JP2005213836A - 鉄筋コンクリート造建物のフラット床スラブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】等幅のコンクリート薄肉部SAとコンクリート厚肉部SBとを交互に床スラブ短辺スパン方向に配向した表面Sfの平坦な一方向スラブであって、コンクリート薄肉部SAには、内装材1a上に厚肉断熱材1bを層着した厚肉パネル1が、コンクリート厚肉部SBには、内装材2a上に薄肉断熱材2bを層着した薄肉パネル2が、各断熱材1b,2bが接合形態でコンクリートスラブS下面に一体化固定してコンクリート床スラブS下面を断熱材層で被覆し、配線、配管用の条溝1H,2H,2G群が各断熱材1b,2bを貫通しているフラット床スラブ。
【選択図】 図1
Description
図10に示す従来例1は、特許文献1に開示されたものであり、図10(A)に示す如く、桁方向に延在配置した1対の耐震壁間に、鉄筋コンクリート造床版(床スラブ)を張設したものであり、図10(B)に示す如く、床版下面には、耐震壁と直交する方向にリブを配置し、リブはPC鋼材により、その延在方向にプレストレスを導入したものである。
そして、床版を軽量化して地震に対する水平耐力を確保すると共に、柱の本数や断面積を減じて内部空間の利用性を向上させたものである。
図11に示す従来例2は、特許文献2に開示されたものであり、型枠兼用の内装下地ボードは、図11(A)に示す如く、壁紙などの内装材の直張り可能な耐火性耐力面材の片面側に断熱パネルを張り、該断熱パネル上にはスラブ小梁間に充填される厚さ50〜70mmの断熱埋込材を長手方向に一体化延設し、断熱埋込材にはコンクリートが流れ込む凹部、長手方向の配管配線用挿通孔及び係合溝を配置したものである。
しかも、PC鋼材の張設やスターラップ筋施工等、通常のフラット床スラブでの配筋施工より遥かに配筋施工作業が煩雑、且つ困難であり、且つ、型枠の組立て、解体の作業も必要であって施工コストも大となり、スパンを大きくする必要のない小中規模の建物には不向きである。
また、床スラブから耐震壁への曲げモーメント作用は、リブ部での耐震壁への局所集中負荷となって、耐震壁へのねじれやたわみ歪を付与する危険がある。
また、天井面への配線、配管には突出リブが障害となる。
(イ)小梁の存在により階高が大きくなって建築コストが高くなるか、天井高さが抑制される。
(ロ)幅、高さの大な断熱埋込材は、両側の小梁で分断され、しかも、凹部へのコンクリート流入によってフラットスラブとの接着性を確保するため、配線、配管用挿通孔の配置形態が凹部によって制約されて凹部と小梁間での長手方向配置のみとなり、スラブ下面への照明器具、換気扇、給水装置等の配線、配管が制約を受ける。
(ニ)小梁は、上下端主筋、及び各主筋を拘束するスターラップ筋、スターラップ筋の間隔を保持する腹筋、幅止め筋、で配置する必要があり、幅の狭い小梁用の配筋作業は煩雑、且つ困難であり、しかも、地震時には、両側端の大梁等の支持体には、小梁による局所的な集中負荷が作用し、支持体へのねじれやたわみ歪を発生する危険がある。
本発明は、これら従来の問題点を一挙に解決、又は改善する新規、且つ有用なフラット床スラブを提供するものである。
また、各断熱材1b,2bの「接合形態」の意は、厚肉断熱材1bと薄肉断熱材2bとが隙間なく接している意味である。
また、内装材1a,2aは、同一寸法、同一材が良く、典型的にはOSB(オリエンテッド、ストランド、ボード)である。
また、コンクリート薄肉部SA、コンクリート厚肉部SBと、各パネル1,2との一体化固定は、図4(A)に示す如く、厚肉パネル1と薄肉パネル2とを交互に配置してコンクリート下型枠とすれば、型枠の解体作業が合理化出来て、各パネル1,2と、各コンクリート薄肉部SA、コンクリート厚肉部SBとは一体化固定出来る。
また、コンクリート厚肉部SBとコンクリート薄肉部SAとが略等幅であるため、構造計算及び構造設定が容易となり、しかも、床スラブ両側の大梁G等の支持体への床スラブSからの応力伝達は、一定間隔毎に分割された多数の広幅部分での応力伝達となるため、従来のT型スラブや、従来例2での小梁の如き、局所応力集中が回避出来、地震時の大梁Gへのねじれやたわみ損壊が抑制出来る。
