JP2005206704A - 光半導体素子部品用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光半導体素子封止材料あるいは収納パッケージ部品材料として、高い光線透過率を有し、長時間の光照射においても光線透過率を保持し、しかも、耐熱性にも優れた光半導体素子部品用樹脂組成物を提供することを課題としている。
【解決手段】(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂を含有する樹脂組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有することを特徴とする光半導体素子部品用樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂を含有する樹脂組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有することを特徴とする光半導体素子部品用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光ダイオード等の光半導体素子部品に使用される樹脂組成物に関する。
近年、LEDやホトダイオードといった光半導体素子はその優れた省電力性に着目して、次世代の照明光源として期待されている。LED等を照明として使用する場合には、高い照度が必要であり、光半導体自体の封止あるいは光半導体素子を搭載する収納パッケージ部品には高い光透過性と反射性を有し、しかも、青色光、紫色光といった高エネルギーの短波長光に長時間暴露されても、着色しない耐光性が求められている。
従来からこれらの用途においては、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂、ポリカーボネート等が使用されてきた。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、脂環式エポキシ樹脂と、可撓性エポキシ樹脂と、酸無水物、メタクリル酸系リン酸エステルを含有する透明性エポキシ樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
しかし、上記のビスフェノール型エポキシ樹脂はその分子中にビスフェノールA由来の骨格を有するため、硬化物が初期に着色しているおそれがある上に、耐光性が悪いため、LED等の光半導体素子部品として長時間使用した際に光透過性が低下したり、変色したりするおそれがあった。
しかし、上記のビスフェノール型エポキシ樹脂はその分子中にビスフェノールA由来の骨格を有するため、硬化物が初期に着色しているおそれがある上に、耐光性が悪いため、LED等の光半導体素子部品として長時間使用した際に光透過性が低下したり、変色したりするおそれがあった。
また、上記の硬化物の初期着色や耐光性を改良するために、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、多価カルボン酸や多価カルボン酸無水物等からなる群より選ばれる少なくとも一種の硬化剤と、さらに、酸化防止剤を含有する光半導体封止用樹脂組成物が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
上記の光半導体封止用樹脂組成物は、確かに、初期の光線透過率や紫外線光照射後の透過率の保持は改良されているが、特に照明用途等の高い照度が必要とされる場合には、その光線透過率や紫外線光照射後の透過率の保持は十分とは言えなかった。
上記の光半導体封止用樹脂組成物は、確かに、初期の光線透過率や紫外線光照射後の透過率の保持は改良されているが、特に照明用途等の高い照度が必要とされる場合には、その光線透過率や紫外線光照射後の透過率の保持は十分とは言えなかった。
そこで本発明では、光半導体素子封止材料あるいは収納パッケージ部品材料として、高い光線透過率を有し、長時間の光照射においても該透過率を保持し、しかも、耐熱性にも優れた光半導体素子部品用樹脂組成物を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、この発明にかかる光半導体素子部品用樹脂組成物では、(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂を含有する樹脂組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有することが特徴である。上記(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有することにより、光半導体素子部品用樹脂組成物を光半導体素子封止材料あるいは収納パッケージ部品材料等に使用した際に、高い照度を達成することができ、しかも、光半導体素子部品の耐熱性も高くなる。
また、上記(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂の硬化物の光線透過率が80%を超える範囲であることが、半導体素子部品用樹脂組成物を使用した際に、さらに高い照度を達成することができることから好ましい実施態様である。
さらに、上記重合性モノマーが、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートを含有することが、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の耐熱性が高くなるとともに耐光性を向上することができる。。
なお、本発明において光線透過率とは、(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂の厚さ2mmの硬化物に、発光ダイオードの代表的な発光波長帯である波長450nm〜750nmの範囲の光を照射した際の厚み方向の光線透過率を表す。
本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物は、上述の構成よりなるので、光半導体素子部品に使用した際に、高い照度を達成することができる。また、長時間の光照射においても照度は低下することなく、しかも、耐熱性にも優れている。
本発明者等は、光半導体素子の封止材料あるいは光半導体素子を搭載する収納パッケージ部品用材料について鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂を含有する樹脂組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有することにより、光半導体素子部品用樹脂組成物を光半導体素子部品に使用した際に、高い照度を達成することができ、長時間の光照射においても照度が低下することなく、しかも、耐熱性や成形性も優れることを見出し、上記の課題をみごとに解決できることに想倒した。
本発明の樹脂は(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーからなる混合物である。
