JP2005203344A - 燃料電池セル用セパレータの製造方法及び燃料電池セル用セパレータ製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚み方向の電気抵抗を低減して電気導電性を高めることができると共に、上型凹部隅部にも樹脂を充填させることのできる燃料電池セル用セパレータの製造方法を提供する。
【解決手段】カーボン粒子と樹脂22の粉末材料を、第1の下型5及び第2の下型6からなるキャビティー内に充填し加圧することで燃料電池セル用セパレータを製造する。本発明では、上型4と下型2を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する際、少なくとも加圧直前までにキャビティーに、パンチ13の側面13aまたはパンチ13に形成された逃げ穴17の底部に設けた静電気発生部18より静電気を印加させる。この静電気によって、カーボン粒子の配向軸である長軸を加圧方向に配向させると共に、樹脂22を引き寄せてキャビティーの凹部隅部まで樹脂22を充填させる。
【選択図】図1
【解決手段】カーボン粒子と樹脂22の粉末材料を、第1の下型5及び第2の下型6からなるキャビティー内に充填し加圧することで燃料電池セル用セパレータを製造する。本発明では、上型4と下型2を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する際、少なくとも加圧直前までにキャビティーに、パンチ13の側面13aまたはパンチ13に形成された逃げ穴17の底部に設けた静電気発生部18より静電気を印加させる。この静電気によって、カーボン粒子の配向軸である長軸を加圧方向に配向させると共に、樹脂22を引き寄せてキャビティーの凹部隅部まで樹脂22を充填させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池セル用セパレータの製造方法及び燃料電池セル用セパレータ製造装置に関し、詳細には、セパレータを構成するカーボン粒子の配向技術に関する。
燃料電池単セルを構成する部材のうち燃料電池セル用セパレータは、主として電解質膜を挟んでその両側に設けられた電極から電気を取り出す役目をすることから、出来る限り導電性に優れていることが要求される。
かかる燃料電池セル用セパレータは、例えば金型内にカーボン(黒鉛)と樹脂の混合粉末を充填した後、パンチによって型締めして加熱圧縮成形することで形成される。成形によって形成された燃料電池セル用セパレータは、カーボン粉末の結晶配向の向きによってはその導電性の善し悪しに影響が出る。
通常、燃料電池セル用セパレータでは、加圧方向に対して垂直方向にカーボン粒子の配向軸(長軸)が向くため、材料の電気導電性に異方性が生じて加圧方向の電気抵抗が高くなる。つまり、カーボン粒子の配向軸が水平方向となるため、セパレータの厚み方向にカーボン粒子が多く重なり合うことで抵抗が大きくなり電気導電率が悪くなる。また、前記製法では、特に上型の凹部隅部に材料が充填され難く、空孔が分布し易くなり、ガス透過性及び強度が充分に確保することができない。
そこで、従来は、燃料電池セル用セパレータの導電性を良好なものとし、上型に形成された凹部への樹脂の充填性を高めるための工夫がなされている。その一つとして、例えば、金型内に充填した混合粉末を複数の方向から圧縮成形することで、黒鉛粉末の結晶配向をランダムとし、特定の方向の固有抵抗が高くなることを抑制し導電性の向上を図った製造方法が開示されている(例えば、特許文献1など参照)。
特開平8−180892号公報(第2頁〜第4頁、第3図〜第5図)
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、複数方向から加圧成形するため、成形型構造が複雑となり、金型コストが増大する他、製造プロセスが複雑化する。また、この方法では、黒鉛粉末の結晶配向方向はランダムな方向となり、特定方向に固有抵抗が高いといった不具合は防止されるが、本来必要とする方向の導電性が不十分であり、必ずしも効率の良い構成ではない。また、この方法では、上型凹部への樹脂充填性を高めることができず、やはりガス透過性及び強度の面で課題を残す。
そこで、本発明は、厚み方向の電気抵抗を低減して電気導電性を高めることができると共に、上型凹部隅部にも樹脂を充填させることのできる燃料電池セル用セパレータの製造方法及び燃料電池セル用セパレータ製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、カーボンと樹脂を金型に充填し加圧することで燃料電池セル用セパレータを製造する。特に、本発明では、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する際、少なくとも加圧直前までに粉末材料とキャビティーの少なくとも一方に静電気を印加させる。
