JP2005213159A - 血管新生阻害剤及び血管退縮剤 - Google Patents

血管新生阻害剤及び血管退縮剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2005213159A
JP2005213159A JP2004018936A JP2004018936A JP2005213159A JP 2005213159 A JP2005213159 A JP 2005213159A JP 2004018936 A JP2004018936 A JP 2004018936A JP 2004018936 A JP2004018936 A JP 2004018936A JP 2005213159 A JP2005213159 A JP 2005213159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vascular
dihydroxyphenylalanine
hydrogen atom
inhibitory action
angiogenesis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004018936A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunji Natori
俊二 名取
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INBIOTEX KK
Original Assignee
INBIOTEX KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INBIOTEX KK filed Critical INBIOTEX KK
Priority to JP2004018936A priority Critical patent/JP2005213159A/ja
Publication of JP2005213159A publication Critical patent/JP2005213159A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 新規な血管新生阻害剤及び血管退縮剤を提供する。
【解決手段】 血管新生阻害剤及び血管退縮剤の有効成分として、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、β−アラニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、5−S−システイニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン等の3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体又はその薬学的に許容される塩を含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、血管新生阻害剤及び血管退縮剤に関する。また、本発明は、血管新生阻害物質のスクリーニング方法に関する。
血管の形成過程は、胎生初期での「脈管形成(vasculogenesis)」と、同後期での「血管新生(angiogenesis)」の二段階に分類される(W. Risau, Nature, 386 : 671-674 (1997) ; D. Hanahan, Science, 277 : 48-50 (1997))。ここで、「血管新生」とは、特に既存の血管から新しい血管ネットワーク、すなわち新生血管が形成される現象のことをいう。
脈管形成及び血管新生の両過程に対するレセプター型チロシンキナーゼ(RTK)の関与が示唆されている。脈管形成では、血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)とそれに対する特異的な細胞膜上受容体(VEGF−R1,VEGF−R2)が重要な役割を果たしていることが、ノックアウトマウスの実験より証明されている(F. Shalaby等, Nature, 376 : 62-66 (1995))。また、血管新生では、RTKタイプの細胞膜上受容体、「Tie」の関与が想定されている。TieにはTie−1とTie−2とが存在するが、マウスを用いたノックアウト実験で脈管形成不全による致死を誘発することから、Tie−1とTie−2の両分子ともに血管形成における必須の因子であると考えられている(T. N. Sato等, Nature, 376 : 70-74 (1995) ; M. C. Puri等, EMBO J., 14 : 5884-5891 (1995))。
アンギオポエチン−1(Ang−1)はTie−2との結合を介して血管内皮細胞に働きかけ、VEGFにより構築された幼若血管をより成熟な血管へと分化誘導することが知れており、アンギオポエチン−1の過剰発現動物を用いた実験では、血管が巨大化し、血管数が増え、血管の分岐が多くなることが観察されている(C. Suri等, Science, 282 : 468-471 (1998))。
アンギオポエチン−2(Ang−2)はAng−1/Tie−2系での生理的な阻害物質であると考えられており、Ang−1と競合的に働き、脈管形成、形態維持等を制御していると考えられている(P. C. Maisonpierre等, Science, 277 : 55-60 (1997))。
以上のように、健康な血管の恒常性を維持するためには複数の因子が関わるため、1つの因子の過剰な働きにより、血管の病的増殖、形態異常等が生じる。
血管新生は、生体における種々の生理的及び病的状態で認められる。
生理的状態における血管新生は、黄体形成、胎盤形成等の際に認められる。一方、病的状態における血管新生は、炎症、創傷治癒、腫瘍の増殖等で認められており、眼科領域においては、例えば、糖尿病性網膜症、後水晶体線維増殖症、角膜移植に伴う血管新生、緑内症、眼腫瘍、トラコーマ等で、皮膚科領域においては、例えば、乾せん、化膿性肉芽腫等で、小児科領域においては、例えば、血管腫、線維性血管腫等で、外科領域においては、例えば、肥大性はん痕、肉芽等で、内科領域においては、例えば、リューマチ性関節炎、浮腫性硬化症等で、心臓疾患においては、例えば、アテローム性動脈硬化症等で毛細血管の病的増加が認められる。特に、糖尿病性網膜症及びトラコーマにおける異常な血管新生の増加は、多くの人々を失明に追いやり、また、リウマチ性関節炎においては、関節での異常な血管新生が関節中の軟骨の破壊を起こし、多くの人を悩ましている。
また、血管新生は、各種炎症性疾患(リウマチ性関節炎、乾癬等)、眼科領域における各種疾患(糖尿病網膜症、未熟児網膜症、老人性黄斑変性、網膜静脈閉塞症、後水晶体線維増殖症、角膜移植に伴う血管新生、緑内障、眼腫瘍等)、各種腫瘍等の発症や進行に深く関与している。特に、角膜疾患においては、Stevens-Johnson症候群及びその類縁疾患、眼類天庖瘡及びその類縁疾患、アルカリ、酸、界面活性剤、各種溶媒、揮発性ガス、その他細胞毒性を示す種々の薬剤等による角膜腐蝕、トラコーマ、ウイルス感染、フリクテン性角膜炎等の疾患、角膜移植、ソフトコンタクトレンズ長期装着等により、角膜に血管が新生されることが知られている。元来、血管の存在しない透明な組織である角膜、眼房、水晶体、硝子体における血管新生は、著しい視力障害を生じるので、日常生活に支障をきたす重大な問題である。
血管新生が関与する疾患には現在十分な治療方法がなく、特に糖尿病性網膜症においては、外科的治療法を実施しない限り、新生された血管の退縮は見られず、新生された血管からの出血による視力障害が問題となっている。
このため、近年、血管新生が関与する疾患に対する予防又は治療薬として、血管新生阻害作用を有する物質の開発が注目されている。
これまでに開発された血管新生阻害物質は次のように分類することができる。
(1)血管内皮細胞増殖阻害作用を有する物質:フマギリン(fumagillin),TNP−470(糸状菌産生物フマギリンのアナログ)(非特許文献1,特許文献1参照)
(2)血管内皮細胞の管腔形成阻害作用を有する物質:Cochlioquinone A1(非特許文献2参照)
(3)血管内皮細胞の走化性阻害作用を有する物質(特許文献2参照)
(4)マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用を有する物質:MMI270(非特許文献3参照)
(5)プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用を有する物質:プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI−1)(非特許文献4参照)
(6)レセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有する物質:PKC412(非特許文献5参照)
しかしながら、これらの血管新生阻害物質は、活性が不十分であったり、毒性等の副作用を有していたりするため、血管新生が関与する疾患の予防又は治療薬としては満足のいくものではなく、優れた血管新生阻害作用を有する物質の開発が望まれている。特に、眼科領域では常に視機能の保持を念頭において薬剤を使用しなければならず、他の眼組織に悪影響を与えない安全な薬剤の開発が期待される。
眼科領域においては、角膜移植手術の際の同種移植片拒絶に、角膜の血管新生が関与していることが知られていることから(Jpn. J. Ophthalmol., 38 (3), 311-316 (1994))、角膜移植後に血管新生の阻害を行えば、移植片の拒絶を抑制することが出来ると考えられている。新生血管を伴う眼疾患のインターフェロンαによる治療の可能性は、加齢性黄斑変性症(Fung, W. E., J. ophthalmol., 112, 349 (1991))、血管新生緑内障(Miller, J.W.等, ophthalmology, 100, 9, (1992))、糖尿病網膜症(Wakelee-Lynch, J. and Banks, P., Diabetes Care, 15, 300, (1992))等で示唆されているが、その実際の有用性については未だ不明である。
一方、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(5−S−GAD)は公知の物質であり(特許文献3)、5−S−GADが抗腫瘍作用(特許文献3,4)、アポトーシス誘導作用(特許文献5)、破骨細胞形成阻害作用(特許文献5)等を有することが知られている。
イングバー(Ingber) D等,「ネイチャー(Nature)」,1990年,第348巻,第6301号,p.555-557 ジュング(Jung) HJ等,「バイオオーガニック アンド メディシナル ケミストリー(Bioorganic & Medicinal Chemistry)」,2003年,第11巻,第22号,p.4743-4747 ナカムラ(Nakamura) ES等,「キャンサー サイエンス(Cancer Science)」,2004年,第95巻,第1号,p.25-31 ペン(Penn) JS等,「インベスティゲイティブ オフタルモロジー アンド ビジュアル サイエンス(Investigative Ophthalmology and Visual Science)」,2003年,第44巻,p.5423-5429 オザキ(Ozaki) H等,「アメリカン ジャーナル オブ パソロジー(American Journal of Pathology)」,2000年,第156巻,第2号,p.697-707 特開平1−279828号公報 特開2003−26696号公報 特開平8−337594号公報 特開2001−213799号公報 特開2001−226283号公報
本発明は、新規な血管新生阻害剤及び血管退縮剤を提供することを目的とする。また、本発明は、新規な血管新生阻害物質のスクリーニング方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の血管新生阻害剤、血管退縮剤及び血管新生阻害物質のスクリーニング方法を提供する。
(1)次式(I):

