以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観を示す正面図を図1に示す。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
パチンコ遊技機10には、本体枠12と、本体枠12に組み込まれた遊技盤14と、本体枠12の前面に設けられた上皿20及び下皿22と、下皿22の右側に設けられた発射ハンドル26と、が配置されている。また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図示せず)が打ちこまれている。
更には、発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)が設けられている。
更にまた、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者によって発射ハンドル26が握持されたと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下する。このように、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域を遊技領域と称する。
遊技盤14の前面の略中央には、可変表示手段(表示手段)としての液晶表示装置32が設けられている。この液晶表示装置32は、表示領域32aを有するものであり、表示領域32aには、複数列の識別情報が可変表示される。また、このような複数列の識別情報は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄92として構成されるものである。特別図柄ゲームの詳細については後述する。この識別情報は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”までの数字を用いる。
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。また、「仮停止表示」とは、一旦、停止表示されるものであり、導出表示を含まない概念である。
また、この液晶表示装置32には、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する識別情報が可変表示される。これら複数の図柄列において識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数の識別情報の組合せが所定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特定の表示態様」、「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行することとなる。また、導出表示された複数の識別情報の組合せが、所定の組合せのうちの特別の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”、“3”、“5”、“7”、“9”のうちいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「特定大当り表示態様」、「特別の表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(所謂大当り)に移行し、その特定遊技状態が終了した場合に、特別遊技状態としての高確率遊技状態に移行することとなる。液晶表示装置32には、これらの識別情報の他にも、背景画像、演出用の演出画像、普通図柄画像等が表示される。つまり、本実施形態における液晶表示装置32は、複数列の識別情報の可変表示を行うとともに演出画像の表示を行う表示手段の一例に相当する。また、本実施形態における液晶表示装置32は、複数列の識別情報の可変表示を行う可変表示手段の一例に相当する。
液晶表示装置32の左の側部には、球通過検出器54が設けられている。この球通過検出器54は、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、表示領域32a上において普通図柄94の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示を停止する。この普通図柄は、数字や記号等からなる情報であり、例えば“○”、“×”等の記号である。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、後述する始動口44の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)48が閉鎖状態から開放状態となり、始動口44に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材48を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材48を閉鎖状態として、始動口44に遊技球が入りにくくなるようにする。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10における遊技盤14の前面略中央に設けられている場合を示したが、遊技者により視認可能な位置であれば何処の位置に液晶表示装置32を設けることとしてもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32に識別情報及び普通図柄を可変表示させたが、これに限らず、液晶表示装置32とは別体に普通図柄用の可変表示装置を備えるように構成してもよい。また、可変表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、可変表示手段としてドラム、ベルト、リーフ等を可変表示手段として採用してもよい。
更にまた、液晶表示装置32の左右の両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための転動誘導部材59a及び59bも設けられている。また、遊技盤14の下左側と下右側とには装飾ランプ36a及び36bが設けられている。更には、液晶表示装置32の右側方には、特定遊技状態に移行する信頼度を示す報知用ランプ37が設けられている。上述した液晶表示装置32の上方には4つの保留ランプ34a〜34dが設けられている。また、遊技盤14の下部には、遊技球の一般入賞口56a〜56dが設けられている。更には、パチンコ遊技機10の上方には、遊技に関する演出音を発生するスピーカ46L及び46Rが設けられている。尚、本実施形態におけるスピーカ46は、遊技に関する演出音を発生する演出音発生手段の一例に相当する。
この一般入賞口56a〜56dの近傍には、大入賞口39に対して開閉自在なシャッタ40が設けられている。つまり、大入賞口39は、遊技領域に設けられている。上述した導出表示された識別情報の組合せが特定の表示態様である場合には、遊技状態が特定遊技状態である大当り遊技状態に移行され、このシャッタ40が遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となるように駆動される。また、この大入賞口39には、V・カウントセンサ102(図2参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図2参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。また、続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)となったシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口39が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口39内に設けられた特定領域を通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にする。
また、液晶表示装置32の下方には、始動入賞球センサ116(図2参照)を有する始動口44が設けられている。この始動口44に遊技球が入賞した場合に、後述する特別図柄ゲームが開始され、複数列の識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の識別情報の可変表示開始条件とは、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したことを主な条件とする。また、その他にも、識別情報が導出表示されていることを条件ともする。つまり、所定の識別情報の可変表示開始条件が成立する毎に識別情報の可変表示を行うこととなる。尚、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の識別情報の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
また、特別図柄ゲームにおける識別情報の変動表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、変動表示中の識別情報が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される。識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は1回分である。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち1回分が実行され、残りの2回分は保留される。
保留されている識別情報の可変表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)は、保留ランプ34a〜34dの点灯/消灯によって表示される。
保留される識別情報の可変表示の実行回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として識別情報の可変表示が保留される。例えば、識別情報の可変表示の実行が3回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、4回目の実行が保留されるが、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態において、遊技球が始動口44へ入賞した場合には、5回目の実行が保留されず、識別情報の可変表示の実行が4回分保留されている状態を維持することとなる。
尚、本実施形態においては、4回を上限として識別情報の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、1回又は複数回を上限として、識別情報の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、識別情報の可変表示を保留しないように構成してもよい。
また、上述した始動口44、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図2に示す。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図2に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技機の動作を制御することとなる。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲーム、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。高確率フラグは、特定遊技状態である大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される識別情報を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当りではない場合に導出表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、特定遊技状態における大入賞口39の開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39に入賞し、V・カウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数を示すものである。
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、メインCPU66によって決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドなど、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段など)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図2に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、球通過検出器54に設けられている。この通過球センサ114は、球通過検出器54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射された遊技球が所定の領域を通過することにより遊技球を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の払出制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技球を発射する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、保留ランプ34a〜34d、装飾ランプ36a及び36b、報知用ランプ37を含むランプ132の制御等を行う。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
