JP2005209099A - スレッド及びその製造方法、シート - Google Patents

スレッド及びその製造方法、シート Download PDF

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Abstract

【課題】ICチップが搭載されてなるスレッドにおいて、ICチップの通信可能処理を延ばす。
【解決手段】 帯状に断裁されてなる樹脂層20上に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップ10が搭載されてなるスレッドにおいて、樹脂層20上に、ICチップ10の少なくとも1辺に隣接し、かつ、ICチップ10に対して開放部分を具備するようにアルミニウム層30を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有価証券や紙幣等に貼付されたり漉き込まれたりし、これらの真贋判定に用いられるスレッド及びその製造方法、シートに関する。
従来より、プリペイドカードや各種入場券、商品券や株券等の有価証券においては、広く流通しており比較的容易に換金可能である等の理由から、偽造犯罪が頻発している。特に、近年ではカラーコピー機等の複写機の性能向上と普及に伴い、簡単には真正品と見分けられない偽造品が比較的容易に製造可能になってきており、偽造に対する対策が求められている。また、上述したような有価証券に限らず、紙幣においても偽造に対する対策が求められている。
このような偽造に対する対策の1つとして、スレッドと呼ばれる部材を有価証券や紙幣に貼付したり漉き込んだりし、それにより、有価証券や紙幣の偽造防止を図る技術が考えられている。この技術においては、プラスチックフィルムや薄葉紙等が数mm程度の細幅に断裁されてなるスレッドを、有価証券や紙幣の表面から露出しないように、あるいは一部が表面から露出するように有価証券や紙幣の紙層に漉き込んでおき、このスレッドの有無によって、有価証券や紙幣の真贋判定が行われることになる。
さらに、近年においては、ICチップが搭載されたスレッドを用いて有価証券や紙幣の真贋判定を行う技術が考えられている。この技術においては、数mm程度の細幅に断裁されたフィルムの片面にICチップが接着されてなるスレッドを有価証券や紙幣の紙層に漉き込んでおき、有価証券や紙幣の使用時に、ICチップに書き込まれた情報を読み出すことによって、有価証券や紙幣の真贋判定を行うことになる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−319006号公報
しかしながら、上述したようなスレッドに搭載されるICチップにおいては、微細な形状を有するものであるため、内蔵されるアンテナが微細なものとなり、それにより、通信可能距離が短くなってしまうという問題点がある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ICチップが搭載されてなるスレッドにおいて、ICチップの通信可能処理を延ばすことができるスレッド及びその製造方法、シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
帯状の第1のシート基材上に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが搭載されてなるスレッドであって、
前記第1のシート基材上に、前記ICチップの少なくとも1辺に隣接し、かつ、前記ICチップに対して開放部分を具備するように形成された導電層を有する。
また、前記スレッドの製造方法であって、
前記第1のシート基材となるシート部材上に、導電性材料からなる導電性材料層を積層する工程と、
前記導電性材料層のうち、少なくとも前記ICチップが搭載される領域及び前記開放部分を除去することにより前記導電層を形成する工程と、
前記導電層が形成された前記シート部材上のうち、少なくとも前記ICチップが搭載される領域に接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤が塗布された前記シート部材上に前記ICチップを搭載し、前記接着剤によって前記ICチップを前記シート部材上に接着する工程と、
前記導電層が形成され、前記ICチップが搭載されたシート部材を断裁する工程とを有する。
また、前記スレッドの製造方法であって、