[式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水素原子又は次式(II):

[式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水酸基又は任意のアミノ酸残基を表し、nは1又は2を表す。]
で表される基を表す。但し、R及びRのいずれか一方が水素原子である場合、他方は水素原子ではない。]
で表される3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血管新生阻害剤。
(2)前記3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体が、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、β−アラニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン又は5−S−システイニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである前記(1)記載の血管新生阻害剤。
(3)眼用血管新生阻害剤である前記(1)又は(2)記載の血管新生阻害剤。
(4)角膜用血管新生阻害剤である前記(3)記載の血管新生阻害剤。
(5)次式(I):

[式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水素原子又は次式(II):

[式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水酸基又は任意のアミノ酸残基を表し、nは1又は2を表す。]
で表される基を表す。但し、R及びRのいずれか一方が水素原子である場合、他方は水素原子ではない。]
で表される3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血管退縮剤。
(6)前記3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体が、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、β−アラニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン又は5−S−システイニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである前記(5)記載の血管退縮剤。
(7)眼用血管退縮剤である前記(5)又は(6)記載の血管退縮剤。
(8)角膜用血管退縮剤である前記(7)記載の血管退縮剤。
(9)下記工程(a)及び(b)を含む、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン様血管新生阻害物質のスクリーニング方法。
(a)試験物質が、血管退縮作用、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有するか否かを判別する工程
(b)血管退縮作用を有し、かつ血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有しない物質をスクリーニングする工程
本発明によって提供される血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、従来の血管新生阻害剤とは別のメカニズムに基づき血管新生を阻害することができる。
すなわち、従来の血管新生阻害剤は、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用、レセプター型チロシンキナーゼ阻害作用等の作用のうち1種類又は2種類以上の作用に基づき血管新生阻害作用を発揮する。これに対して、本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用のいずれの作用も有しないにも関わらず、血管退縮作用に基づき血管新生を阻害することができる。したがって、本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、血管内皮細胞の増殖を過度に抑制することによって生じる創傷治癒の遅延等を惹起するおそれがなく、長期投与可能である。
、R又はRで表される任意のアミノ酸残基には、いかなる種類のアミノ酸残基も含まれ、R、R又はRで表されるアミノ酸残基としては、例えば、α−アミノ酸残基、β−アミノ酸残基、γ−アミノ酸残基、中性アミノ酸(グリシン、バリン、ロイシン等のモノアミノモノカルボン酸)残基、酸性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸等のモノアミノジカルボン酸)残基、塩基性アミノ酸(アルギニン、フェニルアラニン等のジアミノモノカルボン酸)残基等が挙げられる。なお、R、R又はRで表される任意のアミノ酸残基の結合様式はアミド結合である。
で表されるアミノ酸残基は、好ましくはβ−アラニン残基であり、Rで表されるアミノ酸残基は、好ましくはグルタミン酸残基であり、Rで表されるアミノ酸残基は、好ましくはグリシン残基であり、nは好ましくは1である。
式(I)で表される3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体(化合物(I))は、好ましくは、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(5−S−GAD)、β−アラニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(β−AD)又は5−S−システイニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(5−S−CD)である。なお、化合物(I)が5−S−GADである場合、Rはβ−アラニン残基、Rは式(II)で表される基、Rはグルタミン残基、Rはグリシン残基、nは1であり、化合物(I)がβ−ADである場合、Rはβ−アラニン残基、Rは水素原子であり、化合物(I)が5−S−CDである場合、Rは水素原子、Rは式(II)で表される基、Rは水素原子、Rは水酸基、nは1である。
化合物(I)には不斉炭素が存在するが、それらの不斉炭素の立体配置は特に限定されず、S−又はR−配置のいずれであってもよい。化合物(I)が1又は2個以上の不斉炭素に基づく異性体として存在する場合、化合物(I)は、立体化学的に純粋な形態の任意の異性体(光学異性体、ジアステレオ異性体等)であってもよいし、任意の異性体の混合物、ラセミ体等であってもよい。
化合物(I)の薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、塩基付加塩、アミノ酸付加塩等が挙げられる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩等の有機酸塩等が挙げられ、塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、メチルアミン塩、トリエチルアミン塩等のアミン塩が挙げられ、アミノ酸付加塩としては、例えば、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩が挙げられる。
5−S−GAD、β−AD、5−S−CD等に代表される化合物(I)は、特開平8−337594号公報、特開2001−213799、特開2001−226283、Leem JY等, J Biol Chem, 271, 13573-13577 (1996)、Ito S等, J Med Chem, 124, 673-677 (1981)、Natori S., Molecular Mechanisms of Immune Responses in Insects. London, Chapman&Hall, 245-260 (1998)等に記載された公知の製造方法に準じて製造することができる。
化合物(I)は、例えば、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(Dopa)を出発原料とし、アミノ酸の縮合合成法、酵素処理法、液相ペプチド合成法等を利用して製造することができる。
化合物(I)の具体的製造方法は次の通りである。
任意のアミノ酸のアミノ基をt−ブトキシカルボニル基(Boc基)で保護するとともに、当該アミノ酸のカルボキシル基をN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性エステル化した後、Dopaと反応させることにより、Rが任意のアミノ酸であり、Rが水素原子である化合物(I)を製造することができる。反応混合物からの化合物(I)の精製は、例えば、反応混合物に1N塩酸を添加し、酸性条件下、酢酸エチルを用いて抽出処理を行った後、酢酸エチル層を減圧下で濃縮して析出する結晶を回収し、HPLC処理することにより行うことができる。
また、Rが任意のアミノ酸であり、Rが水素原子である化合物(I)を次式(III):

