JP2005202291A - 設計データの提供方法及び設計データの提供システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】設計データ提供システム1は、レンズ加工業者6が対価を支払うことを条件として、設計データ作成業者5から内面累進多焦点レンズの設計データの供給を受けるという契約に応諾した場合に、設計データ作成業者5が内面累進多焦点レンズの設計データをレンズ加工業者6に提供するシステムである。設計データ提供システム1は、ホストコンピュータ装置としてのサーバ装置2と、端末コンピュータ装置3と、サーバ装置2及び端末コンピュータ装置3とを接続するネットワーク4とを備える。
【選択図】 図1
Description
このような内面累進多焦点レンズの内面は、使用者の個々の処方(度数、乱視の角度等)に従って面を切削、研磨することにより形状創成される。具体的には、度数に対応する曲面をレンズの外側の凸面側に形成したセミフィニッシュレンズを製造しておき、乱視の角度やプリズム角等の処方データに合わせてセミフィニッシュレンズの内側の凹面側を切削、研磨し、内面累進多焦点レンズに仕上げる。
このような後者のルートの場合、レンズ加工業者が内面累進多焦点レンズの設計データを作成して、加工することとなるが、内面累進多焦点レンズの設計データ作成は複雑であるため、レンズ加工業者では、所望するような内面累進多焦点レンズを加工することができないという問題が生じていた。
このような本発明によれば、設計データ作成業者が処方データに基づいて作成した設計データを内面累進多焦点レンズを加工するレンズ加工業者に対して提供しているので、レンズ加工業者は所望の内面累進多焦点レンズを加工することができる。
さらに、レンズ加工業者と、設計データ作成業者との間で、レンズ加工業者から設計データ作成業者に対して対価を払うことを条件として、内面累進多焦点レンズの設計データの供給を受ける契約が交わされているので、設計データ作成業者は確実に対価を取得することができる。
また、検査結果に基づいて、設計データを補正しているため、設計データをより正確なものとすることができ、正確な設計データを提供することができる。これにより、レンズ加工業者は、内面累進多焦点レンズをより正確に製造することができる。
このような本発明によれば、設計データの配信回数をカウントし、カウントされた配信回数に基づいて、レンズ加工業者に対する課金情報を生成しているので、設計データを提供する対価、例えば、設計料やライセンス料等を確実に確保することができる。
すなわち、本発明の設計データの提供システムは、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備え、眼球側に位置する内面に前記遠用部、近用部、累進部を構成する曲率が付加された内面累進多焦点レンズの設計データを提供するための設計データ提供システムであって、レンズ加工業者が購入した加工機械に接続される端末コンピュータ装置と、この端末コンピュータ装置と通信回線を介して接続され、設計データ作成業者が管理するホストコンピュータ装置とを備え、前記ホストコンピュータ装置は、前記レンズ加工業者から前記設計データ作成業者に対して対価を払うことを条件として、前記加工機械制御に用いられる内面累進多焦点レンズの設計データの供給を受ける契約に応諾した旨の情報を取得する契約応諾情報取得部と、前記レンズ加工業者から内面累進多焦点レンズの処方データを通信回線を通じて、取得する処方データ取得部と、予め記憶された内面累進多焦点レンズの加入度に応じた複数の基準設計データの中から、取得された処方データに基づいて、所定の基準設計データを選択する基準設計データ取得部と、選択された基準設計データを、前記処方データに基づいて加工するアレンジ設計部と、加工された設計データを前記端末コンピュータ装置に配信する配信部とを有することを特徴とする。
このような本発明によれば、設計データの提供方法と同様の効果を奏することができる。
図1には、本発明にかかる設計データの提供システム1が示されている。この設計データ提供システム1は、レンズ加工業者6が対価を支払うことを条件として、設計データ作成業者5から内面累進多焦点レンズL(図2参照)の設計データの供給を受けるという契約に応諾した場合に、設計データ作成業者5が内面累進多焦点レンズLの設計データをレンズ加工業者6に提供するシステムである。
