JP2005214366A - 流体封入式筒型防振装置 - Google Patents

流体封入式筒型防振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 軸方向に入力される複数の乃至は広い周波数域の振動に対して封入流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が有利に発揮され得る新規な構造の流体封入式筒型防振装置を提供する。
【解決手段】 本体ゴム弾性体16において周方向に部分的に肉抜穴66を形成して、受圧室60において本体ゴム弾性体16で構成された軸方向一方の側の壁部の一部を弾性隔壁膜72とする。そして、この弾性隔壁膜72の固有振動数を、受圧室60と平衡室62を繋ぐ軸方向オリフィス64のチューニング周波数よりも高周波数域にチューニングした。これにより、軸方向オリフィス64のチューニング周波数より高周波数域の軸方向振動入力時に、弾性隔壁膜72の弾性変形を利用して受圧室60の圧力変動を吸収し、著しい高動ばね化を回避するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車におけるサブフレームマウントやメンバマウント、ボデーマウント等に適用される流体封入式筒型防振装置に係り、特に、内部に封入された流体の流動作用に基づいて発揮される防振特性を利用して軸方向の防振効果等を得るようにした流体封入式筒型防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、インナ軸部材とアウタ筒部材を軸直角方向で互いに離隔配置すると共に、それら両部材を本体ゴム弾性体で連結した筒型防振装置であって、インナ軸部材とアウタ筒部材の間に入力される主として軸方向の振動に対して防振効果が発揮されるようにした筒型防振装置が知られている。
また、より優れた防振効果を得るために非圧縮性流体の流動作用を利用したものも提案されている。例えば、インナ軸部材とアウタ筒部材の軸方向一方の端部間を本体ゴム弾性体で連結すると共に、他方の端部間を可撓性膜で連結することにより、それら本体ゴム弾性体と可撓性膜の間に非圧縮性流体が封入された流体室を形成すると共に、インナ軸部材とアウタ筒部材の一方から他方に向かって突出する環状の仕切突部を形成して該仕切突部で流体室を仕切ることにより受圧室と平衡室を形成したものが、それである。このような流体封入式の筒型防振装置においては、仕切突部によって狭窄形成されたオリフィス通路を通じて受圧室と平衡室の間で流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、軸方向の防振効果が発揮されることとなる。
ところで、防振装置においては、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して防振効果が要求される場合が多い。例えば、自動車等に適用される流体封入式筒型防振装置では、車種や走行状態等に応じて防振すべき振動の周波数等が異なる。
ところが、前述の如き従来構造の流体封入式の防振装置においては、オリフィス通路による流体の共振作用等に基づいて発揮される防振効果が、オリフィス通路のチューニングされた限られた周波数域の入力振動にしか有効には発揮されず、そのために、複数の乃至は広い周波数域の入力振動に対して満足できる防振効果を得ることが難しかった。しかも、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域では、該オリフィス通路を流動せしめられる流体の反共振的な作用によってオリフィス通路の流通抵抗が著しく増大して目詰まり状態となり、受圧室の圧力増大が大きくなって防振効果が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで、例えば、特許文献1において、受圧室の壁部の一部にインナ軸部材とアウタ筒部材の間に渡設された薄肉のゴム壁を採用し、この薄肉ゴム壁で受圧室の壁部の一部を構成することにより、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域の振動が入力された際に、薄肉ゴム壁の弾性変形によってオリフィス通路の閉塞状態に伴う高動ばね化の低減を図るようにした流体封入式筒型防振装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示された防振装置においては、受圧室の壁部を構成する薄肉ゴム壁と本体ゴム弾性体の間に空間が全周に介在しており、軸方向の振動入力時における本体ゴム弾性体の弾性変形が受圧室に及ぼされ難いことから、受圧室と平衡室の間に相対的な圧力変動が生ぜしめられ難く、それら両室の間でのオリフィス通路を通じての流体流動量が十分に確保され得なくなって、オリフィス通路がチューニングされた周波数域における軸方向の入力振動に対して目的とする防振効果が有効に発揮され難くなるという問題があったのである。
