JP2005212066A - ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法 - Google Patents
ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】簡易な構成で加工精度を向上させることができるウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法を提供する。
【解決手段】その基端部より先端部に向かって縮径するように形成されたテーパ形状のモータ回転軸40に嵌着される孔18がその中心部に形成された、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10である。孔18は、モータ回転軸のテーパ形状と略同一のテーパ形状部を有しており、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの外周部には、ウェーハ面取り用砥石が嵌着される軸部17が形成されている。モータ回転軸とウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの間には、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジをモータ回転軸の軸心方向に移動可能とする位置調整手段が形成されており、位置調整手段により、モータ回転軸とウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの相対位置を変更させることにより、ウェーハ面取り用砥石のモータ回転軸に対する求心ができるようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】その基端部より先端部に向かって縮径するように形成されたテーパ形状のモータ回転軸40に嵌着される孔18がその中心部に形成された、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10である。孔18は、モータ回転軸のテーパ形状と略同一のテーパ形状部を有しており、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの外周部には、ウェーハ面取り用砥石が嵌着される軸部17が形成されている。モータ回転軸とウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの間には、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジをモータ回転軸の軸心方向に移動可能とする位置調整手段が形成されており、位置調整手段により、モータ回転軸とウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの相対位置を変更させることにより、ウェーハ面取り用砥石のモータ回転軸に対する求心ができるようになっている。
【選択図】 図1
Description
本発明はウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法に係り、特にウェーハ面取り用砥石を精度良く砥石軸に取り付けるのに好適なウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法に関する。
一般にウェーハ面取り用の砥石は、先ず、砥石溝形成装置によって外周に砥石溝が形成され、その後、砥石バランス調整装置によりバランス調整が行われてから、ウェーハ面取り装置の砥石軸に取り付けられる。その際、砥石は各装置の砥石用モータ軸にフランジを介して取り付けられている。
ところが、砥石のフランジへの取り付けは、嵌め合い公差穴基準で取り付けているため、フランジ側又は砥石側の嵌め合い加工誤差によりアンバランスが発生するという欠点がある。このため、砥石溝形成装置では砥石溝を正確に形成することができず、また、砥石バランス調整装置では正確にバランス調整することができないという欠点がある。そして、この結果、ウェーハ面取り装置ではウェーハの加工精度が低下してしまうという欠点がある。
このような事情に鑑みて、砥石のフランジへの取り付け精度を向上させることができるウェーハ面取り装置の砥石取付方法が本出願人により提案されている(特許文献1参照。)。
この技術によれば、砥石は各装置の砥石軸に油圧フランジを介して取り付けられる。これにより、どの装置においても砥石の中心と砥石軸の中心とが一致し、砥石を高速回転させても振動が発生しなくなる。
特開2000−141191号公報
しかしながら、このような油圧フランジは、構成が複雑であり、加工するのに非常な工数とコストとを要し、工程への導入には不向きであるという問題点を有する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で加工精度を向上させることができるウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は、前記目的を達成するために、その基端部より先端部に向かって縮径するように形成されたテーパ形状のモータ回転軸に嵌着される孔がその中心部に形成された、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジであって、前記孔は、前記モータ回転軸のテーパ形状と略同一のテーパ形状部を有しており、前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの外周部には、ウェーハ面取り用砥石が嵌着される軸部が形成されており、前記モータ回転軸と前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの間には、前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを前記モータ回転軸の軸心方向に移動可能とする位置調整手段が形成されており、前記位置調整手段により、前記モータ回転軸と前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの相対位置を変更させることにより、前記ウェーハ面取り用砥石の前記モータ回転軸に対する求心ができるようになっていることを特徴とするウェーハ面取り用砥石の固定フランジを提供する。
