JP2005203764A - 多層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体やその周辺の導体部分にクラックやデラミネーションが生じにくく、接続信頼性に優れた多層配線基板を提供すること。
【解決手段】本発明の多層配線基板11を構成するコア基板12は、スルーホール部15を有する。スルーホール部15は、直径200μm以下の貫通孔16の内壁面にスルーホール導体17を設けた構造である。層間絶縁層31,32は、コア基板12の第1主面13側及び第2主面14側に配置されている。配線層23,24は層間絶縁層31,32の表面上に配置されている。充填材の硬化体18はスルーホール部15に充填されている。蓋状導体21,22はスルーホール部15の開口部を塞いでいる。充填材の硬化体18の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、小径のスルーホール部を有するとともに、そのスルーホール部に充填材の硬化体が充填され、かつスルーホール部の開口部が蓋状導体によって塞がれた多層配線基板に関するものである。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴って電子部品の高密度実装化が要求されており、このような高密度実装化を達成するにあたり配線基板の多層化技術が重要視されている。多層化技術を用いた具体例としては、直径300μm程度のスルーホール部を設けたコア基板の片面または両面に、層間絶縁層及び配線層を交互に積層形成したビルドアップ層を設けた多層配線基板がよく知られている。
このような多層配線基板の製造時には、ビルドアップ層の平坦性を確保するために、あらかじめスルーホール部をスルーホール充填用ペースト等の充填材で穴埋めし、これを加熱して硬化させておく工程が必要となる。そして、スルーホール部の穴埋めに関する技術に関しては、従来いくつか提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1には、樹脂成分及び硬化剤の種類をそれぞれ特定した樹脂充填材を用いてスルーホール部の穴埋めを行うことで、層間絶縁層におけるクラック等を防止する技術が開示されている。特許文献2には、硬化体の収縮率に特徴のある充填材を用いてスルーホール部の穴埋めを行うことで、層間絶縁層などにおけるクラックを防止する技術が開示されている。
特開平10−75027号公報
特開平11−199759号公報
ところで最近では、さらなる高密度実装化の要求があり、小径のスルーホール部を形成するケースが増えつつある。しかしながら、スルーホール径が200μmよりも小さくなると、今までに見られなかったような不具合が発生するようになる。
つまり、図5に概略的に示されるように、充填材の硬化体101が充填されたスルーホール部102の開口部を塞ぐ蓋めっき103とその直上に有るビア106との界面にデラミネーションが生じやすくなり、高い接続信頼性の確保が困難になる。また、蓋めっき103とスルーホールめっき105との界面や、蓋めっき103自身にクラックが生じ、同様に高い接続信頼性の確保が困難になる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体やその周辺の導体部分にクラックやデラミネーションが生じにくく、接続信頼性に優れた多層配線基板を提供することにある。
そこで、上記課題を解決すべく本願発明者が鋭意研究を行ったところ、スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体やその周辺の導体部分におけるデラミネーションやクラックの発生メカニズムに関して、下記のように推察した。
通常の多層配線基板製造プロセスにおいては、はんだリフローを1回または複数回行って配線基板を作製した後、その配線基板に対する各種評価試験(外観評価試験など)を実施して、最終製品を得ている。ところで、充填材の硬化体は、はんだリフロー時の加熱、冷却によって熱膨張する。特に充填材の硬化体のZ軸方向(即ち配線基板の厚さ方向、スルーホール部の軸線方向)の膨張により充填材の硬化体が、スルーホール部の開口部に位置する蓋状導体を押し上げ、蓋状導体やその周辺の導体部分には圧縮・引張応力が加わる。このように圧縮・引張応力が内在した状態で、配線基板に熱衝撃を与える信頼性評価試験を行うと、とりわけスルーホール部が小径である場合に、その開口部に位置する蓋状導体やその周辺の導体部分にクラックやデラミネーションが発生しやすくなるのである。このような推察の下、本願発明者は充填材の硬化体の物性値、特に線膨張の値に着目し、その値の好適化を図れば、クラックやデラミネーションの発生を効果的に防止しうることを知見した。そして、本願発明者はこのような知見をさらに発展させ、最終的に下記の課題解決手段を想到したのである。
即ち、上記課題を解決するための手段としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有するコア基板と、前記コア基板の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方側に配置された層間絶縁層と、前記層間絶縁層の表面上に配置された配線層と、前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体とを備え、前記充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下であることを特徴とする多層配線基板、がある。
従って、本発明によると、充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下という極めて低い値に抑えられている。それゆえ、はんだリフローを行ったときの充填材の硬化体の熱膨張量が少なくなり、蓋状導体やその周辺の導体部分に内在する圧縮・引張応力もおのずと小さくなる。よって、熱衝撃を伴う信頼性評価試験を行ったとしても、蓋状導体やその周辺の導体部分にクラックやデラミネーションが発生しにくくなり、高い接続信頼性を付与することができる。
