ところで、クレジットカードには、クレジットカード上の磁気ストライプに磁気データとして情報が記録される他、エンボス加工された文字によって情報が記録されるが、クレジットカードの偽造工作としては、磁気データのみを書き換える場合が多い。これは、(a)エンボス加工を修正・加工するには、コストおよび手間がかかること、(b)クレジットカードの決済には磁気データを読み取る磁気読み取り装置が一般化しており、エンボス加工文字の読み取りが実行されない場合が多い(従来用いられていたインプリンタ(エンボス加工文字を複写することによってカード情報を読み取る装置)は、磁気読み取りが正常に行われなかった場合に補助的に利用される)等の理由に因るものである。
したがって、磁気読み取り装置とインプリンタの両方を用いてカード情報を読み取り、両データに基づいて与信照会を行ったり、オペレータが読み取った磁気データ(表示画面上に表示させたデータ)とエンボス加工文字とを目視によって照合するなどの対策により、偽造カードの使用を低減可能と考えられるが、処理に時間がかかりすぎてしまうことやオペレータの業務負荷が大きくなるため、実際上これらの対策の実現は困難である。
そこで、本発明は、オペレータへ負担をかけることなく、クレジットカードの不正使用を効果的且つ効率的に防止可能なクレジットカード処理制御方法、プログラム、クレジットカード処理装置、POS端末およびPOSシステムを提供することを目的とする。
本発明のクレジットカード処理制御方法は、クレジットカードの決済処理を行うクレジットカード処理制御方法であって、クレジットカード上の磁気ストライプからクレジットカードのカード番号を含む磁気ストライプ情報を読み取る磁気ストライプ情報読み取り工程と、クレジットカードのエンボス加工された面の画像を読み取るクレジットカード画像読み取り工程と、クレジットカード画像読み取り工程において読み取った画像データをOCR処理することにより、クレジットカードのカード番号を含むエンボス情報を抽出するエンボス情報抽出工程と、磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とエンボス情報に含まれるカード番号とを照合するカード番号照合工程と、カード番号照合工程における照合結果に基づき、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別するクレジットカード使用判別工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のクレジットカード処理装置は、クレジットカード上の磁気ストライプからクレジットカードのカード番号を含む磁気ストライプ情報を読み取る磁気ストライプ情報読み取り手段と、クレジットカードのエンボス加工された面の画像を読み取るクレジットカード画像読み取り手段と、クレジットカード画像読み取り手段によって読み取った画像データをOCR処理することにより、クレジットカードのカード番号を含むエンボス情報を抽出するエンボス情報抽出手段と、磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とエンボス情報に含まれるカード番号とを照合するカード番号照合手段と、カード番号照合手段による照合結果に基づき、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別するクレジットカード使用判別手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のPOS端末は、オペレータによる商品情報の入力に基づいて、クレジットカードを用いた会計処理を行うPOS端末において、クレジットカード上の磁気ストライプからクレジットカードのカード番号を含む磁気ストライプ情報を読み取る磁気ストライプ情報読み取り手段と、クレジットカードのエンボス加工された面の画像を読み取るクレジットカード画像読み取り手段と、クレジットカード画像読み取り手段によって読み取った画像データをOCR処理することにより、クレジットカードのカード番号を含むエンボス情報を抽出するエンボス情報抽出手段と、磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とエンボス情報に含まれるカード番号とを照合するカード番号照合手段と、カード番号照合手段による照合結果に基づき、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別するクレジットカード使用判別手段と、を備えたことを特徴とする。
これらの構成によれば、クレジットカードの画像データをOCR処理することによってカード番号を含むエンボス情報を抽出し、当該エンボス情報のカード番号と磁気ストライプ情報に含まれるカード番号との照合結果に基づいて、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別するため、例えば両カード番号が合致しない場合、クレジットカードの使用を禁止することができる。したがって、磁気データが書き換えられた偽造クレジットカードが使用されたような場合は、両カード番号が異なることが多いため、効果的に不正使用を防止することができる。また、オペレータが複数の装置を用いてクレジットカードのカード番号を読み取ったり、磁気ストライプ情報とエンボス加工文字とを視覚的に照合したりする必要がないため、オペレータへの負担が少ない。しかもクレジットカードの磁気データ読み取り、画像読み取りおよびOCR処理はいずれも短時間で処理可能であるため、作業効率が低下することがない。
この場合、クレジットカードを利用する顧客の身分証明書の画像を読み取る身分証明書画像読み取り工程をさらに備え、クレジットカード使用判別工程では、身分証明書の画像読み取りを条件として、クレジットカードの使用を許可することが好ましい。
また、この場合、クレジットカードを利用する顧客の身分証明書の画像を読み取る身分証明書画像読み取り手段をさらに備え、クレジットカード使用判別手段は、身分証明書画像読み取り手段が実行された場合、クレジットカードの使用を許可することが好ましい。
これらの構成によれば、身分証明書の画像読み取りが実行されない場合、すなわち顧客から身分証明書の提示が為されない場合は、クレジットカードの使用を禁止するため、クレジットカードの不正使用を未然に防ぐことができる。言い換えれば、クレジットカードを使用する場合、必ず身分証明書の提示が必要となるため、不正使用をし難い環境作りに役立てることができる。なお、身分証明書としては、運転免許証やパスポートなど、顔写真付きのものであることが好ましい。この構成によれば、不正使用が発覚した場合、有効な犯罪証明記録として顔写真を用いることができる。
この場合、カード番号照合工程における照合によって、磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とエンボス情報に含まれるカード番号との合致率を算出する合致率算出工程をさらに備え、クレジットカード使用判別工程では、算出した合致率がA%未満の場合(但し、0<A≦100)、クレジットカードの使用を禁止することが好ましい。
この構成によれば、クレジットカードの画像読み取り性能やOCRの認識精度によって、エンボス情報のカード番号と磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とが同じであっても一部異なるとの誤った照合結果が出てしまうような場合、合致率Aの値を例えば70や80など、100(完全一致の値)以下の値とすることで、対応することができる。
