を用いた有機EL表示装置の製造方法並びにこの製造装置で製造された発光効率等の特性の高い有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】 有機EL層の一部又は全部を蒸着によって成膜し、有機EL素子の少なくとも1つの電極をスパッタによって成膜する有機EL表示装置の製造装置であって、1つのチャンバー1に、蒸着に使用される蒸着源3とスパッタに使用されるターゲット4が設けられ、有機EL表示装置の基板2を移動させずに蒸着とスパッタを行うものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL表示装置の製造装置及び製造方法並びに有機EL表示装置に関し、特に、製造の際に有機EL素子に対するダメージの少ない有機EL表示装置の製造装置等に関する。
近年の有機EL(ElectroLuminescence)表示装置の製造方法では、導電性酸化物薄膜等の透明電極をスパッタによって形成している。このスパッタでは、真空中でプラズマにより活性化された原子を、ターゲットに弾性衝突させることでターゲットからスパッタの物質をはじき出し、透明電極を形成している。このスパッタを行う際に、有機EL表示装置のガラス基板を加熱したり、基板に飛来する粒子の運動エネルギーを高くすることによって、特性のよい透明電極を作成することができる。またスパッタによって透明電極を成膜すると、緻密な膜が早いレートで形成することができるという利点もある。
従来のEL表示装置の作成方法及び薄膜形成装置では、共通室に酸化用処理室、溶液塗布用処理室、焼成用処理室等の複数の処理室を設け、基板をある処理室から他の処理室に順次移動させることで、複数の処理を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−102170号公報(図1〜図4)
しかし例えば、封止ガラス側から光を出射するトップ・エミッション方式の有機EL表示装置を製造する際には、透明電極を有機EL層の上に形成しなければならないが、この有機EL層はガラス基板等とは異なり、物理的にも化学的にもダメージを受けやすいものである。このため、従来の有機EL表示装置の製造方法でトップ・エミッション方式の有機EL表示装置を製造すると、スパッタの際に有機EL層に物理的な衝撃や熱等が加わり、有機EL層の特性が劣化してしまうという問題点があった。また、スパッタの際にプラズマから発生する紫外線や高いエネルギーを持った粒子等によって、有機EL層が劣化してしまうという問題点もあった。
さらに、従来のEL表示装置の作成方法及び薄膜形成装置では(例えば、特許文献1参照)、複数の処理を複数の処理室で別々に行っているため、基板の搬送装置等を設ける必要があり、EL表示装置の製造装置が大型化してしまうという問題点があった。また、電子注入層等の有機EL層が成膜された基板を搬送する際に、外気や不純物となる気体に触れてしまう可能性があり、有機EL層が劣化することがあるという問題点もあった。
本発明は、有機EL素子の特性が高い有機EL表示装置を製造することができ、またサイズが小型の有機EL表示装置の製造装置及びこの製造装置を用いた有機EL表示装置の製造方法並びにこの製造装置で製造された発光効率等の特性の高い有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、有機EL層の一部又は全部を蒸着によって成膜し、有機EL素子の少なくとも1つの電極をスパッタによって成膜する有機EL表示装置の製造装置であって、1つのチャンバーに、蒸着に使用される蒸着源とスパッタに使用されるターゲットが設けられ、有機EL表示装置の基板を移動させずに蒸着とスパッタを行うものである。
1つのチャンバーに、蒸着に使用される蒸着源とスパッタに使用されるターゲットが設けられ、有機EL表示装置の基板を移動させずに蒸着とスパッタを行うため、有機EL表示装置の製造装置を小型化することができる。また有機EL表示装置の基板を移動させないため、基板が外気や不純物となる気体に触れてしまうことがなく特性の高い有機EL素子を形成することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、上記の有機EL表示装置が、トップ・エミッション方式であるものである。
トップ・エミッション方式の有機EL表示装置では、電子輸送層、電子注入層等の有機EL層を成膜した後に透明電極を成膜するため、上記の有機EL表示装置の製造装置を使用することにより有機EL層の劣化を防止して、特性の高い有機EL表示装置を製造することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、蒸着源とターゲットの両方にシャッターが設けられているものである。
