JP2005205257A - 漆表面加工方法 - Google Patents
漆表面加工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005205257A JP2005205257A JP2004011766A JP2004011766A JP2005205257A JP 2005205257 A JP2005205257 A JP 2005205257A JP 2004011766 A JP2004011766 A JP 2004011766A JP 2004011766 A JP2004011766 A JP 2004011766A JP 2005205257 A JP2005205257 A JP 2005205257A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- egg white
- lacquer
- urushi
- processing method
- white liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】 卵白を用いて漆の表面に均一に模様を形成し、かつ、刷毛目に沿った亀裂模様以外の亀裂模様を形成することができる漆表面の加工方法を提供すること。
【解決手段】 被塗布面に上塗り用の漆を塗る工程(S100)と、この上塗り用の漆を乾燥させる工程(S101)と、この上塗り用の漆の表面に卵白に水を加えた卵白液を吹き付ける工程(S102)と、さらに卵白液を吹き付ける工程(S103)と、卵白液を乾燥させる工程(S104)と、を備えることを特徴とする漆表面加工方法を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 被塗布面に上塗り用の漆を塗る工程(S100)と、この上塗り用の漆を乾燥させる工程(S101)と、この上塗り用の漆の表面に卵白に水を加えた卵白液を吹き付ける工程(S102)と、さらに卵白液を吹き付ける工程(S103)と、卵白液を乾燥させる工程(S104)と、を備えることを特徴とする漆表面加工方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、漆表面の加工方法に関する。
漆は、古くから木製品の塗装に使用されてきたが、近年、漆は、その塗装面の硬度や美観に優れていることから、木製品以外の金属製品等の塗料としても使用されてきている。
このような漆の塗装面の表面を加工するための従来技術として、漆を塗布した上に卵白を塗布することが行われている(特許文献1参照)。
ここで、図8は、従来例により表面を加工した漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
図8に表されているように、従来の技術においては、漆を塗布した表面に泡立てた卵白を刷毛により塗布することで、卵白と漆とが化合し漆の表面の色彩が変化するとともに、泡立てた卵白の気泡により漆の表面に凹凸が形成される。
また、漆の表面に卵白を塗布すると、漆の乾燥速度よりも卵白の乾燥速度の方が早く、かつ、卵白は乾燥する際に収縮することから、図8に表されているように、塗布された漆の表面に亀裂模様が形成される。
特開昭63−88083号公報
しかしながら、従来の技術においては、卵白を刷毛で塗布していたため、卵白を均一に塗布することが困難であったため、特に、特許文献1に記載されているように泡立てた卵白を使用する際には均一に塗布することが困難であったため、漆の表面に均一に模様を形成することができなかった。
また、卵白を刷毛で塗布すると、刷毛目に沿って卵白の厚薄が生じ、漆の表面にできる亀裂模様も刷毛目に沿って形成され、刷毛目に沿った亀裂模様以外の亀裂模様を形成するのは困難であった。
そこで、本発明は、卵白を用いて漆の表面に均一に模様を形成し、かつ、刷毛目に沿った亀裂模様以外の亀裂模様を形成することができる漆表面の加工方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明は、被塗布面に漆を塗る漆塗布工程と、前記漆塗布工程において塗られた前記漆の表面に、少なくとも卵白を含有する卵白液又は卵白を吹き付ける卵白吹き付け工程と、前記卵白吹き付け工程において吹き付けられた前記卵白液又は前記卵白を乾燥させる卵白乾燥工程と、を備えることを特徴とする漆表面加工方法を提供する。
このように、少なくとも卵白を含有する卵白液又は卵白そのものを漆の表面に吹き付けることにより、均一に卵白液又は卵白を塗布することが可能となり、漆の表面に均一に模様をつけることが可能となる。
また、従来のように刷毛を使うことがないため、刷毛目が着かず、曲線状に亀裂模様が形成される。
なお、本願発明者が鋭意研究した結果、卵白液や卵白を吹き付けてできる層が厚ければ厚いほど、亀裂模様の大きさが大きくなることが判った。
さらに、漆塗布工程と、卵白吹き付け工程と、の間に漆塗布工程において塗られた漆を所定時間乾燥させる漆乾燥工程を備えることも可能であり、この乾燥時間を長く取るほど、亀裂模様が小さくなることが判った。
なお、卵白乾燥工程において乾燥させられた卵白液又は卵白の表面に卵白液又は卵白を少なくとも一回以上重ねて吹き付ける卵白重複吹き付け工程をさらに備えることで、卵白液又は卵白を吹き付けてできる層を厚くすることも可能である。
ここで、吹き付ける卵白液については、卵白に対して水を5重量%乃至75重量%混合したものを用いることで、吹き付けの作業が容易となり、望ましい。
以上のように、本発明によれば、漆の表面に卵白を含有した卵白液を吹き付けるため、卵白液を均一に塗布することが可能となり、漆の表面に均一に模様をつけることができる。
また、漆の表面に卵白を含有した卵白液を吹き付けるため、刷毛目が着かず、曲線状の亀裂模様を形成することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る漆表面加工方法を表すフローチャートである。
まず、例えば椀や箱等の所望の形状に加工された木地の表面に磨きをかけ、生漆や下地漆を塗る等により上塗り用の漆を塗るための下地を作り、上塗り用の漆を塗る(S100)。