この場合、クレジットカード使用判別工程では、算出した合致率がA%以上B%未満の場合(但し、A<B≦100)、身分証明書の画像読み取りを条件としてクレジットカードの使用を許可すると共に、合致率がB%以上の場合、身分証明書の画像読み取りを必要とすることなくクレジットカードの使用を許可することが好ましい。
この構成によれば、合致率がA%以上B%未満の場合、すなわちクレジットカードの不正使用の危険性が高いと考えられる場合は身分証明書の画像読み取りを条件とし、合致率がB%以上の場合、すなわち不正使用の危険性が低い場合は、身分証明書の画像読み取りを必要としないため、不正使用を効果的に防止しつつ作業効率の低下を防ぐことができる。
この場合、クレジットカード使用判別工程での判別基準となる合致率Aおよび/または合致率Bの値を設定する基準値設定工程をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、各店舗のリスクや作業効率を考慮して、適切な合致率Aおよび/または合致率Bを設定することができる。なお、これらの基準値を下げるとクレジットカード不正使用の防止率も低下してしまうこととなるため、合致率Aは60〜80、合致率Bは80〜100程度に設定されることが好ましい。
これらの場合、磁気ストライプ情報またはエンボス情報には、クレジットカード名義人の氏名が含まれており、身分証明書画像読み取り工程において読み取った画像データをOCR処理することにより、身分証明書に記載された顧客の氏名を含む顧客情報を抽出する顧客情報抽出工程と、顧客情報に含まれる氏名と磁気ストライプ情報またはエンボス情報に含まれる氏名とを照合する氏名照合工程と、をさらに備え、クレジットカード使用判別工程では、カード番号照合工程における照合結果の他、氏名照合工程における照合結果に基づき、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別することが好ましい。
また、この場合、磁気ストライプ情報またはエンボス情報には、クレジットカード名義人の氏名が含まれており、身分証明書画像読み取り手段によって読み取った画像データをOCR処理することにより、身分証明書に記載された顧客の氏名を含む顧客情報を抽出する顧客情報抽出手段と、顧客情報に含まれる氏名と磁気ストライプ情報またはエンボス情報に含まれる氏名とを照合する氏名照合手段と、をさらに備え、クレジットカード使用判別手段は、カード番号照合手段による照合結果の他、氏名照合手段による照合結果に基づき、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別することが好ましい。
これらの構成によれば、身分証明書の画像データをOCR処理することによって顧客の氏名を含む顧客情報を抽出し、当該顧客情報の氏名とエンボス情報に含まれる氏名との照合結果に基づいて、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別するため、例えば両氏名が合致しない場合、クレジットカードの使用を禁止することができる。したがって、例えば偽造クレジットカードを使用する者が、犯罪発覚時に身元が判明することを恐れて、他人の身分証明書を用いたような場合は、当然氏名が異なるため、このような不正を効果的に防止することができる。なお、クレジットカードの使用を許可するか否かの判別は、両氏名が合致するか否かではなく、両者の合致率に応じて行うようにしてもよい。すなわち、この場合、合致率が所定の値以下の場合、クレジットカードの使用が禁止される。
この場合、クレジットカードの支払い対象となる会計処理のトランスアクション番号と、クレジットカードの磁気ストライプ情報と、身分証明書の顧客情報と、を関連づけ、クレジットカード取引証明データとして記憶する記憶工程と、トランスアクション番号、カード番号、氏名のいずれかが指定されることにより、これらのデータを含むクレジットカード取引証明データを検索する検索工程と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、関連する情報を関連づけてクレジットカード取引証明データとして記憶すると共に、これらの情報に含まれるデータのいずれかが指定されることによって、これらのデータを含むクレジットカード取引証明データを検索可能であるため、クレジットカードの不正使用発覚時や顧客からの問い合わせに対して、迅速に関連するデータを検索することができる。
この場合、記憶工程では、クレジットカードの磁気ストライプ情報に代えて、若しくはこれに加えてクレジットカードの画像データおよび/またはエンボス情報を記憶すると共に、身分証明書の顧客情報に代えて、若しくはこれに加えて身分証明書の画像データを記憶することが好ましい。
この構成によれば、より多くのデータを証拠として残しておくことで、クレジットカードの不正使用発覚時の証拠能力を向上させることができる。また、OCR処理されていない、すなわち読み取った画像データそのものを証拠として残しておくことで、証拠の信頼性を向上させることができる。
これらの場合、検索工程において検索されたクレジットカード取引証明データを、クレジットカードの決済処理結果をレシート上に印刷する印刷手段を用いて印刷する検索結果印刷工程をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、レシートプリンタの機能を利用してクレジットカード取引証明データを印刷することができると共に、顧客の問い合わせに対して迅速に証拠を提示することができる。
これらの場合、クレジットカード画像読み取り手段および身分証明書画像読み取り手段は、いずれも主にスキャナヘッドで構成されており、両スキャナヘッドは、同一のスキャナヘッドであることが好ましい。
この構成によれば、クレジットカードと身分証明書の画像を読み取るためのスキャナヘッドを個別に設ける必要がない。また、原稿移動型のスキャナで画像を読み取る場合は、クレジットカードと身分証明書の搬送路も共通化することができるため、装置の製造コストを低減することができる。
これらの場合、磁気ストライプ情報読み取り手段およびクレジットカード画像読み取り手段は、主に磁気ヘッドおよびスキャナヘッドで構成されており、当該磁気ヘッドおよび当該スキャナヘッドは、共通経路上に臨んでいることが好ましい。
この構成によれば、オペレータが共通経路上にクレジットカードを一度載置する(挿入する)だけで、磁気ストライプ情報と画像読み取りとの両処理を行わせることができる。すなわち、オペレータの負担を低減しつつ、両処理を迅速に行うことができる。
これらの場合、クレジットカード使用判別手段の判別結果を報知する報知手段をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、クレジットカード処理装置を操作するオペレータに対し、クレジットカードの使用を許可するか否かの判別結果を知らせることができる。したがって、オペレータは当該報知に基づいて顧客に対し適切に対応することができる。なお、報知手段による報知は、オペレータだけでなく、顧客に対しても行い、クレジットカードの使用許可または使用禁止を伝えるようにしてもよい。
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記のいずれか1項に記載のクレジットカード処理制御方法における各工程を実行させるためのものであることを特徴とする。
この構成によれば、オペレータへ負担をかけることなく、クレジットカードの不正使用を効果的且つ効率的に防止可能なプログラムを提供することができる。
本発明のPOSシステムは、上記に記載のPOS端末と、POS端末とネットワークを介して接続され、POS端末を統括制御するPOSサーバと、により構成されることを特徴とする。
この構成によれば、オペレータへ負担をかけることなく、クレジットカードの不正使用を効果的且つ効率的に防止可能なPOSシステムを提供することができる。
