JP2005210867A - 電動機用固定子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、ヨーク片をカシメ積層して成るヨーク積層体の連結凹部に、磁極片をカシメ積層して成る磁極積層体の連結凸部を嵌合し、ヨーク積層体に所定個数の磁極積層体を固定して成り、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心、あるいは分割片をカシメ積層して成る分割ヨーク部と磁極部とを有する所定個数の分割積層体を、分割ヨーク部を互いに屈曲回動自在に連結して成り、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心を用い、該固定子鉄心における磁極に巻線コイルを設けて成る電動機用固定子を対象とし、巻線コイルの取付け作業が容易で、かつ巻線コイルの占積率および絶縁性能に優れ、製造時における巻線コイルのプロポーションの崩れを未然に防止し得る電動機用固定子の提供を目的としている。
【解決手段】 本発明に関わる電動機用固定子は、固定子鉄心の磁極に設けられた巻線コイルの外周面を、上記巻線コイルの巻回方向に沿って取り付けられ、かつ隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートにより被覆している。
【選択図】 図5

Description

本発明は、固定子鉄心の磁極に巻線コイルを設けて成る電動機用固定子に関するものであり、詳しくは巻線コイルの外周面を被覆する絶縁シートの取付け態様に関するものである。
図16に示す如き従来の電動機用固定子Aは、固定子鉄心Bの各磁極Btに巻線コイルCを設けることによって構成されており、上記固定子鉄心Bは、所定枚数の鉄心片Baをカシメ積層して製造され、環形状のヨークByと該ヨークByから径内側に突出した所定数の磁極Btとを有している。
ここで、電動機用固定子Aを製造する際には、固定子鉄心Bの各磁極Btに巻線を巻回して巻線コイルCを設けるのであるが、固定子鉄心BのヨークByが環形状を呈していることと、隣り合う磁極Bt同士の間隔が狭いことから、巻線の巻回作業は極めて困難なものとなっていた。
上述の如き問題点を解決する策の1つとして、いわゆる分割固定子鉄心を用いた、図17および図18に示す如き電動機用固定子が提供されている。
図17に示す電動機用固定子Eは、固定子鉄心Fの各磁極積層体(磁極)Ftに巻線コイルGを設けることによって構成されており、上記固定子鉄心Fは、所定枚数のヨーク片をカシメ積層したヨーク積層体Fyと、所定枚数の磁極片をカシメ積層した磁極積層体Ftとから成り、ヨーク積層体Fyに形成された連結凹部Faに磁極積層体Ftの連結凸部Fbを嵌合させ、環状を呈するヨーク積層体(ヨーク)Fyの径内側に所定個数の磁極積層体Ftを固定することにより成っている。
上述した構成の電動機用固定子Eによれば、個々の磁極積層体Ftに巻線を巻回して巻線コイルGを設けたのち、ヨーク積層体Fyに個々の磁極積層体Ftを組付けて固定子鉄心Fを形成することにより、個々の磁極積層体Ftに対する巻線の巻回作業は極めて容易なものとなる。
また、図18に示す電動機用固定子Hは、固定子鉄心Iの各磁極部(磁極)Itに巻線コイルJを設けることによって構成されており、上記固定子鉄心Iは、分割片をカシメ積層して成る分割ヨーク部Iyと磁極部Itとを有する所定個数の分割積層体Iaから成り、各分割積層体Iaの分割ヨーク部Iyを互いに屈曲回動自在に連結する形態に形成され、環状を呈するヨークの径内側に所定個数の磁極部Itが設けられているものである。
上述した構成の電動機用固定子Hによれば、個々の分割積層体Iaにおける磁極部Itに巻線を巻回して巻線コイルJを設けたのち、個々の分割積層体Iaを回動自在な連結部を介して環状に連結して固定子鉄心Iを形成することにより、個々の磁極部Itに対する巻線の巻回作業は極めて容易なものとなる。
ところで、上述した何れの電動機用固定子においても、固定子鉄心の隣り合う磁極間に形成されるスロットには、隣り合う磁極に設けられた巻線コイルの巻線同士が共存することとなり、隣接する巻線コイルは互いに異極となるため、両者の間に絶縁性を確保する必要がある。