[式中、R、R及びnは前記と同義である。]
で表される化合物(III)とともにリン酸緩衝液に溶解し、チロシナーゼで処理することにより、Rが任意のアミノ酸であり、Rが式(II)で表される基である化合物(I)を製造することができる。反応液からの化合物(I)の精製は、HPLC処理することにより行うことができる。
また、Dopaを化合物(III)とともにリン酸緩衝液に溶解し、チロシナーゼで処理することにより、Rが水素原子であり、Rが式(II)で表される基である化合物(I)を製造することができる。反応液からの化合物(I)の精製は、HPLC処理することにより行うことができる。
化合物(III)は、次式(IV):

[式中、nは前記と同義である。]
で表される化合物(IV)(例えば、システイン、ホモシステイン)のアミノ基及びカルボキシル基に任意のアミノ酸をアミド結合させることにより製造することができる。
5−S−GADは、センチニクバエの成虫に傷を与えて飼育した後に体液を採取するか、ホモジネート化して原料とし、これをイオンカラムクロマトグラフィー及び逆相HPLCにより分離・分画処理し、抗菌活性を有する画分を採取することにより得ることもできる。
化合物(I)は、血管新生阻害作用及び血管退縮作用を有する。化合物(I)は、血管退縮作用に基づいて血管を退縮させ、血管新生を阻害することができる。但し、化合物(I)による血管新生阻害作用は、血管退縮作用に基づく作用に限定されるわけではない。
化合物(I)は、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用のいずれの作用も有しないにも関わらず、血管退縮作用に基づき血管新生を阻害することができる。したがって、化合物(I)は、血管内皮細胞の増殖を過度に抑制することによって生じる創傷治癒の遅延等を惹起するおそれがなく、長期投与可能である。
本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、化合物(I)のみから構成されていてもよいが、通常は、医薬上許容される1種以上の担体及び/又は添加剤とともに常法に従って製剤化される。製剤化する場合、化合物(I)の配合量は適宜調節することができる。
医薬上許容される担体としては、例えば、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース等が挙げられる。
製剤化に際して使用される添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、緩衝剤、抗酸化剤、防腐剤、等張化剤、pH調節剤、溶解剤、安定化剤等が挙げられ、これらの添加剤は製剤の投与単位形態等に応じて適宜選択することができる。
投与経路及び投与剤形は、治療に際して最も効果的なものを使用するのが望ましい。投与経路の一般例としては、経口投与の他、脳内、腹腔内、口腔内、気道内、直腸内、皮下、筋肉内及び静脈内等の非経口投与が挙げられ、投与剤形の一般例としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、噴霧剤、リポソーム剤、乳剤、座剤、注射剤、点眼剤、軟膏、テープ剤等が挙げられる。
本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤が、血管新生阻害作用及び血管退縮作用を発揮することができる組織は特に限定されるものではないが、眼、特に角膜において優れた血管新生阻害作用及び血管退縮作用を発揮することができる。
角膜を含む眼への投与は、例えば、本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤を注射剤とし、角膜、硝子体等の患部組織又はその隣接組織中に細い注射針で直接注入することにより行うことができる。また、ポンプ等を用いて眼内潅流液として投与することができる。また、本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤をコンタクトレンズの成分として予め含浸させておくことにより、角膜を含む眼への投与を行うことができる。
強膜は、脊椎動物の眼周囲の大部分を包囲している、高度に規則化したコラーゲン網目組織からなる薄い無血管性の層である。強膜は無血管性であるので、そこに注射しても、本質的に出血の危険性はなく、注射剤は眼からすぐに失われることがない。したがって、強膜を天然の薬剤貯蔵場所として利用することができる。また、強膜を天然の薬剤貯蔵場所として利用することにより、下層の組織への薬剤供給が可能となる。
本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、例えば、徐放性ポリマーのペレット又はマイクロカプセルに取り込ませて徐放剤とし、当該徐放剤を治療すべき組織中に外科的に移植することができる。徐放性ポリマーとしては、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリヒドロメタクリレート、ポリアクリルアマイド、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、乳酸ポリマー、乳酸・グリコール酸コポリマー等が挙げられるが、これらのうち、生分解性ポリマーである乳酸ポリマー、乳酸・グリコール酸コポリマー等が好ましい。徐放剤の使用にあたり参照することができる事例としては、インサート剤やインプラント剤の使用(米国特許第4,863,457号)がある。これらは眼上又は眼内へ長期にわたって薬剤を放出する。インサート剤とは、結膜層上といった眼上に差し込まれた器材であり、これは一般に活性化合物を含有するポリマーマトリックスからなる。徐放剤を強膜中に移植した場合、徐放剤から放出された本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は強膜を通って眼内に拡散することができる。
本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、ヒトを含む哺乳動物に投与することができる。本発明の血管新生阻害剤又は血管退縮剤の投与量は患者の年齢、性別、体重、症状、及び投与経路などの条件に応じて適宜増減されるべきであるが、一般的には、成人一日あたり0.1〜1000mg/kgの範囲であり、好ましくは10〜500mg/kgの範囲であり、特に好ましくは50〜100mg/kgの範囲である。上記投与量の薬剤は、毎日投与してもよいし、数日間隔で投与してもよく、例えば1〜4日毎に投与することができる。なお、本発明の血管新生阻害剤又は血管退縮剤を他の薬剤と併用することもでき、その場合の投与量も上記と同様である。
