JP2005201499A - 乾留焼却炉 - Google Patents

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JP2005201499A JP2004007328A JP2004007328A JP2005201499A JP 2005201499 A JP2005201499 A JP 2005201499A JP 2004007328 A JP2004007328 A JP 2004007328A JP 2004007328 A JP2004007328 A JP 2004007328A JP 2005201499 A JP2005201499 A JP 2005201499A
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Abstract

【課題】 送風機の吐出圧力を一定にすることで、各工程において安定した所望空気量を供給可能な乾留焼却炉の提供。
【解決手段】 着火バーナ3付きガス化室4、ガス化空気管14、助燃バーナ5付き燃焼室6、燃焼用空気路28、送風機8を備える。ガス化室4は、被焼却物2を収容して乾留ガス化する。ガス化空気管14は、ガス化室4内に空気を供給する。燃焼室6は、下端部がガス化室4と連通して設けられ、上端部に排気筒7が上方へ延出して設けられる。燃焼用空気路28は、ガス化室4からの乾留ガスに空気を導入する。送風機8は、着火バーナ3、ガス化空気管14、助燃バーナ5、燃焼用空気路28に空気を供給する。各送風量はダンパ11,15,27,28aで調整される。これらダンパと送風機8の間に設けた圧力センサ36の出力に基づき、送風機8の回転数を調整して、風圧を一定に保持する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、廃棄物などの被焼却物を焼却処理するための焼却炉に関するものである。特に、被焼却物を乾留ガス化して、その乾留ガスを燃焼させる形式の乾留焼却炉に関するものである。
従来、乾留焼却炉として、下記特許文献1および2に記載のものが提案されている。なお、下記において、括弧書きの符号は、各特許文献中における符号である。
下記特許文献1に記載の発明は、乾留室(1)内の底部に、バーナ(2)により加熱される輻射筒(3)を設ける一方、同じ乾留室(1)内の上部に、乾留ガスの燃焼筒(4)を前記輻射筒(3)の上方に配置して設けたものである。
下記特許文献2に記載の発明は、被焼却物の焼却部(2)と有害物質の除去部(2a)とからなり、焼却部(2)は、被焼却物(5)を焼却する加熱バーナ(12a)付きの一次燃焼室(9)と、この一次燃焼室(9)の上部に設けた乾燥室(10)とを備え、除去部(2a)は、焼却部(2)から排出される未燃ガスを焼却するための加熱バーナ(12)付きの二次燃焼室(11)と、焼却部(2)側を負圧状態にするファン(3)を備えたものである。
特許第3396777号公報 特開平11−141835号公報
乾留焼却炉においては、予熱、乾留、おき火、冷却の工程が順次に行われるが、工程により必要とされる送風量は異なる。ところが、送風機の特性として、送風量の変化は、風圧(送風機の出口圧力という意味での送風圧と称することもできる。)の変化をも招くことになる。従って、風圧が一定でなければ、安定した送風量を得られず、ひいては乾留にも影響を及ぼすものであった。しかしながら、上記いずれの特許文献に記載の発明も、この点についての考慮がなされていない。さらに、燃焼室およびバーナをそれぞれ複数有する焼却炉において、一つの送風機から空気供給するものでもなく構造が複雑であるため、装置が大型化するなどの課題があった。
この発明は、送風機の吐出圧力を一定にし、ガス化室内との圧力差を所定に保持しつつ、各工程において安定した所定空気量を供給可能な乾留焼却炉を提供することを課題とする。また、この発明は、燃焼室およびバーナをそれぞれ複数有する乾留焼却炉において、一つの送風機により空気を押込み供給する乾留焼却炉を提供することを課題とする。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、着火バーナを有し、被焼却物を収容して乾留ガス化するガス化室と、助燃バーナを有し、前記ガス化室からの乾留ガスを燃焼させる燃焼室とを備えた乾留焼却炉において、前記ガス化室、前記燃焼室、およびそれらに設けた前記着火バーナと前記助燃バーナに、所定風圧を保持した空気を供給するように回転数を制御可能に設けられた送風機を具備することを特徴としている。請求項1に記載の発明によれば、風圧を一定に保持しつつ空気供給できるので、工程などに応じて送風量を変化させても、乾留焼却を安定して行うことができる。
請求項2に記載の発明は、被焼却物を収容して乾留ガス化するガス化室と、このガス化室に設けられ、前記被焼却物に点火する着火バーナと、前記ガス化室の炉床に設けられ、前記ガス化室内に空気を供給するガス化空気管と、前記ガス化室と連通して設けられ、排気筒が設けられる燃焼室と、この燃焼室に設けられる助燃バーナと、前記ガス化室からの乾留ガスに空気を導入する燃焼用空気路と、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路の全てに空気を送り込む一つの送風機とを備えたことを特徴としている。請求項2に記載の発明によれば、一つの送風機を共通的に使用することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成要件に加えて、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路のそれぞれに前記送風機から送り込む空気量を調整する空気量調整手段と、前記送風機と前記空気量調整手段との間の空間の圧力を計測する圧力センサと、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路に、風圧を保持した空気を供給するように前記圧力センサの出力に基づき前記送風機の回転数を調整する制御手段とを備えたことを特徴としている。