請求項1に係る本発明によれば、砥石は各装置の砥石用モータ回転軸に対して求心ができるように取り付けられる。これにより、どの装置においても砥石の中心と砥石用モータ回転軸の中心とが一致し、ウェーハ面取り装置の加工精度が向上する。
請求項2に係る本発明は、前記位置調整手段は、前記モータ回転軸に設けられた雌ねじ部と、軸部が前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部材と、前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの前記孔内に設けられ、前記雄ねじ部材の軸部を貫通可能とするとともに、前記雄ねじ部材の頭部の貫通を妨げる内径の貫通孔が形成されている規制部材と、よりなる請求項1に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを提供する。このような位置調整手段であれば、構成が簡易であり、加工するのに工数とコストとをさほど要しない。
請求項3に係る本発明は、前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用してウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸にウェーハ面取り用砥石を取り付けるウェーハ面取り装置の砥石取付方法において、砥石溝が形成されていない砥石を、砥石溝形成装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石溝形成装置で前記砥石の外周に砥石溝を形成し、該砥石溝が形成された砥石を、砥石バランス調整装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石バランス調整装置で前記砥石のバランスを調整し、該バランス調整された砥石を、前記ウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して取り付けることを特徴とするウェーハ面取り装置の砥石取付方法を提供する。
請求項3に係る本発明によれば、砥石は各装置の砥石用モータ回転軸に対して求心ができるように取り付けられる。これにより、どの装置においても砥石の中心と砥石用モータ回転軸の中心とが一致し、砥石を高速回転させても振動が発生しなくなる。この結果、正確に砥石溝を形成することができるとともに、正確にバランス調整を行なうことができるようになり、ウェーハ面取り装置の加工精度が向上する。
請求項4に係る本発明は、前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用してウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸にウェーハ面取り用砥石を取り付けるウェーハ面取り装置の砥石取付方法において、砥石溝が形成されていない砥石を、砥石溝形成装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石溝形成装置で前記砥石の外周に砥石溝を形成し、該砥石溝が形成された砥石を、前記ウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して取り付けることを特徴とするウェーハ面取り装置の砥石取付方法を提供する。
請求項4に係る本発明によれば、砥石は各装置の砥石用モータ回転軸に対して求心ができるように取り付けられる。これにより、どの装置においても砥石の中心と砥石軸の中心とが一致し、砥石を高速回転させても振動が発生しなくなる。この結果、正確に砥石溝を形成することができるようになり、ウェーハ面取り装置の加工精度が向上する。
請求項5に係る本発明は、前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用してウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸にウェーハ面取り用砥石を取り付けるウェーハ面取り装置の砥石取付方法において、前記ウェーハ面取り用砥石を、砥石バランス調整装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石バランス調整装置で前記砥石のバランスを調整し、該バランス調整された砥石を、前記ウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して取り付けることを特徴とするウェーハ面取り装置の砥石取付方法を提供する。
請求項5に係る本発明によれば、砥石は各装置の砥石用モータ回転軸に対して求心ができるように取り付けられる。これにより、どの装置においても砥石の中心と砥石軸の中心とが一致し、砥石を高速回転させても振動が発生しなくなる。この結果、正確にバランス調整を行なうことができるようになり、ウェーハ面取り装置の加工精度が向上する。
請求項6に係る本発明は、前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジをモータ回転軸より取り外す際に使用される取り外し具であって、前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの外周部に形成された雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有するとともに、中央に貫通する雌ねじ孔を有する板状部材と、前記雌ねじ孔に螺合する雄ねじと、よりなることを特徴とするウェーハ面取り用砥石の固定フランジの取り外し具を提供する。
請求項6に係る本発明によれば、簡易な構成の取り外し具ではあるが、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジをモータ回転軸より確実に取り外せる。