本発明の燃料電池セル用セパレータの製造方法によれば、少なくとも加圧直前までに粉末材料とキャビティーの少なくとも一方に静電気を印加させたので、粉末材料の配向や密度を適宜制御して導電性を高めることができる。すなわち、キャビティーに静電気を印加させた場合には、カーボン粒子の配向軸(長軸)をセパレータ厚み方向に配向させることが可能となり、当該セパレータの厚み方向の電気抵抗を低減させることができる。
また、粉末材料に静電気を印加させた場合には、印加した静電気によりカーボン粒子及び樹脂が引きつけられるので、上型の凹部隅部にも粉末材料を充填させることができ、表面が密となって電気抵抗を低減させることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「第1の実施の形態」
第1の実施の形態は、下型に形成されるキャビティー内にカーボンと樹脂の粉末材料を充填させた後、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する際に、少なくとも加圧直前まで前記キャビティー部分に静電気を印加するようにした例である。以下に、その製造装置と製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施の形態は、下型に形成されるキャビティー内にカーボンと樹脂の粉末材料を充填させた後、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する際に、少なくとも加圧直前まで前記キャビティー部分に静電気を印加するようにした例である。以下に、その製造装置と製造方法について図面を参照して詳細に説明する。
[燃料電池セル用セパレータ製造装置の構成]
先ず、本発明を適用した燃料電池セル用セパレータ製造装置について説明する。図1は燃料電池セル用セパレータ製造装置の断面図である。
先ず、本発明を適用した燃料電池セル用セパレータ製造装置について説明する。図1は燃料電池セル用セパレータ製造装置の断面図である。
燃料電池セル用セパレータ製造装置は、図1に示すように、プレスのベッド1に取り付けられる下型2と、プレスのラム3に取り付けられる上型4と、静電気の印加手段の一つである静電気発生手段とからなる。
下型2は、燃料電池セル用セパレータを成形するための第1の下型5及び第2の下型6と、下型プレート7と、絶縁下部プレート8と、第2の下型6を第1の下型5に対して上下スライド自在として成形後のセパレータをキャビティーから取り出すための抜き出しロッド9とを有している。
第1の下型5及び第2の下型6は、燃料電池セル用セパレータを成形するためのキャビティーを構成する。この第1の下型5には、キャビティー内に充填されたカーボン粒子21を混合した樹脂22(成形材料)を加温するための発熱手段であるヒーター26が内蔵されている。なお、図1では、カーボン粒子21は図示を省略してあり、樹脂22のみを表示している。
第2の下型6は、第1の下型5に対して入れ子とされており、ベッド1に配置された抜き出しロッド9の押し上げ動作によって上下動自在とされている。この第2の下型6は、抜き出しロッド9によって押し上げられることにより、成形後にキャビティーから燃料電池セル用セパレータを持ち上げるようになっている。
この第2の下型6には、例えば電解質膜に燃料を供給する燃料供給路または電解質膜に酸化剤を供給する酸化剤供給路を形成するための凸条部10が形成されている。また、この第2の下型6には、燃料を燃料供給路に供給する燃料供給口又は燃料を排出する燃料排出口、或いは酸化剤を酸化剤供給路に供給する酸化剤供給口又は酸化剤を排出する酸化剤排出口などの各種マニホールド孔を形成するための突起部11が形成されている。
下型プレート7は、第1の下型5と絶縁下部プレート8との間に設けられている。この下型プレート7には、第2の下型6を内部に臨ませるための貫通孔12がその中央位置に形成されている。
絶縁下部プレート8は、プレス荷重に充分耐え得る強度を持つセラミックスや高強度プラスチック材料から形成されており、下型プレート7の下部に配置されている。この絶縁下部プレート8は、絶縁性を有し、第1の下型5及び第2の下型6をベッド1に対して絶縁させ、下型2を電気的に孤立した状態にする。
抜き出しロッド9は、上下動自在にベッド1に設けられており、成形後に上昇して第2の下型6の底面を押し上げることにより、当該第2の下型6を第1の下型5より上昇させるようになっている。この抜き出しロッド9は、アース接続されており、後述する静電気発生手段によってキャビティー部分に溜まった電荷を成形後に除去させる。
上型4は、パンチ13と、上型プレート14と、このパンチ13を上型プレート14に固定させるパンチ固定部材15とを有している。かかるパンチ13は、第1の下型5及び第2の下型6とによってキャビティー内に充填されたカーボン粒子21を混合した樹脂22を加圧して所定形状に成形する。