請求項3に記載の発明によれば、前記圧力センサの出力に基づき前記送風機の回転数を調整することで、風圧を一定に保持することができる。よって、工程などに応じて送風量を変化させても、乾留焼却を安定して行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の構成要件に加えて、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路のそれぞれに前記送風機から送り込む空気量を調整する空気量調整手段と、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路に、風圧を保持した空気を供給するように工程に応じて前記送風機の回転数を調整する制御手段とを備えたことを特徴としている。請求項4に記載の発明によれば、工程に応じて前記送風機の回転数を調整することで、風圧を一定に保持することができる。よって、工程などに応じて送風量を変化させても、乾留焼却を安定して行うことができる。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の構成要件に加えて、前記着火バーナを前記ガス化室の扉に設けたことを特徴としている。請求項5の発明によれば、ガス化室内の被焼却物全体のガス化を促すだけでなく、着火バーナの点検も容易となる。
この発明によれば、送風機の吐出圧力を一定に保持することで、各工程において必要な空気量を安定して供給することができる。また、燃焼室およびバーナをそれぞれ複数有する焼却炉において、一つの送風機からそれぞれに空気供給することで、送風機を共通化することができる。そして、そのように送風機を共通化しても、送風機の吐出圧力を一定に保持して送風量を制御することで、安定した焼却処理が可能である。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
この発明の乾留焼却炉は、乾留ガス化方式および二次燃焼方式の焼却炉であり、着火バーナを有するガス化室と、助燃バーナを有する燃焼室と、前記ガス化室および前記燃焼室に空気を送り込む送風機と、前記各バーナおよび前記送風機などを制御する制御手段(制御器)を主要部として備える。
前記ガス化室には、廃棄物などの被焼却物が投入され収容される。この収容した被焼却物に点火するために、前記ガス化室には着火バーナが設けられる。この着火バーナは、補助燃料を燃焼させるものであり、前記ガス化室の扉や側壁などに設けられる。ガス化室の正面扉に着火バーナを設けた場合には、ガス化室内のゴミ全体にガス化を促す効果があり、また着火バーナの点検も容易となる。また、前記ガス化室には、前記着火バーナにて点火された前記被焼却物を燃焼させるために、前記ガス化室内に空気を導入するガス化空気管も設けられている。このガス化空気管は、前記ガス化室の炉床に設けるのがよい。さらに、前記ガス化室には、このガス化室内の温度を計測する温度センサが設けられる。
前記燃焼室は、前記ガス化室と連通可能に設けられる。この際、典型的には燃焼室は、垂直方向または水平方向に配置される。前記燃焼室を垂直に配置する場合には、前記ガス化室の側壁または上壁と、前記燃焼室の側壁または下壁とを接続することにより、前記燃焼室の下部を前記ガス化室の中央部や上部と連通させる。一方、前記燃焼室を水平に配置する場合には、前記ガス化室の上壁または側壁と、前記燃焼室の左右方向一端部とを接続することにより、前記燃焼室の一端部を前記ガス化室の上部や中央部と連通させる。このようにして、前記燃焼室は、一端部が前記ガス化室と連通して設けられる。そして、そのような燃焼室の他端部には、上方へ延出して排気筒(煙突)が設けられ、外気と連通される。さらに、前記燃焼室には、助燃バーナが設けられる。この助燃バーナは、補助燃料を燃焼させるものであり、前記燃焼室の前記一端部に設けられる。
また、前記燃焼室には、前記ガス化室からの乾留ガスに空気を導入する燃焼用空気路が接続されている。この燃焼用空気路は、前記乾留ガスに空気を混合して前記助燃バーナにて燃焼させるために設けられる。そのために、前記燃焼用空気路による乾留ガスへの空気導入は、前記助燃バーナが設けられた前記燃焼室の前記一端部にて行われる。
ここで、前記燃焼用空気路の配管を利用して、前記燃焼室の冷却を図ると好適である。具体的には、前記燃焼室を二重の筒状(典型的には二重の円筒状)とし、その内外の筒体間の隙間を前記燃焼用空気路として利用することができる。この場合、前記燃焼室の前記他端部から、前記筒体間の隙間を介して、前記燃焼室の前記一端部まで空気を導き、その一端部側で前記二重の筒体の内側へ空気を導入する。これにより、前記助燃バーナの近傍で、且つ助燃バーナを取り囲む位置で、乾留ガスに空気を混合することができ、前記助燃バーナによる燃焼を可能とする。しかも、二重の筒体を介して空気を導入することで、前記燃焼室の過度の温度上昇を防止することもできる。ところで、前記燃焼室には、この燃焼室内の温度を計測する温度センサが設けられる。
前記送風機は、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路に空気を送り込むファンである。本実施形態では、これら各所に、一つの共通の送風機から空気が押込み式にて供給可能とされている。この送風機から、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路のそれぞれに送り込まれる空気量は、それぞれに設けられた空気量調整手段により調整される。
