JP2005206572A - 一剤型重炭酸透析用固形剤及びその製造方法 - Google Patents

一剤型重炭酸透析用固形剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重炭酸透析液を調製するために必要なクエン酸塩等を含む電解質、ブドウ糖、pH調整剤及び重炭酸ナトリウムを含む一剤型重炭酸透析用固形剤において、製造段階においても、保存時においてもブドウ糖及び重炭酸ナトリウムが安定に存在し、分解や着色の恐れが無く、保存安定性、含量均一性更には防湿性に優れ、医療現場での作業性が極めて良好な一剤型重炭酸透析用固形剤の提供。
【解決手段】塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを含む一剤型重炭酸透析用固形剤において、薄膜X線回折で2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩を含む被覆層で重炭酸ナトリウムが母粒子として覆われていることを特徴とする一剤型重炭酸透析用固形剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、腎不全患者の透析療法に使用される重炭酸透析液調製用の一剤型重炭酸透析用固形剤に関し、詳しくは、造粒の際に母核となる粒子である母粒子の表面が、特定の塩を含み、好ましくは融着状である被覆層で覆われた、防湿性、安定性、含量均一性、流動性、溶解性に優れた一剤型重炭酸透析用固形剤及び、その生産性に優れた製造方法に関する。
透析療法は、腎不全患者の治療法として確立されており、老廃物の除去、電解質の調節等を目的に定期的な永続的治療として行われている。透析療法に用いられる透析液は、正常な血清電解質濃度に類似した組成を持つように作成されており、近年では生体に負担の少ない重炭酸透析剤が用いられている。重炭酸透析液は、重炭酸ナトリウムが塩化カルシウムや塩化マグネシウムと反応して炭酸塩の沈殿を生じるため、一般的に塩化カルシウムや塩化マグネシウムを含み重炭酸ナトリウムを含まない製剤(A剤)と重炭酸ナトリウムを含み塩化カルシウムや塩化マグネシウムを含まない製剤(B剤)の2剤に分けられており、使用直前にそれぞれが溶解、希釈混合されて重炭酸透析液が調製される。
現在、血液透析で使用されている主な製剤の形式は、A濃厚原液+B濃厚原液の「液液タイプ」、A濃厚原液+B粉末剤(重炭酸ナトリウム)の「液粉タイプ」、A粉末剤+B粉末剤の「粉粉タイプ」の3種類がある。「液液タイプ」、「液粉タイプ」のうち濃厚原液の製剤は、通常ポリエチレン製の容器に10kg前後の濃厚液が充填されているため容器の嵩が大きく重量があり、輸送、搬入、保管スペース、取り扱い方法、使用済み容器の廃棄等について、種々の課題を抱えていたが、現在は「粉粉タイプ」の普及によりこれらの課題が大幅に改善されている。
しかし、粉末化された「粉粉タイプ」といえども、やはり液剤の時と同様にA剤とB剤の2剤に分かれたものであり、ハンドリングの面から考えると、まだ十分とは言えない状態である。そこで、更に病院での作業効率向上のため、A剤とB剤を1つにする一剤型の粉末製剤が開発されるようになってきた。
例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3では、各原料をあらかじめ粉砕し、水もしくはブドウ糖水溶液を噴霧しながら、多層構造を有する積層型製剤の製造方法が開示されている。これらの製造方法はいずれも、原料の粉砕、噴霧コーティングと乾燥を何度も繰り返すなど生産工程が煩雑であり、エネルギー原単位を著しく悪化させており現実的ではない。また、多量の水を必要とするため、製造時に重炭酸塩やブドウ糖が分解する恐れがある。さらに、スプレードライ法の製剤はコーティング層が脆く、医療現場において粉立ち等により作業環境を悪化させる原因となる。また、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に開示される製剤は、最外層が重炭酸塩であり、溶解時にアルカリ性である重炭酸塩から順次溶解していくため難溶性の炭酸塩を生成するので好ましくない。
また、特許文献4では、塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物に塩化カルシウムと塩化マグネシウムの水溶液を添加し混合後、更にクエン酸ナトリウムを添加し混合したものを、乾燥、篩過して造粒物を得、これにブドウ糖、クエン酸及び重炭酸ナトリウムを配合する製造方法が開示されている。しかしこの方法では、造粒途中において内容物に強い粘性が生じて設備へ付着するため、含量均一性や収率が低下し、作業性が著しく悪化する。また、造粒の際に多量の水を必要とするためエネルギー原単位が悪化するなどの欠点がある。さらに、この製造方法によって得られる製剤は、酸成分とアルカリ成分、またブドウ糖とアルカリ成分が直接接触するので、保存安定性が低下するという問題もある。また、吸湿性の高い塩化マグネシウムや塩化カルシウムが粒子表面に付着しているので吸湿性が高くなり固結の要因となる。
また、特許文献5及び特許文献6では、重炭酸ナトリウムを塩化ナトリウムや塩化カリウムまたは酢酸ナトリウムでコーティングした製剤が開示されている。重炭酸ナトリウムを塩化ナトリウムや塩化カリウムまたは酢酸ナトリウムでコーティングする場合、これらの塩は吸湿性が高いため固結の要因となったり、重炭酸ナトリウムが分解する恐れがある。