特開平5−280575号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、オリフィス通路のチューニングされた周波数域の振動に対して発揮される、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果を十分に確保しつつ、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域における著しい高動ばね化を回避して良好な防振性能を得ることのできる、新規な構造の流体封入式筒型防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、インナ軸部材とアウタ筒部材を軸直角方向で互いに離隔配置せしめて、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向一方の端部間に本体ゴム弾性体を配設して該インナ軸部材と該アウタ筒部材を弾性連結することにより該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向一方の端部間を流体密に閉塞すると共に、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向他方の端部間に可撓性膜を配設して該軸方向他方の端部間を流体密に閉塞し、該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の間に非圧縮性流体が封入された環状流体室を形成する一方、該環状流体室において該インナ軸部材と該アウタ筒部材の何れか一方から他方に向かって突出する環状の仕切突部を設けて、該仕切突部を挟んだ両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室を形成すると共に、該仕切突部で該環状流体室を狭窄してそれら受圧室と平衡室を相互に連通する環状の軸方向オリフィスを形成した流体封入式筒型防振装置において、前記本体ゴム弾性体の軸方向中間部分において外周面に開口する肉抜穴を該本体ゴム弾性体の周上で部分的に形成して、前記環状流体室の壁部を構成する前記本体ゴム弾性体を該肉抜穴との対向部位において薄肉として弾性隔壁膜を形成し、該弾性隔壁膜の固有振動数を前記軸方向オリフィスのチューニング周波数よりも高周波数域に設定した流体封入式筒型防振装置にある。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式筒型防振装置においては、肉抜穴が本体ゴム弾性体の周方向で部分的に設けられていることによって、受圧室の壁部の一部が本体ゴム弾性体によって直接に構成されている。それ故、軸方向の振動入力時に本体ゴム弾性体が弾性変形せしめられることにより、受圧室には、本体ゴム弾性体が有効なピストン作用を発揮して圧力変動が効果的に惹起せしめられることとなる。
従って、本態様に係る防振装置では、軸方向オリフィスがチューニングされた低周波数域の軸方向振動がインナ軸部材とアウタ筒部材の間に入力された際に、受圧室と平衡室の間に相対的な圧力変動が効率的に生ぜしめられて、それら両室間で軸方向オリフィスを通じての流体流動量が十分に確保されることとなり、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮され得るのである。
また、軸方向オリフィスのチューニング周波数よりも高周波数域の振動が軸方向に入力された際には、軸方向オリフィスが実質的に閉塞状態となるが、平衡室では、その壁部の一部を構成する可撓性膜の弾性変形が容易に生ぜしめられるようになっていることから、平衡室の圧力増大に起因する高動ばね化が問題となることはない。
さらに、受圧室においては、その壁部の一部が弾性隔壁膜を含んで構成されていることによって、その圧力変動が弾性隔壁膜の変形により回避される。特に本態様では、弾性隔壁膜の固有振動数が軸方向オリフィスのチューニング周波数よりも高周波数域にチューニングされていることにより、当該周波数域の振動入力における弾性隔壁膜の共振作用と相俟って、弾性隔壁膜の弾性変形が積極的に生ぜしめられることから、弾性隔壁膜の弾性変形に基づく受圧室の容積変化によって受圧室において有効な圧力変動の吸収機能が発揮される。それ故、軸方向オリフィスの実質的な閉塞化による受圧室の圧力増大に伴う高動ばね化が回避されて、良好な防振性能が発揮され得るのである。
従って、本態様の流体封入式筒型防振装置においては、軸方向オリフィスを流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、該軸方向オリフィスがチューニングされた低周波数域の軸方向振動に対する防振効果が有効に発揮され得ることに加えて、例えば軸方向オリフィスのチューニング周波数よりも高周波数域の振動入力時に惹起される軸方向オリフィスによる反共振的作用に起因する著しい高動ばね化を、弾性隔壁膜の共振作用に伴う効果的な弾性変形を利用して低減することも可能となる。それ故、当該防振装置によれば、インナ軸部材とアウタ筒部材の間に入力される複数の乃至は広い周波数域の振動に対して低動ばね特性が実現され得るのである。