ここで、両者の絶縁性を確保する対策として、隣接する巻線コイルの間に空間を設けた場合、巻線の占績率が低下することによって、電動機における出力や効率の低下、さらには外観形状の大形化等を招く不都合があった。
このような問題を解消するべく、図19(a)、(b)に示す如く、固定子鉄心PのヨークPyおよび磁極Ptに倣って絶縁シートS、Sを敷いた状態で、磁極Ptに巻線を施して巻線コイルQを形成したのち、巻線コイルQの外側面を折り重ねた絶縁シートS、Sによって覆う電動機用固定子Oが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
上記構成の電動機用固定子Oによれば、絶縁シートSで巻線コイルQの外側面を覆ったことにより、隣接する巻線コイルの間に空間を設けることなく、両者の絶縁性を確保することが可能となる。
特開平9−56099号公報
ところで、上述した如き構成の電動機用固定子Oによれば、電動機における出力や効率の低下を招くことなく、隣接する巻線コイルQ、Q間の絶縁性を確保し得るものの、その製造工程において磁極Ptに巻線コイルQを形成する際、図19(a)の如く固定子鉄心Pに敷かれた絶縁シートSの端が磁極Ptから大きく飛び出しているため、磁極Ptに巻線を巻回する作業の邪魔となって生産性の大幅な低下を招来する。
また、上述した電動機用固定子Oでは、図19(b)に示す如く絶縁シートSの折り重ね部Saが、巻線コイルQの外側面、すなわち隣接する他の巻線コイルと対面する部位に位置せざるを得ず、電動機の稼動に伴う振動等によって上記折り重ね部Saが外れた場合には、巻線コイルQの外側面が露呈することで絶縁不良を生じる虞れがあった。
さらに、上述した電動機用固定子Oでは、絶縁シートSの端を巻線コイルQの外側面に沿って固定子鉄心の径方向に、言い換えれば巻線コイルQを構成する巻線の巻回方向と直交する方向に折り込んでいるため、巻線コイルQのプロポーションを崩してしまう虞れがあった。
本発明の目的は上述した実状に鑑みて、巻線コイルの取付け作業が容易であり、巻線コイルの占積率および絶縁性能に優れ、製造時における巻線コイルのプロポーションの崩れを未然に防止し得る電動機用固定子を提供することにある。
上記目的を達成するべく、請求項1の発明に関わる電動機用固定子は、ヨーク片をカシメ積層して成るヨーク積層体の連結凹部に、磁極片をカシメ積層して成る磁極積層体の連結凸部を嵌合し、ヨーク積層体に所定個数の磁極積層体を固定して成り、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心を構成し、該固定子鉄心における磁極に巻線コイルを設けて成る電動機用固定子であって、巻線コイルの外周面を、上記巻線コイルの巻回方向に沿って取り付けられ、かつ隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートにより被覆して成ることを特徴としている。
請求項2の発明に関わる電動機用固定子は、分割片をカシメ積層して成る分割ヨーク部と磁極部とを有する所定個数の分割積層体が、分割ヨーク部を互いに屈曲回動自在に連結され、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心を構成し、該固定子鉄心における磁極に巻線コイルを設けて成る電動機用固定子であって、巻線コイルの外周面を、上記巻線コイルの巻回方向に沿って取り付けられ、かつ隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートにより被覆して成ることを特徴としている。
請求項3の発明に関わる電動機用固定子は、請求項1または請求項2の発明に関わる電動機用固定子において、巻線コイルの外周面を被覆する絶縁シートが、樹脂材料を用いた成形品であることを特徴としている。
請求項1の発明に関わる電動機用固定子によれば、ヨーク片をカシメ積層して成るヨーク積層体の連結凹部に、磁極片をカシメ積層して成る磁極積層体の連結凸部を嵌合し、ヨーク積層体に所定個数の磁極積層体を固定して成り、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心とされ、個々の磁極積層体に巻線を巻回して巻線コイルを設け、該巻線コイルの外側面を絶縁シートで被覆したことにより、個々の磁極積層体に対する巻線の巻回作業は極めて容易なものとなる。