従って、本発明は、設計上、施工上に優れ、力学的観点からも有効な一方向床スラブの低コストでの提供を可能とする。
この場合、コンクリートは、典型的には設計基準強度が270kg/cm2のものである。
尚、コンクリート薄肉部SAの厚さS2は、配筋形態との関係で、最低限80mmまで薄くしてもコンクリート床スラブとしての機能を果すが、遮音性向上、長期たわみ量及び振動障害の低減の観点からは、厚い方が良い。
また、コンクリート厚肉部厚S1は、小さくなれば、弾性たわみ量(躯体構築時の初期たわみ)の増大を招き、剛性保持のための配筋量の増大を招く。
また、厚肉部厚S1の増大は、スラブの重量増によって長期たわみがあまり改善されずにコンクリート使用量の増大によるコスト増を招き、コンクリート薄肉部SAとの段差S3(図4(A))の増加による設備工事の作業性低下を招く。
そして、床スラブ形成上の作業性からも、構造計算の簡便化からも、内装工事面からも、コンクリート厚肉部幅WBとコンクリート薄肉部幅WAが等幅であるのが、特に有利である。
該モデルによって本願発明が、所期のたわみ性、振動性、遮音性、及び経済性の下に、短辺スパン長の変更にも対応して、好適に実施出来る。
尚、該創作モデルによる実施は、次のとおりである。
(2)SWが7m:WB=WA=800mm、S1=250mm、S2=150mm、SB部の配筋は、上下各7本(16mm径)
(3)SWが6m:WB=WA=700mm、S1=230mm、S2=140mm、SB部の配筋は、上下各6本(16mm径)
(SW:短辺スパン長、WB:コンクリート厚肉部幅、WA:コンクリート薄肉部幅、S1:コンクリート厚肉部の厚さ、S2:コンクリート薄肉部の厚さ)
この場合、コンクリート厚肉部SBの上下主筋3U,3Dの端部が大梁G内に強固に固定されて、長期たわみは12.3mmに抑制出来、剛性が大となり、クリープたわみによる床スラブSの変形、ひび割れ及び振動障害が抑制出来る。
この場合、クランク形態の床スラブ筋4Cは、コンクリート厚肉部SB及びコンクリート薄肉部SAへの適正配筋作業を容易にすると共に、各主筋3U,3D,4Uと連携して各鉄筋の配置関係を保持し、コンクリート薄肉部SA上の負荷応力のスムーズなコンクリート厚肉部SBへの伝達を可能とする。
イナズマ筋4Eは、上側水平部をコンクリート薄肉部SA内で床スラブ筋4Cの上部caに、下側水平部をコンクリート厚肉部SB内で床スラブ筋4Cの下部cbに連携させるのが好ましく、この場合、薄肉部SAと厚肉部SBとの接続部での床スラブ筋4Cの応力変位が抑制出来、コンクリート薄肉部SAからコンクリート厚肉部SBへの負荷応力伝達を、よりスムーズにする。
この場合、厚肉パネル1の幅方向条溝1H群と、薄肉パネル2の幅方向条溝2H群とは、共に等間隔で対応位置に配置しておけば、パネル1とパネル2間の条溝1Hと条溝2Hとの連通配置が容易となる。
この場合、厚肉パネル1相互の接合は、断熱材1bの長手方向両端1Eの段差d1での図6(A)の如き相欠き接合で、薄肉パネル2相互の接合は、断熱材2bの長手方向両端2Eの段差d2での図6(B)の如き相欠き接合で、幅方向での厚肉パネル1と薄肉パネル2との接合も、相欠き接合で達成出来る。
従って、各パネル1,2は、全て、断熱材1b,2bの当接界面が屈折形態となることにより、断熱材1b,2bの延展層上に打設するスラブコンクリートは、下面型枠としてのパネル1,2の接合部JL,JWからの漏出(のろ漏れ)が抑制出来、コンクリート打設による内装材1a,2aへの汚損が抑制出来る。
この場合、厚肉パネル断熱材1bの段差d0の高さh1を、薄肉パネル2の断熱材2bの厚さと同寸とすることにより、図5(A),(B)の如く、厚肉パネル1と薄肉パネル2とを同一水平面上で相互当接させるだけで、各断熱材1b,2bが屈折面接合となる。
