JP2005207407A - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高精度な機関制御や機関運転状態の判定を低負荷で簡易に実行可能とする実用的な内燃機関の制御装置および制御方法の提供。
【解決手段】 燃料および空気の混合気を各燃焼室3内で燃焼させて動力を発生する内燃機関1は、燃焼室3に設けられて筒内圧力を検出する筒内圧センサ15およびECU20を備える。ECU20は、筒内圧センサ15によって検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値を所定の2点について算出すると共に、所定の2点間における当該積値の差分と燃料噴射量とに基づいて、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγを算出する。そして、ECU20は、制御パラメータγを用いて、リッチ運転モードにおける燃料噴射量の補正、失火判定およびインジェクタの異常判定を実行する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
従来から、内燃機関の制御装置として、各気筒に設けられた筒内圧センサと、各筒内圧センサからの圧力信号に基づいて各気筒につき単位クランク角ごとに燃焼行程中の熱発生量を算出する演算手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この内燃機関の制御装置では、演算手段の演算結果に基づいて各気筒における熱発生量が同一レベルになるように各気筒への燃料供給量(各気筒における空燃比)が補正される。
また、従来から、燃料噴射弁の噴孔近傍に吸入空気の一部をアシストエアとして噴出させるアシストエア装置と、このアシストエア装置の故障診断を行う自己診断装置とを含む内燃機関が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この内燃機関では、機関の燃焼圧力に基づいて1サイクル中における発生熱量が算出され、算出された発生熱量は、単位燃料あたりの発生熱量で除算されて実際に燃焼に供された燃料量に変換される。そして、変換された燃料量と燃料噴射弁により噴射された燃料量との比に基づいてアシストエア装置の故障診断が実行される。
特開昭63−268951号公報 特開平06−346824号公報
しかしながら、上述のような従来の装置では、基本的に、筒内圧検出手段によって検出された筒内圧(燃焼圧力)を微小な単位クランク角ごとに積分処理することにより、熱発生量(発生熱量)が算出される。このため、従来の装置における演算負荷は多大なものとなっており、この点から、従来技術を例えば車両用内燃機関等に適用するのは実際上困難となっていた。
そこで、本発明は、高精度な機関制御や機関運転状態の判定を低負荷で簡易に実行可能とする実用的な内燃機関の制御装置および制御方法の提供を目的とする。
本発明による内燃機関の制御装置は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御装置において、筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、筒内圧検出手段によって検出された筒内圧力と当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値に基づいて、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータを算出する演算手段と、演算手段によって算出された制御パラメータに基づいて、所定の制御量の設定および機関運転状態の判定の少なくとも何れかを実行する制御手段とを備えることを特徴とする。
この場合、演算手段は、所定の2点について積値を算出すると共に、所定の2点間における積値の差分と、燃料供給量または吸入空気量とに基づいて制御パラメータを算出すると好ましい。
また、所定の2点の一方は、吸気弁開弁後かつ燃焼開始前に設定され、他方は、燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定されると好ましい。
更に、制御手段は、混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さな領域内に設定する場合、制御パラメータが目標値と一致するように混合気の空燃比を補正するための制御量を設定すると好ましい。
また、制御手段は、制御パラメータに基づいて、筒内の失火判定を実行するとよい。
この場合、制御手段は、制御パラメータの値が所定の閾値を下回っている場合、筒内が失火状態にあると判断すると好ましい。
更に、制御手段は、制御パラメータに基づいて、燃料を噴射するインジェクタの異常判定を実行するとよい。
また、筒内における燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段を更に備え、制御手段は、燃焼状態判定手段によって筒内における燃焼状態が安定していると判断され、かつ、制御パラメータが所定の閾値を下回った場合、インジェクタに異常が発生していると判断すると好ましい。
そして、本発明の内燃機関の制御装置は、混合気の空燃比を目標値に一致させるための制御量を設定する空燃比設定手段を更に備えてもよく、制御パラメータの変動量が所定値を上回った場合には、空燃比設定手段の制御量が前回値に保持されると好ましい。
この場合、空燃比設定手段は、実熱発生量に基づいて混合気の実空燃比を算出し、算出した実空燃比に基づいて制御量を設定すると好ましい。
本発明による内燃機関の制御方法は、燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御方法において、
(a)筒内圧力を検出するステップと、
(b)ステップ(a)で検出された筒内圧力と当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値に基づいて、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータを算出するステップと、
(c)ステップ(b)で算出された制御パラメータに基づいて、所定の制御量の設定および機関運転状態の判定の少なくとも何れかを実行するステップとを含むものである。
本発明によれば、高精度な機関制御や機関運転状態の判定を低負荷で簡易に実行可能とする実用的な内燃機関の制御装置および制御方法の実現が可能となる。
本発明者らは、演算負荷の低減化を図りつつ高精度な内燃機関の制御や機関運転状態の判定を可能にするために鋭意研究を重ね、その結果、まず、クランク角がθである際に筒内圧検出手段によって検出される筒内圧力をP(θ)とし、クランク角がθである際(当該筒内圧力P(θ)の検出時)の筒内容積をV(θ)とし、比熱比をκとした場合に、筒内圧力P(θ)と、筒内容積V(θ)を比熱比(所定の指数)κで累乗した値Vκ(θ)との積値P(θ)・Vκ(θ)(以下、適宜「PVκ」と記す)に着目した。そして、本発明者らは、クランク角に対する内燃機関の筒内における熱発生量Qの変化パターンと、クランク角に対する積値PVκの変化パターンとは、図1に示されるような相関を有することを見出した。ただし、図1において、−360°,0°および360°は、上死点に、−180°および180°は、下死点に対応する。