この各空気量調整手段としては、典型的にはダンパが使用される。このダンパは、駆動モータ(ソレノイド)の作動により弁体の停止位置を変更するものであり、自動バルブでもよいし、次のような構成でもよい。すなわち、前記ガス化空気管や燃焼用空気路または前記各バーナへの空気の配管に設けられ、管路の長手方向と垂直な軸まわりに回転可能に保持された板材からなる弁体としてもよい。そして、これら各ダンパは、その弁体の停止位置を変更することで、その管路の流通空気量を調整するものである。従って、これら各ダンパの停止位置を調整することで、運転工程などに応じて、前記ガス化室、前記燃焼室、および前記各バーナへのそれぞれの送風量を変化させることができる。
また、本実施形態においては、前記送風機による空気の吐出圧(風圧)は、ほぼ一定に保持可能に制御される。送風機の特性として、送風量を変えると風圧まで変化してしまうのであるが、風圧をほぼ所定圧に保持しつつ、送風量を変化可能とする。そのために、前記送風機は、その回転数を制御可能なものが使用される。典型的には、インバータ制御にて回転数を制御可能な送風機が使用される。そして、前記送風機と前記各ダンパとの間の空間には、その空間内の圧力を計測する圧力センサが設けられており、その圧力センサの出力に基づき、前記送風機の回転数を制御可能としている。
前記制御器は、前記ガス化室や前記燃焼室およびそれらに設けた各バーナへの送風量や風圧、および前記各バーナへの補助燃料の供給量などを制御する。具体的には、前記各ダンパの停止位置をそれぞれ制御することで、前記着火バーナへの空気供給量、前記ガス化空気管を介した前記ガス化室への空気供給量、前記助燃バーナへの空気供給量、および前記燃焼用空気路を介した前記燃焼室への空気供給量を変更可能である。また、前記圧力センサの出力に基づき前記送風機の回転数をインバータ制御することで、前記送風機から前記各ダンパを通過させる空気の風圧を一定にすることができる。さらに、前記各バーナへの補助燃料の供給量は、燃料供給管に設けられたバルブを開閉制御することでなされる。
このような制御は、予め設定された手順(プログラム)に従い、前記ガス化室および前記燃焼室に設けた前記各温度センサ、および前記燃焼用空気路などに設けた前記圧力センサの出力、さらには制御器自身が把握する経過時間などを用いてなされる。その際、作業者により入力される被焼却物の処理量やゴミ質などを考慮して、制御可能とすることもできる。
つぎに、前記乾留焼却炉を用いた典型的な焼却作業について説明する。この焼却炉は、被焼却物を順次投入して連続焼却するのではなく、バッチ処理により焼却を行うものである。つまり、最初にガス化室内へ被焼却物を投入収容した後、予熱工程、乾留工程、おき火工程、およびポストパージ(冷却)工程の順に焼却処理がなされ、これら一連の工程が済むまでは、前記ガス化室に新たに被焼却物が投入されることはない。以下、これら各工程について、具体的に説明する。
前記予熱工程は、前記助燃バーナを作動させることにより、前記燃焼室内を所定温度まで予熱する工程である。つまり、前記燃焼室内で補助燃料を燃焼させることで、前記燃焼室内の温度を、ダイオキシン類を分解することができる温度以上に予熱する。具体的には、前記燃焼室は、800〜850℃程度の温度、たとえば820℃まで温められる。この温度は、前記燃焼室に設けた前記温度センサからの出力を利用して把握することができる。
つぎに、前記燃焼室内の温度がたとえば820℃以上となると、前記乾留工程へ移行する。ここで、乾留とは、空気供給量を制限した状態で、前記ガス化室内の前記被焼却物を燃焼させることにより、この被焼却物から乾留ガスを発生させることをいう。この工程は、前記被焼却物を蒸し焼き状態で焼却するものともいえる。
具体的に説明すると、前記着火バーナにより補助燃料を燃焼させて前記被焼却物に着火する。そして、着火が開始すると、前記着火バーナの作動は停止する。つぎに、前記ガス化室内への供給空気量を制限して供給することにより、前記被焼却物を蒸し焼き状態とする。これ以降、前記着火バーナは、乾留ガスの発生を促す必要があるときに作動を再開する。具体的には、水分の多いゴミなどで燃焼室温度が十分上がらない場合に、ガス化室の温度を上げるために作動を再開する。そして、この乾留工程は、前記ガス化室内で乾留ガスを発生させながら、この発生した乾留ガスを前記燃焼室内で燃焼させ、さらにこの燃焼排ガスを冷却しつつ前記排気筒上部から排出する工程である。
さらに具体的に説明すると、この乾留工程は、前記被焼却物をダイオキシン類の発生が少ない乾留ガス化方式にて焼却処理するものであり、前記ガス化室内で発生したダイオキシン類を前記燃焼室内で熱分解する工程である。しかも、前記燃焼室内の燃焼において発生するダイオキシン類も、前記燃焼室内を820℃以上とすることにより、この燃焼室内で熱分解される。そして、前記燃焼室で燃焼および熱分解された820℃以上の燃焼排ガスは、前記燃焼室の出口側(前記他端部側)へ行くに従って、前記燃焼室を構成する二重筒内を流通する空気によって冷却され、さらに前記排気筒によって冷却される。前記排気筒としては、内外二重の筒体からなり、内側の筒体に前記燃焼室からの燃焼排ガスを流通させ、内外の筒体間の隙間に、外気を自然対流させる構成を用いることができる。そのために、前記排気筒を構成する内外の筒体間の空間は、前記排気筒の上下部において、外気と連通されている。
このようにして、所定の乾留工程時間が経過した後、おき火工程へ移行する。このおき火工程は、乾留ガスが発生した残りの前記被焼却物(炭化した状態の前記被焼却物)を置火(いわゆる「おき」)の状態で燃焼させる工程である。このおき火工程において、前記着火バーナは、前記ガス化室内で「おき」の状態の前記被焼却物の焼却を促す必要があるとき補助燃料の燃焼を再開する。そして、前記助燃バーナは、前記燃焼室内の温度を820〜980℃に維持するように補助燃料を燃焼させる。そして、このおき火工程においても、前記乾留工程のときと同様、前記燃焼室からの燃焼排ガスは、前記排気筒から排出される。そして、このようなおき火工程が所定時間経過すると、前記着火バーナを停止して前記ガス化室内の温度が所定温度(たとえば320℃以下)になると、前記助燃バーナも停止し、前記おき火工程を終了し、ポストパージ工程へ移行する。
