JP2005206038A - マスタシリンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マスタシリンダの上方に離間して配置された第1リザーバタンクの配置スペースが限られた場合でも、第1リザーバタンクの容量を確保しながら、マスタシリンダの上部に一体に設けられた第2リザーバタンクからの気泡の排出を可能にする。
【解決手段】 第2リザーバタンク15の最上部の第1継ぎ手16を第1リザーバタンク14の高さ方向中間位置の第2継ぎ手17に第1連通管18を介して接続し、マスタシリンダ11で発生した気泡を第2リザーバタンク15から第1リザーバタンク14に排出する。また第1リザーバタンク14の上端の高さが規制されている場合に、第1リザーバタンク14の最下部の第4継ぎ手20を第2連通管21を介してマスタシリンダ11の第3継ぎ手19を接続したので、第1リザーバタンク14の下部にデッドボリューム(斜線部参照)が発生するのを防止して第1リザーバタンク14の容量を有効に利用することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マスタシリンダの上方に離間して配置された第1リザーバタンクと、第1リザーバタンクよりも下方でマスタシリンダの上部に一体に設けられた第2リザーバタンクとを備え、ブレーキペダルに入力される踏力に応じて、マスタシリンダが第1リザーバタンクおよび第2リザーバタンクに貯留されたブレーキ液の供給を受けて液圧を発生させるマスタシリンダ装置に関する。
かかるマスタシリンダ装置は下記特許文献1により公知である。図4(A)に示すように、このマスタシリンダ装置はマスタシリンダ01の上方に離間して配置された第1リザーバタンク02を備えており、この第1リザーバタンク02がマスタシリンダ01の上部に一体に設けられた第2リザーバタンク03に連通管04で接続されている。連通管04は低い位置にある第2リザーバタンク03から高い位置にある第1リザーバタンク02に向かって斜め上向きに延びており、従ってマスタシリンダ01において発生した気泡は第2リザーバタンク03から連通管04を介して第1リザーバタンク02に排出される。
実開平2−81265号公報
ところで、図4(B)に示すように、エンジンルームを覆うボンネット05のような障害物が存在するために第1リザーバタンク02を距離Hだけ低い位置に移動させた場合、気泡を排出するために連通管04の傾斜角度を保持する必要があるため、連通管04の上端を第1リザーバタンク02の底部に接続することができず、やむなく第1リザーバタンク02の底部よりも上方の側面に接続することになる。すると、第1リザーバタンク02の容積のうち、図4(B)に斜線を引いて示す部分がデッドボリュームとなり、そこに貯留されたブレーキ液が第2リザーバタンク03に移動できなくなって有効に利用されなくなる問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、マスタシリンダの上方に離間して配置された第1リザーバタンクの配置スペースが限られた場合でも、第1リザーバタンクの容量を確保しながら、マスタシリンダの上部に一体に設けられた第2リザーバタンクからの気泡の排出を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、マスタシリンダの上方に離間して配置された第1リザーバタンクと、第1リザーバタンクよりも下方でマスタシリンダの上部に一体に設けられた第2リザーバタンクとを備え、ブレーキペダルに入力される踏力に応じて、マスタシリンダが第1リザーバタンクおよび第2リザーバタンクに貯留されたブレーキ液の供給を受けて液圧を発生させるマスタシリンダ装置において、第2リザーバタンクの上部に設けた第1継ぎ手を第1リザーバタンクに設けた第2継ぎ手に接続する第1連通管と、第2リザーバタンクあるいはマスタシリンダに設けた第3継ぎ手を第1リザーバタンクの第2継ぎ手よりも下方に設けた第4継ぎ手に接続する第2連通管とを備えたことを特徴とするマスタシリンダ装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第1継ぎ手を第2リザーバタンクの最も高い位置に設けるとともに、第4継ぎ手を第1リザーバタンクの最も低い位置に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のマスタシリンダ装置が提案される。
