JP2005215504A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成ながら、誤判断しにくい眩しさ対策を行い、フォーカシングや色調整も可能で廉価なプロジェクタを提供することである。
【解決手段】このプロジェクタ1では、選択された画像が投影レンズ16を介して投影され、画像形成部14により上記選択画像に基準画像が合成された画像が形成される。また、制御部10により、上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記合成画像が上記投影面に向けて投影される。上記合成画像の上記投影面からの反射光は、受光センサ21で受光され、その受光結果に応じて、制御部10によって投影状態が制御される。
【選択図】 図1
【解決手段】このプロジェクタ1では、選択された画像が投影レンズ16を介して投影され、画像形成部14により上記選択画像に基準画像が合成された画像が形成される。また、制御部10により、上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記合成画像が上記投影面に向けて投影される。上記合成画像の上記投影面からの反射光は、受光センサ21で受光され、その受光結果に応じて、制御部10によって投影状態が制御される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、画像をスクリーンに投影して拡大画像を楽しむプロジェクタの改良に関するものである。
従来、プロジェクタは、事務機器として会議の時のプレゼンテーション資料の投影用に利用されることが多かった。しかしながら、機器の大きさより大きな画面で鑑賞可能なため、いわゆるホームシアタ等、コンシューマ商品としての価値が見直されている。
このように、多くの一般のユーザが利用する装置である場合、簡単に且つ安全にきれいな画像投影がなされることが重要となる。
ところで、投影光がユーザの目に直接入ることを対策するために、近接センサを用いて、光量をコントロールする提案がなされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。また、イメージセンサを利用し、投影像をモニタして、レンズのフォーカシング制御を行ったり、ホワイトバランス調整を行う商品が市場に出ている。
特開平6−105191号公報
特開2002−6397号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載されたような近接センサを利用するものは、単純な判定による眩しさの問題は対策できても、オートフォーカスには応用できないものであった。また、上述したイメージセンサを利用するものは、センサのコストが高額すぎることに加え、構成が複雑すぎて、廉価なシステムに応用することが困難なものであった。
したがってこの発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、簡単な構成ながら、誤判断しにくい眩しさ対策を行い、フォーカシングや色調整も可能で廉価なプロジェクタを提供することを目的とする。
すなわち請求項1に記載の発明は、投影レンズを介して選択された画像を投影面に向けて投影するプロジェクタに於いて、上記選択画像に基準画像を合成した画像を形成する基準画像合成手段と、上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記合成画像を上記投影面に向けて投影する切り替え手段と、上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、上記受光手段の受光結果に応じて、投影状態を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記反射光に応じて投影レンズの焦点状態を調整することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記反射光に応じて投影光量を調整することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記基準画像合成手段は複数種類の異なる合成画像を形成し、上記切り替え手段は上記複数種類の合成画像を順次投影し、上記制御手段は上記受光手段の受光結果の変化に応じて、上記投影状態を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記基準画像合成手段は、上記基準画像を合成する上記選択画像の明るさによって合成する基準画像を選択することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記受光手段はカラーフィルタを含み、上記制御手段は受光量と色成分に基づいて投影光量を切り替えるように制御することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、投影レンズを介して選択された画像を投影面に向けて投影するプロジェクタに於いて、上記選択画像に複数種類の異なる基準画像を合成した画像を形成する基準画像合成手段と、上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記複数種類の合成画像を上記投影面に向けて順次投影する切り替え手段と、上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、上記受光手段の受光結果の変化に応じて、投影状態を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、選択された画像を投影面に向けて投影する投影手段と、上記選択された画像に基準画像を合成した画像を形成する基準画像合成手段と、所定のタイミングで上記選択された画像から上記合成画像を切り替えて上記投影面に向けて投影する切り替え手段と、上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、上記受光手段の受光結果に応じて、投影状態を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記制御手段は、上記反射光に応じて投影光量を調整することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記基準画像合成手段は複数種類の異なる合成画像を形成し、上記切り替え手段は上記複数種類の合成画像を順次投影し、上記制御手段は上記受光手段の受光結果の変化に応じて、上記投影状態を制御することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記基準画像合成手段は、上記基準画像を合成する上記選択された画像の明るさに基づいて合成する基準画像を選択することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記受光手段は少なくとも1つのカラーフィルタを含み、上記制御手段は上記受光手段で受光された受光量と色成分に基づいて上記投影手段から投影される光量を制御することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、投影レンズを介して選択された画像を投影面に向けて投影するプロジェクタに於いて、上記選択画像の明るさに応じて基準画像を選択し、該選択した基準画像を上記選択画像に合成した画像を形成する基準画像合成手段と、上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記合成画像を上記投影面に向けて投影する切り替え手段と、上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、上記受光手段の受光結果に応じて、投影状態を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
この発明のプロジェクタは、ユーザが選択して投影する画像の他に、基準投影像を複数用意しておき、その反射信号光を判定する受光手段を設け、基準像を順次投影することにより、誤判定のない正確な映像投影制御を行う。
この発明によれば、簡単な構成にて誤判断のない画像投投影制御切り替えを行うことが可能なプロジェクタを提供することができる。つまり、眩しさを対策した、また、オートフォーカス、自動色調整を可能としたプロジェクタを提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係るプロジェクタの電気回路の構成を示すブロック図である。
図1は、この発明の第1の実施形態に係るプロジェクタの電気回路の構成を示すブロック図である。
図1に於いて、マイクロコンピュータ等で構成される制御部(CPU)10は、このプロジェクタ1内の各部を制御する制御手段である。このCPU10には、光源回路11を介して投影用の光源である投影手段としてのランプ12が接続されていると共に、画像形成回路13が接続されている。この画像形成回路13には、上記ランプ12の前面に配置されるもので、カメラ等の外部機器2のメモリ26に記憶されたデータを再生するべく、LCDやDMD(デジタルミラーデバイス)等で構成される基準画像合成手段としての画像形成部14が接続されている。また、上記画像形成回路13と、上記画像形成部14とで、走査手段を構成している。
上記CPU10には、また、ランプ12の前面に配置された投影レンズ16と、モータ等のアクチュエータから成りピント合わせを行うレンズドライバ(LD)15と、投影レンズ16の近傍に設置された温度検出部17と、光量判定回路22と、メモリ25とが接続されている。