ここで、充填材の硬化体の線膨張の値は、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.20%以下(ただし0%は除く。)であり、好ましくは0.30%以上1.20%以下、特に好ましくは0.80%以上1.20%以下である。前記線膨張の値が1.20%を越えると、充填材の硬化体の熱膨張量を十分に少なくすることができず、クラックやデラミネーションの発生率を十分に減らすことができなくなる。また、前記線膨張の値が0.30%未満になると、充填材の硬化体が硬くなってしまい、充填材の硬化体自身にクラックが生じたり、スルーホール導体にクラックが生じたりする可能性がある。
上記発明において「線膨張」とは、多層配線基板を構成する充填材の硬化体を試料とし、室温(25℃)からはんだリフロー温度までの間をTMA装置(熱機械分析装置)にて測定したときの試料の伸び率(%)のことをいう。なお、多層配線基板の構成要素として使用されるべきはんだ材料として錫鉛共晶はんだ(Sn/37Pb:融点183℃)を選択するような場合、前記はんだリフロー温度は、錫鉛共晶はんだ用のリフロー温度(例えば215℃)に設定される。つまり、リフロー温度とは、このようにはんだの融点プラスおよそ30℃の温度ということができる。また、錫鉛共晶はんだ以外のSn/Pb系はんだ、例えばSn/36Pb/2Agという組成のはんだ(融点190℃)などを使用し、同程度のはんだリフロー温度を設定してもよい。
さらに、多層配線基板の構成要素として使用されるべきはんだ材料としては、上記のような鉛入りはんだ以外にも、鉛フリーはんだを選択することが可能である。鉛フリーはんだとは、鉛を全くまたは殆ど含まないはんだのことを意味し、例えば、Sn−Ag系はんだ、Sn−Ag−Cu系はんだ、Sn−Ag−Bi系はんだ、Sn−Ag−Bi−Cu系はんだ、Sn−Zn系はんだ、Sn−Zn−Bi系はんだ等を挙げることができる。なお、上記各系のはんだには微量元素(例えばAu,Ni,Ge等)が含まれていてもよい。
Sn−Ag系はんだの具体例としては、例えば、Sn/3.5Agという組成のはんだ(融点221℃)や、Sn/3Ag/6−8Inという組成のはんだ等がある。Sn−Ag−Cu系はんだの具体例としては、Sn/3.0Ag/0.5Cuという組成のはんだ(融点217℃)等がある。Sn−Ag−Bi系はんだの具体例としては、Sn/3.5Ag/0.5Bi/3.0Inという組成のはんだ(融点214℃)や、Sn/3.2Ag/2.7Bi/2.7Inという組成のはんだ(融点210℃)等がある。Sn−Ag−Bi−Cu系はんだの具体例としては、Sn/2.5Ag/1.0Bi/0.5Cuという組成のはんだ(融点214℃)等がある。Sn−Zn系はんだの具体例としては、Sn/9.0Znという組成のはんだ(融点199℃)等がある。Sn−Zn−Bi系はんだの具体例としては、Sn/8Zn/3Biという組成のはんだ(融点198℃)等がある。
充填材の硬化体に対する線膨張の測定は、実際にスルーホール部に充填された状態の充填材の硬化体について行われることが、本来的には望ましい。しかし、下記のような簡便な方法により測定して得た結果を、線膨張の測定結果として代用してもよい。
まず、熱硬化性の充填材を10mm×10mm×50mm程度の成形用空間を有する型に流し込み、通常用いる工程と同じ条件でその充填材を熱硬化させる。その後、旋盤等の加工装置を用いてφ5mm×20mmの円柱状試験片を作製し、これを試料として用いてTMA法による測定を行う。ここにいう「TMA」とは、熱機械分析をいい、例えばJIS−K7197(プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法)に規定されるものをいう。そして、スパン20mmにて試験片の長手方向に約1gの圧縮荷重を加えた状態で、−55℃まで冷却し、10℃/分の昇温速度で215℃まで加熱する。このとき、25℃,215℃での試料の長さを測定し、得られた測定結果を式1に代入して線膨張の値(%)を計算する。なお、コア基板について線膨張を測定する場合には、スルーホール部形成前のコア基板を適宜カットして試験片とすればよい。
εb=(L215−L25)/L25×100 ・・・式1
εb:線膨張(%)
215:215℃における試料の長さ(mm)
25:室温(25℃)における試料の長さ(mm)
また、前記充填材の硬化体の軸線方向(Z軸方向)における平均熱膨張係数の値は、例えば5ppm/K以上50ppm/K以下であることが好ましく、特には20ppm/K以上40ppm/K以下であることがより好ましい。また、充填材の硬化体の軸線方向における平均熱膨張係数の値は、前記コア基板の厚さ方向(Z軸方向)の平均熱膨張係数に近いことが望ましく、具体的には両者の差の絶対値が20ppm/K以下であることがよい。両者の差の絶対値を20ppm/K以下に設定しておけば、信頼性評価試験の際にスルーホール導体などにかかる応力を低減することができるからである。なお、両者の差の絶対値は10ppm/K以下であることがよりよい。
本発明における前記充填材の硬化体の平均熱膨張係数は、下記のような方法により測定可能である。まず、上述した方法によって充填材からφ5mm×20mmの円柱状試験片を作製し、これを試料として用いてTMA法による測定を行う。ここにいう「TMA」とは、熱機械分析をいい、例えばJIS−K7197(プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法)に規定されるものをいう。そして、スパン20mmにて試験片の厚さ方向に約1gの圧縮荷重を加えた状態で、−55℃まで冷却し、10℃/分の昇温速度で215℃まで加熱する。このとき、−55℃,25℃,125℃での試料の長さを測定し、得られた測定結果を式2に代入して平均熱膨張係数の値(ppm/K)を計算する。なお、コア基板について平均熱膨張係数を測定する場合には、スルーホール部形成前のコア基板を適宜カットして試験片とすればよい。
