JP2007042392A - 燃料電池セパレータの成形金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】セパレータ表面のガス流路溝部領域と囲繞部領域との密度バランスを均一にし、また、離型性を改善し、金型からの製品取り出し時に変形・反り・クラックの発生を抑えて高品質かつ生産性の高いセパレータを得る。
【解決手段】成形金型10は、粉体状材料を用いて、少なくとも片面に流路溝部および囲繞部を有する燃料電池セパレータを圧縮成形する。前記片面が対向する下金型21を、流路溝部に対応するインナー金型22と、囲繞部に対応するアウター金型25とに分割して構成する。インナー金型22および/またはアウター金型25を進退させる作動部材24,27を備える。少なくとも上金型41の前記片面とは反対面が対向する表面42,45にダイヤモンドライクカーボン膜42a,45aを成膜した。
【選択図】図3

Description

この発明は、燃料電池セパレータの成形金型に係り、さらに詳しくは、流動性に乏しい炭素質系粉末を主成分とする材料を用いて圧縮成形により燃料電池セパレータを得る成形金型に関するものである。
燃料電池による発電システムは、近年のエネルギー消費量増加に伴う二酸化炭素排出量の増加や、石油をはじめとする化石資源の枯渇問題を解決するべく、クリーンかつ高効率の新しい技術として広く実用化検討が推進されている。
特に、電解質にイオン交換膜を用いた固体高分子型燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)システムは、作動温度が80℃以下と比較的低温であることから、容易に運転・停止が可能である。また、エネルギー効率が高いことから、家庭用コージェネレーション、自動車、携帯機器等への導入が期待されている。
固体高分子型燃料電池に用いられる基本セルは、イオン交換膜からなる電解質膜がアノード(燃料極)とカソード(空気極)で挟まれて膜/電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を構成し、このMEAを両側から2枚のセパレータで挟み込む構成である。
セパレータ表面には、MEAのアノード(燃料極)に水素等の燃料ガスを、またカソード(空気極)に酸素・空気等の酸化ガスを供給するための流路溝がそれぞれ形成される。また、冷媒を流すための冷媒流路も形成される場合がある。さらに、セパレータは、燃料ガスと酸化ガスを分離するための遮蔽板としての機能をもつ。
そして、燃料電池システムに必要な電気出力に応じて、このような基本セルが数十〜数百枚直列に積層されてスタックとして構成される。
以上のような機能をもつセパレータに必要な代表的特性としては、アメリカ・エネルギー省(DOE:Department of Energy)の目標値を基準にした場合、電気抵抗値が20mΩ・cm以下であること、ガス透過性が2×10−6cc/cm・sec以下であること、薄肉、軽量であること、そして、市場への普及には製造コストの大幅な低減が必要不可欠である。
このような諸性質・コストを兼ね備えたセパレータは、当初、炭素質系材料に熱硬化型樹脂性バインダを混合・成形し、加熱硬化後に非酸化性雰囲気中にて1000℃以上の高温で長時間処理により焼成炭化されていた。
この方法で得られる成形品は板状であるため、ガス流路溝、ガス導入孔、スタック用孔等の切削加工を必要とし、非常にコスト高になるという問題があった。
これに対し、導電性に優れた黒鉛粉末材料に樹脂系バインダを混合し、あらかじめ流路溝形状・孔形状を形成可能な金型で圧縮成形する方法は、セパレータに必要な諸特性を満足し、かつ切削加工が不要であることから、低コストが実現可能な製造方法として注目されている。
特開2004−235137号公報 特開2004−22207号公報 特開2004−235069号公報
しかしながら、高い導電性を得るためには黒鉛配合率を75wt%以上とする必要があるため、著しく材料の流動性が低下する。その結果、セパレータに必要な諸形状に形成する圧縮成形の場合、以下のような課題がある。
セパレータは表面に、ガス流路溝部とその周囲の囲繞部とを有しているが、ガス流路溝部と囲繞部の密度が均一でない。すなわち、ガス流路溝部は材料の圧縮比が高く、囲繞部は材料の圧縮比が低い。そのため、囲繞部はガス流路溝部に比べて黒鉛の密度が低いので、導電性が低下するとともにガス透過性も大きくなる。
図1に一般的なセパレータの一例を示し、図2にその断面図を示す。なお、図1、図2は、この発明による燃料電池セパレータの一実施形態を示すものであるが、セパレータの形状としては一般的なものであるので、図示の形状を用いてここでは一般的なセパレータについて説明する。
セパレータに要求される高い導電性を向上させるには、100%黒鉛の密度2.1g/cmにできるだけ近づけることが重要である。仮に黒鉛80wt%、フェノール樹脂20wt%の配合率である粉末材料の嵩密度を0.65g/cm、製品目標密度を1.95g/cmとすると、圧縮成形時の圧縮比は3となる。金型に充填するべき粉末材料は、製品厚2mmであれば、圧縮比は3であるから6mmとなる。