以上説明したように、本発明によれば、砥石は各装置の砥石用モータ回転軸に対して求心ができるように取り付けられる。これにより、どの装置においても砥石の中心と砥石用モータ回転軸の中心とが一致し、ウェーハ面取り装置の加工精度が向上する。
以下添付図面に従って本発明に係るウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、該フランジの取り外し具及びウェーハ面取り装置の砥石取付方法の好ましい実施の形態について詳説する。
先ず、本発明に係るウェーハ面取り用砥石の固定フランジの構成について説明する。図1は、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの構成を示す正面断面図である。図2は、図1の平面図である。図1に示されるように、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10は、ビルトインスピンドル41のモータ回転軸40に取り付けられるフランジ本体12と、そのフランジ本体12に取り付けられて砥石50をクランプする押さえ板14とから構成されている。
モータ回転軸40は、その基端部より先端部に向かって縮径するように形成されたテーパ形状となっている。またモータ回転軸40の中心には、軸心方向に雌ねじ孔(雌ねじ部)43が形成されている。
フランジ本体12は、その下端部にフランジ16が形成されており、このフランジ16と押さえ板14との間で砥石50をクランプできるようになっている。すなわち、フランジ本体12の軸部17の上部約1/3の外周には雄ねじ20が形成されており、円盤状の押さえ板14の中央部には雄ねじ20と螺合する貫通雌ねじ孔22が形成されており、フランジ本体12と押さえ板14とを相対回転させることにより、フランジ16と押さえ板14との間で砥石50をクランプできる。
その際、両者の締め込みが容易にできるように、フランジ16と押さえ板14には、回転工具の爪を引っ掛けられるような切り欠き部16A、14Aがそれぞれ設けられている。
フランジ本体12の軸部17の中央部には軸線に沿って貫通孔18が形成されており、貫通孔18の下部の約2/3はテーパ状に形成されている。このテーパ形状は、モータ回転軸40のテーパ形状(雄形状)と略同一の雌形状となっている。
また、貫通孔18の上部にはこの貫通孔18を塞ぐ天板(規制部材)30が固着されており、この天板30の中心には、後述する六角キャップボルト(雄ねじ部材)34の軸部が貫通できるサイズ(内径)の貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、後述する六角キャップボルト34の頭部の貫通を妨げるサイズ(内径)である。
フランジ本体12の軸部17の外周部は、砥石50が若干の隙間をもって嵌着できるサイズ(外径)に形成されている。
モータ回転軸40に設けられた雌ねじ孔(雌ねじ部)43と、軸部が雌ねじ孔43に螺合する六角キャップボルト(雄ねじ部材)34と、貫通孔18の天板30とで、モータ回転軸40とウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10との間における、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10をモータ回転軸40の軸心方向に移動可能とする位置調整手段が形成される。
すなわち、六角キャップボルト34を雌ねじ孔43に螺合させ、締め込むことにより、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10とモータ回転軸40との軸心方向の距離が縮まるようになっている。
その際、六角キャップボルト34の雌ねじ孔43への締め込みを続けると、モータ回転軸40のテーパ状部分と、貫通孔18のテーパ状部分とが密着するようになる。更にこの締め込みを続けると、フランジ本体12の軸部17が弾性変形し、軸部17の外径が増大していく。したがって、この位置調整手段により、砥石50をモータ回転軸40に対して求心させ得る。この詳細は、後述するフランジ本体12のモータ回転軸40への取り付け方法の箇所で説明する。
図3は、本発明に係るフランジの取り外し具42の構成を示す正面断面図である。このフランジの取り外し具42は、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10をモータ回転軸40より取り外す際に使用される取り外し具であり、円盤(板状部材)44と、抜きボルト(雄ねじ)46とより構成される。
円盤44は、フランジ本体12の軸部17の外周部に形成された雄ねじ20と螺合する雌ねじ部44Aを有するとともに、中央に貫通する雌ねじ孔44Bを有する板状部材である。抜きボルト46は、雌ねじ孔44Bに螺合する雄ねじ部46Aを有する。
フランジの取り外し具42を使用する際には、円盤44の雌ねじ部44Aをフランジ本体12の雄ねじ20と螺合させ、抜きボルト46を雌ねじ孔44Bに螺合させ、抜きボルト46を締め込むことにより行う。
前記のごとく構成されたフランジ本体12をモータ回転軸40に取り付ける方法は次の通りである。先ず、フランジ本体12の中央部に形成されている貫通孔18をモータ回転軸40に嵌め合わせる。ここで、既述のように、モータ回転軸40の先端部分は、貫通孔18に形成されているテーパ部分と同じテーパ比でテーパ状に形成されているので、貫通孔18を嵌め合わせることにより、フランジ本体12はモータ回転軸40と同軸上に装着される。
モータ回転軸40に装着されたフランジ本体12を六角キャップボルト34によって緩くボルト止めし、これにより、フランジ本体12がモータ回転軸40に固定される。
次いで、砥石50をフランジ本体12の軸部17に嵌め合わせる。この状態では、砥石50の内径と軸部17との間には若干の隙間が形成されている。
次いで、押さえ板14の貫通雌ねじ孔22をフランジ本体12の軸部17の雄ねじ20に螺合させる。そして、フランジ本体12と押さえ板14とを相対回転させることにより、フランジ16と押さえ板14との間で砥石50をクランプさせる。