特許第3415291号公報 特開平10−259133号公報 特開2000−26280号公報 特開平10−87478号公報 特開平10−330270号公報 特開2001−70440号公報
本発明の目的は、重炭酸透析液を調製するために必要なクエン酸塩等を含む電解質、ブドウ糖、pH調整剤及び重炭酸ナトリウムを含む一剤型重炭酸透析用固形剤において、製造段階においても、保存時においてもブドウ糖及び重炭酸ナトリウムが安定に存在し、分解や着色の恐れが無く、保存安定性、含量均一性、防湿性、流動性、溶解性に優れ、粉立ちも極めて少なく、静電気の発生を防止した作業性の極めて良好な一剤型重炭酸透析用固形剤及び、簡便で生産性に優れた新たな製造方法を提供する事にある。
本発明者らは、上記の目的を達成する為鋭意研究を重ねた結果、塩化カルシウムとブドウ糖とが存在する系において、少量の水の存在下で、攪拌温度と剪断力を所定範囲に設定し所定時間以上攪拌混合すると、複雑な造粒操作や特殊な設備を用いることなく、母粒子に、特定の塩を含み、好ましくは融着状の被覆層が形成され、上記の課題が達成される事を見出した。
即ち、本発明(1)は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを含む一剤型重炭酸透析用固形剤において、薄膜X線回折で2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩を含む被覆層で重炭酸ナトリウムが母粒子として覆われていることを特徴とする一剤型重炭酸透析用固形剤である。
また、本発明(2)は、顆粒状及び/又は細粒状である、前記発明(1)の一剤型重炭酸透析用固形剤である。
更に、本発明(3)は、薄膜X線回折で2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩が塩化カルシウムとブドウ糖との反応生成物である、前記発明(1)又は(2)の一剤型重炭酸透析用固形剤である。
また、本発明(4)は、該被覆層が融着状である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの一剤型重炭酸透析用固形剤である。
更に、本発明(5)は、透湿度(40℃、90%RH)2.0g/m2・24hr以下であり、背面電極効果を有する積層構造の防湿包材に収納されている、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの一剤型重炭酸透析用固形剤である。
また、本発明(6)は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを原料として含む一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法であって、下記〔1〕〜〔4〕の工程を含む方法である:
〔1〕重炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含む粉体及び/又は粒体に、水もしくは重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含有する溶解液を添加し、55℃以下の温度で撹拌混合して混合物(ここで、該混合物は、少なくとも重炭酸ナトリウムと塩化カルシウムとブドウ糖を含む)を得る工程;
〔2〕工程〔1〕の混合物を、該混合物1kgあたり0.003kW/kg以上の剪断力下、55℃以下の温度で1分以上撹拌造粒して顆粒状及び/又は細粒状の造粒物を得る工程;
〔3〕工程〔2〕の造粒物を乾燥する工程;および
〔4〕工程〔2〕の造粒物に、工程〔3〕の前あるいは後にpH調整剤を混合する工程。
尚、本明細書における「剪断力」は、以下式で算出された値をいう:
剪断力[kW/kg]={(負荷時の電流値[A]-無負荷時の電流値[A])/定格電流値[A]}×モーター容量[kW]/内容物重量[kg]
負荷時の電流値:攪拌造粒時における攪拌型混合造粒装置の攪拌モーターの電流値[A]
無負荷時の電流値:空運転時(攪拌造粒時と同回転数)における該装置の攪拌モーターの電流値[A]
定格電流値:該装置の攪拌モーターの定格電流値[A]
モーター容量:該装置の攪拌モーターのモーター容量[kW]
内容物重量:攪拌造粒時における該装置内の該混合物重量[kg]
更に、本発明(7)は、該溶解液の粘度が0.001〜2Pa・sである、前記発明(6)の一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法である。
また、本発明(8)は、水もしくは該溶解液中の水の量が、該粉体及び/又は粒体の重量の0.05〜5.0重量%である、前記発明(6)又は(7)の一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法である。
更に、本発明(9)は、該溶解液がブドウ糖と塩化マグネシウムを含む水溶液である、前記発明(6)〜(8)のいずれか一つの一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法である。
また、本発明(10)は、一剤型重炭酸透析用固形剤が、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの一剤型重炭酸透析用固形剤である、前記発明(6)〜(9)のいずれか一つの製造方法である。