また、隣接する巻線コイルの間に空間を設けることなく両者の絶縁性を確保でき、もって巻線コイルの占積率が極めて良好なものとなる。
また、隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートで巻線コイルの外周面を被覆したことにより、絶縁シートの継ぎ目が巻線コイルの外側面に位置している従来の電動機用固定子の如き絶縁性能の低下を招くことがなく、もって巻線コイルの絶縁性能に優れたものとなる。
さらに、巻線コイルの外周面に巻線の巻回方向に沿って絶縁シートを取り付けているので、絶縁シートを取り付ける際に巻線の巻回方向と異なる方向に外力が加わることがなく、もって製造時における巻線コイルのプロポーションの崩れが未然に防止されることとなる。
請求項2の発明に関わる電動機用固定子によれば、分割片をカシメ積層して成る分割ヨーク部と磁極部とを有する所定個数の分割積層体が、分割ヨーク部を互いに屈曲回動自在に連結され、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心とされ、個々の分割積層体における磁極部に巻線を巻回して巻線コイルを設け、該巻線コイルの外側面を絶縁シートで被覆したことにより、個々の磁極部に対する巻線の巻回作業は極めて容易なものとなる。
また、隣接する巻線コイルの間に空間を設けることなく両者の絶縁性を確保でき、もって巻線コイルの占積率が極めて良好なものとなる。
また、隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートで巻線コイルの外周面を被覆したことにより、絶縁シートの継ぎ目が巻線コイルの外側面に位置している従来の電動機用固定子の如き絶縁性能の低下を招くことがなく、もって巻線コイルの絶縁性能に優れたものとなる。
さらに、巻線コイルの外周面に巻線の巻回方向に沿って絶縁シートを取り付けているので、絶縁シートを取り付ける際に巻線の巻回方向と異なる方向に外力が加わることがなく、もって製造時における巻線コイルのプロポーションの崩れが未然に防止されることとなる。
請求項3の発明に関わる電動機用固定子によれば、請求項1または請求項2の発明に関わる電動機用固定子と同様、巻線コイルの取付け作業が容易であり、巻線コイルの占積率および絶縁性能に優れ、製造時における巻線コイルのプロポーションの崩れを未然に防止することができる。
さらに、樹脂材料を用いた成形品によって絶縁シートを構成したことで、巻線コイルの外周面に絶縁シートを取り付ける作業が容易となり、併せて絶縁性能の更なる向上をも達成することが可能となる。
以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1〜図5は、請求項1の発明に関わる電動機用固定子の一実施例を示すものであり、この電動機用固定子1は、後述する固定子鉄心2における各磁極積層体(磁極)2Tに巻線コイル3を設けるとともに、この巻線コイル3の外周面3aを絶縁シート4で被覆することによって構成されている。
電動機用固定子1を構成する固定子鉄心2は、いわゆる分割積層固定子鉄心であって、環形状を呈するヨーク積層体2Yと、該ヨーク積層体2Yの径内側に組付けられた所定個数(8個)の磁極積層体2T,2T…とから構成されている。
図3に示す如く、ヨーク積層体2Yは、帯状鋼板から打抜き形成した所定枚数のヨーク片2Yaを互いにカシメ積層することにより構成され、内周縁部には所定数(8箇所)の連結凹部2Yyが形成されている。なお、図中の符号2Ycは各ヨーク片2Yaに形成されたカシメ部である。
一方、磁極積層体2Tは、帯状鋼板から打抜き形成した所定枚数の磁極片2Taを互いにカシメ積層することにより構成され、個々の磁極積層体2Tにおける基端部には、ヨーク積層体2Yの連結凹部2Yyと嵌合する連結凸部2Ttが形成されている。なお、図中の符号2Tcは、各磁極片2Taに形成されたカシメ部である。
図1および図2に示す如く、上記固定子鉄心2は、ヨーク積層体2Yの連結凹部2Yy,2Yy…に、磁極積層体2Tの連結凸部2Ttを嵌合させ、環形状を呈するヨーク積層体(ヨーク)2Yの径内側に、所定個数の磁極積層体(磁極)2T,2T…を連結固定することによって構成されている。