しかも、厚肉パネル1が両側1Sで薄肉パネル2を押圧するため、厚肉パネル1を支承体(根太5A)に固定するだけで、各パネル1,2の支承体への張設が出来、床スラブSの下型枠組立ての作業性が向上する。
この場合、各パネル1,2で床スラブ下型枠組立てた後の、各パネル1,2内への配線、配管作業は、上面の開放した溝2Gでの目視作業で遂行し、配線、配管終了後に溝2Gの上面に断熱材2cで蓋をすることにより、スラブコンクリート打設前の配線、配管作業が容易となる。
この場合、ピット7は、必要に応じてボックス形状、貫通溝形状等、形状を選択することにより、配線、配管の交差部と出来、分電盤の配置すら可能となり、配線、配管の点検、補修が容易となる。
この場合、吸排気管等の大径管の配置作業も、条溝7Gの開放形態による目視作業で容易となり、配線、配管後の断熱材7cによる蓋閉止で、コンクリート打設に支障を生じない。
(2)スラブコンクリートSが、それぞれ等幅のコンクリート厚肉部SBとコンクリート薄肉部SAとを交互に短辺スパン方向に配向したため、スパン両端の大梁Gへの応力負荷は定間隔分割形態での作用となり、スラブコンクリートSと大梁Gの固定部での応力の局所集中が避けられて大梁Gのねじれやたわみが抑制出来、スラブコンクリートSへのひび割れ影響が抑制出来、スラブコンクリートSの軽量化が達成出来ると共に、大梁Gも小型軽量化が可能となる。
しかも、従来のコンクリートフラットスラブに比べて、厚肉部SBが略同厚で、薄肉部SAが略1/2厚に出来るため、コンクリート使用量も大幅に低減出来る。
そして、下型枠の各パネル1,2が断熱材1b,2b中に条溝1H,2H,2Gを備えているため、コンクリート打設前に配線、配管が可能となり、内装工事が合理化出来る。
勿論、各条溝1H,2H,2Gへの配線、配管は、コンクリート打設後の型枠解体前でも可能であり、内装工事の自由度が向上する。
しかも、各パネル内の条溝1H,2H,2Gの存在は、床スラブSの耐用時には、遮音機能すら期待出来る。
厚肉パネル1は、図1の如く、床スラブSのコンクリート薄肉部SAを幅WAが900mmに形成するものであり、図2(A)は、厚肉パネル1の斜視図であり、図2(B)は図2(A)の矢印B視図であり、図2(C)は図2(A)の矢印C視図である。
厚肉パネル1は、幅W1が870mmで長さL1(標準寸法)が1820mmであり、厚さT3が9mmの構造用パネル(典型的にはOSBパネル)から成る内装材1a上に、厚さT1が150mm、幅900mmのビーズ法ポリエチレンフォーム断熱材1bを層着したものである。
そして、内装材1aに面した形態で、高さ25mm、幅80mmの電気配線用、及び給水管配管用の貫通孔1Hを、幅中央部に1本長手方向に貫通し、幅方向には等間隔(端部から150mmで300mm間隔)に6本の貫通孔1Hを、長手方向貫通孔1Hと交差連通させた構造である。
勿論、断熱材2bをOSB上に層着後に機械切削加工しても良い。
薄肉パネル2は、図1の如く、床スラブSの厚肉部SBを幅WBが900mmに形成するものであり、図3(A)は薄肉パネル2の斜視図であり、図3(B)は図3(A)の矢印B視図、図3(C)は図3(A)の矢印C視図である。
薄肉パネル2は、図5(A)の如く、厚肉パネル1の両側の段差d0(15mm)への入り込み代を備えた、幅W2が930mm、長さL2が1820mm(標準長)、厚さ9mmのOSB製内装材2a上に、厚さT2が50mmのビーズ法ポリエチレンフォーム断熱材2bを層着したものであり、両側面2Sは平坦で、長手方向両端2Eは、断熱材2bの上半で、一端には15mm段差d2の突出を、他端には15mm段差d2の入り込みを形成し、パネル2の長手方向での相欠き接合可能とする。
パネル2の製作は、OSB上に断熱材2bを層着した後、断熱材2bへの機械切削加工によって、貫通孔2H、溝2G、段差d2を形成すれば良いが、予め長手方向対称形態に機械切削加工した2分割断熱材2bをOSB上に接着しても良い。