α={(L125−L-55)/(L25×(125−(−55)))} ・・・式2
α:平均熱膨張係数(ppm/K)
125:125℃における試料の長さ(mm)
-55:−55℃における試料の長さ(mm)
25:室温(25℃)における試料の長さ(mm)
また、前記充填材の硬化体のZ軸方向の平均熱膨張係数と、前記スルーホール導体のZ軸方向の平均熱膨張係数との差の絶対値は、20ppm/K以下であることが好ましく、15ppm/K以下であることがより好ましい。さらに、前記コア基板の厚さ方向の平均熱膨張係数と、前記スルーホール導体のZ軸方向の平均熱膨張係数との差の絶対値は、30ppm/K以下であることが好ましく、25ppm/K以下であることがより好ましい。いずれ場合においても、差の絶対値を小さくすることにより、信頼性評価試験の際にスルーホール導体、蓋状導体、層間絶縁層などに加わる応力を低減することができるからである。
加えて、前記層間絶縁層のZ軸方向の平均熱膨張係数は、20ppm/K以上60ppm/K以下であることが好ましく、20ppm/K以上55ppm/K以下であることがより好ましい。この平均熱膨張係数が60ppm/K以下を超えると、信頼性評価試験時の熱膨張量が大きくなって、配線層やビアのパッド部に応力が加わり、クラックが生じやすくなるからである。一方、この平均熱膨張係数が20ppm/Kよりも低くなると、層間絶縁層が硬くなる結果、配線層との隙間を十分に埋めることが困難になったり、層間絶縁層自体にクラックが生じやすくなったりするおそれがある。
本発明において使用可能なコア基板としては、樹脂基板、セラミック基板、金属基板などが挙げられるが、なかでも樹脂基板が好ましい。好適な樹脂基板としては、EP樹脂(エポキシ樹脂)、PI樹脂(ポリイミド樹脂)、BT樹脂(ビスマレイミド−トリアジン樹脂)、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)等からなる基板が挙げられる。そのほか、これらの樹脂とガラス繊維(ガラス織布やガラス不織布)との複合材料からなる基板を使用してもよい。その具体例としては、ガラス−BT複合基板、高Tgガラス−エポキシ複合基板(FR−4、FR−5等)等の高耐熱性積層板などがある。また、これらの樹脂とポリアミド繊維等の有機繊維との複合材料からなる基板を使用してもよい。あるいは、連続多孔質PTFE等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる基板等を使用してもよい。この場合、コア基板は、線膨張や平均熱膨張係数の値が小さいものであることが望ましく、その点において高耐熱性積層板などを使用することが好適である。さらに、内部に配線層を有するコア基板であってもよい。
樹脂基板をコア基板として用いる場合には、粉末状または繊維状の無機フィラーを含むものを選択することが好適である。このような無機フィラーとしては、セラミックフィラー、金属フィラー、ガラスフィラーなどがある。好適なセラミックフィラーとしては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタニア、硫酸バリウムなどが挙げられる。樹脂中に無機材料が含まれていると、線膨張や平均熱膨張係数の値が低くなり、かつ、耐熱性も向上するからである。
前記コア基板は、第1主面及び第2主面にて開口する貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有している。スルーホール導体は、導電性を有する金属を貫通孔の内壁面上に設けることよって形成される。この場合、例えば貫通孔の内壁面上に無電解銅めっきを析出させることによって形成されるスルーホールめっきが、製造上、コスト上の観点から好適である。また、前記コア基板の厚さ方向における線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において0.3%以上1.4%以下であることがよく、0.8%以上1.3%以下であることが好ましい。
スルーホール導体の表面は、凹凸が少ないことがよく、具体的にはRa<1μmの平滑面であることが好ましい。例えば、樹脂中にフィラーを添加した充填材を印刷して貫通孔内に充填する場合、凹凸部があるとそこに樹脂が取られてしまう。このため、貫通孔の出口側近くになるほどフィラーの含有量が増加して充填材の粘度が極端に増大し、充填性が悪くなる。また、貫通孔内に充填材を充填できたとしても、貫通孔の出口側付近と入口側付近とで、フィラーの含有量の相違に起因する熱膨張差が生じる。そのため、充填材の硬化体にクラックが生じやすくなる可能性がある。RaとはJIS B 0601−1994で規格されている算術平均粗さのことをいう。
本発明において前記スルーホール部は、従来のものに比べて小径であり、直径200μm以下(ただし、0μmは除く。)の貫通孔内にスルーホール導体を設けた構造となっている。その理由は、スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体やその周辺の導体部分におけるクラックやデラミネーションの発生、という問題は、貫通孔の直径が200μm以下になることで顕在化するからである。つまり、本願特有の解決課題は、貫通孔が直径200μm以下である場合に生じうるからである。ここで、小径のスルーホール部がある場合において本願特有の解決課題が発生する詳細な理由は不明であるが、従来サイズのスルーホール部に比べて蓋状導体等に与える応力の負荷が大きくなることにその原因があると予想される。なお、貫通孔の直径は100μm以下(ただし、0μmは除く。)であってもよい。