このパンチ13には、例えば電解質膜に燃料を供給する燃料供給路または電解質膜に酸化剤を供給する酸化剤供給路を形成するための凸条部16が形成されている。また、このパンチ13には、燃料電池セル用セパレータに形成されるマニホールド孔を形成するための下型2に形成された突起部11の逃げとなる逃げ穴(凹部)17が形成されている。そして、このパンチ13は、ラム3を介してアース接続されている。
上型プレート14は、パンチ13とラム3との間に設けられ、パンチ13に加わった衝撃を受ける役割をする。一方、パンチ固定部材15は、パンチ13に形成されたフランジ部27を引っ掛けることで、当該パンチ13を上型プレート14に固定させる。
静電気発生手段は、静電気を発生する静電気発生部18を有している。この静電気発生部18は、高電圧をコロナピン19に印加することによってコロナ放電を生じさせ、第1の下型5及び第2の下型6との間に電界(電場)を作り、キャビティー内のカーボン粒子21を混合した樹脂22を帯電させる。この静電気発生部18は、パンチ13の側面13aに固定されると共にパンチ13に形成された逃げ穴17の底部に設けられている。
本実施の形態では、パンチ13の側面13aと逃げ穴17の底部の両方に静電気発生部18を設けたが、静電気発生部18は、何れか一方に設けられていれば構わない。但し、パンチ13の内部に完全に埋め込んでしまうと、キャビティー内のカーボン粒子21を混合した樹脂22を帯電させることができないので、前記したように第1の下型5及び第2の下型6と接触しない位置に静電気発生部18をパンチ13に設ける。
また、この静電気発生部18は、コロナピン19の先端より発生したコロナ放電がアースされてしまわないように、前記パンチ13に対して絶縁されて取り付けられている。例えば、静電気発生部18は、図示を省略した絶縁シートを介してパンチ13の側面13aまたは逃げ穴17の底部に設けられている。
また、静電気発生部18は、プレス装置の動作を制御するプレスコントローラ20に接続されており、プレスタイミングに合わせて静電気を発生させるタイミングが制御可能とされている。
[燃料電池セル用セパレータの製造方法]
次に、第1の実施の形態における燃料電池セル用セパレータの製造方法について説明する。先ず、カーボン粒子21と樹脂22の粉末材料を、第1の下型5及び第2の下型6によって形成されるキャビティー内に充填する。次に、上型4が所定の位置まで降下したらプレスの作動プロセスと連動して静電気発生手段を作動させ、静電気発生部18のコロナピン19より電界を発生させる。静電気の印加は、加圧直前まで掛けるようにする。
次に、第1の実施の形態における燃料電池セル用セパレータの製造方法について説明する。先ず、カーボン粒子21と樹脂22の粉末材料を、第1の下型5及び第2の下型6によって形成されるキャビティー内に充填する。次に、上型4が所定の位置まで降下したらプレスの作動プロセスと連動して静電気発生手段を作動させ、静電気発生部18のコロナピン19より電界を発生させる。静電気の印加は、加圧直前まで掛けるようにする。
すると、コロナピン19の先端よりキャビティーに向かってコロナ放電(図2中破線で示す)が発生し、キャビティー内のカーボン粒子21を混合してなる樹脂22が帯電する。そして、帯電したカーボン粒子21及び樹脂22とアース接続されたパンチ13との間に電界(電場)が生じ、クーロン力により帯電した樹脂22に混合されたカーボン粒子21がパンチ13に引き寄せられる。このとき、第1の下型5及び第2の下型6は、絶縁下部プレート8にて電気的に絶縁されていることからキャビティー内が帯電可能となる。
この静電場の中では、静電気の作用でカーボン粒子21の配向軸である長軸が静電気の方向、すなわち鉛直方向に配列されると共に、電荷を帯びたカーボン粒子21はパンチ13方向に引き寄せられる。このように、カーボン粒子21の長軸が鉛直方向に配列されると、水平方向に配列された場合に比べて当該カーボン粒子21の重なり回数が減って電気抵抗が小さくなり、電気伝導率が向上する。
これにより、カーボン粒子21の配列方向による材料の異方性が改善され、材料の厚み方向(加圧方向)の電気抵抗が低減する。また、このカーボン粒子21が静電気によってパンチ13方向へ引き寄せられることにより、第2の下型6に形成された凸条部10,10間及びパンチ13に形成された凸条部16,16間の凹部23、24の隅部にも樹脂22が引っ張られて入り込む。その結果、高強度且つガス透過性に優れた燃料電池セル用セパレータを製造することが可能となる。
キャビティー部に静電気を印加させずにプレスを行った場合は、図3に示すように、カーボン粒子21の長軸がプレス加圧方向と直交する水平方向に配列される。カーボン粒子21は、長軸と短軸を持ったいわば楕円形状となっているが、通常、重力の作用で長軸が水平方向に向く形で配列してしまう。このように、カーボン粒子21が水平方向に配列されると、厚み方向(上下方向)にカーボン粒子21が重なる回数が増え、電気抵抗が大きくなり電気導電率が悪くなる。