上記固定子鉄心2における各々の磁極積層体2Tには、図2、図4および図5に示す如く巻線コイル3が設けられており、この巻線コイル3は、磁極積層体2Tの長手方向軸線、言い換えれば固定子鉄心2の径方向軸線を中心として、上記磁極積層体2Tに巻線3Lを所定回数巻回することにより構成されている。
各々の磁極積層体2Tに設けられた巻線コイル3には、その外周面3aに絶縁シート4が取り付けられており、この絶縁シート4によって巻線コイル3の外周面3aが被覆されることにより、隣り合う他の巻線コイル3との間における絶縁性が確保されている。
上記絶縁シート4は、良好な電気絶縁性を備えた樹脂材料から成る成形品であって、巻線コイル3における巻線3Lの巻回方向に沿って延びる帯状を呈しており、その端部4a同士を熱溶着によって結合することで巻線コイル3の全周を覆い、かつ同じく熱溶着によって巻線コイル3の外周面3aに固定されている。
ここで、絶縁シート4における端部4a同士の継ぎ目4Aは、巻線コイル3の外周面3aにおける下部(あるいは上部)に設けられており、隣り合う巻線コイル3と対面する部位には何らの継ぎ目も設けられていない。
因みに、上記固定子鉄心2において巻線コイル3が当接する部位(ヨーク積層体2Yの内周面、磁極積層体2Tの側面等)には、絶縁塗料等を用いた絶縁コーティングが施されていることは言うまでもない。
以下では、上述した電動機用固定子1を製造する工程の一例を説明する。
先ず、図6に示す如く、トランスファープレス(図示せず)の加工ステーションST1〜ST8を経て、金属板Wから固定子鉄心2の構成部品であるヨーク積層体2Yおよび磁極積層体2Tを製造する。
すなわち、加工ステーションST1でパイロット穴p、加工ステーションST2で回転子用カシメ部Rcを形成し、加工ステーションST3で回転子片Rの外形抜き/カシメ積層を行って回転子(図示せず)を製造した後、加工ステーションST4において磁極片用カシメ部2Tcを形成し、次いで加工ステーションST5において磁極片2Taの外形抜き/カシメ積層を行って磁極積層体2Tを製造する。
また、加工ステーションST6においてヨーク片用カシメ部2Ycを形成し、次いで遊びの加工ステーションST7を経た加工ステーションST8において、ヨーク片2Yaの外形抜き/カシメ積層を行ってヨーク積層体2Yを製造する。
ヨーク積層体2Yと磁極積層体2Tとを製造したのち、図7(a)に示す如く、磁極積層体2Tに巻線3Lを巻回することによって巻線コイル3を形成する。
ここで、磁極積層体2Tに巻線3Lを巻回する際、磁極積層体2Tはヨーク積層体2Yから分離した状態にあるので、磁極積層体2Tに対する巻線3Lの巻回作業は極めて容易なものとなり、これによって巻線3Lが良好なプロポーションで巻回されることとなる。
なお、磁極積層体2Tに対して巻線3Lを直接に巻回することにより巻線コイル3を設置する以外に、別途の工程でボビン(図示せず)に巻線を巻回して巻線コイルを形成し、この巻線コイルを備えたボビン(図示せず)を磁極積層体2Tに装着しても良いことは言うまでもない。
所定個数の磁極積層体2Tに対する巻線コイル3の装着が完了したのち、図7(b)に示す如く、ヨーク積層体2Yの連結凹部2Yyに、磁極積層体2Tの連結凸部2Ttを嵌め入れ、ヨーク積層体2Yと所定個数の磁極積層体2Tとを互いに連結固定して固定子鉄心2の一部を形成する。
次いで、図8(a),(b)に示す如く、巻線コイル3における巻線3Lの巻回方向に沿って巻き付けるようにして、絶縁シート4を巻線コイル3の外周面3aに取り付け、絶縁シート4における両方の端部4a、4aを、巻線コイル3の下部において熱溶着により互い結合し、絶縁シート4によって巻線コイル3の全周を覆うとともに、同じく熱溶着によって巻線コイル3の外周面3aに絶縁シート4を固定する。
上述した如く、トランスファープレスによってヨーク積層体2Yと磁極積層体2Tとを製造し、個々の磁極積層体2Tに巻線コイル3を装着し、ヨーク積層体2Yに磁極積層体2Tを連結固定して固定子鉄心2として、各巻線コイル3の外周面3aに絶縁シート4を取り付けることにより電動機用固定子1が完成する。
上述した如き構成の電動機用固定子1によれば、巻線コイル3の外周面3aを絶縁シート4で被覆したことにより、隣り合う他の巻線コイル3との間に空間を設けることなく、隣接する巻線コイル同士の絶縁性を確保することができ、固定子鉄心2に対する巻線コイル3の占積率が極めて良好なものとなるため、電動機用固定子1を採用した電動機の出力および効率の向上が達成され、さらには上記電動機の外観形状を可及的にコンパクトなものとすることができる。