本発明のクレジットカード処理制御方法、プログラム、クレジットカード処理装置、POS端末およびPOSシステムによれば、クレジットカードの画像データをOCR処理することによってカード番号を含むエンボス情報を抽出し、当該エンボス情報のカード番号と磁気ストライプ情報に含まれるカード番号との照合結果に基づいて、クレジットカードの使用を許可するか否かを判別するため、磁気データのみが書き換えられた偽造カードなどの不正使用を効果的に防止することができる。また、オペレータは、通常のクレジットカード決済処理の他、クレジットカードの画像読み取りを行うだけでよいため負担が少なく、しかも作業効率が低下することがない。
以下、本発明の一実施形態に係るクレジットカード処理制御方法、プログラム、クレジットカード処理装置、POS端末およびPOSシステムについて、添付図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、クレジットカードの決済処理を行う場合、クレジットカードの画像(エンボス加工部分)を読み取り、これをOCR処理したエンボス情報と、磁気ストライプを読み取った磁気ストライプ情報とを照合し、その照合結果に基づいてクレジットカードの使用を許可するか否かを判別するものである。また、照合結果に応じて、顧客に身分証明書の提示を求め、その画像を読み取ることで、不正使用が行われた場合の犯罪証明記録として用いることができるように構成されたものである。
そこで、以下、飲食店や小売店等の店舗にて利用されるPOS端末並びにこれに適用される複合処理装置(身分証明書やクレジットカードの画像読み取りの他、クレジットカードの磁気データ(磁気ストライプ)の読み取りなどクレジットカード処理装置としての機能、小切手画像読み取りや磁気データの読み取りおよび小切手への印刷など小切手処理装置としての機能、並びにレシート印刷装置としての機能を備えた装置)を例に挙げて説明する。また、併せて当該POS端末を備えたPOSシステムについて説明する。
図1および図2に示すように、本発明のPOS端末5は、オペレータによって商品コードが入力され、決済金額を算出するPOS端末コンピュータ60と、身分証明書(以下、「運転免許証LC」を例に挙げて説明する)の画像読み取りの他、クレジットカードCC、小切手(スリップ)SおよびレシートRの印刷に関する種々の処理を行う複合処理装置10とによって構成されている。
POS端末コンピュータ60は、本体ケース61と、オペレータによるキー入力のためのキーボード62と、商品に貼付または印刷されているバーコードを読み取ることにより商品コードを入力するバーコードリーダ65と、入力された商品コードに対応する商品の金額の他、クレジットカードCCの使用を許可するか否かの判別結果等を表示する表示画面63(オペレータ用ディスプレイ63a,顧客用ディスプレイ63b)と、金銭(キャッシュ)が収納されるキャッシュドロア64とを備え、ネットワーク75を介してPOSサーバ70と接続されている。
POSサーバ70は、複数のPOS端末5(3つのみ図示)と接続され、POS端末5に入力された商品情報や在庫情報の一括管理を行っている。具体的には、POS端末コンピュータ60に入力された商品情報を取得し、これに基づいて予めデータベース71内に記憶している価格リスト(PLUリスト)から商品名や金額に関する情報を抽出する。そして、抽出した情報から後述するレシートRへの印刷および表示画面63の表示に用いる商品データを生成し、POS端末コンピュータ60に送信する。POS端末5は、POSサーバ70から送信された商品データに基づいて、レシートR上に印刷する印刷データを生成し、これを複合処理装置10に送信すると共に、表示画面63に表示する表示データを生成する。
POS端末コンピュータ60は、ネットワーク(インターネット)75を介して、クレジットカードCCの与信照会を行う与信照会サーバ80や小切手Sの有効性を認証するための決済処理サーバ90と接続されている。与信照会サーバ80は、カード会社やクリアリングハウス(複数のカード会社と契約して、信用調査、与信調査を行う機関)によって運営され、複合処理装置10によって読み取られたクレジットカードCCのカード情報(磁気ヘッド58により読み取られるカード番号や氏名等)に基づいて、紛失届や盗難届が出されていないか等の信用調査を行い、与信審査の結果をPOS端末コンピュータ60に返信する。また、決済処理サーバ90は、複合処理装置10によって読み取られた小切手SのMICRコードに関する情報に基づいて、当該小切手Sの有効性を判別し、その判断結果をPOS端末コンピュータ60に返信する。
一方、複合処理装置10は、図示しないコネクタを介してPOS端末コンピュータ60と接続されており、クレジットカードCC又は運転免許証LCの画像読み取りおよびクレジットカードCCの磁気ストライプ情報読み取り、小切手Sの画像読み取り、磁気データ読み取りおよび印刷など、種々の処理を1台で行い得るよう構成されている。したがって、POS端末コンピュータ60にこの複合処理装置10を接続するだけで、クレジットカードCCや小切手Sの一連の処理が可能なPOS端末5を実現することができる。
図2に示すように、複合処理装置10は、ロール状に巻回されたレシート紙Rを収容するレシート収容部30およびレシート紙Rへの印刷を行うレシート印刷部140等を備えた背面側筐体部11と、背面側筐体部11の正面側に設けられ、当該背面側筐体部11との間に小切手搬送路21を画成する正面側筐体部12と、背面側筐体部11の上面側を覆うように取り付けられ、クレジットカードCC又は運転免許証LCの表面画像を読み取るクレジットカード・運転免許証画像読み取り部40およびクレジットカードCCの磁気ストライプ部分を読み取るクレジットカード磁気ストライプ情報読み取り部50等を収容する上面蓋体部13と、が一体形成されている。
正面側筐体部12は、小切手搬送路21を介して背面側筐体部11から隔てられた正面側カバー12aと、正面側カバー12aを片支持状態で保持する正面側側部12bとによって構成され、正面側カバー12a下部に開口した小切手挿入口21aから小切手Sが挿入可能となっている。
小切手搬送路21には、小切手Sが挿入される小切手挿入口21a、小切手Sに予め磁気インクで印刷された磁気コード(MICRコード)を読み取る小切手磁気データ読み取り部(MICR:Magnetic Ink Character Reader)110、小切手Sの表面および裏面の画像を読み取る小切手画像読み取り部120、小切手Sに決済金額や店舗情報を印刷する小切手印刷部130、小切手Sが排出される小切手排出口21bの他、図示しない複数の搬送ローラが設けられており、小切手Sはこれらの搬送ローラによって各部に搬送されながら各種処理が行われる。
また、上面蓋体部13には、クレジットカードCCや運転免許証LCの表面画像を読み取るクレジットカード・運転免許証画像読み取り部40、クレジットカードCCの磁気ストライプ部分を読み取るクレジットカード磁気ストライプ情報読み取り部50(MSR)の他、複数の搬送ローラ43,45,46(図3参照)が設けられており、クレジットカードCC又は運転免許証LCがこれらの搬送ローラ43,45,46によって各部に搬送されながら、各種処理が行われる。また、これらの搬送ローラ43,45,46は前後に搬送可能(正逆回転可能)に構成され、クレジットカード・運転免許証画像読み取り部40による画像読み取りは後方搬送時(図3において左側搬送時)に行われる。なお、クレジットカードCCおよび運転免許証LCの画像読み取り処理、およびクレジットカードCCの磁気ストライプ情報読み取り処理の詳細については後述する。