そして、上型4が下死点になると、パンチ13と第1の下型5とが接触することで、帯電していた電荷は、アースされた上型4より逃げる。このパンチ13と第1の下型5及び第2の下型6とによってキャビティー内のカーボン粒子21を混合してなる樹脂22を加圧した後は、抜き出しロッド9が上昇して第2の下型6を押し上げる。このとき、抜き出しロッド9は、アース接続されているので、キャビティー内に残った電荷をこの抜き出しロッド9を介して確実に除電させることができる。したがって、次の燃料電池セル用セパレータ成形時には、第1の下型5及び第2の下型6に帯電した静電気を確実に取り除いておくことができる。
また、本実施の形態では、プレスコントローラ20と連動させて静電気発生部18で発生させる静電気の発生タイミングを適宜制御することができるので、カーボン粒子21の配向及びカーボン粒子21を混合した樹脂22の充填状態をコントロールすることができる。
図4は、上述の工程を経て製造された燃料電池セル用セパレータの一例を示す。このように製造された燃料電池セル用セパレータ25は、厚み方向の電気抵抗が小さく、しかも空孔などの無い高強度且つガス透過性に優れたセパレータとなる。
本実施の形態によれば、キャビティー内にカーボン粒子21と樹脂22を充填させた後、少なくとも加圧直前までキャビティー部分に静電気を印加させたので、カーボン粒子21の配向軸(長軸)をセパレータ厚み方向に配向させることができ、当該セパレータの厚み方向の電気抵抗を低減させることができる。
また、本実施の形態によれば、印加した静電気によりカーボン粒子21が引きつけられるので、上型3の凹部隅部にも樹脂22を充填させることができ、空孔の無い高強度且つガス透過性に優れた燃料電池セル用セパレータを成形することができる。
また、本実施の形態によれば、静電気発生部18を上型4に絶縁させて取り付けたので、コロナピン19の先端より発生したコロナ放電がアースされてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態によれば、静電気発生部18を上型4の側面に設けたので、金型への静電気発生部18の取り付け作業性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、静電気発生部18を上型4に形成した凹部17に設けたので、キャビティーに対して確実に電界を印加させることができる。
また、本実施の形態によれば、前記凹部17はマニホールド孔を形成するための下型2に形成された突起部の逃げ穴であるから、その穴を利用して静電気発生部18を配置することができる。したがって、上型4に静電気発生部18を取り付けるための加工を施す必要がない。
「第2の実施の形態」
第2の実施の形態は、カーボンと樹脂の粉末材料を帯電させ、その帯電した粉末材料を下型に形成したキャビティーに静電付着させて充填させた後、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する例である。以下に、その製造装置と製造方法について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態の製造装置と同一構成部分には同一の符号を付すと共にその説明は省略するものとする。
第2の実施の形態は、カーボンと樹脂の粉末材料を帯電させ、その帯電した粉末材料を下型に形成したキャビティーに静電付着させて充填させた後、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する例である。以下に、その製造装置と製造方法について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態の製造装置と同一構成部分には同一の符号を付すと共にその説明は省略するものとする。
[燃料電池セル用セパレータ製造装置の構成]
図5は燃料電池セル用セパレータ製造装置の断面図である。第2の実施の形態の燃料電池セル用セパレータ製造装置は、カーボン粒子と樹脂の粉末材料を帯電させ、その帯電した粉末材料をキャビティーに静電付着させる、静電気の印加手段の一つである帯電供給手段である帯電ガン28を備え、且つ上型4に取り付けたパンチ13の形状が異なる他は、第1の実施の形態の製造装置と同一である。
図5は燃料電池セル用セパレータ製造装置の断面図である。第2の実施の形態の燃料電池セル用セパレータ製造装置は、カーボン粒子と樹脂の粉末材料を帯電させ、その帯電した粉末材料をキャビティーに静電付着させる、静電気の印加手段の一つである帯電供給手段である帯電ガン28を備え、且つ上型4に取り付けたパンチ13の形状が異なる他は、第1の実施の形態の製造装置と同一である。