本発明に係る固形剤は、薄膜X線回折で2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩(この塩を「該塩」という場合がある)を含む被覆層で重炭酸ナトリウムが母粒子として被覆された造粒物であり、他の例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の電解質、ブドウ糖の水溶液を噴霧して被膜形成を行う噴霧造粒方法などで製造された被膜(例えば図3に示したような被膜)に比べ、表面が緻密であるため(例えば、図1、図2、図7に示したような被覆)、外部要因の影響を受けにくく、耐摩耗性、防湿性、保存安定性に極めて優れており、更には、流動性も良好で、溶解性にも優れているため、医療現場での溶解操作の作業性が従来と比較して極めて良好であるという効果を奏する。
更には、本発明に係る固形剤の製造方法によれば、造粒中にブドウ糖及び重炭酸ナトリウムが分解や着色する危険性を回避できると共に、粉砕、篩などの煩雑な操作を必要とすることなく含量均一性に優れた一剤型重炭酸透析用固形剤を得ることができる。具体的には、本製法によると、本発明に係る固形剤は造粒終了時において、さらさらとした見かけ上乾燥した顆粒状及び/又は細粒状の造粒物となる為、次工程である移送、乾燥、混合等のハンドリングが極めて容易となる。
本発明に係る固形剤における被覆層が融着状である場合には、上記の効果が特に強く発揮される。
まず、本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤について説明する。本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤は、組成的には、各種電解質(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及びクエン酸塩)、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを含むものである。ここで使用するクエン酸塩は、好適にはクエン酸ナトリウムである。また、pH調整剤としては、薬理学的に許容される固体有機酸であれば特に制限されるものではなく、例えば、乳酸、クエン酸、りんご酸、二酢酸ナトリウム等を挙げることができ、これらを単独で乃至は複数組み合わせて用いてもよい。好適には、クエン酸である。
本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤の特徴は、特定の塩を含む被覆層で重炭酸ナトリウムが母粒子として覆われている点にある。
まず、はじめに本発明に係る被覆層につき説明する。該被覆層は、薄膜X線回折において、2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩を含む。ここで、該塩の必須成分の特定を消去法により行った結果、該塩が塩化カルシウムとブドウ糖との反応生成物を含むことが判明した。尚、該塩のピークの強弱は問わない。
通常、原料である塩化カルシウムは、ブドウ糖や重炭酸ナトリウムと共存するとこれらの分解を促進させ、著しく剤の保存安定性を劣化させる。また、塩化カルシウムと重炭酸ナトリウムが反応し、難溶性の炭酸塩を生成するため、固形剤溶解時に沈殿を生じさせたり、pHの上昇を引き起こす。しかし、本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤は、攪拌造粒工程において大半の塩化カルシウムがブドウ糖と特異的に反応して該塩として被覆層に含まれると推定されることから、ブドウ糖や重炭酸ナトリウムの分解を抑制し、また、難溶性の炭酸塩の生成も抑制される。更に、重炭酸ナトリウムが該被覆層で覆われているため、pH調整剤との直接的な接触を防ぐので、分解や炭酸塩の生成を抑えることができ、保存安定性に極めて優れている。また該塩を含む一剤型重炭酸透析用固形剤は、所定の水に溶解すれば所定の電解質イオン濃度及びブドウ糖濃度になることが確認されている。 尚、本発明に係る被覆層は、該塩以外の成分を含んでいてもよく、例えば、一剤型重炭酸透析用固形剤の原料成分である、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム及び/又はクエン酸塩を含んでいてもよい。
また更に、本発明に係る被覆層は融着状であるのが特に好ましい。先ず「融着状」とは、溶融物を固化させた時のような外観であることを意味し、「凝集状」ともいい得る。尚、外観が融着状であるという意であり、実際に融点以上に加熱して溶融させることを意味するものではない。また、非晶質状(これは、非晶質より構成されるという意ではなく、外観が非晶質であるように見えるさまを意味する)という表現も可能である。尚、全てが一体的に融着していなくともよく、表面や内部に粒子を含んでいる状態であってもよい。ここで、従来技術における製法(例えば噴霧造粒など)により形成される被覆層と本発明に係る「融着状被覆層」との違いをイメージ図をもって説明する。まず、従来技術における製法により形成される被覆層は、図3に示すように、無数の粒子Cが母粒子2′上に堆積したような構造となる。そして、図5に示すように、粒子Cと粒子Cは、結合剤Dを介して結合しているか、単に粒子上に乗った構造を採っていると理解される。他方、本発明に係る「融着状被覆層」は、図1に示すように、粒子が堆積したというよりも、大部分の粒子が融着して一体化してしまったかのような外観を有する。但し、大部分が一体化しているような外観であればよく、図2や図4に示すように被覆層1の表面や内部に、融着状態にない粒子Aが存在していても、本発明にいう「融着状被覆層」に該当する。