次に、図3を参照し、レシート搬送路35廻りの各部材について説明する。レシートRは、巻回された状態でレシート収容部30に収容されており、当該レシート収容部30から繰り出されたレシートRは、背面側筐体部11と上面蓋体部13との間に形成されたレシート搬送路35に沿ってレシート排出口35aへ向け送り出される。
レシート搬送路35には、サーマル印刷ヘッド33およびこれを押圧するプラテンローラ32が臨んでおり、プラテンローラ32による搬送に伴ってサーマル印刷ヘッド33によりレシートRへの印刷が行われる。印刷後のレシート紙Rは、サーマル印刷ヘッド33およびプラテンローラ32の上方に配置されたオートカッタ34によって適当な長さに切断され、レシート排出口35aから排出される。オートカッタ34は、レシート搬送路35の一方側に配置された固定刃34aと、レシート搬送路35の他方側であって固定刃34aに対応する位置に配置された可動刃34bとを有しており、可動刃34bが、レシート搬送路35に向かって図示Aの方向に移動することにより、レシートRが固定刃34aとの間に挟み込まれ、切断される。
一方、上面蓋体部13の下部には、主要骨格を成すフレーム51が設けられ、当該フレーム51は、ヒンジ部52を介して背面側筐体部11に設けられた固定部53に対して回動可能に構成されている。また、これにより上面蓋体部13がレシート収容部30に対して開閉動作可能に構成され、レシートRの交換時は、上面蓋体部13が開かれて、巻回された状態のレシート紙Rがレシート収容部30に投入・装填される。
続いて、図3、図4および図5を参照し、クレジットカード・運転免許証画像読み取り部40およびクレジットカード磁気ストライプ情報読み取り部50廻りの各部材について説明する。図3に示すように、クレジットカード・運転免許証画像読み取り部40およびクレジットカード磁気ストライプ情報読み取り部50は、上面カバー13aと、レシート収容部30との間に設けられ、POS端末5を操作するオペレータによって、クレジットカードCC又は運転免許証LCがカード挿入口41aから挿入されることにより、画像読み取りおよび磁気ストライプ情報の読み取りを行う。なお、クレジットカードCCの処理を行う場合は、磁気ストライプ情報の読み取り後画像読み取りが行われ、運転免許証LCの処理を行う場合は、磁気ストライプ情報の読み取りを省略し、画像読み取りのみが行われることとなるが、画像読み取りを行うための搬送制御は同様であるため、ここではクレジットカードCCの処理についてのみ説明する。
図3に示すように、カード挿入口41aの手前側には、クレジットカードCCの挿入をガイドするテーブル13bが形成され、オペレータはこのテーブル13bに沿ってクレジットカードCCを挿入する。また、カード挿入口41aに隣接した上面カバー13aには、クレジットカードCCの画像読み取り動作および磁気ストライプ情報読み取り動作に関する情報を報知するためのLED表示部16が設けられている。
LED表示部16は、クレジットカードCCの状態に基づいて点灯するカード状態LED16aと、クレジットカードCCの搬送状態に基づいて点灯する搬送状態LED16bとから成り、前者はクレジットカードCCの挿入または排出の検出結果やクレジットカードCCの表面画像データおよび磁気ストライプ情報の読み取り状態に応じて点灯し、後者はクレジットカードCCの搬送エラーがあった場合に点灯する。
クレジットカード・運転免許証画像読み取り部40およびクレジットカード磁気ストライプ情報読み取り部50は、それぞれスキャナヘッド44および磁気ヘッド58によってその主要部が構成され、カード搬送路41に沿ってカード挿入口41a側から、磁気ヘッド58、スキャナヘッド44の順に配置されている。クレジットカードCCは、挿入後、複数の搬送ローラ43,45,46の順方向の送りによって磁気ストライプ情報の読み取りが行われ、所定位置まで搬送された後、搬送ローラ43,45,46の逆方向の送りによって画像読み取りが行われる。
複数の搬送ローラ43,45,46は、カード搬送路41の上面側に配置され、モータ90(図6参照)によって駆動される第1送りローラ43aおよび第2送りローラ46aと、カード搬送路41の下面側に配置された第1押さえローラ43b、押しつけローラ45および第2押さえローラ46bとから成り、第1送りローラ43aおよび第1押さえローラ43bによって搬送されたクレジットカードCCは、磁気ヘッド58に臨んだ後、スキャナヘッド44と押しつけローラ45の間に送られる。また、第2送りローラ46aおよび第2押さえローラ46bは、スキャナヘッド44の下流側に配置されている。
磁気ヘッド58は、クレジットカードCC裏面(下面)に磁気記録された磁気ストライプ情報を読み取るためのもので、クレジットカードCCに設けられている磁気ストライプ部分に対応する位置に設けられている。なお、カード搬送路41の上面側にも磁気ヘッド58を配置し、複数の規格のクレジットカードCCの磁気データを読み取り可能に構成しても良い。また、磁気ヘッド58で読み取られた磁気ストライプ情報は、カード会社が運営する与信照会サーバ80に送信され、与信照会が行われる。
スキャナヘッド44は、押しつけローラ45によってスキャナヘッド44の読み取り面44aにカード厚に応じた押しつけ力によって押しつけられた状態で、カード搬送路41を搬送されるクレジットカードCCの上面に光を照射し、クレジットカードCC上で反射した光を読み取り面44aで受光することによって、クレジットカードCCの表面に印刷された文字や画像、エンボス部分を読み取る。読み取り面44a側には、図示しない複数の光電変換素子が長手方向(カード搬送方向に垂直な方向)に一列に配列されており、各光電変換素子は受光した光量に応じた電気信号を生成する。
なお、クレジットカードCCおよび運転免許証LCをスキャナヘッド44で読み取った際の画像データはOCR処理され、クレジットカードCCの場合はエンボス加工部分のデータに基づいてカード番号や氏名等を含むエンボス情報が抽出される。そして、当該エンボス情報に含まれるカード番号と、磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とを照合し、それらの合致率に基づいて、クレジットカードCCの使用を許可するか否かの判別が行われる。また、運転免許証LCの場合は運転免許証上に記載されたテキスト文字部分のデータに基づいて、運転免許証番号や氏名等を含む顧客情報が抽出される。そして、画像データと共にこれらOCR処理結果(運転免許証番号や氏名等を含む顧客情報)はPOSサーバ70内のデータベース71に保存され、犯罪証明記録として用いられる。
なお、本実施例では、クレジットカードCCの表面にエンボス加工が施されている場合を例に挙げたが、エンボス部分が裏面または両面に加工されているクレジットカードCCが用いられる場合は、スキャナヘッド44の配設位置および/または配設数が異なる。
第1押さえローラ43b、押しつけローラ45および第2押さえローラ46bは、カード搬送路41とレシート収容部30との間に配置された内部カバー42に回転可能に支持されており、当該内部カバー42は、ヒンジ部55を介して、上面蓋体部13からカード搬送方向に略垂直に立設されたガイド壁54,54(図5参照)に回動自在に取り付けられている。ヒンジ部55は、内部カバー42の背面側に設けられており、上面蓋体部13が開かれた状態で、上方に向けられた内部カバー42の正面側が複合処理装置10の正面側に向かって引き出されて、複合処理装置10の正面側からカード搬送路41の各種部材がメンテナンス可能となっている。