本発明において使用される充填材は、耐熱性が高いことが望ましく、特にガラス転移点が高いことが望ましい。一般にガラス転移点を超えると平均熱膨張係数が増加するため、ガラス転移点が低い充填材の線膨張は大きいものとなるからである。ガラス転移点としては、好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上がよい。前記充填材は、例えば熱硬化性を付与した樹脂材料をベースにして形成されたものであることが好ましく、スルーホール部内に充填した後に硬化される。前記充填材としては、エポキシ樹脂をベースにして形成されたものが好適である。エポキシ樹脂は一般に硬化収縮が少なく、硬化後であっても端面に窪みが生じにくいからである。
前記エポキシ樹脂のなかでも、耐熱性、耐湿性、耐薬品性に優れる芳香族エポキシ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を用いることが望ましい。さらに、3官能以上の多官能のエポキシ樹脂(アミノフェノール型等)の使用は、線膨張の低減を達成するうえで有効である。
前記充填材は、エポキシ樹脂に、熱硬化性を付与するための硬化剤を添加したものであることが好ましい。このような硬化剤としては、耐熱性や耐薬品性に優れるという点で、イミダゾール系硬化剤や、ジシアンアミド等のアミン系硬化剤が好適である。硬化剤の性状は特に限定されないが、粉末状であると調製後の寿命の管理が容易になるという利点がある。
前記充填材は、エポキシ樹脂に、硬化剤に加えてさらに最大粒径が5μm以上60μm以下のフィラーを添加したものであることが好ましい。このようなフィラーとしては、セラミックフィラー、金属フィラー、ガラスフィラー等のような無機フィラーであることが好ましい。無機フィラーの添加は、充填材の硬化体の線膨張や平均熱膨張係数の低減につながるからである。好適なセラミックフィラーとしては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタニア、硫酸バリウムなどの粒子が挙げられる。好適な金属フィラーとしては、銅、銀、スズ、鉛、チタン、鉄、ニッケル等の粒子が挙げられる。なお、セラミックフィラーの表面を金属でコーティングした粒子を用いてもよい。セラミックフィラー及び金属フィラーの両方を用いてもよい。
前記フィラーの最大粒径は5μm以上60μm以下であることが好ましい。最大粒径が5μm未満であると、充填材を高密度で充填できなくなるため、充填材の硬化体の線膨張や平均熱膨張係数を低い値に抑えることが困難になる。一方、最大粒径が60μmを超えると、直径200μm以下の貫通孔に充填材を充填する際に、内部で目詰まりが発生しやすくなる。よって、充填材を充填する作業が困難になるおそれがある。
前記スルーホール部に充填する際の前記充填材を粘度は、22±3℃において剪断速度が21s-1のとき、300Pa・s以下であることが好ましく、さらには10Pa・s以上200Pa・s以下であることがより好ましい。粘度が10Pa・s未満であると、充填された充填材がスルーホール部の外に垂れてしまうおそれがある。一方、粘度が200Pa・sを超えるような場合には、充填材の流動性が小さくなりすぎて、スルーホール部に充填材を充填する作業が困難になる。なお、スルーホール部に充填材を充填する好適な手法としては、印刷法がある。この場合、マスクを介して充填材を印刷してもよいほか、マスクを介さずに充填材を直接印刷してもよい。
本発明では、実質的に影響を及ぼさない範囲で、充填材に上記以外の他の成分を混合してもよい。例えば、絶縁性及び耐湿性等に実質的に影響を及ぼさない範囲で、消泡剤、揺変剤、着色剤、レベリング剤、カップリング剤等を添加することが許容される。
前記層間絶縁層は、コア基板の第1主面側、第2主面側、または、第1主面及び第2主面の両側に配置される。層間絶縁層は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などをベースとしてそれに硬化剤等を添加したものを用いて形成されることが好ましい。このようなものであれば、層間絶縁層の線膨張や平均熱膨張係数を低い値に設定しやすくなる。層間絶縁層は単層からなるものでも複数層からなるものでもよい。
前記層間絶縁層の表面上には配線層が配置されている。配線層を形成する手法や金属材料は、導電性や層間絶縁層との密着性などを考慮して適宜選択される。配線層の形成に用いられる金属材料の例としては、銅、銅合金、銀、銀合金、ニッケル、ニッケル合金、スズ、スズ合金などが挙げられる。配線層を形成する手法としては、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法を採用することができる。具体的にいうと、例えば、銅箔のエッチング、無電解銅めっきあるいは電解銅めっき、無電解ニッケルめっきあるいは電解ニッケルめっきなどの手法を用いることができる。なお、スパッタやCVD等の手法により金属層を形成した後にエッチングを行うことで配線層を形成したり、導電性ペースト等の印刷により配線層を形成したりすることも可能である。また、前記層間絶縁層の最表層上には、必要に応じて、配線層を保護するためのソルダーレジストが配置されていてもよい。
スルーホール部の開口部には、スルーホール部を塞ぐ蓋状導体が配置されている。このような蓋状導体は、導電性金属を用いて従来公知の手法によりスルーホール部の開口部に導体層を形成することにより得られる。蓋状導体の好適例としては、銅めっきを施すことにより形成された蓋めっき(蓋めっき層)を挙げることができる。かかる蓋めっきの厚さは例えば5μm以上50μm以下に設定され、特には10μm以上30μm以下に設定されることがよい。