演出制御手段としての副制御回路200は、可変表示制御手段(表示制御手段)、演出音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、保留ランプ34a〜34d、装飾ランプ36a及び36b、報知用ランプ37を含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
また、プログラムROM208には、演出パターンが複数種類記憶されている。この演出パターンは、演出表示を含む演出の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の可変表示に応じて実行されるものである。
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、可変表示制御手段(表示制御手段)としての画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
画像データROM216には、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。特に、画像データROM216には、リーチ演出画像データが記憶されている。このリーチ演出画像データは、リーチ時におけるリーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像を表示するための画像データである。リーチ演出画像の詳細については詳しく後述する。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データをD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
演出音発生制御手段としての音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声(演出音)の制御を行う。
音源IC232は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源IC232は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。尚、音声データROM234には、識別情報が変動表示を開始する旨の変動開始演出音を発生させるための変動開始演出音データが記憶されており、音源IC232は、所定の発生タイミングで、複数列の識別情報の変動表示毎に変動開始演出音を発生させる制御を行うこととなる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。
[変動パターン決定テーブル]
また、本実施形態においてメインROM68に記憶されている変動パターン決定テーブルについて図3を用いて説明する。尚、以下に説明する変動パターン決定テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
メインROM68には、図3に示すように、識別情報の可変表示における変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルが記憶されている。この変動パターン決定テーブルには、特定遊技状態に移行させるか否か(当落)と、リーチであるか否かと、変動パターンとが対応付けられて記憶されている。このため、特定遊技状態に移行させるか否かの判定結果と、リーチとなるか否かの判定結果とに応じて、変動パターンが決定される。尚、詳しくは後述するが、リーチとなるか否かの判定に基づいて、導出表示される識別情報の判定結果が決定されることとなるため、特定遊技状態に移行させるか否かの判定結果と、導出表示される識別情報の判定結果とに応じて、変動パターンが決定されることにもなる。また、詳しくは後述するが、リーチとなると判定された場合には、所定のリーチ条件が成立することとなる。
具体的には、リーチとならず、特定遊技状態に移行させない変動パターンとしては、変動パターン1が対応付けられている。リーチとなり、特定遊技状態に移行させない変動パターンとしては、変動パターン2から変動パターン4が対応付けられている。リーチとなり特定遊技状態に移行させる変動パターンとしては、変動パターン5から変動パターン7が対応付けられている。尚、リーチとなり、特定遊技状態に移行させない変動パターン、リーチとなり特定遊技状態に移行させる変動パターンとしては、複数種類の変動パターンが対応付けられているため、演出条件選択用乱数カウンタから演出条件選択用乱数値が抽出され、その抽出された演出条件選択用乱数値に基づいて、複数種類の変動パターンのうちいずれかが選択されることとなる。これによって、複数列の識別情報の変動パターンが決定される。
[演出パターン決定テーブル]
また、本実施形態においてプログラムROM208に記憶されている演出パターン決定テーブルについて図4を用いて説明する。尚、以下に説明する演出パターン決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208には、主制御回路60からの変動パターンに基づいて実行される演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブルが記憶されている。この演出パターン決定テーブルには、図4に示すように、変動パターンと、演出パターンと、識別情報の変動演出パターンとが対応付けられている。この演出パターンとは、主に、識別情報としての特別図柄92を除く画像演出パターンを含み、例えば、リーチ時におけるリーチ画像演出パターンなどが含まれる。また、識別情報の変動演出パターンとは、主に、識別情報としての特別図柄92が変動表示を開始してから導出表示されるまで、つまり、変動時における識別情報の演出パターンである。従って、この識別情報の変動演出パターンに基づいて、識別情報の可変表示の制御が行われる。このようなリーチ画像演出パターンは、複数種類設定されており、複数種類のリーチ画像演出パターンは、それぞれ演出画像が異なる画像演出パターンである。
一つの変動パターンには、一又は複数の演出パターンが対応付けられており、複数の演出パターンが一つの変動パターンに対応付けられている場合には、演出決定用乱数カウンタから演出決定用乱数値が抽出され、その抽出された演出決定用乱数値に基づいて演出パターンが決定される。また、一つの演出パターンには、一又は複数の変動演出パターンが対応付けられており、複数の変動演出パターンが一つの演出パターンに対応付けられている場合には、変動演出決定用乱数カウンタから変動演出決定用乱数値が抽出され、その抽出された変動演出決定用乱数値に基づいて変動演出パターンが決定される。
具体的には、変動パターン1(はずれ)には、演出パターンとして通常変動が対応付けられている。変動パターン2(はずれ)には、演出パターンとしてノーマルリーチが対応付けられている。変動パターン3(はずれ)には、演出パターンとしてスーパーリーチ1とスーパーリーチ2とが対応付けられている。変動パターン4(はずれ)には、演出パターンとしてスーパーリーチ3とスーパーリーチ4とが対応付けられている。変動パターン5(はずれ)には、演出パターンとしてノーマルリーチが対応付けられている。変動パターン6(はずれ)には、演出パターンとしてスーパーリーチ1とスーパーリーチ2とが対応付けられている。変動パターン7(はずれ)には、演出パターンとしてスーパーリーチ3とスーパーリーチ4とが対応付けられている。このように、変動パターンとして、変動パターン3(はずれ)、変動パターン4(はずれ)、変動パターン6(大当り)、変動パターン7(大当り)のいずれかが選択された場合には、演出決定用乱数カウンタから演出決定用乱数値が抽出され、その抽出された演出決定用乱数値に基づいて、複数種類の演出パターンからいずれかが演出パターンとして選択される。
また、変動パターン1に対応付けられた通常変動には、変動演出パターンとして、はずれ変動演出パターンが対応付けられている。変動パターン2に対応付けられたノーマルリーチ、変動パターン3に対応付けられたスーパーリーチ1、変動パターン3に対応付けられたスーパーリーチ2、変動パターン4に対応付けられたスーパーリーチ3、変動パターン4に対応付けられたスーパーリーチ4、変動パターン5に対応付けられたノーマルリーチには、変動演出パターンとして、それぞれリーチ変動演出パターンが対応付けられている。変動パターン6に対応付けられたスーパーリーチ1、変動パターン6に対応付けられたスーパーリーチ2、変動パターン7に対応付けられたスーパーリーチ3、変動パターン7に対応付けられたスーパーリーチ4には、変動演出パターンとして、それぞれリーチ変動演出パターンと全回転リーチ変動演出パターンとが対応付けられている。このため、変動パターン6に対応付けられたスーパーリーチ1、変動パターン6に対応付けられたスーパーリーチ2、変動パターン7に対応付けられたスーパーリーチ3、変動パターン7に対応付けられたスーパーリーチ4のいずれかが選択された場合には、変動演出決定用乱数カウンタから変動演出決定用乱数値が抽出され、その抽出された変動演出決定用乱数値に基づいて、リーチ変動演出パターンと全回転リーチ変動演出パターンとのいずれかが変動演出パターンとして選択される。
尚、はずれ変動演出パターンとは、識別情報の変動表示が開始された後、リーチ態様、全回転リーチ態様となることなく、導出表示される演出である。リーチ変動演出パターンとは、識別情報の変動表示が開始された後、リーチ態様となり、全回転リーチ態様とならずに導出表示される演出である。また、リーチ変動演出パターンは、リーチ画像演出パターンの一例に相当し、リーチ変動演出パターンに基づく演出画像のうち、リーチ時における演出画像を演出画像をリーチ演出画像と称する。全回転リーチ変動演出パターンとは、識別情報の変動表示が開始された後、全回転リーチ態様となる演出であり、識別情報の変動表示が開始された直後に全回転リーチ態様となるか否かを問わない。また、リーチ態様とは、全回転リーチを除くリーチ時における複数列の識別情報を変動表示させる変動態様であり、所定の組合せとなるか否かは問わない。全回転リーチ態様とは、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させる態様であり、その結果、必ず識別情報を所定の組合せとして導出表示させる態様である。また、詳しくは後述するが、上述したリーチ変動演出パターンにおいては、識別情報の変動表示が開始された後、リーチ態様となり、一旦所定の組合せで仮停止表示された場合には、再抽選態様となる。この再抽選態様とは、一旦所定の組合せで仮停止表示させる制御を行った後に、再度、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させ、新たな種類の所定の組合せで導出表示させることが可能な態様である。
このように、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御し、複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、リーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチ態様で表示制御するので、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行った場合であっても、複数列の識別情報が全回転リーチ態様で表示制御されることがあり、通常のリーチ時においてリーチ演出画像が表示された場合であっても、全回転リーチ態様となる期待感を損ねることがなく、興趣の向上を図ることができる。また、全回転リーチ態様専用の演出画像を記憶する必要がなく、記憶容量の軽減を図ることができる。
[開始時期決定テーブル]
また、本実施形態においてプログラムROM208に記憶されている開始時期決定テーブルについて図5を用いて説明する。尚、以下に説明する開始時期決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208には、主制御回路60からの変動パターンに応じて、識別情報の変動表示を開始する変動開始タイミングを決定するための開始時期決定テーブルが記憶されている。この開始時期決定テーブルには、図5(A)に示すように、左列における識別情報の変動開始タイミングを決定するための左列開始時期決定テーブルと、図5(B)に示すように、右列における識別情報の変動開始タイミングを決定するための右列開始時期決定テーブルと、図5(C)に示すように、中列における識別情報の変動開始タイミングを決定するための中列開始時期決定テーブルとが含まれている。
開始時期決定テーブルには、図5に示すように、複数種類の変動開始時期と開始時期決定用乱数値とが対応付けられている。尚、図5においては、理解を容易とするために、開始時期決定用乱数値ではなく、その変動開始時期が選択される選択率で表す。この選択率は、リーチとならない(図中においては「リーチなし」と表す)はずれ変動演出パターンが選択された場合と、全回転リーチ変動演出パターンが選択された場合と、リーチ変動演出パターンが選択された場合とにそれぞれ対応付けられている。このため、開始時期決定用乱数カウンタから開始時期決定用乱数値が抽出され、決定された識別情報の変動演出パターンに基づいて、図4に示す演出パターン決定テーブルが参照され、複数列の識別情報の変動開始時期が決定されることとなる。