また、内部カバー42が取り付けられたガイド壁54,54は、図5に示すように、カード搬送路41内に挿入されたクレジットカードCCの挿入方向を案内するガイド部材となる。例えば、クレジットカードCCがカード搬送方向に対して少し斜めに挿入された場合は、第1送りローラ43aおよび第2送りローラ46aによって搬送されながら、ガイド壁54,54のいずれか一方の壁面に当接して案内されることにより、クレジットカードCCの挿入方向が曲げられ、クレジットカードCCの搬送方向がカード搬送方向に揃うようになる。これにより、クレジットカードCCは、その挿入方向が正常なカード搬送方向に対して少し角度を持っていた場合でも、ガイド壁54,54にガイドされ搬送方向を修正しながら搬送されていく。
この搬送方向の修正は、第1送りローラ43aおよび第2送りローラ46a等によって、カード挿入口41aから張り出し開口41bに向かって順方向に搬送されて、クレジットカードCCが完全にスキャナヘッド44を通過するまでの間に行われる。そして、クレジットカードCCは、完全にスキャナヘッド44を通過した後にスキャナヘッド44の読み取り面44aに逆方向に搬送され、画像読み取りが行われる。これにより、スキャナヘッド44は、常にクレジットカードCCの向きが揃った状態で、クレジットカードCCの表面画像の読み取りを行うことができる。
また、図5に示すように、カード搬送路41のカード挿入口41a近傍には、カード検出器48が設けられている。このカード検出器48は、クレジットカードCCの挿入を検出するセンサであり、カード検出器48の出力に基づいて第1送りローラ43aおよび第2送りローラ46aが駆動開始される。すなわち、クレジットカードCCの挿入がトリガとなって、カード搬送路41内でのカード送り動作が開始される。
ここで、クレジットカードCCと運転免許証LCの幅方向長さ(図5において横方向の長さ)が異なる場合の処理について簡単に説明する。上記の通り、カード挿入口41aからは、クレジットカードCC又は運転免許証LCの両方が挿入可能であり、スキャナヘッド44も両方の画像を読み取り可能に構成されているが、クレジットカードCCと運転免許証LCの幅方向長さが異なる国や州で複合処理装置10が利用される場合、挿入されたカードに応じてガイド壁54,54の位置を修正する必要がある。
そこで、クレジットカードCCと運転免許証LCの幅方向長さが異なる場合は、図5の二点鎖線部200に示すように、両ガイド壁54,54が幅方向に移動可能に構成されることが好ましい。すなわち、カード搬送路41の中心点から逆ねじで螺設されたリードねじ210を、磁気ヘッド58やスキャナヘッド44から外れた位置に配設し、その両端付近にモータ230により回転駆動される雌ねじ220,220を係合させる。そして、雌ねじ220,220の回転方向によって両ガイド壁54,54を矢印B,C方向に移動することで幅狭のカードが挿入されたときもガイド壁54,54により適切にガイド可能となる。この構成によれば、簡易な構成で幅方向の長さの異なる複数のカードの画像読み取りを正確に行うことができる。なお、この場合、両ガイド壁54,54の移動に同期して、磁気ヘッド58を移動させる機構(図示省略)をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、両ガイド壁54,54が移動しても正確に磁気ストライプ情報を読み取ることができる。
次に、図6を参照し、POS端末5の制御構成について説明する。上記の通り、POS端末5は、複合処理装置10とPOS端末コンピュータ60とにより構成されている。同図に示すように、複合処理装置10は、クレジットカードCC又は運転免許証LCの挿入を検出するカード検出器48と、カード搬送路41近傍に配設された複数の搬送ローラ43,45,46と、これら複数の搬送ローラのうち、送りローラ43a,46aを駆動するモータ90と、磁気ヘッド58を有しクレジットカードCCの磁気ストライプ情報を読み取るクレジットカード磁気ストライプ情報読み取り部50と、スキャナヘッド44を有しクレジットカードCCや運転免許証LCの表面画像を読み取るクレジットカード・運転免許証画像読み取り部40と、小切手SのMICRコードを読み取る小切手磁気データ読み取り部110と、小切手Sの表面および裏面の画像を読み取る小切手画像読み取り部120と、小切手Sの表面および裏面に決済金額や店舗情報を印刷する小切手印刷部130と、レシートR上に決済処理結果等を印刷するレシート印刷部140と、OCR151を有しスキャナヘッド44で読み取ったクレジットカードCCや運転免許証LCの画像データからエンボス情報や顧客情報を抽出するエンボス情報・顧客情報抽出部150と、磁気ヘッド58で読み取った磁気ストライプ情報、スキャナヘッド44で読み取った画像データ、OCR151で抽出したエンボス情報や顧客情報等を一時的に記憶するメモリ160(RAM等)と、上記の各構成要素を制御する制御部170と、によって構成されている。
制御部170は、後述するPOS端末コンピュータ60から、クレジットカードCC又は運転免許証LCの画像読み取り指示(情報入力指示)が為されると、カード検出器48によるクレジットカードCCや運転免許証LCの挿入検出に基づいて、モータ90により搬送ローラ43a,46aを駆動し、カードCC,LCの搬送を開始する。クレジットカードCCの場合は、搬送ローラ43a,46aの正回転によりクレジットカードCCを磁気ヘッド58に臨む位置まで搬送すると、磁気ヘッド58により磁気ストライプ情報の読み取りを行った後、クレジットカードCCが完全にスキャナヘッド44を通過する位置まで搬送し、今度は搬送ローラ43a,46aを逆回転させて逆送り方向にクレジットカードCCを搬送させながら画像を読み取る。また、運転免許証LCの場合は、運転免許証LCが完全にスキャナヘッド44を通過する位置まで搬送し、搬送ローラ43a,46aを逆回転させて逆送り方向に運転免許証LCを搬送させながら画像を読み取る。
また、制御部170は、逆送り方向への搬送によりカードCC,LCをスキャナヘッド44に臨ませると、今度はカードCC,LCの表面画像の読み取りを行う。そして、読み取った画像データは、OCR151によりOCR処理を行い、エンボス情報や顧客情報を抽出する。そして、クレジットカードCCの磁気ストライプ情報およびOCR処理結果(エンボス情報)については、カード番号の照合のため処理直後にPOS端末コンピュータ60に送信する。また、会計処理終了後は、読み取ったクレジットカードCC又は運転免許証LCの画像データ、磁気ストライプ情報、OCR処理結果(エンボス情報や顧客情報)等を、各処理終了後、メモリ160内に一時的に保存した後、これらを関連づけ、クレジットカード取引証明データとしてPOS端末コンピュータ60に送信する。
一方、POS端末コンピュータ60は、商品コードを取得するバーコードリーダ65と、各種指示を入力するキーボード62、複合処理装置10から送信された画像データやオペレータに対する指示内容等を表示する表示画面63と、複合処理装置10から送信されたクレジットカード取引証明データ等を一時的に記憶するメモリ66(RAM等)と、POS端末コンピュータ60全体を制御する制御部67と、によって構成されている。
制御部67は、バーコードリーダ65によって、顧客の購入商品を特定するための商品コードが入力されると、POSサーバ70にアクセスして商品マスタを参照し、その商品コードの名称や金額を読み出して表示画面63に表示するための表示データやレシートR上に印刷するための印刷データを生成する。
また、複合処理装置10から送信された磁気ストライプ情報およびエンボス情報(いずれもOCR処理されたデータ)からそれぞれカード番号を認識し、照合を行う。その照合の結果、両カード番号の合致率を算出し、合致率が所定の値(以下、「A%」と称する)未満の場合(但し、0<A≦100)、クレジットカードCCの使用を禁止する。また、合致率がA%以上所定の値(以下、「B%」と称する)未満の場合(但し、A<B≦100)、運転免許証LCの画像読み取りを条件としてクレジットカードCCの使用を許可する。また、合致率がB%以上の場合、運転免許証LCの画像読み取りを必要とすることなくクレジットカードCCの使用を許可する。したがって、運転免許証LCの画像読み取りは、両カード番号の合致率がA%以上B%未満の場合に限られるが、安全を期すため、合致率B%以上の場合も運転免許証LCの画像読み取りを必要とする(クレジットカードCC使用の場合は運転免許証LCの提示を義務づける)ようにすることも可能である。