なお、本態様では、弾性隔壁膜の拡張ばね剛性が、平衡室の壁部の一部を構成する可撓性膜の拡張ばね剛性よりも大きくされている。ここにおいて、拡張ばね剛性は、壁部の膨出変形のし易さを表すものであって、弾性隔壁膜や可撓性膜の変形に基づいて受圧室、平衡室の容積が単位量だけ変化せしめられるのに必要とされる、受圧室、平衡室の内圧変化量に対応する値として把握され得る。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の前記態様1に係る流体封入式筒型防振装置であって、前記弾性隔壁膜が、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材に向かって外周側に行くに従って、軸方向において前記肉抜穴から前記環状流体室側に向かうように、軸方向一方の側に傾斜していることにある。
このような本態様においては、受圧室の壁部の一部を構成する弾性隔壁膜の有効自由長や有効面積が大きく確保されて、弾性隔壁膜の弾性変形や共振作用に基づく受圧室の圧力変動の吸収作用が一層効果的に発揮され得ることとなり、軸方向オリフィスのチューニング周波数より高周波数域の防振性能の向上が一層有利に実現可能となる。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の前記態様1又は2に係る流体封入式筒型防振装置において、前記肉抜穴における軸方向両側の壁部内面が、底部から開口部に向かって相互に離隔するように軸方向両側に拡開する反対向きの傾斜面とされていることにある。
このような本態様においては、肉抜穴の壁内面の面積や自由長を大きく設定して耐久性の向上を図ることが可能となる。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係る流体封入式筒型防振装置において、前記本体ゴム弾性体の周方向で相互に離隔して前記肉抜穴が複数形成されており、それらの肉抜穴の開口部が流体密に覆蓋されて内部に非圧縮性流体が封入された周方向の独立流体室が複数形成されていると共に、それら複数の独立流体室を相互に連通する周方向オリフィスが形成されていることにある。
このような本態様においては、独立流体室間で周方向オリフィスを流動せしめられる流体の共振作用を利用して、軸直角方向の入力振動に対する防振効果を得ることが可能となる。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係る流体封入式筒型防振装置において、前記肉抜穴の開口部が流体密に覆蓋されて空気室が形成されていることにある。
このような本態様においては、弾性隔壁膜を挟んで受圧室と反対側に圧縮性流体である空気が封入された空気室が形成されていることから、弾性隔壁膜の弾性変形が空気室の圧縮性に基づいて一層有利に許容されることとなり、弾性隔壁膜の弾性変形によって実現される、軸方向オリフィスのチューニング周波数を超えた高周波領域での高動ばね化の回避と、それによる防振性能の向上がより効果的に実現され得るのである。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の前記態様5に係る流体封入式筒型防振装置において、前記空気室に対して外部から空気圧を及ぼすための空気通路が形成されていることを、特徴とする。
本態様においては、空気室の圧力を大気圧としたり、或いは負圧源等の適当な空気圧源に接続して圧力調節することが出来る。そして、圧力調節するようにすれば、空気室によって弾性隔壁膜に及ぼされる空気ばね作用を調節することが出来るのであり、それによって、弾性隔壁膜の固有振動数を適宜に変更調節して、弾性隔壁膜の共振作用に基づいて発揮される低動ばね作用を、複数の乃至は広い周波数域でより効果的に発揮させることも可能となる。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式筒型防振装置においては、本体ゴム弾性体によって受圧室の壁部の一部が直接に構成されていることから、軸方向の振動入力時に受圧室に対して有効な圧力変動が惹起されて、受圧室と平衡室の相対的な圧力変動に基づいて生ぜしめられる軸方向オリフィスを通じての流体流動量が十分に確保され得ることとなり、軸方向オリフィスのチューニング周波数域の振動に対して優れた防振効果が発揮され得るのである。また、受圧室の壁部の別の一部が弾性隔壁膜で構成されていることから、軸方向オリフィスのチューニング周波数を越えて高周波数域の軸方向振動が入力された際にも、この弾性隔壁膜の共振作用を伴う弾性変形により、著しい高動ばね化が回避されて、良好な防振性能が発揮され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜2には、本発明の一実施形態としての自動車用サブフレームマウント10が示されいる。該マウント10は、互いに径方向に所定距離を隔てて配されたインナ軸部材としての内筒金具12とアウタ筒部材を構成する外筒金具14を備えており、それら内筒金具12と外筒金具14が径方向対向面間に配された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造を有している。また、サブフレームマウント10は、内筒金具12が図示しない自動車ボデーに固着される一方、外筒金具14が図示しない自動車サスペンションメンバ等を含むサブフレームに固着されることにより、図1中の上下方向が車両上下方向となると共に、図2中の左右方向が車両左右方向となり、更に図2中の上下方向が車両前後方向となる状態で、サブフレームをボデーに対して防振支持せしめるようにしている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、内筒金具12は、厚肉の略小径円筒形状を有している。また、内筒金具12は、その内孔18に図示しないボデー側に固設された軸部材が嵌着固定されることによって、ボデーに対して固定されるようになっている。
