JP2005209102A - スレッド、スレッドの連続体及びシート - Google Patents
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Abstract
【課題】ICチップを組み込むために有価証券や紙幣等のシートに設けるスペースをできるだけ小さくしながらも、有価証券や紙幣等に組み込む作業の高速化を図る。
【解決手段】 有価証券や紙幣等のシートに組み込まれるICチップ10を帯状の固定部材20に固着し、この固定部材20を用いてICチップ10を有価証券や紙幣等のシートに組み込み、かつ、この固定部材20の幅をICチップ10の幅よりも狭く構成する。
【選択図】図1
【解決手段】 有価証券や紙幣等のシートに組み込まれるICチップ10を帯状の固定部材20に固着し、この固定部材20を用いてICチップ10を有価証券や紙幣等のシートに組み込み、かつ、この固定部材20の幅をICチップ10の幅よりも狭く構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、有価証券や紙幣等のシートに貼付されたり漉き込まれたりし、これらの真贋判定に用いられるスレッド、スレッドの連続体及びシートに関する。
従来より、プリペイドカードや各種入場券、商品券や株券等の有価証券においては、広く流通しており比較的容易に換金可能である等の理由から、偽造犯罪が頻発している。特に、近年ではカラーコピー機等の複写機の性能向上と普及に伴い、簡単には真正品と見分けられない偽造品が比較的容易に製造可能になってきており、偽造に対する対策が求められている。また、上述したような有価証券に限らず、紙幣においても偽造に対する対策が求められている。
このような偽造に対する対策の1つとして、スレッドと呼ばれる部材を有価証券や紙幣に貼付したり漉き込んだりし、それにより、有価証券や紙幣の偽造防止を図る技術が考えられている。この技術においては、プラスチックフィルムや薄葉紙等が数mm程度の細幅に断裁されてなるスレッドを、有価証券や紙幣の表面から露出しないように、あるいは一部が表面から露出するように有価証券や紙幣の紙層に漉き込んでおき、このスレッドの有無によって、有価証券や紙幣の真贋判定が行われることになる。
さらに、近年においては、ICチップが搭載されたスレッドを用いて有価証券や紙幣の真贋判定を行う技術が考えられている。この技術においては、数mm程度の細幅に断裁されたフィルムの片面にICチップが接着されてなるスレッドを有価証券や紙幣の紙層に漉き込んでおき、有価証券や紙幣の使用時に、ICチップに書き込まれた情報を読み出すことによって、有価証券や紙幣の真贋判定を行うことになる(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、このような技術においては、ICチップに書き込まれた情報を読み出すことのみによって有価証券や紙幣等の真贋判定が行われることになるにも関わらず、ICチップを固定するためにICチップよりも幅が広いフィルムを有価証券や紙幣等に組み込むことになるため、有価証券や紙幣等においてそのためのスペースを設けなければならない。
ここで、ICチップのみを印刷媒体に内蔵させ、このICチップを用いて印刷媒体の真贋判定を行う技術が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。この技術を用いれば、有価証券や紙幣等の印刷媒体において、ICチップよりも幅が広いフィルム等を組み込むためのスペースを設ける必要がなくなる。
特開2002−319006号公報
特開2003−58856号公報
しかしながら、上述したようにICチップのみを有価証券や紙幣等に組み込むものにおいては、微細なICチップを単体で有価証券や紙幣等のシートに組み込むことになるため、ICチップをトレイ等の容器に収納しておき、ICチップを有価証券や紙幣等のシートに組み込む際に容器からICチップを1つずつ取り出し、取り出したICチップを有価証券や紙幣等のシートに1つずつ組み込むことなる。そのため、ICチップを有価証券や紙幣等に組み込む作業の高速化を図ることが困難であるという問題点がある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ICチップを組み込むために有価証券や紙幣等のシートに設けるスペースをできるだけ小さくしながらも、有価証券や紙幣等に組み込む作業の高速化を図ることができるスレッド、スレッドの連続体及びシートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