次いで、フランジ本体12を保持しながら六角キャップボルト34を更に締め込む。これにより、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10とモータ回転軸40との軸心方向の距離が縮まる。そして、モータ回転軸40のテーパ状部分と、貫通孔18のテーパ状部分とが密着するようになる。
更にこの締め込みを続けると、フランジ本体12の軸部17が弾性変形し、軸部17の外径が同心状態で均等に増大していく。したがって、砥石50をモータ回転軸40に対して求心させることができる。
すなわち、フランジ本体12の軸部17は、フランジ本体12の全周にわたって均一に弾性変形し、この均一に変形した軸部17がフランジ本体12に装着された砥石50の内周面を押圧し、砥石50をフランジ本体12の同軸上に位置決めする。
一方、装着した砥石50をフランジ本体12から取り外す場合は、次の通りである。
先ず、フランジ本体12を保持しながら六角キャップボルト34を緩める。これにより、変形した軸部17が元の状態に戻り、砥石50の内周面とフランジ本体12の外周面との間に所定のクリアランスが生じる。
次いで、押さえ板14をフランジ本体12から取り外し、砥石50をフランジ本体12から取り外す。そして、フランジ本体12を保持しながら六角キャップボルト34を緩め、フランジ本体12より六角キャップボルト34を取り外す。最後に、フランジ本体12をモータ回転軸40から取り外す。
なお、モータ回転軸40のテーパ状部分と、貫通孔18のテーパ状部分とが密着して離れない場合には、適宜の段階において、既述したフランジの取り外し具42を使用することが好ましい。
このフランジの取り外し具42を使用する際には、先ず、円盤44の雌ねじ部44Aをフランジ本体12の雄ねじ20と螺合させる。次いで、抜きボルト46を雌ねじ孔44Bに螺合させ、抜きボルト46をスパナ等の工具を使用して締め込む。これにより、強制的にモータ回転軸40とフランジ本体12との距離を増大させ、モータ回転軸40とフランジ本体12とを引き離すことが容易にできる。
以上説明したように、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介してモータ回転軸40に砥石50を取り付けることにより、砥石50は自動的にモータ回転軸40の同軸上に取り付けられるので、高速回転させても振動が発生することがない。
次に、前記のごとく構成されたウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を用いた本発明に係るウェーハ面取り装置の砥石取付方法について説明する。
一般にウェーハ面取り用の砥石は、先ず、砥石溝形成装置によって外周に砥石溝を形成し、その後、砥石バランス調整装置でバランス調整を行ってから、ウェーハ面取り装置のモータ回転軸に取り付けられる。本発明に係るウェーハ面取り装置の砥石の取付方法では、各装置のモータ回転軸に砥石を取り付ける際、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して砥石をモータ回転軸に取り付ける。具体的には次の通りである。
先ず、各装置の構成について説明する。始めに砥石溝形成装置の構成について説明する。
面取り用の砥石には、結合材にメタルボンドを使用したメタルボンド砥石と、結合材にレジンボンドを使用したレジンボンド砥石があり、一般にメタルボンド砥石の場合は放電加工により、またレジンボンド砥石の場合はツルーイングにより砥石溝を形成する。
図4は、放電加工によって砥石溝を形成する砥石溝形成装置60の概略構成を示す正面図である。図4に示されるように、加工槽61内には放電加工液62が満たされており、その放電加工液62中に放電体63と砥石50が浸漬配置されている。放電体63は円筒状に形成されており、その外周部に砥石50に形成する砥石溝50G(図1、図7等参照)の形状に合致した凸部が形成されている。この放電体63は放電体駆動モータ64のスピンドル65に取り付けられており、放電体駆動モータ64を駆動することにより回転する。
一方、砥石50は砥石駆動モータ66のスピンドル(砥石軸)67にウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して取り付けられており、砥石駆動モータ66を駆動することにより回転する。そして、放電体63には高電圧電源68のマイナス極が接続されており、砥石50には高電圧電源68のプラス極が接続されている。
砥石溝50Gの加工は、放電加工液62中に浸漬された放電体63と砥石50との間に高電圧を印加し、両者を回転させつつ互いに近づけることにより行う。
図5は、ツルーイングによって砥石溝を形成する砥石溝形成装置70の概略構成を示す正面図である。図5に示されるように、砥石50に砥石溝50G(図1、図7等参照)を加工するツルアー71は、円盤状に形成されており、その外周部が砥石50に形成する砥石溝50Gの形状に合致した断面形状のツルーイング砥石が固着されている。このツルアー71は、ツルアー駆動モータ72のスピンドル73に取り付けられており、ツルアー駆動モータ72を駆動することにより回転する。
一方、砥石50は、砥石駆動モータ74のスピンドル(砥石軸)75にウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して取り付けられており、砥石駆動モータ74を駆動することにより回転する。
砥石溝50Gの加工は、ツルアー71と砥石50を回転させながら互いに近づけることにより、ツルアー71で砥石50の外周を研削することによりなされる。
次に、砥石バランス調整装置の構成について説明する。図6は、砥石バランス調整装置80の概略構成を示す正面図である。図6に示されるように、砥石50は砥石駆動モータ81のスピンドル(砥石軸)82にウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して取り付けられており、砥石駆動モータ81を駆動することにより回転する。
ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10の上端外周部には反射テープ83が貼付されており、この反射テープ83の加速度振動を加速度センサー84で計測し、この計測結果に基づいてバランス測定器85が砥石50のアンバランス量と方向を計算する。そして、この計算結果に基づいて砥石50の台金部分にバランス穴を穿孔する。
次に、ウェーハ面取り装置の構成について説明する。図7は、ウェーハ面取り装置90の概略構成を示す正面図である。図7に示されるように、砥石50は砥石駆動モータ91のスピンドル(砥石軸)92にウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して取り付けられており、砥石駆動モータ91を駆動することにより回転する。
一方、この砥石50で面取り加工するウェーハWは、ウェーハテーブル93に吸着保持されており、ウェーハテーブル93はテーブル駆動モータ94のスピンドル95に固着されている。
加工は、ウェーハWと砥石50を高速回転させながら互いに近づけることにより、砥石50の砥石溝50GにウェーハWの周縁を押し当てて行う。
次に、上記の説明になる各装置とウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を用いた本発明に係るウェーハ面取り装置の砥石取付方法について説明する。
先ず、砥石50に砥石溝50Gを加工する。メタルボンド砥石の場合、砥石溝50Gは、図4に示される放電加工による砥石溝形成装置60を用いて形成する。
ここで、この砥石溝形成装置60の砥石軸(スピンドル)67に砥石50を取り付ける際、砥石50をウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して砥石軸67に取り付ける。これにより、砥石50は砥石軸67の同軸上に取り付けられる。したがって、砥石50の外側への軸芯からの距離が一定で正確な砥石溝50Gを形成することができる。
図5に示されるレジンボンド砥石の場合も同様である。砥石50を砥石溝形成装置70の砥石軸(スピンドル)75に取り付ける際、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して砥石軸75に取り付ける。これにより、砥石50は砥石軸75の同軸上に取り付けられ、正確に砥石溝50Gを形成することができる。
砥石溝50Gを形成し終えた砥石50は、砥石溝形成装置60(又は70)の砥石軸67(又は75)から取り外し、次に、砥石バランス調整装置80でバランス調整を行う。ここで、図6に示される砥石バランス調整装置80の砥石軸82に砥石50を取り付ける際、砥石50をウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して砥石軸82に取り付ける。これにより、砥石軸82の同軸上に砥石50が取り付けられるので、正確に砥石50のアンバランス量と方向を測定することができる。したがって、正確に砥石50のバランス調整を行うことができる。
以上の工程を経ることにより、砥石50は正確に砥石溝50Gが形成され、正確にバランス調整がなされる。
次に、砥石50を砥石バランス調整装置80の砥石軸82から取り外し、図7に示されるウェーハ面取り装置90の砥石軸92に取り付ける。ここで、砥石50をウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して砥石軸92に取り付ける。これにより、砥石50は砥石軸92の同軸上に取り付けられるので、高速回転させても振動が発生しなくなる。また、砥石溝50Gの振れがないため、ウェーハWを精度良く加工することができる。
以上説明したように、本発明に係るウェーハ面取り装置の砥石取付方法によれば、砥石溝形成装置60、70、砥石バランス調整装置80及びウェーハ面取り装置90の各装置の砥石軸(砥石用モータ回転軸)にウェーハ面取り用砥石の固定フランジ10を介して砥石50を取り付ける。
これにより、砥石溝形成装置60、70では正確に砥石溝50Gを形成することができ、また、砥石バランス調整装置80では正確に砥石50のバランス調整を行うことができる。そして、このように正確に砥石溝50Gが形成され、正確にバランス調整がなされた砥石50をウェーハ面取り装置90の砥石軸92の同軸上に取り付けることができる。したがって、ウェーハ面取り装置90の砥石軸92の同軸上に取り付けられた砥石50は、高速回転させても振動が発生せず、砥石溝50Gの振れがないため、高精度にウェーハWを面取り加工することができる。このように、本発明によれば、きわめて簡単にウェーハWの加工精度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、砥石溝形成装置、砥石バランス調整装置及びウェーハ面取り装置の各装置でウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して砥石を砥石軸に取り付けるようにしているが、砥石溝形成装置とウェーハ面取り装置に砥石を取り付ける場合にのみウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用するようにしてもよい(砥石バランス調整装置に砥石を取り付ける際は通常のフランジを使用する。)。これにより、砥石溝を正確に形成することができ、また、ウェーハ面取り装置の砥石軸と同軸上に砥石を装着することができるので、この場合であってもウェーハの加工精度の向上を図ることができる。
同様に砥石バランス調整装置とウェーハ面取り装置に砥石を取り付ける場合にのみウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用するようにしてもよい(砥石溝形成装置に砥石を取り付ける際は通常のフランジを使用する。)。これにより、正確に砥石のバランスを調整をすることができ、また、ウェーハ面取り装置の砥石軸と同軸上に砥石を装着することができるので、ウェーハの加工精度を向上させることができる。
また、上述した構成の砥石溝形成装置60、70、砥石バランス調整装置80及びウェーハ面取り装置90は、各装置の一例に過ぎず、他の構成の装置にも本発明は有効に適用することができる。