このとき、図20に一例を示すように囲繞部領域を圧縮比3に設定した場合、ガス流路溝部を形成する領域は、充填時の断面積86.4mmから前記の圧縮比3によるプレスストローク4mm圧縮したときの断面積は22.2mmとなり、断面積を基準としたときのガス流路溝部の圧縮比は3.9となり、囲繞部領域に対して30%過剰な圧縮比となる。この現象はガス流路溝部の断面積が大きいほど、また製品厚さが薄くなるほど顕著になる。
前記の製品断面形状に起因する圧縮比の差は、粉末材料の流動性の悪さにより圧縮方向に対して横方向への材料流動がほとんどないことが根本的な原因である。
一方、圧縮成形による製品形状形成後の離型においても、以下のような課題がある。
成形金型のキャビティ表面には、セパレータの表面に流路溝を形成するための細かい凹凸が多数あるため、成形後の製品の離型性が悪く、製品を取り出す際に変形、割れ等の不良が発生しやすい。
仮に製品の一部が金型の凹凸部に食い付くと、その製品が不良になるだけでなく、金型の清掃にも時間がかかり、成形サイクルが長くなって生産性が低下してしまう。
このような事態を回避するため、金型の抜き勾配を大きくしたり、イジェクトピンを追加したり、離型剤を塗布するなどの方策を講ずることも考えられるが、その場合は、製品の形状を変更する必要があるうえ、コストが上昇する等の問題がある。
また、黒鉛の密度を上げるために、プレス圧力はおよそ3.0kN以上で成形される。そのため金型内の成形品には高い圧縮応力が残留しており、金型から離型した後は応力が開放されるために膨張する。この現象はスプリングバックと呼ばれるもので、製品の反り・変形の発生、ガス流路溝部の離型抵抗の増加によるクラック・欠けなどの不良を発生させる。特に製品形状が薄肉でガス流路溝が深い場合は顕著となる。
このように、セパレータに要求される高い導電性を維持しながら、製品形状の薄肉化・ガス流路溝の狭ピッチ、さらには溝深さの増加などにより、ますます難成形性となる傾向にあるのが現状であり、更なる圧縮成形による製造技術の構築が望まれている。
この発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、黒鉛含有率が高く、流動性に乏しい粉末材料を用いた圧縮成形によりセパレータを製造するにあたり、セパレータ表面のガス流路溝部領域と囲繞部領域との密度バランスを均一にすることができ、また、離型性を改善し、金型からの製品取り出し時に変形・反り・クラックの発生を抑えて高品質かつ生産性の高いセパレータを得ることのできる燃料電池セパレータの成形金型を提供することを目的とする。
この発明の請求項1に係る燃料電池セパレータの成形金型は、粉体状材料を用いて、少なくとも片面に流路溝部および囲繞部を有する燃料電池セパレータを圧縮成形する金型であって、前記片面が対向する下金型を、前記流路溝部に対応するインナー金型と、前記囲繞部に対応するアウター金型とに分割して構成し、前記インナー金型および/または前記アウター金型を進退させる作動部材を備え、少なくとも上金型の前記片面とは反対面が対向する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜したことを特徴とするものである。
この発明の請求項2に係る燃料電池セパレータの成形金型は、粉体状材料を用いて、表裏各面に流路溝部および囲繞部を有する燃料電池セパレータを圧縮成形する金型であって、いずれか一方がラム圧力で作動される上金型および下金型と、前記上下両金型間に形成されるキャビティの外周を担う枠体とを備え、前記上金型および下金型を、前記流路溝部に対応する上インナー金型および下インナー金型と、前記囲繞部に対応する上アウター金型および下アウター金型とに分割して構成し、前記上インナー金型に対して前記上アウター金型を進退させる作動部材と、前記下インナー金型および前記下アウター金型を相互に進退させる作動部材とを備え、少なくとも前記上インナー金型および前記上アウター金型のキャビティ表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜したことを特徴とするものである。
この発明の請求項3に係る燃料電池セパレータの成形金型は、請求項2記載の燃料電池セパレータの成形金型において、前記上インナー金型および前記上アウター金型のキャビティ表面に加えて、前記下インナー金型および前記下アウター金型のキャビティ表面、並びに前記枠体のキャビティ表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜したことを特徴とするものである。
この発明の請求項4に係る燃料電池セパレータの成形金型は、請求項2または請求項3記載の燃料電池セパレータの成形金型において、前記下インナー金型を進退させる前記作動部材による、前記下アウター金型に対して前記下インナー金型を突出させる作動力は、前記ラム圧力による圧縮工程終了時に前記下インナー金型の突出が実質的に解消される大きさに設定されることを特徴とするものである。
