JP2005213909A - 支持材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吊りボルトへの取り付け時に吊りボルトから抜け落ちるのを防止することができると共に、吊りボルトの長孔への挿入を円滑且つ良好に行えるようにする。
【解決手段】 天井に一定間隔毎に対をなして吊り下げられた吊りボルト2が夫々挿入される開口部5を等間隔毎に有し、開口部5の長孔5aの内周縁部を吊りボルト2に螺着した一対のナット3と吊りボルト2に嵌めた一対の座金4とで上下方向から挾持することにより、一対の吊りボルト2に水平姿勢で取り付けられる、ケーブル類や配管、電線管、ケーブルラック、ケーブルトレイ、ダクトを支持する長尺板状の支持材1に於いて、前記各開口部5を、吊りボルト2を挿入可能な長孔5aと、長孔5aの一端部に長孔5aの中心線Lから偏倚する状態で延設されてナット3及び座金4を挿入可能な長孔5aの幅よりも大径の大径穴5bとから形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビルや工場等の建物の天井、或いは地下街や地下道の天井等にケーブル類や配管、ダクト等を布設する際に用いられるものであり、天井に一定間隔毎に対をなして吊り下げられた吊りボルトにナット及び座金を介して水平姿勢で取り付けられ、ケーブル類や配管、電線管、ケーブルラック、ケーブルトレイ、ダクト等を支持する長尺板状の支持材の改良に関するものである。
一般に、ビルや工場等の建物、地下街や地下道等の配線工事や配管工事、空調工事に於いては、ケーブル類や配管、ダクト等を布設した際にこれらが通行の障害とならないように建物や地下道等の天井に布設するようにしている。
即ち、前記配線工事や配管工事、空調工事に於いては、建物や地下道等の天井にケーブルや配管、ダクトの布設経路に沿って一対の吊りボルトを所定間隔毎に吊り下げ、各一対の吊りボルトの下端部に長尺板状の支持材を一対のナット及び座金により水平姿勢で夫々取り付け、水平姿勢の各支持材にケーブル類や配管を直接支持させたり、或いは水平姿勢の各支持材にケーブルラックやケーブルトレイを載せて固定し、これらにケーブル類や配管をまとめて支持させるようにしている。
これらの配線工事や配管工事、空調工事に使用される支持材10としては、吊りボルトが挿入される開口部11(長孔)を一定間隔毎に形成した所定長さのチャンネル材(図10参照)やアングル材(図示省略)等が使用されている(例えば、特許文献1)。
而して、前記支持材は、天井から吊り下げた一対の吊りボルトの下端部を支持材の両端部分に位置する開口部(長孔)に夫々挿入し、各開口部(長孔)の内周縁部を吊りボルトに螺着した一対のナットと吊りボルトに嵌めた一対の座金とで上下方向から挾持することにより、吊りボルトに水平姿勢で取り付けられている。
ところで、支持材を吊りボルトに取り付ける際、吊りボルトに一対のナット及び座金が予め装着されているときには、下段側に位置するナットと座金を吊りボルトから取り外し、吊りボルトの下端部を支持材の開口部に挿入した後、取り外したナットと座金を吊りボルトに装着して一対のナットと座金とで開口部の内周縁部を挾持するようにし、又、吊りボルトにナット及び座金が装着されていないときには、先に吊りボルトに上段側のナットと座金を装着した後、吊りボルトの下端部を支持材の開口部に挿入し、その後開口部に挿入した吊りボルトの下端部にナットと座金を装着して一対のナットと座金とで開口部の内周縁部を挾持するようにしている。
何れにしても、支持材を吊りボルトに取り付けるには、吊りボルトからナット及び座金を取り外したり、或いは吊りボルトへナット及び座金を装着したりする作業を必要とするため、吊りボルトへの支持材の取り付けに極めて手数が掛かると云う問題がある。特に、支持材の吊りボルトへの取り付け作業は、作業者が床に設置した足場の上や脚立の上に載って不安定な姿勢で行うので、支持材の取り付けにより一層手数が掛かることになる。