また、絶縁シート4による巻線コイル3の外周面の被覆は、磁極積層体2Tに巻線3Lを巻回したのちに出来るので、磁極積層体2Tに対する巻線3Lの巻回作業がこの面からも支障なく容易に為される。
また、上述した電動機用固定子1においては、絶縁シート4の端部4a、4aを結合した継ぎ目4Aを巻線コイル3の下部に設けたこと、言い換えれば、隣接する他の巻線コイル3と対面する部位に継ぎ目のない絶縁シート4で巻線コイル3の外周面3aを被覆したことにより、電動機の稼動に伴う振動等によって絶縁シート4の継ぎ目4Aが外れた場合でも、隣接する他の巻線コイル3と対面する部位が露呈することはなく、もって隣り合う巻線コイル同士の高い絶縁性能を維持することが可能となる。
さらに、上述した電動機用固定子1においては、巻線コイル3の外周面3aに絶縁シート4を巻線3Lの巻回方向に沿って取り付けているので、絶縁シート4を巻線コイル3の外周面3aに取り付ける際、巻線3Lの巻回方向と異なる方向に余計な外力が加わることがなく、これにより電動機用固定子1の製造時における巻線コイル3のプロポーションの崩れが未然に防止されることとなる。
なお、上述した実施例においては、巻線コイルの外周面を被覆する絶縁シートを、樹脂材料から成る成形品によって構成しているが、所望する電気的絶縁性能を満足するものであれば、一般的な絶縁紙(上質紙等の両面に絶縁ワニスを塗布したもの)等、様々な材料を用いて絶縁シートを構成し得ることは勿論である。
また、上述した実施例においては、樹脂材料から成る絶縁シートを熱溶着によって巻線コイルに固定しているが、巻線コイルに対する絶縁シートの固定方法としては、接着剤を用いて接着する方法や、ピン等の固定手段を用いる方法等、様々な態様を採用し得ることは言うまでもない。
図9〜図13は、請求項2の発明に関わる電動機用固定子の一実施例を示すものであり、この電動機用固定子10は、後述する分割ヨーク部と磁極部とを有する分割片を前記分割ヨーク部に形成した屈曲回動自在な連結部を介して連結した固定子鉄心20における各磁極部(磁極)20Tに巻線コイル30を設けるとともに、この巻線コイル30の外周面30aを絶縁シート40で被覆することによって構成されている。
電動機用固定子10を構成する固定子鉄心20は、いわゆる分割積層固定子鉄心であり、分割ヨーク部20Yと磁極部20Tとを有する所定個数(8個)の分割積層体20Aから成り、これら分割積層体20A,20A…を互いに連結することによって構成されている。
図11に示す如く、この実施例の分割積層体20Aは、帯状鋼板から打抜き形成した所定枚数の磁極部に対して分割ヨーク部の長さが非対称に形成された分割片20Aaを互いにカシメ積層することにより構成され、円弧形状を呈する分割ヨーク部20Yと、該分割ヨーク部20Yから延在する磁極部20Tとを有している。なお、図中の符号20Acは各分割片20Aaに形成されたカシメ部である。
図9および図10に示す如く、上記固定子鉄心20は、各々の分割積層体20Aにおける分割ヨーク部20Yの端部同士をピン結合し、各分割積層体20,20…を互いに屈曲回動自在に連結することにより構成され、環形状を呈する分割ヨーク部20Y,20Y…の連結体(ヨーク)の径内側に、所定個数の磁極部(磁極)20T,20T…が突出した形状を呈している。
上記固定子鉄心20における各々の磁極部20Tには、図10、図12および図13に示す如く巻線コイル30が設けられており、この巻線コイル30は、磁極部20Tの長手方向軸線、言い換えれば固定子鉄心20の径方向軸線を中心として、上記磁極部20Tに巻線30Lを所定回数巻回することにより構成されている。
各々の磁極部20Tに設けられた巻線コイル30には、その外周面30aに絶縁シート40が取り付けられており、この絶縁シート40によって巻線コイル30の外周面30aが被覆されることにより、隣り合う他の巻線コイル30との間における絶縁性が確保されている。
上記絶縁シート40は、良好な電気絶縁性を備えた樹脂材料から成る成形品であって、巻線コイル30における巻線30Lの巻回方向に沿って延びる帯状を呈しており、その端部40a同士を熱溶着によって結合することで巻線コイル30の全周を覆い、かつ同じく熱溶着によって巻線コイル30の外周面30aに固定されている。