上記の樹脂における(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの割合としては、(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比((メタ)アクリル重合体/重合性モノマー)で90/10〜10/90の範囲内が好ましい。(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比のより好ましい上限値は80/20であり、70/30がさらに好ましい。また、(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比のより好ましい下限値は20/80であり、30/70がさらに好ましい。(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比が90/10よりも大きい場合には、樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が悪くなるおそれがある。一方、(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比が10/90よりも小さい場合には、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の強度が低くなるおそれがある。
上記の樹脂における(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの割合としては、(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比((メタ)アクリル重合体/重合性モノマー)で90/10〜10/90の範囲内が好ましい。(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比のより好ましい上限値は80/20であり、70/30がさらに好ましい。また、(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比のより好ましい下限値は20/80であり、30/70がさらに好ましい。(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比が90/10よりも大きい場合には、樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が悪くなるおそれがある。一方、(メタ)アクリル重合体と重合性モノマーの重量比が10/90よりも小さい場合には、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の強度が低くなるおそれがある。
本発明の樹脂組成物における樹脂の配合量は、15質量%〜99質量%の範囲内が好ましい。該樹脂の配合量が15質量%未満では、樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下するおそれがある。該樹脂の配合量のより好ましい割合は、20質量%〜90質量%の範囲内であり、30質量%〜80質量%の範囲内が最も好ましい。
本発明における(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を主成分とする単量体をラジカル重合により重合したポリマーであり、さらに分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有する重合体である。
本発明における(メタ)アクリル重合体の平均分子量は、数平均分子量(Mn)で8,000〜500,000の範囲内であることが好ましい。数平均分子量が8,000未満では得られた樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の強度が低下するおそれがあり、数平均分子量が500,000を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が低下するおそれがある。上記数平均分子量(Mn)のさらに好ましい下限は10,000であり。また、該数平均分子量(Mn)のさらに好ましい上限は100,000であり、50,000が最も好ましい上限である。
本発明における(メタ)アクリル重合体の重合性二重結合1個当たりの分子量は200〜10,000の範囲内であることが好ましい。重合性二重結合1個当たりの分子量が200未満では、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の強度が低下するおそれがあり、一方、10,000を超えると樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の耐久性が低下するおそれがある。上記重合性二重結合1個当たりの分子量は、1,000〜8,000の範囲内がさらに好ましく、2,000〜5,000の範囲内であることが最も好ましい。
本発明の(メタ)アクリル重合体において、分子内に二重結合の導入する方法としては、例えば、分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体のカルボキシル基とグリシジル(メタ)アクリレート等の重合性二重結合を有するエポキシ化合物とをエステル化触媒を用いて反応させる方法が挙げられる。
上記分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体としては、原料となる単量体成分としてカルボキシル基を含有する単量体を含むことにより得られる重合体である。上記のカルボキシル基を含有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
上記のカルボキシル基を含有する単量体の原料となる単量体成分中の割合としては、単量体成分の合計を100質量%として、0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。カルボキシル基を含有する単量体の割合が0.5質量%未満の場合には、二重結合の導入割合が少なくなるため、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の強度が低下するおそれがある。一方、上記割合が20質量%を超えると樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の耐久性が低下するおそれがある。カルボキシル基を含有する単量体の割合のさらに好ましい範囲は、1.0質量%〜15質量%であり、3.0質量%〜10質量%の範囲内が最も好ましい。
上記分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体のカルボキシル基を含有する単量体以外の原料となる単量体成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等のビニル単量体を単量体成分の一部として使用して主成分である(メタ)アクリロイル基を有する単量体と共重合することもできる。
本発明の(メタ)アクリル重合体の合成方法としては、一般的な重合反応を用いればよく、例えば、塊状重合(バルク重合)、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられる。上記重合反応の際の反応温度や反応時間等の反応条件は適宜設定すればよい。また、上記重合反応は、窒素雰囲気下で行うことが好ましく、さらに、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うことが好ましい。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトプロピオン酸、ドデシルメルカプタン、チオフェノール等のチオール化合物、α−スチレンダイマー、四塩化炭素等が挙げられる。