前記ポストパージ工程は、前記ガス化室および前記燃焼室を冷却する工程である。このポストパージ工程においては、前記両バーナをともに停止させ、前記ガス化空気管および前記燃焼用空気路から空気を供給して、前記ガス化室および前記燃焼室を冷却する。そして、前記ガス化室内の温度が280℃以下となるか、あるいは所定時間に亘る前記ポストパージ工程が終了すると、前記ガス化室内に残った未燃物(灰など)を取り出し、焼却処理を終了する。
本実施形態によれば、前記被焼却物を乾留ガス化して焼却するので、従来の補助燃料を燃焼させるときの補助燃料の消費量と比較して、前記両バーナで消費する補助燃料が少なくなり、さらに短時間に焼却できる。
ところで、前記送風機の吐出圧一定制御は、前述した圧力センサによるフィードバック制御に代えて、次のような制御によっても達成できる。すなわち、前記予熱工程、前記乾留工程、前記おき火工程、および前記ポストパージ工程の各工程間で送風量を変えても風圧は一定になるように、各工程における前記送風機の回転数を予め設定しておくことでも実現できる。この場合、前記制御器は、各工程ごとに前記送風機の回転数を設定値に制御し、前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路に、風圧を保持しつつ、各工程に応じた送風量での空気供給を可能とする。
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の乾留焼却炉の一実施例の概略構成を示す説明図である。本実施例の乾留焼却炉1は、乾留ガス化方式および二次燃焼方式により、廃棄物などの被焼却物2を焼却処理する装置である。本実施例の乾留焼却炉1は、着火バーナ3を有し被焼却物2を収容するガス化室4と、助燃バーナ5を有しガス化室4内に収容した被焼却物2から発生させた乾留ガスを燃焼させる燃焼室6と、この燃焼室6からの燃焼排ガスを装置外へ排出する排気筒7と、ガス化室4や燃焼室6およびそれらに設けた前記各バーナ3,5に空気を供給する送風機8と、前記各バーナ3,5および前記送風機8などを制御する制御器9を主要部として備える。
ガス化室4は、被焼却物2を収容するように、たとえば角型状に形成されている。本実施例のガス化室4には、一方の側壁に、被焼却物2の投入口4aと焼却後の灰出し口4bとが設けられており、他方の側壁に、着火バーナ3が設けられている。被焼却物2の投入口4aは、ガス化室4の側壁上方に配置された四角形状の開口である。この投入口4aには、扉4cが開閉可能に設けられている。そして、この投入口4aの下方には、四角形状の開口からなる灰出し口4bが設けられている。この灰出し口4bにも、扉4dが開閉可能に設けられている。
本実施例の着火バーナ3は、前記灰出し口4bと対向するように、ガス化室4の他方の側壁に設けられる。具体的には、着火バーナ3は、ガス化室4の中央部よりやや下方に配置されており、先端部をガス化室4内へ向けて横向きに設けられている。この着火バーナ3には、送風機8に接続される第一ダクト10aから分岐された第二ダクト10bを介して送風機8からの空気が供給可能とされている。そして、その第二ダクト10bには、着火バーナ3の手前に第一ダンパ11が設けられており、着火バーナ3への供給空気量を調整可能である。本実施例の第一ダンパ11は、その第二ダクト10bの長手方向と直角方向に配置された軸まわりに回転可能に設けられた板材からなる。従って、その回転停止位置を調整することで、着火バーナ3への供給空気量を調整することができる。
本実施例では、ガス化室4内の灰出し口4bの下部には、傾斜板12が着脱可能に設けられている。ガス化室4の灰出し口4b付近の炉床部は、被焼却物2が溜まり易く、空気の供給が少なくなるため、その部分の被焼却物2が最後まで燃え残り、煤煙発生の原因になるが、それを防ぐためである。つまり、焼却が進むに従い被焼却物2は下方へ落下してきて、炉床で供給される空気にて燃え尽きるが、灰出し口4b付近の炉床に落下した被焼却物2は、空気の供給が十分でなく燃え尽きが遅い場合があるので、それを防止するためである。
この傾斜板12は、本実施例では、ガス化室4の前記一方の側壁下部の角部に沿って着脱自在に設けている。この傾斜板12は、ガス化室4の灰出し口4b下部から、下方へ行くに従って室内側へ傾斜するよう配置される。傾斜板12上に落下した被焼却物2は、傾斜板12上で対流により新しい空気の供給を得て燃え易くなる。また、被焼却物2がプラスチック類の場合、溶融したプラスチック類は傾斜板12上を流下して、空気供給される炉床上で燃焼させることができる。そして、着脱できるので、灰出しの際など、必要な場合には取り外すこともできるので作業性が良い。
ガス化室4は、被焼却物2が単に収容されるだけでなく、被焼却物2から発生する乾留ガスにより、上部のゴミを加熱させる役割をも果たすものである。また、ガス化室4には、ガス化室4内の温度を計測するための温度センサ13が設けられる。このガス化室温度センサ13は、ガス化室4の排ガス出口部(接続管26)付近に設けられる。さらに、ガス化室4内下部の炉床には、ガス化室4内に空気を導入するガス化空気管14が設けられている。
本実施例のガス化空気管14は、送風機8からの空気をガス化室4の炉床からガス化室4内に導入するものであり、その管路には、高燃焼用と低燃焼用の二つの炉床ダンパ(第二ダンパ)15(15a,15b)が設けられている。これら第一炉床ダンパ15aと第二炉床ダンパ15bは、駆動モータにより弁体の停止位置を変更して開度を調整するものであり、ガス化空気管14への空気供給量を調整することができる。このガス化空気管14には、ガス化室4の炉床において噴出手段14aに接続されており、ガス化室4の炉床付近に満遍なく空気を噴出可能とされている。このガス化空気管14は、後述する乾留工程やおき火工程において、ガス化室4内の炉床付近への空気の導入量を調節しつつ供給するものであるが、本実施例のガス化空気管14には二つの炉床ダンパ,つまり第一炉床ダンパ15aと第二炉床15bを設けているので、燃焼段階に応じて、よりきめ細かく制御することができる。