断裁されることにより前記第1のシート基材となるシート部材上に接着剤層を介して積層された導電性材料からなる導電性材料層のうち、少なくとも前記ICチップが搭載される領域及び前記開放部分を除去することにより前記導電層を形成する工程と、
前記シート部材上に前記ICチップを搭載し、前記接着剤層によって前記ICチップを前記シート部材上に接着する工程と、
前記導電層が形成され、前記ICチップが搭載されたシート部材を断裁する工程とを有する。
上記のように構成された本発明においては、第1のシート基材上に搭載されたICチップに書き込まれた情報を読み出すために、ICチップに書き込まれた情報を読み出し可能な情報書込/読出装置に近接させると、ICチップに内蔵されたアンテナを介して、ICチップに書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されることになるが、その際、ICチップが搭載された第1のシート基材には、ICチップの少なくとも1辺に隣接し、かつ、ICチップに対して開放部分を有するように形成された導電層が設けられているので、この導電層がICチップに内蔵されたアンテナと電磁結合し、ICチップのアンテナのうち導電層と隣接している部分において見かけ上の導体径が大きくなり、それにより、全体としての受信のしやすさを示す先鋭度Qが高くなる。
このように、ICチップが搭載された第1のシート基材に形成された導電層がブースターアンテナとして機能し、ICチップの通信可能距離が延びることになる。
以上説明したように本発明においては、帯状の第1のシート基材上に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが搭載されてなるスレッドにおいて、第1のシート基材上に、ICチップの少なくとも1辺に隣接し、かつ、ICチップに対して開放部分を具備するような形状の導電層が形成されているため、ICチップが搭載された第1のシート基材上に形成された導電層がブースターアンテナとして機能し、ICチップの通信可能距離を延ばすことができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明のスレッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(b)に示した紙層50及び接着剤層40を削除した状態における上面図である。
本形態は図1に示すように、帯状のPET等の材料からなる第1のシート基材である樹脂層20上に、アルミニウム蒸着によって導電層であるアルミニウム層30が積層され、このアルミニウム層30上に接着剤層40を介して第2のシート基材である紙層50が積層され、さらに、樹脂層20上に、紙層50に形成された穴部51から露出するようにICチップ10が搭載されて構成されている。また、アルミニウム層30においては、樹脂層20のICチップ10が搭載される面のうち、ICチップ10が搭載される領域には形成されておらず、また、切り欠き部31によって、ICチップ10に対して一部に開放部分を有する形状となっている。すなわち、ICチップ10の3辺に隣接し、残りの1辺が開放部分となって形成されている。なお、ICチップ10においては、非接触状態にて情報の読み出しが可能なものであって、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接させることにより、ICチップ10に書き込まれた情報が読み出される。
上記のように構成されたスレッドにおいては、例えば、一方の面に接着剤(不図示)が塗布され、有価証券や紙幣等に貼付されて利用される。そのため、スレッドの一方の面を紙層50や不織布からなる層とし、この面を有価証券や紙幣等に貼付する面とすれば、スレッドと有価証券や紙幣等との接着性を向上させることができる。一方、紙層50が積層される第1のシート基材を、上述したようにPET等の材料からなる樹脂層20とすることにより、スレッドの機械的強度を向上させることができる。なお、積層される第1及び第2のシート基材としては、樹脂層20や紙層50に限定することにより上述したような効果を奏するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