上記連鎖移動剤の添加量としては、連鎖移動剤の種類や原料となる単量体成分の種類により適宜設定すればよいが、例えば、単量体成分に対して0.1質量%〜15質量%の範囲内が挙げられる。
上記重合反応においては、重合開始剤を使用することが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
本発明における重合性モノマーとしては、ラジカル重合反応をすることより、(メタ)アクリル重合体とともに硬化物を形成するものであり、同時に希釈剤として作用し、樹脂組成物の粘度を下げて作業性を向上させるものである。
本発明における重合性モノマーとしては、ラジカル重合反応をすることより、(メタ)アクリル重合体とともに硬化物を形成するものであり、同時に希釈剤として作用し、樹脂組成物の粘度を下げて作業性を向上させるものである。
本発明の重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル重合体の原料としての単量体成分で例示したものと同様のモノマーを使用することができる。さらに、多官能重合性モノマーも使用することができる。
本発明の重合性モノマーとしては、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートを必須成分として含有することが好ましい。該多官能(メタ)アクリレートを必須成分とすることにより、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の耐熱性や耐光性が向上する。
本発明の重合性モノマーにおける、上記の少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートの割合は、10質量%〜90質量%の範囲内が好ましい。該多官能(メタ)アクリレートの含有量が10質量%未満では、樹脂組成物から得られた光半導体素子部品の耐光性が低下するおそれがある。また、90質量%を超えると樹脂組成物の粘度が高くなり作業性が低下するおそれがある。
上記の割合のより好ましい範囲は、20質量%〜80質量%の範囲内であり、30質量%〜70質量%の範囲内が最も好ましい。
本発明における2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂の硬化物は、その光線透過率が80%を超える範囲であることが好ましい。該樹脂の硬化物の光線透過率が80%以下では、光半導体素子部品用樹脂組成物を用いてなる光半導体素子の照明としての照度が低下するおそれがある。該樹脂の硬化物の光線透過率は85%以上がより好ましく、90%以上が最も好ましい。
上記樹脂の硬化物の光線透過率を決定する方法としては、2mmの間隔を有する所定のケース中で、80℃−2時間、110℃−2時間加熱硬化させて作製した厚さ2mmの硬化物に、分光光度計を用いて波長450nm〜750nmの範囲の光を照射した際の厚み方向の光線透過率を測定して決定する。
本発明における樹脂および、樹脂組成物を硬化させるために、硬化剤を配合することが好ましい。上記硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジメチルプロピルパーオキシイソプロピルカーボネート等の過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
上記の硬化剤の使用量は、樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲内が好ましい。硬化剤の使用量が0.1質量部未満では、硬化が十分に進行しないおそれがある。また、使用量が10質量部を超えると樹脂組成物の可使時間が短くなり、作業性が低下するおそれがある。硬化剤のより好ましい下限は0.5質量部であり、0.8質量部がさらに好ましく、より好ましい上限は5質量部であり、3質量部がさらに好ましい。
本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物は、得られる光半導体素子部品の耐熱性を向上させるために、酸化防止剤を配合することが好ましい、該酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が使用でき、例えば、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tブチル−ハイドロキノン、2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−tブチルフェノール)、4,4´−チオビス(3−メチル−6−tブチルフェノール)、ジラウリル3,3´−チオジプロピオネート、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。
上記酸化防止剤の配合量は、本発明の樹脂の100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部の範囲内が好ましく、0.1質量部〜1質量部の範囲内がより好ましい。
本発明における樹脂組成物には、樹脂や硬化剤、酸化防止剤以外に、さらに必要に応じて、その他の化合物や副資材を含んでいてもよい。
上記その他の化合物や副資材としては、例えば、溶剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、着色顔料、染料、可塑剤、酢酸ビニルポリマーやポリエステル等の低収縮化剤、エラストマー、硬化促進剤、硬化遅延剤、ガラスフリット、微粒子ガラスやシリカ粒子等のフィラー等が挙げられる。
その他の化合物や副資材の量は、発明の効果を損なわない範囲であれば良く、樹脂組成物中の0.01質量%〜85質量%の範囲内が好ましい。
本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物を発光ダイオードの封止用樹脂として使用した場合の具体例を示す。エポキシ樹脂等に白色系顔料及び、フィラーを配合して、銅箔を片面あるいは両面に設置して成形した樹脂基材を、エッチング処理により不要な銅箔を除去することにより回路を形成し、さらに、ボンディングパット用金メッキを施して樹脂基板を得た。該樹脂基板上に発光ダイオードベアチップを搭載してワイヤーボンディングした後、該ベアチップを封止するために本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物をモールドして加熱硬化することにより、発光ダイオード照明を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下ことわりのない場合、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ示すものとする。
実施例1