図1において、実線は、所定のモデル気筒において所定の微小クランク角おきに検出された筒内圧力と、当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の比熱比κで累乗した値との積である積値PVκをプロットしたものである。また、図1において、破線は、上記モデル気筒における熱発生量Qを次の(1)式に基づき、Q=∫dQとして算出・プロットしたものである。なお、何れの場合も、簡単のために、κ=1.32とした。
Figure 2005207407
図1に示される結果からわかるように、クランク角に対する熱発生量Qの変化パターンと、クランク角に対する積値PVκの変化パターンとは、概ね一致(相似)しており、特に、筒内の混合気の燃焼開始(ガソリンエンジンでは火花点火時、ディーゼルエンジンでは圧縮着火時)の前後(例えば、図1における約−180°から約135°までの範囲)では、熱発生量Qの変化パターンと、積値PVκの変化パターンとは極めて良好に一致することがわかる。そして、本発明者らによって見出された筒内における熱発生量Qと積値PVκとの相関を利用すれば、内燃機関の実際の熱発生量(実熱発生量)に応じた値をとる積値PVκと、燃料供給量設定手段により設定される燃料の供給量あるいは吸入空気量検出手段によって検出される吸入空気量とに基づいて、完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγを極めて低負荷で精度よく算出することができる。
ここで、本発明者らの研究によれば、内燃機関を所定条件下で運転した場合、上記熱量比を示す制御パラメータγの値と混合気の空燃比といった他のパラメータとが所定の相関を示すことも判明している。また、内燃機関に対して供給された燃料が仮に筒内において概ね完全に燃焼している場合、内燃機関における実際の熱発生量(実熱発生量)と、燃料の供給量等とに応じて定められる熱発生量の理論値との比(熱量比:制御パラメータγ)は、基本的に、燃焼室壁部への伝熱や気化熱等を考慮した概ね一定の値となる一方、失火や燃料供給手段の異常等が発生して機関運転状態に変化を生じた場合に、上記熱量比を示す制御パラメータγの値に顕著な変化が認められる。
従って、積値PVκと燃料の供給量等とに基づいて完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγを求めた上で、かかる制御パラメータγを用いて、所定の制御量の設定や機関運転状態の判定を実行すれば、高負荷な演算処理を要することなく、高精度かつ応答性の良好な機関制御や機関運転の判定を簡易に実行することが可能となる。なお、本発明において、「制御量の設定」には、混合気の空燃比等の制御量それ自体の算出と、混合気の空燃比等を補正するための制御量の設定(算出)とが含まれる。
この場合、演算手段は、所定の2点について積値を算出すると共に、所定の2点間における積値の差分と、燃料供給量または吸入空気量とに基づいて制御パラメータγを算出すると好ましい。
上述のように、本発明者らが着目した積値PVκは、内燃機関の筒内における熱発生量Qを反映するものであり、所定の2点間(例えば筒内における燃焼開始(火花点火または圧縮着火)の前後2点)における積値PVκの差分は、上記2点間における筒内での熱発生量∫dQ(dQを例えばクランク角θからクランク角θ〔ただし、θ<θ〕まで積分した値、以下同じ)を示し、極めて低負荷で算出し得るものである。従って、所定の2点間における積値PVκの差分と、燃料供給量または吸入空気量とを用いれば、演算負荷を大幅に低減させつつ、完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγ(γ’)を求めることができる。この場合、上記所定の2点の一方は、吸気弁開弁後かつ燃焼開始前に設定され、他方は、燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定されると好ましい。
また、制御手段は、混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さな(リッチな)領域内に設定する場合、制御パラメータγが目標値と一致するように混合気の空燃比を補正するための制御量を設定すると好ましい。
本発明者らは、上記熱量比を示す制御パラメータγと、筒内における混合気の空燃比との関係にも着目した。すなわち、図2に示されるように、筒内における混合気の空燃比が理論空燃比(14.7)よりも小さな(リッチな)領域では、混合気の空燃比が減少する(リッチ化される)につれて未燃燃料に熱が吸収されるため、上記熱量比を示す制御パラメータγは、混合気の空燃比に概ね比例して減少することになる。従って、リッチ領域では、上記熱量比を示す制御パラメータγが目標値になるように、燃料供給量の補正値といった混合気の空燃比を補正するための制御量を設定すれば、筒内における混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さい所望の目標値付近に精度よく保つことが可能となる。
また、制御手段は、制御パラメータγに基づいて、筒内の失火判定を実行すると好ましく、制御パラメータγの値が所定の閾値を下回っている場合に、筒内が失火状態にあると判断すると好ましい。
すなわち、筒内が失火状態にある場合の上記熱量比を示す制御パラメータγの値は、正常時(内燃機関に対して供給された燃料が筒内において概ね完全に燃焼している時)の値とは大幅に異なるので、かかる構成を採用すれば、筒内における失火状態を低負荷で精度よく判定することが可能となる。
更に、制御手段は、制御パラメータγに基づいて、燃料を噴射するインジェクタの異常判定を実行すると好ましい。
すなわち、燃料を噴射するインジェクタに異常が発生した場合の上記熱量比を示す制御パラメータγの値も、正常時の値とは大幅に異なるので、かかる構成を採用すれば、インジェクタの異常を低負荷で精度よく判定することが可能となる。
この場合、筒内における燃焼状態を判定する手段によって筒内における燃焼状態が安定していると判断され、かつ、制御パラメータγが所定の閾値を下回った場合、インジェクタに異常が発生していると判断することができる。
すなわち、例えば内燃機関の回転変動(回転角速度)が小さく、筒内における燃焼状態は安定していると判断されるにも拘らず、制御パラメータγが所定の閾値を下回るということは、本来要求されている量の燃料が筒内に供給されていないということを示す。従って、かかる手法を採用すれば、燃料供給不良(燃料噴射不良)の原因であるインジェクタの劣化や詰まりを容易かつ精度よく判定することが可能となる。
また、混合気の空燃比を理論空燃比に設定した際に制御パラメータγの値が所定の閾値を上回った場合、インジェクタに異常が発生していると判断することができる。
すなわち、混合気の空燃比が理論空燃比になるように空気の供給量等を設定したにも拘らず、制御パラメータγの値が所定の閾値を上回るということは、インジェクタから燃料が漏洩しており、筒内に残留燃料が存在してしまっていることを示す。従って、かかる手法を採用すれば、インジェクタにおける燃料漏洩の有無を容易かつ精度よく判定することが可能となる。