この発明の請求項5に係る燃料電池セパレータの成形金型は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータの成形金型において、前記上アウター金型を進退させる作動部材による、前記上インナー金型に対して前記上アウター金型を突出させるストローク、および、前記下アウター金型を進退させる作動部材による、前記下インナー金型に対して前記下アウター金型を突出させるストロークは、表裏各面の前記流路溝部の深さと実質的に同寸法以上に設定されることを特徴とするものである。
この発明は以上のように、粉体状材料を用いて、少なくとも片面に流路溝部および囲繞部を有する燃料電池セパレータを圧縮成形する金型であって、前記片面が対向する下金型を、前記流路溝部に対応するインナー金型と、前記囲繞部に対応するアウター金型とに分割して構成し、前記インナー金型および/または前記アウター金型を進退させる作動部材を備え、少なくとも上金型の前記片面とは反対面が対向する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した構成としたので、下金型と上金型との間に形成されるキャビティに粉体状材料を充填するとき、前記流路溝部の圧縮比と前記囲繞部の圧縮比とが均一になるように、前記アウター金型に対して前記インナー金型を所定高さ上方に位置決めすることができ、これにより、セパレータ表面のガス流路溝部領域と囲繞部領域との密度バランスを均一にすることができ、また、金型からの製品取り出しにおいても、少なくとも上金型のキャビティ側表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜してあるから、離型性に優れ、変形・反り・クラックの発生を抑えて高品質かつ生産性の高い燃料電池セパレータを製造することができる。
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、この発明による成形金型を用いて製造された燃料電池セパレータの一実施形態を示す(a)正面図および(b)背面図、図2は、図1のII−II線に沿ってとられた(a)断面図および(b)A部の拡大図である。
この燃料電池セパレータ1は、固体高分子型燃料電池システムに適用されるセパレータであり、両面(または片面)には、流路溝部2および、流路溝部2の周囲を囲む囲繞部4を有している。
セパレータ1の寸法は、燃料電池システムの発電能力により異なるが、外形が50〜400mm、例えば縦150mm×横100mmで、厚さが0.5〜5mm、例えば2.0mm(または2.5mm)の平板形状である。
セパレータ1の流路溝部2には、燃料ガス、酸化ガスまたは冷却水の流路となる溝(流路溝)3が形成されている。流路溝3の深さは、一般にセパレータ1の板厚の約1/2以下であり、例えば0.5mmである。流路溝3の溝幅は0.5〜5mm、例えば1mmである。隣り合う流路溝3どうしのピッチは、例えば2mmである。そして、流路溝3は、セパレータ1表面の囲繞部4に囲まれた所定領域内に細密な配置で形成されて、流路溝部2を構成している。
このような流路溝3は、セパレータ1の囲繞部4に形成されたマニホルド5に連結していて、マニホルド5を通して、燃料ガス、酸化ガスまたは冷却水が流路溝3に導入・排出されるようになっている。なお、図1では、流路溝3およびマニホルド5を2系統だけ図示し、第3の流路溝および第3のマニホルドは図示を省略してある。
この発明による燃料電池セパレータ1に用いられる成形材料は、炭素質粉末を主成分とし、樹脂系材料をバインダとして混合したものである。
セパレータ1は高い導電性を必要とするため、炭素質材料としては、高い結晶性の黒鉛構造を有することが望ましく、人造黒鉛、天然黒鉛、膨潤黒鉛などが適しており、またこれらを適正な割合で混合してもよい。黒鉛粉末の平均粒子径は、導電性、材料流動性の面からΦ5〜100μmが用いられ、さらに好ましくはΦ10〜60μmである。黒鉛粉末中の灰分は、セパレータ1に隣接する触媒の電気化学的反応を阻害し、耐久性を低下させるため、0.5%以下が好ましい。
一方、炭素質粉末のバインダとして用いる樹脂系材料は、熱可塑性または熱硬化性のいずれでも構わない。好ましくは、機械的強度、耐久性の面から、3次元分子構造を形成する熱硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂は、例えばフェノール系、エポキシ系、ジアリルフタレート系、不飽和ポリエステル系等が使用できるが、生産性・耐久性の面からフェノール系樹脂が好ましい。
上記の黒鉛粉末と樹脂系バインダとの配合割合は、高い導電性と高い非ガス透過性および機械的強度のバランスから、黒鉛75〜95wt%、樹脂系バインダ25〜5wt%、さらに好ましくは、黒鉛82〜93wt%、樹脂系バインダ18〜7wt%の配合割合の成形材料が用いられる。
以上の混合材料を用いて、以下に説明する成形金型および製造プロセスにより、この発明による燃料電池セパレータ1を製造することができる。