したがってこのような被覆層は、図1、図2、図7に示すように表面が特に緻密であり、発塵しにくい。
また本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤は、吸湿性の高い塩化マグネシウムを含んでいるにも関わらず、防湿性に優れ、造粒終了時においても、さらさらとした流動性の良い造粒物となるが、これは、塩化マグネシウムが造粒物の表面に、付着・堆積しているのではなく、より強固な融着状被覆層中に含まれている為と思われる。したがって本固形剤は、製造時におけるハンドリングが容易であり、含量均一性、保存安定性に優れている。
次に、本発明に係る母粒子につき説明する。本発明に係る母粒子は、重炭酸ナトリウムを含み、かつ重炭酸ナトリウム以外の原料成分の1種以上を含んでいる他は特に限定されない。例えば、重炭酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる母粒子、重炭酸ナトリウム及び塩化ナトリウム以外の成分(例えば、塩化カリウム、クエン酸塩、ブドウ糖、pH調整剤)からなる母粒子、又は重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び塩化ナトリウム以外の成分からなる母粒子を挙げることができる。尚、例えば、実施例においては、大半の粒子の母粒子は塩化ナトリウムと重炭酸ナトリウムからなり、残りの粒子の母粒子は他の原料成分からなる。尚、本発明において使用する重炭酸ナトリウムは、全量が母粒子として存在するのが好ましいが、本発明の効果を奏する限り、一部が被覆層に存在しても良い。
以上述べたように、該塩を含む被覆層で重炭酸ナトリウムが母粒子として覆われている限り、例えば、塩化ナトリウムが被覆層に含まれていても、ブドウ糖が母粒子に含まれていても、更には、一剤型重炭酸透析用固形剤の原料成分や反応生成物が、母粒子・被覆層のいずれに含まれていても、或いは両方に含まれていても構わない。ただし、塩化マグネシウムは被覆層に含まれるのが好ましい。
本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤は、典型的には、顆粒状及び/又は細粒状の造粒物である。そして、その平均粒径は、約200〜800μmであり、被覆層の厚さは5〜70μmであることが好適である。ここで、該造粒物は、母粒子の表面に被覆層が形成された単独の粒子であってもよいし、複数の被覆された母粒子が被覆層を介して結合したものであってもよい。造粒物のうち単独の粒子の形状は、やや丸みを帯びた立方体のものが中心である。他方、被覆層を介して結合したものは、数個の被覆された立方体状の粒子が結合した形状である。
次に、本発明に係る、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを原料として含む一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法につき説明する。本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法は、
〔1〕重炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含む粉体及び/又は粒体に、水もしくは重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含有する溶解液を添加し、55℃以下の温度で撹拌混合して混合物(ここで、該混合物は、少なくとも重炭酸ナトリウムと塩化カルシウムとブドウ糖を含む)を得る工程;
〔2〕工程〔1〕の混合物を、該混合物1kgあたり0.003kW/kg以上の剪断力下、55℃以下の温度で1分以上撹拌造粒して顆粒状及び/又は細粒状の造粒物を得る工程;
〔3〕工程〔2〕の造粒物を乾燥する工程;および
〔4〕工程〔2〕の造粒物に、工程〔3〕の前あるいは後にpH調整剤を混合する工程
を含む。
上記の工程〔1〕及び〔2〕を含むことにより、母粒子に前述のような被覆層を形成した、さらさらした顆粒状及び/又は細粒状の造粒物が生成され、この造粒物の乾燥前もしくは乾燥後にpH調整剤を混合することにより容易に製造することができる。すなわち、従来処方では成し得なかった重炭酸ナトリウムと塩化カルシウム、塩化マグネシウムが同時に存在する系においても、重炭酸ナトリウムの分解が抑制され、さらには難溶性の炭酸塩が生成せずに、含量均一性の高い一剤型重炭酸透析用固形剤を、原料の粉砕などの煩雑な工程を経ることなく極めて容易に得ることができる。ここで、さらさらした顆粒状及び/又は細粒状の造粒物とは、水分を約2〜5wt%含むにもかかわらず、流動性の良い、付着性・吸湿性の低い、見かけ上表面が乾燥した造粒物である。そのため、次工程である混合・移送等のハンドリングが極めて容易となる。以下に詳述する。