スレッドが貼付された有価証券や紙幣等を、上述した情報書込/読出装置に近接させると、例えば、ICチップ10に書き込まれた情報が読み出され、読み出された情報に基づいて、有価証券や紙幣等の真贋判定が行われることになる。なお、ICチップ10においては、上述したようにICチップ10に書き込まれた情報のみによって真贋判定が行われる場合、ICチップ10に書き込まれた情報が非接触状態にて読み出される構成であればよいが、さらに、情報書込/読出装置に近接させることにより非接触状態にて情報の書き込みが可能な構成を有するものであってもよい。
また、図1に示したようなスレッドを有価証券や紙幣等に貼付するのではなく、有価証券や紙幣の紙層内にスレッドを漉き込んで使用することも考えられる。その場合、例えば、多槽式円網抄紙機を用いて少なくとも2層の紙層から製造される抄紙を有価証券や紙幣等として使用し、有価証券や紙幣等の製造時に紙層間にスレッドを漉き込んでおく。このようにスレッドが漉き込まれた有価証券や紙幣等においても、上述したものと同様にして利用される。また、複数の紙が積層されてなる有価証券や紙幣等においても、積層される紙の間にスレッドを挟み込んで使用することも考えられる。
また、有価証券や紙幣等に凹部を形成しておき、図1に示したようなスレッドをこの凹部に嵌め込むことも考えられる。このようにスレッドが嵌め込まれた有価証券や紙幣等においても、上述したものと同様にして利用される。
なお、図1に示したようなスレッドは、上述したように有価証券や紙幣等に限らず、シート状のものに対して、上述したように貼付されたり、漉き込まれたり、挟み込まれたり、あるいは嵌め込まれたりすることにより、シートに組み込まれて使用される。
以下に、上記のように構成されたスレッドに対する情報の読み出し原理について説明する。
図2は、図1に示したICチップ10の内部構成を示す図である。
本形態におけるICチップ10は図2に示すように、パッケージ内に、コイル状のアンテナ11と、アンテナ11に接続され、メモリや制御部等を有してなる演算回路12とが設けられて構成されている。
このように構成されたICチップ10においては、情報書込/読出装置に近接させると、ICチップ10のアンテナ11と情報書込/読出装置側のアンテナとの間にて電磁誘導が発生し、それにより、ICチップ10に書き込まれた情報が非接触状態で情報書込/読出装置にて読み出されたり、情報書込/読出装置から非接触状態でICチップ10に情報が書き込まれたりする。ここで、ICチップ10における受信のしやすさを示す先鋭度Qにおいては、アンテナ11のインダクタンスと静電容量と抵抗成分とによって決まる。そのため、例えば、アンテナ11の導体径が大きくなった場合、先鋭度Qが高くなり、それにより、ICチップ10の通信可能距離が延びることになる。
本形態においては、ICチップ10の3辺に隣接するようにアルミニウム層30が形成されているため、このアルミニウム層30とアンテナ11とが電磁結合し、それにより、アンテナ11のうち、アルミニウム層30と隣接している部分において見かけ上の導体径が大きくなり、先鋭度Qが高くなる。
このように、本形態においては、ICチップ10が搭載された樹脂層20上に形成されたアルミニウム層30がブースターアンテナとして機能し、ICチップ10の通信可能距離が延びることになる。
以下に、上述したスレッドの製造方法について説明する。
図3は、図1に示したスレッドの製造方法を説明するための図である。
まず、断裁されることにより樹脂層20となる、シート部材である樹脂シート1上に、アルミニウム蒸着によって導電性材料層であるアルミニウム材料層3を積層する(図3(a))。また、樹脂シート1上にアルミニウムによるめっきを施すことによってアルミニウム材料層3を形成することも考えられる。
次に、アルミニウム材料層3が積層された樹脂シート1上に、アルミニウム材料層3が積層された面側からレーザを照射し、アルミニウム材料層3のうち、ICチップ10が搭載される領域及び開放部分を除去し、切り欠き部31を形成する(図3(b))。これにより、アルミニウム材料層3が、ICチップ10の3辺に隣接し、残りの1辺が開放部分となる導電層であるアルミニウム層30に加工される。なお、上述したようなアルミニウム材料層3の加工においては、レーザによるものには限らず、その他に、アルミニウム層30して残存させる領域にマスキングを施してエッチングによって行うことも考えられる。
次に、アルミニウム層30が積層された樹脂シート1上の全面に、例えば、ホットメルト糊等の接着剤を塗布し、接着剤層40を積層する(図3(c))。