ここで、絶縁シート40における端部40a同士の継ぎ目40Aは、巻線コイル30の外周面30aにおける下部(あるいは上部)に設けられており、隣り合う巻線コイル30と対面する部位には何らの継ぎ目も設けられていない。
因みに、上記固定子鉄心20において巻線コイル30が当接する部位(分割ヨーク部20Yの内周面、磁極部20Tの側面等)には、絶縁塗料等を用いた絶縁コーティングが施されていることは言うまでもない。
以下では、上述した電動機用固定子10を製造する工程の一例を説明する。
先ず、トランスファープレス(図示せず)によって、金属板から固定子鉄心10の構成部品である所定個数の分割積層体20Aを製造する。なお、固定子鉄心10を構成する分割積層体20Aの製造手順については、周知の技術であるために詳細な説明を省略する。
図14(a)に示す如く、所定個数の分割積層体20Aを製造したのち、図14(b)に示す如く、分割積層体20Aの磁極部20Tに巻線30Lを巻回することによって巻線コイル30を形成する。
ここで、磁極部20Tに巻線30Lを巻回する際、各々の分割積層体20Aは互いに回動自在な分離した状態にあるので、磁極部20Tに対する巻線30Lの巻回作業は極めて容易なものとなり、これによって巻線30Lが良好なプロポーションで巻回されることとなる。
所定個数の分割積層体20Aにおける磁極部20Tへの巻線コイル30の装着が完了したのち、各々の分割積層体20A,20A…を互いに、あるいは一方を回動させて連結し固定子鉄心20を形成する。
次いで、図15(a),(b)に示す如く、巻線コイル30における巻線30Lの巻回方向に沿って巻き付けるようにして、絶縁シート40を巻線コイル30の外周面30aに取り付け、絶縁シート40における両方の端部40a、40aを、巻線コイル30の下部において熱溶着により互い結合し、絶縁シート40によって巻線コイル30の全周を覆うとともに、同じく熱溶着によって巻線コイル30の外周面30aに絶縁シート40を固定する。
上述した如く、トランスファープレスによって分割積層体20Aを製造し、各分割積層体20Aの磁極部20Tに巻線コイル30を装着し、各分割積層体20Aの分割ヨーク部20Yを互いに連結して固定子鉄心20を形成したのち、各巻線コイル30の外周面30aに絶縁シート40を取り付けることにより電動機用固定子10が完成する。
上述した如き構成の電動機用固定子10によれば、巻線コイル30の外周面30aを絶縁シート40で被覆したことにより、隣り合う他の巻線コイル30との間に空間を設けることなく、隣接する巻線コイル同士の絶縁性を確保することができ、固定子鉄心20に対する巻線コイル30の占積率が極めて良好なものとなるため、電動機用固定子10を採用した電動機の出力および効率の向上が達成され、さらには上記電動機の外観形状を可及的にコンパクトなものとすることができる。
また、上述した電動機用固定子10においては、絶縁シート40の端部40a、40aを結合した継ぎ目40Aを巻線コイル30の下部に設けたこと、言い換えれば、隣接する他の巻線コイル30と対面する部位に継ぎ目のない絶縁シート40で巻線コイル30の外周面30aを被覆したことにより、電動機の稼動に伴う振動等によって絶縁シート40の継ぎ目40Aが外れた場合でも、隣接する他の巻線コイル30と対面する部位が露呈することはなく、もって隣り合う巻線コイル同士の高い絶縁性能を維持することが可能となる。
さらに、上述した電動機用固定子10においては、巻線コイル30の外周面30aに絶縁シート40を巻線30Lの巻回方向に沿って取り付けているので、絶縁シート40を巻線コイル30の外周面30aに取り付ける際、巻線30Lの巻回方向と異なる方向に余計な外力が加わることがなく、これにより電動機用固定子10の製造時における巻線コイル30のプロポーションの崩れが未然に防止されることとなる。
ここで、上述した実施例においては、分割積層体の連結をピン結合としているが、これに限定さとれることなく、分割ヨーク部の端部に連結用の突起と凹部とを形成し、隣り合う分割積層体の突起と凹部とを互いに係合させて回動自在に連結するようにしてもよい。