10…ウェーハ面取り用砥石の固定フランジ、12…フランジ本体、14…押さえ板、16…フランジ、17…軸部、18…貫通孔、40…モータ回転軸、50…砥石、50G…砥石溝、60…砥石溝形成装置(メタルボンド砥石用)、67…スピンドル(砥石軸)、70…砥石溝形成装置(レジンボンド砥石用)、75…スピンドル(砥石軸)、80…砥石バランス調整装置、82…スピンドル(砥石軸)、90…ウェーハ面取り装置、92…スピンドル(砥石軸)
Claims (6)
- その基端部より先端部に向かって縮径するように形成されたテーパ形状のモータ回転軸に嵌着される孔がその中心部に形成された、ウェーハ面取り用砥石の固定フランジであって、
前記孔は、前記モータ回転軸のテーパ形状と略同一のテーパ形状部を有しており、
前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの外周部には、ウェーハ面取り用砥石が嵌着される軸部が形成されており、
前記モータ回転軸と前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの間には、前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを前記モータ回転軸の軸心方向に移動可能とする位置調整手段が形成されており、
前記位置調整手段により、前記モータ回転軸と前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジとの相対位置を変更させることにより、前記ウェーハ面取り用砥石の前記モータ回転軸に対する求心ができるようになっていることを特徴とするウェーハ面取り用砥石の固定フランジ。 - 前記位置調整手段は、前記モータ回転軸に設けられた雌ねじ部と、軸部が前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部材と、前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの前記孔内に設けられ、前記雄ねじ部材の軸部を貫通可能とするとともに、前記雄ねじ部材の頭部の貫通を妨げる内径の貫通孔が形成されている規制部材と、よりなる請求項1に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジ。
- 前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用してウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸にウェーハ面取り用砥石を取り付けるウェーハ面取り装置の砥石取付方法において、
砥石溝が形成されていない砥石を、砥石溝形成装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石溝形成装置で前記砥石の外周に砥石溝を形成し、
該砥石溝が形成された砥石を、砥石バランス調整装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石バランス調整装置で前記砥石のバランスを調整し、
該バランス調整された砥石を、前記ウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して取り付けることを特徴とするウェーハ面取り装置の砥石取付方法。 - 前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用してウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸にウェーハ面取り用砥石を取り付けるウェーハ面取り装置の砥石取付方法において、
砥石溝が形成されていない砥石を、砥石溝形成装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石溝形成装置で前記砥石の外周に砥石溝を形成し、
該砥石溝が形成された砥石を、前記ウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して取り付けることを特徴とするウェーハ面取り装置の砥石取付方法。 - 前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジを使用してウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸にウェーハ面取り用砥石を取り付けるウェーハ面取り装置の砥石取付方法において、
前記ウェーハ面取り用砥石を、砥石バランス調整装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して装着し、該砥石バランス調整装置で前記砥石のバランスを調整し、
該バランス調整された砥石を、前記ウェーハ面取り装置の砥石用モータ回転軸に前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジを介して取り付けることを特徴とするウェーハ面取り装置の砥石取付方法。 - 前記請求項1又は2に記載のウェーハ面取り用砥石の固定フランジをモータ回転軸より取り外す際に使用される取り外し具であって、
前記ウェーハ面取り用砥石の固定フランジの外周部に形成された雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有するとともに、中央に貫通する雌ねじ孔を有する板状部材と、
前記雌ねじ孔に螺合する雄ねじと、
よりなることを特徴とするウェーハ面取り用砥石の固定フランジの取り外し具。
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WO2020039940A1 (ja) * | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス板の製造方法および砥石装置用工具 |
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2004
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