温度計、冷却管、ガス導入管、および攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル60部と、カルボキシル基を含有する単量体としてメタクリル酸4部、トルエン30部を仕込んだ後、反応器内を窒素ガスに置換した。次に、上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、重合開始剤として2,2´‐アゾビスイゾブチロニトリル1部と、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4部を添加して、4時間重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体を得た。
温度計、冷却管、ガス導入管、および攪拌機を備えた反応器に、メタクリル酸メチル60部と、カルボキシル基を含有する単量体としてメタクリル酸4部、トルエン30部を仕込んだ後、反応器内を窒素ガスに置換した。次に、上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温した後、重合開始剤として2,2´‐アゾビスイゾブチロニトリル1部と、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4部を添加して、4時間重合反応を行い、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体を得た。
次いで、上記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル重合体に、不飽和エポキシ化合物としてグリシジルメタクリレート6部と、エステル化触媒としてオクチル酸亜鉛0.03部と、重合禁止剤としてハイドロキノン0.01部を添加した後、100℃に昇温して、空気雰囲気下で5時間かけてエステル化反応を行った。これにより、分子内に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル重合体(1)を得た。得られた(メタ)アクリル重合体(1)は、重合性二重結合1個当たりの分子量は1,250、数平均分子量は17,000であった。
さらに、上記分子内に重合性二重結合を有する(メタ)アクリル重合体に、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート40部を配合して、減圧留去によりトルエンを除去後、メタクリル酸メチル40部を配合して樹脂(1)を得た。
該樹脂に、硬化剤としてパーブチルO(商品名、日本油脂社製)1.5部を配合したものを、2mmのスペーサーを挟んだガラス板で作製したケースに入れ、80℃−2時間、110℃−2時間加熱して、厚さ2mmの硬化物を得た。該硬化物を波長450nm〜750nmの範囲の光を照射して、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ90%〜92%であった。
上記で得られた樹脂(1)100部に、パーブチルOを1.0部、酸化防止剤としてトリス(ノニルフェニル)ホスファイト0.5部を配合して、本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物(1)を得た。該樹脂組成物(1)の粘度は、1,450mPa・sであった。
実施例2
実施例1において、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート40部にかえて、ネオペンチルグリコールジメタクリレート40部を配合して樹脂(2)を得た。実施例1と同様にして、硬化物を作製し、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ90%〜92%であった。
実施例1において、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート40部にかえて、ネオペンチルグリコールジメタクリレート40部を配合して樹脂(2)を得た。実施例1と同様にして、硬化物を作製し、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ90%〜92%であった。
さらに、実施例1と同様にして、本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物(2)を得た。該樹脂組成物(2)の粘度は、1,680mPa・sであった。
比較例1
分子内に重合性二重結合を持たない(メタ)アクリル重合体として、スミペックLG−6A(商品名、住友化学工業社製、50%メタクリル酸メチル溶液)80部に、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート20部を配合して、比較の樹脂(1)を得た。実施例1と同様にして、硬化物を作製し、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ68%〜70%であった。
分子内に重合性二重結合を持たない(メタ)アクリル重合体として、スミペックLG−6A(商品名、住友化学工業社製、50%メタクリル酸メチル溶液)80部に、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート20部を配合して、比較の樹脂(1)を得た。実施例1と同様にして、硬化物を作製し、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ68%〜70%であった。
さらに、実施例1と同様にして、比較の樹脂組成物(1)を得た。
比較例2
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エポトートYD−128、東都化成社製)100部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名:リカシッドMH−700、新日本理化社製)100部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1部を配合して、比較の樹脂(2)を得た。該比較の樹脂(2)を実施例1と同様のケースに入れ、100℃−2時間、120℃−2時間加熱して、厚さ2mmの硬化物を得た。該硬化物を波長450nm〜750nmの範囲の光を照射して、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ、69%〜71%であった。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エポトートYD−128、東都化成社製)100部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名:リカシッドMH−700、新日本理化社製)100部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1部を配合して、比較の樹脂(2)を得た。該比較の樹脂(2)を実施例1と同様のケースに入れ、100℃−2時間、120℃−2時間加熱して、厚さ2mmの硬化物を得た。該硬化物を波長450nm〜750nmの範囲の光を照射して、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ、69%〜71%であった。