具体的には、左列開始時期決定テーブルにおいては、図5(A)に示すように、はずれ変動演出が選択された場合には、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.0s”が選択され、“98/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択される。全回転リーチ変動演出が選択された場合には、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.0s”が選択され、“20/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択される。リーチ変動演出が選択された場合には、“100/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択される。尚、左列の識別情報においては、“1.5s”が標準時の変動開始時期(左列の識別情報に対応する所定の変動開始タイミング)と設定されており、“1.0s”が選択された場合には、標準時の変動開始時期よりも早く、“2.0s”が選択された場合には、標準時の変動開始時期よりも遅く識別情報の変動表示が開始されることとなる。尚、左列の識別情報が変動表示を開始する変動開始タイミングのうち、標準時における“1.5s”の変動開始タイミングを所定の変動開始タイミングの一例とし、その所定の変動開始タイミングとは異なる“1.0s”、“2.0s”の変動開始タイミングを特定の変動開始タイミングの一例とする。
また、右列開始時期決定テーブルにおいては、図5(B)に示すように、はずれ変動演出が選択された場合には、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“98/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択される。全回転リーチ変動演出が選択された場合には、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“20/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択される。リーチ変動演出が選択された場合には、“100/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択される。尚、右列の識別情報においては、“2.0s”が標準時の変動開始時期と設定されており、“1.5s”が選択された場合には、標準時の変動開始時期(右列の識別情報に対応する所定の変動開始タイミング)よりも早く、“2.5s”が選択された場合には、標準時の変動開始時期よりも遅く識別情報の変動表示が開始される。尚、右列の識別情報が変動表示を開始する変動開始タイミングのうち、標準時における“2.0s”の変動開始タイミングを所定の変動開始タイミングの一例とし、その所定の変動開始タイミングとは異なる“1.5s”、“2.5s”の変動開始タイミングを特定の変動開始タイミングの一例とする。
また、中列開始時期決定テーブルにおいては、図5(C)に示すように、はずれ変動演出が選択された場合には、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“98/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択され、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“3.0s”が選択される。全回転リーチ変動演出が選択された場合には、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“20/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択され、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“3.0s”が選択される。リーチ変動演出が選択された場合には、“100/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択される。尚、中列の識別情報は、“2.5s”を標準時の変動開始時期(中列の識別情報に対応する所定の変動開始タイミング)と設定されており、“2.0s”が選択された場合には、標準時の変動開始時期よりも早く、“3.0s”が選択された場合には、標準時の変動開始時期よりも遅く識別情報の変動表示が開始される。尚、中列の識別情報が変動表示を開始する変動開始タイミングのうち、標準時における“2.5s”の変動開始タイミングを所定の変動開始タイミングの一例とし、その所定の変動開始タイミングとは異なる“2.0s”、“3.0s”の変動開始タイミングを特定の変動開始タイミングの一例とする。
このように、識別情報の組合せが所定の組合せとなる全回転リーチ変動演出が実行される場合には、識別情報の組合せが所定の組合せとならないはずれ変動演出が実行される場合よりも高い確率で、識別情報の変動表示が早くなったり遅くなったりするように変動演出が決定されることとなる。つまり、識別情報の変動表示が開始されるタイミングが標準時とは異なる特定のタイミングである場合には、全回転リーチ変動演出が選択される可能性が高くなる。このため、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、識別情報の変動表示が開始される場合には、“1.5s”、“2.0s”、“2.5s”のタイミング(所定の発生タイミング)で識別情報の変動表示が開始された旨の変動開始演出音が上述したスピーカ46から発生される。このため、上述した識別情報の変動表示の変動開始タイミングが標準時(所定の変動開始タイミング)とは異なる特定の変動開始タイミングが選択された場合には、識別情報の変動開始タイミングと、変動開始演出音の発生タイミングとが異なることとなる。
このように、複数列の識別情報の変動表示の変動開始タイミングの少なくともいずれかと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせるので、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それら複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かによって、所定の条件が成立したか否かを認識することができ、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始、変動開始演出音の発生に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、複数列の識別情報の変動表示毎に、変動表示の開始タイミングと、それに応じた変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かを注意させ、変動表示開始時点から遊技に集中させることができるため、集中する機会を増加させ、より一層、興趣の向上を図ることができる。更には、複数列の識別情報に対応する複数種類の変動開始演出音を記憶する必要がなく、複雑な制御を行うことなく、変動開始演出音を記憶する記憶媒体の記憶容量を増加させることなく、興趣の向上を図ることができる。
[予告演出選択テーブル]
また、本実施形態においてプログラムROM208に記憶されている予告演出選択テーブルについて図6を用いて説明する。尚、以下に説明する予告演出選択テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
プログラムROM208には、識別情報の組合せが所定の組合せとなる場合があることを予告演出するための予告演出選択テーブルが記憶されている。この予告演出選択テーブルには、図6に示すように、予告演出パターンと、予告演出パターン決定用乱数値とが対応付けられている。尚、図6においては、理解を容易とするために、予告演出パターン決定用乱数値ではなく、予告演出パターンが選択される選択率で表す。この選択率は、通常変動となった後にはずれとなる通常変動が演出パターンとして選択された場合と、ノーマルリーチとなった後にはずれとなるノーマルリーチ(はずれ)が演出パターンとして選択された場合と、スーパーリーチとなった後にはずれとなるスーパーリーチ(はずれ)が演出パターンとして選択された場合と、ノーマルリーチとなった後に大当りとなるノーマルリーチ(大当り)が演出パターンとして選択された場合と、スーパーリーチとなった後に大当りとなるスーパーリーチ(大当り)が演出パターンとして選択された場合とにそれぞれ対応付けられている。このため、図4に示す演出パターン決定テーブルが参照されることにより決定された演出パターンに基づいて、実行する予告演出パターン(予告演出をしない演出パターンも含む)が決定されることとなる。
また、予告演出パターンとしては、5つの予告演出パターンが設定されており、具体的には、予告演出なし、ステップ1予告演出パターン、ステップ2予告演出パターン、ステップ3予告演出パターン、ステップ4予告演出パターンが設定されている。ステップ1予告演出パターン、ステップ2予告演出パターン、ステップ3予告演出パターン、ステップ4予告演出パターンは、段階的に予告演出を行う予告演出パターン(所謂、ステップアップ予告演出パターン)である。詳しくは後述するが、ステップ1予告演出パターンは、ステップ1予告演出が行われる予告演出パターンである。ステップ2予告演出パターンは、ステップ1予告演出が行われた後、ステップ2予告演出が行われる予告演出パターンである。ステップ3予告演出パターンは、ステップ1予告演出、ステップ2予告演出が順に行われた後、ステップ3予告演出が行われる予告演出パターンである。ステップ4予告演出パターンは、ステップ1予告演出、ステップ2予告演出、ステップ3予告演出が順に行われた後、ステップ4予告演出が行われる予告演出パターンである。このため、ステップ1予告演出が実行された場合であっても、ステップ1予告演出パターン、ステップ2予告演出パターン、ステップ3予告演出パターン、ステップ4予告演出パターンのいずれかであるか認識することができない。つまり、ステップ1予告演出パターンが選択され、ステップ1予告演出が実行された場合であっても、ステップ2予告演出パターン、ステップ3予告演出パターン、ステップ4予告演出パターンのいずれかが選択されたかもしれないという期待感を遊技者に提供することができる。
具体的には、演出パターンが通常変動となった後にはずれとなる場合には、“400/1000”の確率で、予告演出パターンとして予告演出なしが選択され、“400/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ1予告演出パターンが選択され、“200/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ2予告演出パターンが選択され、ステップ3予告演出パターン、ステップ4予告演出パターンは選択されない。
演出パターンがノーマルリーチとなり、はずれとなる場合には、“200/1000”の確率で、予告演出パターンとして予告演出なしが選択され、“250/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ1予告演出パターンが選択され、“250/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ2予告演出パターンが選択され、“300/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ3予告演出パターンが選択され、ステップ4予告演出パターンは選択されない。
演出パターンがスーパーリーチとなり、はずれとなる場合には、“100/1000”の確率で、予告演出パターンとして予告演出なしが選択され、“200/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ1予告演出パターンが選択され、“250/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ2予告演出パターンが選択され、“300/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ3予告演出パターンが選択され、“150/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ4予告演出パターンが選択される。
演出パターンがノーマルリーチとなり、大当りとなる場合には、“10/1000”の確率で、予告演出パターンとして予告演出なしが選択され、“40/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ1予告演出パターンが選択され、“150/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ2予告演出パターンが選択され、“800/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ3予告演出パターンが選択され、ステップ4予告演出パターンは選択されない。
演出パターンがスーパーリーチとなり、大当りとなる場合には、“75/1000”の確率で、予告演出パターンとして予告演出なしが選択され、“125/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ1予告演出パターンが選択され、“200/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ2予告演出パターンが選択され、“250/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ3予告演出パターンが選択され、“350/1000”の確率で、予告演出パターンとしてステップ4予告演出パターンが選択される。