また、内筒金具12の外周側には、薄肉の略大径円筒形状を有する中間スリーブとしての金属スリーブ20が径方向に所定距離を隔てて略同一中心軸上に配設されている。金属スリーブ20は、軸方向中央部分の小径部22と軸方向両側部分の大径部24,24を有する略段付円筒形状とされており、小径部22によって周方向に延びる幅広の凹溝26が形成されている。また、金属スリーブ20の軸方向一方(図1中、上)の端部には、径方向外方に拡がる略円環形状の鍔部28が一体形成されている。
さらに、金属スリーブ20の軸方向中間部分には、一対の窓部30,30が設けられている。これら窓部30, 30は、周方向に略半周弱に亘って、それぞれ、開口していると共に、内筒金具12を挟んだ径方向一方向(図2中、上下)で対向位置せしめられている。また、窓部30は、金属スリーブ20の小径部22(凹溝26)の軸方向長さよりも大きな軸方向長さとされており、それによって、それら窓部30,30の形成部位においては、金属スリーブ20が窓部30を挟んだ軸方向両側に配設された一対の帯状の大径部24,24のみとされている。
また、これら内筒金具12と金属スリーブ20における軸方向一方(図1中、上)の径方向対向面間(端部間)には、本体ゴム弾性体16が配設されており、内筒金具12と金属スリーブ20が弾性的に連結されている。本体ゴム弾性体16は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、その内周面が内筒金具12の軸方向上端部の外周面に加硫接着されている一方、その外周面が金属スリーブ20の軸方向上端部の内周面に加硫接着されている。要するに、図3にも示されているように、本体ゴム弾性体16は、内筒金具12と金属スリーブ20を備えた一体加硫成形品32として形成されているのである。
また、本体ゴム弾性体16の下端面には、軸方向下方に開口する環状の凹所34が設けられている。本実施形態では、凹所34の底部が内筒金具12と金属スリーブ20の軸直角方向対向面間の中間部分に位置せしめられている一方、内筒金具12に加硫接着された内周壁部34aが、底部から軸方向下方に行くに従って次第に内筒金具12に向かうように湾曲されていると共に、金属スリーブ20に加硫接着された外周壁部34bが、底部から軸方向下方に行くに従って金属スリーブ20に向かうように湾曲されている。なお、凹所34の底部が金属スリーブ20よりも内筒金具12の側に偏倚されていることにより、凹所34の外周壁部34bにおける上方から下方に向かう長さが、内周壁部34aのそれよりも長くされている。即ち、凹所34は、略への字状断面をもって本体ゴム弾性体16の周方向に連続して延びている。また、実質的には、凹所34の内周壁部34aが、下方から上方に向かって円錐状に次第に径寸法が大きくなる逆テーパ形状を有していると共に、凹所34の外周壁部34bが、下方から上方に向かって円錐状に次第に径寸法が小さくなるテーパ形状を有している。
また、金属スリーブ20の大径部24の外周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層36が略全体に亘って被着されている。また、シールゴム層36には、周方向や軸方向に連続して乃至は不連続に延びるシールリップ38の複数条が一体形成されている。
また、内筒金具12と金属スリーブ20の軸方向他方(図1中、下)の端部間の開口部分には、仕切突部としての仕切金具40と可撓性膜としてのダイヤフラム42が重ね合わされて配設されている。
仕切金具40は、大径の略リング形状を呈している。また、仕切金具40の外周縁部には、平坦な略円環板形状を呈するフランジ状部44が一体形成されている。
また、ダイヤフラム42は、十分に小さな拡張ばね剛性を備えていることに基づいて変形容易な薄肉のゴム弾性膜によって構成されており、中央部分には表裏に貫通した略円筒形状の内側嵌着金具46が加硫接着されている一方、外周縁部には略円環形状の外側嵌着金具48が加硫接着されている。即ち、ダイヤフラム42は、内外の嵌着金具46,48を備えた一体加硫成形品として形成されているのである。なお、ダイヤフラム42には、弾性変形が容易に許容されるように径方向の弛みが付与されている。また、内側嵌着金具46や外側嵌着金具48には、ダイヤフラム42と一体形成された薄肉のゴム層が略全体に亘って被着されている。
さらに、仕切金具40と外側嵌着金具48が、内筒金具12と金属スリーブ20の軸方向他方の端部間に下方から嵌め入れられて、仕切金具40のフランジ状部44が金属スリーブ20の軸方向下端部に重ね合わされていると共に、外側嵌着金具48の上端部が仕切金具40のフランジ状部44に重ね合わされて、該フランジ状部44を挟んで金属スリーブ20の下端部と軸方向で対向位置せしめられている。また、内筒金具12が内側嵌着金具46に圧入されている。それによって、内側嵌着金具46の内周面が該金具46に被着されたゴム層を挟んで内筒金具12の外周面に流体密に当接されていることに伴い、ダイヤフラム42の内周縁部が、内筒金具12に対して流体密に固着されている。