そして、本発明の内燃機関の制御装置は、混合気の空燃比を目標値に一致させるための制御量を設定する空燃比設定手段を更に備えてもよく、制御パラメータγの変動量が所定値を上回った場合には、空燃比設定手段の制御量が前回値に保持されると好ましい。
すなわち、筒内の燃焼状態が良好であれば(完全燃焼となっていれば)、上記熱量比を示す制御パラメータγは、図2に示されるように推移するが、例えば筒内が失火状態にある場合や筒内における燃焼状態が悪化したような場合には、実熱発生量が低下することから、制御パラメータγの値も実熱発生量に応じて変動する。このため、例えば実熱発生量または制御パラメータγに基づいて混合気の空燃比が制御されるような場合、制御パラメータγの変動を考慮することなく空燃比制御を実行すると、空燃比が目標値から逸脱してしまうおそれもある。このような点に鑑みて、上記制御パラメータγの変動量が所定値を上回った場合には、混合気の空燃比を目標値に設定するための制御量が前回値に保持されるようにするとよい。これにより、混合気の空燃比を常時好適範囲内に保つことが可能となる。
また、空燃比設定手段は、実熱発生量に基づいて混合気の実空燃比を算出し、算出した実空燃比に基づいて制御量を設定するものであると好ましい。これにより、例えば空燃比センサ(酸素センサ)を用いる場合に比べて極めて応答性よく混合気の実空燃比を取得することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
図3は、本発明による内燃機関を示す概略構成図である。同図に示される内燃機関1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストン4を往復移動させることにより動力を発生するものである。なお、図3には1気筒のみが示されるが、内燃機関1は多気筒エンジンとして構成されると好ましく、本実施形態の内燃機関1は、例えば4気筒エンジンとして構成される。
各燃焼室3の吸気ポートは、吸気管(吸気マニホールド)5にそれぞれ接続され、各燃焼室3の排気ポートは、排気管(排気マニホールド)6にそれぞれ接続されている。また、内燃機関1のシリンダヘッドには、吸気ポートを開閉する吸気弁Viと、排気ポートを開閉する排気弁Veとが燃焼室3ごとに配設されている。各吸気弁Viおよび各排気弁Veは、例えば、可変バルブタイミング機能を有する動弁機構(図示省略)によって開閉させられる。更に、内燃機関1は、気筒数に応じた数の点火プラグ7を有し、点火プラグ7は、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配設されている。
吸気管5は、図3に示されるように、サージタンク8に接続されている。サージタンク8には、給気ラインL1が接続されており、給気ラインL1は、エアクリーナ9を介して図示されない空気取入口に接続されている。そして、給気ラインL1の中途(サージタンク8とエアクリーナ9との間)には、スロットルバルブ(本実施形態では、電子制御式スロットルバルブ)10が組み込まれている。一方、排気管6には、図3に示されるように、三元触媒を含む前段触媒装置11aおよびNOx吸蔵還元触媒を含む後段触媒装置11bが接続されている。
更に、内燃機関1は、複数のインジェクタ12を有し、各インジェクタ12は、図3に示されるように、対応する燃焼室3内に臨むようにシリンダヘッドに配置されている。また、内燃機関1の各ピストン4は、いわゆる深皿頂面型に構成されており、その上面には、凹部4aが形成されている。そして、内燃機関1では、各燃焼室3内に空気を吸入させた状態で、各インジェクタ12から各燃焼室3内のピストン4の凹部4aに向けてガソリン等の燃料が直接噴射される。これにより、内燃機関1では、点火プラグ7の近傍に燃料と空気との混合気の層が周囲の空気層と分離された状態で形成(成層化)されるので、極めて希薄な混合気を用いて安定した成層燃焼を実行することが可能となる。なお、本実施形態の内燃機関1は、いわゆる直噴エンジンとして説明されるが、これに限られるものではなく、本発明が吸気管(吸気ポート)噴射式の内燃機関に適用され得ることはいうまでもない。
上述の各点火プラグ7、スロットルバルブ10、各インジェクタ12および動弁機構等は、内燃機関1の制御装置として機能するECU20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含むものである。ECU20には、図3に示されるように、内燃機関1のクランク角センサ14を始めとした各種センサが電気的に接続されている。ECU20は、記憶装置に記憶されている各種マップ等を用いると共に各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12、動弁機構等を制御する。
また、内燃機関1は、半導体素子、圧電素子あるいは光ファイバ検出素子等を含む筒内圧センサ(筒内圧検出手段)15を気筒数に応じた数だけ有している。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3内に受圧面が臨むようにシリンダヘッドに配設されており、ECU20に電気的に接続されている。各筒内圧センサ15は、対応する燃焼室3における筒内圧力を検出し、検出値を示す信号をECU20に与える。更に、排気管6には、排気空燃比センサ(酸素センサ)16が設置されている。この排気空燃比センサ16もECU20に電気的に接続されており、排気管6の内部を流通する排気の空燃比を検出し、検出値を示す信号をECU20に与える。各筒内圧センサ15や排気空燃比センサ16の検出値は、所定時間おきにECU20に順次与えられ、ECU20の所定の記憶領域(バッファ)に所定量ずつ格納保持される。
次に、図4を参照しながら、上述の内燃機関1の動作について説明する。内燃機関1が始動された後、アイドル状態からアイドルオフ状態に移行すると、図4に示されるように、ECU20は、図示されないアクセル位置センサからの信号等に基づいて内燃機関1の目標トルクを定めると共に、予め用意されているマップ等を用いて目標トルクに応じた吸入空気量(スロットルバルブ10の開度)および各インジェクタ12からの燃料噴射量(燃料噴射時間)qFを設定する(S10)。更に、ECU20は、S12にて、スロットルバルブ10の開度をS10にて求めた開度に設定すると共に、各インジェクタ12から例えば吸気行程中にS10にて定めた量qFの燃料を噴射させる。
また、ECU20は、クランク角センサ14からの信号に基づいて内燃機関1のクランク角をモニタしている。そして、ECU20は、燃焼室3ごとに、各吸気弁Viの開弁後であって、かつ、各点火プラグ7による点火前に設定された第1のタイミング(クランク角がθとなるタイミング)になると、筒内圧センサ15からの信号に基づいて、クランク角がθとなる時の筒内圧力P(θ)を求める。更に、ECU20は、求めた筒内圧力P(θ)と、筒内圧力P(θ)の検出時、すなわち、クランク角がθとなる時の筒内容積V(θ)を比熱比κ(本実施形態では、κ=1.32)で累乗した値との積である積値P(θ)・Vκ(θ)を燃焼室3ごとに算出し、RAMの所定の記憶領域に記憶させる(S14)。