前記層間絶縁層において前記蓋状導体の表面上の位置には、ビアが配置されていてもよく、特にビア凹部にめっきを充填したフィルドビアが配置されていることがよい。ビア凹部にめっきが充填されたフィルドビアは、ビア凹部にめっきが充填されていないビアに比べて、スルーホール部からの押し上げに弱く、自身の塑性変形によって応力を逃がすことが難しい。従って、その位置にフィルドビアがあると、蓋状導体やその周辺の導体部分におけるクラックやデラミネーションの発生、という本願特有の解決課題が生じやすくなるからである。フィルドビアは、例えば、層間絶縁層にビア凹部を開口した後、そのビア凹部の内部に電解銅めっきを施して上面を略平坦にすることにより形成される。またフィルドビアは、層間絶縁層にビア凹部を開口した後、そのビア凹部の内部に無電解銅めっきを施し、さらにビア内の窪みに電解銅めっきや導電性ペーストなどを充填して上面を略平坦にすることにより形成される。
また、上記課題を解決するための別の手段としては、第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有するコア基板と、前記コア基板の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方側に配置された層間絶縁層と、前記層間絶縁層の表面上に配置された配線層と、前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体とを備え、室温からはんだリフロー温度までの温度域における前記充填材の硬化体の線膨張の値と、室温からはんだリフロー温度までの温度域における前記コア基板の厚さ方向における線膨張の値との差の絶対値が、0.1%以下であることを特徴とする多層配線基板、がある。
従って、本発明によると、室温からはんだリフロー温度までの温度域における前記充填材の硬化体の線膨張の値と、当該温度域における前記コア基板の厚さ方向における線膨張の値との差の絶対値が、0.1%以下という極めて低い値に抑えられている。それゆえ、はんだリフローを行ったときの充填材の硬化体の熱膨張量が少なくなり、蓋状導体やその周辺の導体部分に内在する圧縮・引張応力もおのずと小さくなる。よって、熱衝撃を伴う信頼性評価試験を行ったとしても、蓋状導体やその周辺の導体部分にクラックやデラミネーションが発生しにくくなり、高い接続信頼性を付与することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態の多層配線基板11を、図1〜図4に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、この多層配線基板11は、両面にビルドアップ層を備える両面ビルドアップ多層配線基板である。多層配線基板11を構成するコア基板12は、平面視で略矩形状の板状部材(厚さ0.8mm)であり、上面13(第1主面)及び下面14(第2主面)を有している。コア基板12における複数箇所には、上面13及び下面14を貫通するスルーホール部15が等間隔に形成されている。これらのスルーホール部15は、上面13及び下面14にて開口する貫通孔16の内壁面にスルーホールめっき17(スルーホールめっき部)を設けた構造を有している。本実施形態の場合、スルーホールめっき17は無電解銅めっきの後の電界銅めっきからなり、その析出厚さは約20μmに設定されている。スルーホールめっき17の表面は平滑面であって凹凸を殆ど有しておらず、Raも1μm未満になっている。スルーホール部15内には充填材の硬化体18が充填されている。ここでは充填材として、エポキシ樹脂をベースとしてそれに硬化剤及びフィラーを添加したペーストを用いている。その詳細については後述する。スルーホール部15における上側の開口部には上側蓋めっき21(蓋状導体)が形成され、スルーホール部15における下側の開口部には下側蓋めっき22(蓋状導体)が形成されている。その結果、これらの蓋めっき21,22によってスルーホール部15が塞がれている。本実施形態では、無電解めっきの後、電解銅めっきにより蓋めっき21,22を形成するとともに、その厚さ(詳細には充填材の硬化体18の端面に接する箇所の厚さ)を15μm〜25μm程度に設定している。スルーホール部15のランド部分に接する箇所の蓋めっき21,22の厚さは、これよりも厚く、35μm〜45μm程度になっている。
コア基板12の上面13には層間絶縁層31が形成され、コア基板12の下面14には層間絶縁層32が形成されている。層間絶縁層31,32はいずれもその厚さが約30μmであって、例えば連続多孔質PTFEにエポキシ樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる。上面13側に位置する第1層めの層間絶縁層31の表面上には配線層23がパターン形成され、下面14側に位置する第1層めの層間絶縁層32の表面上には配線層24がパターン形成されている。また、第1層めの層間絶縁層31における所定箇所、即ちスルーホール部15の直上部には、直径約70μmのビア凹部41が設けられている。第1層めの層間絶縁層32における所定箇所、即ちスルーホール部15の直下部には、同様に直径約70μmのビア凹部44が設けられている。ビア凹部41,44にはビア導体である電解銅めっきが充填され、これによりフィルドビア43,46が形成されている。上面13側のフィルドビア43は、その内側面が蓋めっき21に対して接続される一方、その外側面が配線層23に対して接続されている。その結果、フィルドビア43を介してスルーホール部15と配線層23とが導通している。また、下面14側のフィルドビア46は、その内側面が蓋めっき22に対して接続される一方、その外側面が配線層24に対して接続されている。その結果、フィルドビア46を介してスルーホール部15と配線層24とが導通している。
第1層めの層間絶縁層31の表面上には第2層めの層間絶縁層51が形成され、第1層めの層間絶縁層32の表面上には第2層めの層間絶縁層52が形成されている。層間絶縁層51,52はいずれもその厚さが約30μmであって、連続多孔質PTFEにエポキシ樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる。第2層めの層間絶縁層51,52の表面上には、それぞれソルダーレジスト71,72が設けられている。第2層めの層間絶縁層51,52における所定箇所には、それぞれ直径約70μmのビア凹部61,64が設けられている。ビア凹部61,64にはビア導体である電解銅めっきが充填され、これによりフィルドビア63,66が形成されている。