ここで、内面累進多焦点レンズLとは、図2に示すように、異なる屈折力を備えた遠用部L1及び近用部L2と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部L3とを備え、眼球側に位置する内面L4に遠用部L1、近用部L2、累進部L3を構成する曲率が付加されたレンズである。なお、外面L5は球面となっている。
このような内面累進多焦点レンズLは、処方データに応じたセミフィニッシュレンズ(完成品である内面累進多焦点レンズLよりも肉厚が厚い略円形形状の未完成のレンズ)を選択し、このセミフィニッシュレンズを設計データに基づいて形状創成することで得られる。
ここで、ネットワーク4は、サーバ装置2と端末コンピュータ装置3との間を、各種データを送受信可能に接続する。このネットワーク4としては、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの汎用のプロトコルに基づくインターネット、LAN(Local Area Network)等のイントラネット等、データを送受信させるいずれの構成が利用できる。
なお、NC工作機械61は、図示しないが、NC加工プログラムを解析し、工作機械本体の工具の移動量、移動速度を求め、工作機械本体に出力する数値制御装置と、工具及びこの工具を駆動させる駆動部等を有する工作機械本体とを備える。
端末コンピュータ装置3は、ネットワーク4等からのデータ等の入出力の制御を行う通信制御部31と、種々のプログラムを実行するCPU等から構成される中央演算処理装置32と、データを記憶する記憶部33と、NC工作機械61や、キーボードや、マウス等データの入力を行う入力装置62に接続される入出力制御部34とを備える。
処方データ取得部325は、入出力制御部34から入力される内面累進多焦点レンズLの処方データを取得するものである。取得した処方データは、記憶部33の処方データ記憶部331に記憶されるとともに、通信制御部31を介してサーバ装置2へ配信される。
ここで、処方データとしては、例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸、収差、加入度等があげられる。
このようにして暗号化が解除された設計データは、点群データとして構成されているため、NC加工プログラム生成部323により、面補間を行い、NC加工プログラムを生成する。面補間の方法としては、例えば、ペジェ曲線や二次スプライン関数等を用いる曲面補間が挙げられる。このようにして作成されたNC加工プログラムは記憶部33のNC加工プログラム記憶部333に記憶される。さらに、このNC加工プログラム記憶部333に記憶されたNC加工プログラムは入出力制御部34を介してNC工作機械61に転送される。
なお、NC加工プログラムは、一連の指示ブロックで構成されており、経路情報、速度情報等が含まれている。経路情報は、所定の移動軌跡の指令を示す情報であり、直線補間、円弧補間及び一時停止等の動作の準備機能を指定するGコードを有している。また、速度情報は、送り速度を指定するFコードを有している。
検査用データ取得部326で取得した検査用のデータは、検査用データ記憶部335に記憶される。
なお、この検査結果取得判別部322で取得した検査結果は、記憶部33の検査結果記憶部334に記憶される。
図4に示すように、サーバ装置2は、ネットワーク4を介してデータの入出力の制御を行う通信制御部21と、種々のプログラムを実行するCPU等から構成される中央演算処理装置22と、データを記憶する記憶部23とを備える。
通信制御部21は、ネットワーク4を介して、端末コンピュータ装置3との接続を実現する部分であり、レンズ加工業者6が端末コンピュータ装置3を操作してサーバ装置2にアクセスすると、通信制御部21は、端末コンピュータ装置3のアクセス許否をして、許可された端末コンピュータ装置3との通信を確保する。すなわち、通信制御部21は、設計データや、検査用のデータを配信する配信部としての役割を果たす。
契約応諾情報取得部221で取得された情報は、記憶部23のユーザ情報登録データベース231に記憶されることとなる。
さらに、契約応諾情報取得部221は、アクセスID、パスワードを生成し、これをユーザ情報登録データベース231に記憶する。なお、生成されたアクセスID、パスワードは、レンズ加工業者6に対して送付される。
例えば、アレンジ設計部225では、処方データの一つである球面度数に基づいて、累進面(眼球側の面)の曲率を設計変更する。そして、これに応じて、内面累進多焦点レンズLの眼球側の面の任意の点(X,Y,Z)におけるZの値が求められる。
