JP2005216593A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】高精細化してもアドレス動作時の放電遅れを短くして放電特性を安定化させるとともに、安定したアドレス放電およびプライミング放電を実現し、画像表示品質に優れたプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】走査電極6および維持電極7とデータ電極10とで形成される複数の主放電セル15と、走査電極6とプライミング電極12とで形成される複数のプライミング放電セル16とを区画するように形成した隔壁13とを有し、プライミング電極12を覆って非脱泡型の1層目第2誘電体層41と脱泡型の2層目第2誘電体層42とを有する多層構造の第2誘電体層20を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルに関する。
AC型として代表的な交流面放電型プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、面放電を行う走査電極および維持電極を配列して形成したガラス基板からなる前面板と、データ電極を配列して形成したガラス基板からなる背面板とにより構成されている。走査電極および維持電極とデータ電極とがマトリックスを組むように、しかも間隙に放電空間を形成するように対向配置し、その外周部をガラスフリットなどの封着材によって封着している(例えば、特許文献1)。前面板と背面板との間には、隔壁によって区画された放電セルが設けられ、この隔壁間の放電セルに蛍光体層を形成している。このような構成のPDPにおいては、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でR、G、Bの各色の蛍光体を励起して発光させることによりカラー表示を行っている。
PDPは、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって駆動し階調表示を行う。各サブフィールドは少なくとも初期化期間、アドレス期間および維持期間からなり、画像データを表示するためには、初期化期間、アドレス期間および維持期間でそれぞれ異なる信号波形を各電極に印加している。
初期化期間には、例えば、正のパルス電圧をすべての走査電極に印加し、走査電極および維持電極を覆う誘電体層上の保護膜および蛍光体層上に必要な壁電荷を蓄積する。
アドレス期間では、すべての走査電極に、順次負の走査パルスを印加することにより走査し、表示データがある場合、走査電極を走査している間に、データ電極に正のデータパルスを印加すると、走査電極とデータ電極との間で放電が起こり、走査電極上の保護膜の表面に壁電荷が形成される。
続く維持期間では、一定の期間、走査電極と維持電極との間に放電を維持するのに十分な電圧を印加する。これにより、走査電極と維持電極との間に放電プラズマが生成され、一定の期間、蛍光体層を励起発光させる。アドレス期間においてデータパルスが印加されなかった放電空間では、放電は発生せず蛍光体層の励起発光は起こらない。
このようなPDPでは、アドレス期間の放電に大きな放電遅れが発生し、アドレス動作が不安定になる、あるいはアドレス動作を完全に行うためにアドレス時間を長く設定しアドレス期間に費やす時間が大きくなりすぎるといった課題があった。これらの課題を解決するために、前面板に補助放電電極を設け前面板側の面内補助放電によって生じたプライミング放電によって放電遅れを小さくするPDPとその駆動方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2001−195990号公報 特開2002−297091号公報
しかしながら、このようなPDPにおいて、高精細化して走査電極数が増えたときには、さらにアドレス期間に費やす時間が長くなるため、維持期間に費やす時間を減らさなければならず、輝度の確保が難しいという課題が生じる。さらに、高輝度・高効率化を達成するために、放電ガスであるキセノン(Xe)分圧を上げた場合、放電開始電圧が上昇するとともに放電遅れが大きくなり、アドレス特性が悪化してしまうという課題が生じる。