ここで、上塗り用の漆は、0.4〜1.0mm程度の厚さになるように塗るのが望ましい。
次に、上塗り用の漆を所定の時間乾燥させる(S101)。
ここでの乾燥時間については、上塗り用の漆の表面のみが乾いたいわゆる半乾きの状態となる範囲で適時選択すればよいが、後述のように、乾燥時間を多く取れば取るほど亀裂模様の大きさが小さくなる。
次に、卵白に水を加えた卵白液を上塗り用漆の表面に吹き付ける(S102)。
ここで、本実施形態では、1.5mmの口径、空気圧2kgf/cm2の空気圧を有する重力式の吹き付けガンで、卵白液を吹き付けた。
なお、吹き付け対象面と吹き付けガンの吹き付け口との間の距離は、10cm〜25cm程度離して吹き付けることが望ましい。
また、卵白と水の混合割合については、適時選択することができる設計事項である。
なお、卵白のみを吹き付けることも可能であるが、卵白のみでは粘度が高く、ムラになりやすいため、水を混合することが望ましい。
ここで、上述のように、卵白と水との混合割合は適時選択すればよいが、均一に吹き付けるためには、卵白に対して水を25重量%乃至50重量%混合することが好適であるが、水を加える量としては5重量%〜75重量%の範囲内であれば、充分に漆の表面を加工することが可能である。
また、上塗り用漆の表面に吹き付ける卵白液の量については、適時選択することができる設計事項であるが、卵白液の厚さは、0.15mm〜0.5mm程度が好適である。
なお、後述するように、卵白液の量を少なくして薄く塗布した際には、亀裂模様の大きさが小さくなり、卵白液の量を多くして厚く塗布した際には、亀裂模様の大きさが大きくなる。
上塗り用漆の表面に吹き付けた卵白液が乾いた後、さらに、卵白液を吹き付ける(S103)。
なお、吹き付けた卵白液の上に重ねて卵白液を吹き付ける回数を増やすことにより、後述するように、亀裂模様の大きさを小さくしていくことができるようになる。
そして、吹き付けた卵白液が乾燥したら(S104)、水洗いを行い(S105)、すり漆を塗り艶上げをする等の仕上げを行い(S106)、漆の表面の加工が終了する。
ここで、図2は、本実施形態に係る漆表面加工方法により加工された漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
図2に表されているように、本実施形態に係る漆表面加工方法によれば、卵白液が均一に付着するため、漆の表面にできる凹凸が均一に形成されるとともに、亀裂模様についても、刷毛目とは異なり、曲線状に形成されるようになる。
図3は、本実施形態に係る漆表面加工方法おいて、卵白液を厚く(0.5mm程度)塗布して加工した際の漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
また、図4は、本実施形態に係る漆表面加工方法おいて、卵白液を薄く(0.15mm程度)塗布して加工した際の漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
図3及び図4に表されているように、上述のステップ102(S102)において、卵白液を厚く塗布することにより、亀裂模様の大きさを大きくすることができることが判る。
なお、卵白液を厚く塗った際には、亀裂自体の大きさや深さについても大きくなっている。
図5は、本実施形態に係る漆表面加工方法おいて、上塗り用の漆の表面に卵白液を塗布して乾燥させた後さらに卵白液を一回塗布して加工した際の漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
また、図6は、本実施形態に係る漆表面加工方法おいて、上塗り用の漆の表面に卵白液を塗布して乾燥させた後さらに卵白液を二回塗布して加工した際の漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
さらに、図7は、本実施形態に係る漆表面加工方法おいて、上塗り用の漆の表面に卵白液を塗布して乾燥させた後さらに卵白液を三回塗布して加工した際の漆の表面の状態を表す図面代用写真である。
このように、卵白液を塗布して乾燥させる回数を増やすことにより、亀裂模様の大きさを小さくできることが判る。
なお、以上に記載した実施形態では、卵白に水を混合した卵白液を使用したが、卵白そのものを吹き付けることも可能である。
また、上塗り用の漆を所定の時間乾燥させる工程(S101)及び上塗り用漆の表面に吹き付けた卵白液が乾いた後、さらに、卵白液を吹き付ける工程(S103)については必ずしも必要な工程ではなく、このような工程を取るか否かについては任意に選択することができる。
Claims (4)
- 被塗布面に漆を塗る漆塗布工程と、
前記漆塗布工程において塗られた前記漆の表面に、少なくとも卵白を含有する卵白液又は卵白を吹き付ける卵白吹き付け工程と、
前記卵白吹き付け工程において吹き付けられた前記卵白液又は前記卵白を乾燥させる卵白乾燥工程と、
を備えることを特徴とする漆表面加工方法。 - 前記漆塗布工程と、前記卵白吹き付け工程と、の間に前記漆塗布工程において塗られた前記漆を所定時間乾燥させる漆乾燥工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の漆表面加工方法。
- 前記卵白乾燥工程において乾燥させられた前記卵白液又は前記卵白の表面に前記卵白液又は卵白を少なくとも一回以上吹き付ける卵白重複吹き付け工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の漆表面加工方法。
- 前記卵白液は、卵白に対して水を5重量%乃至75重量%混合したものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の漆表面加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004011766A JP2005205257A (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 漆表面加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004011766A JP2005205257A (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 漆表面加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005205257A true JP2005205257A (ja) | 2005-08-04 |