上面13側のフィルドビア63は、その内側面が配線層23に対して接続される一方、その外側面がソルダーレジスト71の開口部81によって露出されている。そして、フィルドビア63の外側面上には、図示しないICチップ側のパッドとの接続に用いられるはんだバンプ83が設けられている。下面14側のフィルドビア66は、その内側面が配線層24に対して接続される一方、その外側面がソルダーレジスト72の開口部84によって露出されている。そして、フィルドビア66の外側面上には、図示しないマザーボード側のパッドとの接続に用いられるはんだバンプ86が設けられている。
以下、本実施形態をより具体化した実施例について説明する。
(1)スルーホール部15を充填するための充填材の作製
表1の組成になるように、エポキシ樹脂、硬化剤及びフィラーを混合し、3本ロールミルを用いて混練して、充填材であるスルーホール部充填用ペーストを調製した。ここで用いた原材料の詳細は以下のとおりである。表1では、エポキシ樹脂と硬化剤との和が100部となるようにして、各成分の量を重量部にて表示している。下記の成分以外に、スルーホール部充填用ペーストには、少量の触媒核、増粘剤、消泡剤を添加した。
<充填材>
・E−828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製)
・E−807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製)
・E−630:アミノフェノール型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製)
<硬化剤>
・2MAZ−PW:イミダゾール系硬化剤(四国化成工業製)
・DICY7:ジシアンジアミド系硬化剤(ジャパンエポキシレジン製)
<フィラー>
・f1:平均粒径3μm、最大粒径10μmに分級したアトマイズCu粉末
・f2:平均粒径6μm、最大粒径24μmに分級したシリカ粉末
・f3:平均粒径2μm、最大粒径10μm未満に分級した炭酸カルシウム粉末の表面処理品
(2)多層配線基板11の作製
多層配線基板11の作製にあたり、下記のようなコア基板12を使用した。その物性については表2に示す。
<コア基板>
・コア基板A:BT/ガラスクロス複合基板A
・コア基板B:エポキシ/ガラスクロス/フィラー複合基板
・コア基板C:BT/ガラスクロス複合基板C
そして、まず、上記のコア基板12(厚さ0.8mm)に、直径100μm、200μmまたは300μmの貫通孔16を設けた。その後、従来公知の手法に従って無電解銅めっき、電解めっきを行い、前記貫通孔16の内壁面にスルーホールめっき17を設け、スルーホール部15とした。次に、表1に示す充填材を従来公知の印刷方法にて印刷することにより、スルーホール部15内に充填材を充填した。そして、コア基板12を150℃×5時間の条件で加熱硬化させ、充填材の硬化体18とした。このような熱硬化処理の後、ベルトサンダー研磨によってコア基板12の上面13及び下面14を平滑化したうえで、充填材の硬化体18の端面を含むコア基板12全体に無電解めっきの後、電解銅めっきを施した。次に、形成された導体層上にドライフィルムを設けて露光・現像を行った後にエッチングを行い、導体層をパターニングした。これによりスルーホール部15の開口部に蓋めっき21,22を形成した。さらに、ビルドアップ法により層間絶縁層31,32(味の素製:ABF−GX、Z軸方向の平均熱膨張係数が55ppm/K)を形成した後、スルーホール部15の直上部を炭酸ガスレーザにて穴明けした。そして、この穴明けにより形成されたビア凹部41,44内を無電解めっきの後、電解銅めっきで埋めてフィルドビア43,46を形成し、併せて層間絶縁層31,32の表面上に配線層23,24を形成した。さらに、同様の手法により、層間絶縁層51,52の形成、レーザ穴明け、無電解めっき、電解銅めっき等によるフィルドビア63,66の形成を行い、次いでソルダーレジスト71,72の形成を行った。そして最後に、ソルダーレジスト71,72から露出しているフィルドビア63,66にはんだを印刷し、215℃×10秒の加熱条件でリフローを行って、はんだバンプ83,86を有する図1の多層配線基板11を完成させた。なお、はんだバンプ83,86を形成するはんだ材料として、本実施例では錫鉛共晶はんだ(Sn/37Pb:融点183℃)を用いた。
表3に示されるように、ここではコア基板Aと充填材F1との組み合わせを「サンプル番号1」とし、コア基板Aと充填材F2との組み合わせを「サンプル番号2」とし、コア基板Aと充填材F3との組み合わせを「サンプル番号3」とし、コア基板Aと充填材F4との組み合わせを「サンプル番号4」とした。また、コア基板Bと充填材F1との組み合わせを「サンプル番号5」とした。そして、コア基板Cと充填材F1との組み合わせを「サンプル番号6」とし、コア基板Cと充填材F4との組み合わせを「サンプル番号7」とした。
(3)熱衝撃試験
上記(2)に従って作製された多層配線基板11について、接続信頼性の良否を比較するために、下記の要領で熱衝撃試験を実施した。具体的には、−55℃×5分〜125℃×5分を1サイクルとして、このヒートサイクルを500回行った時点でスルーホール部15の軸線方向に沿ってコア基板12を切断し、その切断面をSEMで観察した。そして、蓋めっき21,22及びそれに接する導体部分(スルーホール部15のランド部分、フィルドビア43,46)におけるクラックやデラミネーションの発生状況を調査した。その結果を表3に示す。ちなみに、熱衝撃試験を行う前の多層配線基板11では、特にクラックやデラミネーション等の不良は認められなかった。
(4)充填材の硬化体18及びコア基板12の線膨張、平均熱膨張係数の測定