帯電ガン28は、カーボン粒子21と樹脂22の粉末材料を帯電させ、その帯電したカーボン粒子21と樹脂22からなる成形材料(粉末材料)をキャビティーに向かって吹き付けるノズル部29と、このノズル部29を支持するアーム部30とからなる。帯電ガン28は、例えばコロナ放電式又は摩擦帯電式により、カーボン粒子21と樹脂22を帯電させる。この帯電ガン28は、図5中矢印で示すX方向とY方向に移動自在とされており、下型2と上型4が開いたときに下型2の上部に移動してノズル部29から帯電したカーボン粒子21と樹脂22の粉末材料をキャビティーに向かって吹き付けるように構成されている。
例えば、帯電ガン28による帯電は、カーボン粒子21及び樹脂22を正電荷で帯電させておき、下型2はアース手段として抜き出しロッド9が接触した状態となっており、いわゆる逆電位現象によってキャビティーにこれらカーボン粒子21及び樹脂22を静電付着させる。
第2の実施の形態では、厚みの薄いセパレータを成形するために、パンチ13の形状を第1の実施の形態のパンチ形状とは異なる形状としている。第1の実施の形態では、燃料供給路及び酸化剤供給路を表裏面でそれぞれ相対向する位置に形成することからパンチ13に形成した凸条部16を第2の下型6に形成した凸条部10と対向した位置に形成しているが、第2の実施の形態では、燃料供給路及び酸化剤供給路を表裏面で位置をずらして交互に形成することから、パンチ13に形成した凸条部16を第2の下型6に形成した凸条部10に対してその位置をずらして設けてある。
[燃料電池セル用セパレータの製造方法]
次に、第2の実施の形態における燃料電池セル用セパレータの製造方法について説明する。
次に、第2の実施の形態における燃料電池セル用セパレータの製造方法について説明する。
先ず、図5に示すように、下型2と上型4が開いた状態のときに、帯電ガン28をそれら下型2と上型4の間に進入させる。このとき、下型2には、抜き出しロッド9が接触してアースされている。そして、この帯電ガン28のノズル部29をキャビティーの上方位置に配置させた後、カーボン粒子21と樹脂22の粉末材料を当該帯電ガン28によって帯電させ、その帯電したカーボン粒子21と樹脂22からなる成形材料をキャビティーに吹き付ける。成形材料の吹き付けは、キャビティーの加圧面全体に亘って一定時間吹き付ける。
その結果、帯電したカーボン粒子21及び樹脂22は、逆電位現象によってキャビティーに引きつけられ、図6に示すように、凹凸形状とされた加圧面に均一に静電付着する。具体的には、第2の下型6の上面、凹部23の底面及び側面の何れの箇所にも成形材料が均一に静電付着し、全ての部位で同じ厚みTとなる。
一方、図7に示すように、下型50と上型51で形成されたキャビティー52内にカーボン粒子と樹脂からなる成形材料53(帯電はさせない)を充填した後、擦り切り部材54でキャビティー52上面を擦り切ると、図8に示すように、擦り切り面が面一となることから凹凸部の成形材料53の厚みT1、T2にばらつきが生じ(T2>T1)、そのため加圧時の面圧に差が出る。その結果、面圧ばらつきによる離型不良や成形後のセパレータの厚みにばらつきが発生する。
また、厚みの薄いセパレータを成形しようとした場合、極端に成形材料53の少ない充填状態で擦り切ると、図9に示すように、金型の熱で硬化反応が始まった成形材料が一部擦り切り面に到達し、擦り切る際に硬化部分53Aを盛り上げてしまい面一に仕切ることができない。
しかしながら本実施の形態によれば、帯電させたカーボン粒子21と樹脂22を帯電ガン28によってキャビティーに吹き付けて静電付着させることで、凹凸形状とされたキャビティーの如何なる場所にも均一に成形材料を付着させることができる。
次に、金型の外に帯電ガン28を退避させた後、これら下型2と上型4によってキャビティー内の成形材料を加圧成形する。加圧成形が終了すると、抜き出しロッド9が上昇して第2の下型6を押し上げる。その結果、キャビティー内で加圧成形されたセパレータが金型から取り出される。
なお、カーボン粒子21と樹脂22の静電付着後に、第1の実施の形態と同様、図10に示すように、抜き出しロッド9を下降させて下型6を絶縁させ、加圧直前までキャビティー部分に静電気を印加するようにしてもよい。静電気を印加すれば、カーボン粒子21の長軸が鉛直方向に配列されて材料の異方性が改善され、加圧方向の電気抵抗が低減する。
本実施の形態によれば、カーボン粒子21と樹脂22の粉末材料を帯電させ、その帯電したカーボン粒子21と樹脂22の粉末材料をキャビティーに静電付着させるので、キャビティーの凹凸形状に沿った均一充填が可能となり、全ての部位で金型による加圧力を均一にできる。そのため、面圧が安定し、金型から成形後のセパレータを取り出す離型性が向上する。
また、本実施の形態によれば、キャビティーの全ての部位で金型による加圧力を均一にすることができることから、厚みのばらつきの無いセパレータを製造することができる。