まず、本発明に係る「粉体及び/又は粒体」について説明する。本発明に係る「粉体及び/又は粒体」は、重炭酸ナトリウムを含み、かつ重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分の1種以上(塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ブドウ糖及びpH調整剤からなる原料群から選択される1種以上)を含む。加えて、該粉体及び/又は粒体は、基本的には乾燥形態にある。
ここで、「粉体及び/又は粒体」として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸塩、ブドウ糖、重炭酸ナトリウムを用いる場合、各粒子の粒子径は特に限定されるものではないが、各粒子径の差ができるだけ小さくなるような組み合わせが、均一性の保持という面からは好ましい。即ち、平均粒径は200〜600μm程度のものが好ましく、それぞれの粒子の平均粒径の差が、全粒子の平均粒径の30%以内になるような組み合わせが好ましい。但し、重炭酸ナトリウムの粒子径は、溶解時の結晶析出抑制や安定性向上を考慮し、その平均粒径は100μm〜500μmであり、好ましくは200μm〜400μmであり、さらに好ましくは250μm〜350μmである。また、塩化カルシウムの粒径は、該塩の生成反応を促進させる為、300μm以下が望ましい。
次に、本発明に係る「水もしくは重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含有する溶解液」の内、「溶解液」に関して説明する。以下、特記しない限り、この溶解液を「該溶解液」という。該溶解液の溶媒は、水である。該溶解液の溶質は、固形剤の原料成分である、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、ブドウ糖及びpH調整剤からなる群より選択される1種以上である。尚、各成分は、全量が溶解しいている必要は無く、一部が固体状態であってもよい。
また、該溶解液の粘度は、0.001〜2Pa・sであることが好適であり、より好適には0.01〜1.5Pa・s、更に好適には0.015〜1Pa・sである。尚、ここでの粘度は、B型粘度計(温度30℃)により測定された値を指す。
更には、前記水もしくは該溶解液中の水の量は、特に限定されないが、本発明は、少量の水でも製造できるのが特徴である。好適な水の量(水もしくは該溶解液を複数回に分けて添加する場合はそれらの合計量)は、該粉体及び/又は粒体の重量の0.05〜5.0重量%であり、より好適には0.1〜2.0重量%であり、特に好ましくは、0.2〜1.0重量%である。ここで、系に添加する水の量には、原料中の結晶水は含まれない。
また更に、該溶解液の特に好ましい態様は、ブドウ糖及び塩化マグネシウムを含む溶解液である。この場合には、より強固な被覆層を形成することができる。ここで、この好ましい態様の溶解液におけるブドウ糖濃度は、好適には10〜70重量%、より好適には20〜60重量%であり、塩化マグネシウム(六水和物)の濃度は、好適には10〜70重量%、より好適には25〜60重量%である。このように、両者が共存した状態{水溶液のpHが酸性状態になる(例えば約4.5)}では、ブドウ糖が安定保持されると共に、単独の溶解度より遥かに高濃度に両者を溶解させることができ、しかもこの好ましい態様の溶解液の粘度を適度に低下させ、造粒に好適な粘度に調整することができる。このため、他の造粒法に比べて極めて少量の水溶液で、しかも短時間で全体を均一に被覆することができる。尚、この好ましい態様の溶解液は、塩化マグネシウムの水溶液にブドウ糖を溶解するだけで簡単に調製できる。また、この好ましい態様の溶解液は、更にこれら以外の成分を含んでいてもよく、例えば、塩化カルシウム等の電解質を更に含んでいる態様を挙げることができる。
尚、該粉体及び/又は粒体中への水もしくは該溶解液の添加方法は、特に制限は無く、一括添加もしくは分割添加でもよく、噴霧する方式であってもよい。また、水もしくは該溶解液の温度(添加前)は、好適には、15〜50℃である。
「粉体及び/又は粒体」及び「水もしくは重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含有する溶解液」とを攪拌混合して得られる混合物は、少なくとも重炭酸ナトリウムと塩化カルシウムとブドウ糖を含有する。ここで、これらの3成分は、粉体及び/又は粒体にのみ含まれていても、溶解液にのみ含まれていても、両者に含まれていてもよい。
「粉体及び/又は粒体」と「溶解液」の組み合わせの好適例を挙げると、「粉体及び/又は粒体」が、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸塩、ブドウ糖を含み、任意成分として、塩化カルシウムを含むものであり、「溶解液」が、ブドウ糖、塩化マグネシウムを含み、任意成分として塩化カルシウムを含むものである。
尚、一剤型重炭酸透析用固形剤の全原料を「粉体及び/又は粒体」+「溶解液」に使用する必要はなく、原料の一部を攪拌混合・攪拌造粒以後の工程において、例えば単独で添加してもよい。しかし、pH調整剤である固体有機酸に関しては、工程〔3〕の前後で、固体状態で全量添加することが好適であり、その他の成分は、工程〔1〕において全量使用することが好適である。