一方、上述したような問題を解決するため、従来の配線作業や配管作業に於いては、図11に示す如く、吊りボルト12を挿入できる長孔11aと、長孔11aの一端部に延設されてナット13及び座金14を挿入できる長孔11aの幅よりも大径の大径穴11bとから成る開口部11を等間隔毎に形成した長尺板状の支持材10が使用されている。この支持材10を使用すれば、吊りボルト12に一対のナット13及び座金14を装着した状態でも、吊りボルト12を大径穴11bから長孔11aに挿入することができ、現場に於いてナット13と座金14を吊りボルト12から取り外したり、或いは吊りボルト12にナット13と座金14を装着したりする作業を省略することができ、支持材10の吊りボルト12への取り付けを迅速且つ簡単に行えることになる。
然し乍ら、前記支持材10に於いては、ナット13及び座金14が挿入される大径穴11bを長孔11aの中心線L上に形成しているため、支持材10を吊りボルト12に取り付ける際に吊りボルト12が長孔11aに挿入されていても、何らかの拍子に支持材10の位置がずれて吊りボルト12が大径穴11bの位置に来たときに、支持材10が吊りボルト12から抜け落ちることがあり、吊りボルト12を支持材10の開口部11へ再度挿入しなければならないと云う問題が発生している。
又、ナット13及び座金14を装着した吊りボルト12を支持材10の長孔11aに挿入するには、図12に示す如く、吊りボルト12を先に支持材10の大径穴11bに挿入し、その後一対の座金14間の間隔を拡げた状態で支持材10を水平方向へ移動させつつ長孔11aの内周縁部を一対の座金14間に挿入して吊りボルト12を長孔11aへ挿入するようにしている。しかし、長孔11aの内周縁部に一定の厚みがあるため、一対の座金14間の間隔を大きく拡げないと、長孔11aの内周縁部が一対の座金14間に入り難く、吊りボルト12の長孔11aへの挿入を円滑且つ良好に行えないことになる。
特開2001−25127号公報
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は吊りボルトへの取り付け時に吊りボルトから抜け落ちるのを防止することができると共に、吊りボルトの長孔への挿入を円滑且つ良好に行えるようにした支持材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の発明は、天井に一定間隔毎に対をなして吊り下げられた吊りボルトが夫々挿入される開口部を等間隔毎に有し、開口部の内周縁部を吊りボルトに螺着した一対のナットと吊りボルトに嵌めた一対の座金とで上下方向から挾持することにより、一対の吊りボルトに水平姿勢で取り付けられる、ケーブル類や配管、電線管、ケーブルラック、ケーブルトレイ、ダクトを支持する長尺板状の支持材に於いて、前記各開口部が、吊りボルトを挿入可能な長孔と、長孔の一端部に長孔の中心線から偏倚する状態で延設されてナット及び座金を挿入可能な長孔の幅よりも大径の大径穴とから形成されていることに特徴がある。
本発明の請求項2の発明は、大径穴の内周縁部で且つ長孔と大径穴の境界部分に、吊りボルトに嵌めた一対の座金間に挿入される断面形状が鋭角状のエッジ部を形成したことに特徴がある。
本発明の請求項1の支持材は、吊りボルトを挿入可能な長孔と、長孔の一端部に長孔の中心線から偏倚する状態で延設されてナット及び座金を挿入可能な長孔の幅よりも大径の大径穴とから成る開口部を等間隔毎に形成しているため、吊りボルトを長孔に挿入した後に、何らかの拍子に支持材の位置がずれて吊りボルトが大径穴の位置に来ても、大径穴が長孔の中心線上から偏倚して形成されていることとも相俟って、下段側の座金及びナットが大径穴の内周縁部の一部分に係止されることになり、支持材が吊りボルトから抜け落ちると云うことがない。
又、本発明の請求項2の支持材は、上記効果に加えて更に次のような効果を奏することができる。