次に、接着剤層40が積層された樹脂シート1上に、第2のシート基材となる紙層50を積層し、接着剤層40によって紙層50と樹脂シート1とを接着する。ここで、紙層50においては、樹脂シート1上に積層され、後に、この樹脂シート1上にICチップ10が搭載された場合に、ICチップ10と対向する領域に穴部51が形成されている(図3(d))。また、接着剤層40を構成する接着剤としてホットメルト糊を用いた場合は、樹脂シート1と紙層50とを加熱、加圧することによって互いに接着することになる。また、樹脂シート1の材質としてPET−GやPVCのもの等を用い、また、紙層50の代わりに、樹脂シート1と同等な材質を有するものを用いれば、接着剤層40によらずに加熱、加圧することによって樹脂シート1と第2のシート基材とを接着することができる。
次に、紙層50が積層された樹脂シート1上に、紙層50に形成された穴部51内にICチップ10が入り込むようにICチップ10を搭載し、接着剤層40によってICチップ10を樹脂シート1上に接着する(図3(e))。これにより、ICチップ10は、紙層50に形成された穴部51から露出することになる。ここで、接着剤層40を構成する接着剤として、ホットメルト糊を用いた場合は、ICチップ10を樹脂シート1上に搭載する際に、ICチップ10を加熱、加圧しながら樹脂シート1上に搭載することにより、ICチップ10がホットメルト糊によって樹脂シート1に接着されることになる。また、ICチップ10は、切り欠き部31が形成された領域に搭載されることになるため、ICチップ10は、アルミニウム層30と重なり合わないように樹脂シート1上に搭載、接着されることになる。
図4は、図1に示したスレッドの製造工程において、樹脂層20を構成する樹脂シート1上に紙層50が積層され、さらにICチップ10が搭載された状態において、接着剤層40及び紙層50を除いた図である。
図4に示すように、樹脂層20を構成する樹脂シート1上に切り欠き部31を有するような形状にアルミニウム層30が形成され、さらに、ICチップ10がその切り欠き部31内に入り込むように樹脂シート1上に搭載され、それにより、ICチップ10の3辺がアルミニウム層30に隣接し、残りの1辺が開放部分となる。
また、図5は、図1に示したスレッドの製造工程において、紙層50が積層された樹脂シート1上にICチップ10が搭載された状態を示す図である。
図5に示すように、紙層50が積層された樹脂シート1上にICチップ10が搭載された場合、樹脂シート1上に搭載されたICチップ10は、紙層50に形成された穴部51から露出するようになる。
その後、ICチップ10が搭載され、アルミニウム層30及び紙層50が積層された樹脂シート1を帯状に断裁し、スレッドロールを完成させる。
図6は、図1に示したスレッドの製造工程において、アルミニウム層30及び紙層50が積層された樹脂シート1が帯状に断裁された状態を示す図である。
図6に示すように、アルミニウム層30及び紙層50が積層された樹脂シート1が帯状に断裁されると、樹脂シート1上にICチップ10が直線状に羅列されてなるスレッドロールが形成され、このスレッドロールは巻き取り処理され、その後、有価証券や紙幣等に貼付される際に、貼付される単位毎に(例えば、ICチップ10が1つずつ含まれるように)断裁され、図1に示したようなスレッドが形成されることになる。
なお、本形態においては、アルミニウム層30が形成された樹脂層20上に紙層50を第2のシート基材として積層した構成を例に挙げて説明したが、紙層50を有しない構成とすることも考えられる。その場合、接着剤層40は、ICチップ10が搭載される領域にのみ積層しておけばよい。
また、アルミニウム材料層3をレーザによってアルミニウム層30に加工する際、アルミニウム材料層3とともに、樹脂シート1を所定の深さまで削り取ることにより、樹脂シート1上に搭載されたICチップ10が紙層50の表面から突出しない構成とすることも考えられる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明のスレッドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