さらに、得られた比較の樹脂(2)100部に、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト0.5部を混合して比較の樹脂組成物(2)を得た。
比較例3
グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体(商品名:ブレンマーCP−50M、日本油脂社製)100部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名:リカシッドMH−700、新日本理化社製)100部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1部を配合して、比較の樹脂(3)を得た。比較例2と同様にして、硬化物を作製し、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ、77%〜79%であった。
グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体(商品名:ブレンマーCP−50M、日本油脂社製)100部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名:リカシッドMH−700、新日本理化社製)100部、トリスジメチルアミノメチルフェノール1部を配合して、比較の樹脂(3)を得た。比較例2と同様にして、硬化物を作製し、厚み方向の光線透過率を分光光度計で測定したところ、77%〜79%であった。
さらに、比較例1と同様にして、比較の樹脂組成物(3)を得た。
評価方法
得られた光半導体素子部品用樹脂組成物(1)〜(2)および比較の樹脂組成物(1)〜(3)を、それぞれ樹脂の硬化物を得たのと同様の方法により厚さ2mmの硬化物を作製し、以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
得られた光半導体素子部品用樹脂組成物(1)〜(2)および比較の樹脂組成物(1)〜(3)を、それぞれ樹脂の硬化物を得たのと同様の方法により厚さ2mmの硬化物を作製し、以下の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
(1)耐光性試験
上記の硬化物をスーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製)で63℃(BPT)・50%RH、照度180W/m2の条件で試験を行い、所定時間毎の波長450nm〜750nmの光線透過率を測定した。
上記の硬化物をスーパーキセノンウェザーメータ(スガ試験機社製)で63℃(BPT)・50%RH、照度180W/m2の条件で試験を行い、所定時間毎の波長450nm〜750nmの光線透過率を測定した。
(2)耐熱試験
上記の硬化物を150℃のオーブン中に入れ、72時間後の波長450nm〜750nmの光線透過率を測定した。
上記の硬化物を150℃のオーブン中に入れ、72時間後の波長450nm〜750nmの光線透過率を測定した。
(3)光度
上記樹脂組成物を用いて、AlGaAs(ピーク波長660nm)の発光ダイオード半導体素子を大きさφ5の砲弾型に硬化封止し、電圧1.9V、電流20mAでの光度を測定した。ただし、1,000mcd(1cd)の光源から1m先を照らす明るさが1ルクス(照度)であり、照度=光度/(照らす物体までの距離)2の関係式で表される。
上記樹脂組成物を用いて、AlGaAs(ピーク波長660nm)の発光ダイオード半導体素子を大きさφ5の砲弾型に硬化封止し、電圧1.9V、電流20mAでの光度を測定した。ただし、1,000mcd(1cd)の光源から1m先を照らす明るさが1ルクス(照度)であり、照度=光度/(照らす物体までの距離)2の関係式で表される。
表1から明らかなように、実施例1〜2の光半導体素子部品用樹脂組成物は、(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有する(メタ)アクリル重合体であるため、樹脂の硬化物の光線透過率も高く、該樹脂組成物で封止した発光ダイオードの光度も高くなる。また、耐光性試験や耐熱試験においても光透過性が低下しないので、高い光度を保つことができる。一方、比較例1の樹脂組成物では、(メタ)アクリル重合体が分子内に重合体二重結合を持たないため、樹脂の硬化物の光線透過率が低く、該樹脂組成物で封止した発光ダイオードの光度も低くなる。さらに、比較例2や比較例3の汎用エポキシ樹脂や部分的に(メタ)アクリル骨格を有するエポキシ樹脂では、該樹脂の硬化物の光線透過率が低いため、該樹脂組成物で封止した発光ダイオードの光度は低く、また、耐光性試験や耐熱試験においても光透過性が大きく低下するため、光度の低下も大きいものであった。
本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物は、樹脂の硬化物の光線透過率が80%を越えるため、光半導体素子部品に使用した際に、高い照度を達成することができる。また、長時間の光照射においても照度は低下することなく、しかも、耐熱性や成形性にも優れている。したがって、本発明の光半導体素子部品用樹脂組成物は、発光ダイオード等の光半導体素子の封止材料や光半導体素子を搭載する収納パッケージ部品用材料、集光レンズをはじめとする用途に有効に利用することができる。
Claims (3)
- (メタ)アクリル重合体と、重合性モノマーからなる樹脂を含有する樹脂組成物であって、該(メタ)アクリル重合体が分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有することを特徴とする光半導体素子部品用樹脂組成物。
- 前記樹脂の硬化物の光線透過率が80%を超える範囲である請求項1に記載の光半導体素子部品用樹脂組成物。
- 前記重合性モノマーが、少なくとも2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有し、脂肪族および/または脂環族多価アルコールの残基を有する多官能(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1または2記載の光半導体素子部品用樹脂組成物。
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JP2004015073A JP2005206704A (ja) | 2004-01-23 | 2004-01-23 | 光半導体素子部品用樹脂組成物 |
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CN101685843B (zh) * | 2008-09-26 | 2011-03-23 | 财团法人工业技术研究院 | 封装发光二极管的方法 |
JP2018160635A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | ローム株式会社 | 半導体発光装置 |
-
2004
- 2004-01-23 JP JP2004015073A patent/JP2005206704A/ja active Pending
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