すなわち、Zの値は以下の式(1)で示される。
なお、物体側から眼球側にのび、累進面(眼球側の面)の中心を通る軸をZ軸、下方から上方に向かってZ軸に直交する軸をY軸、左から右に向かいZ軸に直交する軸をX軸とした時に、任意の点(X,Y,Z)のX及びYは、それぞれ、眼球側の面のX座標、Y座標の任意の座標を示し、Zは、眼球側の面のZ座標を示している。
Cpは、Cpは、前記オリジナル累進面の半径方向の平均曲率としての近似曲率を示す。Cxは、前記オリジナルトーリック面のX軸方向の曲率を示し、Cyは前記オリジナルトーリック面のY軸方向の曲率を示す。
Cxは、以下の式(2)で示される。
またCyは以下の式(3)で示される。
なお、アレンジ設計部225で設計された設計データに予め補正が必要であることがわかっている場合には、アレンジ設計部225で設計されたデータを、予め後述する補正設計部226により補正し、その後、記憶部23の設計データ記憶部234に記憶してもよい。
この狙い値算出部227で算出された算出値(狙い値)は、内面累進多焦点レンズLの検査に使用されるため、検査用のデータとして、ネットワーク4を介してレンズ加工業者6の端末コンピュータ装置3に配信される。
例えば、遠用部L1におけるX軸方向の曲率の補正量がCdx、Y軸方向の曲率の補正量がCdy、近用部L2におけるX軸方向の曲率の補正量がCnx、Y軸方向の曲率の補正量がCnyであり、遠用部L1の中心座標が(Xd,Yd)、近用部L2の中心座標が(Xn,Yn)であるとする。
この場合、累進部L3の補正量Cpx,Cpyは式(4)、(5)のようになる。
これらの補正量(Cdx、Cdy、Cnx、Cny、Cpx、Cpy)をそれぞれ、式(1)のCx,Cyに代入することで、Z座標の補正量が算出される。
暗号化された設計データは、ネットワーク4を介してレンズ加工業者6の端末コンピュータ装置3に配信される。
なお、暗号化の方法は、前述したような方法に限らず、公知の方法を利用する事ができる。
課金情報生成部229Bは、配信回数カウント部229Aによる配信回数に基づいて、月毎、或いは半期ごとに対価を算出し、課金情報を生成する。そして、例えば、記憶部23のユーザ情報登録データベース231に記憶されたデータに基づいて、請求書を発行したり、例えばネットワーク4を介して各金融機関が管理する付加価値通信網であるいわゆる金融VAN(Value-AddedNetwork)に構築されたファームバンキング(Firm Banking:FB)を利用して決済処理したり、決済処理する旨をネットワーク4を介して端末コンピュータ装置3に配信してレンズ加工業者6に決済処理を促す案内を報知するなどの処理をする。
また、課金部229では、通信制御部21からの設計データの提供回数に基づく対価のみならず、対価として内面累進多焦点レンズLの設計料を算出して、課金情報を生成してもよい。
なお、課金部229の配信回数カウント部229Aは、検査結果取得部223で検査結果を取得し、補正設計部226により設計データを補正して再度、設計データを通信制御部21から配信した回数を、設計データの全配信回数から差し引く構成となっている。
ユーザ情報登録データベース231は、契約したレンズ加工業者6の情報を記憶する部分であり、設計データ提供状況テーブルと、ユーザマスタテーブルとを有する。
設計データ提供状況テーブルは、レンズ加工業者6ごとの設計データ配信回数、設計データの補正回数等を記憶したものである。
ユーザマスタテーブルは、ユーザの情報を管理するテーブルであり、レンズ加工業者6のユーザコード、名称、住所、電話番号、アクセスID、パスワード等の情報が関連づけられて登録されている。
基準設計データ記憶部233は、複数の異なる加入度数に応じた内面累進多焦点レンズLの複数の基準設計データを記憶する。例えば、加入度0.50Dから3.50Dの範囲で、0.25Dづつ増加させた各加入度に応じた基準設計データを記憶している。
このような基準設計データは、加入度、累進帯長、累進帯の度数の変化、累進帯の幅等等の設計パラメータに基づいて構成される。
鍵記憶部235は、レンズ加工業者6に配布した公開鍵に対応した秘密鍵を記憶するものであり、各レンズ加工業者6に関連付けられて記憶されている。
検査用データ記憶部236は、狙い値算出部227により算出された狙い値を記憶するものであり、各レンズ加工業者6及び処方データに付与された管理番号に関連付けられて記憶されている。
