JP2005213122A - 多孔質微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質微粒子を簡単な装置を用いて容易に製造することができ、この多孔質微粒子の粒径を容易に制御することができ、しかも、空孔率の高い多孔質微粒子を容易に得ることができる多孔質微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 微粒子の前駆体と、界面活性剤及び触媒(または、触媒作用を有する界面活性剤)と、無機塩とを、水を含む溶媒中にて反応させて界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、次いで、このコロイド状微粒子から界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とすることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多孔質微粒子の製造方法に関し、特に、低屈折率材料、低誘電率材料、触媒やクロマトグラフィや薬剤等の担体、インク受容層等に用いて好適な多孔質微粒子の製造方法に関するものである。
従来、機能性を有する粉体材料として、表面に細孔を有する多孔質微粒子や中空の微粒子が提案され、この様な微粒子の製造方法も多数報告されている。
この様な製造方法の例として、次の様な方法(1)、(2)等が提案されている。
(1)金属酸化物の前駆体と4級アンモニウム塩等のテンプレートから得られる複合体を作製し、この複合体から限外濾過法によりテンプレートを除去することにより、粒子内部に細孔を有する微粒子を得る方法(特許文献1参照)。
(2)珪酸塩水溶液とアルカリ可溶の無機化合物水溶液とをpH10以上の水溶液に同時に添加して核粒子分散液を作製し、この分散液にシリカ源を添加して核粒子にシリカ被覆層を形成し、その後、この分散液に酸を加えて核粒子を構成する元素の一部または全部を除去することにより、中空の微粒子を得る方法(特許文献2参照)。
特開2002−173319号公報 特開2001−233611号公報
ところで、従来の方法(1)では、確かに、粒子内部に細孔を有する微粒子を得ることはできるが,複合体の粒径制御が難しく、したがって、生成する多孔質状の微粒子の粒径制御が難しいという問題点があった。
また、従来の方法(2)では、確かに、中空の微粒子を得ることはできるが、得られた微粒子の細孔は配向性を有しておらず、したがって、空孔率の高い微粒子を得ることが難しいという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、多孔質微粒子を簡単な装置を用いて容易に製造することができ、この多孔質微粒子の粒径を容易に制御することができ、しかも、空孔率の高い多孔質微粒子を容易に得ることができる多孔質微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、微粒子の前駆体と、界面活性剤及び触媒(または、触媒作用を有する界面活性剤)と、無機塩とを、水を含む溶媒中にて反応させ、界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、その後、このコロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去することにより、粒径が制御され、しかも、空孔率の高い多孔質微粒子を容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多孔質微粒子の製造方法は、微粒子の前駆体、界面活性剤、触媒および無機塩を、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とすることを特徴とする。
本発明の他の多孔質微粒子の製造方法は、微粒子の前駆体、触媒作用を有する界面活性剤および無機塩を、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とすることを特徴とする。
これらの多孔質微粒子の製造方法では、前記前駆体は、下記の式(1)
Xn−M−(OR)4−n ……(1)
(但し、Xは反応性有機基、Mは金属、ORはアルコキシル基、nは0または1以上かつ3以下の整数)
で表わされる化合物であることが好ましい。
前記無機塩は、アンモニウム塩であることが好ましい。
前記界面活性剤は、4級アンモニウムヒドロキシドであることが好ましい。
本発明の多孔質微粒子の製造方法によれば、微粒子の前駆体、界面活性剤、触媒および無機塩を、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とするので、粒径が制御されたコロイド状微粒子から界面活性剤を容易に除去することができ、したがって、粒径が制御され、かつ空孔率の高い多孔質微粒子を容易に作製することができる。
