JP2005206754A - ポリウレタンゲル及びクッション材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 硬度、低反発弾性等の物性を損なわず、ホルムアルデヒド捕捉機能に優れる合わせポリウレタンゲルを提供する。
【解決手段】 アセチルアセトン等のβ−ジケトン、アセチルアセトンパーオキサイド等のパーオキサイド及びエチレン尿素等のいずれかの化合物の存在下で有機イソシアネート化合物及び/又は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとポリヒドロキシ化合物とを反応させて得られるポリウレタンゲル及びこれを用いたクッション材に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 アセチルアセトン等のβ−ジケトン、アセチルアセトンパーオキサイド等のパーオキサイド及びエチレン尿素等のいずれかの化合物の存在下で有機イソシアネート化合物及び/又は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとポリヒドロキシ化合物とを反応させて得られるポリウレタンゲル及びこれを用いたクッション材に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ホルムアルデヒド拡散量が低減されたポリウレタンゲル及びクッション材に関するものであり、主として寝具あるいは椅子の座面用クッション材として好適に利用される。
従来、シリコンゲルやポリウレタンゲルなどの軟質ゲル状物質は低硬度で低反発性を有することから椅子・マット等のクッション材、特に障害者あるいは重症患者等の介護用品用クッション材として広く用いられている。
前記のポリウレタンゲルは有機イソシアネート化合物もしくはウレタンプレポリマーとポリヒドロキシ化合物およびその他の助剤から得られるが、ホルムアルデヒドを含む原料を用いた場合(例えば非特許文献1参照)、得られたポリウレタンゲル中にホルムアルデヒドが残留し、徐々に拡散される。また、ポリウレタンゲル製造時にも、副生成物としてアルデヒド類が一部生成し、ホルムアルデヒド発生の原因となっている。
前記のポリウレタンゲルは有機イソシアネート化合物もしくはウレタンプレポリマーとポリヒドロキシ化合物およびその他の助剤から得られるが、ホルムアルデヒドを含む原料を用いた場合(例えば非特許文献1参照)、得られたポリウレタンゲル中にホルムアルデヒドが残留し、徐々に拡散される。また、ポリウレタンゲル製造時にも、副生成物としてアルデヒド類が一部生成し、ホルムアルデヒド発生の原因となっている。
近年、ホルムアルデヒドは、シックハウス等環境問題の原因物質として、その拡散量が厳しく規制されている。
この対策としては、ホルムアルデヒドの拡散量が目的とする値に減少するまで製造後から使用開始まである一定期間放置する方法があるが、ゲル状物質をクッション材として用いる場合には、通常、粘着性を阻止するために表面をエラストマー製フィルム等で覆っており、その拡散速度は非常に遅く、数ヶ月以上放置しても大幅な減少はみられない。
また、一度拡散されたホルムアルデヒドを空気中から吸着材で捕捉する方法もあるが、ホルムアルデヒド捕捉機能が保たれている物質を絶えず置いておかなければならず、現実的ではない。
J.H.Saunders. Polyurethanes Chemistry and Technology Part I;1962
この対策としては、ホルムアルデヒドの拡散量が目的とする値に減少するまで製造後から使用開始まである一定期間放置する方法があるが、ゲル状物質をクッション材として用いる場合には、通常、粘着性を阻止するために表面をエラストマー製フィルム等で覆っており、その拡散速度は非常に遅く、数ヶ月以上放置しても大幅な減少はみられない。
また、一度拡散されたホルムアルデヒドを空気中から吸着材で捕捉する方法もあるが、ホルムアルデヒド捕捉機能が保たれている物質を絶えず置いておかなければならず、現実的ではない。
J.H.Saunders. Polyurethanes Chemistry and Technology Part I;1962
本発明は、上記事情に鑑みて、ポリウレタンゲル自体にホルムアルデヒド捕捉機能を付与し、硬度、低反発性等をそこなわず、ホルムアルデヒドの拡散量を低減させたクッション材用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意研究した結果、ホルムアルデヒド捕捉剤として特定の構造を有する化合物を使用することにより、硬度、低反発性等を維持しつつ、優れたホルムアルデヒド捕捉機能を発現することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)の存在下で有機イソシアネート化合物及び/又は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(B)とポリヒドロキシ化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタンゲルを提供するものである。
すなわち本発明は、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)の存在下で有機イソシアネート化合物及び/又は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(B)とポリヒドロキシ化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタンゲルを提供するものである。
R7−NH−Y (3)
(式中、R7は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アミノ基、フェニル基、カルボキシル基、ウレタン結合を有する1価の官能基及び−NHNH−R8を表す。但しR8は、水素原子又はアルキル基である。Yは−NH−、−CO−NH−又は−COO−を含む1価の官能基を表す。またR7とYとは結合して環を形成していてもよい。 )
また本発明は、前記ポリウレタンゲルを用いてなるクッション材を提供するものである。