このような高精細化した場合でもアドレス期間を短縮する要求に対し、従来の前面板の面内でプライミング放電を行うPDPは、アドレス時の放電遅れを十分に短縮できない、あるいはプライミング放電の動作マージンが小さい、誤放電を誘発して動作が不安定であるなどの課題があった。また、プライミング放電が前面板の面内で行われるために隣接する放電セルへプライミングに必要な粒子以上のプライミング粒子が供給されてクロストークを生じるなどの課題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、アドレス動作時の放電遅れを短くすることで、表示画像の品質が優れたPDPを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のPDPは、第1の基板上に互いに平行となるように配置された走査電極および維持電極と、第1の基板に放電空間を挟んで対向配置される第2の基板上に走査電極および維持電極と交差する方向に配置したデータ電極と、データ電極を覆う第1誘電体層と、第1誘電体層上に設け走査電極および維持電極と平行に配置した複数の銀(Ag)材料によるプライミング電極と、プライミング電極を覆う第2誘電体層と、走査電極および維持電極とデータ電極とで形成される複数の主放電セルと、走査電極とプライミング電極とで形成される複数のプライミング放電セルとを区画する隔壁とを有し、第2誘電体層は、少なくとも2層で構成され、第2誘電体層の最下層を軟化点温度520℃以上620℃以下の前駆体材料で形成し、他の層の少なくとも1層は、軟化点温度420℃以上520℃以下の前駆体材料で形成する構成である。
このような構成によれば、アドレス動作時の放電遅れを短くして放電特性を安定化させ、さらにプライミング電極と放電空間との絶縁性を確保してプライミング放電を安定化させ、表示画像の品質が優れたPDPを実現できる。
さらに、第2誘電体層の最表層をプライミング放電セル内のみに設けてもよい。このような構成によれば、プライミング電極と放電空間との絶縁性を確保してプライミング放電を安定化させるとともに、さらにアドレス電圧を低くできる。
さらに、第2誘電体層は、520℃以上620℃以下で焼成して形成した構成であってもよい。このような構成によっても、プライミング電極と放電空間との絶縁性を確保してプライミング放電を安定化させることができる。
本発明のPDPによれば、プライミング放電を安定して発生させることで、高精細のPDPにおいてもアドレス動作時の放電遅れを短くすることが可能となる。そして、PDPの表示画像の品質を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるPDPを示す断面図、図2は背面板の構造を示す斜視図である。図1に示すように、PDPは第1の基板であるガラス製の前面基板1などよりなる前面板50と、第2の基板である背面基板2などよりなる背面板60とが放電空間3を挟んで対向して配置され、その外周部をガラスフリット40などの封着材によって封着している。放電空間3には放電によって紫外線を放射する放電ガスとして、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などが封入されている。
前面板50の前面基板1上には、走査電極6と維持電極7とで対をなす帯状の電極群が互いに平行となるように配置されている。走査電極6および維持電極7は、それぞれ透明電極6a、7aと、この透明電極6a、7a上に重なるように形成され、かつ導電性を高めるための銀(Ag)などからなる金属母線6b、7bとから構成されている。また、走査電極6と維持電極7とは、走査電極6−走査電極6−維持電極7−維持電極7・・・となるように2本ずつ交互に配列されている。隣り合う2つの維持電極7の間と走査電極6の間には、発光時のコントラストを高めるための黒色材料などからなる光吸収層8が設けられている。走査電極6同士が隣り合う光吸収層8上にはどちらかの走査電極6から金属母線6bが延長されて補助電極9が設けられている。これらの走査電極6、維持電極7、光吸収層8を覆うように、鉛−ホウ素(Pb−B)系ガラスなどからなる前面板誘電体層4が形成され、さらにその上に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層5が形成されている。
また、図1および図2に示すように、背面板60の背面基板2上には、走査電極6および維持電極7と直交する方向に、複数の帯状のデータ電極10が互いに平行に配列され、データ電極10を覆うように第1誘電体層となる下地誘電体層11が設けられている。下地誘電体層11上には、前面基板1に設けられた補助電極9と対応する位置に、走査電極6および維持電極7と平行なプライミング電極12が設けられている。プライミング電極12は、加工性に優れかつ導電性にも優れた銀(Ag)を含む材料から形成されている。さらにプライミング電極12を覆って第2誘電体層20が設けられている。第2誘電体層20は、最下層である1層目第2誘電体層41および最表層である2層目第2誘電体層42の少なくとも2層を有する多層構造である。