なお、当該合致率Aおよび合致率Bは、POS端末コンピュータ60のキーボード62を用いて変更可能となっている。すなわち、各店舗のリスクや作業効率を考慮して、適切な合致率Aおよび合致率Bを設定可能となっている。なお、これらの基準値を下げるとクレジットカード不正使用の防止率も低下してしまうこととなるため、合致率Aは60〜80、合致率Bは80〜100程度に設定されることが好ましい。
また、制御部67は、複合処理装置10が磁気ストライプ情報を読み取ると、これを受信してメモリ66内に一旦記憶し、カード会社やクリアリングハウスが運営する与信照会サーバ80に送信して与信照会を行う。また、制御部67は、決済処理後、複合処理装置10から送信されたクレジットカード取引証明データを、メモリ66内に一時的に格納すると共に、当該データをPOSサーバ70に送信する。POSサーバ70は、これをデータベース71に格納し、クレジットカードの不正使用が行われた場合の犯罪証明記録として用いる。なお、与信照会は、磁気ストライプ情報ではなく、エンボス情報に基づいて行うようにしてもよい。また、いずれのデータに基づいて与信照会を行うかを、オペレータが選択できるようにしても良いし、磁気ストライプ情報およびエンボス情報の両データを与信照会サーバ80に送信してもよい。
次に、図7ないし図11のフローチャートを参照し、本発明のクレジットカード処理制御方法について説明する。図7は、POS端末コンピュータ60における決済方法決定処理を示し、図8は、複合処理装置10におけるクレジットカードCCの磁気ストライプ情報および画像読み取り処理を示し、図9は、POS端末コンピュータ60におけるクレジットカード使用判別処理を示したものである。また、図10は、複合処理装置10における運転免許証LCの画像読み取り処理を示し、図11は、複合処理装置10、POS端末コンピュータ60およびPOSサーバ70におけるデータ検索・出力処理を示したものである。
まず、図7を参照し、POS端末コンピュータ60における決済方法決定処理(処理A)について説明する。POS端末コンピュータ60では、まず個々の会計処理を区別するためのトランスアクション番号を設定し(S11)、会計処理を開始する。オペレータは、バーコードリーダ65等を用いて顧客が購入した購入商品の商品情報を入力し、入力が終了すると、顧客に決済方法(支払い方法)を確認する。本実施形態では、上記の通り複合処理装置10を用いてクレジットカードCCや小切手Sの決済処理が可能となっているため、顧客は、現金、クレジットカードCCおよび小切手Sの中から支払い方法を選択する。
オペレータは、顧客が選択した支払い方法をPOS端末コンピュータ60に入力し(複合処理装置10へのクレジットカードCCまたは小切手Sの挿入により、当該支払い方法の入力を省略することも可能である)、POS端末コンピュータ60は当該入力に基づいて決済方法を決定する(S12)。ここで、決済方法をクレジットカードCCに決定した場合は、オペレータ用ディスプレイ63a上に、「クレジットカードを複合処理装置のカード挿入口に挿入してください」といった内容の指示をオペレータに対して表示すると共に、複合処理装置10に対し、クレジットカードCCの磁気ストライプ情報および画像の読み取りを指示するコマンドを送信する(S13)。なお、オペレータ用ディスプレイ63a上にオペレータに対する指示内容を表示すると共に、顧客用ディスプレイ63b上に、顧客に対する指示(クレジットカードCCの提示を求める内容)を表示するようにしても良い。
次に、図8を参照し、複合処理装置10におけるクレジットカードCCの磁気ストライプ情報および画像読み取り処理(処理B)について説明する。当該処理は、図7のフローチャートに示す処理Aに続く処理である。図7のS13に示したように、POS端末コンピュータ60からクレジットカードCCの磁気ストライプ情報および画像の読み取りを指示するコマンドが送信されると、オペレータによるカード挿入口41aへのクレジットカードCCの挿入に基づき、まず磁気ヘッド58で磁気ストライプ情報を取得する(S21)。当該磁気ストライプ情報には、カード番号、カード名義人の氏名、有効期限等の情報が含まれるが、このうちカード番号に関する情報をデータMとして、以下説明する。
続いてスキャナヘッド44により、クレジットカードCCの表面の画像を取得する(S22)。取得した画像データは、そのエンボス文字部分をOCR151によってOCR処理することにより、カード番号、カード名義人の氏名、有効期限の情報を含むエンボス情報を抽出する。なおこのうち、カード番号に関する情報をデータSとして、以下説明する。
クレジットカードの磁気ストライプ情報および画像読み取りを終了すると、データM(磁気ストライプ情報に含まれるカード番号に関する情報)と、データS(エンボス情報に含まれるカード番号に関する情報)とを、POS端末コンピュータ60に送信する(S24)。
次に、図9を参照し、POS端末コンピュータ60におけるクレジットカード使用判別処理(処理C)について説明する。当該処理は、図8のフローチャートに示す処理Bに続く処理である。図8のS24に示したように、複合処理装置10からデータMおよびデータSが送信されると、POS端末コンピュータ60は、これらの照合(合致率の算出)を行う(S31)。
ここで、合致率がA%未満であるか否かを判別し(S32)、A%未満である場合は(S32:Yes)、クレジットカードCCの受付を拒否し(クレジットカードCCの使用を禁止し)(S33)、処理を終了する。このとき、オペレータ用ディスプレイ63aおよび顧客用ディスプレイ63b上に、クレジットカードCCの使用を禁止する旨を表示する。
一方、合致率がA%以上である場合は(S32:No)、合致率がB%未満か否かを判別し(S34)、B%未満である場合は(S34:Yes)、運転免許証LCの画像読み取りを条件として、クレジットカードCCの使用を許可するため、複合処理装置10に対し運転免許証LCの画像読み取りを指示する(S35)。なお、当該指示に基づく、複合処理装置10の運転免許証画像読み取り処理(処理D)については後述する。また、ここで顧客より運転免許証LCの提示が為されない場合は、クレジットカードCCの受付を拒否し、処理を終了する。
一方、合致率がB%以上である場合は(S34:No)、クレジットカードCCの受付を認可する(クレジットカードCCの使用を許可する)(S36)。また、このとき、オペレータ用ディスプレイ63aおよび顧客用ディスプレイ63b上に、クレジットカードCCの使用を許可する旨を表示する。さらに、クレジットカードCCの受付を認可した場合は、複合処理装置10にレシート印刷データを送信し、レシートRへのドキュメント印刷を指示する(S37)。また、会計処理の始めに設定した(図7のS11参照)トランスアクション番号と、クレジットカードCCの画像データ、磁気ストライプ情報およびエンボス情報(OCRデータ)と、を関連づけ、クレジットカード取引証明データを生成する(S38)。なお、S35において運転免許証LCの画像読み取りを指示し、複合処理装置10から当該運転免許証LCの画像データおよび顧客情報(運転免許証LCの画像データをOCR処理した情報)を受信している場合は、クレジットカード取引証明データに、当該運転免許証LCの画像データおよびエンボス情報も含めることとなる。