本発明のポリウレタンゲルは特定のホルムアルデヒド捕捉剤を含むため、低反発性や圧縮永久歪み等の物性をそこなわず、ホルムアルデヒドの拡散量を低減させることができ、クッション材として有用である。
本発明に使用する有機イソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、いわゆるポリイソシアネートと称されている、一つの分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。具体的には、テトラメチレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ドデカメチレンジイソシアネ−ト等の脂肪族イソシアネート類、シクロヘキサン−1,3−及び1,4−ジイソシアネ−ト、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネ−ト)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)、2−及び4−イソシアナトシクロヘキシル−2´−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−及び1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環族イソシアネート類、1,3−及び1,4−テトラメチルキシリデンジイソシアネ−ト、2,4−及び/または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2´−、2,4´−及び/または4,4´−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、p−及びm−フェニレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ジフェニル−4,4´−ジイソシネ−ト、カルボジイミド変性液状MDI、ポリメリックMDI等の芳香族イソシアネート類、及び各種誘導体が挙げられる。
本発明に使用する末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、特に限定はないが、例えばポリオールに多官能イソシアネートを、多官能イソシアネート成分とポリオール成分とのNCO基/OH基のモル比率を5.0/1.0〜1.3/1.0の範囲で反応させて得られるものが挙げられる。反応の際、通常20〜120℃の温度で、触媒なしで或いは公知のウレタン化触媒を用い、必要に応じ反応遅延剤を用いるものである。
本発明に使用するポリヒドロキシ化合物としては、各種の公知のウレタン用ポリオールが挙げられ、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸または多価カルボン酸誘導体を重縮合することにより得られるものがある。
多価アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの2官能性アルコールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能性アルコール、また、芳香族多価アルコールのフェノールやビスフェノールA、ビスフェノールSなどのベンゼン環含有ヒドロキシ化合物、又はそれら誘導体化合物などが挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることができる。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコールと多価カルボン酸または多価カルボン酸誘導体を重縮合することにより得られるものがある。
多価アルコールとしては、特に限定はないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの2官能性アルコールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多官能性アルコール、また、芳香族多価アルコールのフェノールやビスフェノールA、ビスフェノールSなどのベンゼン環含有ヒドロキシ化合物、又はそれら誘導体化合物などが挙げられ、これらを1種または2種以上併用して用いることができる。
多価カルボン酸としては、特に限定はないが、オルトフタル酸及びその無水物、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、及びジメチルフタレート等の芳香族ジカルボン酸の誘導体、トリメリット酸等の3官能の芳香族多価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マレイン酸等の脂肪族ジカルボン酸、及びその誘導体が挙げられ、これらのうち1種または2種以上の併用も可能である。
他のポリエステルポリオールとしては、ポリヒドロキシ化合物にラクトン類を付加重合して得られるポリオールを用いることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークロス、ビスフェノールA、ノボラックなどの多価アルコール類、フェノール類とアルデヒド類を反応させたベンジリックエーテル誘導体化合物、フェノール類及びアルデヒド類及びアミン類を反応させたマンニッヒ化合物及び/又はこれらのポリヒドロキシ化合物にアルキレンオキサイドを付加重合させた水酸基価100〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールが挙げられる。
また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トルエンジアミンなど活性水素を2個以上含有する化合物および/又はこれらのアミン類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどを付加重合させた水酸基価100〜800mgKOH/gのポリエーテルポリオールおよびポリテトラメチレングリコールもポリエーテルポリオールとして使用できる。
前記有機イソシアネート化合物と前記ポリヒドロキシ化合物との量的な比率、即ちNCO/OH比(モル比)は、特に限定するものではなく、0.5〜2.0まで自由に選定できる。好ましくは0.6〜1.0が良い。