また、2層目第2誘電体層42上には、走査電極6および維持電極7とデータ電極10とで形成される複数の放電セルを区画するための隔壁13が形成されている。隔壁13は、前面基板1に設けられた走査電極6および維持電極7と直交する方向、すなわちデータ電極10と平行な方向に延びる縦隔壁13bと、この縦隔壁13bに交差するように設けた横隔壁13aとで構成されている。
そして、走査電極6、維持電極7とデータ電極10とで放電を行う複数の主放電セル15と、補助電極9とプライミング電極12とで放電を行う複数のプライミング放電セル16とが形成されている。また前面板50の隣り合う維持電極7に対応する背面基板2側には隙間部17が形成されている。したがって、主放電セル15は、横隔壁13aとこの横隔壁13aに交差するように設けられた縦隔壁13bとにより格子状に形成されている。
また、図1に示すように、主放電セル15には蛍光体層19がそれぞれの隔壁13側面と2層目第2誘電体層42上に形成されている。蛍光体層19は背面板60に設けられたそれぞれのデータ電極10に対応して、紫外線によって赤色、青色、緑色に発光する蛍光体層19が交互に形成されている。すなわち、同一データ電極10上に設けられた主放電セル15には同一色の蛍光体層19が形成されている。
次に、PDPに画像データを表示させる方法について説明する。PDPを駆動する方法としては、1フィールド期間を発光期間の重みを持った複数のサブフィールドに分割し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行っている。各サブフィールドは少なくとも初期化期間、アドレス期間および維持期間を有する。
図3は、本発明の第1の実施の形態におけるPDPを駆動するための駆動波形の一例を示す波形図である。まず、初期化期間において、プライミング電極Pr(図1のプライミング電極12)が形成されたプライミング放電セル(図1のプライミング放電セル16)では、正のパルス電圧をすべての走査電極Y(図1の走査電極6)に印加し、走査電極Yとプライミング電極Prとの間で初期化が行われる。次のアドレス期間においては、プライミング電極Prには正の電位が常に印加される。このため、走査電極Ynに走査パルスSPnが印加されたとき、プライミング電極Prと走査電極Ynとの間でプライミング放電が発生し、主放電セル(図1の主放電セル15)にプライミング粒子が供給される。次に、n+1番目の主放電セルの走査電極Yn+1に走査パルスSPn+1が印加されるが、このときには既にプライミング放電が起こり、プライミング粒子が供給されているため、次のアドレス動作時の放電(アドレス放電)の遅れを小さくできる。なお、ここでは、ある1フィールドの駆動シーケンスのみの説明を行ったが、他のサブフィールドにおける動作原理も同様である。
図3に示す駆動波形において、アドレス期間にプライミング電極Prへ正の電圧を印加することによって、上述した動作をより確実に起こすことができる。なお、アドレス期間にプライミング電極Prへ印加する電圧は、データ電極D(図1のデータ電極10)に印加するデータ電圧値よりも大きな値に設定するのが望ましい。
このように、データ電極10とプライミング電極12とは下地誘電体層11によって絶縁を確保し、プライミング放電とアドレス放電とをお互いに影響を受けずに安定して発生させることができる。
また、プライミング電極12を下地誘電体層11上に設け、主放電セル15の放電空間の高さよりもプライミング放電セル16の放電空間の高さを小さくしている。そのため、走査電極6に対応する主放電セル15におけるプライミング放電を、アドレス放電の前に確実に安定して発生させることができ、主放電セル15でのアドレス放電の遅れをさらに小さくすることができる。
また、プライミング放電をプライミング放電セル16のみで発生させているため、プライミングに必要なプライミング粒子のみを供給して隣接する放電セルのクロストークを抑制できる。
また、プライミング放電は、走査電極6とプライミング電極12との間でのみ発生させることになり、プライミング電極12と維持電極7との誤放電を抑制することができる。
一方、このようなプライミング放電を用いてアドレス動作を安定化させる場合、プライミング放電そのものを安定的に形成することが重要である。例えば、プライミング電極12上の第2誘電体層20に絶縁破壊が生じると、絶縁破壊した部分で強い異常プライミング放電を発生し、主放電セル15における誤放電を誘引する。この誤放電は数セルの範囲に及ぶため、表示画面において巨大な輝点として観察され、PDPの表示画像の品質を著しく低下させる。