第1のタイミングは、各燃焼室3内において燃焼が開始される時点(点火時)よりも十分に前のタイミングに設定されると好ましく、本実施形態において、第1のタイミングは、例えば、クランク角センサ14からの信号に示されるクランク角が−60°となるタイミング(θ=−60°、すなわち、上死点前60°)とされている。また、Vκ(θ)の値(本実施形態では、Vκ(−60°)の値)は、予め算出された上で記憶装置に記憶されている。
S14の処理の後、ECU20は、燃焼室3ごとに、各点火プラグ7による点火後であって、各排気弁Veの開弁前に設定された第2のタイミング(クランク角がθとなるタイミング)になると、筒内圧センサ15からの信号に基づいて、クランク角がθとなる時の筒内圧力P(θ)を求める。更に、ECU20は、求めた筒内圧力P(θ)と、筒内圧力P(θ)の検出時、すなわち、クランク角がθとなる時の筒内容積V(θ)を比熱比κ(本実施形態では、κ=1.32)で累乗した値との積である積値P(θ)・Vκ(θ)を燃焼室3ごとに算出し、RAMの所定の記憶領域に記憶させる(S16)。第2のタイミングは、燃焼室3内における混合気の燃焼が概ね完了したタイミングに設定されると好ましく、本実施形態において、第2のタイミングは、例えば、クランク角センサ14からの信号に示されるクランク角θが90°となるタイミング(θ=90°、すなわち、上死点後90°)とされている。また、Vκ(θ)の値(本実施形態では、Vκ(90°)の値)は、予め算出された上で記憶装置に記憶されている。
上述のようにして、積値P(θ)・Vκ(θ)およびP(θ)・Vκ(θ)を求めると、ECU20は、燃焼室3ごとに、第1および第2のタイミングの間における積値PVκの差分を、
ΔPVκ=P(θ)・Vκ(θ)−P(θ)・Vκ(θ
として算出し、RAMの所定の記憶領域に記憶させる(S18)。この差分ΔPVκは、上述のように、第2のタイミングと第1のタイミングとの間(所定の2点間)における各燃焼室3での熱発生量∫dQ、すなわち、第1のタイミングから第2のタイミングまでの間に燃焼室3で発生した熱量を示すものである。燃焼室3ごとに積値PVκの差分ΔPVκを求めると、ECU20は、すべての燃焼室3について積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qest(=Qestnew)を算出し、RAMの所定の記憶領域に記憶させる(S20)。このように、全燃焼室3について差分ΔPVκの平均をとることにより、その後の処理に対する燃焼室3間の燃焼バラツキによる影響を緩和させることができる。また、このような平均化処理に際しては、燃焼室3間の充填率等の相違を考慮した補正係数を導入し、当該補正係数を各燃焼室3のデータに乗じてもよい。
上述のS14からS20までの処理により、第1のタイミングと第2タイミングとの間における熱発生量を良好に反映した積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestが簡易かつ速やかに算出されることになる。これにより、筒内圧力を微小な単位クランク角ごとに積分処理して各燃焼室3における熱発生量を算出する場合と比較して、ECU20における演算負荷を大幅に低減させることができる。
S20における処理が完了すると、ECU20は、この段階で内燃機関1が何れの運転モードに従って運転されるべきかを判定する(S22)。本実施形態の内燃機関1は、各燃焼室3における燃料および空気の混合気の空燃比を理論空燃比(燃料:空気=1:14.7)に設定するストイキ運転モード、各燃焼室3における混合気の空燃比を理論空燃比よりも大きい所望の目標空燃比に設定するリーン運転モード、および、各燃焼室3における混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さい所望の目標空燃比に設定するリッチ運転モードの何れかのもとで運転され得る。そして、ECU20は、S22において、回転数、負荷、スロットル開度、アクセルペダルの踏込加速度等のパラメータに基づいて、ストイキ運転モードを実行すべきか否か判定する。
S22において、ストイキ運転モードを実行すべきであると判断した場合、ECU20は、各燃焼室3における今回の点火に伴ってS20にて算出した積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestnewと、各燃焼室3における前回の点火に伴ってS20にて算出した積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestoldとの偏差ΔQを、
ΔQ=Qestnew−Qestold
として算出する(S24)。
ここで、図5に示されるように、混合気の空燃比が理論空燃比よりも小さい場合(リッチな場合)、所定の2点間における熱発生量∫dQの変化(率)は、リーン領域に比べて微小であり、燃焼室3内の混合気の空燃比が理論空燃比を上回ってリーン領域に入ると、急激に減少するようになる。従って、熱発生量∫dQを示す所定の2点間における積値PVκの差分の今回の算出値Qestnewと前回の算出値Qestoldとの偏差ΔQ(図5における熱発生量の傾き)が所定値付近(所定範囲内)に保たれるようにすれば、各燃焼室3において、所定の2点間における熱発生量∫dQが1回の点火の前後でほぼ一定に保たれ、混合気の空燃比もほぼ一定に保たれることになる。
このため、ECU20は、S24にて偏差ΔQを求めると、偏差ΔQと所定の閾値δ(負の所定値)を比較することにより、各燃焼室3内における混合気の空燃比が理論空燃比よりも大きいか(リーンであるか)否かを判定する(S26)。そして、ECU20は、S26にて各燃焼室3における混合気がリーンになっている(偏差ΔQが閾値δ以下である)と判断した場合、各インジェクタ12からの燃料噴射量を僅かに増加させるように燃料噴射量の補正値を設定する(S28)。これにより、ストイキ運転モードの実行中に各燃焼室3内における混合気の空燃比が理論空燃比よりも大きくなっていたとしても、各燃焼室3における混合気をリッチ化させて、各燃焼室3における混合気の空燃比を理論空燃比に近づけることが可能となる。
また、ECU20は、S26にて各燃焼室3内における混合気がリーンになっていないと判断した場合には、各燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比よりも小さく(リッチに)なっているとみなし、必要に応じて、各インジェクタ12からの燃料噴射量を僅かに減少させるように燃料噴射量の補正値を設定する(S30)。これにより、ストイキ運転モードの実行中に各燃焼室3内における混合気の空燃比が理論空燃比よりも小さくなっていたとしても、各燃焼室3における混合気をリーン化させて、各燃焼室3における混合気の空燃比を理論空燃比に近づけることができる。なお、本実施形態では、S28およびS30で設定される燃料噴射量の補正値は、予め定められた一定の量とされるが、当該補正値は、偏差ΔQと閾値δとの差分に応じて算出されてもよい。
一方、S22において、ストイキ運転モードを実行すべきではない、すなわち、リーン運転モードまたはリッチ運転モードを実行すべきであると判断した場合、ECU20は、図6に示されるように、リーン運転モードを運転すべきか否か判定する(S32)。S32においてリーン運転モードを実行すべきであると判断した場合、ECU20は、リーン運転モードにおける目標空燃比に対応した熱発生量の目標値Qtを記憶装置から読み出すと共に、S20で求めた積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestと目標値Qtとの偏差eを、