図3は、この発明による燃料電池セパレータの成形金型の一実施形態を示す縦断面図であり、説明のため、実際の型開き状態よりも大きく開いて図示してある。また、囲繞部4に形成されるマニホルド5およびセパレータ1のスタック用貫通孔を形成する金型であるコアは省略してある。
この成形金型10は、固定側ブロック20に設けられる下金型(下パンチ)21と、移動側ブロック40に設けられる上金型(上パンチ)41と、上下両金型41,21間に形成されるキャビティ50の外周を担う金型である枠体(ダイ)30とを備えている。枠体(ダイ)30も固定側ブロック20に設けられ、また、上金型(上パンチ)41は移動側ブロック40とともに、ラム圧力で作動されるようになっている。
下金型(下パンチ)21は、セパレータ1下面の流路溝部2領域の形状を形成する金型である下インナー金型(下インナーパンチ)22と、セパレータ1下面の囲繞部4領域の形状を形成する金型である下アウター金型(下アウターパンチ)25とに分割して構成してある。
また、下パンチ21は、下アウターパンチ25に対して下インナーパンチ22を、ストッパブロック23に当接するまで突出可能に進退させる作動部材(アクチュエータ)24と、下インナーパンチ22に対して下アウターパンチ25を、ストッパブロック26に当接するまで突出可能に進退させる作動部材(アクチュエータ)27とを備えている。
そして、アクチュエータ24による、下アウターパンチ25に対して下インナーパンチ22を突出させる作動力は、ラム圧力による圧縮工程終了時に下インナーパンチ22の突出が実質的に解消される程度の大きさに設定されるものである。
さらに、下パンチ21は、型開き時に下インナーパンチ22に対して下アウターパンチ25を突出させる際、セパレータ1下面の流路溝部2が容易に離型するように、下インナーパンチ22と下アウターパンチ25との分割面から圧縮空気を噴出させる下パンチエアブロー用ライン28を備えている。
上金型(上パンチ)41は、セパレータ1上面の流路溝部2領域の形状を形成する金型である上インナー金型(上インナーパンチ)42と、セパレータ1上面の囲繞部4領域の形状を形成する金型である上アウター金型(上アウターパンチ)45とに分割して構成してある。
また、上パンチ41は、上インナーパンチ42に対して上アウターパンチ45を、ストッパブロック46に当接するまで突出可能に進退させる作動部材(アクチュエータ)47を備えている。
そして、アクチュエータ47による、上インナーパンチ42に対して上アウターパンチ45を突出させるストローク、および、アクチュエータ27による、下インナーパンチ22に対して下アウターパンチ25を突出させるストロークは、セパレータ1表裏各面の流路溝部2の深さと実質的に同寸法以上に設定されるものである。
さらに、上パンチ41は、型開き時に上インナーパンチ42に対して上アウターパンチ45を突出させる際、セパレータ1上面の流路溝部2が容易に離型するように、上インナーパンチ42と上アウターパンチ45との分割面から圧縮空気を噴出させる上パンチエアブロー用ライン48を備えている。
枠体(ダイ)30は、その上面が下パンチ21の上面より低くなる位置から、ストッパブロック31に当接するまで突出可能に進退させる作動部材(アクチュエータ)32を備えている。
上記のような構造の成形金型10は、さらに、燃料電池セパレータ1の成形後の優れた離型性を確保するため、セパレータ1と接するキャビティ50側、すなわち、下インナーパンチ22および下アウターパンチ25のキャビティ側表面、ダイ30のキャビティ側表面、上インナーパンチ42および上アウターパンチ45のキャビティ側表面に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond-Like Carbon)処理を施してDLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)を成膜してある。
図4、図5に、DLC成膜方法の一例としてのイオン化蒸着法を用いて、上インナーパンチ42および上アウターパンチ45のキャビティ側表面にDLC膜を成膜する方法を示す。
図4に示すイオン化蒸着法は、原料の炭化水素ガスとして気化したベンゼン(C)を用い、プラズマ源として熱フィラメントとアノードとリフレクタの3極構造からなる直流放電イオン源を利用するPVD法である。
そのため、このDLC成膜装置60は、フィラメント61およびフィラメント電源62、アノード63およびアノード電源64、リフレクタ65およびリフレクタ電源66、対象物としての上インナーパンチ42(図4)または上アウターパンチ45(図5)用のバイアス電源68を備えている。
このDLC成膜装置60を使用して、高真空中のアーク放電プラズマで炭化水素ガスを分解し、プラズマ中のイオンや励起分子を電気的に加速し、上インナーパンチ42のキャビティ側表面(図4)へ衝突させることにより、上インナーパンチ42のキャビティ側表面にDLC膜42aを成膜することができる。