更にまた、金属スリーブ20には、外筒金具14が外嵌固定されている。外筒金具14は薄肉の略大径円筒形状を有しており、その軸方向一方の開口部分には、段差部を介して大径化された円筒形状のかしめ部50が一体形成されていると共に、軸方向他方の開口部分には、径方向内方に拡がる環状の支持部52が一体形成されている。また、支持部52には、ゴム弾性体等で形成され、周方向に連続して乃至は不連続に延びるストッパブロック54が軸方向下方に向かって突設されている。更に、外筒金具14の筒壁部の外周面には、薄肉のゴム層56が被着されており、ストッパブロック54と一体形成されている。該ゴム層56には、周方向に連続して乃至は不連続に延びるリップが軸方向に離隔して複数条設けられている。
また、外筒金具14が、内筒金具12および金属スリーブ20を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品32の下方から金属スリーブ20の筒壁部に嵌め込まれて、支持部52がダイヤフラム42の外側嵌着金具48に重ね合わされると共に、かしめ部50が金属スリーブ20の鍔部28に対してかしめ固定され、更に外筒金具14の筒壁部に絞り加工が施されること等により、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品32に対して固定されている。これにより、仕切金具40とダイヤフラム42の外側嵌着金具48が金属スリーブ20と外筒金具14の間に挟着されていると共に、外側嵌着金具48の外周面が該金具48に被着されたゴム層を挟んで外筒金具14の内周面に流体密に当接されている。要するに、本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品32における内筒金具12と金属スリーブ20の軸方向他方の端部間が、ダイヤフラム42で流体密に閉塞されている。
また、このようにして内筒金具12と金属スリーブ20を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品32に外筒金具14やダイヤフラム42が組み付けられることにより、内筒金具12と外筒金具14(金属スリーブ20)の径方向対向面間における本体ゴム弾性体16とダイヤフラム42の間には、外部空間に対して遮断された環状流体室としての第一の流体室58が形成されている。この第一の流体室58には、非圧縮性流体が封入されている。なお、封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用可能であり、特に後述する流体の共振作用に基づく防振効果を得るために、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。また、このような非圧縮性流体の封入は、例えば、前述の本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品32に対するダイヤフラム42や外筒金具14の組み付けを非圧縮性流体中で行うこと等により実現される。
さらに、かかる第一の流体室58には、仕切突部としての、軸直角方向に拡がる仕切金具40が収容配置されており、この仕切金具40で仕切られて二分されている。これにより、第一の流体室58の仕切金具40を挟んだ一方の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて内筒金具12と外筒金具14の間の振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる受圧室60が形成されていると共に、他方の側には、壁部の一部がダイヤフラム42で構成されて該ダイヤフラム42の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室62が形成されている。
また、仕切金具40の外筒金具14から内筒金具12に向かって突出する突出先端面が、周方向の全周に亘って内筒金具12に固定された内側嵌着金具46に被着されたゴム層、延いては内筒金具12と軸直角方向で離隔して対向位置せしめられている。これにより、仕切金具40と内筒金具12の軸直角方向の対向面間には、受圧室60と平衡室62を連通せしめる軸方向オリフィスとしての環状の第一のオリフィス通路64が形成されている。なお、上述の説明かも明らかなように、受圧室60や平衡室62、第一のオリフィス通路64は、第一の流体室58内で、それぞれ、周方向の全周に亘って連続した形状とされている。また、本実施形態では、軸直角方向における内筒金具12と外筒金具14の相対的変位に際して、外筒金具14が仕切金具40および内側嵌着金具46に被着されたゴム層を介して内筒金具12に当接されることにより、仕切金具40が、軸直角方向における内筒金具12と外筒金具14の相対的変位を制限するストッパ機構として利用されている。