本形態は図7に示すように、帯状のPET等の材料からなる第1のシート基材である樹脂層120上に、接着剤層140を介して導電層であるアルミニウム層130が積層され、さらに、樹脂層120上に、アルミニウム層130に形成された切り欠き部131から露出するようにICチップ110が搭載されて構成されている。なお、アルミニウム層130においては、樹脂層120のICチップ110が搭載される面のうち、ICチップ110が搭載される領域には形成されておらず、また、切り欠き部131によって一部に開放部分を有する形状となっている。すなわち、ICチップ110の3辺に隣接し、残りの1辺が開放部分となって形成されている。また、ICチップ110においては、非接触状態にて情報の読み出しが可能なものであって、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接させることにより、ICチップ110に書き込まれた情報が読み出される。
上記のように構成されたスレッドにおいては、例えば、一方の面に接着剤(不図示)が塗布され、有価証券や紙幣等に貼付されて利用される。ここで、第1のシート基材として上述したようなPET等の材料からなる樹脂層120を用いることにより、スレッドの機械的強度を向上させることができる。また、第1のシート基材として、樹脂層120の代わりに紙や不織布からなる層を用い、この層を有価証券や紙幣等に貼付すれば、スレッドと有価証券や紙幣等との接着性を向上させることができる。
スレッドが貼付された有価証券や紙幣等を、上述した情報書込/読出装置に近接させると、例えば、ICチップ110に書き込まれた情報が読み出され、読み出された情報に基づいて、有価証券や紙幣等の真贋判定が行われることになる。なお、ICチップ110においては、上述したようにICチップ110に書き込まれた情報のみによって真贋判定が行われる場合、ICチップ110に書き込まれた情報が非接触状態にて読み出される構成であればよいが、さらに、情報書込/読出装置に近接させることにより非接触状態にて情報の書き込みが可能な構成を有するものであってもよい。
また、図7に示したようなスレッドを有価証券や紙幣等に貼付するのではなく、有価証券や紙幣の紙層内にスレッドを漉き込んで使用することも考えられる。その場合、例えば、多槽式円網抄紙機を用いて少なくとも2層の紙層から製造される抄紙を有価証券や紙幣等として使用し、有価証券や紙幣等の製造時に紙層間にスレッドを漉き込んでおく。このようにスレッドが漉き込まれた有価証券や紙幣等においても、上述したものと同様にして利用される。また、複数の紙が積層されてなる有価証券や紙幣等においても、積層される紙の間にスレッドを挟み込んで使用することも考えられる。
また、有価証券や紙幣等に凹部を形成しておき、図7に示したようなスレッドをこの凹部に嵌め込むことも考えられる。このようにスレッドが嵌め込まれた有価証券や紙幣等においても、上述したものと同様にして利用される。
なお、図7に示したようなスレッドは、上述したように有価証券や紙幣等に限らず、シート状のものに対して、上述したように貼付されたり、漉き込まれたり、挟み込まれたり、あるいは嵌め込まれたりすることにより、シートに組み込まれて使用される。
以下に、上記のように構成されたスレッドに対する情報の読み出し原理について説明する。
図8は、図7に示したICチップ110の内部構成を示す図である。
本形態におけるICチップ110は図8に示すように、パッケージ内に、コイル状のアンテナ111と、アンテナ111に接続され、メモリや制御部等を有してなる演算回路112とが設けられて構成されている。
このように構成されたICチップ110においては、情報書込/読出装置に近接させると、ICチップ110のアンテナ111と情報書込/読出装置側のアンテナとの間にて電磁誘導が発生し、それにより、ICチップ110に書き込まれた情報が非接触状態で情報書込/読出装置にて読み出されたり、情報書込/読出装置から非接触状態でICチップ110に情報が書き込まれたりする。ここで、ICチップ110における受信のしやすさを示す先鋭度Qにおいては、アンテナ111のインダクタンスと静電容量と抵抗成分とによって決まる。そのため、例えば、アンテナ111の導体径が大きくなった場合、先鋭度Qが高くなり、それにより、ICチップ110の通信可能距離が延びることになる。
本形態においては、ICチップ110の3辺に隣接するようにアルミニウム層130が形成されているため、このアルミニウム層130とアンテナ111とが電磁結合し、それにより、アンテナ111のうち、アルミニウム層130と隣接している部分において見かけ上の導体径が大きくなり、先鋭度Qが高くなる。