このように、特定遊技状態に移行させると決定された場合には、特定遊技状態に移行させないと決定された場合よりも、ステップ数が大きい予告演出パターンが選択される確率が高まる。上述したように、ステップ1予告が実行された場合であっても、ステップ1予告演出パターン、ステップ2予告演出パターン、ステップ3予告演出パターン、ステップ4予告演出パターンのいずれかであるか認識することができないため、ステップ数が大きくなることによって、特定遊技状態に移行するかもしれないという期待感を増大させながら持続させることができ、より一層、興趣の向上を図ることができる。
[表示画面の説明]
また、上述した構成によって実行される特別図柄ゲームに関する表示画面について図7から図9を用いて説明する。
[特別図柄ゲームの説明]
液晶表示装置32における表示領域32a上には、図7(A)に示すように、複数列における識別情報(特別図柄ゲームにおける特別図柄92)の導出表示がされている場合において、識別情報の可変表示開始条件が成立したときには、図7(B)に示すように、可変表示が実行される。この場合において、図7(B)に示すように第一変動列(例えば、左列)の識別情報の変動表示が開始されるとともに、第一変動列の識別情報の変動表示を開始する旨の変動開始演出音がスピーカ46から発生される。そして、所定時間経過後、図7(C)に示すように第二変動列(例えば、右列)の識別情報の変動表示が開始されるとともに、第二変動列の識別情報の変動表示を開始する旨の変動開始演出音がスピーカ46から発生される。更に、所定時間経過後、図7(D)に示すように第三変動列(例えば、中列)の識別情報の変動表示が開始されるとともに、第三変動列の識別情報の変動表示を開始する旨の変動開始演出音がスピーカ46から発生される。これによって、複数列の識別情報毎に、所定の変動開始タイミングで変動表示が開始されるとともに、複数列の識別情報毎に対応して、変動表示が開始される同じタイミング(所定の発生タイミングの一例)で変動開始演出音を発生されることとなる。
また、上述したように、識別情報の変動表示が開始される変動開始タイミングと、それらの識別情報毎に対応する変動開始演出音の発生タイミングとが同じであったが、変動開始タイミングと、それらの識別情報毎に対応する変動開始演出音の発生タイミングとが異なる場合がある。例えば、第一変動列における識別情報が変動表示を開始してから、所定時間経過後、第一変動列における識別情報の変動表示が開始された旨の変動開始演出音が発生される。また、他の列における識別情報の変動表示が開始される変動開始タイミングと、当該他の列毎における識別情報に対応する変動開始演出音の発生タイミングとが異なる場合がある。これによって、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始、変動開始演出音の発生に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。
そして、複数列の識別情報の可変表示が開始された場合には、特定遊技状態に移行させる期待感を高める予告演出が実行される場合がある。例えば、図8(A)に示すように庭にいる犬96が、図8(B)に示すように、縁側に顔を出す予告演出が実行される。このような予告演出は、上述したステップ1予告演出の一例に相当する。そして、図8(C)に示すように、鳥97が飛んでくる予告演出が実行される。このような予告演出は、上述したステップ2予告演出の一例に相当する。そして、図8(D)に示すように、縁側に顔を出した犬96がジャンプする予告演出が実行される。このような予告演出は、上述したステップ3予告演出の一例に相当する。そして、図8(E)に示すように、縁側を家族98が走り去る予告演出が実行される。このような予告演出は、上述したステップ4予告演出の一例に相当する。
そして、図9(A)に示すように、第一停止列(例えば、左列)、第二停止列(例えば、右列)が所定の組合せ(例えば、左列の識別情報と、右列の識別情報とが“7”)で停止表示された場合には、リーチとなる。この場合においては、第三停止列(例えば、中列)の識別情報のみが変動表示している。そして、所定時間経過後、図9(B)に示すように、女の子が満月を眺める演出が行われるスーパーリーチに発展する。この場合においても、第三停止列の識別情報の変動表示が継続されている。そして、図9(C)に示すように、第三停止列の識別情報が“7”として停止表示され、複数列の識別情報の組合せが所定の組合せとして停止表示(仮停止表示)されることとなる。そして、図9(C)に示すように、一旦所定の組合せで停止表示(仮停止表示)された場合には、図9(D)に示すように、再度、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させ、再抽選を行うこととなる。そして、再抽選された結果、図9(E)に示すように、導出表示された複数列の識別情報の組合せが所定の組合せ(例えば、同一図柄“7”が3個揃った態様)となったことを条件に、遊技状態が特定遊技状態に移行されることとなる。また、上述したように、図9(D)に示す演出が開始されてから図9(E)に示すような演出が実行されるまでの態様を再抽選態様と称する。つまり、この再抽選態様とは、一旦所定の組合せで仮停止表示させる制御を行った後に、再度、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させ、新たな種類の所定の組合せで導出表示させることが可能な態様である。また、図9(A)示す演出が開始されてから図9(E)に示すような演出が実行されるまでの態様をリーチ態様と称する。
上述したスーパーリーチの他にも、図7(D)に示すように複数列の識別情報が変動表示され、図9(A)のようにリーチとなった後に、図9(F)及び図9(G)に示すように、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチが実行される場合がある。この場合においては、図9(G)に示すように、スーパーリーチの場合と同じように、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像が表示される。つまり、リーチ演出画像が表示されている最中に、複数列の識別情報が全回転リーチ態様で表示されることとなり、通常のリーチ(例えば、スーパーリーチなど)となった場合であっても、全回転リーチとなることがあるため、通常のリーチ時における期待感を損ねることなく、興趣の向上を図ることができる。
尚、本実施形態においては、リーチ演出画像が表示されている最中に、複数列の識別情報が全回転リーチ態様で表示されるように構成するが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、複数列の識別情報がリーチ演出画像の表示が行われる前に、全回転リーチ態様で表示されるように構成してもよく、これによって、リーチとなる前から全回転リーチとなることが認識でき、それ以降においても演出画像を安心して視認ことができる環境を提供することができる。
その後、複数列の識別情報は、全回転リーチ態様で変動表示され、所定時間経過後、図9(C)のように停止表示されることなく、図9(D)に示す再抽選態様と同じような演出が実行される。つまり、複数列の識別情報が、再抽選態様の少なくとも一部と、全回転リーチ態様の少なくとも一部とを同じ態様で表示されるので、全回転リーチ態様、再抽選態様において、同じ画像データを用いることとなり、記憶容量の軽減を図ることができる。そして、図9(E)に示すように、複数列の識別情報の組合せが所定の組合せとして導出表示されたことを条件に、特定遊技状態となる。
このように、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御し、複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチ態様で表示制御するので、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行った場合であっても、複数列の識別情報が全回転リーチ態様で表示制御されることがあり、通常のリーチ時においてリーチ演出画像が表示された場合であっても、全回転リーチ態様となる期待感を損ねることがなく、興趣の向上を図ることができる。また、全回転リーチ態様専用の演出画像を記憶する必要がなく、記憶容量の軽減を図ることができる。
[演出タイミングの説明]
以下に、識別情報の変動開始タイミングと、その識別情報の変動表示の開始に対応する変動開始演出音の発生タイミングとについて図10から図13を用いて説明する。尚、図10から図13においては、上方から順に、左列の識別情報における変動表示の変動開始タイミングを示すタイミングチャート、右列の識別情報における変動表示の変動開始タイミングを示すタイミングチャート、中列の識別情報における変動表示の変動開始タイミングを示すタイミングチャート、左列、右列、中列の識別情報の変動表示の各々にそれぞれ対応する変動開始演出音の発生タイミングを示すタイミングチャートを示す。
識別情報の変動表示の開始タイミングが標準時である場合においては、図10に示すように、左列の識別情報に対応する変動開始タイミングが“1.5s”、右列の識別情報に対応する変動開始タイミングが“2.0s”、中列の識別情報に対応する変動開始タイミングが“2.5s”となる。尚、“1.5s”以前は、複数列の識別情報の変動表示が開始されていないことを示しており、開始される前は、例えば、停止表示や、揺れるように表示される揺動表示など、変動表示されていなければどのような態様であってもよい。
また、左列、右列、中列の識別情報の変動表示の各々にそれぞれ対応する変動開始演出音の発生タイミングは、“1.5s”、“2.0s”、“2.5s”となり、左列、右列、中列の識別情報の変動開始タイミングと同じタイミングとなる。
一方、識別情報の変動表示の開始タイミングが標準時ではない場合においては、図11に示すように、左列の識別情報に対応する変動開始タイミングが“1.0s”、右列の識別情報に対応する変動開始タイミングが“2.0s”、中列の識別情報に対応する変動開始タイミングが“2.5s”となる。
また、左列、右列、中列の識別情報の変動表示の各々にそれぞれ対応する変動開始演出音の発生タイミングは、“1.5s”、“2.0s”、“2.5s”という一定のタイミングとなり、右列、中列の識別情報の変動開始タイミングと同じタイミングとなるが、左列の識別情報の変動開始タイミングと異なるタイミングとなる。
このように、識別情報の変動表示の開始タイミングが標準時ではない場合、即ち、複数列の識別情報の少なくとも一列の変動表示の変動開始タイミングと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせることとなる。言い換えると、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列が、所定の変動開始タイミング(例えば、“1.5s”、“2.0s”、“2.5s”)で変動表示を開始させることもあれば、その所定の変動開始タイミングとは異なる特定の変動開始タイミングで変動表示を開始させる(例えば、“1.0s”とする)こととなる。
また、所定の条件を満たした場合に、変動開始タイミングと変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせることとなる。これによって、複数列の識別情報の変動表示の変動開始タイミングの少なくともいずれかと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせるので、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それら複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かによって、所定の条件が成立したか否かを認識することができ、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始、変動開始演出音の発生に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、複数列の識別情報の変動表示毎に、変動表示の開始タイミングと、それに応じた変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かを注意させ、変動表示開始時点から遊技に集中させることができるため、集中する機会を増加させ、より一層、興趣の向上を図ることができる。更には、複数列の識別情報に対応する複数種類の変動開始演出音を記憶する必要がなく、複雑な制御を行うことなく、変動開始演出音を記憶する記憶媒体の記憶容量を増加させることなく、興趣の向上を図ることができる。
尚、この所定の条件の一例としては、特定遊技状態に移行させると判定されることを条件とすることが挙げられる。この場合においては、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それらの変動表示に応じた変動開始演出音の発生タイミングとが異なるか否かによって、特定遊技状態に移行するか否かを認識することができ、興趣の向上を図ることができる。
また、この所定の条件の一例としては、複数列の識別情報の可変表示の変動パターンが、全回転リーチ態様となる全回転リーチ変動パターンであることを条件とすることが挙げられる。この場合においては、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それらの変動表示に応じた変動開始演出音の発生タイミングとが異なるか否かによって、全回転リーチとなるか否かを認識することができ、興趣の向上を図ることができる。