上記CPU10では、ユーザが操作する操作スイッチ群23の入力状態が判定され、画像データが画像形成部14で再成されるべく、画像形成回路13にて画像データに変換されて切り替え制御される。このCPU10は、切り替え手段としての機能も有している。上記画像形成部14で形成された画像は、光源回路11によって発光するランプ12によって、投影レンズ16を介して壁面30に投影される。
上記投影レンズ16は、レンズドライバ15によってその光軸方向に沿って移動されるもので、制御部10の出力信号に応じてピント合わせ制御がなされるようになっている。
また、このプロジェクタ1には、受光レンズ20を介して、前方から入射する光を受光する受光手段である受光センサ21が内蔵されている。この受光センサ21に入射された光に依存する信号は、光量判定回路22を介してCPU10に出力される。つまり、受光センサ21に入射される信号の光量に応じた信号が、CPU10に入力される。
尚、上記ランプ16が発熱することによって、プロジェクタ1は熱を持ちやすくなる。そこで、この温度変化を検出するために、温度検出部17が備えられている。したがって、プロジェクタ1が、この温度検出部17によって過熱状態であるとされた場合には、例えば、図示されないファン等の冷却装置によって、ランプ16を冷却することができるようになっている。
また、温度変化によって、投影レンズ16の焦点距離が変化することがあるので、この測距結果を用いて、オートフォーカス時のレンズのピント合わせ位置制御が切り換えられるようになっている。
画像データは、例えば、図2に示されるように、外部機器であるデジタルカメラ2から入力されるようにしても良い。この場合、デジタルカメラ等の外部機器2のメモリ26に記憶されたデータは、画像形成回路13を介して画像形成部14で再生される。
こうしたデータとは別に、プロジェクタ1内のメモリ25には、図2に示されるように、投影面の一部のみを線状に明るくするようなデータが格納されている。この線状の投光信号は、壁面30を1本の線(線状の投影パターン31)が、図示矢印C方向にシフトしていくような形で、順次投光方向を変化させる。そして、所定の位置にこの線状の信号が達すると、その位置をモニタしていたセンサ21が反応し、入射光量が大きくなったという信号が該センサ21から出力される。
このような構成のプロジェクタに於いて、該プロジェクタ1から壁面30までの距離Lを求める方法について、図1及び図3を参照して説明する。
画像形成部14では、メモリ26に記録された画像データに基づく画像が形成される前に、メモリ25に記録されている所定の画像がCPU10から受け取られる。そして、図3(a)に示されるように、投影画像35の一部である投影画像31のみが明るくなるような画像が形成される。この画像は、画像形成回路13及び画像形成部14に電子的に切り換えられて、図3(a)に示されるような状態から、図3(b)に示されるような状態に変化する。
図3(a)に示されるような状態にするには、図1に矢印32aで示されるような方向に明るい部分(投影パターン31)が照射されるように、画像形成部14の所定部分がランプ12からの光で強く投影されるように画像形成が行われる。
この所定部分が、投影レンズ16の光軸から右側に図示xだけシフトした部分であるならば、投影レンズ16と受光レンズ20の主点間距離をBとし、投影レンズ16の焦点距離をfとすると、
L=B・f/x …(1)
の関係で、プロジェクタ1から壁面30までの距離Lが求められる。このとき、センサ21は受光レンズ20の光軸上に配置されているものとする。
L=B・f/x …(1)
の関係で、プロジェクタ1から壁面30までの距離Lが求められる。このとき、センサ21は受光レンズ20の光軸上に配置されているものとする。
例えば、距離Lよりもプロジェクタ1に近い距離L2 の位置に壁が存在すれば、図示矢印32aの方向ではなく、図示矢印32bの方向に強い光が投影された時の方が、センサ21には強い光33が入射される。
次に、図4のフローチャートを参照して、このように構成されたプロジェクタ1のピント合わせの動作について説明する。尚、このピント合わせの動作は、CPU10によって制御される。
先ず、ピント合わせ動作に入ると、ステップS1にて、投影レンズ16の焦点距離fを所定値にするために、該投影レンズ16の繰り出し位置が所定の位置にリセットされる。次いで、ステップS2にて、上述したシフト量xが0にされる。そして、ステップS3にて、所定のシフト量Δxずつインクリメントされる。
ステップS4では、上記ステップS3で得られたxの位置に光点パターン(投影パターン31)の投影が行われる。このとき、ステップS5にて、受光レンズ20を介してセンサ21に入射される光量Pxがモニタされる。そして、ステップS6に於いて、所定のシフト量に到ったか否かが判定される。ここで、上記パターン投影光量Pxが最大になるまで、上記ステップS3〜S6にて、Δxのシフトとパターン投影光量Pxのモニタが繰り返される。