本発明の他の多孔質微粒子の製造方法によれば、微粒子の前駆体、触媒作用を有する界面活性剤および無機塩を、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とするので、粒径が制御されたコロイド状微粒子から界面活性剤を容易に除去することができ、したがって、粒径が制御され、かつ空孔率の高い多孔質微粒子を容易に作製することができる。
本発明の多孔質微粒子の製造方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の多孔質微粒子の製造方法は、微粒子の前駆体と、界面活性剤及び触媒(または、触媒作用を有する界面活性剤)と、無機塩とを、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とすることを特徴とする方法である。
微粒子の前駆体としては、コロイド状の微粒子を生成することができるものであれば特に限定されないが、金属アルコキシドが好ましく、下記の式(1)
Xn−M−(OR)4−n ……(1)
(但し、Xは反応性有機基、Mは金属、ORはアルコキシル基、nは0または1以上かつ3以下の整数)
で表わされる化合物がより好ましい。
ここで、反応性有機基Xとしては、例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を用いることができる。
金属Mとしては、金属アルコキシドを構成する金属であればよく、例えば、Si、Ti、Al、Zr、Zn、Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、In、Ge、Bi、Fe、Cu、K、Ta等が好適に用いられる。
アルコキシル基OR(C2n+1O)としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基等を用いることができる。
上記の式(1)で表わされる化合物は、同一種類の化合物のみを用いてもよく、複数の種類の化合物を用いてもよい。また、この化合物を部分的に加水分解しオリゴマー化したものを用いてもよい。
この化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン(Si(CO))、テトラメトキシシラン(Si(CHO))等、Si(OR)で表わされるケイ素のアルコキシドが特に好適に用いられる。
界面活性剤としては、カチオン性、ノニオン性、アニオン性のいずれにも限定されるものではないが、カチオン性界面活性剤が好ましい。
このカチオン性界面活性剤の中では、アンモニウム化合物が好ましく、特に4級アンモニウム塩が好ましい。
この4級アンモニウム塩としては、例えば、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩等が用いられる。
界面活性剤の濃度は、用いられる界面活性剤の種類により異なるが、例えば、微粒子の前駆体を上記の式(1)で表わされる化合物とした場合、この化合物中の金属M1モルに対して0.001モル以上かつ1.0モル以下が好ましく、0.01モル以上かつ0.6モル以下がより好ましく、0.15モル以上かつ0.4モル以下がさらに好ましい。
触媒としては、特に限定されるものではないが、塩基性触媒が好ましく、例えば、アンモニア水等のアルカリ性水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液等を用いることができる。
特に、上記の界面活性剤として触媒作用を有する界面活性剤を用いると、触媒を添加しなくても多孔質微粒子を生成することができる。
触媒作用を有する界面活性剤としては、アンモニウム化合物、特に4級アンモニウムヒドロキシドが好ましい。
4級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等が用いられる。
これらは、界面活性剤としての機能の他、触媒としての機能をも具備したものであり、コロイド状微粒子を生成する際には塩基性触媒として作用する。
したがって、これらの界面活性剤は、上記の式(1)で表わされる化合物中のOR基の加水分解、縮重合を促進しながら生成するコロイド状微粒子中に充填される。
なお、この触媒作用を有する界面活性剤は、単独で用いてもよく、上記の触媒を併用してもよい。
無機塩としては、特にその種類が限定されるものではないが,例えば、アンモニウム塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩等を用いることができる。