このように、本形態においては、ICチップ110が搭載された樹脂層120上に形成されたアルミニウム層130がブースターアンテナとして機能し、ICチップ110の通信可能距離が延びることになる。
以下に、上述したスレッドの製造方法について説明する。
図9は、図7に示したスレッドの製造方法を説明するための図である。
まず、断裁されることにより樹脂層120となる、シート部材である樹脂シート101上に接着剤層140を介して導電性材料層であるアルミニウム材料層103が積層されてなるベース基材102に対して(図9(a))、エッチングを行い、アルミニウム材料層103のうち、ICチップ110が搭載される領域及び開放部分を除去し、切り欠き部131を形成する(図9(b))。これにより、アルミニウム材料層103が、ICチップ110の3辺に隣接し、残りの1辺が開放部分となる導電層であるアルミニウム層130に加工される。
次に、アルミニウム層130が積層された樹脂シート101上にICチップ110を搭載し、接着剤層140によってICチップ110を樹脂シート101上に接着する(図9(c))。ここで、接着剤層140においては、樹脂シート101とアルミニウム材料層103とを接着するためにベース基材102内に予め設けられているものであって、それを構成する接着剤として、ホットメルト糊が用いられている場合は、ICチップ110を樹脂シート101上に搭載する際に、ICチップ110を加熱、加圧しながら樹脂シート101上に搭載することにより、ICチップ110がホットメルト糊によって樹脂シート101に接着されることになる。また、ICチップ110は、切り欠き部131が形成された領域に搭載されることになるため、ICチップ110は、アルミニウム層130と重なり合わないように樹脂シート101上に搭載、接着されることになる。
図10は、図7に示したスレッドの製造工程において、ベース基材102上に切り欠き部131が形成され、切り欠き部131にICチップ110が搭載された状態を示す図である。
図10に示すように、ベース基材102のアルミニウム材料層103の一部が除去されて切り欠き部131が形成され、この切り欠き部131が形成された領域にICチップ110が搭載され、それにより、ICチップ110の3辺がアルミニウム層130に隣接し、残りの1辺が開放部分となる。
その後、樹脂シート101上にICチップ110が搭載されたベース基材102を帯状に断裁し、スレッドを完成させる。
図11は、図7に示したスレッドの製造工程において、樹脂シート101上にICチップ110が搭載されたベース基材102が帯状に断裁された状態を示す図である。
図11に示すように、樹脂シート101上にICチップ110が搭載されたベース基材102が帯状に断裁されると、樹脂シート101上にICチップ110が直線状に羅列されてなるスレッドロールが形成され、このスレッドロールは巻き取り処理され、その後、有価証券や紙幣等に貼付される際に、貼付される単位毎に(例えば、ICチップ10が1つずつ含まれるように)断裁され、図7に示したようなスレッドが形成されることになる。
なお、上述した2つの実施の形態においては、樹脂層20,120のICチップ10,110が搭載される面上において、アルミニウム層30,130が、ICチップ10,110の3辺に隣接し、残りの1辺が開放部分となるように形成されているが、本発明においては、アルミニウム層30,130は、ICチップ10,110の少なくとも1辺に隣接し、ICチップ10,110に対して開放部分を有するように形成されていればよく、例えば、ICチップ10,110の1辺に隣接する領域のみの全面にアルミニウム層30,130が形成された構成とすることや、ICチップ10,110の周囲にC型リング状にアルミニウム層30,130が形成された構成とすることも考えられる。また、アルミニウム層30,130は、樹脂層20,120のICチップ10,110が搭載される面ではなく、反対側の面に上述した条件で形成することも考えられる。また、導電層としては、アルミニウム層30,130に限らず、ICチップ10,110内のアンテナとの間にて電磁結合し、ブースターアンテナとして機能する材質のものであればよい。