まず、設計データ作成業者5が、加工装置メーカ7に対して、内面累進多焦点レンズLの製造の技術を提供することを条件として、販売対象となる加工装置60に前述した契約(加工装置60を購入するレンズ加工業者6が、設計データ作成業者5に対して対価を払うことを条件として、設計データ作成業者5から内面累進多焦点レンズLの設計データの供給を受けるという契約)を添付するという内容の契約を提示する。
ここでいう加工装置メーカ7とは、内面累進多焦点レンズL等のレンズを加工する加工装置60を製造販売する業者のことである。
加工装置メーカ7が、設計データ作成業者5から提示された契約を応諾した場合には、設計データ作成業者5から内面累進多焦点レンズLの製造の技術が提供される。加工装置メーカ7は、内面累進多焦点レンズLの製造技術の供与を受けることにより、設計データ作成業者5が望む品質の内面累進多焦点レンズLを製造できる加工装置60を製造販売することができるようになる。
加工装置60を購入したレンズ加工業者6が、加工装置60の端末コンピュータ装置3をネットワーク4に接続すると、端末コンピュータ装置3の表示部(図示略)に前記契約(レンズ加工業者6が、設計データ作成業者5に対して対価を払うことを条件として、設計データ作成業者5から内面累進多焦点レンズLの設計データの供給を受けるという契約)の同意を促す画面が表示される。レンズ加工業者6が契約に同意した場合、ユーザ登録を促す画面が表示され、レンズ加工業者6は、名称、住所、電話番号等を入力することとなる。これらの情報は、端末コンピュータ装置3から配信され(処理S1)、ネットワーク4を介してサーバ装置2の契約応諾情報取得部221により取得される(契約応諾情報取得手順、処理S2)。契約応諾情報取得部221で取得された情報は、記憶部23のユーザ情報登録データベース231に記憶される。
なお、レンズ加工業者6が前記契約に同意しない場合には、設計データ作成業者5からの設計データの提供を受けることができないが、同意しないことにより、加工装置60の駆動に支障をきたすことはない。
レンズ加工業者6が端末コンピュータ装置3に処方データを入力すると、処方データは、端末コンピュータ装置3の処方データ取得部325で取得され、通信制御部31を介してサーバ装置2へ配信される(処理S5)。
また、ここで、サーバ装置2では、処方データに基づいて使用するセミフィニッシュレンズを選択する。
また、サーバ装置2では、処方データ取得部222により取得した処方データに基づいて、狙い値算出部227により、検査用のデータとしての狙い値を算出する(検査用データ生成手順、処理S9)。狙い値は、検査用データ記憶部236に記憶される。
以上のようにして算出された設計データ及び狙い値は、通信制御部21から配信される(設計データ配信手順、処理S10)、(検査用データ配信手順、処理S11)。なお、設計データは、暗号化部228により暗号化されて配信される。
設計データ取得部321により取得された設計データは、暗号復号化部324で暗号化の解除が行われ、NC加工プログラム生成部323により、NC加工プログラムとして生成される(処理S14)。このNC加工プログラムは、NC工作機械61に転送される。レンズ加工業者6は、サーバ装置2で選択されたセミフィニッシュレンズを使用し、NC工作機械61により、セミフィニッシュレンズを切削、或いは研削して加工する(処理S15)。これにより、内面累進多焦点レンズLを得ることができる。
レンズ加工業者6は、製造した内面累進多焦点レンズLをレンズメータを用いて測定して、実測値を端末コンピュータ装置3に入力する。そして、検査結果取得判別部322において、実測値を取得する。さらに、検査用データ記憶部335に記憶した検査用のデータである狙い値を読み出し、狙い値と、実測値とを比較する。狙い値と、実測値とのずれが所定値以下である場合には、所望の光学特性の内面累進多焦点レンズLに製造されたと判断する。
サーバ装置2の検査結果取得部223で検査結果を取得する(検査結果取得手順、処理S18)。そして、補正設計部226により、設計データ記憶部234に記憶された設計データが読み出され、検査結果取得部223で取得した検査結果に基づいて、設計データの補正処理を行う(補正手順、処理S19)。
サーバ装置2は、補正設計部226で補正した設計データを通信制御部21を介して再度、端末コンピュータ装置3に配信する(補正設計データ配信手順、処理S20)。端末コンピュータ装置3では、処理S13〜処理S15の作業を再度行い、検査結果取得判別部322において、再度判定を行う(処理S16)。そして、検査用データ取得部326で取得した狙い値と、実測値とのずれが所定値以下となるまで処理S13〜処理S20を繰り返す。