蒸着源とターゲットの両方にシャッターが設けられているため、例えば蒸着の際には、蒸着源のシャッターを開放し、ターゲットのシャッターを閉鎖するようにすれば、蒸着物質とスパッタの物質が混ざることがなく、特性の高い有機EL素子を形成することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、上記の蒸着源が、抵抗加熱用蒸着源であるものである。
蒸着源として一般的な抵抗加熱用蒸着源を使用することにより、容易に蒸着を行うことができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、上記のターゲットが、対向ターゲットであるものである。
ターゲットとして対向ターゲットを使用することにより、スパッタの物質が有機EL表示装置の基板に直接的に衝突しないようにすることができ、特性の高い有機EL素子を形成することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、上記のチャンバーが、対向ターゲットを複数有するものである。
上記のように、スパッタの物質が有機EL表示装置の基板に直接的に衝突しないようにした場合、1つのターゲットからのスパッタのレートが遅くなるが、対向ターゲットを複数設けることにより、スパッタのレートを早くすることができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、上記のターゲットが、スパッタの際に発生する紫外線が基板に直接当たらない向きに設けられているものである。
ターゲットを、スパッタの際に発生する紫外線が基板に直接当たらない向きに設けることにより、紫外線による有機EL層の劣化を防止することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、上記のスパッタに用いる放電ガスが、クリプトン又はキセノンであるものである。
透明電極膜の代表であるITO(Indium Tin Oxide)の主成分であるインジウムとのエネルギー伝達係数が、アルゴンよりも大きいクリプトン又はキセノンを放電ガスとして用いることにより、高い運動エネルギーを持った反跳中性粒子(クリプトン又はキセノン)の有機EL層への衝突が抑制される。これにより有機EL層の劣化を防止することができる。
本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、有機EL層の一部又は全部を蒸着によって成膜し、有機EL素子の少なくとも1つの電極をスパッタによって成膜する有機EL表示装置の製造方法であって、蒸着に使用する蒸着源とスパッタに使用するターゲットが設けられた1つのチャンバーで、有機EL表示装置の基板を移動せずに蒸着とスパッタを行うものである。
蒸着に使用する蒸着源とスパッタに使用するターゲットが設けられた1つのチャンバーで、有機EL表示装置の基板を移動せずに蒸着とスパッタを行うため、有機EL表示装置の製造装置を小型化することができる。また、基板が外気や不純物となる気体に触れてしまうことがないので、特性の高い有機EL素子を形成することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記の有機EL表示装置が、トップ・エミッション方式であるものである。
トップ・エミッション方式の有機EL表示装置では、電子輸送層、電子注入層等の有機EL層を成膜した後に透明電極を成膜するため、上記の有機EL表示装置の製造方法を用いることにより有機EL層の劣化を防止して、特性の高い有機EL表示装置を製造することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、蒸着源とターゲットの両方にシャッターが設けられており、蒸着を行う際にターゲットのシャッターを閉鎖し、スパッタを行う際に蒸着源のシャッターを閉鎖するものである。
蒸着源とターゲットの両方にシャッターが設けられており、蒸着の際には、蒸着源のシャッターを開放し、ターゲットのシャッターを閉鎖するようにし、スパッタの際には蒸着源のシャッターを閉鎖し、ターゲットのシャッターを開放するようにすれば、蒸着物質とスパッタの物質が混ざることがなく、特性の高い有機EL素子を形成することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記の蒸着源が、抵抗加熱用蒸着源であるものである。
蒸着源として一般的な抵抗加熱用蒸着源を使用することにより、容易に蒸着を行うことができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記のターゲットが、対向ターゲットであるものである。