本発明のポリウレタンゲルを調製する方法としては、例えば1)液状のポリヒドロキシ化合物を用い、かつこのポリヒドロキシ化合物に、この化合物の有する水酸基の化学量論量よりも少ない量のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを、遊離のヒドロキシル基を含むように反応させる方法、2) 液状のポリヒドロキシ化合物を用い、かつ特定の可塑剤を添加する方法等が挙げられる。
前記方法1)の液状のポリヒドロキシ化合物としては、例えば多価アルコールとして2−メチル1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の側鎖を有する化合物を用いたポリエステルポリオール、多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いたポリエーテルポリオールなどを挙げることができる。
前記方法2)の可塑剤としては、例えば安息香酸エステル系の可塑剤等を挙げることができる。
前記方法1)の液状のポリヒドロキシ化合物としては、例えば多価アルコールとして2−メチル1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の側鎖を有する化合物を用いたポリエステルポリオール、多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いたポリエーテルポリオールなどを挙げることができる。
前記方法2)の可塑剤としては、例えば安息香酸エステル系の可塑剤等を挙げることができる。
本発明では前記の有機ポリイソシアネート及びポリヒドロキシ化合物以外に、各種添加剤、例えばウレタン化触媒、可塑剤、充填剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤及び酸化防止剤等を添加することができる。
本発明に於いて使用される上記化合物や添加剤については、すべて2種以上併用することが可能である。
本発明に使用するホルムアルデヒド捕捉剤として一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物(A)を用いることにより、物性を維持しつつ、効果的にポリウレタンゲルからのホルムアルデヒド放散量を削減することができるものである。
R7−NH−Y (3)
一般式(3)中、R7は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アミノ基、フェニル基、カルボキシル基、ウレタン結合を有する1価の官能基及び−NHNH−R8を表すものである。但しR8は、水素原子又はアルキル基である。Yは−NH−、−CO−NH−又は−COO−を含む1価の官能基を表す。またR7とYとは結合して環を形成していてもよいものである。
一般式(1)で表される化合物としては、例えばアセチルアセトン、N,N−ジメチルアセトアセテート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアニリド等が挙げられる。これらのうち、アセチルアセトンが好ましい。
また一般式(2)で表される化合物としては、例えばアセチルアセトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物としては、Yが−NH−、−CO−NH−又は−COO−を含む1価の官能基である、分子骨格中に尿素結合を有する化合物、ウレタン結合を有する化合物、ヒドラジド化合物が好ましい。
分子骨格中に尿素結合を有する化合物としては、例えば尿素、モノメチル尿素、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、ジメチル尿素、ジフェニル尿素、メチレン尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、アルコシキメチル尿素等の尿素等が挙げられる。
分子骨格中に尿素結合を有する化合物としては、例えば尿素、モノメチル尿素、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、ジメチル尿素、ジフェニル尿素、メチレン尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、アルコシキメチル尿素等の尿素等が挙げられる。
分子骨格中にウレタン結合を有する化合物としては、ビニルウレタン化合物、トリレンジイソシアネート(TDI)のジオクチルカーバメート等が挙げられる。
またヒドラジド化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
前記化合物(A)は単独又は2種以上混合して用いても良い。
またヒドラジド化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
前記化合物(A)は単独又は2種以上混合して用いても良い。
化合物(A)の含有量は、有機イソシアネート化合物もしくはウレタンプレポリマーとポリヒドロキシ化合物およびその他の助剤の合計重量100部に対し、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜10重量%が特に好ましい。0.01重量%を満たさない量であると十分なホルムアルデヒド捕捉機能が果たせず効果が得られない。逆に10重量%を超える量であると十分な物性を保つことが困難となる。
化合物(A)の添加方法は、特に限定されるものではない。ポリウレタンゲルを製造する前にポリヒドロキシ化合物、ポリイソシアネート化合物もしくはウレタンプレポリマー、必要に応じて任意に添加される他の成分のいずれに、このホルムアルデヒド捕捉剤を添加してもかまわない。また、ポリウレタンゲル製造時に第三成分として混合しても良い。
本発明のポリウレタンゲルは以下の(i)〜(iii)の特性;
JIS A硬度が0〜20の範囲
圧縮永久歪みが15%よりも小さい
反発弾性が50%よりも小さい
ものであることが好ましい。これらの特性を有したポリウレタンゲルは十分な柔軟性、衝撃・振動緩和性、遅延回復性を備えたクッション材用材料として有用である。