なお、このような設計データの提供システム1において、サーバ装置2の課金部229では、通信制御部21からの設計データの提供回数に基づいて、月毎、或いは半期ごとに対価を算出し、課金情報が生成される。設計データの配信回数をカウントする際、検査結果取得部223で検査結果を取得し、補正設計部226により設計データを補正して再度、設計データを通信制御部21から配信した回数は、設計データの全配信回数から差し引かれる。そして、例えば、記憶部23のユーザ情報登録データベース231に記憶されたデータに基づいて、レンズ加工業者6に対し、請求書が発行される。
(1)本実施形態の設計データの提供システム1によれば、設計データ作成業者5が処方データに基づいて作成した設計データを内面累進多焦点レンズLを加工するレンズ加工業者6に対して提供しているので、レンズ加工業者6は所望の内面累進多焦点レンズLを加工することができる。
(2)また、レンズ加工業者6と、設計データ作成業者5との間で、レンズ加工業者6から設計データ作成業者5に対して対価を払うことを条件として、内面累進多焦点レンズLの設計データの供給を受ける契約が交わされているので、設計データ作成業者5は確実に対価を取得することができる。
(4)設計データ作成業者5側のサーバ装置2は、補正設計部226を備えているため、レンズ加工業者6側の端末コンピュータ装置3で検査用のデータと、内面累進多焦点レンズLの実測値とのずれが所定値を超えたと判断された場合、設計データを補正して再度、端末コンピュータ装置3に配信することができる。これにより、より正確な設計データを提供することができる。
(6)また、サーバ装置2では、設計データの配信回数に応じて、課金を行っているので、確実に設計データ提供に対する対価を回収することができる。特に、設計データ作成業者5が内面累進多焦点レンズLの特許権等を持っている場合には、対価としてライセンス料を回収することができる。
このようにすることで、加工装置メーカ7では、内面累進多焦点レンズLの製造技術の供与を受けることにより、設計データ作成業者5が望む品質の内面累進多焦点レンズLを製造できる加工装置を製造販売することができるようになる。
(10)また、本実施形態では、所定の契約が添付された加工装置60を購入したレンズ加工業者6が加工装置60の端末コンピュータ装置3をネットワーク4に接続し、前記契約の応諾を行っている。従って、加工装置60に前記契約が添付されており、ネットワーク4を介して契約することができるので、設計データ作成業者5は、加工装置60の販売先の住所等がわからないような場合であっても、確実に契約を行うことができる。
例えば、前記実施形態では、サーバ装置2において検査用のデータとして狙い値を算出していたが、これに限らず、例えば、検査用のデータとして内面累進多焦点レンズLの収差図を生成し、ネットワーク4を介して端末コンピュータ装置3に配信してもよい。このようにすれば、レンズ加工業者6側で得られた内面累進多焦点レンズLの累進面の形状と収差図の収差曲線と比較して、検査を行うことができる。
また、サーバ装置2を検査用のデータを生成する検査用データ生成部を備えない構成としてもよい。
さらに、前記実施形態では、サーバ装置2は、設計データの提供回数に応じて課金する課金部229を備えるものとしたが、サーバ装置は、課金部229を有していなくても良い。例えば、レンズ加工業者6側が設計データ作成業者5に対して、内面累進多焦点レンズLの加工枚数の申請を行い、この加工枚数に応じて設計データ作成業者5が対価を要求しても良い。
また、面補間したデータを提供することで、端末コンピュータ装置3での面補間が不要となるので、端末コンピュータ装置3での作業を簡略化することができる。
さらに、サーバ装置2から配信される設計データとして、点群から構成されるデータを配信していたが、設計データから、NC加工プログラムを生成してNC加工プログラムをサーバ装置2から配信してもよい。これにより、端末コンピュータ装置3でのNC加工プログラムの変換が不要となるため、内面累進多焦点レンズLの加工に要する手間を省くことができる。