最後に、POS端末コンピュータ60は、生成したクレジットカード取引証明データをPOSサーバ70に送信し、処理を終了する。なお、POSサーバ70では、取得したクレジットカード取引証明データをデータベース71内に保存し、クレジットカードCCの不正使用が行われた場合や、顧客からの問い合わせがあった場合、該当するデータを検索して出力可能となっている。このデータ検索・出力処理については、後述する。
次に図10を参照し、複合処理装置10における運転免許証LCの画像読み取り処理について説明する。当該処理は、図9のS35に続く処理である。POS端末コンピュータ60から運転免許証LCの画像読み取り指示が為されると、オペレータによりカード挿入口41aに運転免許証LCが挿入されることによって、スキャナヘッド44により運転免許証LCの画像を読み取る(S41)。運転免許証LCの画像データを取得すると、そのテキスト文字部分をOCR151によりOCR処理し、運転免許証LCの免許証番号および運転免許証LCを提示した顧客の氏名を含む顧客情報を抽出する(S42)。そして、スキャナヘッド44により読み取った画像データと、そのOCR処理結果である顧客情報とをPOS端末コンピュータ60に送信する(S43)。
POS端末コンピュータ60では、カード番号の合致率がA%以上B%未満である場合は、これら画像データおよびOCRのデータの取得によって、クレジットカードCCが使用許可であるとの判断を行う(図9のS36参照)。また、運転免許証LCが破損している場合や、汚れ等により文字が不鮮明な場合など、複合処理装置10においてOCR処理が実行できない場合は、OCR実行不能を示すステータスデータをPOS端末コンピュータ60に送信することにより、POS端末コンピュータ60では、クレジットカードCCの使用禁止の判断を行うこととなる。
次に、図11を参照し、複合処理装置10、POS端末コンピュータ60およびPOSサーバ70におけるデータ検索・出力処理について説明する。当該処理は、クレジットカードCCの不正使用が行われた場合や、顧客からの問い合わせがあった場合に実行されるものである。同図に示すように、POS端末コンピュータ60から、トランスアクション番号、カード番号、氏名、または運転免許証番号が入力されることにより、POSサーバ70に対しクレジットカード取引証明データの検索指示が為されると(S51)、POSサーバ70は、データベース71を参照し、過去に保存されたクレジットカード取引証明データの中から該当するデータの検索を行う(S52)。
ここで、POS端末コンピュータ60に入力されたトランスアクション番号、カード番号、氏名、または運転免許証番号のいずれかのキーワードと一致するキーワードが含まれたクレジットカード取引証明データが存在する場合は、当該検索結果をPOS端末コンピュータ60に送信する(S53)。なお、検索により同じキーワード(カード番号、氏名、運転免許証番号)を含む複数のデータがヒットした場合は、検索結果としてトランスアクション番号順に複数のクレジットカード取引証明データをPOS端末コンピュータ60に送信する。
POS端末コンピュータ60は、検索結果を受信すると、これをオペレータ用ディスプレイ63a上に表示し(S54)、必要に応じて複合処理装置10に対し、検索結果の印刷指示を行う(S55)。複合処理装置10は、POS端末コンピュータ60からの印刷指示に基づき、検索結果をレシートR上に印刷する(S56)。このとき、レシートR上には、検索結果としてクレジットカード取引証明データ(トランスアクション番号、クレジットカードCCの画像データ、磁気ストライプ情報およびエンボス情報、運転免許証LCの画像データおよび顧客情報)およびレシート印刷内容(該当するトランスアクション番号が含まれる会計処理結果)が印刷される。
なお、この場合、レシートRは印刷幅が制限されるため、画像データの印刷を省略するようにしても良い。また、クレジットカード取引証明データに含まれる複数のデータの中から、POS端末コンピュータ60において指定されたデータのみ(例えば、磁気ストライプ情報と運転免許証LCの画像データのみなど)を印刷するようにしても良い。さらに、複数のクレジットカード取引証明データが検索結果としてオペレータ用ディスプレイ63aに表示された場合は、オペレータが指定したクレジットカード取引証明データのみを出力するようにしても良い。また、キーワード検索だけでは、目的のクレジットカード取引証明データが特定できないような場合に備え、日付指定(平成○○年度や、○月〜○月まで等の日付範囲指定でも良い)や、購入商品(レシート印刷内容に含まれる商品データ)の指定ができるように構成されることが好ましい。
以上、説明したとおり、本発明のクレジットカード処理制御方法、プログラム、クレジットカード処理装置、POS端末およびPOSシステムによれば、クレジットカードCCの画像データをOCR処理することによって、カード番号を含むエンボス情報を抽出し、当該エンボス情報のカード番号と磁気ストライプ情報に含まれるカード番号との照合結果に基づいて、クレジットカードCCの使用を許可するか否かを判別するため、例えば磁気データが書き換えられた偽造クレジットカードが使用された場合など、効果的に不正使用を防止することができる。また、クレジットカードCCの磁気データ読み取り、画像読み取りおよびOCR処理はいずれも短時間で処理可能であるため、作業効率が低下することなく、オペレータへの負担が大きくなることがない。
また、一律に両カード番号が一致するか否かによって、クレジットカードCCの使用を許可するか否かを判別するのではなく、カード番号の合致率によって判別するため、クレジットカードCCの画像読み取り性能やOCRの認識精度によって、エンボス情報のカード番号と磁気ストライプ情報に含まれるカード番号とが同じであっても一部異なるとの誤った照合結果が出てしまうような場合、合致率Aの値を例えば70や80など、100(完全一致の値)以下の値とすることで、対応することができる。また、合致率がB%以上の場合、すなわち不正使用の危険性が低い場合は、運転免許証LCの画像読み取りを必要としないため、不正使用を効果的に防止しつつ作業効率の低下をより防ぐことができる。
また、カード番号の合致率がA%以上B%未満の場合であって、運転免許証LCの画像読み取りが実行されない場合、すなわち顧客から運転免許証LCの提示が為されない場合は、クレジットカードCCの使用を禁止するため、クレジットカードCCの不正使用を未然に防ぐことができる。なお、カード番号の合致率によらず、クレジットカードCCを利用する顧客全てに対し、運転免許証LCの提示を義務づけるようにしても良い。この構成によれば、クレジットカードCCを使用する場合、必ず運転免許証LCの提示が必要となるため、不正使用をし難い環境作りに役立てることができる。
また、トランスアクション番号と、クレジットカードCCの画像データ、磁気ストライプ情報およびエンボス情報と、運転免許証LCの画像データおよび顧客情報と、を関連づけて、クレジットカード取引証明データとして記憶すると共に、トランスアクション番号、カード番号、氏名、免許証番号のいずれかが指定されることによって、これらのデータを含むクレジットカード取引証明データを検索可能であるため、クレジットカードCCの不正使用発覚時や顧客からの問い合わせに対して、迅速に関連するデータを検索することができる。また、検索結果であるクレジットカード取引証明データは、レシート印刷機能を利用して印刷することができるため、顧客等に迅速に証拠を提示することができる。
また、クレジットカードCCと運転免許証LCとは同一のスキャナヘッド44で画像読み取り可能であり、しかも共通搬送路41上を搬送可能であるため、装置構成を簡易化することができる。また、スキャナヘッド44と磁気ヘッド58とは、共通経路上に臨んでいるため、オペレータが当該共通経路(カード挿入口41a)にクレジットカードCCを一度挿入するだけで、磁気ストライプ情報と画像読み取りとの両処理を行わせることができる。すなわち、オペレータの負担を低減しつつ、両処理を迅速に行うことができる。