ところで、前記着火バーナ3および助燃バーナ5には、補助燃料としての灯油が給油ライン17を介して供給可能とされている。すなわち、着火バーナ3には、燃料タンク16からの補助燃料が第一給油ライン17aを介して供給される。本実施例の第一給油ライン17aは、燃料タンク16からポンプ18および第一弁19を介して、着火バーナ3に接続されている。
そして、この燃料タンク16からの補助燃料は、後述する助燃バーナ5への給油にも使用される。そのため、第一給油ライン17aの前記ポンプ18出口から第二給油ライン17bを分岐させ、その第二給油ライン17bにはまず第二弁20を設けている。そして、本実施例では、助燃バーナ5への給油量を二段階に調整するために、前記第二給油ライン17bを前記第二弁20出口から更に二つに分岐させている。その一方の第三給油ライン17cは、第三弁21を介して助燃バーナ5に接続しており、他方の第四給油ライン17dは、第一オリフィス22および第四弁23を介して助燃バーナ5に接続している。そして、その第一オリフィス22と第四弁23との間には、第二オリフィス24と逆止弁25を介して燃料タンク16側に戻す第五給油ライン17eを設けている。このような構成であるから、第二弁20を開いた状態で、第三弁21と第四弁23のいずれかを択一的に開くことで、助燃バーナ5への給油量を低燃焼用と高燃焼用とに、二段階に調整することができる。
ガス化室4の側壁には、上方に燃焼室6への出口を設け、ここに接続管26を接続している。燃焼室6は、上下に細長い円筒状とされている。燃焼室6の下部には、助燃バーナ5が設けられる。この助燃バーナ5には、上述したように、燃料タンク16からの補助燃料が供給可能とされている。しかも、その補助燃料の供給量は、上述したように、1台のポンプ18で二段階に油圧調整可能とされている。また、この助燃バーナ5には、第一ダクト10aから分岐される第三ダクト10cに設けた第三ダンパ27を介して送風機8からの燃焼用空気が供給される。この第三ダンパ27の構成は、着火バーナ3の第一ダンパ11と同様である。
さらに、燃焼室6には燃焼用空気路28が接続される。この燃焼用空気路28は、ガス化室4からの乾留ガスを助燃バーナ5にて燃焼させるために、乾留ガスに空気を混合するためのものである。本実施例では、燃焼用空気路28は、図1および図2に示すように、第一ダクト10aにより形成される流路と、二重の円筒体30(29),32(31)の隙間により形成される流路とから構成される。この場合、二重の円筒体29〜32は、燃焼室6の壁を構成し、内側の円筒体30(29)内が燃焼室6として機能する。
図2は、本実施例の乾留焼却炉1の燃焼室6部分を拡大して示す概略断面図である。この図に示すように、本実施例の燃焼室6は、内外二重の円筒体が同心に配置されてなり、内外の円筒体は、それぞれ上下二つの部材から構成される。具体的には、第一内筒29の上部に、第二内筒30が配置され、それら内筒29,30の外側に、互いに連結された第一外筒31と第二外筒32が配置される。
第一内筒29は、上下方向に貫通穴を有する円筒体29aからなり、この円筒体29aの周側面には、径方向外側へ突出して円筒状の分岐管29bが設けられている。この分岐管29bには、ガス化室4からの接続管26が接続される。そして、第一内筒29の周側面には、前記分岐管29bの下部より上方位置に、多数の小穴(第一空気供給口)29c,29c,…が貫通形成されている。また、第一内筒29の上端部には、径方向外側へ円板状に延出して、フランジ29dが形成されている。このような構成の第一内筒29は、水平に配置された底板29eに、垂直に立てられて設けられる。この底板29eの中央部には、助燃バーナ5の火炎を導出する案内筒5aの先端部が貫通して、上方へ向けて設けられる。案内筒5aの先端部は、前記分岐管29bの下部程度まで第一内筒29の下端部から差し込まれた状態となり、第一内筒29と同心に配置される。
案内筒5aの下部には、耐火材からなる箱体5bが設けられ、その箱体5bの側面に助燃バーナ5のノズル5cが設けられる。従って、助燃バーナ5の火炎は、前記箱体5bにて案内筒5a側へ方向転換して、燃焼室6の下部から上方へ向けて導出される。燃焼室6の下部に助燃バーナ5を直接に上向きに設けた場合には、助燃バーナ5に異物が落下して着火トラブルを生じるおそれがあるが、図2のような構成によれば、そのような不都合が回避される。
第二内筒30は、第一内筒29よりも大径の円筒体30aからなり、その内周面には断熱材30bが装着されている。本実施例では、断熱材30bとしてセラミックファイバーが使用される。この断熱材30bにより、第二外筒32の冷却効果および第二内筒30の耐久性向上を図ることができる。また、第二内筒30の外周面には、上端面よりやや下方位置に、径方向外側へ円板状に延出してフランジ30cが設けられている。さらに、第二内筒30の下端部には、円筒状の補助筒33が設けられる。本実施例の補助筒33は、第二内筒30の内径程度の直径を有する短円筒状33aとされ、その上端部に形成された径方向外側へのフランジ33bが、第二内筒30の下端面に固定される。第二内筒30は、その補助筒33内に第一内筒29の上端部が差し込まれて配置される。その際、第一内筒29のフランジ29dの外周縁と、第二内筒30の補助筒33(33a)の内周面との間に、わずかに隙間(第二空気供給口)29fが空くように、第一内筒29と第二内筒30は同心に配置される。
第一外筒31は、上下にフランジ31a,31bを有した円筒体からなり、その内径は第二内筒30よりも大径で、その長手寸法は第一内筒29よりも長く形成されている。この第一外筒31は、その下端部のフランジ31aが前記底板29eに固定されることで、前記第一内筒29との間の円筒状空間の下端部が閉塞される。また、第一外筒31の周側面には、径方向外側へ突出して分岐管31cが設けられ、この分岐管31cは、第一内筒29の分岐管29bやそれへの接続管26と同心に配置され、且つ両者の間の空間はガス化室4側の端部で閉塞される。