この無機塩としてはアンモニウム塩が好ましく、このアンモニウム塩としてはハロゲン化アンモニウムが好ましく、ハロゲン化アンモニウムとしては塩化アンモニウムが好ましい。
水を含む溶媒としては、水のみでもよく、水に低級アルコール等の極性溶媒を若干添加したものでもよい。
この多孔質微粒子の製造方法においては、微粒子の前駆体、界面活性剤及び触媒(または、触媒作用を有する界面活性剤)に対して、さらに無機塩を添加することにより、溶液中で緩衝作用が起こり、粒子生成速度とミセル形成速度とが均衡し、反応が穏やかに進行すると考えられる。これにより、個々の微粒子の成長速度を均一化することができ、得られる多孔質微粒子の粒径を5nm以上かつ200nm以下の範囲で制御することができ、さらに、この範囲で粒径のばらつきが極めて小さい多孔質微粒子を得ることができる。
ここでは、無機塩類の濃度を変えることにより、1次粒子径の粒径制御を5nm以上かつ200nm以下の範囲で行うことが可能である。
例えば、無機塩類の濃度を高くする(無機塩の添加量を多くする)と、得られる多孔質微粒子の粒径が大きくなり、濃度を低くする(添加量を少なくする)と、得られる多孔質微粒子の粒径が小さくなる。
さらに、無機塩類の濃度を最適化することで、この粒径範囲内で粒径の均一な球状微粒子が得られる。
無機塩の具体的な濃度は、使用する前駆体、界面活性剤、無機塩の種類、得ようとする微粒子の粒径によって異なるが、前駆体、界面活性剤及び触媒(または、触媒作用を有する界面活性剤)、無機塩、溶媒の合計重量に対して0.001〜5mol/kgが好ましく、0.01〜2mol/kgがさらに好ましい。
その理由は、濃度が0.001mol/kg未満では、微粒子内に空孔を保持した状態で微粒子の粒径を均一に制御することが困難となるからであり、一方、5mol/kgを超えると、生成する粒子の1次粒径が200nmを超えてしまう虞があるからである。
ここで、製造過程での粒径制御効果を損なわずに、さらに多孔質化するためには、界面活性剤として上述した4級アンモニウムヒドロキシドを用いるとともに、通常の塩基性触媒は用いないか、用いてもその使用量を少なくすることが好ましい。この場合、用いる無機塩としては、ハロゲン化アンモニウム、特に塩化アンモニウムが好ましい。したがって、好ましい組み合わせは、4級アンモニウムヒドロキシドと塩化アンモニウムの組み合わせとなる。
次に、この多孔質微粒子の製造方法について、さらに詳細に説明する。
この製造方法では、例えば、低級アルコール等の極性溶媒の含有量が20重量%以下である水を主成分とする溶媒中に、予め界面活性剤及び触媒(または、触媒作用を有する界面活性剤、必要に応じて触媒をさらに添加)を溶解した溶液を作製しておき、この溶液を撹拌しながら、該溶液に微粒子の前駆体を添加する。これにより、前駆体、界面活性剤及び水の間で反応が起こり、微粒子内に界面活性剤が配向した状態で充填されたコロイド状微粒子が生成することとなる。
反応温度は、界面活性剤が溶解する温度であれば特に限定されないが、20〜80℃の範囲が好ましい。
ここで、「界面活性剤が配向した状態で充填された状態」とは、界面活性剤がヘキサゴナル相、キュービック相、ラメラ相等のミセル構造を取ることにより、界面活性剤が所定の形状を形成した状態でコロイド状微粒子内に存在する状態をいい、コロイド状微粒子内で界面活性剤が形成する形状は、前駆体の濃度と界面活性剤の濃度との比を調整することにより、界面活性剤のミセル構造を選択し、制御することができる。
この様に、コロイド状微粒子内には界面活性剤が配向して充填されているので、このコロイド状微粒子内より界面活性剤を除去することにより、微粒子内に界面活性剤の構造と相補形状の空孔が形成された多孔質微粒子が得られる。
除去方法としては、特に限定されないが、例えば、凍結乾燥、あるいは噴霧乾燥等により水分を除去した後、電気炉等の熱処理装置を使用して界面活性剤を分解・除去するという、2段階処理による除去が好ましい。
界面活性剤の分解・除去により、微粒子内に空孔が形成された多孔質微粒子が得られる。
また、他の除去方法として、上記のコロイド状微粒子が生成した溶液を酸−アルコール溶液と共に限外濾過することにより、このコロイド状微粒子内に分散した界面活性剤を抽出除去する方法がある。
この方法によっても、微粒子内に空孔が形成された多孔質微粒子が得られる。
このようにして得られた多孔質微粒子は、その内部に界面活性剤が形成する形状と相補形状の空孔が形成されたことで、配向性のある空孔を有するものとなる。
この配向性については、CuKα線を特性X線として用いた場合の粉末X線回折法で測定される回折X線強度の低角度(1.5°〜6°付近)での強度比(I/I)により確認することができる。なお、特性X線としては、上記のCuKα線(Fe系試料を除く)の他、CoKα線(Fe系試料)、FeKα線(Fe系試料)、CrKα線(Fe系試料)等、物質の種類により適宜することができる。