逆に、特定遊技状態に移行させないと判定され、かつ、複数列の識別情報の可変表示の変動パターンが、リーチとなるリーチ変動パターンである場合には、所定の条件が成立しないように設定してもよく、この場合においては、特定遊技状態に移行されると判定され、かつ、複数列の識別情報がリーチとなるリーチ変動パターンで変動表示される場合に、所定の条件を満たすこととなり、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それらの変動表示に応じた変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かと、リーチとなるか否かによって、特定遊技状態となるか否かを認識することができ、興趣の向上を図ることができる。
尚、図11においては、左列の識別情報の変動開始タイミングが、標準時の“1.5s”よりも早い“1.0s”となるようにしたが、他の列の識別情報の変動開始タイミングが標準時と異なるようにしてもよく、例えば、図12に示すように、右列の識別情報の変動開始タイミングが、標準時の“2.0”よりも遅い“2.5”としてもよい。尚、右列の識別情報と中列の識別情報とが同時に変動表示されることと、右列の識別情報と中列の識別情報とが同時に変動表示されないこととは問わない。
更には、図11、図12に示すように、複数列の識別情報のうちいずれかの変動開始タイミングが標準時とは異なるようにしたが、複数列の識別情報のうち2列以上の変動開始タイミングが標準時とは異なるようにしてもよく、例えば、図13に示すように、右列の識別情報の変動開始タイミングが、標準時の“2.0”よりも遅い“2.5”とするとともに、中列の識別情報の変動開始タイミングが、標準時の“2.5”よりも遅い“3.0”としてもよい。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図14から図16、図18から図22に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図16)の状態遷移について図17を用いて説明する。
[メイン処理]
最初に、図14に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図16を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32に表示される識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図15を用いて説明する。
最初に、図15に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウンタ値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、始動口44、球通過検出器54、一般入賞口56a〜56d等の遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、左列、中列、右列に導出表示される識別情報の種類を示す導出図柄指定コマンド、識別情報の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。尚、ステップS47を実行するメインCPU66は、ステップS107又は108において決定された変動パターンを副制御回路200(サブCPU206)に送信する送信手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。また、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図14のステップS15において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。尚、図16において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図16に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図18を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面が表示される。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。このように、ステップS74を実行するメインCPU66は、ステップS105などにおいて複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、特定遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。尚、本実施形態におけるステップS74を実行するメインCPU66は、複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う特定遊技状態移行制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“15”以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、大当り図柄が特定の図柄である場合には、高確率遊技状態に移行させる制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図17に示すように、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図16に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、特定遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図16に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、特定遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図16に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、特定遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図16に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技状態を終了することとなる。尚、この特定遊技終了条件には、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(所謂「パンク」)、又は、大当りラウンド最大継続数(本実施形態においては15ラウンド)が終了したことを条件として特定遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図16のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図18を用いて説明する。
最初に、図18に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。例えば、通常時における大当り判定テーブルでは、2個の大当り判定値が設定されているが、高確率時における大当り判定テーブルでは、10個の大当り判定値が設定されており、高確率フラグに基づいて大当り判定テーブルを選択することによって、特定遊技状態に移行する確率が異なることとなる。このように、高確率フラグが所定の値(例えば“77”)である場合、つまり遊技状態が高確率遊技状態である場合には、特定遊技状態に移行する確率(識別情報の可変表示の結果を特定の表示態様とする確率)は、通常遊技状態時よりも向上することとなるのである。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な特定遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。尚、本実施形態におけるステップS105を実行するメインCPU66は、複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させるか否かを判定する表示結果判定手段の一例に相当する。言い換えると、ステップS105を実行するメインCPU66は、特定遊技状態に移行させるか否かを判定する特定遊技状態判定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。特に、メインCPU66は、左列、中列、右列に対応する識別情報を特別の表示態様(大当り図柄が特定図柄である表示態様)として決定する場合には、後述するステップS184、185の処理において高確率遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な有利遊技状態としての高確率遊技状態に移行するか否かを決定することとなる。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図15のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄決定用乱数カウンタからはずれ図柄決定用乱数値を抽出し、そのはずれ図柄決定用乱数値に基づいて左列、中列、右列に対応する識別情報を決定し、その識別情報を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された左列、中列、右列に対応する識別情報を示すデータは、図15のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。このような処理が実行されることによって、つまり、識別情報の可変表示の結果を決定することとなる。
尚、メインCPU66は、左列と右列とが同じ識別情報となり、更には、左列と中列とが同じ識別情報となる場合には、中列の識別情報を、所定のコマ数(例えば3コマ)だけ補正するように決定し、大当りにならないように制御している。つまり、本ステップにより、識別情報の可変表示の結果が、その識別情報の可変表示の結果が導出表示される以前に決定されるのである。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された左列、中列、右列の識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。つまり、ステップS109を実行するメインCPU66は、ステップS105による判定の結果に基づいて、複数列の識別情報の変動パターンを決定することとなる。尚、本実施形態におけるステップS109を実行するメインCPU66は、複数列の識別情報の可変表示の変動パターンを決定する変動パターン決定手段の一例に相当する。このように記憶された変動パターンを示すデータは、図15のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
ステップS110においては、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動演出時間を示す変動演出時間テーブルと、に基づいて、変動演出時間を算出し、その変動演出時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンドを受信し、図19に示すようなコマンド受信処理を実行することとなる。
[コマンド受信処理]
最初に、図19に示すように、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS301)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく変動パターンを決定し、決定された変動パターンを示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS302)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、ステップS303に処理を移す。
ステップS301の処理により変動パターン指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、導出図柄指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS303)。この処理において、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、受信コマンドに基づく停止図柄を決定し、決定された停止図柄を示すデータをワークRAM210の所定領域にセットする(ステップS304)。一方、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS303の処理により導出図柄指定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、図柄確定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS305)。この処理において、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合には、停止図柄の確定処理を実行する(ステップS306)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、図柄確定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、ステップS307に処理を移す。