・充填材の硬化体18:まず、充填材を10mm×10mm×50mm程度の成形用空間を有する型に流し込み、150℃×5時間の条件(即ち通常用いる工程と同じ条件)でその充填材を熱硬化させた。その後、旋盤を用いてφ5mm×20mmの円柱状試験片を作製し、これを試料として用いてTMA法による測定を行った。即ち、スパン20mmにて試験片の長手方向に約1gの圧縮荷重を加えた状態で、−55℃まで冷却し、10℃/分の昇温速度で215℃まで加熱した。このとき、25℃,215℃での試料の長さを測定し、得られた測定結果を上記式1に代入して線膨張の値(%)を計算した。また、−55℃,25℃,125℃での試料の長さを測定し、この測定結果を上記式2に代入して平均熱膨張係数の値(ppm/K)を計算した。それらの結果を表1,2に示す。
・コア基板12:ダイシング装置を用いて厚さ0.8mm×縦横5.0mmに切断して正方形状の試験片とし、これを試料として用いてTMA法による測定を行った。即ち、試験片の厚さ方向に約1gの圧縮荷重を加えた状態で、−55℃まで冷却し、10℃/分の昇温速度で215℃まで加熱した。このとき、25℃,215℃での試料の厚さを測定し、この測定結果を上記式1に代入して線膨張の値(%)を計算した。また、−55℃,25℃,125℃での試料の厚さを測定し、この測定結果を上記式2に代入して平均熱膨張係数の値(ppm/K)を計算した。それらの結果も表1,2に示す。
(5)結果及び考察
・充填材の硬化体18の線膨張:表1に示すように、充填材F1,F2の硬化体18では、いずれも線膨張の値が1.20%以下となり、その値は好適範囲に属していた。これに対し、充填材F3,F4の硬化体18では、いずれも線膨張の値が1.20%を超えてしまい、その値は好適範囲に属していなかった。従って、充填材F1,F2を選択した場合に好結果が得られるであろうことが示唆された。
・コア基板12の線膨張、平均熱膨張係数:表2に示すように、コア基板A,Bについては線膨張の値がいずれも1.30%以下となり、その値は好適範囲に属していた。これに対し、コア基板Cについては線膨張の値が1.30%を超えてしまい、その値は好適範囲に属していなかった。なお、平均熱膨張係数についても同様の傾向が認められ、コア基板A,Bのほうがコア基板Cに比べて低い値となった。以上の結果から、コア基板A,Bを選択した場合に好結果が得られるであろうことが示唆された。
・コア基板12に対する充填材の印刷性:サンプル番号1,2,3,5,6では、100μmという極めて小径のスルーホール部15に対しても良好な印刷性を示した。これに対し、サンプル番号4,7では、小径のスルーホール部15に対する印刷性が悪く、充填が不十分になることがわかった。つまり、印刷性の観点からすると、充填材F1,F2,F3を使用したほうが充填材F4を使用した場合よりも好結果が得られることがわかった。
・熱衝撃試験による接続信頼性:サンプル番号1,2,5では、スルーホール部15の直径が100μmになったときでも、クラックやデラミネーションの発生率を0%に抑えることができた。従って、サンプル番号1,2,5の多層配線基板11においては、蓋めっき21,22やその周辺の導体部分に極めて高い接続信頼性が確保されていた。一方、他のサンプルでは、スルーホール部15が200μm以下になると、クラックやデラミネーションが高頻度で発生した。
(6)結論
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。即ち、充填材の硬化体18の線膨張の値が、室温(25℃)からはんだリフロー温度(215℃)までの温度域において1.2%以下という極めて低い値に抑えられている。また、室温(25℃)からはんだリフロー温度(215℃)までの温度域における充填材の硬化体18の線膨張の値と、当該温度域におけるコア基板12の厚さ方向における線膨張の値との差の絶対値が、0.1%以下という極めて低い値に抑えられている。それゆえ、はんだリフローを行ったときの充填材の硬化体18の熱膨張量が少なくなり、蓋めっき21,22やその周辺の導体部分に内在する圧縮・引張応力もおのずと小さくなる。よって、上記のような熱衝撃試験を行ったとしても、蓋めっき21,22やその周辺の導体部分にクラックやデラミネーションが発生しにくくなり、多層配線基板11に高い接続信頼性を付与することができる。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有するコア基板と、前記コア基板の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方側に配置された層間絶縁層と、前記層間絶縁層の表面上に配置された配線層と、前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体とを備え、前記充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において0.30%以上1.20%以下であることを特徴とする多層配線基板。
(2)前記充填材の硬化体の平均熱膨張係数と、前記コア基板の厚さ方向の平均熱膨張係数との差の絶対値が、20ppm/K以下であることを特徴とする技術的思想1に記載の多層配線基板。
(3)前記充填材の硬化体の平均熱膨張係数と、前記スルーホール導体の平均熱膨張係数との差の絶対値が、20ppm/K以下であることを特徴とする技術的思想1または2に記載の多層配線基板。
(4)前記コア基板の厚さ方向の平均熱膨張係数と、前記スルーホール導体の平均熱膨張係数との差の絶対値が、30ppm/K以下であることを特徴とする技術的思想1乃至3のいずれか1項に記載の多層配線基板。
(5)前記層間絶縁層の平均熱膨張係数が、20ppm/K以上60ppm/K以下であることを特徴とする技術的思想1乃至4のいずれか1項に記載の多層配線基板。