この界面活性剤はミセルを形成するため、空孔の大きさは界面活性剤の疎水基の長さに依存する。したがって、平均空孔径が10nm以下の空孔を有する多孔質微粒子を得ることができ、さらには平均空孔径が5nm以下の空孔を有する多孔質微粒子を得ることができる。
これにより、50体積(v/v)%以上の空孔率を有する多孔質微粒子を得ることができる。さらに、この多孔質微粒子は空孔が配向しているので、50v/v%以上の空孔率を有しながらも強度の高い多孔質微粒子が得られる。
この多孔質微粒子の製造方法においては、反応が穏やかに進行するため、また無機塩の添加による粒子表面の電荷のバランスの関係から、溶液中における前駆体の濃度を高くしても微粒子の合成時に凝集や粒子の粒成長が生じ難い。したがって、微粒子の前駆体の濃度を生成する微粒子の重量換算で3重量%以上という、従来の方法に比べて高濃度とした場合においても、均一な粒径の多孔質微粒子を合成することができ、生産性に非常に優れたものである。
この様にして得られた多孔質微粒子は、目的に応じてシランカップリング剤等の修飾剤(改質剤)により外表面、内表面(空孔の表面)を修飾(改質)することも可能である。
この多孔質微粒子は、このままで使用しても差し支えないが、透明性、平滑性を要求される用途に使用する際には、多孔質微粒子を5〜50重量%含有した分散液の状態で使用することが好ましい。
この多孔質微粒子の分散媒への均一分散は、例えば、サンドミル、ボールミル、アルティマイザー等の公知の装置を用いて容易に行うことができる。
分散媒としては、特に限定されるものはなく、水、アルコール類、ケトン類等を1種あるいは複数種を混合して使用することが可能である。
この分散液は、上記の多孔質微粒子を分散媒に適量添加し、上記の装置で分散することで得られる。
例えば、アルティマイザーを使用する場合、分散操作の前にある程度凝集を解しておく必要があるので、ホモジナイザー、ディゾルバー等により撹拌した後、100μm程度のフィルターを通過させたスラリーを使用するのが好ましい。
この多孔質微粒子は、平均粒子径が5〜200nmと微小なものであるが、粒径が均一であるので、分散媒中の分散性に優れている。したがって、多孔質微粒子を5〜50重量%含有した分散液を得ることができる。
さらに分散性を良好にするために、分散液に界面活性剤、シランカップリング剤、水溶性高分子等を添加しても差し支えない。
以下、実施例1、2及び比較例1、2により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成社製)64.0gを純水1Lに溶解した。次いで、この水溶液を撹拌しながら、アニオン交換樹脂(ダイヤイオン SA10A:三菱化学社製)をpHが一定になるまで添加し、イオン交換を行った。次いで、この水溶液をカラムに空間速度2で通液してアニオン交換樹脂を分離し、0.2mol/kgのn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を得た。この水溶液のpHは12.7、塩素イオン濃度は1.0g/Lであった。
また、純水390.4gに塩化アンモニウム(関東化学社製)5.4gを溶解し、塩化アンモニウム水溶液とした。
次いで、この塩化アンモニウム水溶液に上記のn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液500.0gを加え、15分間撹拌した。得られた溶液のpHは9.0であった。
次いで、この溶液を30℃にて撹拌しながら、テトラエトキシシラン(関東化学社製)104.0gをチューブポンプにより約5mL/毎秒にて滴下し、滴下終了後30℃に保ちつつ24時間撹拌することにより、コロイド状微粒子を含む液を生成した。この液のpHは7.1であった。
このコロイド状微粒子の1次粒子の平均粒子径を透過型電子顕微鏡(日立製作所社製:H−800)を用いて測定したところ、23nmであり、ほとんどの粒子の粒径が揃った球状微粒子であった。また、微粒子内に界面活性剤が充填していることが確認された。
次いで、このコロイド状微粒子を含む液を遠心分離して沈殿物を回収し、この沈殿物を凍結乾燥し、乾燥粉を得た。その後、この乾燥粉を電気炉により大気中、550℃にて5時間、熱処理し、球状の多孔質微粒子を得た。
この多孔質微粒子についてCuKα線を特性X線とした粉末X線回折法により回折X線強度を測定したところ、回折線(2θ)が約2.7°付近にピークがあり、空孔が配向していることが確認された。また、定容量型ガス吸着装置(日本ベル社製:BELSORP−mini)を用いて比表面積を導出した。さらに、平均細孔径、粒子内の空孔の体積はドリュモアーヒール(DH)法によるメソポア細孔分布曲線より求めた。