Family
ID=34898360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004011766A Pending JP2005205257A (ja) | 2004-01-20 | 2004-01-20 | 漆表面加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005205257A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7967993B2 (en) | 2008-07-25 | 2011-06-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method of manufacturing magnetic recording medium |
CN102137761A (zh) * | 2009-04-30 | 2011-07-27 | 株式会社Duco | 漆图案制造方法及使用其形成的漆图案、漆图案的展示方法 |
-
2004
- 2004-01-20 JP JP2004011766A patent/JP2005205257A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7967993B2 (en) | 2008-07-25 | 2011-06-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Method of manufacturing magnetic recording medium |
CN102137761A (zh) * | 2009-04-30 | 2011-07-27 | 株式会社Duco | 漆图案制造方法及使用其形成的漆图案、漆图案的展示方法 |
EP2425988A1 (en) * | 2009-04-30 | 2012-03-07 | Duco Co., Ltd. | Lacquer pattern production method, lacquer pattern formed by using the method, and lacquer pattern display method |
EP2425988A4 (en) * | 2009-04-30 | 2012-09-26 | Duco Co Ltd | METHOD FOR PRODUCING LACQUER PATENT, LACQUER PATENT OBTAINED THEREBY, AND METHOD FOR DISPLAYING LACQUER PATENT |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100802650B1 (ko) | 옻칠을 이용한 표면 처리 방법 | |
KR100811241B1 (ko) | 가구 및 건축용 목재 도장방법 | |
CN102294322A (zh) | 一种油漆钢琴漆面的方法 | |
CN108487565A (zh) | 一种对混凝土内外墙外露部分进行仿木纹效果施工的方法 | |
CN105201166B (zh) | 一种弹性厚质仿大理石涂层及其刷涂工艺 | |
CN111364710A (zh) | 一种用多彩真石漆涂料制作复合型仿大理石涂层的方法 | |
JP2005205257A (ja) | 漆表面加工方法 | |
CN102137761A (zh) | 漆图案制造方法及使用其形成的漆图案、漆图案的展示方法 | |
JP2006187729A (ja) | 割れ目模様の被膜の作製方法 | |
CN108468400A (zh) | 一种水性仿石材铝单板的制造方法 | |
CN101337488B (zh) | 氧化铜绿铜板及其制造方法 | |
JP6022751B2 (ja) | 化粧板の塗装方法 | |
KR20060105258A (ko) | 엔틱가구의 도장방법 | |
CN109610833B (zh) | 建筑涂料施工工艺 | |
JP7442720B1 (ja) | 塗装方法及び装飾板の製造方法 | |
KR100513937B1 (ko) | 입체무늬를 가지는 조형품 및 그 제조방법 | |
JPH0838993A (ja) | 表面塗装方法 | |
JP7475044B2 (ja) | 化粧パネル及びその製造方法 | |
CN114158827B (zh) | 一种仿汝窑裂纹鞋的制作方法 | |
JP2005046772A (ja) | サビ風装飾塗装方法 | |
CN103084318A (zh) | 一种防止涂料起泡的方法 | |
RU2350478C2 (ru) | Способ нанесения рисунков на глянцевую поверхность | |
CN107284113A (zh) | 不锈钢表面涂覆金葱粉的方法以及涂覆金葱粉的不锈钢的用途 | |
JPH10216626A (ja) | 大理石模様を有する化粧板の製造方法 | |
KR100853277B1 (ko) | 크레이터 패턴을 형성한 도장품 및 도장방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20061219 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090724 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091120 |