JIS A硬度が0〜20の範囲
圧縮永久歪みが15%よりも小さい
反発弾性が50%よりも小さい
ものであることが好ましい。これらの特性を有したポリウレタンゲルは十分な柔軟性、衝撃・振動緩和性、遅延回復性を備えたクッション材用材料として有用である。
本発明のクッション材は、例えばエラストマー製フィルムからなる外皮材を敷設した型に流し込み、加熱架橋させても良いし、ポリウレタンゲルの表面にエラストマー製フィルムを貼り付けることにより得ることができる。また、前記合成樹脂層あるいはエラストマー製フィルムの厚みは、用途・目的に応じて選択されればよく、特に限定されるものではない。
本発明のクッション材としては、例えば外皮材としてエラストマー製の袋状フィルムにポリウレタンゲルを充填したクッション材、ゴムフォームやウレタンフォームなどの低反発軟質フォーム層と前記のクッション材とを接着層を介して接着積層されたクッション材などが挙げられる。これらのクッション材は、そのまま用いても良いし、これらをさらに複数積層させたものでも構わない。
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、これらに限定するものではない。また、文中の「部」、「%」は重量基準であるものとする。又、分子量とは水酸基価から計算した数平均分子量を指すものとする。
ポリウレタンゲルについて、硬度、反発弾性及び圧縮永久歪みを以下に示す方法で試験した。結果を表1に示した。
<硬度>
後記実施例で得られたポリウレタンゲルを試験片として、アスカー社製の手持ち式の硬度計を用いて測定した。スケールはアスカーCを使用した。
後記実施例で得られたポリウレタンゲルを試験片として、アスカー社製の手持ち式の硬度計を用いて測定した。スケールはアスカーCを使用した。
<反発弾性>
後記実施例で得られたポリウレタンゲルを試験片として、JIS K−7312「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に準拠して測定した。
後記実施例で得られたポリウレタンゲルを試験片として、JIS K−7312「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」に準拠して測定した。
<圧縮永久歪み>
後記実施例で得られたポリウレタンゲルを試験片として、JIS K−7312に準拠して測定した。測定条件は23℃で72時間、圧縮率25%であった。
後記実施例で得られたポリウレタンゲルを試験片として、JIS K−7312に準拠して測定した。測定条件は23℃で72時間、圧縮率25%であった。
[合成例1]
ポリプロピレングリコール(分子量2000)500部、グリセリンのプロピレンオキシド付加物(分子量3000)500部に、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製 コロネートT−80)175部(NCO/OH=2)を攪拌しながら投入し、80℃で4時間反応させて末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は7500mPa・sであった。
ポリプロピレングリコール(分子量2000)500部、グリセリンのプロピレンオキシド付加物(分子量3000)500部に、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製 コロネートT−80)175部(NCO/OH=2)を攪拌しながら投入し、80℃で4時間反応させて末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は7500mPa・sであった。
[合成例2]
ポリプロピレングリコール(分子量400)130部、ポリプロピレングリコール(分子量1000)650部、プロピレングリコールのエチレンオキシド付加物(分子量4000)220部に、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)(住化バイエルウレタン製 デスモジュールW)1350部(NCO/OH=5)を攪拌しながら投入し、その後、ウレタン化触媒としてオクチル酸スズを0.5部添加し、80℃で4時間反応させて末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は2500mPa・sであった。
ポリプロピレングリコール(分子量400)130部、ポリプロピレングリコール(分子量1000)650部、プロピレングリコールのエチレンオキシド付加物(分子量4000)220部に、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(=水添MDI)(住化バイエルウレタン製 デスモジュールW)1350部(NCO/OH=5)を攪拌しながら投入し、その後、ウレタン化触媒としてオクチル酸スズを0.5部添加し、80℃で4時間反応させて末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。得られたプレポリマーは液状で25℃での粘度は2500mPa・sであった。
[実施例1]
合成例1で得られた末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100部に、グリセリンのプロピレンオキシド/エチレンオキシド付加物(分子量6200)220部、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.2部、ホルムアルデヒド捕捉剤としてアセチルアセトンを5部添加してよく攪拌混合した。次いで、減圧下に完全に脱泡した後、金型に注入し、80℃で1時間加熱、さらに70℃で15時間加熱してウレタンゲル成型品を得た。このウレタンゲル成型品を1日室温で放置した後、JIS K−5601−4−1デシケーター法によりホルムアルデヒド拡散量を測定した。結果を表−1に示した。