即ち、本発明の支持材は、大径穴の内周縁部で且つ長孔と大径穴の境界部分に、吊りボルトに嵌めた一対の座金間に挿入される断面形状が鋭角状のエッジ部を形成しているため、大径穴に挿入された吊りボルトを長孔へ挿入する際に一対の座金間の間隔を大きく拡げなくても、エッジ部を利用すれば長孔の内周縁部が一対の座金間に簡単且つ円滑に入り、吊りボルトの大径穴から長孔への挿入を円滑且つ良好に行えることになる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る支持材1を示し、当該支持材1は、ビルや工場等の建物の天井、或いは地下街や地下道の天井等にケーブル類や配管等を布設する際に用いられるものであり、天井に一定間隔毎に対をなして吊り下げられた吊りボルト2にナット3及び座金4を介して水平姿勢で取り付けられ、ケーブル類や配管、電線管、ケーブルラック、ケーブルトレイ、ダクト等を支持するものである。
即ち、前記支持材1は、図1に示す如く、長尺板状の水平部1aと水平部1aの一側縁に垂直に連設された長尺板状の垂直部1bとから成る断面形状がL形の鋼板製のアングル材により形成されており、水平部1aには支持材1を吊りボルト2へ取り付けるための開口部5が等間隔毎に形成されている。
具体的には、支持材1に形成された各開口部5は、吊りボルト2の直径よりも若干大きめの幅を有し、支持材1の長手方向に沿って形成されて吊りボルト2を挿入可能な長孔5aと、長孔5aの一端部に長孔5aの中心線Lから偏倚する状態で延設されてナット3及び座金4を挿入可能な長孔5aの幅よりも大径の大径穴5bとから成り、水平部1aに支持材1の長手方向に沿って等間隔毎に形成されている。支持材1の開口部5を長穴形状としたのは、天井に設置した一対の吊りボルト2の間隔が変わっても、開口部5に吊りボルト2を確実に挿入できるようにするためである。
又、大径穴5bは、図3に示す如く、開口部5と水平部1aの側縁との間に一定の幅を有するように、長孔5aの中心線Lから垂直部1b側へ偏倚する状態で水平部1aに形成されている。これにより、水平部1aに大径の大径穴5bを形成しても、水平部1aの強度が低下するのを防止することができる。
更に、大径穴5bの内周縁部で且つ長孔5aと大径穴5bの境界部分には、図2及び図3に示す如く、吊りボルト2に嵌めた一対の座金4間に挿入される断面形状が鋭角状で且つ平面形状が略円弧状のエッジ部1cが形成されている。このエッジ部1cは、大径穴5bの内周縁部で且つ長孔5aと大径穴5bの境界部分の片面側を斜めにカットすることにより形成されている。
尚、吊りボルト2を天井に吊り下げるには、吊りボルト2を天井打設用型枠の所定位置に貫通状態で取り付けておき、この吊りボルト2の一端部を上記型枠の一面側に打設される天井用コンクリート中に直接埋設するようにしても良く、或いは図4に示すように天井打設用型枠のコンクリート打設面に吊りボルト2を固定するためのインサート6を取り付けて天井スラブを形成し、コンクリートの固化後に上記天井打設用型枠を撤去して上記インサート6に吊りボルト2を取り付けるようにしても良い。
次に、上述した支持材1を天井に吊り下げた吊りボルト2に取り付ける場合について説明する。
先ず、一対のナット3及び座金4を装着した吊りボルト2の下端部を支持材1の開口部5の大径穴5bに挿入し、一対の座金4間の間隔を拡げた状態で支持材1を水平方向へ移動させつつ長孔5aの内周縁部を一対の座金4間に挿入して吊りボルト2を長孔5aへ挿入する(図4及び図5参照)。
このとき、大径穴5bの内周縁部で且つ長孔5aと大径穴5bの境界部分に、吊りボルト2に嵌めた一対の座金4間に挿入される断面形状が鋭角状のエッジ部1cを形成しているため、大径穴5bに挿入された吊りボルト2を長孔5aへ挿入する際に一対の座金4間の間隔を大きく拡げなくても、エッジ部1cによって長孔5aの内周縁部が一対の座金4間に簡単且つ円滑に入り、吊りボルト2の大径穴5bから長孔5aへの挿入を円滑且つ良好に行える。