次に、攪拌混合と攪拌造粒を実施する温度は、常温付近で十分可能であるが、該塩の生成、造粒時間の短縮、さらさら化(水分を約2〜5重量%含有するにもかかわらず、流動性が良く、防湿性が高く、付着や凝集の要因となる自由水が、被覆層の表面にほとんどない造粒物になること)の向上及びブドウ糖や重炭酸ナトリウムの分解防止の観点から、内温は55℃以下であり、好適には25℃〜50℃であり、更に好適には35℃〜45℃である。また、攪拌混合と攪拌造粒を実施する時間は、該塩の反応に要する時間、生成した造粒物の含量均一性及びさらさら化を考慮すると、両工程を合わせて、1分以上が好適であり、より好適には10分以上であり、更に好適には15分以上である。また、破砕防止の観点から60分以下が好適である。
次に、攪拌時に加える剪断力について説明する。まず、本発明に係る剪断力の定義につき説明する。攪拌型混合造粒装置を使用した場合、本発明に係る攪拌造粒時において、攪拌翼の回転によって攪拌翼と該装置内壁との間で該混合物に剪断力が加わる。この剪断力の大きさを、該装置の攪拌モーターの負荷量(モーターの電流値)を用いて前記式にて算出し、その値を該混合物1kgあたりに加えた剪断力とした。次に、必要な剪断力は、0.003kW/kg以上であり、好適には0.01kW/kg以上であり、更に好適には0.03kW/kg以上である。また、上限に関しては、内温上昇や破砕防止の観点から、0.1kW/kg以下であることが好適である。
また、攪拌混合及び攪拌造粒時は、機器への付着防止や造粒物の吸湿防止のため、機内の湿気を系外に強制排気するのが好ましい。
尚、撹拌混合及び攪拌造粒工程で使用する攪拌型混合造粒装置としては、高速攪拌型造粒装置が好適である。操作条件は、通常造粒する一般的条件の範囲内で目的は充分達成される。
次に撹拌造粒工程で得られた造粒物を乾燥する。乾燥工程に使用する乾燥装置は、特に限定されないが、流動層乾燥装置、回転乾燥装置などが好適であり、操作条件は、通常乾燥する一般的条件の範囲内で目的は充分達成される。
次に乾燥工程の前もしくは後にpH調整剤を混合する。本発明の混合を実施する混合装置は特に限定されないが、回転式混合装置、撹拌式混合装置が好適であり、操作条件は、通常混合する一般的条件の範囲内で目的は充分達成される。
本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤を所定の水に溶解すれば重炭酸透析液を、例えば下記の濃度に調整することができる:
Na+ 125〜150 mEq/l
+ 1.0〜3.0 mEq/l
Ca2+ 1.5〜3.5 mEq/l
Mg2+ 0.5〜1.5 mEq/l
Cl 90.0〜135 mEq/l
クエン酸イオン 1.0〜18.0 mEq/l
HCO3 20.0〜35.0 mEq/l
ブドウ糖 0.5〜2.5 g/l
本発明に係る一剤型重炭酸透析用固形剤を、1〜15%溶液に調製する時、溶解時に難溶性の炭酸塩が生じることなく沈殿形成がない。一般的に、血液透析に要する時間は5時間程度であり、本発明にかかる一剤型重炭酸透析用固形剤は、15%の濃度で5時間以上溶解していることが可能であり、極めて溶解性に優れた製剤である。これにより、実際の医療現場において15%溶液で安定に使用が可能である。また、透析液を調整した時のpHは7.2〜7.4である。
この様にして得られる一剤型重炭酸透析用固形剤の包装材料としては防湿性能が良く、しかも背面電極効果を有するものが好ましい。従来より帯電防止剤を樹脂に練りこんでフィルムを作成し、帯電防止機能を有する包装材料に加工して使用された例はあったが、樹脂からのブリード現象により製品に異物が混入するなどの不都合が見られた。これに比べ、本発明において帯電防止剤はフィルムの接着に使用する接着剤中に含まれているためフィルムを浸透することはなく、ブリード現象は起こりえない。帯電防止剤は透析用固形剤と接するフィルム面の裏側にある接着剤中にあり、背面まで帯電防止機能を有するラミネートフィルムである。すなわち、透湿度(40℃、90%RH)2.0g/m2・24hr以下のフィルム、例えばシリカ蒸着フィルムを用い、静電防止性接着剤、例えばボンディップ(コニシ社製)を用いて接着したラミネートフィルムを用いて加工した背面電極効果を有する包装材料に透析用固形剤を充填、包装するのが好ましい。その様な積層構造を有するラミネートフィルムの構成例としては、
PET/SiO/ボンディップ/PE、
PVA/SiO/ボンディップ/PE、
ONY/SiO/ボンディップ/PE、
PET/SiO/ボンディップ/CPP、
OPP/SiO/ボンディップ/CPP、
を挙げることができ、これを包装材料に加工して用いることができる。ラミネートフィルムは公知の方法により容易に製造できる。製造方法の一例としては、静電防止性接着剤の必要量を計り取り、必要により溶剤で希釈するなどして液が均一になるように混合し、グラビアコーター、リバースコーター等のコーターを用いて上記のフィルムに塗布し、温風乾燥して完全に硬化させる方法を挙げることができる。得られたラミネートフィルムはヒートシールすることによって包装材料に加工することができる。
以下に本発明の実施例を示して、更に具体的に説明する。
[実施例1]