帯状の固定部材に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが固着されてなるスレッドであって、
前記固定部材の幅を、前記ICチップの幅よりも狭くする。
帯状の固定部材に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが固着されてなるスレッドであって、
前記固定部材の幅を、前記ICチップの幅よりも狭くする。
また、前記スレッドが複数連接してなるスレッドの連続体であって、
前記固定部材が長手方向に複数連接され、該連接された固定部材上に前記ICチップが等間隔に配置されている。
前記固定部材が長手方向に複数連接され、該連接された固定部材上に前記ICチップが等間隔に配置されている。
上記のように構成された本発明においては、ICチップよりも狭い幅を有する帯状の固定部材が長手方向に複数連接され、この連接された固定部材上にICチップが等間隔に配置されたスレッドの連続体を、有価証券や紙幣等のシート上に接着し、その後、スレッドの連続体をスレッド毎に断裁することにより、固定部材にICチップが固着されてなるスレッドが有価証券や紙幣等のシートに組み込まれる。または、スレッドの連続体をスレッド毎に断裁した後、有価証券や紙幣等のシート上にスレッドを接着することにより、固定部材にICチップが固着されてなるスレッドが有価証券や紙幣等のシートに組み込まれる。
このように、ICチップを固定部材に固着して有価証券や紙幣等のシートに組み込むので、微細なICチップをトレイ等から1つずつ取り出してシートに組み込む必要がなく、スレッドを有価証券や紙幣等に組み込む作業の高速化が図られ、また、その固定部材の幅がICチップの幅よりも狭いので、シートにICチップを組み込むためにはICチップよりも狭い幅を有する帯状のスペースをシート上に設けておけばよい。
以上説明したように本発明においては、有価証券や紙幣等のシートに組み込まれるICチップが帯状の固定部材に固着され、この固定部材を用いてICチップがシートに組み込まれ、かつ、この固定部材の幅がICチップの幅よりも狭く構成されているので、ICチップを組み込むために有価証券や紙幣等のシートに設けるスペースをできるだけ小さくしながらも、有価証券や紙幣等に組み込む作業の高速化を図ることができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のスレッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
本形態は図1に示すように、帯状の固定部材20に、非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しが可能なICチップ10が接着剤(不図示)によって固着されて構成されている。なお、固定部材20は、PETやPET−GやPVC等の樹脂や、紙、あるいは糸等からなり、その幅がICチップ10の幅よりも狭いものとなっている。固定部材20を樹脂から構成した場合は、機械的強度を向上させることができ、また、固定部材20を紙や糸から構成した場合は、このスレッド1を有価証券や紙幣等のシートに貼付する際にシートとの接着性を向上させることができる。
また、ICチップ10は、接着剤(不図示)によって固定部材20に接着されているが、その接着方法としては、固定部材20のICチップ10が搭載される領域のみに接着剤を塗布しておき、接着剤が塗布された領域にICチップ10を搭載する方法や、固定部材20のICチップ10が搭載される面の全面に接着剤を塗布しておき、その後、固定部材20上にICチップ10を搭載する方法が考えられる。また、固定部材20上にICチップ10を固定するための接着剤としては、例えば、ホットメルト糊等の熱可塑性接着剤等が考えられ、その場合は、固定部材20上にICチップ10を搭載した際に固定部材20に対してICチップ10を加圧しながら加熱することにより接着剤を溶融させて固定部材20とICチップ10とを接着する。
上記のように構成されたスレッド1においては、例えば、一方の面に接着剤が塗布され、有価証券や紙幣等のシートに貼付されて利用される。
図2は、図1に示したスレッド1が貼付されたシートの一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
本形態におけるシートは図2に示すように、図1に示したスレッド1がシート部材2上に搭載され、固定部材20が接着剤3によってシート部材2と接着されて構成されている。