又、吊りボルト2を長孔5aに挿入した後に、何らかの拍子に支持材1の位置がずれて吊りボルト2が大径穴5bの位置に来ても、大径穴5bが長孔5aの中心線L上から偏倚して形成されているため、下段側の座金4及びナット3が大径穴5bの内周縁部の一部分に係止されることになり、支持材1が吊りボルト2から抜け落ちるのを防止することができる(図6参照)。
そして、吊りボルト2を開口部5の長孔5aに挿入したら、ナット3を締め付けて開口部5の長孔5aの内周縁部を吊りボルト2に螺着した一対のナット3と吊りボルト2に嵌めた一対の座金4とで上下方向から挾持する。これにより、支持材1は、一対の吊りボルト2に水平姿勢で取り付けられる(図7参照)。
尚、上記実施の形態に於いては、支持材1を断面形状がL形のアングル材により形成したが、他の実施の形態に於いては、図8及び図9に示すように支持材1を断面形状がコの字形のチャンネル材やリップ付のチャンネル材により形成するようにしても良く、又、図示していないが支持材1を断面形状が矩形の角パイプで形成しても良い。
又、上記実施の形態に於いては、支持材1を鋼板材により形成するようにしたが、他の実施の形態に於いては、支持材1を軽量形鋼やステンレス材、又はアルミ合金材等により形成するようにしても良い。
更に、上記実施の形態に於いては、一対の吊りボルト2に一本の支持材1を水平姿勢で取り付けるようにしたが、他の実施の形態に於いては、一対の吊りボルト2に複数本の支持材1を多段に取り付けるようにしても良い。
本発明の実施の形態に係る支持材の一部省略斜視図である。 支持材の要部の断面図である。 支持材の要部の底面図である。 ナット及び座金を装着した吊りボルトを支持材の開口部の大径穴に挿入した状態を示し、(A)は一部省略断面図、(B)は一部省略底面図である。 ナット及び座金を装着した吊りボルトを支持材の開口部の長孔に挿入した状態を示し、(A)は一部省略断面図、(B)は一部省略底面図である。 支持材が移動してナット及び座金を装着した吊りボルトが支持材の開口部の大径穴に位置した状態を示し、(A)は一部省略断面図、(B)は一部省略底面図である。 一対の吊りボルトに支持材を取り付け固定した状態の一部省略断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る支持材の要部の斜視図である。 本発明の更に他の実施の形態に係る支持材の要部の斜視図である。 従来の支持材の要部の斜視図である。 従来の他の支持材の一部省略底面図である。 支持材が移動してナット及び座金を装着した吊りボルトが支持材の開口部の大径穴に位置した状態の一部省略断面図である。
符号の説明
1は支持材、1cはエッジ部、2は吊りボルト、3はナット、4は座金、5は開口部、5aは長孔、5bは大径穴、Lは長孔の中心線。

Claims (2)

  1. 天井に一定間隔毎に対をなして吊り下げられた吊りボルト(2)が夫々挿入される開口部(5)を等間隔毎に有し、開口部(5)の内周縁部を吊りボルト(2)に螺着した一対のナット(3)と吊りボルト(2)に嵌めた一対の座金(4)とで上下方向から挾持することにより、一対の吊りボルト(2)に水平姿勢で取り付けられる、ケーブル類や配管、電線管、ケーブルラック、ケーブルトレイ、ダクトを支持する長尺板状の支持材(1)に於いて、前記各開口部(5)は、吊りボルト(2)を挿入可能な長孔(5a)と、長孔(5a)の一端部に長孔(5a)の中心線(L)から偏倚する状態で延設されてナット(3)及び座金(4)を挿入可能な長孔(5a)の幅よりも大径の大径穴(5b)とから形成されていることを特徴とする支持材。
  2. 大径穴(5b)の内周縁部で且つ長孔(5a)と大径穴(5b)の境界部分に、吊りボルト(2)に嵌めた一対の座金(4)間に挿入される断面形状が鋭角状のエッジ部(1c)を形成したことを特徴する請求項1に記載の支持材。
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