ターゲットとして対向ターゲットを使用することにより、スパッタの物質が有機EL表示装置の基板に直接的に衝突しないようにすることができ、特性の高い有機EL素子を形成することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記のチャンバーが、対向ターゲットを複数有するものである。
上記のように、スパッタの物質が有機EL表示装置の基板に直接的に衝突しないようにした場合、1つのターゲットからのスパッタのレートが遅くなるが、対向ターゲットを複数設けることにより、スパッタのレートを早くすることができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記のターゲットが、スパッタの際に発生する紫外線が基板に直接当たらない向きに設けられているものである。
ターゲットを、スパッタの際に発生する紫外線が基板に直接当たらない向きに設けることにより、紫外線による有機EL層の劣化を防止することができる。
また本発明に係る有機EL表示装置の製造方法は、上記のスパッタに用いる放電ガスが、クリプトン又はキセノンであるものである。
透明電極膜の代表であるITO(Indium Tin Oxide)の主成分であるインジウムとのエネルギー伝達係数が、アルゴンよりも大きいクリプトン又はキセノンを放電ガスとして用いることにより、高い運動エネルギーを持った反跳中性粒子(クリプトン又はキセノン)の有機EL層への衝突が抑制される。これにより有機EL層の劣化を防止することができる。
本発明に係る有機EL表示装置は、上記のいずれかの有機EL表示装置の製造装置で製造されたものである。
1つのチャンバーに、蒸着に使用される蒸着源とスパッタに使用されるターゲットが設けられた有機EL表示装置の製造装置によって製造されているため、製造中に基板が外気や不純物となる気体に触れてしまうことがなく特性の高い有機EL素子を形成することができ、高画質の有機EL表示装置を得ることができる。
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1に係る有機EL表示装置の製造装置を示した縦断面模式図である。なお図1では、有機EL表示装置の製造装置のチャンバー1の内部のみを示しており、蒸着源やスパッタに使用されるターゲットの温度制御装置等は示していない。なお、これらの温度制御装置、電源、その他の制御装置は、チャンバー1の外部に設けられているものとする。また図1では、蒸着及びスパッタを行っておらず、蒸着源及びターゲットのシャッターが閉鎖されている状態を示している。
本実施形態1に係る有機EL表示装置の製造装置のチャンバー1の内部には、被蒸着物である基板2が基板保持手段2aによって保持されている。この基板2は、例えば所定の処理が施された無アルカリガラスからなり、以下に示す有機EL層や電極等が形成されることにより有機EL表示装置となる。なお基板2は、例えば、所定の処理を施された状態で導入装置(図示せず)によりチャンバー1の内部の上方に入れられて、蒸着やスパッタ等が終了した後にチャンバー1の外部に取り出される。なお、蒸着やスパッタの際の有機EL層等の膜圧のバラツキを抑制するために、基板保持手段2aに基板回転機構(図示せず)を設けてもよい。
また、有機EL表示装置の製造装置のチャンバー1の内部には、基板2に有機EL層(後に詳述)を蒸着するのに使用される蒸着源3が、1又は複数設けられている。本実施形態1では、蒸着源3として、抵抗加熱用蒸着源を使用している。なお蒸着源3として、抵抗加熱用蒸着源以外の蒸着源を使用してもよい。また図1では、例として、るつぼ型の蒸着源3を示しているがこれ以外の形状の蒸着源を使用してもよい。なお、図1では蒸着源3がチャンバー1の下部に1つ設けられたものを示しているが、後に示す有機EL表示装置の電子注入層等は2つの蒸着物質の共蒸着により形成するため、蒸着源3は一般的に2つ以上設けられる。
さらにチャンバー1の内部には、基板2に透明陰極等の電極をスパッタにより成膜するために使用されるターゲット4が設けられている。本実施形態1では、チャンバー1の内部にターゲット4として、2枚の平板ターゲットが略平行に配置されている対向ターゲットを2組設けている。またこの対向ターゲットからなるターゲット4は、それぞれの平板ターゲット(計4枚)の垂線の方向と基板2の垂線の方向が平行にならないように斜めに配置されている。なお、このターゲット4は必ずしも対向ターゲットでなくてもよく、また対向ターゲットを1組又は3組以上設けるようにしてもよい。
また蒸着源3にはシャッター5が設けられており、略平行な2枚のターゲット4(対向ターゲット)の1組ごとにもシャッター6が設けられている。シャッター5及びシャッター6は、例えば蒸着の際に、蒸着物質とスパッタの物質が混在したり、ターゲット4に蒸着物質が付着したりするのを防止するために設けられている。さらに本実施形態1では、基板2を保護するためのシャッター7が設けられており、基板2に不要な物質が付着するのを防止するようになっている。なおこのシャッター7は、必ずしも設ける必要はない。