(6)第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有するコア基板と、前記コア基板の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方側に配置された層間絶縁層と、前記層間絶縁層の表面上に配置された配線層と、前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体と、前記蓋状導体の表面上に配置されたビアとを備え、前記充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下であることを特徴とする多層配線基板。
(7)直径200μm以下のスルーホール部を有する多層配線基板の前記スルーホール部に充填されるペースト状の充填材であって、前記充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下であることを特徴とする多層配線基板用スルーホール部充填材。
(8)配線基板製造用のコア基板であって、第1主面と、第2主面と、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部と、前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体とを備え、前記充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下であることを特徴とする配線基板製造用コア基板。
(9)基板に形成された直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けたスルーホール部構造であって、室温からはんだリフロー温度までの温度域において線膨張の値が1.2%以下である充填材の硬化体によってその内部が充填され、その開口部が蓋状導体によって塞がれていることを特徴とするスルーホール部構造。
本発明を具体化した一実施形態の多層配線基板の要部拡大断面図。 実施例の熱衝撃試験にて用いる充填材の組成及び物性を示す表。 実施例の熱衝撃試験にて用いるコア基板の物性等を示す表。 実施例の熱衝撃試験の結果等を示す表。 従来技術の問題点を説明するための多層配線基板の要部拡大断面図。
符号の説明
11…多層配線基板
12…コア基板
13…第1主面としての上面
14…第2主面としての下面
15…スルーホール部
16…貫通孔
17…スルーホール導体としてのスルーホールめっき
18…充填材の硬化体
23,24…配線層
21,22…蓋状導体としての蓋めっき
31,32,51,52…層間絶縁層
41,44,61,64…ビア凹部
43,46,63,66…フィルドビア

Claims (8)

  1. 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有するコア基板と、
    前記コア基板の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方側に配置された層間絶縁層と、
    前記層間絶縁層の表面上に配置された配線層と、
    前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、
    前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体と
    を備え、
    前記充填材の硬化体の線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.2%以下であることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記スルーホール導体はスルーホールめっきであることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 前記コア基板の厚さ方向における線膨張の値が、室温からはんだリフロー温度までの温度域において1.3%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層配線基板。
  4. 前記蓋状導体の表面上には、ビア凹部にめっきを充填したフィルドビアが配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多層配線基板。
  5. 前記スルーホール部に充填する際の前記充填材の粘度は、22±3℃において剪断速度が21s-1のとき、300Pa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多層配線基板。
  6. 前記スルーホール導体の表面は、Ra<1μmの平滑面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多層配線基板。
  7. 前記充填材は、エポキシ樹脂に、硬化剤及び最大粒径が5μm以上60μm以下のフィラーを添加したものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の多層配線基板。
  8. 第1主面及び第2主面を有し、前記第1主面及び前記第2主面にて開口する直径200μm以下の貫通孔の内壁面にスルーホール導体を設けた構造のスルーホール部を有するコア基板と、
    前記コア基板の前記第1主面及び前記第2主面の少なくとも一方側に配置された層間絶縁層と、
    前記層間絶縁層の表面上に配置された配線層と、
    前記スルーホール部に充填された充填材の硬化体と、
    前記スルーホール部の開口部を塞ぐ蓋状導体と
    を備え、
    室温からはんだリフロー温度までの温度域における前記充填材の硬化体の線膨張の値と、室温からはんだリフロー温度までの温度域における前記コア基板の厚さ方向における線膨張の値との差の絶対値が、0.1%以下であることを特徴とする多層配線基板。
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