誘電体層は一般的に、誘電体層の前駆体材料としての低融点ガラス材料の粉末、結着樹脂および溶剤を含有するペースト状の誘電体材料をスクリーン印刷などによって塗布する塗布工程、塗布された誘電体材料を乾燥して誘電体層の前駆体層を形成する乾燥工程、その後、これを焼成することで誘電体層を形成する焼成工程により形成される。
そして、このように形成された誘電体層の絶縁耐圧の性能は、焼成後の膜質によって決定される。例えば、焼成過程において、内包するガスや異物によって誘電体層内に気泡が発生することがある。このとき、焼成過程において誘電体材料が十分に軟化および溶融せず発生した気泡を誘電体層内に包含したままのいわゆる非脱泡型の誘電体層では、発生した気泡によって膜厚方向に連続した空隙を生じることがある。この連続した空隙は誘電体層の絶縁耐圧の性能を劣化させる。
一方、焼成時に誘電体材料を十分に軟化および溶融させ、発生する気泡を十分に脱泡し誘電体層内に気泡を包含させない、いわゆる脱泡型の誘電体層では、膜厚方向に連続した空隙を生じることがないので、十分に高い絶縁耐圧の性能を得ることができる。しかし、この脱泡型の誘電体層では前駆体材料が十分に軟化および溶融しているため、焼成時の熱によって誘電体層内に対流が発生する。例えば、銀(Ag)を含む材料からなる電極を脱泡型の誘電体層が覆っているような場合には、焼成時の熱により電極から溶け出した銀(Ag)コロイドなどが対流によって誘電体層内に拡散し、誘電体層の黄変や、誘電体層の絶縁耐圧の性能の劣化を引き起こすことがある。また、対流が大きい場合には、電極が浮いたり、剥がれたりするような不具合も生じうる。
そこで、本発明の第1の実施の形態では、プライミング放電を安定して発生させることを目的に、プライミング電極12上に多層構造の第2誘電体層20を形成する。第2誘電体層20は最下層の1層目第2誘電体層41と最表層の2層目第2誘電体層42とを有しており、1層目第2誘電体層41は、軟化点温度520℃以上620℃以下の軟化点温度を有する前駆体材料を、焼成温度520℃以上620℃以下、好ましくは520℃以上590℃以下で焼成することで、非脱泡型の誘電体層として形成する。また、2層目第2誘電体層42は、軟化点温度420℃以上520℃以下の軟化点温度を有する前駆体材料を、焼成温度520℃以上620℃以下、好ましくは520℃以上590℃以下で焼成することで、脱泡型の誘電体層として形成する。
このように、1層目第2誘電体層41を非脱泡型の誘電体層として形成することで、プライミング電極12と直に接する誘電体層が非脱泡型となる。このように構成することで、1層目第2誘電体層41では、焼成過程において層内の気泡が脱泡されず残ってしまうが、焼成時の熱による層内の対流も発生しないかまたは発生したとしても非常に弱い対流であるので、上述したような対流による銀(Ag)コロイドなどの拡散やプライミング電極12の剥がれの発生を抑えることができる。また、2層目第2誘電体層42を脱泡型の誘電体層として形成することで、たとえ1層目第2誘電体層41内に気泡が包含されていたとしても、層内に気泡を包含しない2層目第2誘電体層42が1層目第2誘電体層41上にあるので、膜厚方向に連続した空隙が発生する確率が非常に低くなり、第2誘電体層20としての絶縁耐圧の性能を向上させることができる。
このように、本発明の第1の実施の形態では、第2誘電体層20を非脱泡型の1層目第2誘電体層41と脱泡型の2層目第2誘電体層42との少なくとも2層構造で形成することにより、プライミング電極12と放電空間との絶縁耐圧の性能を向上させ、プライミング放電の安定放電を実現して画像表示品質に優れたPDPを提供することができる。
なお、図1に示す実施の形態では第2誘電体層20を2層構造としているが、特に2層に限らず、多層構造とし、最下層を非脱泡型の誘電体層として形成し、他の層の少なくとも1層を脱泡型の誘電体層として形成する構成であってもよい。このように多層構造とすることによって、さらに第2誘電体層20の絶縁耐圧の性能を向上させることが可能である。
なお、第2誘電体層20の材料としては、(ZnO−B23−SiO2)系の混合物、(PbO−B23−SiO2)系の混合物、(PbO−B23−SiO2−Al23)系の混合物、(PbO−ZnO−B23−SiO2)系の混合物、(Bi23−B23−SiO2)系の混合物などが用いられる。本発明の実施の形態では、前駆体材料に(PbO−B23−SiO2)系の混合物を用いており、これらはペースト状にされた後、塗布される。また、軟化点温度は主としてPbOの含有量を増減させることで適宜設定が可能である。