本発明の血管新生阻害剤及び血管退縮剤は、血管新生が関与する疾患、例えば、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、黄斑変性症、血管新生緑内障、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症、翼状片、ルベオーシス、角膜新生血管症等の眼疾患、固形腫瘍、血管腫、腫瘍の増殖・転移等の癌疾患の予防又は治療剤として使用することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質が、血管退縮作用、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有するか否かは、in vitro系又はin vivo系の公知の方法により判別することができる。in vitro系の方法においては、例えば、ヒト、ウシ、マウス、ラット等由来の血管内皮細胞(例えば、ヒト臍帯静脈内皮細胞、ウシ大動脈内皮細胞、マウス脳内皮細胞、ラット肝類洞内皮細胞)、所望のレセプターを発現している細胞(例えば、所望のレセプター遺伝子を有する発現ベクターを導入した宿主細胞)の膜画分を使用することができる。また、in vivo系の方法においては、モデル動物として、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス等の哺乳動物を使用することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質が例えば血管数、血管の太さ、血管の長さ等を減少させることができるとき、試験物質が血管退縮作用を有すると判別することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質の濃度が通常10μM以下、好ましくは50μM以下、さらに好ましくは100μM以下であれば血管内皮細胞の増殖を阻害しないとき、試験物質が血管内皮細胞増殖阻害作用を有しないと判別することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質の濃度が通常10μM以下、好ましくは50μM以下、さらに好ましくは100μM以下であれば血管内皮細胞の管腔形成を阻害しないとき、試験物質が血管内皮細胞の管腔形成阻害作用を有しないと判別することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質の濃度が通常10μM以下、好ましくは50μM以下、さらに好ましくは100μM以下であれば血管内皮細胞の走化性を50%以上阻害しないとき、試験物質が血管内皮細胞の走化性阻害作用を有しないと判別することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質の濃度が通常10μM以下、好ましくは50μM以下、さらに好ましくは100μM以下であればマトリックスメタロプロテアーゼ活性を阻害しないとき、試験物質がマトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用を有しないと判別することができる。なお、「マトリックスメタロプロテアーゼ」には、血管新生に関係する限り、いかなる種類のマトリックスメタロプロテアーゼも含まれ、例えば、基底膜を分解するゼラチナーゼ群(MMP−2、MMP−9)、これらを活性化するMMP−3、MMP−14等が含まれる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質の濃度が通常10μM以下、好ましくは50μM以下、さらに好ましくは100μM以下であればプラスミノーゲンアクチベーター活性を阻害しないとき、試験物質がプラスミノーゲンアクチベーター阻害作用を有しないと判別することができる。
本発明のスクリーニング方法において、試験物質の濃度が通常10μg/mL以下、好ましくは50μg/mL以下、さらに好ましくは100μg/mL以下であればレセプター型チロシンキナーゼ活性を50%以上阻害しないとき、試験物質がレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有しないと判別することができる。なお、「レセプター型チロシンキナーゼ」には、血管新生に関係する限り、いかなる種類のレセプター型チロシンキナーゼも含まれ、例えば、EGF受容体、FGF受容体、VEGF受容体(Flt−1、Flk−1)、PDGF受容体等が含まれる。
本発明のスクリーニング方法では、血管退縮作用を有し、かつ血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有しない物質を、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン様血管新生阻害物質としてスクリーニングすることができる。なお、「N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン様血管新生阻害物質(5−S−GAD様血管新生阻害物質)」とは、5−S−GADと同様に、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用のいずれの作用も有しないにも関わらず、血管退縮作用に基づき血管新生を阻害することができる物質である。5−S−GAD様血管新生阻害物質は、血管内皮細胞の増殖を過度に抑制することによって生じる創傷治癒の遅延等を惹起するおそれがないので、長期投与可能である。
〔実施例1〕
実施例1は、公知文献(Nakamura M, Katsuki Y, Shibutani Y, Oikawa T. Dienogest, a synthetic steroid, suppresses both embryonic and tumor-cell-induced angiogenesis. Eur J Pharmacol. 386, 33-40 (1999))を参考にして行った。
ゼラチンコートした24穴プレートにHUVEC(human umbilical vein endothelial cells:正常ヒト臍帯静脈内皮細胞)(10細胞/ウェル)を撒き、37℃、5%COで4時間培養した。HUVECの培養には、complete medium(MCDB131(Sigma社製),10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum),1%抗生物質(10,000 U/ml ペニシリン及び10,000μg/ml ストレプトマイシンの混合液(GIBCO社製)),10μg/mL内皮細胞成長サプリメント(endothelial cell growth supplement)(Upstate Biotechnology社製),10ng/mL上皮細胞増殖因子(epidermal growth factor),10μg/mLヘパリン)を用いた。その後、5−S−GAD(0μM,0.01μM,0.1μM,1μM,10μM,100μM)を添加し、さらに37℃、5%COで72時間培養した。培養後、HUVECをトリプシン処理して剥がし、コールターカウンター法により細胞数を測定した。結果を図1(a)に示す。
ウシ胎児血清の濃度を1%にしたcomplete mediumを用いて、上記と同様にHUVECを培養し、コールターカウンター法により細胞数を測定した。結果を図2に示す。
ゼラチンコートした96穴プレートにHUVEC(10細胞/ウェル)を撒き、37℃、5%COで4時間培養した。その後、5−S−GAD(0μM,0.01μM,0.1μM,1μM,10μM,100μM)を添加し、さらに37℃、5%COで72時間培養した。培養後、MTT法によりミトコンドリア代謝活性を測定した。結果を図1(b)に示す。
図1及び図2に示すように、5−S−GADは、100μM以下の濃度において、HUVECの増殖に影響を与えなかった。
〔実施例2〕