また、本実施形態に係る本体ゴム弾性体16の軸方向中間部分には、肉抜穴としてのポケット部66の一対が設けられている。これらポケット部66,66は、内筒金具12を挟んだ径方向一方向(図2中、上下)で対向位置せしめられていると共に、金属スリーブ20の窓部30を通じて、それぞれ、一体加硫成形品32の外周面に開口せしめられている。また、ポケット部66の底部が、軸方向中間部分に位置せしめられている一方、該底部よりも下方に位置する軸方向一方の壁部66aが、内筒金具12から外筒金具14の側に行くに従って次第に下方に向かうように傾斜せしめられていると共に、該底部よりも上方に位置する軸方向他方の壁部66bが、内筒金具12から外筒金具14の側に行くに従って次第に上方に向かうように傾斜せしめられている。即ち、ポケット部66が、底部を挟んで軸方向で対向位置せしめられた一対の壁部66a,66bが該底部から軸直角方向外方に向かって次第に拡開する略弓形状断面をもって、窓部30内を周方向に連続して延びている。
そして、上述の如く、一体加硫成形品32に対して外筒金具14が外嵌固定されることにより、金属スリーブ20の窓部30を通じて外周面に開口せしめられた一対のポケット部66,66が流体密に覆蓋されている。その結果、各ポケット部66と外筒金具14の間には、第一の流体室58と同様な非圧縮性流体が封入された独立流体室としての第二の流体室68が形成されている。このことからも明らかなように、本実施形態では、一対の第二の流体室68,68が、内筒金具12を挟んだ径方向一方向(図2中、上下)で対向位置せしめられていると共に、本体ゴム弾性体16の周方向で相互に離隔配置されている。それによって、第二の流体室68が本体ゴム弾性体16の周方向に部分的に設けられていることにより、本体ゴム弾性体16の有効自由長が、一対の第二の流体室68,68が設けられた部分と、これら第二の流体室68,68が対向位置せしめられた径方向一方向に直交する方向で対向位置せしめられた一対の第二の流体室68,68が設けられていない部分とで異ならされている。その結果、本体ゴム弾性体16における各第二の流体室68が設けられた部分の拡張ばね剛性が、第二の流体室68が設けられていない部分の拡張ばね剛性よりも小さくされている。
また、一体加硫成形品32に対して外筒金具14が外嵌固定されることに伴い、金属スリーブ20に形成された凹溝26が外筒金具14によって流体密に覆蓋されている。そして、凹溝26の端部が、各一方の第二の流体室68に対して接続されている。これにより、外周部分を周方向に一周以下(本実施形態では、略半周弱)の長さで延びて一対の第二の流体室68,68を連通させることによって、それら両流体室68,68間での非圧縮性流体の流動を許容する周方向オリフィスとしての第二のオリフィス通路70が形成されている。
そこにおいて、受圧室60と各第二の流体室68の間には、受圧室60の壁部の一部を構成する凹所34の外周壁部34bと第二の流体室68の壁部の一部を構成するポケット部66の軸方向一方の壁部66aが、何れも、弾性隔壁膜としての所定厚さのゴム膜72が形成されている。また、ポケット部66の軸方向一方の壁部66aの傾斜する方向が、受圧室60の壁部の一部を構成する凹所34の外周壁部34bの傾斜方向と略平行とされており、その結果、ゴム膜72が、全体に亘って略一定の肉厚寸法とされている。しかも、このゴム膜72は、径方向において内周側から外周側に行くに従って、次第に、軸方向において第二の流体室68から受圧室60に向かう方向に、軸方向で傾斜せしめられている。なお、かかるゴム膜72の拡張ばね剛性が、平衡室62の壁部の一部を構成するダイヤフラム42の拡張ばね剛性よりも大きくされている。
また、受圧室60と第二の流体室68の間に配設されるゴム膜72の固有振動数が、受圧室60と平衡室62を繋ぐ第一のオリフィス通路64を通じて流動せしめられる流体の共振周波数よりも高く設定されており、特に本実施形態では、該第一のオリフィス通路64の共振周波数よりも高周波数域において、第一のオリフィス通路64を流動せしめられる流体の反共振的作用等が惹起される周波数域に設定されている。具体的には、例えば、第一のオリフィス通路64が低速乃至は中速こもり音等の低周波振動域にチューニングされていると共に、ゴム膜72が高速こもり音等の高周波振動域にチューニングされている。
また、一対の第二の流体室68,68を繋ぐ第二のオリフィス通路70を流動せしめられる流体の共振周波数が、軸直角方向の入力振動に対して目的とする防振効果を得るために、所定の振動周波数域にチューニングされている。なお、ゴム膜72の固有振動数のチューニングは、例えば、ゴム膜72の形状や大きさ等を設計変更することにより実現される。また、第一及び第二のオリフィス通路64,70のチューニングは、例えば各液室の壁ばね特性を考慮しつつ、オリフィス通路64,70の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能である。
このような構造とされたサブフレームマウント10においては、第二の流体室68が本体ゴム弾性体16の周方向で部分的に形成されていることによって、内筒金具12と外筒金具14の間に配設された本体ゴム弾性体16による、受圧室60に対するピストン作用が、特に本体ゴム弾性体16によって直接に受圧室60の壁部が構成されている部分において、有効に発揮されるようになっている。