請求項1の構成によれば、マスタシリンダの上部に一体に設けられた第2リザーバタンクの上部の第1継ぎ手を、マスタシリンダの上方に離間して配置された第1リザーバタンクの第2継ぎ手に第1連通管を介して接続したので、マスタシリンダで発生した気泡を第2リザーバタンクから第1連通管を経て第1リザーバタンクに排出することができる。また障害物と干渉しないように第1リザーバタンクの上端の高さが規制されている場合に、第1リザーバタンクの底部を下方に延長して容量を確保したために、第1連通管が第1リザーバタンクに接続される第2継ぎ手が第1リザーバタンクの底部よりも上方に位置するようになっても、第1リザーバタンクの第2継ぎ手よりも下方に設けた第4継ぎ手を第2連通管を介して第2リザーバタンクあるいはマスタシリンダに設けた第3継ぎ手と接続したので、第1リザーバタンクの第2、第4継ぎ手間にデッドボリュームが発生するのを防止して第1リザーバタンクの容量を有効に利用することができる。
請求項2の構成によれば、第1継ぎ手を第2リザーバタンクの最も高い位置に設けたことで、第2リザーバタンクに気泡が残留するのを確実に防止することができ、また第4継ぎ手を第1リザーバタンクの最も低い位置に設けたことで、第1リザーバタンクのデッドボリュームを無くすことができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の一実施例を示すもので、図1はマスタシリンダ装置の全体側面図、図2は図1の2部拡大断面図、図3は図1の要部拡大斜視図である。
図1および図3に示すように、自動車用のマスタシリンダ装置は、概略円筒状のマスタシリンダ11を備えており、その前側(図中右側)に負圧ブースタ12およびブレーキペダル13が接続される。ドライバーがブレーキペダル13に踏力を加えると、負圧ブースタ12がエンジンの吸気負圧と大気圧との差圧で前記踏力を倍力してマスタシリン11に伝達し、マスタシリンダ11は車輪を制動するブレーキ液圧を発生する。マスタシリンダ11の上方に離間した位置に第1リザーバタンク14が配置されるとともに、マスタシリンダ11の上部に第2リザーバタンク15が一体に設けられており、これらの第1、第2リザーバタンク14,15にブレーキ液が貯留される。第2リザーバタンク15の最上部に設けた第1継ぎ手16と、第1リザーバタンク14の高さ方向中間部に設けた第2継ぎ手17とが第1連通管18で接続され、マスタシリンダ11の下部に設けた第3継ぎ手19と第1リザーバタンク14の最下部に設けた第4継ぎ手20とが第2連通管21で接続される。
図2に示すように、マスタシリンダ11は周知の構造を有するタンデム型のもので、そのシリンダ孔31には右側のプライマリピストン32および左側のセカンダリピストン33が摺動自在に収納されており、セカンダリピストン33の左端とシリンダ孔31の底壁との間にリターンスプリング34が配置され、セカンダリピストン33の右端とプライマリピストン32の左端との間にリターンスプリング35が配置され、更にプライマリピストン32の右端に負圧ブースタ12の出力ロッド36が当接する。
プライマリピストン32の左端側にはプライマリカップ37が設けられ、右端側にはセカンダリカップ38が設けられる。またセカンダリピストン33の左端側にはプライマリカップ39が設けられ、右端側にはセカンダリカップ40およびプレッシャカップ41が設けられる。プライマリピストン32のプライマリカップ37とセカンダリピストン33のプレッシャカップ41との間には、左前輪および右後輪のブレーキキャリパにブレーキ液圧を供給する第1出力ポート42が形成されたプライマリ液室43が区画されるとともに、セカンダリピストン33のプライマリカップ39とシリンダ孔31の底壁との間には、右前輪および左後輪のブレーキキャリパにブレーキ液圧を供給する第2出力ポート44が形成されたセカンダリ液室45が区画される。
プライマリピストン32が後退位置にあるとき、プライマリ液室43はリリーフポート46を介して第2リザーバタンク15に連通し、プライマリ液室43の右側の補給液室47はサプライポート48を介して第2リザーバタンク15に連通する。またセカンダリピストン33が後退位置にあるとき、セカンダリ液室45はリリーフポート49を介して第2リザーバタンク15に連通し、セカンダリ液室45の右側の補給液室50はサプライポート51を介して第2リザーバタンク15に連通する。
マスタシリンダ11の下部に形成された第3連通孔19は、シリンダ孔31の外周を囲む連通路52を介して第2リザーバタンク15に連通する。
尚、第2リザーバタンク15の底部は仕切り壁11aで前後2室に仕切られており、マスタシリンダ11のプライマリ側およびセカンダリ側の一方が失陥した場合でも、他方の機能を維持できるように考慮されている。