また、透過型電子顕微鏡(TEM、日立製作所社製:H−800)を用いて熱処理後の1次粒子の平均粒子径(1次粒子平均径)を測定したところ、23nmであり、ほとんどの粒子の粒径が揃っていることが確認された。
図1は、熱処理後の1次粒子の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図であり、粒径の揃った球状の微粒子であることが分かる。また、図中、微粒子中に白い斑点状のものが認められるが、これは微粒子中に形成された空孔である。
その後、この多孔質微粒子12.00gを2−プロパノール108.00g及びガラスビーズ(0.1mm径(φ))と共にサンドミル用容器に収納し、このサンドミルを2500回転/毎分にて2時間作動させて多孔質微粒子を分散させ、次いで、ガラスビーズを分離することにより、固形分が9.2重量%の多孔質微粒子の分散液を得た。
この分散液の分散平均径を粒度分析計(日機装社製:マイクロトラック 9340UPA)により測定したところ、35nmであった。
上記の比表面積〜1次粒子平均径の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成社製)64.0gを純水1Lに溶解した。次いで、この水溶液を撹拌しながら、アニオン交換樹脂(ダイヤイオン SA10A:三菱化学社製)をpHが一定になるまで添加し、イオン交換を行った。次いで、この水溶液をカラムに空間速度2で通液してアニオン交換樹脂を分離し、0.2mol/kgのn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を得た。この水溶液のpHは12.9、塩素イオン濃度は0.8g/Lであった。
また、純水342.5gに塩化アンモニウム(関東化学社製)53.5gを溶解し、塩化アンモニウム水溶液とした。
次いで、この塩化アンモニウム水溶液に上記のn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液500.0gを加え、15分間撹拌した。得られた溶液のpHは9.1であった。
次いで、この溶液を30℃にて撹拌しながら、テトラエトキシシラン(関東化学社製)104.0gをチューブポンプにより約5mL/毎秒にて滴下し、滴下終了後30℃に保ちつつ24時間撹拌することにより、コロイド状微粒子を含む液を生成した。この液のpHは6.9であった。
このコロイド状微粒子の1次粒子の平均粒子径を透過型電子顕微鏡(日立製作所社製:H−800)を用いて測定したところ、55nmであり、ほとんどの粒子の粒径が揃った球状微粒子であった。また、微粒子内に界面活性剤が充填していることが確認された。
次いで、このコロイド状微粒子を含む液を遠心分離して沈殿物を回収し、この沈殿物を凍結乾燥し、乾燥粉を得た。その後、この乾燥粉を電気炉により大気中、550℃にて5時間、熱処理し、球状の多孔質微粒子を得た。
この多孔質微粒子についてCuKα線を特性X線とした粉末X線回折法により回折X線強度を測定したところ、回折線(2θ)が約2.7°付近にピークがあり、空孔が配向していることが確認された。また、定容量型ガス吸着装置(日本ベル社製:BELSORP−mini)を用いて比表面積を導出した。さらに、平均細孔径、粒子内の空孔の体積はDH法によるメソポア細孔分布曲線より求めた。
また、透過型電子顕微鏡(TEM、日立製作所社製:H−800)を用いて熱処理後の1次粒子平均径を測定したところ、55nmであり、ほとんどの粒子の粒径が揃っていることが確認された。
図2は、熱処理後の1次粒子の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図であり、粒径の揃った球状の微粒子であることが分かる。また、図中、微粒子中に白い斑点状のものが認められるが、これは微粒子中に形成された空孔である。
その後、この多孔質微粒子12.00gを2−プロパノール108.00g及びガラスビーズ(0.1mm径(φ))と共にサンドミル用容器に収納し、このサンドミルを2500回転/毎分にて2時間作動させて多孔質微粒子を分散させ、次いで、ガラスビーズを分離することにより、固形分が9.2重量%の多孔質微粒子の分散液を得た。
この分散液の分散平均径を粒度分析計(日機装社製:マイクロトラック 9340UPA)により測定したところ、63nmであった。
上記の比表面積〜1次粒子平均径の測定結果を表1に示す。
(比較例)