上記ステップS6にて、上記パターン投影光量Pxが最大になったならば、ステップS7に移行して、Pxが最大値になったときのxの位置x0 が検出される。次いで、ステップS8にて、上記(1)式に基づいて距離Lが求められる。更に、ステップS9では、この距離Lに対しピント合わせがなされるように、投影レンズ16のピント合わせが行われる。
これは、レンズドライバ15が制御されて、図示されないエンコーダによってピント合わせレンズの位置がCPU10で判定されることによって行われるものである。このときのxの位置と投影光量Pxの関係は、図5(a)及び(b)に示されるようなグラフで表すことができる。図5(a)及び(b)に於いて、横軸は時間tであり、順次画像形成部14の発光ポイントxが変化していくことを示している。そして、所定のポイントx0 に到達した時に、受光光量がピークになることを示している。この場合、ピーク値となるのは、後述する基準パターンRP1の投影時である。
この時のxの位置が、図4のフローチャートに於けるステップS7で求められるx0 である。
尚、Δxを細かくすると精度が上がるが、あまり細かくし過ぎると時間がかかってしまうので、Δxは最初粗くしておき、おおまかな距離を求めてからΔxを小さくして、更に細かい変化にして微調整するようにしても良い。
また、画像投影中に、例えば光源のランプ等の発熱によって投影レンズのピントがずれた場合等は、以下に示すような方法により、それを補正して正しいピント位置に設定をし直す。
図6は、画像形成部14によって、投影画像35の一部に基準パターンRP1、RP2、RP3を形成して投影した例を示したもので、(a)はt1 のタイミング時、(b)はt2 のタイミング時、(c)はt3 のタイミング時の例を示した図である。
また、図7は、画像形成部14によって、投影画像35の一部にぼやけたパターンRP1′、RP2′、RP3′を形成して投影した例を示したもので、(a)はt1 のタイミング時、(b)はt2 のタイミング時、(c)はt3 のタイミング時の例を示した図である。
上述した図4に示されるようなフローチャートによってピントが正しく合っていれば、t1 ,t2 ,t3 のタイミングで、それぞれ図6(a)、(b)、(c)に示されるように、エッジのはっきりしたパターン(基準パターン)RP1、RP2、RP3を投影することができる。しかしながら、ピントが外れていると、図7(a)、(b)、(c)に示されるように、エッジがぼやけたパターンRP1′、RP2′、RP3′となる。
尚、図中SEとして示した領域を受光素子21がモニタしている場合は、図6(a)〜(c)に示されるように、t1 ,t2 ,t3 のタイミングで明るい基準パターンの投影位置をシフトさせていくと、図8(a)のピントOKとなる特性曲線Eのように、受光光量は大きな変化を示し、ピントが合った高コントラストで投影されていることがわかる。
一方、ピントがずれている場合、図7(a)、(b)、(c)に示されるように、t1 ,t2 ,t3 のタイミングで、明るい基準パターンの投影位置をシフトさせていくと、図8(a)のピントNGとなる特性曲線Fのように、受光光量の変化は少なく、低コントラスト、すなわち、ピント外れを判定することができる。
また、すでに本来の画像が投影されている場合、図9(a)に示されるように、それが明るい画像である場合は、明るい基準パターンを合成して投影しても、受光光量変化を判別することができない。そうした場合は、暗い基準パターンを投影するようにしても良い。このとき、図9(a)に示されるように、投影画像40はt1 のタイミングでモニタ部分(RP1部41)が暗くなるので、ピントが合った場合には光量ダウンが大きく、ピントが合っていない場合には光量ダウンが小さい。このように、状況によっては基準パターンは暗くしても良い。
更に、図10(a)のように、元の投影画像40が明るくも暗くもない場合には、図10(b)、(c)に示されるように、暗いパターン、明るいパターンを基準パターンRP1として順次投影して、その差によって図8(a)に示されるようなグラフを得るようにしても良い。このようなグラフによってコントラストを判定しながら、レンズのピント位置をシフトさせて、最もコントラストの高い所でレンズを停止させるようにすれば、常にピントの合った投影が可能となる。
t1 のタイミングで投影されるパターンの位置は、図5にRP1として示されるもので、図4のフローチャートに於けるステップS7の、ピークが形成される位置(距離に相当)から決定され、受光素子のモニタ範囲SEから、t2 ,t3 のタイミングで投影される基準パターンRP2、RP3の位置が決定される。
また、投影される基準パターンを明るくするか暗くするかは、図11に示されるようなフローチャートに従って決定される。