また、本実施の形態によれば、擦り切り工程を無くすことができるので、成形材料充填の不安定要素が無くなり、且つサイクルタイムを短縮することができる。
2…下型
4…上型
5…第1のダイ
6…第2のダイ
9…抜き出しロッド
10、16…凸条部
17…逃げ穴
18…静電気発生部(静電気発生手段)
19…コロナピン
21…カーボン粒子
22…樹脂
28…帯電ガン(帯電供給手段)
29…ノズル部
4…上型
5…第1のダイ
6…第2のダイ
9…抜き出しロッド
10、16…凸条部
17…逃げ穴
18…静電気発生部(静電気発生手段)
19…コロナピン
21…カーボン粒子
22…樹脂
28…帯電ガン(帯電供給手段)
29…ノズル部
Claims (10)
- カーボンと樹脂の粉末材料を金型に充填し加圧することで形成する燃料電池セル用セパレータの製造方法において、
下型に形成されるキャビティー内にカーボンと樹脂の粉末材料を充填させ、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する際、少なくとも加圧直前までに前記粉末材料と前記キャビティーの少なくとも一方に静電気を印加する
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータの製造方法。 - 請求項1に記載の燃料電池セル用セパレータの製造方法であって、
カーボンと樹脂の粉末材料を前記キャビティー内に充填させる前に、当該粉末材料を帯電させ、その帯電した粉末材料を下型に形成したキャビティーに静電付着させて充填させた後、上型と下型を加圧して燃料電池セル用セパレータを成形する
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータの製造方法。 - 請求項1に記載の燃料電池セル用セパレータの製造方法であって、
少なくとも加圧直前まで前記キャビティーに静電気を印加する
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータの製造方法。 - カーボンと樹脂の粉末材料を充填させるキャビティーを備える下型と、
前記下型とで加圧して前記粉末材料を所定形状に成形する上型と、
前記粉末材料と前記キャビティーの少なくとも一方を帯電させる静電気の印加手段とを備えた
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。 - 請求項4に記載の燃料電池セル用セパレータ製造装置であって、
カーボンと樹脂の粉末材料を前記キャビティー内に充填させる前に、下型をアースするアース手段と、
前記粉末材料を帯電させる、前記静電気の印加手段の一つである帯電供給手段とを備えた
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。 - 請求項4に記載の燃料電池セル用セパレータ製造装置であって、
絶縁されてなる下型と、
少なくとも加圧直前まで前記キャビティーに静電気を印加する、前記静電気の印加手段の一つである静電気発生手段を備えた
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。 - 請求項6に記載の燃料電池セル用セパレータ製造装置であって、
前記静電気発生手段を、前記上型に絶縁させて取り付けた
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。 - 請求項6又は請求項7に記載の燃料電池セル用セパレータ製造装置であって、
前記静電気発生手段を、前記上型の側面に設けた
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。 - 請求項6又は請求項7に記載の燃料電池セル用セパレータ製造装置であって、
前記静電気発生手段を、前記上型に形成した凹部に設けた
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。 - 請求項9に記載の燃料電池セル用セパレータ製造装置であって、
前記凹部は、セパレータに形成されるマニホールド孔を形成するための前記下型に形成された突起部の逃げ穴である
ことを特徴とする燃料電池セル用セパレータ製造装置。
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JP2007157483A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Jfe Chemical Corp | 粉体の堆積方法と堆積装置および成形体の製造方法 |
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-
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