ここで、本形態においては、ICチップ10を固定するための固定部材20の幅が、ICチップ10の幅よりも狭く構成されているため、シート部材2にICチップ10を組み込むためにはICチップ10よりも狭い幅を有する帯状のスペースをシート部材2上に設けておけばよい。そのため、従来のように、シート部材2にICチップ10を組み込むためにICチップ10よりも広い幅を有する帯状のスペースが設けられているものに対して、スレッド1を組み込むためにシート部材2に設けるスペースを小さくすることができる。
上記のようにスレッド1がシート部材2に接着されてなるシートを、ICチップ10に対して情報の書き込み及び読み出しが可能な情報書込/読出装置に近接させると、例えば、ICチップ10に書き込まれた情報が読み出され、読み出された情報に基づいて、シートの真贋判定が行われることになる。なお、ICチップ10においては、上述したようにICチップ10に書き込まれた情報のみによって真贋判定が行われる場合、ICチップ10に書き込まれた情報が非接触状態にて読み出される構成であればよく、非接触状態にて情報が書き込まれる構成を有する必要はない。
また、図1に示したようなスレッド1を有価証券や紙幣等のシートに貼付するのではなく、有価証券や紙幣等のシートの紙層内にスレッド1を漉き込んで使用することも考えられる。その場合、例えば、多槽式円網抄紙機を用いて少なくとも2層の紙層から製造される抄紙を有価証券や紙幣等のシートとして使用し、有価証券や紙幣等のシートの製造時に紙層間にスレッド1を漉き込んでおく。このようにスレッド1が漉き込まれた有価証券や紙幣等のシートにおいても、上述したものと同様にして利用される。また、複数の紙が積層されてなる有価証券や紙幣等のシートにおいても、積層される紙の間にスレッド1を挟み込んで使用することも考えられる。
また、有価証券や紙幣等のシートに凹部を形成しておき、図1に示したようなスレッド1をこの凹部に嵌め込むことも考えられる。この場合、有価証券や紙幣等のシートに、図1に示したようなICチップ10と固定部材20とからなるスレッド1全体が嵌め込まれるような形状及び深さを有する凹部を形成しておき、この凹部にスレッド1全体を嵌め込むことや、有価証券や紙幣等のシートに、固定部材20のみが嵌め込まれるような凹部を形成しておき、この凹部にスレッド1のうち固定部材20のみを嵌め込むことが考えられる。いずれの場合においても、有価証券や紙幣等のシートに形成された凹部内に接着剤を塗布しておけば、スレッド1が凹部に嵌め込まれた際、スレッド1がシートに強固に固着されることになる。また、スレッド1のICチップ10が固着された面をシート部材2との接着面とし、シート部材2にICチップ10のみが嵌め込まれるような凹部を形成しておき、この凹部にスレッド1のうちICチップ10のみを嵌め込み、固定部材20においては、接着剤によってシート部材2に接着することも考えられる。このようにスレッド1が嵌め込まれた有価証券や紙幣等においても、上述したものと同様にして利用される。
以下に、上述したようにスレッド1が貼付されてなるシートの製造方法について説明する。
図3は、図2に示したシートの製造方法を説明するための図である。
まず、図3(a)に示すようなシート部材2が連接してなる基材に対して、スレッド1が貼付される領域に接着剤3を塗布する(図3(b))。なお、スレッド1は、図2に示したように、シート部材2に対して、シート部材2の連接部分となる辺間に渡って帯状の形状であるため、シート部材2が連接された基材に対して、連続した帯状に接着剤3を塗布することができる。
次に、図3(c)に示すように、ICチップ10が固着された固定部材20が長手方向に複数連接することによりスレッド1が連接してなるスレッドの連続体21を、接着剤2が塗布された基材上に搭載し、固定部材20とシート部材2とを接着剤2によって互いに接着する(図3(d))。なお、スレッド1が連接してなるスレッドの連続体21においては、図3(c)に示すように、連接した固定部材20上にICチップ10がシート部材2の大きさに応じて等間隔に配置されている。そのため、図3(d)に示すように、互いに連接されたシート部材2のそれぞれにおいて、連接した固定部材20上に配置、固着されたICチップ10は、同一の領域に配置されることになる。
その後、シート部材2が連接してなる基材及びこれに接着剤3によって接着されたスレッドの連続体21をシート部材2毎に断裁すると、図2に示したような、固定部材20にICチップ10が固定されたスレッド1がシート部材2に貼付されてなるシートが完成する(図3(e))。