また、同様にして、上アウターパンチ45のキャビティ側表面(図5)にDLC膜45aを成膜することができる。
さらに、同様にして、下インナーパンチ22のキャビティ側表面にDLC膜22aを成膜し、下アウターパンチ25のキャビティ側表面にDLC膜25aを成膜し、ダイ30のキャビティ側表面にDLC膜30aを成膜することができる(図3参照)。
これらのDLC膜22a,25a,30a,42a,45aは、緻密なアモルファス構造のため、表面は非常に滑らかであり、耐摩耗性、低摩擦係数、離型性に優れるなどの特徴がある。膜厚は1〜1.5μm、硬度はHV3000〜4000である。
この成形金型10は、図示しないプレス装置の機能および金型を保持するためのダイセット機能により、ダイ30および、下インナーパンチ22、下アウターパンチ25、上インナーパンチ42、上アウターパンチ45の各金型が圧縮成形方向に作動可能に保持される。そして、図3に矢印Pで示すように、セパレータ1の最大面積を有する平面部に対して垂直方向からの単軸成形により圧縮成形されるものである。
なお、図3に示す金型構成は一例であり、セパレータ1の形状により、任意の金型分割位置、任意の金型構成数で対応することができる。
この発明による成形金型10は、上記のように、セパレータ1の流路溝部2領域と囲繞部4領域とにパンチが分割された構造を有しているため、以下のような製造プロセスが可能である。
粉末材料を用いた圧縮成形においては、圧縮成形品の目標密度と材料の嵩密度との比率を圧縮比として、キャビティ50への材料充填量を決定する。特に、流動性の悪い材料の場合は、成形品の部分的な圧縮比のバラツキはそのまま密度のバラツキとなり、大きな品質の低下となる。粉末材料の圧縮プレス成形法における充填方法は、ダイ上面を基準として余剰に投入した材料を排除し、充填量のバラツキを抑えるのが一般的である。
図6は、成形金型10のキャビティ50に粉末材料を充填した状態を示す要部の縦断面図である。
図7は、圧縮成形品であるセパレータ1の縦断面図を示す。なお、図6と図7の断面位置は同一位置である。
この発明による成形金型10を用いた製造プロセスにおいて、目標密度と粉末材料の嵩密度との比率つまり圧縮比を3と仮定したとき、セパレータ1の囲繞部4領域の断面積Soutは、製品厚さがTmmであるから、ダイ30を下パンチ21上面から3×Tmm上昇させることにより3×Soutの断面積をもつ空間を設ければ、適性な材料が充填される。
このとき下アウターパンチ25上面は平坦であるため、理想的な材料の充填が可能である。
これに対し、セパレータ1の流路溝部2領域の断面積Sinは、ダイ30を3×Tmm上昇させると、流路溝3を形成するための金型凸部の断面積の形成に相当する材料が余剰となり、流路溝部2領域に充填される材料は3×Sinを超えてしまう。
そこで、この発明による成形金型10を用いた製造プロセスでは、その余剰な材料充填を防止するため、流路溝3を形成する下インナーパンチ22を所定のh寸法分だけ上昇させ、つまり材料が充填される空間をh寸法分減少させることで、3×Sinの断面積に調整することが可能である。
しかも、このh寸法は任意に調整可能であるから、囲繞部4であるSout部の密度に対して、流路溝部2であるSin部の密度を相対的にコントロール可能である。双方の密度を均一にすることができるし、もし必要であるなら、流路溝部2の密度を囲繞部4の密度に対して増減することもできる。
図8〜図11は、この発明による成形金型10を用いた燃料電池セパレータの製造プロセスにおいて圧縮成形の過程を示し、図8は充填調整前の状態、図9は充填調整後の圧縮直前の状態、図10は圧縮工程中間の状態、図11は圧縮完了の状態を示す縦断面図である。
セパレータ1全体の密度バラツキを低減するには、圧縮工程中に、材料充填量の少ない流路溝部2領域の圧縮速度と、囲繞部4領域の圧縮速度とを均等に、つまり圧縮開始から圧縮完了までの工程をほぼ同時に終了させることで、双方の領域2,4の品質バラツキをなくすことができる。
具体的には、下インナーパンチ22は空圧、油圧、バネ、電動モータ等のアクチュエータ24の駆動力によって、上パンチ41側の圧縮力よりも小さな保持力でフロートされて、上パンチ41側の圧縮力に応じて下降できる状態、または上パンチ41側よりやや遅い速度で下降させることが好ましい。その結果、充填量が少ない領域つまり圧縮ストロークが短い領域でも、圧縮速度を遅らせることができる。
図10は圧縮比2、粉末材料が圧縮されている中間の状態を示す。下インナーパンチ22は下降しているものの圧縮完了位置には達しておらず、目標密度に到達していない中間の状態である。
図11は圧縮完了状態を示す。下インナーパンチ22はアクチュエータ24による保持上昇力よりも大きなプレス圧縮力によって下降限の位置にあり、下アウターパンチ25と面一状態または所定の位置にてセパレータ1が成形される。
図12〜図15は、この発明による成形金型10を用いた燃料電池セパレータの製造プロセスにおいて成形後の製品取り出しの過程を示し、図12は取り出し直前の状態、図13は流路溝部を抜き出す状態、図14はダイが下降した状態、図15は型開き完了の状態を示す縦断面図である。