合成例1で得られた末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100部に、グリセリンのプロピレンオキシド/エチレンオキシド付加物(分子量6200)220部、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.2部、ホルムアルデヒド捕捉剤としてアセチルアセトンを5部添加してよく攪拌混合した。次いで、減圧下に完全に脱泡した後、金型に注入し、80℃で1時間加熱、さらに70℃で15時間加熱してウレタンゲル成型品を得た。このウレタンゲル成型品を1日室温で放置した後、JIS K−5601−4−1デシケーター法によりホルムアルデヒド拡散量を測定した。結果を表−1に示した。
[比較例1]
ホルムアルデヒド捕捉剤を添加しない以外は、実施例1と同様にしてポリウレタンゲル状成型品を作製した。結果を表−1に示した。
ホルムアルデヒド捕捉剤を添加しない以外は、実施例1と同様にしてポリウレタンゲル状成型品を作製した。結果を表−1に示した。
[実施例2]
合成例2で得られた末端イソシアネート基を有するプレポリマー50部にポリプロピレントリオール(分子量3000)65部、ポリプロピレングリコール(分子量3200)83部、ポリプロピレングリコール(分子量1000)37部、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.5部、ホルムアルデヒド捕捉剤としてアセチルアセトンパーオキサイド1部を添加し混合した以外は、実施例1と同様にして液状樹脂組成物を金型に注入、熱硬化させポリウレタンゲル成型品を得た。結果を表−1に示した。
合成例2で得られた末端イソシアネート基を有するプレポリマー50部にポリプロピレントリオール(分子量3000)65部、ポリプロピレングリコール(分子量3200)83部、ポリプロピレングリコール(分子量1000)37部、ウレタン化触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.5部、ホルムアルデヒド捕捉剤としてアセチルアセトンパーオキサイド1部を添加し混合した以外は、実施例1と同様にして液状樹脂組成物を金型に注入、熱硬化させポリウレタンゲル成型品を得た。結果を表−1に示した。
[比較例2]
ホルムアルデヒド捕捉剤を添加しない以外は、実施例2と同様にしてポリウレタンゲル成型品を作製した。結果を表−1に示した。
ホルムアルデヒド捕捉剤を添加しない以外は、実施例2と同様にしてポリウレタンゲル成型品を作製した。結果を表−1に示した。
Claims (4)
- 一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)の存在下で有機イソシアネート化合物及び/又は末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(B)とポリヒドロキシ化合物(C)とを反応させて得られるポリウレタンゲル。
R7−NH−Y (3)
(式中、R7は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アミノ基、フェニル基、カルボキシル基、ウレタン結合を有する1価の官能基及び−NHNH−R8を表す。但しR8は、水素原子又はアルキル基である。Yは−NH−、−CO−NH−又は−COO−を含む1価の官能基を表す。またR7とYとは結合して環を形成していてもよい。 ) - 前記一般式(1)で表される化合物が、アセチルアセトンである請求項1記載のポリウレタンゲル。
- 前記一般式(2)で表される化合物が、アセチルアセトンパーオキサイドである請求項1記載のポリウレタンゲル。
- 前記ポリウレタンゲルを用いてなるクッション材。
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JP2004016964A JP2005206754A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | ポリウレタンゲル及びクッション材 |
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JP2004016964A JP2005206754A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | ポリウレタンゲル及びクッション材 |
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ID=34901950
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Cited By (3)
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-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004016964A patent/JP2005206754A/ja active Pending
Cited By (5)
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JP2018517826A (ja) * | 2015-06-16 | 2018-07-05 | エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH | ポリウレタンフォーム用のアルデヒド捕捉剤 |
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JP2022513670A (ja) * | 2018-12-21 | 2022-02-09 | ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー | 放出アルデヒドが低減化されたフォームの製造に適した反応混合物 |
JP7337162B2 (ja) | 2018-12-21 | 2023-09-01 | ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー | 放出アルデヒドが低減化されたフォームの製造に適した反応混合物 |
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