また、オペレータ用ディスプレイ63a上に、クレジットカードCCの使用を許可するか否かの判別結果を表示するため、オペレータは当該表示に基づいて顧客に対し適切に対応することができる。また、判別結果の表示は、オペレータ用ディスプレイ63a上だけでなく、顧客用ディスプレイ63b上にも行われるため、顧客に対してクレジットカードCCの使用禁止を伝えることができ、ひいてはオペレータの負担を低減することができる。なお、判別結果は、ディスプレイ63上に表示するのではなく、POS端末コンピュータ60若しくは複合処理装置10に備えられたLED等によって表示するようにしても良い。
なお、上記の例では、複合処理装置10においてデータM(磁気ストライプ情報に含まれるカード番号に関する情報)およびデータS(エンボス情報に含まれるカード番号に関する情報)を取り出し(図8の処理B参照)、これらをPOS端末コンピュータ60に送信した後、POS端末コンピュータ60側で、データMおよびデータSに基づき、クレジットカードCCの使用を許可するか否かの判別処理を行うものとしたが(図9の処理C参照)、複合処理装置10側で、これら一連の処理を行うようにしてもよい。すなわち、この場合は、複合処理装置10においてデータMおよびデータSに基づいてこれらの合致率を算出する。そして合致率がA%未満の場合は、クレジットカードCCの受付拒否を示すステータスデータをPOS端末コンピュータ60に送信し、合致率がB%以上の場合は、受付許可を示すステータスデータをPOS端末コンピュータ60に送信する。また、合致率がA%以上B%未満の場合は、運転免許証LCの画像読み取りおよびOCR処理を行う。そして、読み取った各情報、画像データに基づいて、クレジットカード取引証明データを生成し、POS端末コンピュータ60を介してPOSサーバ70に送信する。この構成によれば、複合処理装置10側で一連の処理を実行可能であるため、例えばPOS端末コンピュータ60において決済方法決定後に、商品情報の追加入力や修正入力がある場合など、POS端末コンピュータ60の処理が煩雑となるような場合であっても、POS端末コンピュータ60の処理に負担をかけることがない。また、POS端末コンピュータ60に組み込まれているPOSアプリケーションに大幅な変更を加えることなく、本発明を実現することができる。
なお、上記の例では、複合処理装置10においてクレジットカードCCおよび免許証LCの画像データに基づくOCR処理を実行するものとしたが、これをPOS端末コンピュータ60側で実行させることも可能である。この構成によれば、POS端末コンピュータ60の高性能な制御機構(CPU)によりOCR処理ができるため、迅速な処理が可能となる。
また、上記の例では、クレジットカード取引証明データとして、トランスアクション番号と、クレジットカードCCの画像データ、磁気ストライプ情報およびエンボス情報と、運転免許証LCの画像データおよび顧客情報と、が含まれるものとしたが、これら全てのデータではなく、例えばトランスアクション番号と、クレジットカードCCの磁気ストライプ情報と、運転免許証LCの顧客情報のみをクレジットカード取引証明データとして保存するなど、データベース71の容量や各店舗のニーズに応じて保存データは変更可能である。但し、キーワード(氏名、カード番号)検索が容易となるように、クレジットカードCCについては磁気ストライプ情報またはエンボス情報、運転免許証LCについては顧客情報が保存されることが好ましい。
また、クレジットカード取引証明データを、POSサーバ70内に保存するのではなく、内蔵若しくは外付けされた記憶装置(記憶媒体)に保存するようにしても良い。さらに、複合処理装置10側において、図9に示す処理Cが実行される場合は、複合処理装置10に内蔵若しくは外付けされた記憶装置(記憶媒体)にクレジットカード取引証明データを保存するようにしても良い。
また、上記の例では、クレジットカードCCのOCR処理結果であるエンボス情報には、カード番号、カード名義人の氏名および有効期限の情報が含まれるものとしたが、エンボス情報としてカード番号のみを抽出しても良い。また、運転免許証LCのOCR処理結果である顧客情報には、免許証番号および氏名の情報が含まれるものとしたが、顧客情報として免許証番号のみを抽出しても良い。
また、上記の例では、カード番号の照合結果(合致率)に応じてクレジットカードCCの使用を許可するか否かの判別を行うものとしたが、当該照合に加え、顧客情報に含まれる氏名の情報と、磁気ストライプ情報またはエンボス情報に含まれる氏名の情報とを照合し、その照合結果に基づいてクレジットカードCCの使用を許可するか否かを判別するようにしても良い。この構成によれば、例えば両氏名の情報が合致しない場合、クレジットカードCCの使用を禁止することができる。したがって、例えば偽造クレジットカードを使用する者が、犯罪発覚時に身元が判明することを恐れて、他人の運転免許証を用いたような場合は、当然氏名が異なるため、このような不正を効果的に防止することができる。なお、クレジットカードCCの使用を許可するか否かの判別は、両氏名が合致するか否かではなく、両者の合致率に応じて行うようにしてもよい。すなわち、この場合、合致率が所定の値以下の場合、クレジットカードCCの使用が禁止される。また、氏名の情報の照合(合致率の算出)は、POS端末コンピュータ60または複合処理装置10のいずれにおいても実行可能である。さらに、氏名の情報の照合(合致率の算出)は、クレジットカードCCによる決済処理を行う全ての会計処理において実行することも可能であるが、データMおよびデータSの合致率(カード番号の合致率)が、A%以上B%未満の場合のみ実行するようにしても良い。すなわち、運転免許証LCの画像読み取りを条件としてクレジットカードCCの使用を許可するような場合に、予め氏名の照合を行っておくことで、不正使用の未然防止に有効であると共に、作業効率の低下を防止することができる。
また、上記の例では、カード番号の合致率がA%以上B%未満の場合、運転免許証LCの画像読み取りを条件としたが、運転免許証LCではなく、各種身分証明書(パスポート、保険証、個人IDカードなど)によって本人確認を行っても良い。なお、この場合、身分証明書は顔写真付きであることが好ましい。この構成によれば、決済処理時にオペレータが目視で顔写真を見比べることができるため、盗難・窃盗による他人の身分証明書の使用を防止することができる。
また、上記の例に示した、複合処理装置10またはPOS端末コンピュータ60における各機能(各手段)をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納し、パーソナルコンピュータ等にインストールすることで、本実施形態に示すPOSシステム1以外でも、本発明のクレジットカード処理制御方法を実現可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
また、上記の複合処理装置10の各機能をPOS端末コンピュータ60に組み込み、1台の装置(クレジットカード処理装置)として構成しても良い。この構成によれば、1つの筐体として提供されるため、設置場所を取らず、また、搬入・機器の接続等の設置作業も容易に行うことができる。また、複合処理装置10から小切手処理機能およびレシート印刷機能を省略することも可能である。
また、上述した実施例によらず、例えばシステム構成や装置構成等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。