図12は、セパレータ取り出し直前の状態である。このとき、下アウターパンチ25および上アウターパンチ45には、空圧、油圧、バネ、電動モータ等のアクチュエータ27,47の駆動力により、セパレータ1を突き出す方向に力を与えておく。
この突き出す力は、プレス装置の上部ラム(図示省略)がセパレータ1を押す力よりも低いことが条件になる。上インナーパンチ42で形成される流路溝3の深さをdとすると、上アウターパンチ45のストロークはdと同寸法以上に設定する。同様に、下インナーパンチ22で形成される流路溝3の深さをdとすると、下アウターパンチ25のストロークもdと同寸法以上に設定する。
図13は、形状的にみて囲繞部4に比べて離型性の劣る流路溝部2の金型がセパレータ1から抜き出された状態を示す。上アウターパンチ45、下アウターパンチ25がセパレータ1に向かって突き出す力が働いている状態で上部ラムが上昇すると、上インナーパンチ42は上アウターパンチ45を支持点として、同様に下インナーパンチ22は下アウターパンチ25を支持点として、セパレータ1から離型する力が働く。上部ラムがセパレータ1両端面の流路溝3段差の合計(d+d)を上昇したとき、セパレータ1両端面の流路溝3は金型から離型される。
このとき、上インナーパンチ42のキャビティ側表面には、離型性に優れたDLC膜42aが成膜されているため、形状的に離型しにくいにも拘わらず、セパレータ1上面の流路溝部2と上インナーパンチ42とのスムーズな離型が可能である。
同様に、下インナーパンチ22のキャビティ側表面には、離型性に優れたDLC膜22aが成膜されているため、形状的に離型しにくいにも拘わらず、セパレータ1下面の流路溝部2と下インナーパンチ22とのスムーズな離型が可能である。
これに加えて、この過程の開始時すなわち離型開始直後には、密閉された状態でセパレータ1の流路溝部2を離型するため、セパレータ1と金型表面および金型分割ラインからの外気導入はほとんど期待できず、減圧状態となる。そこで各インナーパンチ22,42と各アウターパンチ25,45の分割面から圧縮エアーを噴出すことにより、スムーズな離型が可能である。
図14は、セパレータ1の外周形状を形成するダイ30が下降した状態を示す。圧縮成形によって形成された直後のセパレータ1の内部には大きな圧縮応力が発生している。ダイ30を下降させる際、ダイ30のキャビティ側表面には、離型性に優れたDLC膜30aが成膜されているため、セパレータ1周面とダイ30との接触面に内部応力が作用するにも拘わらず、スムーズな離型が可能である。
そして、セパレータ1取り出しの際、金型が離れると同時に内部応力が開放され、スプリングバックが発生し、セパレータ1は膨張する。スプリングバック量は、材料・成形温度・圧縮力等により異なるが約0.2〜0.8%発生し、縦150mm×横100mmのセパレータでは1mm以上の膨張量になる。
図14に示すように、上アウターパンチ45と下アウターパンチ25とでセパレータ1を押さえた状態でダイ30を抜き出すことにより、内部応力は平面方向(横方向)に開放される。仮に、ダイ30を抜き出す前にすべての上パンチ41を上昇させてしまうと、外周側に開放できない内部応力は逃げ場を失い、セパレータ1の中央部は凸状に変形が生じる。
図15は、上パンチ41がセパレータ1から完全に抜け、容易に取り出しが可能となった状態を示す。上パンチ41とセパレータ1を確実に離型する方法としては、上パンチ41側のエアーブローを下パンチ21側よりもやや長く作動させればよい。
この発明による燃料電池セパレータの成形金型10によれば、黒鉛含有率が高く、流動性に乏しい粉末材料を用いた圧縮成形によりセパレータを製造するにあたり、セパレータ表面のガス流路溝部領域と囲繞部領域との密度バランスを均一にすることができ、また、離型性を改善し、金型からの製品取り出し時に変形・反り・クラックの発生を抑えて高品質かつ生産性の高いセパレータを得ることができる。
しかも、製品の離型性を改善するために、例えば、金型の抜き勾配を大きくしたり、イジェクトピンを追加したり、離型剤を塗布するなどの方策を講ずる場合に必要な、製品の形状変更や、コストの大幅な上昇を伴わずに、優れた離型性を実現することが可能である。
なお、上記の実施形態では、燃料電池セパレータ1の成形後の優れた離型性を確保するため、成形金型10のセパレータ1と接するキャビティ側表面のすべてにDLC膜22a,25a,30a,42a,45aを成膜処理したが、この発明はこれに限定するものでない。
すなわち、成形後に製品であるセパレータ1を下パンチ(下金型)21側に残すことから、少なくとも、形状的に離型しにくい上インナーパンチ42のキャビティ側表面にDLC膜42aを成膜することが好ましい。加えて、上アウターパンチ45のキャビティ側表面にもDLC膜45aを成膜することが好ましい。
さらに加えて、形状的に離型しにくい下インナーパンチ22のキャビティ側表面にDLC膜22aを成膜することも好ましい。