塩化ナトリウム3500.0g、塩化カリウム85.9g、塩化カルシウム127.1g、クエン酸ナトリウム271.3g、ブドウ糖498.5g、重炭酸ナトリウム1451.4gを攪拌混合造粒装置に投入し混合攪拌した。回転数70rpm(剪断力0.05kW/kg)で混合攪拌しながら、内温が45℃で、あらかじめ調製しておいたブドウ糖77.4gと塩化マグネシウム58.6gを精製水32.2gに溶解した液温が30℃の溶解液(粘度:0.2Pa・s;トキメック社製B型粘度計で測定)を添加した。添加直後に湿潤な粒子状であった内容物が、25分間混合攪拌するとさらさらした顆粒状となった。一旦造粒物を取り出して乾燥後、得られた造粒物にクエン酸136.3gを添加して混合した。これを取り出し整粒して顆粒状及び細粒状の製剤を得た。
[比較例1]
塩化ナトリウム3500.0g、塩化カリウム85.9g、塩化カルシウム127.1g、塩化マグネシウム58.6g、クエン酸ナトリウム271.3g、ブドウ糖575.9g、重炭酸ナトリウム1451.4gを攪拌混合装置に投入して混合した。一旦混合物を取り出して乾燥し、これにクエン酸136.3g添加、混合して混合物を得た。
[比較例2]
塩化ナトリウム3500.0g、塩化カリウム85.9gを攪拌混合装置に投入して混合した。これに、あらかじめ調製しておいた塩化マグネシウム58.6gと塩化カルシウム127.1gを精製水64.5gに溶解した水溶液を添加して混合後更に、クエン酸ナトリウム271.3gを添加し混合した。次に、この混合物を取り出し乾燥した後、篩過して造粒物を得た。この造粒物にブドウ糖575.9g、クエン酸136.3g及び重炭酸ナトリウム1451.4gを混合し製剤を得た。
[比較例3]
転動流動造粒乾燥装置に、塩化ナトリウム500.0gを入れ、吸気温度80℃の条件下で、塩化マグネシウム8.4gと塩化カルシウム18.2gの混合水溶液をスプレーし、同時に乾燥した。次に、塩化カリウム12.3gとクエン酸19.5gの混合水溶液をスプレーし、同時に乾燥した。次に、ブドウ糖82.3gと重炭酸ナトリウム207.3gを混合した後、クエン酸ナトリウム38.8gの水溶液をスプレーし、同時に乾燥した。スプレー終了後、さらに乾燥を行った後冷却して製剤を得た。
[試験例1]
実施例1で得られた製剤の顕微鏡写真(キーエンス社製)を図6に示す。この図より、実施例1で得た本製剤が、単独の粒子として存在したり、各母粒子の複数個が被覆層を介して結合した集合体として存在していることがわかる。また、同製剤の走査電子顕微鏡(日立製作所製)による被覆層の構造を図7に示す。この図より、同製剤の被覆層が融着したような外観を有していることが確認できる。更に、母粒子及び被覆層の元素分析結果(EDX)を図8及び図9に夫々示す。図8より、母粒子として重炭酸ナトリウムが存在することが確認された。尚、他の母粒子につき元素分析を行ってみたところ、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム及びブドウ糖が母粒子として存在することも確認された。
また、図9より被覆層中には、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどが存在することが確認された。
[試験例2]
実施例1で得られた製剤の薄膜X線回折の結果を図10に示す。
測定は、製剤の被覆層構造をより明確にするために薄膜X線回折法を用い、薄膜X線回折装置(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にて被覆層の解析を行った。
試料作成方法について説明する。試料は実施例1の製剤から約0.5gを取り、打錠機を用いて厚みが一様な円盤状に圧縮成型した。打錠圧力は製剤の母粒子が破砕しない程度とし、試料の大きさは直径約20mm、厚さは約2mmとした。
図10及び図11より、実施例1の製剤の被覆層は、2θ=10.1°付近にピークが検出されているのがわかる。このピークは、塩化カルシウムとブドウ糖の反応生成物が被覆層に存在することを示す。
[試験例3]
実施例1、比較例2、比較例3の製剤を各々アルミニウム製包材に充填し、ヒートシールした後、40℃(75%RH)の条件下で安定性試験を行い、目視による着色の有無の観察とpHの測定を行った。測定結果を表1に示す。この結果より、本製剤は保存時の安定性に優れていることがわかる。なお、測定は横河電機製pHメーターを使用した。
[試験例4]
実施例1、比較例1、比較例2及び比較例3の製剤をそれぞれ約10gずつシャーレに採り、25℃、70%RHの条件下で3時間放置し、試験前後の吸湿による重量増加を測定した。測定結果を表2に示す。また、実施例1、比較例1の乾燥前後の製剤について各々の安息角を測定した。測定結果を表3に示す。これらの結果から、本製剤は吸湿性が低く、乾燥前後において安息角も小さいので、より安定性に優れた流動性の良い製剤であるとことがわかる。
[試験例5]
実施例1で得られた製品からランダムに3箇所サンプリングを行い、それぞれの検体についてサンプル53.88gを水に溶かして正確に1000mlとし、これを50倍希釈してNa、K、Mg2+、Ca2+、HCO3 、Clの各電解質濃度を東ソー社製イオンクロマトグラフにより測定した。同様に、クエン酸イオン、ブドウ糖を東ソー社製液体クロマトグラフにより測定した。測定結果を表4に示す。また、比較例1、比較例3についても同様の試験を行った。測定結果を表5、表6に示す。この結果より、本製剤は含量均一性に優れていることがわかる。
[試験例6]