第二外筒32は、第一外筒31と同一直径の円筒状であり、第一外筒31よりも十分長く形成されている。第二外筒32の下端部には、径方向外側へ延出してフランジ32aが形成されており、このフランジ32aが第一外筒31の上端部のフランジ31bに接続されることで、第二外筒32は第一外筒31に連結される。第二外筒32の上端部には、径方向内外へ延出してツバ部32bが形成されており、このツバ部32bの内周縁で形成される穴に、第二内筒30が差し込まれる。これにより、第二内筒30は、その外周面がツバ部32bの内周縁に近接した状態で配置される。
さらに、第二外筒32には、上部外周面に開口部を設けて送風機8と連通させることで、燃焼用空気路28と連通している。その燃焼用空気路28の第一ダクト10aには、図1に示すように、第四ダンパ28aが設けられる。第二外筒32上部から供給された空気は、燃焼用空気路28,すなわち内外の筒体30,32(および29,31)間の隙間を介して下端部に導かれ、前記第一空気供給口29cおよび第二空気供給口29fを介して、内筒29,30内に供給される。この燃焼用空気路28を流れる空気により内筒29,30が冷却される。燃焼室6下端部には、助燃バーナ5が設けられており、燃焼用空気路28を流れる空気がゴミ焼却用の二次空気としてその助燃バーナ5の上部近傍で、且つ助燃バーナ5を取り囲むように流入することで、助燃バーナ5からの混合気と乾留ガスの混合が均等かつ良好となり、燃焼性が向上する。しかも、助燃バーナ5の上部近傍の部分は、ガス化室4からの接続管26の接続部でもある。これにより、乾留ガスに空気を効果的に混合することができる。
ところで、第二内筒30は、上端部が、第二外筒32の上部に設けられる保持ボルト34の先端部で吊るされる一方、下端部は、スペーサ(不図示)により位置決めされて設けられる。具体的には、第二外筒32の上端部の同一高さ位置には、周方向複数箇所に保持ボルト34が進退可能に設けられる。この保持ボルト34は、第二外筒32を貫通して設けられ、先端部を上方へ向けて傾斜して配置される。そして、このようにして第二外筒32の上端部に保持ボルト34が固定され、その保持ボルト34の先端部に第二内筒30のフランジ30cを支持することで、第二外筒32の上端部に第二内筒30が吊り下げられる。これにより、第二内筒30の熱応力および熱変形を吸収することができる。また、排気筒7をつけたまま下から燃焼室6の交換を可能とする。すなわち、保持ボルト34を外し、第一内筒29,第二内筒30,接続管26,助燃バーナ5を下方から取り外し可能に構成している。
以上のように、本実施例では、燃焼用空気路28の少なくとも一部を、第二内筒30と第二外筒32間で形成された空間とした。そして、その空間の上部から下部へ供給される空気は、第一内筒29に形成した第一空気供給口29cを介して、第一内筒29内に導かれる。また、燃焼用空気路28からの空気は、第一内筒29の上端部と第二内筒30の下端部との間に形成された第二空気供給口29fからも、両内筒29,30にて構成される燃焼室6内に導かれる。そして、この後者の空気の流れは、第二内筒30の冷却効果もある。しかも、第二内筒30に断熱材30bを設けたので、外筒31,32(特に第二外筒32)が過度に温度上昇することを防止する。また、この断熱材は、第二外筒32の温度を下げるだけでなく、第二内筒30の金属材の耐熱性の改善にも寄与する。
燃焼室6の上部には、円筒状の排気筒7が上方へ延出して設けられる。本実施例の排気筒7は、同心状に配置される内筒7aおよび外筒7bから下端面が閉塞し上面が開口した二重の円筒状に形成され、燃焼室6の上部に接続される。具体的には、内筒7aが前記第二内筒30の上端部と連通するように、第二外筒32のツバ部32bに保持されて配置される。この排気筒7を構成する外筒7bには、上下部において開口7c,7dが形成されている。従って、その上下の開口部7c,7dを介して、空気が自然対流することで、排気筒7の冷却を図り、排ガスと冷却空気を排気トップで混合することで、排ガス温度を下げることができる。このような排気筒7には、図1に示すように、燃焼室6出口の温度を計測する温度センサ35が設けられる。この温度センサ35は、燃焼室6の上端部に設けることができる。
前記送風機8は、前記着火バーナ3、前記ガス化空気管14、前記助燃バーナ5、および前記燃焼用空気路28に共通的に空気を送り込むファンである。本実施例の送風機8は、インバータ制御にて回転数を制御可能である。そして、前記送風機8と前記各ダンパ11,15,27,28aとの間の空間には、その空間内の圧力を計測する圧力センサ36が設けられており、その圧力センサ36の出力に基づき、前記送風機8の回転数を制御可能としている。本実施例の圧力センサ36は、図1に示すように、前記外筒31,32上部への燃焼用空気路28の配管に設けられている。
前記制御器9は、前記ガス化室4や前記燃焼室6およびそれらに設けた各バーナ3,5への送風量や風圧、および前記各バーナ3,5への補助燃料の供給量などを制御する。具体的には、前記各ダンパ11,15,27,28aの駆動手段をそれぞれ制御することで、前記着火バーナ3への空気供給量、前記ガス化空気管14を介した前記ガス化室4への空気供給量、前記助燃バーナ5への空気供給量、および前記燃焼用空気路28を介した前記燃焼室6への空気供給量を変更する。また、前記圧力センサ36の出力に基づき前記送風機8の回転数をインバータ制御することで、前記送風機8から前記各ダンパ11,15,27,28aを通過させる空気の風圧を一定にすることができる。さらに、前記各バーナ3,5への補助燃料の供給量は、給油ライン17(17a〜17d)に設けられた各バルブ19,20,21,23を開閉制御することでなされる。