そこにおいて、低速乃至は中速こもり音等の低周波数域の振動が軸方向に入力された際に、大きなピストン効率をもって受圧室60に大きな圧力変動が生ぜしめられる。これにより、受圧室60と平衡室62の間に相対的な圧力変動が効率的に生ぜしめられて、それら両室60,62間で第一のオリフィス通路64を通じての流体流動量が十分に確保されることに伴い、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果が有効に発揮され得る。
一方、内筒金具12と外筒金具14の間に高速こもり音等の高周波数域の振動が軸方向に入力された際には、低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路64が実質的に閉塞状態となるが、平衡室62の壁部の一部を構成するダイヤフラム42の拡張ばね剛性が十分に小さくされていることに基づいて、平衡室62の圧力増大が回避されるようになっていることから、第一のオリフィス通路64の目詰まり状態に伴う平衡室62の圧力変動がダイヤフラム42の変形によて回避される。
また、受圧室60にあっては、その壁部の一部がゴム膜72を含んで構成されていることによって、第一のオリフィス通路64が実質的に閉塞状態となる高速こもり音等の高周波数域の振動入力時にも、該ゴム膜72の弾性変形に基づいて圧力変動が軽減乃至は吸収されることとなり、著しい高動ばね化が回避される。
特に本実施形態では、ゴム膜72の固有振動数が高速こもり音等の高周波数域にチューニングされていることにより、当該周波数域の振動入力に際して、ゴム膜72の弾性変形が積極的且つ能動的に生ぜしめられることから、該ゴム膜72の弾性変形に基づく容積変化によって受圧室60において有効な圧力変動の吸収機能が発揮され得る。
しかも、ゴム膜72を挟んだ受圧室60と反対側に第二の流体室68が形成されて、ゴム膜72における受圧室60の外方への膨出変形が第二の流体室68によって許容されることから、ゴム膜72の膨出変形に伴う受圧室60の容積変化が安定して実現される。
それ故、上述の如き構造とされたサブフレームマウント10においては、第一のオリフィス通路64を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づく低動ばね効果によって、低速〜中速のこもり音等に相当する低周波数域のロードノイズ等に対して優れた防振効果が発揮され得ることに加えて、振幅の小さい高周波振動に対しては、ゴム膜72の共振作用に伴う弾性変形に基づく低動ばね効果によって、高速のこもり音等に相当する高周波数域のロードノイズ等に対して優れた防振効果が発揮され得るのである。
特に、互いに異なる周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路64とゴム膜72がそれぞれ有効に機能し得ることから、第一のオリフィス通路64のチューニング周波数を超えた高周波数域において第一のオリフィス通路64が実質的に閉塞化してしまうことに起因する反共振作用による著しい高動ばね化を、反共振作用が問題となる周波数域にゴム膜72のチューニング周波数を設定することにより、該ゴム膜72の共振作用に伴う弾性変形に基づいて抑えることが出来、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して優れた防振効果を得ることが可能となるのである。
加えて、本実施形態では、第二の流体室68が対向位置せしめられた軸直角方向の振動荷重が内筒金具12と外筒金具14の間に入力された際に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて内外筒金具12,14が軸直角方向で相対変位せしめられることにより、一対の第二の流体室68,68間で相対的な圧力変化が生ぜしめられることとなり、以て、それら両流体室68,68間で、第二のオリフィス通路70を通じての流体流動が生ぜしめられることとなる。その結果、第二のオリフィス通路70を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて、軸直角方向の入力振動に対する有効な防振効果が発揮され得るのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であり、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、第一のオリフィス通路64や第二のオリフィス通路70、ゴム膜72における具体的構造や形状、大きさ、チューニング周波数等は、要求される防振特性に応じて適宜に設定変更されるものであって、何等限定されるものでない。また、ポケット部66を空気室として形成する場合等においては、第二のオリフィス通路70は、必ずしも設ける必要がない。
また、ゴム膜72や第二の流体室68の形状や大きさ、構造、数等は、例示の如きものに限定されない。即ち、要求される製作性や防振特性等に応じて、例えば、第二の流体室やゴム膜を本体ゴム弾性体の周方向に1又は2以上設けても良い。