またチャンバー1のターゲット4付近には、ガス導入口8が設けられている。このガス導入口8は、例えばスパッタの放電ガスとして用いるクリプトン又はキセノン(イオン化していない)を放出できるようになっており、スパッタを行う際にスパッタの物質が基板2の方向へ飛びやすくできるようになっている。
さらに、チャンバー1の下部中央には排気口9が設けられており、蒸着及びスパッタの際にチャンバー1の内部の気体を吸引するようになっている。なお図1では、排気口9が蒸着源3の下部に設けられているが、排気口9と蒸着源3は、例えば紙面奥側と紙面手前側に位置がずれているものとする。
図2は、本発明の実施形態1に係る有機EL表示装置の製造装置で製造された有機EL表示装置の有機EL素子を示した縦断面模式図である。なお図2では、有機EL表示装置の1つの有機EL素子(例えば、1つの赤色画素)を示しており、実際の有機EL表示装置では、赤色、緑色、青色等の有機EL素子が多数形成されているものとする。
本実施形態1に係る有機EL表示装置の有機EL素子は、無アルカリガラス等からなるガラス基板10の一方の表面に、陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16、陰極17を積層して形成されている。なお、本発明で有機EL層とは、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16をいうものとする。また本発明で電極とは、陽極11、陰極17をいうものとし、有機EL素子とは有機EL層及び電極を合わせたものをいうものとする。
ここで本実施形態1の図1に示す有機EL表示装置の製造装置で、図2に示すような有機EL素子を有する有機EL表示装置を製造する際の製造工程を説明する。
まず、図1の有機EL表示装置の製造装置以外のスパッタ装置(図示せず)でガラス基板10の表面に陽極11を成膜する。その後、図1の有機EL表示装置の製造装置以外の蒸着装置(図示せず)で、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14を蒸着によって成膜する。なお、正孔輸送層13は必ずしも設ける必要はない。また、発光層14の成膜は一般的に、蒸着マスクを用いて有機EL素子ごとに形成することが多い。
そして、陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14が形成されたガラス基板10を、図1に示す有機EL表示装置の製造装置に搬入し、電子輸送層15、電子注入層16を蒸着により成膜し、陰極17をスパッタにより成膜する。なおこの場合、図1に示す基板2とは、陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14が形成されたガラス基板10をいうものとする。
図1に示す有機EL表示装置の製造装置で電子輸送層15、電子注入層16を成膜する場合には、蒸着源3のシャッター5及びシャッター7を開放して、蒸着源3で蒸着物質を加熱することにより蒸着を行う。なお、この蒸着を行う際にはターゲット4のシャッター6は閉鎖するようにする。また排気口9からチャンバー1の内部の気体を吸引して真空に近い状態にする。なお、蒸着の際にはガス導入口8は使用しない。
このとき、一般的に電子注入層16は2つの蒸着物質の共蒸着によって成膜するため、蒸着源3は2つ以上設ける必要がある。なお、電子輸送層15及び電子注入層16の膜圧を測定するために、チャンバー1の内部に水晶振動子等を設けてもよい。また、蒸着源3の温度調節は電流制御で行うことができる。
図3は、スパッタで陰極17を成膜しているときの有機EL表示装置の製造装置を示した縦断面模式図である。なお図3に示す有機EL表示装置は、図1に示すものと同じものである。また図3では、図1と同様に、有機EL表示装置の製造装置のチャンバー1の内部のみを示しており、蒸着源やスパッタに使用されるターゲットの温度制御装置等は示していない。
図3に示す有機EL表示装置の製造装置で陰極17を成膜する場合には、ターゲット4のシャッター6及びシャッター7を開放して、2枚のターゲット4からなる対向ターゲットの間にプラズマを発生させて、ターゲットからスパッタの物質をはじき出すことによってスパッタを行う。なお、この蒸着を行う際には蒸着源3のシャッター5は閉鎖するようにする。また排気口9からチャンバー1の内部の気体を吸引して真空に近い状態にする。
なおスパッタの際には、図3の矢印(実線)で示すように、ガス導入口8からクリプトン又はキセノン等の気体を放出するようにし、ITO(Indium Tin Oxide)等のスパッタの物質が基板2の方向(図3の破線の矢印の方向)に飛ぶようにする。