すなわち、ステップS11にて、先ずスクリーンまでの距離から基準パターンRP1のポイントが決定される。次いで、ステップS12に於いて、その部分の画像の明るさが判定される。
ここで、例えば図9(a)に示されるように、所定の明るさよりも明るい場合には、ステップS14へ移行して暗い基準パターンが投影される。また、図9(b)に示されるように、所定の明るさより暗い場合にはステップS13へ移行する。
このステップS13に於いては、上述したポイントでの画像の明るさが、所定の明るさよりも暗いか否かが判定される。その結果、所定の明るさよりも暗い場合には、ステップS15へ移行して暗い基準パターンが投影される。
更に、上記ステップS12及びS13に於いて、所定の明るさよりも明るくも暗くもないと判定された場合には、ステップS16へ移行して、図10(b)、(c)に示されるように、基準パターンが切り替えられて、上述したように、その差による判定が行われるようにする。
この合成画像の投影は、受光センサが判定可能な100μsecオーダの瞬時に行われ、すぐに、図10(a)に示されるような通常表示に戻るので、人(ユーザ)の眼には気付かずにコントラスト判定ができる。
図12は、こうした場合の投影動作を説明するフローチャートである。
先ず、ステップS21にて、ユーザによって選択された画像が投影される。次いで、ステップS22に於いて、温度変化が温度検出部17内の温度センサによって判定される。そして、温度変化があったならば、ステップS23へ移行して、図6(a)、(b)、(c)に示されるような、RP1、RP2、RP3の各パターンが、上記ステップS21で投影されていた画像に重ねて、順次投影される。
次いで、ステップS24にて、図8(a)または(b)に示されるようなコントラスト判定の変化が検出される。ここで、高コントラストではないと判定された場合には、ステップS25へ移行して微少なレンズ制御が行われる。これにより、所定のコントラストが得られれば、その位置にピント合わせが行われる。その後、上記ステップS23へ移行する。
一方、上記ステップS24にて高コントラストであると判定された場合は、ステップS26に移行して、投影終了の操作が判定されるる。そして、投影終了と判定されるまで上記ステップS21へ移行して、このレンズの制御が繰り返される。したがって、温度が変化して光学特性が変化しても、常に正しいピント位置にすることができる。
また、温度変化がなくとも、所定時間おきにピントの合わせ直しが行われるようにしてもよい。そのような工夫によって、ユーザがプロジェクタとスクリーンの位置を変更した場合でも、正しくピント合わせができるAF機能付きプロジェクタを提供することが可能である。
このコントラスト判定の考え方によれば、t1 ,t2 ,t3 のタイミングでごく短時間の間にピントのずれ具合を判定することができ、撮影レンズを高速、且つ正確に制御することができる。
また、図13(a)に示されるように、受光系を構成することも可能である。すなわち、受光センサが21a〜21cの3分割とされ、その前に3色のカラーフィルタ20aが配置されて、各色のバランスを検出することができるように構成する。すると、投影レンズ16から白色光信号31が投影された時の反射光量の差異によって、投影された面の色を判別することができる。
ところで、図13(b)に示されるように、投影レンズ16投影された像の光をユーザ45が覗くと、目に強い刺激を受けてしまう。こうしたユーザ45が覗き込む場合の対策を含めた例を変形例として、以下、図13(b)及び図14のフローチャートを参照して説明する。
図13(b)に示されるように、投影画像35が投影されている時に、時おり基準光42が投影される。これは、近距離に対象物(ユーザ)45が存在してしている場合に、受光レンズ20を介して受光素子5に反射光が入射される位置に相当する方向に、投影制御がなされる。
図14のフローチャートに入ると、先ずステップS31にて、受光センサ21から出力される光量信号がモニタされる。次いで、ステップS32にて所定時間が経過したか否かが判定される。ここで、所定時間が経過したならばステップS33へ移行して上記受光センサからの光量変化の有無が判定される。ここで、変化が無い場合は上記ステップS32へ移行し、変化があった場合にはステップS34へ移行する。
ステップS34では、白色光が図13(b)に示されるように、基準光42として投影される。このとき、大きな光量が返ってくる場合は、図13(b)に示されるように、投影レンズ20とスクリーンとの間に対象物(ユーザ)45が存在すると考えられる。すなわち、ステップS35にて近距離側の光量が判定されて、その結果、光量が大きいものであればステップS36へ移行する。