実施例1の製剤を15%濃度に溶解した時の溶解状態を目視で確認した。結果を表7に示す。一般的に、血液透析に要する時間は5時間程度であり、試験結果より、本製剤は15%の濃度で溶解が可能であるとともに、実際の医療現場において15%溶液で安定に使用可能であることがわかる。
本発明は、腎不全患者の透析療法に使用される重炭酸透析液調製用の透析用固形剤に関し、詳しくは、造粒の際に母核となる粒子である母粒子の表面が、特定の塩を含む融着状の被覆層で覆われた、防湿性、安定性、含量均一性、流動性、溶解性に優れた一剤型重炭酸透析用固形剤であり、また、その製造方法は極めて生産性に優れている。
図1は、一見して表面や内部に粒子が確認できないタイプの、本発明に係る固形剤の断面の状態を示したイメージ図である。尚、図中、1は被覆層、2は母粒子を示す。 図2は、表面及び内部に粒子が存在することが確認できるタイプの、本発明に係る固形剤の断面の状態を示したイメージ図である。尚、図中、Aは粒子、Bは融着層を示す。 図3は、無数の粒子が堆積したように見える、従来技術における製法の固形剤の断面の状態を示したイメージ図である。尚、図中、1′は堆積層、2′は母粒子、Cは粒子を示す。 図4は、本発明における「融着状」の意義を示したイメージ図である。 図5は、従来技術における「堆積状」の意義を示したイメージ図である。尚、図中、Dは結合剤を示す。 図6は、実施例1で得られた製剤の顕微鏡写真である(デジタル写真)。 図7は、実施例1で得られた製剤の断面の走査電子顕微鏡写真である(デジタル写真)。 図8は、実施例1で得られた一剤型重炭酸透析用固形剤の母粒子の元素分析結果(エネルギー分散型X線分析装置(EDX))を示す。 図9は、実施例1で得られた一剤型重炭酸透析用固形剤の被覆層の元素分析結果(エネルギー分散型X線分析装置(EDX))を示す。 図10は、実施例1で得られた一剤型重炭酸透析用固形剤の薄膜X線回折の結果を示す(2θ=2〜60°)。 図11は、実施例1で得られた一剤型重炭酸透析用固形剤の薄膜X線回折の結果を示す(2θ=2〜20°)。
符号の説明
1:被覆層
1′:堆積層
2:母粒子
2′:母粒子
A:粒子
B:融着層
C:粒子
D:結合剤

Claims (10)

  1. 塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを含む一剤型重炭酸透析用固形剤において、薄膜X線回折で2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩を含む被覆層で重炭酸ナトリウムが母粒子として覆われていることを特徴とする一剤型重炭酸透析用固形剤。
  2. 顆粒状及び/又は細粒状である、請求項1記載の一剤型重炭酸透析用固形剤。
  3. 薄膜X線回折で2θ=10.0〜10.2°(CuKα;λ=1.54058Å、入射角θ=1°)にピークを有する塩が塩化カルシウムとブドウ糖との反応生成物である、請求項1又は2記載の一剤型重炭酸透析用固形剤。
  4. 該被覆層が融着状である、請求項1〜3のいずれか一項記載の一剤型重炭酸透析用固形剤。
  5. 透湿度(40℃、90%RH)2.0g/m2・24hr以下であり、背面電極効果を有する積層構造の防湿包材に収納されている、請求項1〜4のいずれか一項記載の一剤型重炭酸透析用固形剤。
  6. 塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸塩、pH調整剤、ブドウ糖及び重炭酸ナトリウムを原料として含む一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法であって、下記〔1〕〜〔4〕の工程を含む方法:
    〔1〕重炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含む粉体及び/又は粒体に、水もしくは重炭酸ナトリウム以外の該固形剤の原料成分を1種以上含有する溶解液を添加し、55℃以下の温度で撹拌混合して混合物(ここで、該混合物は、少なくとも重炭酸ナトリウムと塩化カルシウムとブドウ糖を含む)を得る工程;
    〔2〕工程〔1〕の混合物を、該混合物1kgあたり0.003kW/kg以上の剪断力下、55℃以下の温度で1分以上撹拌造粒して顆粒状及び/又は細粒状の造粒物を得る工程;
    〔3〕工程〔2〕の造粒物を乾燥する工程;および
    〔4〕工程〔2〕の造粒物に、工程〔3〕の前あるいは後にpH調整剤を混合する工程。
  7. 該溶解液の粘度が0.001〜2Pa・sである、請求項6記載の一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法。
  8. 水もしくは該溶解液中の水の量が、該粉体及び/又は粒体の重量の0.05〜5.0重量%である、請求項6又は7記載の一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法。
  9. 該溶解液がブドウ糖と塩化マグネシウムを含む水溶液である、請求項6〜8のいずれか一項記載の一剤型重炭酸透析用固形剤の製造方法。
  10. 一剤型重炭酸透析用固形剤が、請求項1〜5のいずれか一項記載の一剤型重炭酸透析用固形剤である、請求項6〜9のいずれか一項記載の製造方法。
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