このような制御は、予め設定された手順(プログラム)に従い、ガス化室4および排気筒7に設けた各温度センサ13,35、および燃焼用空気路28に設けた圧力センサ36の出力、さらには制御器9自身が把握する経過時間などを用いてなされる。その際、作業者により入力される被焼却物2の処理量やゴミ質などを考慮して、制御可能とすることもできる。
つぎに、本実施例の乾留焼却炉1の使用について説明する。まず、乾留焼却炉1の運転開始に際し、投入口4aの扉4cを開けて被焼却物2をガス化室4内へ投入し、投入口4aの扉4cを閉めて被焼却物2をガス化室4内に収容する。つぎに、あらかじめ決められたプログラムに従い、制御器9により被焼却物2の焼却処理がなされる。具体的には、つぎに述べるような基本的焼却作業が通常行われる。
この基本的焼却作業は、バッチ処理であり、このバッチ処理は、図3に示すように、予熱工程、乾留工程、おき火工程、およびポストパージ工程とからなる。そして、これら作業中には、送風機8を作動させるが、ガス化室4や燃焼室6およびそれらに設けた各バーナ3,5への各供給空気量は、それぞれに設けたダンパ15,28a,11,27の停止位置を調節することで設定される。その際、圧力センサ36の出力に基づいて、送風機8の回転数を制御することで、所定の風圧で空気を供給できる。したがって、各工程において所望の送風量を安定して供給することができる。
予熱工程は、助燃バーナ5のみを作動させて、燃焼室6内で補助燃料を燃焼させることにより、ダイオキシン類を分解することができる温度以上に燃焼室6内を予熱する工程である。ここでは、燃焼室6内の温度を820℃以上に予熱する。
燃焼室6内の温度が820℃以上になると、予熱工程を終了して乾留工程へ移行する。この乾留工程では、まずガス化室4内において、着火バーナ3により補助燃料を燃焼させて被焼却物2に着火し、着火したら着火バーナ3の作動を停止する。そして、ガス化空気管14からガス化室4内へ空気を供給するのであるが、その供給量をゴミ燃焼量に必要とする理論空気量以下(空気比0.1〜0.2)に制限することにより、被焼却物2を蒸し焼き状態とする。これにより、被焼却物2から乾留ガスが発生する。もし、供給空気量を過剰にすると、火炎をあげて一気に燃焼するため空気不足となり、黒煙の発生につながる。乾留中のガス化室への空気量の調節は、燃焼量を決めるきわめて重要な要素である。これ以降、着火バーナ3は、乾留ガスの発生を促す必要があるとき作動を再開される。そして、この乾留工程では、ガス化室4内で乾留ガスを発生させながら、この乾留ガスを燃焼室6内で燃焼させる。その燃焼排ガスは、排気筒7で冷却されつつ大気中へ排出される。
前述したように、この乾留工程において、着火バーナ3は、乾留の状況に応じて作動と停止が調整される。具体的には、着火バーナ3は、着火時に作動した後は停止しているが、乾留ガスの発生が少なくなり、燃焼室6内の温度が800℃以下になると作動を再開して、被焼却物2を加熱することにより乾留ガスの発生を促す。そして、燃焼室6内の温度が820℃になると停止する。一方、助燃バーナ5は、燃焼室6内が820℃以下となると高燃焼の作動を開始する。そして、燃焼室6内に導入された乾留ガス自体の燃焼が加わり、燃焼室6内の温度が上昇すると低燃焼に切り換える。さらに、たとえば1000℃を越えると、乾留ガスの発生が過剰であるので、炉床第一ダンパ15aを閉じてガス発生を抑える。そして、1100℃を越えると、助燃バーナ5の低燃焼を停止させる。
この乾留工程においては、被焼却物2をダイオキシン類の発生が少ない乾留ガス化方式にて焼却処理できる。その際、ガス化室4内で発生したダイオキシン類も、燃焼室6内で熱分解することができる。さらに、燃焼室6内の燃焼において発生したダイオキシン類も、燃焼室6内で熱分解することができる。そして、燃焼室6で燃焼および分解処理された燃焼排ガスは、排気筒7で冷却されつつ大気中へ排出される。
さらに、その乾留後期段階においては、ガス化空気管14の第二ダンパ15bは通常閉じておくが、間欠的に開くことによりガス化室4内への空気量を増加させ、乾留ガス化を促進し、焼却処理を早める。或いは、これに代えてまたはこれに加えて、着火バーナ3での燃焼を停止した状態で、それまで閉じていた着火バーナ3への第一ダンパ11を開くことにより、ガス化室4内に空気を導入するようにしてもよい。また、乾留工程の初期段階においては、燃焼用空気路28の第四ダンパ28aは全開としているが、後期段階等の乾留ガスの発生量が低下したときは、その第四ダンパ28aを絞るように調整してもよい。
所定時間に亘る乾留工程が終了した後、つぎにおき火工程へ移行する。このおき火工程は、乾留ガスが発生した残りの被焼却物2,すなわち炭化した状態の被焼却物2をおき火の状態(いわゆる「おき」の状態)で燃焼させる工程である。このおき火工程において、着火バーナ3は、ガス化室4内で「おき」状態の被焼却物2の焼却を促す必要があるとき、第一ダンパ11を開いて補助燃料による燃焼を再開する。また、炉床第二ダンパ15bを開いてガス化空気管14からガス化室4への供給空気量は増加させる。そして、助燃バーナ5は、燃焼室6内の温度を820〜980℃に維持するように補助燃料を燃焼させる。このおき火工程においても、乾留工程のときと同様、燃焼室6からの820℃以上の燃焼排ガスは、排気筒7を介して大気中へ排出される。
おき火工程においては、助燃バーナ5のみ作動(着火バーナ3の作動は停止)し、被焼却物2が燃え尽きるまでの間、徐々にガス化室4内の温度を低下させる。そして、ガス化室4内の温度が所定温度,たとえば320℃以下になると、ゴミもほぼ燃焼し尽くしたと判断されるので、助燃バーナ5も停止し、ポストパージ工程へ移行する。
ポストパージ工程は、ガス化室4および燃焼室6を冷却する工程である。このポストパージ工程においては、両バーナ3,5をともに停止させ、ガス化空気管14や燃焼用空気路28から空気を導入することにより、ガス化室4および燃焼室6を冷却する。そして、所定時間に亘るポストパージ工程が終了すると、送風を停止し、焼却処理を終了する。