但し、光量大となっていても、単にスクリーンが投影レンズ16側に近くなっただけである可能性もある。そのため、図13(a)に示されたような、3つの受光センサ21a〜21cの出力バランスから対象物の色を判定するようにしても良い。すなわち、ステップS36では、投影されている光が白色であるか否かが判定される。ここで、白色のものでないと判定された場合は、スクリーンではないと判定できるので、ステップS38に移行して、眩しさ対策のために光量ダウン制御が行われる。
一方、上記ステップS36にて投影光が白色である場合、及び上記ステップS35にて近距離側の投影光量が大きくない場合は、ステップS37へ移行して、光量が元に戻される。
その後、ステップS39にて、ユーザにより投影が終了される操作が行われるまで、上記ステップS32〜S39の動作が繰り返される。これによって、不意にユーザが投影レンズの方を覗いた場合も、眩しさを低減することができる。
このような工夫によって、簡単な構成で誤判断することなく、眩しさを対策することができる。
また、図13(a)に示されるような受光系の構成を前提にすれば、図15に示されるようなフローチャートに従って、壁の色が白でなくとも、色再現性のよい像の投影を行うことが可能となる。
以下、図15のフローチャートに従って、色バランスを行う動作について説明する。
先ず、ステップS41にて、図13(a)に示されるように、白色光31がスクリーンに投影される。次いで、ステップS52にて、3つの受光センサ21a〜21cの出力のバランスが判定される。その結果、ステップS43に於いて、それが白色スクリーンのバランスと等しいか否かが判定される。
ここで、白色スクリーンのバランスと等しいものである場合は、何も制御が行われないが、特定の色成分が強い場合には、ステップS44に移行して、その色が抑えられた形態での投影が行われる。
この色の制御は、例えば、図16(a)に示されるような構成の投光系を前提としている。
図16(a)に於いて、ランプ12からリフレクタ12aによって集光された光が、モータ52により回転駆動されるカラーホイール51を通過してライトガイド53に導かれる。このライトガイド53に導かれた光は、コンデンサレンズ54を介して、ミラー55及び56により反射されて画像形成部(DMD)14に入射される。この画像形成部14で形成された画像は、投影レンズ16を介して投影される。
図16(b)は、図16(a)のカラーホイール51と、光源のランプ12との関係を示した図である。同図に於いて、カラーホイール51は、3色のフィルタ及び白色のフィルタにより構成されている。そして、このカラーホイール51が、例えば図示矢印D方向に回転するようになっていて、光源12からリフレクタ12aによって集光された光が、該カラーホイール51の何れかのフィルタを通過する。
上記画像形成部14は、多数の分割されたミラー素子から構成されるもので、これにより画素が形成される。ミラー素子14aが図17(a)に示されるような角度である場合は、投影レンズ16に画像が導かれてその画素を明るくすることができる。一方、図17(b)に示されるような角度にミラー素子14aが制御された場合は、破線で示されるように、投影レンズに光が向かわないので、その画素を暗くすることができる。
カラーホイール51のフィルタの何れの色を通過する時に、図17(a)に示されるような状態にミラー素子14aを切り替える頻度によって、その色を明るくしたり暗くしたりすることができる。
CPU10は、モータ52によってカラーホイール51を回転制御させると共に、画像形成部14の制御を画像形成回路13を介して行う。そして、例えば、赤色を抑える場合には、赤色のフィルタを通して像が投影されるタイミングで画素を構成する微小なミラー素子14aが、図17(a)に示される角度になる頻度より、図17(b)に示される角度になる頻度の方を増加させれば良い。
この場合、初めに基準となる白色光が投影される(白色フィルタを通す)。そして、その時の反射光が、本来白いスクリーンに投影した場合に返ってくるバランスと同じ色配分になるように、各フィルタ透過の投影光投影の比率を増減させる。
このように、本実施形態によれば、プロジェクタの光投影機能を有効に利用し、単純なカラーフィルタを介した受光素子を設けるだけで、どのような壁面に投影しても、色再現性の良好な画像を得ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
1…プロジェクタ、2…カメラ、10…制御部(CPU)、11…光源回路、12…ランプ、13…画像形成回路、14…画像形成部、15…レンズドライバ(LD)、16…投影レンズ、17…温度検出部、20…受光レンズ、21…受光センサ、22…光量判定回路、23…操作スイッチ群、25、26…メモリ、30…壁面、31、33…投影パターン、35…投影画像、RP1、RP2、RP3…基準パターン。
Claims (13)
- 投影レンズを介して選択された画像を投影面に向けて投影するプロジェクタに於いて、
上記選択画像に基準画像を合成した画像を形成する基準画像合成手段と、