実施例2は、公知文献(Oikawa T, Sasaki M, Inose M, Shimamura M, Kuboki H, Hirano S, Kumagai H, Ishizuka M, Takeuchi T. Effects of cytogenin, a novel microbial product, on embryonic and tumor cell-induced angiogenic responses in vivo. Anticancer Res. 17, 1881-1886 (1997))を参考にして行った。
24穴プレートに、4℃下、マトリゲル(Matrigel)(Becton Dickinson Labware社製)を2mg/0.2mL/ウェルで加え、37℃で30分間放置した。各ウェルにHUVEC(7.5×10細胞/1mL/ウェル)及び5−S−GAD(0μM,1μM,10μM,100μM)を添加し、37℃で18時間培養した後、位相差顕微鏡で観察した。
通常、一定視野内の管腔の長さの合計を計算及び比較するが、ここでは、顕著な阻害効果が見られなかったため、写真のみを図3に示す。なお、図3中、A、B、C及びDは、それぞれ5−S−GADの濃度が0μM、1μM、10μM及び100μMである場合の結果を示す。
図3に示すように、5−S−GADは、100μM以下の濃度において、HUVECの管腔形成を阻害しなかった。
〔実施例3〕
実施例3は、公知文献(Nakamura M, Katsuki Y, Shibutani Y, Oikawa T. Dienogest, a synthetic steroid, suppresses both embryonic and tumor-cell-induced angiogenesis. Eur J Pharmacol. 386, 33-40 (1999))を参考にして行った。
ゼラチンコートした35mmのディッシュ(IWAKI社製)に、9×10細胞/ディッシュとなるように、complete mediumに懸濁したHUVECを2mL添加し、37℃、5%COで24時間培養した。次いで、MCDB131(Sigma社製)に0.1%ウシ血清アルブミン(bovine serum albumin)、10μg/mL内皮細胞成長サプリメント(endothelial cell growth supplement)(Upstate Biotechnology社製)、10μg/mLヘパリン及び5−S−GAD(0μM,0.01μM,0.1μM,1μM,10μM,100μM)を添加した培地を加え、37℃、5%COで24時間培養した。
培養上清を回収して、遠心し、その遠心上清のプラスミノーゲンアクチベーター活性(mU/10細胞)を測定した。結果を図4(a)に示す。
また、ディッシュに接着した細胞を、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate-buffered saline)で2回洗浄後、0.5mLの0.5% Triton X-100を含むリン酸緩衝生理食塩水で細胞を溶解し、得られた抽出物のプラスミノーゲンアクチベーター活性(mU/μgタンパク質)を測定した。結果を図4(b)に示す。
プラスミノーゲンアクチベーター活性は、ウシプラスミノーゲン(bovine plasminogen)及びH−D−Val−Leu−Lys−p−ニトロアニリド(nitroanilide)を含む0.1M Tris/HCl(pH7.4)に、サンプルを加えて、37℃でインキュベーションし、405nmにおける吸光度に基づいて遊離したp−ニトロアニリドを測定することにより定量した。
図4に示すように、5−S−GADは、100μM以下の濃度において、プラスミノーゲンアクチベーター活性を阻害しなかった。
〔実施例4〕
実施例4は、公知文献(Nakamura M, Katsuki Y, Shibutani Y, Oikawa T. Dienogest, a synthetic steroid, suppresses both embryonic and tumor-cell-induced angiogenesis. Eur J Pharmacol. 386, 33-40 (1999))を参考にして行った。
ゼラチンコートした35mmのディッシュに、9×10細胞/ディッシュとなるように、complete mediumに懸濁したHUVECを2mL添加し、37℃、5%COで24時間培養した。その後、MCDB131(Sigma社製)に0.1%ウシ血清アルブミン、10μg/mL 内皮細胞成長サプリメント(endothelial cell growth supplement)(Upstate Biotechnology社製)、10μg/mLヘパリン及び5−S−GAD(0μM,0.01μM,0.1μM,1μM,10μM,100μM)を添加した培地を加え、18時間培養した。
培養上清を回収して、遠心し、その上清のMMP−2活性及びMMP−9活性をゼラチンザイモグラフィー(gelatin-zymography)法により解析した。ゼラチンザイモグラフィー法は、コラーゲンの変性物であるゼラチンが多くのMMPの基質であることを利用し、MMPの活性を検出する方法である。SDS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルにゼラチンを混ぜ、MMPを含むサンプルをこのゲルで分離した後、酵素反応を行うと、MMPは分子の大きさによってゲルの中を決まった距離だけ移動した後、その場に留まってゼラチンを分解する。したがって、反応後、ゲルをタンパク質染色剤で染色すると、MMPが存在する部分だけ染まらずに透明なゲルとなり、MMPの活性が検出される。結果を図5に示す。
図5に示すように、5−S−GADの濃度が0〜100μMのとき、MMP−2前駆体を示すバンドが観察された。すなわち、5−S−GADは、100μM以下の濃度において、MMP−2活性を阻害しなかった。
なお、図5に示すように、5−S−GADの濃度に関わらず、MMP−9前駆体を示すバンドは観察されなかった。
〔実施例5〕
実施例5は、公知文献(Oikawa T, Murakami K, Sano M, Shibata J, Wierzba K, Yamada Y. A potential use of a synthetic retinoid TAC-101 as an orally active agent that blocks angiogenesis in liver metastases of human stomach cancer cells. Jpn J Cancer Res., 92, 1225-1234 (2001))を参考にして行った。
35mmの培養ディッシュ(IWAKI社製)にHUVEC(4.5×10細胞/mL,2mL)を撒き、24時間培養した。次いで、MCDB131(Sigma社製)に0.1% ウシ血清アルブミン、10μg/mL内皮細胞成長サプリメント、10μg/mLヘパリン及び5−S−GAD(0μM,0.01μM,0.1μM,1μM)を添加した培地を加え、2時間培養した。カミソリの刃でディッシュの細胞の一部を掻き取り、MCDB131(Sigma社製)に0.1%ウシ血清アルブミン、10μg/mL内皮細胞成長サプリメント(endothelial cell growth supplement)(Upstate Biotechnology社製)、10μg/mLヘパリン及び5−S−GAD(0μM,0.01μM,0.1μM,1μM)を添加した培地で、さらに16時間培養した。細胞を固定し、ギムザ染色した後、掻き取った部分に遊走してきた細胞の数をカウントし、対照(5−S−GAD濃度:0μM)に対する比率(%)を求めた。結果を図6に示す。