e=Qest−Qt
として算出する(S34)。そして、ECU20は、予め用意されたマップまたは所定の関数式を用いてS34にて求めた偏差eをゼロにするように燃料噴射量の補正値を算出(設定)する(S36)。
ここで、図5に示されるように、各燃焼室3内における混合気の空燃比が理論空燃比よりも大きくなると(リーンになると)、所定の2点間における熱発生量∫dQは、空燃比が増加するにつれて、失火前の急変点(リーン限界)まで、空燃比に概ね比例して減少する。従って、混合気の空燃比が理論空燃比よりも大きい領域(リーン領域)では、S20で求めた所定の2点間における積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestと目標値Qtとの偏差eがゼロになるようにすることにより、各燃焼室3における混合気の空燃比を理論空燃比よりも大きな(リーンな)所望の目標空燃比に保つことが可能となる。すなわち、内燃機関1では、リーン運転モードに際して、積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestを目標値Qtに近づけるフィードバック制御が行われる。これにより、内燃機関1では、熱発生量の目標値Qtを適宜設定することにより、各燃焼室3内の混合気を図5におけるリーン限界付近までできる限りリーン化させる、いわゆるリーンリミット運転を実行することも可能となる。
また、S32にて、リーン運転モードを実行すべきではなく、リッチ運転モードを実行すべきであると判断した場合、ECU20は、図6に示されるように、S20で求めた積値PVκの差分ΔPVκの平均値Qestを、S10で設定された燃料噴射量qFで除すると共に、これに所定の換算係数αを乗じることにより、完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγを、
γ=Qest/qF×α
として算出する(S38)。なお、S38の演算処理に際しては、換算係数αの使用を省略してもよく、平均値Qestを燃料噴射時間で除すると共にこれに他の換算係数を乗じてもよい。
このようにして、上記熱量比を示すと共に負荷条件等とは無関係な制御パラメータγを得ると、ECU20は、リッチ運転モードにおける目標空燃比に対応した制御パラメータγの目標値γtを記憶装置から読み出すと共に、S38にて求めた制御パラメータγと目標値γtとの偏差を算出する。そして、ECU20は、予め用意されたマップまたは所定の関数式を用いて当該偏差をゼロにするように燃料噴射量の補正値を算出(設定)する(S40)。すなわち、内燃機関1では、リッチ運転モードに際して、制御パラメータγを目標値γtに近づけるフィードバック制御が行われる。
ここで、図2に関連して説明されたように、各燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比よりも小さな(リッチな)領域では、混合気の空燃比が減少する(リッチ化される)につれて、未燃燃料に熱が吸収されるため、上記熱量比を示す制御パラメータγは、混合気の空燃比に概ね比例して減少することになる。従って、上記熱量比を示す制御パラメータγが目標値γtになるように、燃料噴射の補正値といった混合気の空燃比を補正するための制御量を設定すれば、各燃焼室3における混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さな(リッチな)所望の目標空燃比に精度よく保つことが可能となる。
上述のように、ECU20は、ストイキ運転モードの場合、S28またはS30にて燃料噴射量の補正値を設定し、リーン運転モードの場合、S36にて燃料噴射量の補正値を設定し、リッチ運転モードの場合、S40にて燃料噴射量の補正値を設定する。そして、ECU20は、S10に戻ると、S28,S30,S36またはS40にて設定した燃料噴射量の補正値を踏まえて(加減算しながら)各インジェクタ12からの燃料噴射量(燃料噴射時間)を設定すると共に、スロットルバルブ10の開度を設定し、S12以降の処理を再度実行する。このような一連の処理は、アイドルオフ状態が継続される間、ECU20によって繰り返される。
この結果、内燃機関1では、ストイキ運転モードに際して、所定の2点間における熱発生量を良好に反映した積値PVκの差分ΔPVκを用いて、各燃焼室3における混合気の空燃比が精度よく理論空燃比付近に設定されるので、供給空気量と理論空気量との比λがλ=1となる領域を拡大させることができる。また、内燃機関1では、リーン運転モードに際しても、所定の2点間における熱発生量を良好に反映した積値PVκの差分ΔPVκを用いて、各燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比よりも大きな所定の目標空燃比に精度よく設定される。更に、リッチ運転モードに際しては、積値PVκの差分ΔPVκと燃料噴射量qFとに基づいて完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγが求められ、かかる制御パラメータγを用いて、各燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比よりも小さな所定の目標空燃比に精度よく設定される。
このように、所定の2点間における熱発生量を反映した積値PVκの差分ΔPVκを用いて内燃機関1の空燃比制御を実行することにより、内燃機関1の排気系統において取得された排気空燃比等に基づいて筒内空燃比を制御(フィードバック制御)する場合に認められる、いわゆる検出遅れや輸送遅れの問題を解消することが可能となり、空燃比制御の応答性および精度を大幅に向上させることができる。また、高精度な空燃比制御の実現により、触媒の浄化負担を低減させることができるので、触媒装置をコンパクト化することも可能となる。
なお、各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するため制御量は、燃料噴射量の補正値に限られるものではなく、スロットル開度の補正値や、排気還流システムを備えた内燃機関における排気還流量の補正値等であってもよく、これらが適宜組み合わされてもよい。すなわち、S28,S30,S36およびS40の処理では、各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するために、燃料噴射量、スロットル開度、排気還流量等の少なくとも何れか一つの補正値が設定されればよい。更に、本発明は、ガソリンエンジンだけではなく、ディーゼルエンジンにも適用され得ることはいうまでもない。
また、リーン領域において燃焼室3内の混合気の空燃比が熱発生量Qに概ね比例することを踏まえて(図5参照)、実熱発生量を示す値Qestと各燃焼室3における混合気の空燃比(実空燃比)との関係を規定するマップ等を予め用意しておけば、当該マップ等から値Qestに対応した実空燃比を算出することができる。従って、図6のS34およびS36では、実熱発生量を示す値Qestに応じた実空燃比を算出すると共に、求めた実空燃比と機関回転数や機関負荷に応じて定められる目標空燃比との偏差を求め、当該偏差に応じて各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するための制御量(例えば燃料噴射量の補正値)を設定してもよい。