ステップS305の処理により図柄確定コマンドを受信したとは判別されなかった場合には、遊技状態指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS307)。この処理において、サブCPU206は、遊技状態指定コマンドを受信したと判別した場合には、遊技状態指定コマンドに対応するデータをセットする(ステップS308)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU206は、遊技状態指定コマンドを受信したとは判別しなかった場合には、その他の受信したコマンドに対応する処理を実行し(ステップS309)、本サブルーチンを終了する。このその他の受信したコマンドには、例えば、導出普通図柄指定コマンド、普通図柄変動パターン指定コマンド等、各種のコマンドが相当する。その他の受信したコマンドに対応する処理には、例えば、導出普通図柄指定コマンドを受信した場合には、サブCPU206が導出普通図柄指定コマンドに基づいて導出表示させる図柄を示すデータをワークRAM210にセットする処理、普通図柄変動パターン指定コマンドを受信した場合には、その普通図柄変動パターン指定コマンドに基づいて、変動表示させる普通図柄の変動パターンを示すデータをワークRAM210にセットする処理等、各種の処理が含まれる。
[リーチ演出パターン決定処理]
また、副制御回路200では、コマンド受信処理の他にも、所定のタイミングで図20に示すようなリーチ演出パターン決定処理を実行することとなる。
最初に、図20に示すように、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS311)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS312に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS312において、サブCPU206は、演出パターン決定テーブル(図4)に基づいて、演出パターン、変動演出パターンを決定する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、演出パターン決定テーブルを参照し、主制御回路60から供給される変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンを決定する。具体的には、サブCPU206は、主制御回路200から変動パターン指定コマンドとして変動パターン6を受信した場合には、演出決定用乱数カウンタから演出決定用乱数値を抽出し、その抽出した演出決定用乱数値に基づいて、スーパーリーチ演出パターン1、スーパーリーチ演出パターン2のいずれかを演出パターンとして選択する。
このように、ステップS312を実行するサブCPU206は、複数種類のリーチ画像演出パターンのなかからいずれかのリーチ画像演出パターンを選択することとなる。尚、本実施形態におけるステップS312を実行するサブCPU206は、複数種類のリーチ画像演出パターンのなかからいずれかのリーチ画像演出パターンを選択するリーチ画像演出選択手段の一例に相当する。
また、サブCPU206は、演出パターンを決定した場合には、演出パターン決定テーブルを参照し、決定した演出パターンに対応する変動演出パターンを決定する。具体的には、サブCPU206は、主制御回路200から変動パターン指定コマンドとして変動パターン6を受信し、スーパーリーチ演出パターン1を選択した場合には、変動演出決定用乱数カウンタから変動演出決定用乱数値を抽出し、その抽出した変動演出決定用乱数値に基づいて、リーチ変動演出パターンと全回転リーチ変動演出パターンのうちいずれかを変動演出パターンとして選択する。
このように、ステップS312を実行するサブCPU206は、複数列の識別情報を、リーチ態様で表示制御するか全回転リーチ態様で表示制御するかを決定することとなる。また、本実施形態におけるステップS312を実行するサブCPU206は、複数列の識別情報を、リーチ態様で表示制御するか全回転リーチ態様で表示制御するかを決定する識別情報表示態様決定手段の一例に相当する。
また、サブCPU206は、上述したように決定された演出パターンを示すデータ、変動演出パターンを示すデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
尚、本実施形態においては、主制御回路60から変動パターンを受け取り、その変動パターンに基づいて演出パターンを決定し、演出パターンに基づいて変動演出パターンを決定するように構成したが、これに限らず、例えば、主制御回路60から変動パターンを受け取り、その変動パターンに基づいて、変動演出パターンを決定するように構成してもよい。
[予告演出パターン決定処理]
また、副制御回路200では、コマンド受信処理、リーチ演出パターン決定処理の他にも、所定のタイミングで図21に示すような予告演出パターン決定処理を実行することとなる。
最初に、図21に示すように、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS321)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS322に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS322において、サブCPU206は、予告演出選択テーブル(図6)に基づいて、予告演出パターンを決定する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ステップS312によって決定された演出パターンを参照する。そして、サブCPU206は、予告演出パターン決定用乱数カウンタから予告演出パターン決定用乱数値を抽出する。そして、サブCPU206は、予告演出選択テーブルを参照し、決定された演出パターンと、抽出した予告演出パターン決定用乱数値とに対応する予告演出パターンを選択する。このように、ステップS322を実行するサブCPU206は、予告演出パターンを決定することとなる。また、サブCPU206は、決定した予告演出パターンを示すデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[開始時期決定処理]
また、副制御回路200では、コマンド受信処理、リーチ演出パターン決定処理、予告演出パターン決定処理の他にも、所定のタイミングで図22に示すような開始時期決定処理を実行することとなる。
最初に、図22に示すように、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かの判断を行う(ステップS331)。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS332に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンド以外のコマンドを受信したと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS332において、サブCPU206は、演出パターン、変動演出パターンが決定されたか否かの判断を行う(ステップS332)。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に、演出パターンを示すデータと、変動演出パターンを示すデータとがセットされているか否かによって、演出パターン、変動演出パターンが決定されたか否かの判断を行うこととなる。サブCPU206は、演出パターン、変動演出パターンが決定されたと判別した場合には、ステップS333に処理を移す。一方、サブCPU206は、演出パターン、変動演出パターンが決定されたとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS333において、サブCPU206は、開始時期決定テーブル(図5)に基づいて、複数列の識別情報毎に変動表示を開始する変動開始タイミングを決定する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域にセットされている演出パターンを示すデータ、変動演出パターンを示すデータを読み出す。また、サブCPU206は、開始時期決定用乱数カウンタから開始時期決定用乱数値を抽出する。そして、サブCPU206は、開始時期決定テーブルを参照し、抽出した開始時期決定用乱数値と、演出パターンを示すデータ、変動演出パターンを示すデータとに対応する複数列の識別情報の変動開始タイミングを決定する。尚、ステップS333を実行するサブCPU206は、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の少なくとも一列の変動表示の変動開始タイミングと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせる制御を行うタイミング調節手段の一例に相当する。また、サブCPU206は、決定した変動開始タイミングを示すデータを、ワークRAM210の所定領域にセットする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、副制御回路200では、上述した処理の他にも、以下のような処理を実行することとなる。
サブCPU206は、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされた演出パターンを示すデータ、変動演出パターンを示すデータ、予告演出パターンを示すデータ、変動開始タイミングを示すデータなどをVDP212に供給する。
VDP212は、サブCPU206からのデータに基づいて、識別情報を示す特別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ、普通図柄画像データ等、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示を行う。このように、サブCPU206、VDP212は、液晶表示装置32における複数列の識別情報の可変表示の制御を行うとともに、液晶表示装置32における演出画像の表示制御を行うこととなる。言い換えると、サブCPU206、VDP212は、主制御回路60から送信される変動パターンに基づいて、液晶表示装置32における複数列の識別情報の可変表示の制御を行うとともに、主制御回路60から送信される変動パターンに基づいて、液晶表示装置32における演出画像の表示制御を行うこととなる。
特に、サブCPU206、VDP212は、変動パターン3、変動パターン4、変動パターン6、変動パターン7に対応するスーパーリーチ演出パターン(リーチ画像演出パターン)が演出パターンとして決定された場合(所定のリーチ条件が成立した場合)には、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うこととなる。また、サブCPU206、VDP212は、複数列の識別情報をリーチ態様又は全回転リーチ態様で変動表示の制御を行うこととなる。つまり、サブCPU206、VDP212は、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御し、ステップS105において複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、全回転リーチ態様で表示制御することとなる。
このように制御することによって、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ時におけるリーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御し、複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチ態様で表示制御するので、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行った場合であっても、複数列の識別情報が全回転リーチ態様で表示制御されることがあり、通常のリーチ時においてリーチ演出画像が表示された場合であっても、全回転リーチ態様となる期待感を損ねることがなく、興趣の向上を図ることができる。また、全回転リーチ態様専用の演出画像を記憶する必要がなく、記憶容量の軽減を図ることができる。
また、サブCPU206、VDP212は、ステップS105を実行するメインCPU66によって複数列の識別情報の組合せが所定の組合せとなると判定され、かつ、ステップS312を実行するサブCPU206によってリーチ態様で変動表示させる制御を行うと決定した場合には、それら複数列の識別情報が所定の組合せで停止表示させた後、再遊技態様で表示制御することとなる。一方、サブCPU206、VDP212は、ステップS105を実行するメインCPU66によって複数列の識別情報の組合せが所定の組合せとなると判定され、かつ、ステップS312を実行するサブCPU206によって全回転リーチ態様で変動表示させる制御を行うと決定した場合には、その全回転リーチ態様の少なくとも一部と上述した再遊技態様の少なくとも一部とを同じ態様で表示制御することとなる。
このように制御することによって、全回転リーチ態様、再抽選態様において、同じ画像データを用いることとなり、記憶容量の軽減を図ることができる。
また、サブCPU206、VDP212は、ステップS333において決定された変動開始タイミングで、複数列の識別情報毎に変動表示を開始させる制御を行うこととなる。この場合においては、サブCPU206、VDP212は、所定の条件が成立せず、ステップS333において決定された変動開始タイミングが標準時となる場合には、標準時における所定の変動開始タイミングで、複数列の識別情報毎に変動表示を開始させる制御を行うこととなる。一方、サブCPU206、VDP212は、所定の条件が成立し、ステップS333において決定された変動開始タイミングが標準時とならない場合には、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列を、所定の変動開始タイミングとは異なる特定の変動開始タイミングで変動表示を開始させる制御を行うこととなる。
このような表示制御の他にも、サブCPU206は、上述したようにワークRAM210の所定領域にセットされた演出パターンを示すデータ、変動演出パターンを示すデータ、予告演出パターンを示すデータ、変動開始タイミングを示すデータなどを音源IC232に供給する。