図6に示すように、5−S−GADは、1μM以下の濃度において、HUVECの走化性(遊走性)を阻害しなかった。
〔実施例6〕
実施例6は、公知文献(Fukazawa H, Li PM, Mizuno S, Uehara Y. Method for simultaneous detection of protein kinase A, protein kinase C, protein tyrosine kinase, and calmodulin-dependent protein kinase activities. Anal Biochem., 212, 106-110 (1993))を参考にして行った。
v−src癌遺伝子を発現させたマウスNIH3T3細胞を低張バッファー(1mM Hepes−NaOH(pH7.4),5mM MgCl,25μg/mL アンチパイン(antipain),ロイペプチン(leupeptin),ペプスタチンA(pepstatin A))に懸濁し、氷上に10分間放置した。ボルテックスミキサーにより、1分間撹拌し、細胞溶解液を調製した。細胞溶解液を、500×gで5分間、4℃で遠心し、遠心上清を脱核画分として回収した。脱核画分に適当量の試薬を加え、タンパク質濃度1mg/mL、20mM Hepes−NaOH(pH7.4)、10mM MgCl、0.1mM NaVO、1mM NaF、20μM cAMP、100μM CaClとした。DMSOに溶解した5−S−GAD(0.1μg/mL,1μg/mL,10μg/mL,100μg/mL)(3μL)と脱核画分(22μL)とを混ぜて、氷上に10分間放置した。5μLの[γ-32P]ATP(10μCi,75μM)を加えて反応を開始し、25℃で20分間放置した。4×SDS-PAGEサンプルバッファー(10μl)を加えて、反応を止めた。
サンプルを9% SDS−PAGE処理した後、オートラジオグラフィー解析を行った。結果を図7(a)に示す。
また、チロシン特異的なリン酸化を検出するために、ゲルを1N NaOHで55℃、2時間処理し、10%酢酸−5%イソプロパノールで中和した後、オートラジオグラフィー解析を行った。結果を図7(b)に示す。
図7中、「PKA」はプロテインキナーゼA、「PKC」はプロテインキナーゼC、「eEF−2K」は、eEF−2キナーゼ(真核生物延長因子2キナーゼ;カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIII)、「PTK」はチロシンキナーゼの位置を示す。なお、図7において、バンドの消失が活性阻害を表す。
図7に示すように、5−S−GADの濃度が0〜10μMのとき、PKA活性、PKC活性、eEF−2K活性、PTK活性を示すバンドが観察された。すなわち、5−S−GADは、10μM以下の濃度において、PKA活性、PKC活性、eEF−2K活性、PTK活性を阻害しなかった。
〔実施例7〕
実施例7は、公知文献(Hanai N, Nores G, Torres-Mendez C, Hakomori S. Modified ganglioside as a possible modulator of transmembrane signaling mechanism through growth factor receptors: a preliminary note. Biochem Biophys Res Commun, 147, 127-134 (1987) ; Bertics PJ, Gill GN. Self-phosphorylation enhances the protein-tyrosine kinase activity of the epidermal growth factor receptor. J Biol Chem, 260, 14642-14647 (1985))を参考にして行った。
A431(human epidermoid carcinoma)細胞より膜画分を調製した。15μLの反応液(20mM Hepes(pH7.4),5mM MnCl,タンパク質量10μgの膜画分,2μg/mL EGF,1mg/mL アンジオテンシン(angiotensin)II)に、5−S−GAD(1μg/mL,10μg/mL,100μg/mL)又はEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤AG1478(0.001,0.1μg/mL)を加え、25℃で30分間放置した。5μLの[γ-32P]ATP(5μCi/assay;1μM)を加えて反応を開始し、0℃で15分間放置した。氷冷した20%トリクロロ酢酸で反応を止め、その上清をP81セルロースペーパー(Whatmann)にスポットした。洗浄後、放射活性をシンチレーションカウンターにて測定した。結果を図8に示す。
図8に示すように、5−S−GADは、1μM以下の濃度において、EGF受容体チロシンキナーゼ活性を阻害しなかった。
〔実施例8〕
実施例8は、公知文献(Sawano A, Takahashi T, Yamaguchi S, Shibuya M. The phosphorylated 1169-tyrosine containing region of flt-1 kinase (VEGFR-1) is a major binding site for PLCgamma. Biochem Biophys Res Commun., 238, 487-491 (1997))を参考にして行った。
VEGFレセプター(Flt−1)を過剰発現したTn5細胞の膜画分(タンパク質量2μg)を、5−S−GAD(10μg/mL,100μg/mL)又はVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤SU4984(1μg/mL,10μg/mL)を加えたkinase assay緩衝液中(50mM HEPES(pH7.4),0.1% Triton X-100,10mM MnCl,2mM MgCl,1mM DTT,1mM NaF,0.1mM NaVO,10μM [γ-32P]ATP(2.5μCi))、25℃で10分間インキュベーションした。SDS−PAGEサンプルバッファーを加えて煮沸し、反応を止めた。
サンプルを7.5% SDS−PAGE処理した後、オートラジオグラフィー解析した。結果を図9(a)に示す。
また、チロシン特異的なリン酸化を検出するために、ゲルを1M NaOHを用いて55℃で2時間処理し、10%酢酸−5%イソプロパノールで中和した後、オートラジオグラフィー解析した。結果を図9(b)に示す。
なお、図9において、バンドの消失がVEGF受容体チロシンキナーゼ活性の阻害を表す。
図9に示すように、5−S−GADの濃度が10μMのとき、VEGF受容体チロシンキナーゼ活性を示すバンドが観察された。すなわち、5−S−GADは、10μM以下の濃度において、VEGF受容体チロシンキナーゼ活性を阻害しなかった。
〔実施例9〕