ここでプラズマを発生させるために、2枚のターゲット4からなる対向ターゲットの間に放電ガスとしてクリプトン又はキセノンを供給する。なお、クリプトン又はキセノンの供給は、例えば対向ターゲット付近に設けられた放電ガス供給装置(図示せず)で行う。
対向ターゲットに供給されたクリプトン又はキセノンは、電圧のかかった対向ターゲットによってプラズマ化されて、ITO等からなるターゲット4からスパッタの物質(ITO等)をはじき出す。透明電極膜の代表であるITOの主成分であるインジウムとのエネルギー伝達係数が、アルゴンよりも大きいクリプトン又はキセノンを放電ガスとして用いることにより、高い運動エネルギーを持った反跳中性粒子(クリプトン又はキセノン)の有機EL層への衝突が抑制される。これにより、有機EL層の劣化を防止することができる。
また、対向ターゲットからなるターゲット4は、図3に示すように基板2に対して斜め向きに設けられているため、ターゲット4から出た紫外線が直接当たらないようになっている。さらに、対向ターゲットからなるターゲット4が、基板2に対して斜め向きに設けられており、ガス導入口から気体を放出することによりスパッタの物質の飛ぶ向きを変えて基板2にスパッタを行うため、スパッタの物質が基板2に直接的に当たらず、有機EL層が劣化するのを防止することができる。
またクリプトン及びキセノンは、アルゴンに比べて質量が大きいため基板2に到達したときに速度が減少するため、有機EL層に対するダメージが少なくなる。
なお本実施形態1に係る有機EL表示装置の製造装置は、特にトップ・エミッション方式の有機EL表示装置の製造に適している。トップ・エミッション方式の有機EL表示装置は、発光層14から陰極17側に光を出射するので陰極17は透明電極である必要がある。この透明電極は、例えばITOからなるターゲット4でスパッタを行うことにより成膜するが、スパッタの際にITOが基板2に衝突する際の衝撃、紫外線、熱等により先に成膜された電子注入層16等の有機EL層が劣化してしまう。しかし、上記のように本実施形態1の有機EL表示装置の製造装置は、ITOの衝撃、紫外線による有機EL層の劣化を抑制しているため、特にトップ・エミッション方式の有機EL表示装置を製造するのに適したものである。
また、図1に示す有機EL表示装置の製造装置では、電子輸送層15、電子注入層16、陰極17を1つのチャンバー内で基板2を移動させずに成膜できるため、基板2が外気や不純物に触れてしまうことがなく、電子注入層16等の有機EL層の劣化を抑制することができる。
図4及び図5は、本実施形態1の有機EL表示装置の製造装置で製造された有機EL表示装置と従来の有機EL表示装置(例えば、特許文献1参照)で製造された有機EL表示装置の特性を比較した図である。図4は、I−V特性(電流−電圧特性)を比較したものであり、図5は、L−I特性(輝度−電流特性)を比較したものである。なお実線は本実施形態1のものであり、破線は従来のものを示している。また本実施形態1の有機EL表示装置のデータは、上記の陰極17を成膜した後に、ガラス基板10に封止ガラス(図示せず)を接着する等の処理を行って、最終的に完成した状態の有機EL表示装置についてのものである。
図4に示すように本実施形態1の有機EL表示装置は、従来のものよりも同じ電圧でより多くの電流密度が得られており、電荷の注入効率が向上していることが分かる。
また図5に示すように本実施形態1の有機EL表示装置は、従来のものよりも同じ電流密度でより高い輝度が得られており、発光効率が向上していることが分かる。
本実施形態1では、1つのチャンバー1に、蒸着に使用される蒸着源3とスパッタに使用されるターゲット4が設けられ、有機EL表示装置の基板2を移動させずに蒸着とスパッタを行うため、有機EL表示装置の製造装置を小型化することができる。また有機EL表示装置の基板2を移動させないため、基板2が外気や不純物となる気体に触れてしまうことがなく特性の高い有機EL素子を形成することができる。
なお本実施形態1では、陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14を図1に示す有機EL表示装置以外の装置で形成するようにしているが、例えばチャンバー1の内部に発光層14の成膜の際に使用する蒸着マスクを移動可能に設けるようにして、これらの電極及び有機EL層を図1に示す有機EL表示装置で形成するようにしてもよい。
本発明に係る有機EL表示装置の製造装置は、例えば、蒸着の後にスパッタを行う工程を有する電子機器や、紫外線に弱い基板にスパッタを行う場合などに応用することができる。