また、例えば、第二の流体室に所定量の空気を充填し、且つ第二の流体室を外部空間に対して遮断せしめても良く、或いは、第二の流体室の壁部の一部を構成する外筒金具の適当な箇所に1又は2以上の図示しない空気孔を貫設して空気通路を形成し、外部から空気圧としての大気圧を空気通路を通じて第二の流体室に導き入れることも可能であり、それによって、ゴム膜の固有振動数乃至は拡張ばね剛性をチューニングすることも可能である。
また、前記実施形態では、仕切金具40が外筒金具14等に固定されて、外筒金具14から内筒金具12に向かって突出されていることにより、内筒金具12と仕切金具40の対向面間に小形環状の第一のオリフィス通路64が形成されていたが、例えば仕切金具が内筒金具に外嵌固定されて、内筒金具から外筒金具に向かって突出されることにより、外筒金具と仕切金具の対向面間に大形環状の第一のオリフィス通路が形成されても良い。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車のサブフレームマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明はボデーマウントやデフマウントの他、自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのサブフレームマウントを示した説明図であって、図2のI−I断面に相等する図である。 図1におけるサブフレームマウントを示す横断面説明図である。 図1におけるサブフレームマウントの一部を構成する一体加硫成形品を示す側面説明図である。
符号の説明
10 サブフレームマウント
12 内筒金具
14 外筒金具
16 本体ゴム弾性体
20 金属スリーブ
30 窓部
40 仕切金具
42 ダイヤフラム
58 第一の流体室
60 受圧室
62 平衡室
64 第一のオリフィス通路
66 ポケット部
68 第二の流体室
72 ゴム膜

Claims (6)

  1. インナ軸部材とアウタ筒部材を軸直角方向で互いに離隔配置せしめて、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向一方の端部間に本体ゴム弾性体を配設して該インナ軸部材と該アウタ筒部材を弾性連結することにより該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向一方の端部間を流体密に閉塞すると共に、該インナ軸部材と該アウタ筒部材の軸方向他方の端部間に可撓性膜を配設して該軸方向他方の端部間を流体密に閉塞し、該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の間に非圧縮性流体が封入された環状流体室を形成する一方、該環状流体室において該インナ軸部材と該アウタ筒部材の何れか一方から他方に向かって突出する環状の仕切突部を設けて、該仕切突部を挟んだ両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が該可撓性膜で構成された平衡室を形成すると共に、該仕切突部で該環状流体室を狭窄してそれら受圧室と平衡室を相互に連通する環状の軸方向オリフィスを形成した流体封入式筒型防振装置において、
    前記本体ゴム弾性体の軸方向中間部分において外周面に開口する肉抜穴を該本体ゴム弾性体の周上で部分的に形成して、前記環状流体室の壁部を構成する前記本体ゴム弾性体を該肉抜穴との対向部位において薄肉として弾性隔壁膜を形成し、該弾性隔壁膜の固有振動数を前記軸方向オリフィスのチューニング周波数よりも高周波数域に設定したことを特徴する流体封入式筒型防振装置。
  2. 前記弾性隔壁膜が、前記インナ軸部材から前記アウタ筒部材に向かって外周側に行くに従って、軸方向において前記肉抜穴から前記環状流体室側に向かうように、軸方向一方の側に傾斜している請求項1に記載の流体封入式筒型防振装置。
  3. 前記肉抜穴における軸方向両側の壁部内面が、底部から開口部に向かって相互に離隔するように軸方向両側に拡開する反対向きの傾斜面とされている請求項1又は2に記載の流体封入式筒型防振装置。
  4. 前記本体ゴム弾性体の周方向で相互に離隔して前記肉抜穴が複数形成されており、それらの肉抜穴の開口部が流体密に覆蓋されて内部に非圧縮性流体が封入された周方向の独立流体室が複数形成されていると共に、それら複数の独立流体室を相互に連通する周方向オリフィスが形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式筒型防振装置。
  5. 前記肉抜穴の開口部が流体密に覆蓋されて空気室が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式筒型防振装置。
  6. 前記空気室に対して外部から空気圧を及ぼすための空気通路が形成されている請求項5に記載の流体封入式筒型防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102562894A (zh) * 2010-12-09 2012-07-11 东洋橡胶工业株式会社 防振装置

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