日本在来白色家兎(体重2〜2.3kg:船橋農場)雌の大腿部筋肉に筋弛緩剤のセラクタール(Bayer社製)と塩酸ケタミン(三共社製)の混合液(1:7)を約1.5mL注射し、全身麻酔を行った。両角膜表面麻酔剤(ベノキシール:参天製薬社製)を滴眼後、手術用顕微鏡下で2%硝酸銀液に浸した直径8mmの濾紙(アドバンテック東洋社製)を角膜中央部に1分間塗布し、ゴルフ刃を用いて硝酸銀塗布部の角膜上皮細胞を剥離し、角膜実質面を露出させ、硝酸銀濾紙を1分30秒間角膜実質面上に塗布した。塗布後直ちに10mLの生理食塩水で洗浄した。次いで、直ちにエッペンドルフ製マイクロピペットを用いて両角膜に5−S−GAD(5−S−GAD投与群)又は生理食塩水(対照群)を各50μL点眼し、その後、感染予防のため結膜嚢内にタリビット眼軟膏(参天製薬社製)を投与した。翌日から2週間、各群の両角膜にそれぞれ5−S−GAD又は生理食塩水各50μLを1日4回点眼した。
各群における2週間後の状態を図10に示す。図10中、「5−S−GAD(−)」は対照群の結果を、「5−S−GAD(+)」は5−S−GAD投与群の結果を示す。
図10に示すように、対照群においては、角膜の外縁から角膜上皮細胞剥離部分に向かう血管が新生されたが、5−S−GAD投与群においては、このような血管は新生されなかった。
新生血管モデル兎の作製7日前に5−S−GAD又は生理食塩水を両角膜に1日4回各50μL点眼した後、上記方法により新生血管モデル兎を作製し、コーワ社製スリットランプを用いて血管新生を経時的に観察した。その際、各群の検体眼における新生血管数をカウントし、次の要領でスコア化した。
1個の検体眼のスコア=2X+Y
X:角膜の外縁から角膜上皮細胞剥離部分に至る血管数
Y:角膜の外縁から角膜上皮細胞剥離部分に至らない血管数(但し、角膜の外縁から角膜の中心までの距離の1/4以上の長さを有する血管を対象とした。)
各群における1週間後及び3週間後のスコアを表1に示す。
表1に示すように、硝酸銀刺激後1週間目では両群のスコアに顕著な差は見られないが、硝酸銀刺激後3週間目では両群のスコアに顕著な差が見られた。このことから、5−S−GADの投与により、既存の血管の退縮が促進されることが示された。
なお、5−S−GAD投与の有無と、1週間から3週間までのスコア変化との間に相関があるかどうかを検定した。この検定での帰無仮説は、「5−S−GADの投与と、硝酸銀刺激後1週間から3週間までのスコア変化とは独立な関係である」である。
イエーツの補正を行った場合のχ値は57.0904311となる。これが自由度1のχ分布に従うことを用いて検定するとχ2(1, 0.05)=3.841となる。なお、χ2(1, 0.05)は、自由度1、有意水準5%のχ値である。
イエーツの補正を行った場合のχ値はχ2(1, 0.05)よりも大きいので、帰無仮説は棄却され、その結果、「5−S−GADの投与と、硝酸銀刺激後1週間から3週間までのスコア変化とには相関関係がある」が成立した。
〔実施例10〕
以下のようにしてマウス背部皮下(DAS:Dorsal Air Sac)法を行った。
ミリポアーリング(Millipore)の両面にミリポアーフィルター(pore size:0.45μm, Millipore)を貼付したチャンバーに腫瘍細胞(S180;Sarcoma 180 tumor cell line) 0.15mL(2×10細胞/チャンバー)を注入した。麻酔したマウス(15週令の雌ICRマウス)の尾根部より背部皮下に注射器で空気を注入した。皮膚を切開して空気注入部の頭側にチャンバーを挿入、挿入部位を閉じた。チャンバー移植1,2,3,4日目に、サイトゲニン(cytogenin)(100mg/kg体重)又は5−S−GAD(12.5,50,200mg/kg体重)をi.p.投与した。チャンバー移植5日目に麻酔したマウスの背部を、チャンバーを中心に切開し、皮膚を剥離した。皮膚側のチャンバー接触部分にリングと同型のゴムパッキンを置いた。3mm以上の長さを示す新生血管数を実体顕微鏡で測定した。結果を図11に示す。
図11に示すように、5−S−GADの投与により、新生血管数が減少した。
また、図12に示すように、5−S−GADの投与により、既存の血管が細くなった。なお、図12(a)はPBS処理、(b)はサイトゲニン処理、(c)は5−S−GAD(200mg/kg)処理、(d)は5−S−GAD(50mg/kg)処理を表す。
〔実施例11〕
以下のようにして鶏胚漿尿膜(CAM)法を行った。
Ethylene-vinyl acetate copolymer 40で処理した5日目の鶏胚漿尿膜を、様々な用量(0.1,1,10,100μg/egg)の5−S−GADで処理し、37℃に加湿した孵卵器でインキュベーションした。2日目に適量の20%脂肪乳濁液を漿尿膜に注入し、血管網を観察した。血管がない領域が直径3mm以上のとき、血管新生阻害効果があると評価した。39個の検体について血管新生阻害効果の有無を評価し、血管新生が阻害された検体の割合を算出した。結果を図13に示す。
図13(a)に示すように、5−S−GADは、鶏胚における血管新生を阻害した。また、図13(b)に示すように、5−S−GADによる血管新生阻害は用量依存的であった。
(a)は、5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、細胞数をコールターカウンター法により測定した結果を示す図であり、(b)は、5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、ミトコンドリア代謝活性をMTT法により測定した結果を示す図である。 5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、細胞数をコールターカウンター法により測定した結果を示す図である。 5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、管腔形成を観察した結果を示す図である。 (a)は、5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、細胞外プラスミノーゲンアクチベーター活性を測定した結果を示す図であり、(b)は、5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、細胞付着性プラスミノーゲンアクチベーター活性を測定した結果を示す図である。 5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、MMP−2前駆体及びMMP−9前駆体を検出した結果を示す図である。 5−S−GADの存在下でHUVECを培養した後、細胞走化性を測定した結果を示す図である。 細胞溶解液を5−S−GADで処理した後、PKA活性、PKC活性、eEF−2K活性及びPTK活性を検出した結果を示す図である。 膜画分を5−S−GADで処理した後、EGF受容体チロシンキナーゼ活性を測定した結果を示す図である。 膜画分を5−S−GADで処理した後、VEGF受容体チロシンキナーゼ活性を検出した結果を示す図である。 兎の角膜上皮細胞を剥離し、硝酸銀で刺激した後、5−S−GAD投与群又は対照群において、角膜の外縁から角膜上皮細胞剥離部分に向かう血管の新生を観察した結果を示す図である。 マウス背部皮下法により5−S−GAD投与後の新生血管数を測定した結果を示す図である。 5−S−GAD投与後の既存の血管の状態(太さ)を示す図である。 (a)は、鶏胚漿尿膜法により5−S−GAD処理後の血管の状態を観察した結果を示す図であり、(b)は同法により血管新生阻害効果の有無を評価した結果を示す図である。