ここで、上述のような非脱泡型の1層目第2誘電体層41の前駆体材料としては、例えば、(PbO−B23−SiO2)系の混合物で、全体を100wt%として、PbO:45wt%〜65wt%−B23:10wt%〜30wt%−SiO2:10wt%〜30wt%の組成を有しており、添加物としてCaO:1wt%〜10wt%、Al23:0wt%〜3wt%を挙げることができる。
また、上述のような脱泡型の2層目第2誘電体層42の前駆体材料としては、例えば、(PbO−B23−SiO2)系の混合物で、全体を100wt%として、PbO:55wt%〜85wt%−B23:10wt%〜30wt%−SiO2:1wt%〜20wt%の組成を有しており、添加物としてCaO:1wt%〜10wt%、Al23:0wt%〜3wt%を挙げることができる。
また、2層目第2誘電体層42の層内を十分に脱泡するためには、焼成温度よりも約100℃低い軟化点温度を有する前駆体材料によって2層目第2誘電体層42を形成することが望ましい。
また、1層目第2誘電体層41と2層目第2誘電体層42とを同時焼成する構成であってもよい。
なお、ここでは鉛系の混合物を使用した例を示したが、特に鉛系の混合物に限らず、亜鉛系、ビスマス系の混合物材料の場合でも亜鉛やビスマスの含有量を増減することで軟化点温度を任意に設定することができる。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態におけるPDPのプライミング放電セル16領域の詳細を示す拡大断面図である。
図4に示すように、プライミング電極12上の第2誘電体層20は、1層目第2誘電体層41と2層目第2誘電体層42とで構成され、1層目第2誘電体層41の上に隔壁13が形成されている。そして、2層目第2誘電体層42は、隔壁13により区画されて形成されたプライミング放電セル16内に形成されている。すなわち、本発明の第2の実施の形態は、第2誘電体層20の最表層である2層目第2誘電体層42を、プライミング放電セル16内にのみ設けたことを特徴とするものである。このような構成によって、第1の実施の形態と同様に、プライミング電極12上の第2誘電体層20の絶縁耐圧の性能を向上させて、プライミング放電の安定放電を実現することができる。
さらに、本発明の第2の実施の形態によれば、主放電セル15において、データ電極10上の誘電体層を下地誘電体層11および1層目第2誘電体層41としているため、データ電極10上の誘電体層の総厚は第1の実施の形態に比べて薄くなる。このことにより、アドレス放電時におけるアドレス電圧を低減できる。
なお、プライミング放電セル16に2層目第2誘電体層42を形成する際の塗布方法は特に限定されるものではないが、プライミング放電セル16のような連続したスリット内にペーストを充填する方法として、ノズルからペーストを吐出させながらノズル走査する方法などが好適である。
また、以上においては、第2誘電体層20が2層でその最表層である2層目第2誘電体層42のみをプライミング放電セル16内に設けた構成を例示したが、これに限るものではない。すなわち、第2誘電体層20が多層である場合、主放電セル15のデータ電極10上には第2誘電体層20を構成する層の少なくとも1層を設け、それ以外の第2誘電体層20を構成する層は、プライミング放電セル16内に設けること、または、第2誘電体層20の少なくとも最表層は、プライミング放電セル16内のみに設けることによっても、上述と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図5は本発明の第3の実施の形態におけるPDPのプライミング放電セル16領域の詳細を示す拡大断面図である。
図5に示すように、プライミング電極12上の第2誘電体層20は、1層目第2誘電体層41と2層目第2誘電体層42とで構成され、下地誘電体層11の上に隔壁13が形成されている。そして、1層目第2誘電体層41および2層目第2誘電体層42は、隔壁13により区画されて形成されたプライミング放電セル16内に形成されている。すなわち、本発明の第3の実施の形態は、第2誘電体層20をプライミング放電セル16内のみに設けたことを特徴とするものである。
このような構成によって、第1の実施の形態と同様にプライミング電極12上の第2誘電体層20の絶縁耐圧の性能を向上させて、プライミング放電の安定放電を実現することができる。さらに、本発明の第3の実施の形態で特徴的であるのは、主放電セル15においては、データ電極10上の誘電体層として下地誘電体層11のみとしているため、アドレス放電の放電電圧上昇をさらに抑制して低電圧のアドレス放電を実現することができることである。