なお、上述した各実施例においては、巻線コイルの外周面を被覆する絶縁シートを、樹脂材料から成る成形品によって構成しているが、所望する電気的絶縁性能を満足するものであれば、一般的な絶縁紙(上質紙等の両面に絶縁ワニスを塗布したもの)等、様々な材料を用いて絶縁シートを構成し得ることは勿論である。
また、上述した実施例においては、樹脂材料から成る絶縁シートを熱溶着によって巻線コイルに固定しているが、巻線コイルに対する絶縁シートの固定方法としては、接着剤を用いて接着する方法や、ピン等の固定手段を用いる方法等、様々な態様を採用し得ることは言うまでもない。
本発明に関わる電動機用固定子の実施例を示す全体平面図。 図1に示した電動機用固定子の要部を破断して示す全体平面図。 (a)および(b)は、図1に示した電動機用固定子の積層固定子鉄心を構成する磁極積層体およびヨーク積層体を示す外観斜視図。 図1に示した電動機用固定子の要部を拡大して示す斜視図。 (a)および(b)は、図1に示した電動機用固定子の要部水平断面図および要部垂直断面図。 図3に示した積層固定子鉄心の磁極積層体およびヨーク積層体を製造する際の金属板の打抜き工程を示す平面図。 (a)および(b)は、図1に示した電動機用固定子の製造手順を示す概念図。 (a)および(b)は、図1に示した電動機用固定子の製造手順を示す概念図。 本発明に関わる電動機用固定子の実施例を示す全体平面図。 図9に示した電動機用固定子の要部を破断して示す全体平面図。 図9に示した電動機用固定子の積層固定子鉄心を構成する分割積層体を示す外観斜視図。 図9に示した電動機用固定子の要部を拡大して示す斜視図。 (a)および(b)は、図9に示した電動機用固定子の要部水平断面図および要部垂直断面図。 (a)および(b)は、図9に示した電動機用固定子の製造手順を示す概念図。 (a)および(b)は、図9に示した電動機用固定子の製造手順を示す概念図。 (a)および(b)は、従来の電動機用固定子を示す全体平面図および積層固定子鉄心を示す全体斜視図。 従来の電動機用固定子の巻線部分を破断して示す全体平面図。 従来の電動機用固定子の巻線部分を破断して示す全体平面図。 (a)および(b)は、従来の電動機用固定子における巻線コイルを絶縁シートによって被覆する際の作業手順を示す概念図。
符号の説明
1…電動機用固定子、
2…固定子鉄心、
2Y…ヨーク積層体、
2Yy…連結凹部、
2T…磁極積層体、
2Tt…連結凸部、
3…巻線コイル、
3L…巻線、
4…絶縁シート、
4A…継ぎ目、
10…電動機用固定子、
20…固定子鉄心、
20A…分割積層体、
20Y…分割ヨーク部、
20T…磁極部、
30…巻線コイル、
30L…巻線、
40…絶縁シート、
40A…継ぎ目。

Claims (3)

  1. ヨーク片をカシメ積層して成るヨーク積層体の連結凹部に、磁極片をカシメ積層して成る磁極積層体の連結凸部を嵌合し、前記ヨーク積層体に所定個数の前記磁極積層体を固定して成り、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心を構成し、該固定子鉄心における前記磁極に巻線コイルを設けて成る電動機用固定子であって、
    前記巻線コイルの外周面を、前記巻線コイルの巻回方向に沿って取り付けられ、かつ隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートにより被覆して成ることを特徴とする電動機用固定子。
  2. 分割片をカシメ積層して成る分割ヨーク部と磁極部とを有する所定個数の分割積層体が、前記分割ヨーク部を互いに屈曲回動自在に連結され、環状を呈するヨークの径内側に所定数の磁極を有する固定子鉄心を構成し、該固定子鉄心における前記磁極に巻線コイルを設けて成る電動機用固定子であって、
    前記巻線コイルの外周面を、前記巻線コイルの巻回方向に沿って取り付けられ、かつ隣接する巻線コイルと対面する部位に継ぎ目のない絶縁シートにより被覆して成ることを特徴とする電動機用固定子。
  3. 前記巻線コイルの外周面を被覆する前記絶縁シートは、樹脂材料を用いた成形品であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動機用固定子。
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