Claims (9)

  1. 次式(I):

    [式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水素原子又は次式(II):

    [式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水酸基又は任意のアミノ酸残基を表し、nは1又は2を表す。]
    で表される基を表す。但し、R及びRのいずれか一方が水素原子である場合、他方は水素原子ではない。]
    で表される3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血管新生阻害剤。
  2. 前記3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体が、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、β−アラニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン又は5−S−システイニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである請求項1記載の血管新生阻害剤。
  3. 眼用血管新生阻害剤である請求項1又は2記載の血管新生阻害剤。
  4. 角膜用血管新生阻害剤である請求項3記載の血管新生阻害剤。
  5. 次式(I):

    [式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水素原子又は次式(II):

    [式中、Rは水素原子又は任意のアミノ酸残基を表し、Rは水酸基又は任意のアミノ酸残基を表し、nは1又は2を表す。]
    で表される基を表す。但し、R及びRのいずれか一方が水素原子である場合、他方は水素原子ではない。]
    で表される3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血管退縮剤。
  6. 前記3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン誘導体が、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、β−アラニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン又は5−S−システイニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンである請求項5記載の血管退縮剤。
  7. 眼用血管退縮剤である請求項5又は6記載の血管退縮剤。
  8. 角膜用血管退縮剤である請求項7記載の血管退縮剤。
  9. 下記工程(a)及び(b)を含む、N−β−アラニル−5−S−グルタチオニル−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン様血管新生阻害物質のスクリーニング方法。
    (a)試験物質が、血管退縮作用、血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有するか否かを判別する工程
    (b)血管退縮作用を有し、かつ血管内皮細胞増殖阻害作用、血管内皮細胞の管腔形成阻害作用、血管内皮細胞の走化性阻害作用、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用及びレセプター型チロシンキナーゼ阻害作用を有しない物質をスクリーニングする工程

JP2004018936A 2004-01-27 2004-01-27 血管新生阻害剤及び血管退縮剤 Pending JP2005213159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004018936A JP2005213159A (ja) 2004-01-27 2004-01-27 血管新生阻害剤及び血管退縮剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004018936A JP2005213159A (ja) 2004-01-27 2004-01-27 血管新生阻害剤及び血管退縮剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005213159A true JP2005213159A (ja) 2005-08-11

Family

ID=34903292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004018936A Pending JP2005213159A (ja) 2004-01-27 2004-01-27 血管新生阻害剤及び血管退縮剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005213159A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132205A1 (ja) * 2005-06-07 2006-12-14 Inbiotex Inc. ラジカルスカベンジャー及び活性酸素消去剤
WO2007013147A1 (ja) * 2005-07-27 2007-02-01 Inbiotex Inc. 血管新生阻害剤及び血管退縮剤
WO2016167363A1 (ja) * 2015-04-17 2016-10-20 国立大学法人東京大学 角膜障害の予防又は治療剤

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08337594A (ja) * 1995-06-13 1996-12-24 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 新規化合物及びその用途
JP2001213799A (ja) * 2000-01-28 2001-08-07 Inst Of Physical & Chemical Res 抗腫瘍剤

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08337594A (ja) * 1995-06-13 1996-12-24 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 新規化合物及びその用途
JP2001213799A (ja) * 2000-01-28 2001-08-07 Inst Of Physical & Chemical Res 抗腫瘍剤

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132205A1 (ja) * 2005-06-07 2006-12-14 Inbiotex Inc. ラジカルスカベンジャー及び活性酸素消去剤
US20110212883A1 (en) * 2005-06-07 2011-09-01 Inbiotex Inc. Radical scavenger and active oxygen eliminating agent
US8304452B2 (en) 2005-06-07 2012-11-06 Inbiotex Inc. Radical scavenger and active oxygen eliminating agent
WO2007013147A1 (ja) * 2005-07-27 2007-02-01 Inbiotex Inc. 血管新生阻害剤及び血管退縮剤
WO2016167363A1 (ja) * 2015-04-17 2016-10-20 国立大学法人東京大学 角膜障害の予防又は治療剤
US10435444B2 (en) 2015-04-17 2019-10-08 The University Of Tokyo Agent for prevention or treatement of corneal disorders

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102014883B1 (ko) 근위축성 측삭 경화증 치료용 신규 조성물
US6372796B1 (en) Therapeutic uses for nitric oxide inhibitors
JP5605659B2 (ja) 細胞保護剤
US20200325148A1 (en) Compositions and methods of treatment for neurological disorders comprising motor neuron diseases
US6407139B1 (en) Neovascularization inhibitor
EP1258250B1 (en) Nerve protective drugs
EP2852383A2 (en) Methods for drug screen using zebrafish model and the compounds screened thereform
US20210038677A1 (en) Methods and compositions for preventing or treating leber's hereditary optic neuropathy
US20180333376A1 (en) Use of (benzenesulfonamido) benzamide compounds for inhibiting liver fibrosis
JP7248836B2 (ja) ヘテロシクリデンアセトアミド誘導体含有医薬
RU2207852C2 (ru) Средства для предотвращения или лечения болезней, связанных с чрезмерной пролиферацией эпителиальных пигментных клеток сетчатки
RU2591210C2 (ru) Соединения и способы лечения боли и других расстройств
BR112020020318A2 (pt) Composições para tratamento de pele
BR112019027707A2 (pt) método para o tratamento de demência, uso de um antagonista de receptor 5-ht6 puro para o tratamento de demência e composição farmacêutica
KR20220119032A (ko) 알츠하이머 질환 치료용 화합물
JP2005213159A (ja) 血管新生阻害剤及び血管退縮剤
WO2007013147A1 (ja) 血管新生阻害剤及び血管退縮剤
CN101293831B (zh) 3-羟基脂肪酸及其衍生物在制备钙离子通道调节剂中的用途
KR20210062449A (ko) 프리마퀸 디포스페이트와 그 타겟으로 usp1의 혈관누수차단 효과
JP2006508047A (ja) 新血管新生に関連する状態を治療する方法及び配合物
US20230228740A1 (en) Method of using human spheroids for drug discovery
US20200323864A1 (en) Compositions and methods for the treatment of glioblastoma
US20230233539A1 (en) Use of Serotonin 5-HT1A Receptor Agonists to Treat Diseases Associated with Sudden Unexpected Death in Epilepsy
JP2005504768A (ja) アポトーシスに関連した疾患を治療するための方法および組成物
JP3750983B2 (ja) 骨疾患の治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100324

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100721