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、主放電セル15において、データ電極10上の誘電体層を下地誘電体層11のみとしているため、データ電極10上の誘電体層の総厚は第2の実施の形態に比べてさらに薄くなる。このことにより、アドレス放電時におけるアドレス電圧をさらに低減でき、低電圧でのアドレス放電を実現することができる。
ここで、上述した第2の実施の形態と同様、プライミング放電セル16に誘電体層を形成する際の塗布方法は特に限定されるものではないが、プライミング放電セル16のような連続したスリット内にペーストを充填する方法として、ノズルからペーストを吐出させながらノズル走査する方法などが好適である。
なお、以上の第1の実施の形態から第3の実施の形態では、脱泡型である2層目第2誘電体層がプライミング電極に接してさえいなければ、誘電体層内の対流によるプライミング電極の剥がれや銀(Ag)コロイドの拡散などの不具合が生じることはないので、1層目第2誘電体層の膜厚を2層目第2誘電体層がプライミング電極に接しない程度まで薄くする構成であってもかまわない。このような構成であっても、第2誘電体層としての総厚がプライミング電極と放電空間との絶縁耐圧の性能を十分確保するだけの膜厚でさえあれば、同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施の形態における2層目第2誘電体層や、第3の実施の形態における1層目第2誘電体層または2層目第2誘電体層を着色し、プライミング放電による発光を吸収することにより、画像表示の際のコントラストを向上させることも可能である。
本発明に係わるPDPは、高精細化してもアドレス動作時の放電遅れを短くして放電特性を安定化させ、さらにプライミング電極と放電空間との絶縁性を確保してアドレス放電およびプライミング放電を安定化させ、画像表示品質に優れ信頼性が高く、壁掛けテレビや大型モニターなどのディスプレイ装置として有用である。
本発明の第1の実施の形態におけるPDPを示す断面図 同PDPの背面板の構造を示す斜視図 同PDPを駆動するための駆動波形の一例を示す波形図 本発明の第2の実施の形態におけるPDPのプライミング放電セル領域の詳細を示す拡大断面図 本発明の第3の実施の形態におけるPDPのプライミング放電セル領域の詳細を示す拡大断面図
符号の説明
1 前面基板
2 背面基板
3 放電空間
4 前面板誘電体層
5 保護層
6 走査電極
6a,7a 透明電極
6b,7b 金属母線
7 維持電極
8 光吸収層
9 補助電極
10 データ電極
11 下地誘電体層
12 プライミング電極
13 隔壁
13a 横隔壁
13b 縦隔壁
15 主放電セル
16 プライミング放電セル
17 隙間部
19 蛍光体層
20 第2誘電体層
40 ガラスフリット
41 1層目第2誘電体層
42 2層目第2誘電体層
50 前面板
60 背面板

Claims (3)

  1. 第1の基板上に互いに平行となるように配置された走査電極および維持電極と、
    前記第1の基板に放電空間を挟んで対向配置される第2の基板上に前記走査電極および前記維持電極と交差する方向に配置したデータ電極と、
    前記データ電極を覆う第1誘電体層と、
    前記第1誘電体層上に設け前記走査電極および前記維持電極と平行に配置した複数の銀(Ag)材料によるプライミング電極と、
    前記プライミング電極を覆う第2誘電体層と、
    前記走査電極および前記維持電極と前記データ電極とで形成される複数の主放電セルと、前記走査電極と前記プライミング電極とで形成される複数のプライミング放電セルとを区画する隔壁とを有し、
    前記第2誘電体層は、少なくとも2層で構成され、
    前記第2誘電体層の最下層を軟化点温度520℃以上620℃以下の前駆体材料で形成し、他の層の少なくとも1層は、軟化点温度420℃以上520℃以下の前駆体材料で形成したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 第2誘電体層の最表層は、プライミング放電セル内のみに設けられたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 第2誘電体層は、520℃以上620℃以下で焼成して形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
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