更に、リッチ領域では上記熱量比を示す制御パラメータγが混合気の空燃比に概ね比例して減少することを踏まえて(図2参照)、上記熱量比を示す制御パラメータγと各燃焼室3における混合気の空燃比(実空燃比)との関係を規定するマップ等を予め用意しておけば、当該マップ等から制御パラメータγに対応した実空燃比を算出することができる。従って、図6のS38およびS40では、制御パラメータγに応じた実空燃比を算出すると共に、求めた実空燃比と機関回転数や機関負荷に応じて定められる目標空燃比との偏差を求め、当該偏差に応じて各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するための制御量(例えば燃料噴射量の補正値)を設定してもよい。
このように、上述の積値PVκを用いれば内燃機関1の空燃比を精度よく検出することも可能となる。これにより、例えば空燃比センサ(酸素センサ)を用いる場合に比べて極めて応答性よく混合気の実空燃比を得ることが可能となり、排気管6の排気空燃比センサ16を省略することも可能となる。
ところで、内燃機関1の制御において用いられる上記熱量比を示す制御パラメータγの値は、何れかの燃焼室3が失火状態にある場合、正常時(内燃機関1に対して供給された燃料が当該燃焼室3において概ね完全に燃焼している場合)の値よりも大幅に低下することになる。この点を利用して、本発明の内燃機関1では、図7に示す手順に従い、制御パラメータγを用いた各燃焼室3の失火判定処理が実行される。
図7の失火判定処理は、内燃機関1のECU20によって、例えば所定時間ごとに実行され、ECU20は、失火判定処理を実行すべきタイミングになると、図4に関連して説明した手順と概ね同様にして、燃焼室3ごとに、第1および第2のタイミングの間における積値PVκの差分ΔPVκ、燃料噴射量qFおよび換算係数αに基づいて制御パラメータγを、
γ=ΔPVκ/qF×α
として算出する(S50)。
S50にて制御パラメータγを求めると、ECU20は、燃焼室3ごとに、制御パラメータγが予め定められている第1の閾値g1(例えば、g1=0.3)を下回っているか否か判定する(S52)。そして、ECU20は、S52にて少なくとも何れか一つの燃焼室3についての制御パラメータγが第1の閾値g1を下回っていると判断した場合、当該燃焼室3の内部が失火状態にあるとみなし、所定の警告表示を行う(S54)。
一方、S52にて、すべての燃焼室3の制御パラメータγが第1の閾値g1以上であると判断した場合、ECU20は、更に、燃焼室3ごとに、制御パラメータγが予め定められている第2の閾値g2(g2>g1、例えば、g2=0.8)を下回っているか否か判定する(S56)。S56にて、少なくとも何れかの燃焼室3について制御パラメータγが第2の閾値g2を下回っていると判断した場合、ECU20は、当該燃焼室3の内部が半失火状態にあるとみなし、その燃焼室3に対応する図示されないカウンタを1だけインクリメントする(S58)。
S58の処理の後、ECU20は、当該カウンタ(インクリメントされたカウンタ)のカウント値が予め定められている閾値を超えているか否か判定する(S60)。そして、ECU20は、S60にて当該カウンタのカウント値が予め定められている閾値を超えたと判断した場合、すなわち、その燃焼室3における失火の発生回数が当該閾値を超えたと判断した場合、そのカウンタをリセットした上で(S62)、その燃焼室3の内部が完全な失火状態にあるとみなし、所定の警告表示を行う(S54)。
このように、内燃機関1では、完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγに基づいて各燃焼室3内における失火状態が低負荷で精度よく判定されることになる。そして、このような失火判定処理は、負荷条件等とは無関係な制御パラメータγを用いて実行されるので、様々な条件別に閾値を用意する必要がなくなる。従って、かかる失火判定処理に要するマップや閾値の適合による負担を大幅に軽減することが可能となる。
なお、S56にてすべての燃焼室3について制御パラメータγが第2の閾値g2を下回っていないと判断した場合、および、S60にてカウンタのカウント値が予め定められている閾値を超えていないと判断した場合、ECU20は、いずれの燃焼室3においても、警告を発する程度の失火状態が発生していないとみなし、失火判定処理を停止させ、次の判定タイミングになるまで待機する。
また、内燃機関1では、上述のように、熱量比を示す制御パラメータγの値を用いて燃焼室3における失火状態の判定処理が実行されるが、燃料を噴射するインジェクタ12に異常が発生した場合の制御パラメータγの値も、正常時の値とは大幅に異なることになる。本発明の内燃機関1では、この点を利用して、図8および図9に示す手順に従い、制御パラメータγを用いた各インジェクタ12の異常判定処理が実行される。
図8は、インジェクタ12の異常のうち、燃料供給不良(燃料噴射不良)の原因となるインジェクタ12の劣化や詰まりの有無を判定するための手順を示すフローチャートである。この場合、内燃機関1のECU20は、予め定められたインジェクタの異常判定を実行するタイミングになると、まず、クランク角センサ14からの信号に基づいて、クランクシャフトの回転角速度(回転変動)を求め、求めた回転角速度が所定の閾値を下回っているか否か判定する(S70)。そして、ECU20は、S70にて、クランクシャフトの回転角速度(回転変動)が所定の閾値を下回っており、各燃焼室3における燃焼状態が安定していると判断した場合に、図8におけるインジェクタ12の異常判定処理を実行する。
すなわち、ECU20は、各燃焼室3における燃焼状態が安定していると判断した場合、図4に関連して説明した手順と概ね同様にして、燃焼室3ごとに、第1および第2のタイミングの間における積値PVκの差分ΔPVκ、燃料噴射量qFおよび換算係数αに基づいて制御パラメータγを、
γ=ΔPVκ/qF×α
として算出する(S72)。
S72にて制御パラメータγを求めると、ECU20は、燃焼室3ごとに、制御パラメータγが予め定められている閾値g3(例えば、g3=0.5)を下回っているか否か判定する(S74)。ここで、内燃機関1(クランクシャフト)の回転変動(回転角速度)が小さく、各燃焼室3における燃焼状態は安定していると判断されるにも拘らず、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγが所定の閾値g3を下回るということは、本来要求されている量の燃料が燃焼室3内に供給されていないということを示す。従って、ECU20は、制御パラメータγが所定の閾値g3を下回っている燃焼室3については、インジェクタ12の劣化や詰まりによる燃料噴射不良が発生している旨の警告表示を行う(S76)。このように、内燃機関1では、燃料噴射不良の原因となるインジェクタ12の劣化や詰まりを容易かつ精度よく判定することができる。
図9は、インジェクタ12の異常のうち、インジェクタ12における燃料漏洩の有無を判定するための手順を示すフローチャートである。この場合、内燃機関1のECU20は、予め定められたインジェクタの異常判定を実行するタイミングになると、まず、ストイキ運転モードが実行されているか否か判定し(S80)、内燃機関1がストイキ運転モードのもとで運転されていると判断した際、図8におけるインジェクタの異常判定処理を実行する。