また、上述した2つの実施の形態においては、第1のシート基材として樹脂層20,120を用いることにより、他の紙層に漉き込む場合や、接着させる場合に、搬送中のシートのねじれや破断を防止でき、また、第2のシート基材として紙層50,150を用いることにより、他の紙層に漉き込んだ場合や、接着させた場合に、フィルム等と比較して接着性が向上し剥がれにくくなる。従って、積層される2つのシート基材のうち、一方を樹脂、他方を紙からなるものを用いることにより、シートのねじれや破断を防止できると共に、接着性が向上し剥がれにくくなるという効果を奏する。このように、積層構造は、本形態に限定されることなく、第1のシート基材である樹脂層20,120と第2のシート基材である紙層50,150とを逆に配置しても同様の効果を生ずることはいうまでもない。さらには、接着性の向上のみが必要な場合には、積層される2つのシート基材を紙からなるものとすることも考えられ、また、機械的強度を向上するために、積層される2つのシート基材を樹脂からなるものとすることが考えられる。
本発明のスレッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は(b)に示した紙層及び接着剤層を削除した状態における上面図である。 図1に示したICチップの内部構成を示す図である。 図1に示したスレッドの製造方法を説明するための図である。 図1に示したスレッドの製造工程において、樹脂層を構成する樹脂シート上にアルミニウム層が形成され、さらにICチップが搭載された状態を示す図である。 図1に示したスレッドの製造工程において、ICチップが搭載された樹脂シート上に紙層が積層された状態を示す図である。 図1に示したスレッドの製造工程において、アルミニウム層及び紙層が積層された樹脂シートが帯状に断裁された状態を示す図である。 本発明のスレッドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。 図7に示したICチップの内部構成を示す図である。 図7に示したスレッドの製造方法を説明するための図である。 図7に示したスレッドの製造工程において、ベース基材上に切り欠き部が形成され、切り欠き部にICチップが搭載された状態を示す図である。 図7に示したスレッドの製造工程において、樹脂シート上にICチップが搭載されたベース基材が帯状に断裁された状態を示す図である。
符号の説明
1,101 樹脂シート
3,103 アルミニウム材料層
10,110 ICチップ
11,111 アンテナ
12,112 演算回路
20,120 樹脂層
30,130 アルミニウム層
31,131 切り欠き部
40,140 接着剤層
50 紙層
51 穴部
102 ベース基材

Claims (4)

  1. 帯状の第1のシート基材上に、非接触状態で少なくとも情報の読み出しが可能なICチップが搭載されてなるスレッドであって、
    前記第1のシート基材上に、前記ICチップの少なくとも1辺に隣接し、かつ、前記ICチップに対して開放部分を具備するように形成された導電層を有するスレッド。
  2. 請求項1に記載のスレッドの製造方法であって、
    前記第1のシート基材となるシート部材上に、導電性材料からなる導電性材料層を積層する工程と、
    前記導電性材料層のうち、少なくとも前記ICチップが搭載される領域及び前記開放部分を除去することにより前記導電層を形成する工程と、
    前記導電層が形成された前記シート部材上のうち、少なくとも前記ICチップが搭載される領域に接着剤を塗布する工程と、
    前記接着剤が塗布された前記シート部材上に前記ICチップを搭載し、前記接着剤によって前記ICチップを前記シート部材上に接着する工程と、
    前記導電層が形成され、前記ICチップが搭載されたシート部材を断裁する工程とを有するスレッドの製造方法。
  3. 請求項1に記載のスレッドの製造方法であって、
    断裁されることにより前記第1のシート基材となるシート部材上に接着剤層を介して積層された導電性材料からなる導電性材料層のうち、少なくとも前記ICチップが搭載される領域及び前記開放部分を除去することにより前記導電層を形成する工程と、
    前記シート部材上に前記ICチップを搭載し、前記接着剤層によって前記ICチップを前記シート部材上に接着する工程と、
    前記導電層が形成され、前記ICチップが搭載されたシート部材を断裁する工程とを有するスレッドの製造方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のスレッドが組み込まれたシート。
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