さらに、前記実施形態では、端末コンピュータ装置3は検査結果取得判別部322を有し、狙い値と、実測値とのずれが所定値以下か否かを判別したが、これに限らず、例えば、検査結果取得判別部をサーバ装置2に設け、実測値を端末コンピュータ装置3からネットワーク4を介してサーバ装置2に配信し、サーバ装置2で実測値と、狙い値とのずれが所定値以下であるか否かを判別してもよい。
このように、端末コンピュータ装置3に基準設計データを記憶させることで、サーバ装置2にかかる負担を軽減することが可能となる。
なお、この際、サーバ装置2で新たな基準設計データを生成し、端末コンピュータ装置内の基準設計データを更新できるように構成してもよい。
Claims (5)
- 異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備え、眼球側に位置する内面に前記遠用部、近用部、累進部を構成する曲率が付加された内面累進多焦点レンズの設計データを提供するために、レンズ加工業者が購入した加工機械に接続される端末コンピュータ装置と、この端末コンピュータ装置と通信回線を介して接続され、設計データ作成業者が管理するホストコンピュータ装置とを備えるシステム上で実行され、
前記ホストコンピュータ装置が、前記レンズ加工業者から前記設計データ作成業者に対して対価を払うことを条件として、前記加工機械制御に用いられる内面累進多焦点レンズの設計データの供給を受ける契約に応諾した旨の情報を取得する契約応諾情報取得手順と、
応諾したことを条件として前記レンズ加工業者から内面累進多焦点レンズの処方データを通信回線を通じて、取得する処方データ取得手順と、
前記処方データに応じた設計データを生成する設計データ生成手順と、
生成された設計データを前記端末コンピュータ装置に配信する設計データ配信手順とを備えることを特徴とする設計データの提供方法。 - 請求項1に記載の設計データの提供方法において、
前記設計データ生成手順は、
予め記憶された内面累進多焦点レンズの加入度に応じた複数の基準設計データの中から、取得された処方データに基づいて、所定の基準設計データを選択するステップと、
選択された基準設計データを、前記処方データに基づいて加工するステップとを備えていることを特徴とする設計データの提供方法。 - 請求項1又は2に記載の設計データの提供方法において、
生成された設計データから加工後の眼鏡レンズの光学特性を検査するための検査用のデータを生成する検査用データ生成手順と、
生成された検査用のデータを前記端末コンピュータ装置に配信する検査用データ配信手順と、
前記検査用のデータに基づく眼鏡レンズの検査結果を取得する検査結果取得手順と、
取得した検査結果に基づいて、前記設計データを補正する補正手順と、
補正された設計データを端末コンピュータ装置に配信する補正設計データ配信手順とを備えることを特徴とする設計データの提供方法。 - 請求項1から3の何れかに記載の設計データの提供方法において、
設計データ配信手順による設計データの配信回数をカウントする配信回数カウント手順と、
カウントされた配信回数に基づいて、前記レンズ加工業者に対する課金情報を生成する課金情報生成手順とを備えていることを特徴とする設計データの提供方法。 - 異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備え、眼球側に位置する内面に前記遠用部、近用部、累進部を構成する曲率が付加された内面累進多焦点レンズの設計データを提供するための設計データ提供システムであって、
レンズ加工業者が購入した加工機械に接続される端末コンピュータ装置と、この端末コンピュータ装置と通信回線を介して接続され、設計データ作成業者が管理するホストコンピュータ装置とを備え、
前記ホストコンピュータ装置は、前記レンズ加工業者から前記設計データ作成業者に対して対価を払うことを条件として、前記加工機械制御に用いられる内面累進多焦点レンズの設計データの供給を受ける契約に応諾した旨の情報を取得する契約応諾情報取得部と、
前記レンズ加工業者から内面累進多焦点レンズの処方データを通信回線を通じて、取得する処方データ取得部と、
予め記憶された内面累進多焦点レンズの加入度に応じた複数の基準設計データの中から、取得された処方データに基づいて、所定の基準設計データを選択する基準設計データ取得部と、
選択された基準設計データを、前記処方データに基づいて加工するアレンジ設計部と、
加工された設計データを前記端末コンピュータ装置に配信する配信部とを有することを特徴とする設計データの提供システム。
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