S80にて内燃機関1がストイキ運転モードのもとで運転されていると判断した際、ECU20は、排気管6に設置されている排気空燃比センサ16からの信号に基づいて、各燃焼室3における混合気の空燃比を取得(推定)する(S82)。そして、ECU20は、取得した各燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比を下回っているか否か(リッチであるか否か)判定する(S84)。
S84にて、すべての燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比を下回っていない(リッチになっていない)と判断される場合、少なくとも各燃焼室3に対して燃料が過剰に供給されているということはなく、各インジェクタ12において燃料の漏洩が発生しているとは考えられない。従って、この場合、ECU20は、この段階におけるインジェクタの異常判定処理を終了し、次の判定タイミングになるまで待機する。
一方、S84にて、何れかの燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比を下回っている(リッチになっている)と判断した場合、ECU20は、予め定められたマップ等を用いて当該燃焼室3における空燃比と理論空燃比(14.7)との偏差等に応じてスロットルバルブ10の開度を増加させ、当該燃焼室3における空燃比が理論空燃比になるように空気供給量を増加させる(S86)。その後、ECU20は、図4に関連して説明した手順と概ね同様にして、燃焼室3ごとに、第1および第2のタイミングの間における積値PVκの差分ΔPVκ、燃料噴射量qFおよび換算係数αに基づいて制御パラメータγを、
γ=ΔPVκ/qF×α
として算出する(S88)。
S88にて制御パラメータγを求めると、ECU20は、燃焼室3ごとに、制御パラメータγが予め定められている閾値g4(例えば、g4=1)を上回っているか否か判定する(S90)。ここで、ある燃焼室3における混合気の空燃比がリッチであると判断された際に(S84)、当該燃焼室3における混合気の空燃比が理論空燃比になるように空気供給量を再設定した(S86)にも拘らず、その燃焼室3についての制御パラメータγの値がなお所定の閾値g4を上回っている(S90)ということは、その燃焼室3に設けられているインジェクタ12から燃料が漏洩しており、その燃焼室3の内部に残留燃料が存在してしまっていることを示す。
このため、ECU20は、S90にて何れかの燃焼室3についての制御パラメータγが閾値g4を上回っていると判断した場合、当該燃焼室3に設けられているインジェクタ12に燃料漏洩のトラブルが発生している旨の警告表示を行う(S92)。このように、内燃機関1では、インジェクタ12における燃料漏洩の有無を容易かつ精度よく判定することが可能となる。なお、S90にて、すべての燃焼室3の制御パラメータγの値が所定の閾値g4を上回っていないと判断した場合、ECU20は、この段階におけるインジェクタの異常判定処理を終了し、次の判定タイミングになるまで待機する。
図10は、内燃機関1において各燃焼室3における混合気の空燃比を制御するための他の手順を示すフローチャートである。図10に示されるルーチンは、図5のS22においてリーン運転モードまたはリッチ運転モードを実行すべきであると判断された場合に実行され得るものである。この場合、ECU20は、まず、リーン運転モードを実行すべきか否か判定する(S300)。そして、ECU20は、S300にてリーン運転モードを実行すべきであると判断すると、図5のS20で求めた積値PVκの差分ΔPVκの平均値QestをS10で設定された燃料噴射量qFで除すると共に、これに所定の換算係数αを乗じることにより、完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγを、
γ=Qest/qF×α
として算出する(S302)。この場合、換算係数αを省略してもよく、平均値Qestを燃料噴射時間で除すると共にこれに他の換算係数を乗じてもよい。
このようにして、熱量比を示すと共に負荷条件等とは無関係な制御パラメータγを得ると、ECU20は、制御パラメータγの値が所定の閾値以上であるか否か判定し(S304)、制御パラメータγの値が上記閾値以上であると判断した場合、実熱発生量を示す値Qestに基づいて各燃焼室3における混合気の空燃比(実空燃比)を算出する(S306)。そして、ECU20は、機関回転数や機関負荷に応じて定められる目標空燃比とS306にて求めた実空燃比との偏差を求め、各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するための制御量(例えば燃料噴射量の補正値)を当該偏差に応じて設定する(S308)。
本実施形態では、リーン領域において燃焼室3内の混合気の空燃比が熱発生量Qに概ね比例することを踏まえて(図5参照)、実熱発生量を示す値Qestと各燃焼室3における混合気の空燃比(実空燃比)との関係を規定するマップが予め用意されており、ECU20は、S306にて、当該マップから値Qestに対応した実空燃比を読み出す。このように、リーン領域について、実熱発生量を示す値Qestに基づいて各燃焼室3における混合気の実空燃比を算出すれば、例えば空燃比センサ(酸素センサ)を用いる場合に比べて極めて応答性よく混合気の実空燃比を得ることが可能となり、排気管6の排気空燃比センサ16を省略することも可能となる。
一方、S304にて制御パラメータγの値が上記閾値を下回っていると判断した場合、ECU20は、実熱発生量を示す値Qestに基づいた実空燃比の算出を行わず、各燃焼室3における混合気の実空燃比を前回(前サイクル)の算出値に保持する(S310)。ここで、リーン運転モードのもとで各燃焼室3内の燃焼状態が良好であれば(完全燃焼となっていれば)、上記熱量比を示す制御パラメータγは、図2に示されるように概ね一定の値を示す。これに対して、例えば何れかの燃焼室3が失火状態にある場合や、何れかの燃焼室3における燃焼状態が悪化したような場合には、実熱発生量が低下することから、制御パラメータγの値も実熱発生量に応じて小さくなる。
従って、制御パラメータγの値が上記閾値を下回った際、すなわち、制御パラメータγの上記一定の値からの変動量が所定値を上回った際には、実熱発生量を示す値Qestに基づいて混合気の空燃比を算出しても正確な実空燃比を得ることができず、そのような実空燃比を用いて各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するための制御量を設定した場合、却って空燃比が目標値から逸脱してしまうおそれもある。このような点を考慮して、本実施形態では、制御パラメータγの値が上記閾値を下回り、制御パラメータγの変動量が所定値を上回ったと判断される場合、S310にて各燃焼室3における混合気の実空燃比が前回(前サイクル)の算出値に保持される。