上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記合成画像を上記投影面に向けて投影する切り替え手段と、
上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、
上記受光手段の受光結果に応じて、投影状態を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするプロジェクタ。 - 上記制御手段は、上記反射光に応じて投影レンズの焦点状態を調整することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 上記制御手段は、上記反射光に応じて投影光量を調整することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 上記基準画像合成手段は複数種類の異なる合成画像を形成し、上記切り替え手段は上記複数種類の合成画像を順次投影し、上記制御手段は上記受光手段の受光結果の変化に応じて、上記投影状態を制御することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 上記基準画像合成手段は、上記基準画像を合成する上記選択画像の明るさによって合成する基準画像を選択することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 上記受光手段はカラーフィルタを含み、上記制御手段は受光量と色成分に基づいて投影光量を切り替えるように制御することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
- 投影レンズを介して選択された画像を投影面に向けて投影するプロジェクタに於いて、
上記選択画像に複数種類の異なる基準画像を合成した画像を形成する基準画像合成手段と、
上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記複数種類の合成画像を上記投影面に向けて順次投影する切り替え手段と、
上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、
上記受光手段の受光結果の変化に応じて、投影状態を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするプロジェクタ。 - 選択された画像を投影面に向けて投影する投影手段と、
上記選択された画像に基準画像を合成した画像を形成する基準画像合成手段と、
所定のタイミングで上記選択された画像から上記合成画像を切り替えて上記投影面に向けて投影する切り替え手段と、
上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、
上記受光手段の受光結果に応じて、投影状態を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするプロジェクタ。 - 上記制御手段は、上記反射光に応じて投影光量を調整することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。
- 上記基準画像合成手段は複数種類の異なる合成画像を形成し、上記切り替え手段は上記複数種類の合成画像を順次投影し、上記制御手段は上記受光手段の受光結果の変化に応じて、上記投影状態を制御することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。
- 上記基準画像合成手段は、上記基準画像を合成する上記選択された画像の明るさに基づいて合成する基準画像を選択することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。
- 上記受光手段は少なくとも1つのカラーフィルタを含み、上記制御手段は上記受光手段で受光された受光量と色成分に基づいて上記投影手段から投影される光量を制御することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。
- 投影レンズを介して選択された画像を投影面に向けて投影するプロジェクタに於いて、
上記選択画像の明るさに応じて基準画像を選択し、該選択した基準画像を上記選択画像に合成した画像を形成する基準画像合成手段と、
上記選択画像に代えて、所定のタイミングで上記合成画像を上記投影面に向けて投影する切り替え手段と、
上記合成画像の上記投影面からの反射光を受光する受光手段と、
上記受光手段の受光結果に応じて、投影状態を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするプロジェクタ。
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