実施形態1に係る有機EL表示装置の製造装置を示した縦断面模式図。 実施形態1に係る有機EL表示装置の有機EL素子を示した縦断面模式図。 陰極を成膜中の有機EL表示装置の製造装置を示した縦断面模式図。 実施形態1の有機EL表示装置と従来の有機EL表示装置のI−V特性を比較した図。 実施形態1の有機EL表示装置と従来の有機EL表示装置のL−I特性を比較した図。
符号の説明
1 チャンバー、2 基板、2a 基板保持手段、3 蒸着源、4 ターゲット、5
シャッター、6 シャッター、7 シャッター、8 ガス導入口、9 排気口、10 ガラス基板、11 陽極、12 正孔注入層、13 正孔輸送層、14 発光層、15 電子輸送層、16 電子注入層、17 陰極。

Claims (17)

  1. 有機EL層の一部又は全部を蒸着によって成膜し、有機EL素子の少なくとも1つの電極をスパッタによって成膜する有機EL表示装置の製造装置であって、
    1つのチャンバーに、前記蒸着に使用される蒸着源と前記スパッタに使用されるターゲットが設けられ、有機EL表示装置の基板を移動させずに前記蒸着と前記スパッタを行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造装置。
  2. 前記有機EL表示装置は、トップ・エミッション方式であることを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装置の製造装置。
  3. 前記蒸着源と前記ターゲットの両方にシャッターが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の有機EL表示装置の製造装置。
  4. 前記蒸着源は、抵抗加熱用蒸着源であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造装置。
  5. 前記ターゲットは、対向ターゲットであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造装置。
  6. 前記チャンバーは、前記対向ターゲットを複数有することを特徴とする請求項5記載の有機EL表示装置の製造装置。
  7. 前記ターゲットは、スパッタの際に発生する紫外線が前記基板に直接当たらない向きに設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造装置。
  8. 前記スパッタに用いる放電ガスは、クリプトン又はキセノンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造装置。
  9. 有機EL層の一部又は全部を蒸着によって成膜し、有機EL素子の少なくとも1つの電極をスパッタによって成膜する有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記蒸着に使用する蒸着源と前記スパッタに使用するターゲットが設けられた1つのチャンバーで、有機EL表示装置の基板を移動せずに前記蒸着と前記スパッタを行うことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  10. 前記有機EL表示装置は、トップ・エミッション方式であることを特徴とする請求項9記載の有機EL表示装置の製造方法。
  11. 前記蒸着源と前記ターゲットの両方にシャッターが設けられており、前記蒸着を行う際にターゲットのシャッターを閉鎖し、前記スパッタを行う際に蒸着源のシャッターを閉鎖することを特徴とする請求項9又は10記載の有機EL表示装置の製造方法。
  12. 前記蒸着源は、抵抗加熱用蒸着源であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法。
  13. 前記ターゲットは、対向ターゲットであることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法。
  14. 前記チャンバーは、前記対向ターゲットを複数有することを特徴とする請求項13記載の有機EL表示装置の製造方法。
  15. 前記ターゲットは、スパッタの際に発生する紫外線が前記基板に直接当たらない向きに設けられていることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法。
  16. 前記スパッタに用いる放電ガスは、クリプトン又はキセノンであることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法。
  17. 請求項1〜8のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造装置で製造されたことを特徴とする有機EL表示装置。
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