音源IC232は、サブCPU206からのデータに基づいて、音声データROM234に記憶されている複数の演出音パターンデータから一つの演出音パターンデータを選択し、選択された演出音パターンデータに基づいて、スピーカ46から演出音を発生させる制御を行うこととなる。
特に、音源IC232は、複数列の識別情報の変動表示を開始する場合には、サブCPU206からのデータに基づいて、音声データROM234に記憶されている変動開始演出音データを選択し、複数列の識別情報の変動表示毎に対応する所定の発生タイミングで変動開始演出音をスピーカ46から発生させる制御を行うこととなる。
上述したように、所定の条件が成立して変動開始タイミングが標準時とならない場合には、所定の条件が成立せずに変動開始タイミングが標準時となる場合と比べて、複数列の識別情報の少なくとも一列の変動表示の変動開始タイミングと、それに対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なることとなる。つまり、サブCPU206、VDP212は、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の少なくとも一列の変動表示の変動開始タイミングと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせる制御を行うこととなる。
言い換えると、サブCPU206、VDP212は、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列を、所定の変動開始タイミングとは異なる特定の変動開始タイミングで変動表示を開始させる制御を行うこととなる。
このように制御することによって、複数列の識別情報の変動表示の変動開始タイミングの少なくともいずれかと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせるので、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それら複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かによって、所定の条件が成立したか否かを認識することができ、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始、変動開始演出音の発生に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、複数列の識別情報の変動表示毎に、変動表示の開始タイミングと、それに応じた変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かを注意させ、変動表示開始時点から遊技に集中させることができるため、集中する機会を増加させ、より一層、興趣の向上を図ることができる。更には、複数列の識別情報に対応する複数種類の変動開始演出音を記憶する必要がなく、複雑な制御を行うことなく、変動開始演出音を記憶する記憶媒体の記憶容量を増加させることなく、興趣の向上を図ることができる。
尚、ステップS333などを実行するサブCPU206や、VDP212は、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の少なくとも一列の変動表示の変動開始タイミングと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせる制御を行うタイミング調節手段の一例に相当する。また、言い換えると、ステップS333などを実行するサブCPU206や、VDP212は、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列を、所定の変動開始タイミングとは異なる特定の変動開始タイミングで変動表示を開始させる制御を行う表示タイミング調節手段の一例に相当する。
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、識別情報の変動演出パターンに基づく所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の変動開始タイミングと、対応して発生する変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせる制御を行うように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、識別情報の組合せが所定の組合せとなるか否かの判定結果に基づく所定の条件が成立するように構成してもよい。この場合においては、図23に示す開始時期決定テーブルが参照される。
以下に、上述したような開始時期決定テーブルについて図23を用いて説明する。尚、図23に示す開始時期決定テーブルについては、図5に示す開始時期決定テーブルと同じ構成を省略して説明する。
本実施形態の開始時期決定テーブルに記憶されている選択率は、図23に示すように、複数列の識別情報の組合せが所定の組合せとなる大当り変動演出が選択された場合と、複数列の識別情報の組合せが所定の組合せとならないはずれ変動演出が選択された場合と、が対応付けられている。
具体的には、左列開始時期決定テーブルにおいては、図23(A)に示すように、大当り変動演出が選択された場合には、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.0s”が選択され、“20/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択される。はずれ変動演出が選択された場合には、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.0s”が選択され、“98/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択される。
また、右列開始時期決定テーブルにおいては、図23(B)に示すように、大当り変動演出が選択された場合には、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“20/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択される。はずれ変動演出が選択された場合には、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“98/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択される。
また、中列開始時期決定テーブルにおいては、図23(C)に示すように、大当り変動演出が選択された場合には、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択され、“20/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.5s”が選択され、“40/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“3.0s”が選択される。はずれ変動演出が選択された場合には、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.0s”が選択され、“98/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“1.5s”が選択され、“1/100”の確率で、識別情報の変動開始時期として“2.0s”が選択される。
このように、識別情報の組合せが所定の組合せとなる大当り変動演出が実行される場合には、識別情報の組合せが所定の組合せとならないはずれ変動演出が実行される場合よりも高い確率で、識別情報の変動表示が早くなったり遅くなったりするように変動演出が決定されることとなる。つまり、識別情報の変動表示が開始されるタイミングが標準時とは異なる特定のタイミングである場合には、大当り変動演出が選択される可能性が高くなる。このため、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列を、所定の変動開始タイミングとは異なる特定の変動開始タイミングで変動表示を開始させる制御を行うように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音を、所定の発生タイミングとは異なる特定の発生タイミングで発生させる制御を行うように構成してもよい。
例えば、図24に示すように、複数列の識別情報の変動開始タイミングは一定(例えば、左列の識別情報が“1.5s”、右列の識別情報が“1.5s”、中列の識別情報が“1.5s”)に制御されるとともに、図5に示す開始時期決定テーブルと同じように、複数列の識別情報の変動表示毎に対応する発生タイミングを、所定の条件が成立しない場合には標準時の発生タイミング(所定の発生タイミング、例えば、左列の識別情報が“1.5s”、右列の識別情報が“1.5s”、中列の識別情報が“1.5s”)に制御する一方、所定の条件が成立した場合には標準時の発生タイミング(所定の発生タイミング)とは異なる特定の発生タイミング(例えば、図24に示すように、左列の識別情報が“1.0s”、右列の識別情報が“2.0s”、中列の識別情報が“2.5s”)に制御することとなる。
このように制御することによって、上述した実施形態と同じように、複数列の識別情報の変動表示の変動開始タイミングの少なくともいずれかと、当該複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔を異ならせるので、複数列の識別情報の変動表示の開始タイミングと、それら複数列の識別情報の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かによって、所定の条件が成立したか否かを認識することができ、遊技者に対して、複数列の識別情報の変動表示の開始、変動開始演出音の発生に注意させ、複数列の識別情報の変動表示開始時点から遊技に集中させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、複数列の識別情報の変動表示毎に、変動表示の開始タイミングと、それに応じた変動開始演出音の発生タイミングとの間隔が異なるか否かを注意させ、変動表示開始時点から遊技に集中させることができるため、集中する機会を増加させ、より一層、興趣の向上を図ることができる。更には、複数列の識別情報に対応する複数種類の変動開始演出音を記憶する必要がなく、複雑な制御を行うことなく、変動開始演出音を記憶する記憶媒体の記憶容量を増加させることなく、興趣の向上を図ることができる。
尚、このような制御を行うサブCPU206、音源IC232は、所定の条件が成立した場合に、複数列の識別情報の変動表示の少なくとも一列に対応して発生される変動開始演出音を、所定の発生タイミングとは異なる特定の発生タイミングで発生させる制御を行う発生タイミング調節手段の一例に相当する。
尚、本実施形態においては、複数列の識別情報を、再抽選態様の少なくとも一部と、全回転リーチ態様の少なくとも一部とが同じ態様で表示されるように構成したが、これに限らず、再抽選態様と全回転リーチ態様とが異なる態様で表示されるように構成してもよい。
尚、本実施形態においては、特別図柄ゲームにおける特別図柄92を識別情報としたが、これに限らず、別の図柄を識別情報としてもよく、例えば、識別情報として、普通図柄94、装飾図柄であってもよい。この装飾図柄は、特別図柄ゲームにおける特別図柄92の可変表示を装飾するための図柄であり、特別図柄92の可変表示に関連した図柄である。
尚、本実施形態においては、遊技制御手段としての主制御回路60と演出制御手段としての副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図25に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。つまり、遊技制御手段と演出制御手段とを一体に構成してもよい。もちろん、払出・発射制御回路126を、主制御回路60、副制御回路200と一体に構成してもよい。
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキと称される第2種パチンコ遊技機、権利ものと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
また、上述した本実施形態においては、液晶表示装置32等の表示装置を可変表示手段として備えたが、これに限らず、円筒状のドラムを可変表示手段として構成してもよい。また、このように、円筒状のドラムを可変表示手段として構成した場合には、その前面(外周)又は背面(内周)に表示装置を備えるように構成し、又は、ドラムを二重に重ねるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、パチンコ遊技機等の遊技機自体に本発明を適用したが、各種の処理をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムにも適用可能である。このシミュレーションプログラムは、上述した実施形態における各種の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
[シミュレーションプログラムの実施形態]
パチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて図26を用いて説明する。尚、図26は、このシミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す概略図である。