いずれの場合も、成形金型10のセパレータ1と接するキャビティ側表面のうち、DLC成膜処理しない部分については、例えばTiC膜など適宜の表面処理をすることで、離型性を少しでも改善することが望ましい。
以下、この発明による成形金型10を用いて圧縮成形される燃料電池セパレータの製造プロセスについて具体的に説明する。但し、この発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(1)セパレータ1の形状は、縦150mm、横100mm、厚さ2mm(または2.5mm)、ガス流路溝3は幅1mm、深さ0.5mm、ピッチは2mmで12列、表裏各面の中央に配置される。
(2)粉末材料は灰分0.15%、平均粒子径Φ30μmの球状天然黒鉛(または同様の人造黒鉛)80wt%、樹脂系バインダはレゾール型フェノール20wt%の混合物を使用した。嵩密度は0.65g/cmである。
(3)圧縮成形装置は上ラム下降型150トン油圧プレスを用いた。上インナーパンチ42はプレスの上側プラテンに直結、その他のダイ30、上アウターパンチ45、下アウターパンチ25、下インナーパンチ22はダイセット内に設けられた油圧を駆動源とするシリンダによって作動し、作動ストロークはダイセット内に設けられたストロークエンドブロックにより決定される。
また、各金型の作動タイミングは、上ラムストロークにおける位置をリニアゲージで検出し、その電圧信号をトリガとしたシーケンス制御により油圧バルブを切り替え、各作動をコントロールした。
(4)セパレータ1としての性能が得られる密度1.95g/cmを目標として、粉末材料の嵩密度0.65g/cmであるから基準圧縮比は3とした。よって、セパレータ1の囲繞部4領域の材料充填量は2mm×3より6mmに設定した。流路溝部2領域はセパレータ1の断面積とキャビティ50の空間断面積との比率が1:3となるように1.8mmを減ずる必要があるので、流路溝部2領域を形成する金型の下インナーパンチ22は1.8mm上昇つまり充填量は6mm−1.8mmより4.2mmに設定した。
(5)金型温度は流動性を向上させるため60℃に加熱し、前記の油圧プレス装置により125トンで15秒間、圧縮した。
(6)圧縮成形完了後、上アウターパンチ45、下アウターパンチ25がセパレータ1を押し出す方向に作動するように油圧バルブを開く。同時に離型用エアーブローを各アウターパンチ45,25と各インナーパンチ42,22の分割部より噴出する。
この状態を保持したままプレス上部ラムを1mm上昇させると、それぞれ0.5mmの作動ストロークを設定している上アウターパンチ45、下アウターパンチ25はセパレータ1を挟んだ状態のまま、上インナーパンチ42、下インナーパンチ22はセパレータ1の流路溝部2から抜き出される。
その後直ちにダイ30を油圧駆動により下降させ、セパレータ1外周部を抜き出す。その後、上部ラムを上昇させることによりセパレータ1の取り出しが完了となる。
(7)図16は、上インナーパンチ42、上アウターパンチ45にキャビティ30内圧力センサを設置し、圧縮成形工程中に生じている材料の圧力推移を示したグラフである。囲繞部4領域と流路溝部2領域の圧力状態はほぼ均等となっている。それぞれの領域での密度も囲繞部1.97g/cm、流路溝部1.95g/cmであり均等な品質といえる。
また、図17は、セパレータ1の流路溝部2コーナーの拡大図である。金型形状は精度良く転写され、無理のない製品取り出しであることがわかる。
(8)一方、図18は、従来技術による圧縮成形した場合の圧力推移を示す。流路溝部領域の圧力上昇は大きいが、囲繞部領域の圧力上昇は約1/2〜1/3と非常にバラツキが大きい。結果、それぞれの領域での密度も囲繞部1.79g/cm、流路溝部1.98g/cmであり囲繞部の密度低下が顕著になっている。
また、図19は、セパレータの流路溝部コーナーの拡大図である。セパレータ取り出し時に大きな離型抵抗が発生し、コーナー部は欠損していることがわかる。
この発明による燃料電池セパレータの一実施形態を示す(a)正面図および(b)背面図である。 図1のII−II線に沿ってとられた(a)断面図および(b)A部の拡大図である。 この発明による燃料電池セパレータの成形金型の一実施形態を示す縦断面図である。 イオン化蒸着法を用いて上インナーパンチのキャビティ側表面にDLC膜を成膜する説明図である。 上アウターパンチのキャビティ側表面にDLC膜を成膜する説明図である。 成形金型のキャビティに粉末材料を充填した状態を示す要部の縦断面図である。 圧縮成形品であるセパレータの縦断面図を示す。 この発明による燃料電池セパレータの製造方法において圧縮成形の過程における充填調整前の状態を示す縦断面図である。 圧縮成形の過程における充填調整後の圧縮直前の状態を示す縦断面図である。 圧縮成形の過程における圧縮工程中間の状態を示す縦断面図である。 圧縮成形の過程における圧縮完了の状態を示す縦断面図である。 成形後の製品取り出しの過程における取り出し直前の状態を示す縦断面図である。 成形後の製品取り出しの過程における流路溝部を抜き出す状態を示す縦断面図である。 成形後の製品取り出しの過程におけるダイが下降した状態を示す縦断面図である。 成形後の製品取り出しの過程における型開き完了の状態を示す縦断面図である。 この発明により製造された燃料電池セパレータの品質を示すグラフである。 図16の燃料電池セパレータの状態図である。 従来技術により製造された燃料電池セパレータの品質を示すグラフである。 図18の燃料電池セパレータの状態図である。 従来の圧縮成形における充填時の断面積と圧縮後の断面積を示した模式図ある。