n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成社製)64.0gを純水1Lに溶解した。次いで、この水溶液を撹拌しながら、アニオン交換樹脂(ダイヤイオン SA10A:三菱化学社製)をpHが一定になるまで添加し、イオン交換を行った。次いで、この水溶液をカラムに空間速度2で通液してアニオン交換樹脂を分離し、0.2mol/kgのn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を得た。この水溶液のpHは12.8、塩素イオン濃度は1.1g/Lであった。
次いで、純水396.0gに上記のn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液500.0gを加え、15分間撹拌した。得られた溶液のpHは9.2であった。
次いで、この溶液を30℃にて撹拌しながら、テトラエトキシシラン(関東化学社製)104.0gをチューブポンプにより約5mL/毎秒にて滴下し、滴下終了後30℃に保ちつつ24時間撹拌することにより、コロイド状微粒子を含む液を生成した。この液のpHは7.2であった。
このコロイド状微粒子の1次粒子平均径を透過型電子顕微鏡(TEM、日立製作所社製:H−800)を用いて測定したところ、35nmであったが、粒径のバラツキが非常に大きかった。また、微粒子内に界面活性剤が充填していることが確認された。
次いで、このコロイド状微粒子を含む液を遠心分離して沈殿物を回収し、この沈殿物を凍結乾燥し、乾燥粉を得た。その後、この乾燥粉を電気炉により大気中、550℃にて5時間、熱処理し、球状の多孔質微粒子を得た。
この多孔質微粒子についてCuKα線を特性X線とした粉末X線回折法により回折X線強度を測定したところ、回折線(2θ)が約2.7°付近にピークがあり、空孔が配向していることが確認された。
また、定容量型ガス吸着装置(日本ベル社製:BELSORP−mini)を用いて比表面積を導出した。さらに、平均細孔径、粒子内の空孔の体積はDH法によるメソポア細孔分布曲線より求めた。
上記の比表面積〜1次粒子平均径の測定結果を表1に示す。
図3は、熱処理後の1次粒子の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図であり、粒径のバラツキが非常に大きいことが分かった。また、図中、微粒子中の白い斑点状のものは空孔である。
Figure 2005213122
本発明の多孔質微粒子の製造方法は、粒径が制御され、かつ空孔率の高い多孔質微粒子を容易に作製することができるものであるから、高空孔率、高比表面積、透明性等が要求される微粒子の製造にはもちろんのこと、その他、微量分析用カラム材、吸着材料、触媒担体等を製造する際においても有用なものである。
本発明の実施例1の1次粒子の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図である。 本発明の実施例2の1次粒子の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図である。 比較例の1次粒子の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図である。

Claims (5)

  1. 微粒子の前駆体、界面活性剤、触媒および無機塩を、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、
    次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とすることを特徴とする多孔質微粒子の製造方法。
  2. 微粒子の前駆体、触媒作用を有する界面活性剤および無機塩を、水を含む溶媒中にて反応させて前記界面活性剤が微粒子中に充填されたコロイド状微粒子を生成し、
    次いで、前記コロイド状微粒子から前記界面活性剤を除去し、多孔質状の微粒子とすることを特徴とする多孔質微粒子の製造方法。
  3. 前記前駆体は、下記の式(1)
    Xn−M−(OR)4−n ……(1)
    (但し、Xは反応性有機基、Mは金属、ORはアルコキシル基、nは0または1以上かつ3以下の整数)
    で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の多孔質微粒子の製造方法。
  4. 前記無機塩は、アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1、2または3記載の多孔質微粒子の製造方法。
  5. 前記界面活性剤は、4級アンモニウムヒドロキシドであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の多孔質微粒子の製造方法。
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