上述したように本形態においては、帯状の固定部材20が長手方向に複数連接され、この連接された固定部材20上にICチップ10が等間隔に配置されたスレッドの連続体21を、シート部材2が連接してなる基材上に接着し、その後、スレッドの連続体21を基材とともにシート部材2毎に断裁することにより、固定部材20にICチップ10が固着されてなるスレッド1をシート部材2に組み込む構成としたため、微細なICチップ10をトレイ等から1つずつ取り出してシート部材2に組み込む必要がなく、スレッド1を有価証券や紙幣等に組み込む作業の高速化を図ることができる。
なお、本形態においては、シート部材2が連接してなる基材上にスレッドの連続体21を接着し、その後、スレッドの連続体21を基材とともにシート部材2毎に断裁しているが、シート部材2が単片状となっている場合においても、単片状のシート部材2上にスレッドの連続体21を接着し、その後、スレッドの連続体21をスレッド1毎に断裁したり、スレッドの連続体21をスレッド1毎に断裁した後、単片状のシート部材2上に接着したりすることによって、スレッド1を有価証券や紙幣等のシートに組み込むことができる。その場合においても、スレッドの連続体21上においては、ICチップ10がシート基材2の大きさに応じて等間隔に配置されているので、スレッド1上のICチップ10は、シート部材2のそれぞれについて、同一の領域に配置されることになる。
また、本形態においては、ICチップ10の幅よりも狭い幅を有する帯状の固定部材20にICチップ10が接着剤によって固着されているが、固定部材20が、例えば糸のようにその幅がかなり狭いものである場合、ICチップ10を組み込むためにシート部材2に設けるスペースを大幅に小さくすることができる一方、ICチップ10と固定部材20との接着領域も狭いものとなり、ICチップ10が固定部材20から剥がれてしまう虞れがある。そこで、固定部材20が、例えば糸のようにその幅がかなり狭いものである場合に、固定部材20のうち、ICチップ10が固着される領域のみその幅をICチップ10の幅と略等しいものとし、それにより、ICチップ10を組み込むためにシート部材2に設けるスペースを大幅に小さくしながらも、ICチップ10と固定部材20との接着領域を広くとることが考えられる。
1 スレッド
2 シート部材
3 接着剤
10 ICチップ
20 固定部材
21 連続体
2 シート部材
3 接着剤
10 ICチップ
20 固定部材
21 連続体
Claims (3)
- 帯状の固定部材に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが固着されてなるスレッドであって、
前記固定部材の幅が、前記ICチップの幅よりも狭いスレッド。 - 請求項1に記載のスレッドが複数連接してなるスレッドの連続体であって、
前記固定部材が長手方向に複数連接され、該連接された固定部材上に前記ICチップが等間隔に配置されているスレッドの連続体。 - 請求項1に記載のスレッドが組み込まれたシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004017352A JP2005209102A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | スレッド、スレッドの連続体及びシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004017352A JP2005209102A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | スレッド、スレッドの連続体及びシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005209102A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103213755A (zh) * | 2012-01-22 | 2013-07-24 | 惠州市俊武实业有限公司 | 一种电子捆钞绳或捆钞带或捆钞膜 |
-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004017352A patent/JP2005209102A/ja active Pending
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