図7(A)の如く、パイプサポート5Cで大引5B、根太5Aを支持し、根太5A上には、一方向スラブのスラブ面の短辺スパン方向両側の支持体(大梁G)間に、厚肉パネル1及び薄肉パネル2を交互に差し渡し状に配置し、各パネル1,2の断熱材1b,2bが打設コンクリートを漏れなく受け止るように、且つ各パネル1,2の下面の内装材1a,2aが隙間なく、面一形態となるように配置する。
図7(B)、(イ)に示す如く、クランク形態に屈曲してコンクリート薄肉部SAに対応する上部caと、コンクリート厚肉部SBに対応する下部cbを形成した径10mmの異形棒鋼の床スラブ筋4Cを、間隔200mmで各パネル1,2上を横断する形態に配置し、床スラブ筋4Cに添えて、径10mmの異形棒鋼のスターラップ筋4Aを間隔1000mmで薄肉パネル2上(コンクリート厚肉部SB)に配置し、床スラブ筋4Cの下部cb及びスターラップ筋4Aに直交して16mm径の異形棒鋼である下端主筋3Dを約120mm間隔で8本載置し、結束線で固定する。
そして、スターラップ筋4A下辺、若しくは、床スラブ筋4Cの下部cbと、スラーラップ筋4A上辺、若しくは、上端主筋3Uとを、径10mm異形棒鋼のステッキ筋4Bを適宜配置して上端主筋3Uの位置を保持する。
また、コンクリート薄肉部SA、即ち、厚肉パネル1上には、径10mmの異形棒鋼である上端主筋4Uを床スラブ筋4Cに直交して約250mm間隔で3本配置する。
床スラブ型枠を厚肉パネル1及び薄肉パネル2の交互配置により形成し、配筋した壁W、大梁G、床スラブSの型枠に、コンクリートの接着性の確保、及びコンクリート表面の美観のために慣用の散水を施して型枠を湿潤した後、コンクリート(設計基準強度270kg/cm2)を打設し、固化コンクリートの強度発現を確認して型枠を解体すれば所望のフラット床スラブが得られる。
そして、各パネル1,2の断熱材1a,2aの接合当接界面が全て屈折界面となるため、打設コンクリートのパネル1,2の接合部JL,JWからの漏出が阻止出来、内装材1a,2aの汚損が抑制出来る。
床スラブコンクリート内への配筋は、図7の実施例にかえて、図8に示す如く、床スラブ筋4Cを直線形態とし、コンクリート厚肉部SBの下端主筋3Dは、図8(B)、(ロ)の如く、上部両端に水平のアンカー片4A´を備えたかご筋(スターラップ筋)4Aで支承しても良く、この場合、配筋の作業性が向上する。
また、薄肉パネル2の溝2Gや厚肉パネル1の溝7G等、上部を蓋で閉止した部位が雨水や、型枠への散水等で水の入る恐れのある場合は、必要に応じて溝2G,7G底面に水抜き用の小孔(図示せず)を配置すれば良い。
また、ラーメン構造の建物に採用すれば、スパン間隔SWの大きな床スラブであっても、床スラブを支持する小梁が不要と出来る。
また、本発明床スラブは、両端辺の大梁以外には、大梁、小梁が室内に突出しないため、例えば、1階が車庫や店舗などの空間の必要な使用とし、2階が賃貸住宅のような小さな間取り使用とし、3階が居住スペースを要する個人住宅使用とするなど、複数階でのそれぞれ異なる用途の建物にも対応出来る。
また、厚肉パネル1のピット7を介して分電盤を天井に配置し、貫通孔1H,2H、条溝2G,7Gで配線使用することにより、分電盤の壁や玄関口への取付けの必要がなくなる。
1a,2a 内装材(OSB)
1b 厚肉断熱材(断熱材)
2b 薄肉断熱材(断熱材)
1C 切欠(切込み)
1E 厚肉パネル端辺(両端)
1S 厚肉パネル側辺(側面)
2E 薄肉パネル端辺(両端)
2S 薄肉パネル側辺(側面)
1H,2H 貫通孔(配線、配管用孔、条溝)
2 薄肉パネル
2c,7c 断熱材(閉止用断熱材、蓋)
2G,7G 溝(配線、配管用溝、条溝)
3D 下端主筋(主筋)
3D´,3U´ 主筋端部(末端)
3U,4U 上端主筋(主筋)
4A´ アンカー片
4B ステッキ筋
4C 床スラブ筋
4E イナズマ筋
5A 根太
5B 大引
5C パイプサポート
6 壁(梁)断熱材
7 配管用ピット
7a 内装材
7S ピット側面
8 Tバー
8a ねじ
8F 水平辺
8W 垂直辺
S スラブコンクリート(コンクリートスラブ、床スラブ)
Sf スラブ表面(表面)
SA コンクリート薄肉部
SB コンクリート厚肉部
T1,T2 断熱材厚さ
T3 内装材厚さ
SL スラブ長辺スパン長