ところで、前記送風機8の吐出圧一定制御は、圧力センサ36を用いた制御に代えて、次のような制御によっても達成できる。すなわち、前記予熱工程、前記乾留工程、前記おき火工程、および前記ポストパージ工程などの各工程間で送風量が変わっても風圧は一定になるように、各工程における前記送風機8の回転数を予め制御器9に設定しておくことでも実現できる。この場合において、乾留工程やおき火工程などをそれぞれ前述したように前後に分けるなど、各工程を細分化して制御してもよい。
最後に、上述した送風機8の吐出圧一定制御は、図1の構成の乾留焼却炉1に限らず、他の構成の乾留焼却炉にも適用可能である。
図4は、本発明の乾留焼却炉の他の実施例の概略構成を示す説明図であり、給油ラインや温度センサを省略して示している。この図4に示す乾留焼却炉は、図1の乾留焼却炉と基本的には同様の構成であるので、同一部分には同一符号を付し、異なる点を中心に説明する。図1の乾留焼却炉では、ガス化室4の側部に燃焼室6を接続し、その燃焼室6を垂直に配置したが、図4の乾留焼却炉1では、ガス化室4の上方に燃焼室6を接続し、その燃焼室6を水平に配置している。
水平に保持された燃焼室6は、図2の燃焼室と同様に、内外二重の筒体29〜32から形成されており、一端部が、その外周面を介してガス化室4に連通されており、他端部には、エルボ管7eを介して垂直上方へ延出する排気筒7に接続されている。また、助燃バーナ5は、燃焼室6の一端面に設けられている。さらに、燃焼用空気路28は、他端部側から前記内外二重の筒体管29〜32の隙間を介して助燃バーナ5側へ供給される。
また、本実施例の乾留焼却炉では、着火バーナ3は、ガス化室4の扉(具体的には灰出し口4bの扉)4dに設けられる。この場合、着火バーナ3へは、フレキシブル管により空気と燃料が供給される。着火バーナ3を扉4dに設けることで、ガス化室4内の被焼却物2全体のガス化を促すだけでなく、着火バーナ3の点検も容易となる。
ところで、ガス化室4の扉4dに着火バーナ3を設ける構成は、図1の乾留焼却炉にも適用可能である。この場合、着火バーナ3は、ガス化室4の出口(接続管26)と対向するように、ガス化室4の扉(具体的には灰出し口4bの扉)4dに設けられる。また逆に、図4の乾留焼却炉において、着火バーナ3を扉4dではなく、図1と同様に、側壁自体に設けてもよい。
本発明の乾留焼却炉の一実施例の概略構成を示す説明図である。 図1の乾留焼却炉の燃焼室部分を拡大して示す概略断面図である。 図1の乾留焼却炉の基本的焼却作業工程を示すフローチャートである。 本発明の乾留焼却炉の他の実施例の概略構成を示す説明図であり、給油ラインや温度センサを省略して示している。
符号の説明
1 乾留焼却炉
2 被焼却物
3 着火バーナ
4 ガス化室
5 助燃バーナ
6 燃焼室
7 排気筒
8 送風機
9 制御器
11 第一ダンパ
13 温度センサ
14 ガス化空気管
15 第二ダンパ
16 燃料タンク
26 接続管
27 第三ダンパ
28 燃焼用空気路
28a 第四ダンパ
29 第一内筒
29c 第一空気供給口
29f 第二空気供給口
30 第二内筒
31 第一外筒
32 第二外筒
35 温度センサ
36 圧力センサ

Claims (5)

  1. 着火バーナを有し、被焼却物を収容して乾留ガス化するガス化室と、助燃バーナを有し、前記ガス化室からの乾留ガスを燃焼させる燃焼室とを備えた乾留焼却炉において、
    前記ガス化室、前記燃焼室、およびそれらに設けた前記着火バーナと前記助燃バーナに、所定風圧を保持した空気を供給するように回転数を制御可能に設けられた送風機を具備する
    ことを特徴とする乾留焼却炉。
  2. 被焼却物を収容して乾留ガス化するガス化室と、
    このガス化室に設けられ、前記被焼却物に点火する着火バーナと、
    前記ガス化室の炉床に設けられ、前記ガス化室内に空気を供給するガス化空気管と、
    前記ガス化室と連通して設けられ、排気筒が設けられる燃焼室と、
    この燃焼室に設けられる助燃バーナと、
    前記ガス化室からの乾留ガスに空気を導入する燃焼用空気路と、
    前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路の全てに空気を送り込む一つの送風機と
    を備えたことを特徴とする乾留焼却炉。
  3. 前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路のそれぞれに前記送風機から送り込む空気量を調整する空気量調整手段と、
    前記送風機と前記空気量調整手段との間の空間の圧力を計測する圧力センサと、
    前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路に、風圧を保持した空気を供給するように前記圧力センサの出力に基づき前記送風機の回転数を調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の乾留焼却炉。
  4. 前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路のそれぞれに前記送風機から送り込む空気量を調整する空気量調整手段と、
    前記着火バーナ、前記ガス化空気管、前記助燃バーナ、および前記燃焼用空気路に、風圧を保持した空気を供給するように工程に応じて前記送風機の回転数を調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の乾留焼却炉。
  5. 前記着火バーナをガス化室の扉に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の乾留焼却炉。
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