これにより、図10のルーチンのもとでは、少なくとも何れかの燃焼室3における燃焼状態が悪化したような場合、S308にて、その直前に燃焼状態が良好であった際に求められた実空燃比に基づいて各燃焼室3における混合気の空燃比を補正するための制御量が設定されるので、各燃焼室3における混合気の空燃比を常時好適範囲内に保つことが可能となる。なお、S304では、制御パラメータγの値が所定の閾値以上であるか否か判定する代わりに、制御パラメータγの変動量(前回値との偏差)を求めて、当該変動量が所定の閾値以下となっているか否か判定してもよい。
S308の処理の後、ECU20は、設定した制御量を踏まえて(加減算しながら)各インジェクタ12からの燃料噴射量(燃料噴射時間)を設定すると共に、スロットルバルブ10の開度を設定し、例えば図5のS12以降の処理を再度実行する。また、S300にてリッチ運転モードを実行すべきであると判断した場合、ECU20は、例えば図6のS38以降の処理を実行する。
ここで、S300にてリッチ運転モードを実行すべきであると判断された場合、上記平均値Qestを(S10で設定された)吸入空気量で除すると共に、これに所定の換算係数を乗じることにより、完全燃焼時の熱発生量(理論値)に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータγ’を求め、制御パラメータγ’の変動量が所定の閾値を上回っていると判断される場合に、各燃焼室3における混合気の実空燃比が前回(前サイクル)の算出値に保持されるようにしてもよい。これにより、リッチ運転モードの際に少なくとも何れかの燃焼室3における燃焼状態が悪化しても、各燃焼室3における混合気の空燃比を常時好適範囲内に保つことが可能となる。
本発明において用いられる積値PVκと、燃焼室内における熱発生量との相関を示すグラフである。 燃焼室内における混合気の空燃比と、熱量比を示す制御パラメータγとの相関を示すグラフである。 本発明による内燃機関を示す概略構成図である。 図3の内燃機関の動作を説明するためのフローチャートである。 燃焼室内における混合気の空燃比と、所定の2点間における熱発生量との相関を示すグラフである。 図3の内燃機関の動作を説明するためのフローチャートである。 図3の内燃機関における失火判定処理を説明するためのフローチャートである。 図3の内燃機関におけるインジェクタの異常判定処理を説明するためのフローチャートである。 図3の内燃機関におけるインジェクタの異常判定処理の他の例を説明するためのフローチャートである。 図3の内燃機関において混合気の空燃比を制御するための他の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 燃焼室
4 ピストン
5 吸気管
6 排気管
7 点火プラグ
8 サージタンク
9 エアクリーナ
10 スロットルバルブ
11a,11b 触媒装置
12 インジェクタ
14 クランク角センサ
15 筒内圧センサ
16 排気空燃比センサ
L1 給気ライン
Ve 排気弁
Vi 吸気弁

Claims (12)

  1. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御装置において、
    筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、
    前記筒内圧検出手段によって検出された筒内圧力と当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値に基づいて、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータを算出する演算手段と、
    前記演算手段によって算出された前記制御パラメータに基づいて、所定の制御量の設定および機関運転状態の判定の少なくとも何れかを実行する制御手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記演算手段は、所定の2点について前記積値を算出すると共に、前記所定の2点間における前記積値の差分と、燃料供給量または吸入空気量とに基づいて前記制御パラメータを算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記所定の2点の一方は、吸気弁開弁後かつ燃焼開始前に設定され、他方は、前記燃焼開始の後かつ排気弁開弁前に設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さな領域内に設定する場合、前記制御パラメータが目標値と一致するように混合気の空燃比を補正するための制御量を設定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記制御パラメータに基づいて、前記筒内の失火判定を実行することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記制御パラメータの値が所定の閾値を下回っている場合、前記筒内が失火状態にあると判断することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記制御パラメータに基づいて、燃料を噴射するインジェクタの異常判定を実行することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記筒内における燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記燃焼状態判定手段によって前記筒内における燃焼状態が安定していると判断され、かつ、前記制御パラメータが所定の閾値を下回った場合、前記インジェクタに異常が発生していると判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記制御手段は、混合気の空燃比を理論空燃比に設定した際に前記制御パラメータの値が所定の閾値を上回った場合、前記インジェクタに異常が発生していると判断することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 混合気の空燃比を目標値に一致させるための制御量を設定する空燃比設定手段を更に備え、前記制御パラメータの変動量が所定値を上回った場合、前記空燃比設定手段の前記制御量が前回値に保持されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記空燃比設定手段は、前記実熱発生量に基づいて混合気の実空燃比を算出し、算出した実空燃比に基づいて前記制御量を設定することを特徴とする請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 燃料および空気の混合気を筒内で燃焼させて動力を発生する内燃機関の制御方法において、
    (a)筒内圧力を検出するステップと、
    (b)ステップ(a)で検出された筒内圧力と当該筒内圧力の検出時における筒内容積を所定の指数で累乗した値との積値に基づいて、完全燃焼時の熱発生量に対する実熱発生量の熱量比を示す制御パラメータを算出するステップと、
    (c)ステップ(b)で算出された前記制御パラメータに基づいて、所定の制御量の設定および機関運転状態の判定の少なくとも何れかを実行するステップとを含む内燃機関の制御方法。
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