図26に示すように、コンピュータ300Aは、コンピュータ本体302、表示領域304aに画像を表示する表示装置304、操作部としてのキーボード306を備えている。コンピュータ本体302には、表示装置304と、キーボード306と、が電気的に接続されている。尚、本実施形態においては、キーボード306を操作部として構成したが、本発明はこれに限らず、操作可能であれば他の態様であってもよく、例えば、マウス、コントローラ等でもよい。
コンピュータ本体302には、制御回路(図示せず)が内蔵されている。この制御回路は、CPU等からなる制御部(図示せず)と、各種のデータ、プログラム等を記憶する記憶部(図示せず)と、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体からデータを読み出すドライブ装置(図示せず)と、を備えている。また、制御回路は、表示装置304及びキーボード306等の外部装置を制御するためのインターフェイス回路(図示せず)を備えている。
尚、本実施形態においては、コンピュータとしてパーソナルコンピュータを用いた構成としたが、本発明はこれに限らず、別の態様であってもよく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置であってもよい。
本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体にシミュレーションプログラムが記憶されており、制御部がそのシミュレーションプログラムに従い、各種の処理を実行する。
また、本実施形態においては、上述した実施形態におけるパチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて説明する。このシミュレーションプログラムは、具体的には以下のような処理(ステップ)をコンピュータに実行させるためのものである。
(A1) 複数列の識別情報の可変表示の制御を行うとともに、演出画像の表示の制御を行う表示制御処理。
(A2) 前記複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させるか否かを判定する表示結果判定処理。
(A3) 前記表示結果判定処理において前記複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う特定遊技状態移行制御処理。
(A4) 前記表示制御処理において、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ時におけるリーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、前記複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御する処理。
(A5) 前記表示制御処理において、前記表示結果判定処理において前記複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、前記リーチ画像演出パターンに基づく前記リーチ演出画像の表示制御を行うとともに、前記複数列の識別情報を前記所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチ態様で表示制御する処理。
(A6) 遊技機の動作を制御する遊技制御処理。
(A7) 前記遊技制御処理において、前記表示結果判定処理における判定の結果に基づいて、前記複数列の識別情報の変動パターンを決定する変動パターン決定処理。
(A8) 前記遊技制御処理において、前記変動パターン決定処理において決定された変動パターンを送信する送信処理。
(A9) 前記表示制御処理において、前記変動パターン決定処理において決定された変動パターンに基づいて、前記複数列の識別情報の可変表示の制御を行うとともに、前記変動パターン決定処理において決定された変動パターンに基づいて、演出画像の表示制御を行う処理。
(A10) 前記表示制御処理において、それぞれ演出画像が異なる複数種類のリーチ画像演出パターンのなかからいずれかのリーチ画像演出パターンを選択するリーチ画像演出選択処理。
(A11) 前記表示制御処理において、前記複数列の識別情報を、前記リーチ態様で表示制御するか前記全回転リーチ態様で表示制御するかを決定する識別情報表示態様決定処理。
(A12) 前記表示制御処理において、前記リーチ画像演出選択処理において選択されたリーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、前記識別情報表示態様決定処理において決定された態様で前記複数列の識別情報を表示制御する処理。
(A13) 前記表示制御処理において、一旦所定の組合せで仮停止表示させる制御を行った後に、再度、前記複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させ、新たな種類の所定の組合せで導出表示させることが可能な再抽選態様で表示制御する処理。
(A14) 前記表示制御処理において、前記複数列の識別情報を、前記再抽選態様の少なくとも一部と、前記全回転リーチ態様の少なくとも一部とを同じ態様で表示制御する処理。
(A15) 前記表示制御処理において、前記リーチ演出画像の表示制御を行う前に、前記複数列の識別情報を前記全回転リーチ態様で表示制御する処理。
(A16) 前記表示制御処理において、前記リーチ演出画像の表示制御を行っている最中に、前記複数列の識別情報を前記全回転リーチ態様で表示制御する処理。
このように、(A1)から(A5)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ時におけるリーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御し、複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、複数列の識別情報を所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチ態様で表示制御するので、リーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行った場合であっても、複数列の識別情報が全回転リーチ態様で表示制御されることがあり、通常のリーチ時においてリーチ演出画像が表示された場合であっても、全回転リーチ態様となる期待感を損ねることがなく、興趣の向上を図ることができる。また、全回転リーチ態様専用の演出画像を記憶する必要がなく、記憶容量の軽減を図ることができる。
また、(A1)から(A5)の他に、(A10)から(A12)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、遊技機の動作を制御する遊技制御手段が複数列の識別情報の変動パターンを決定し、表示制御手段が、その変動パターンに基づいて、複数種類のリーチ画像演出パターンのなかからいずれかのリーチ画像演出パターンを選択し、複数列の識別情報を、リーチ態様で表示制御するか全回転リーチ態様で表示制御するかを決定するので、遊技の進行を制御する遊技制御手段における制御負荷を軽減することができる。
また、(A1)から(A5)の他に、(A13)、(A14)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、複数列の識別情報を、再抽選態様の少なくとも一部と、全回転リーチ態様の少なくとも一部とを同じ態様で表示制御するので、全回転リーチ態様、再抽選態様において、同じ画像データを用いることとなり、記憶容量の軽減を図ることができる。
また、(A1)から(A5)の他に、(A15)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、リーチ演出画像の表示制御を行う前に、複数列の識別情報を全回転リーチ態様で表示制御するので、リーチとなる前から全回転リーチとなることが認識でき、それ以降においても演出画像を安心して視認ことができる環境を提供することができる。
また、(A1)から(A5)の他に、(A16)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、リーチ演出画像の表示制御を行っている最中に、複数列の識別情報を全回転リーチ態様で表示制御するので、通常のリーチとなった場合であっても、全回転リーチとなることがあるため、通常のリーチ時における期待感を損ねることなく、興趣の向上を図ることができる。
尚、本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、制御部を各種の手段として機能させるように構成したが、本発明はこれに限らず、例えば、上述した記憶媒体よりコンピュータ300Aに内蔵された記憶部にプログラムをインストールし、コンピュータ300Aに内蔵された記憶部に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、上述した実施形態における各種の手段として制御部を機能させるように構成してもよい。
また、上述した実施形態においては、一つのコンピュータ300Aにおいて各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、他のコンピュータ(例えばゲームサーバ)と、それらの処理を別々に分けて実行させるように構成してもよい。
他のコンピュータを用いて実行されるシミュレーションプログラムについて図27を用いて説明する。尚、図27は、シミュレーションプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。
図27に示すように、ネットワーク500には、コンピュータ300A、300B、…と、その他のコンピュータであるゲームサーバ400と、が接続されている。つまり、これらのコンピュータ300A、300B、…は、ゲームサーバ400に対して通信可能に接続されている。また、ゲームサーバ400は、制御部(図示せず)と、プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、を備え、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
この場合には、上述した実施形態において具体的に記載された処理を、コンピュータ300A、300B、…と、ゲームサーバ400とに、別々に分けて実行させるように構成してもよい。
本実施形態におけるパチンコ遊技を模するシミュレーションプログラムの一例を挙げると、上述した(A2)、(A3)、(A6)から(A8)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをゲームサーバ400の記憶部に記憶し、上述した(A1)、(A4)、(A5)、(A9)から(A16)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをコンピュータ300A、300B、…の記憶部に記憶する。これにより、ゲームサーバ400の制御部は、(A2)、(A3)、(A6)から(A8)の処理を実行し、コンピュータ300A、300B、…の制御部は、(A1)、(A4)、(A5)、(A9)から(A16)の処理を実行することとなる。
尚、本実施形態においては、コンピュータ300A、300B、…の各々とゲームサーバ400とに、シミュレーションプログラムに含まれる各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、各種の処理を実行させるためのシミュレーションプログラムをゲームサーバ400に記憶し、コンピュータ300A、300B、…からゲームサーバ400に供給されるダウンロード要求に応じて、ゲームサーバ400からコンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムをダウンロードすることにより、コンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムを実行させるように構成してもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、複数列の識別情報の可変表示を行うとともに演出画像の表示を行う表示手段と、前記表示手段における前記複数列の識別情報の可変表示の制御を行うとともに、前記表示手段における前記演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、前記複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させるか否かを判定する表示結果判定手段と、前記表示結果判定手段によって前記複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる制御を行う特定遊技状態移行制御手段とを備えた遊技機であって、前記表示制御手段は、所定のリーチ条件が成立した場合には、リーチ時におけるリーチ画像演出パターンに基づくリーチ演出画像の表示制御を行うとともに、前記複数列の識別情報をリーチ態様で表示制御する機能を有し、前記表示制御手段は、前記表示結果判定手段によって前記複数列の識別情報を所定の組合せで導出表示させると判定されたことを条件に、前記リーチ画像演出パターンに基づく前記リーチ演出画像の表示制御を行うとともに、前記複数列の識別情報を前記所定の組合せで同期させて変動表示させる全回転リーチ態様で表示制御する機能を有することを特徴とするものであるが、表示手段、表示制御手段、遊技制御手段、送信手段、特定遊技状態移行制御手段、表示結果判定手段、変動パターン決定手段、リーチ画像演出選択手段、識別情報表示態様決定手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。