符号の説明
1 燃料電池セパレータ
2 流路溝部
3 流路溝
4 囲繞部
5 マニホルド
10 成形金型
20 固定側ブロック
21 下パンチ(下金型)
22 下インナーパンチ(下インナー金型)
22a DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)
23 ストッパブロック
24 アクチュエータ(作動部材)
25 下アウターパンチ(下アウター金型)
25a DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)
26 ストッパブロック
27 アクチュエータ(作動部材)
28 下パンチエアブロー用ライン
30 ダイ(枠体)
30a DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)
31 ストッパブロック
32 アクチュエータ(作動部材)
40 移動側ブロック
41 上パンチ(上金型)
42 上インナーパンチ(上インナー金型)
42a DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)
43 ストッパブロック
45 上アウターパンチ(上アウター金型)
45a DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)
46 ストッパブロック
47 アクチュエータ(作動部材)
48 上パンチエアブロー用ライン
50 キャビティ
60 DLC成膜装置
61 フィラメント
62 フィラメント電源
63 アノード
64 アノード電源
65 リフレクタ
66 リフレクタ電源
68 バイアス電源

Claims (5)

  1. 粉体状材料を用いて、少なくとも片面に流路溝部および囲繞部を有する燃料電池セパレータを圧縮成形する金型であって、
    前記片面が対向する下金型を、前記流路溝部に対応するインナー金型と、前記囲繞部に対応するアウター金型とに分割して構成し、
    前記インナー金型および/または前記アウター金型を進退させる作動部材を備え、
    少なくとも上金型の前記片面とは反対面が対向する表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜したことを特徴とする燃料電池セパレータの成形金型。
  2. 粉体状材料を用いて、表裏各面に流路溝部および囲繞部を有する燃料電池セパレータを圧縮成形する金型であって、
    いずれか一方がラム圧力で作動される上金型および下金型と、前記上下両金型間に形成されるキャビティの外周を担う枠体とを備え、
    前記上金型および下金型を、前記流路溝部に対応する上インナー金型および下インナー金型と、前記囲繞部に対応する上アウター金型および下アウター金型とに分割して構成し、
    前記上インナー金型に対して前記上アウター金型を進退させる作動部材と、前記下インナー金型および前記下アウター金型を相互に進退させる作動部材とを備え、
    少なくとも前記上インナー金型および前記上アウター金型のキャビティ表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜したことを特徴とする燃料電池セパレータの成形金型。
  3. 前記上インナー金型および前記上アウター金型のキャビティ表面に加えて、前記下インナー金型および前記下アウター金型のキャビティ表面、並びに前記枠体のキャビティ表面にダイヤモンドライクカーボン膜を成膜したことを特徴とする請求項2記載の燃料電池セパレータの成形金型。
  4. 前記下インナー金型を進退させる前記作動部材による、前記下アウター金型に対して前記下インナー金型を突出させる作動力は、前記ラム圧力による圧縮工程終了時に前記下インナー金型の突出が実質的に解消される大きさに設定されることを特徴とする請求項2または請求項3記載の燃料電池セパレータの成形金型。
  5. 前記上アウター金型を進退させる作動部材による、前記上インナー金型に対して前記上アウター金型を突出させるストローク、および、前記下アウター金型を進退させる作動部材による、前記下インナー金型に対して前記下アウター金型を突出させるストロークは、表裏各面の前記流路溝部の深さと実質的に同寸法以上に設定されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の燃料電池セパレータの成形金型。
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