しかして、ドライバーがブレーキペダル13を踏むと、負圧ブースタ12の出力ロッド36がプライマリピストン32を左方に前進させ、そのプライマリカップ37がリリーフポート46を通過した瞬間にプライマリ液室43に液圧が発生し、その液圧は第1出力ポート42から左前輪および右後輪のブレーキキャリパに伝達されて制動力を発生する。ブレーキペダル13の踏力を解除するとリターンスプリング35の弾発力でプライマリピストン32を右方に後退し、プライマリカップ37が撓むことで第2リザーバタンク15から負圧になったプライマリ液室43にブレーキ液が補給される。そしてプライマリカップ37がリリーフポート46を通過すると、余剰のブレーキ液はプライマリ液室43からリリーフポート46を経て第2リザーバタンク15に戻される。
セカンダリピストン33の作用は上述したプライマリピストン32の作用と実質的に同じであるため、その重複する説明は省略する。
上述のようにしてマスタシリンダ11が作動している間に、ブレーキ液に混入した気泡が第2リザーバタンク15に溜まると、その気泡は第2リザーバタンク15の最上部に設けた第1継ぎ手16から第1連通管18を経て第1リザーバタンク14に排出される。このとき第1連通管18は第2リザーバタンク15側から第1リザーバタンク14側に上り傾斜に配置されているため、気泡の速やかな排出が阻害されることはない。
また第1リザーバタンク14の第2継ぎ手17は該第1リザーバタンク14の底壁よりも高い位置に設けられているので、仮に第2連通管21が存在しないとすると、第1リザーバタンク14の第2継ぎ手17よりも下の部分が第2リザーバタンク15と連通しなくなってブレーキ液が有効に利用できなくなるが、本実施例では第1リザーバタンク14の底壁に設けた第4継ぎ手20とマスタシリンダ11とを第2連通管21で接続しているので、この第2連通管21で第1リザーバタンク14および第2リザーバタンク15を連通させ、第1リザーバタンク14の全容積を有効に利用してブレーキ液の容量を充分に確保することができる。
従って、ボンネット等の障害物と干渉しないように第1リザーバタンク14の位置を低くしても、第1リザーバタンク14の容量を減少させることなく、第2リザーバタンク15から第1リザーバタンク14への気泡の排出を支障なく行うことができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では第2連通管21の下端の第3継ぎ手19がマスタシリンダ11の下部に設けられているが、図1に鎖線で示すように、第3継ぎ手19を第2リザーバタンク15に設けても良い。
また実施例では第2連通管21が1本だけ設けられているが、マスタシリンダ11のプライマリ側およびセカンダリ側に対応して2本の第2連通管21,21を設けても良く、このようにすれば第1リザーバタンク14のブレーキ液を効率良くマスタシリンダ11のプライマリ側およびセカンダリ側に供給することができる。
マスタシリンダ装置の全体側面図 図1の2部拡大断面図 図1の要部拡大斜視図 従来のマスタシリンダ装置を示す図
符号の説明
11 マスタシリンダ
13 ブレーキペダル
14 第1リザーバタンク
15 第2リザーバタンク
16 第1継ぎ手
17 第2継ぎ手
18 第1連通管
19 第3継ぎ手
20 第4継ぎ手
21 第2連通管

Claims (2)

  1. マスタシリンダ(11)の上方に離間して配置された第1リザーバタンク(14)と、第1リザーバタンク(14)よりも下方でマスタシリンダ(11)の上部に一体に設けられた第2リザーバタンク(15)とを備え、ブレーキペダル(13)に入力される踏力に応じて、マスタシリンダ(11)が第1リザーバタンク(14)および第2リザーバタンク(15)に貯留されたブレーキ液の供給を受けて液圧を発生させるマスタシリンダ装置において、
    第2リザーバタンク(15)の上部に設けた第1継ぎ手(16)を第1リザーバタンク(14)に設けた第2継ぎ手(17)に接続する第1連通管(18)と、第2リザーバタンク(15)あるいはマスタシリンダ(11)に設けた第3継ぎ手(19)を第1リザーバタンク(14)の第2継ぎ手(17)よりも下方に設けた第4継ぎ手(20)に接続する第2連通管(21)とを備えたことを特徴とするマスタシリンダ装置。
  2. 第1継ぎ手(16)を第2リザーバタンク(15)の最も高い位置に設けるとともに、第4継ぎ手(20)を第1リザーバタンク(14)の最も低い位置に設けたことを特徴とする、請求項1に記載のマスタシリンダ装置。
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