SW スラブ短辺スパン長(短辺スパン長)
S1 コンクリート厚肉部厚(コンクリート厚)
S2 コンクリート薄肉部厚(コンクリート厚)
S3 コンクリート厚段差
d0,d1,d2 段差
JL 長手方向接続部(接続部)
JW 幅方向接続部(接続部)
W コンクリート壁(耐力壁)
WA コンクリート薄肉部幅
WB コンクリート厚肉部幅
CP コンクリート柱(柱)
ta テーパー
Claims (11)
- 略等幅のコンクリート薄肉部(SA)とコンクリート厚肉部(SB)とを、交互に、床スラブ短辺スパン方向に配向した表面(Sf)の平坦な一方向スラブであって、コンクリートスラブ(S)の下面のコンクリート薄肉部(SA)には、内装材(1a)上に厚肉断熱材(1b)を層着した厚肉パネル(1)が、コンクリート厚肉部(SB)には、内装材(2a)上に薄肉断熱材(2b)を層着した薄肉パネル(2)が、各パネル(1,2)の断熱材(1b,2b)が接合形態でコンクリートスラブ(S)に一体化固定してコンクリート床スラブ(S)下面を断熱材(1b,2b)層で被覆し、且つ、配線、配管用の条溝(1H,2H,2G)群が各断熱材(1b,2b)を貫通している鉄筋コンクリート建物のフラット床スラブ。
- コンクリート厚肉部(SB)は、厚さ(S1)がコンクリートスラブ短辺スパン長(SW)の1/25〜1/30であり、幅(WB)が短辺スパン長(SW)の略1/9であり、コンクリート薄肉部(SA)は、厚さ(S2)がコンクリート厚肉部の厚さ(S1)の50〜60%で、且つ少なくとも80mm以上である、請求項1のフラット床スラブ。
- コンクリート厚肉部(SB)は、厚肉部(SB)の長さ方向に配向した上端主筋(3U)群と下端主筋(3D)群とを備え、コンクリート薄肉部(SA)は、薄肉部長さ方向に配向した主筋(4U)群を備え、上端主筋端部(3U´)が筋径の35倍強の長さを、下端主筋端部(3D´)が筋径の25倍強の長さを、主筋(4U)の端部が筋径の10倍強の長さを大梁(G)内に定着した、請求項1又は2のフラット床スラブ。
- クランク形態に屈曲してコンクリート薄肉部(SA)に対応する上部(ca)とコンクリート厚肉部(SB)に対応する下部(cb)を形成した床スラブ筋(4C)を、コンクリート厚肉部(SB)の下端主筋(3D)とコンクリート薄肉部(SA)の主筋(4U)とに直交配置した、請求項3のフラット床スラブ。
- コンクリート厚肉部(SB)とコンクリート薄肉部(SA)の接続部をイナズマ筋(4E)で補強した、請求項1乃至4のいずれか1項のフラット床スラブ。
- 各条溝(1H,2H,2G)が内装材(1a,2a)に面したパネル(1,2)の長手方向及び幅方向の直交配置であり、厚肉パネル(1)、及び/又は、薄肉パネル(2)の接続部(JL,JW)で各条溝(1H,2H,2G)が対応連通している、請求項1乃至5のいずれか1項のフラット床スラブ。
- 厚肉パネル(1)、及び/又は、薄肉パネル(2)の接合が、断熱材(1b)、及び/又は、断熱材(2b)相互の屈折面接合である、請求項1乃至6のいずれか1項のフラット床スラブ。
- 厚肉パネル(1)は、両側(1S)では下半の切欠(1C)によって断熱材(1b)が突出段差(d0)を備え、薄肉パネル両側(2S)が厚肉パネル両側(1S)の突出段差(d0)に嵌入した、請求項7のフラット床スラブ。
- 薄肉パネル(2)は幅中央部に長手方向に貫通する断面逆凸形状の条溝(2G)を備え、閉止用断熱材(2c)で条溝(2G)の上面を閉止した、請求項1乃至8のいずれか1項のフラット床スラブ。
- 厚肉パネル(1)は、厚肉断熱材(1b)の適所に、条溝(1H)に連通するピット(7)を配置した、請求項1乃至9のいずれか1項のフラット床スラブ。
- 厚肉パネル(1)は、厚肉断熱材(1b)の適所に、長手方向に貫通する断面逆凸形状の条溝(7G)を備え、閉止用断熱材(7c)で条溝(7G)の上面を閉止した、請求項1乃至10のいずれか1項のフラット床スラブ。
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