JP2005201347A - ボールネジ機構 - Google Patents

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雅彦 金原
Nobuo Kobayashi
信夫 小林
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Abstract

【課題】ボールの循環経路をボールネジシャフトの側で形成したボールネジの小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を両立を図る。
【解決手段】ボールネジシャフト10は、その外周にボールネジ溝12とその左右のボール案内湾曲溝14R、14Lとを備え、シャフト内部には、この両湾曲溝を連結するためのシャフト貫通孔16を有する。ボール案内湾曲溝14R、14Lは、ボールネジ溝12に弧状に連続した湾曲状の経路としてボールネジシャフト10の外周に湾曲軌道の溝形状で深溝状に形成されている。よって、ボールネジ溝12をそのネジ端部12aまで転動したボールは、ボール案内湾曲溝14R、14Lに入り込んで当該溝自体に案内されてネジ軌道から外れ、シャフト貫通孔16に達する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、ボールが転動しつつ循環する循環経路をボールネジシャフトに備えるボールネジ機構に関する。
ボールネジは、位置決めが精密にできる、小さなトルクでもボールネジシャフトの回転で大きな推力を得られる等の利点があり、工作機械の他、種々の送り機構で多用されている。こうしたボールネジでは、ボールの循環経路の形成の様子で二つのタイプに大別される。
一つは、循環経路をボールネジシャフトに螺合するボールナットの側で形成するものであり(例えば、特許文献1参照)、他方は、循環経路をボールネジシャフトの側で形成するものである(例えば、特許文献2、3参照)。
特開2003−90410号公報 実公平8−2516号公報 特開平7−174206号公報
特許文献1に提案されたような循環経路をボールナットの側で形成するものにあっては、経路形成のスペースをナット側で十分確保できるので、循環経路が緩やかに湾曲して極端な屈曲等の無い経路とできる。このため、循環経路でのボール転動は円滑となり、ネジ駆動の上では利点がある。その反面、ボールナットを含めたボールネジが大きくなり、小型の駆動機器に適用が制限される。
特許文献2、3に提案されたような循環経路をボールネジシャフトの側で形成するものにあっては、経路形成がシャフト側である都合上、ボールナットを小さくでき、小型化を図ることができる。しかしながら、循環経路の形成スペースがシャフト側であるので、循環経路はネジ溝から屈曲した経路となりがちである。このため、循環経路の屈曲箇所では、ボールを強制的に案内するような特異な部材を必要とするので、小型化できても循環経路間連の構成が複雑であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を両立させることを目的とする。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明のボールネジ機構では、ボールネジシャフト側で形成するボールの循環経路を、シャフト外周に螺旋状に螺刻されボール転動を起こすボールネジ溝と、このボールネジ溝の一方のネジ溝端部の側から他方のネジ溝端部の側へのボールリターン経路となるようボールネジシャフトの内部に形成されたシャフト内径路と、ボールネジ溝のネジ端部からシャフト内径路までのボール経路となるネジ端部経路とで形成する。そして、ネジ端部経路については、これを、ボールネジ溝を転動してきたボールが螺合対象部材側のボールネジ溝の軌道から外れるようにすると共に、ボールネジ溝に弧状に連続して湾曲弧状に形成することとした。なお、ボールが螺合対象部材側のボールネジ溝の軌道から外れることから、このボールは、ボールネジシャフトのボールネジ溝の軌道からも外れることになる。
このため、本発明のボールネジ機構では、ボールネジ溝を転動してきたボールは、そのネジ端部に至るとネジ端部経路に案内され、螺合対象部材、例えばナットのボールネジ溝の軌道から外れてシャフト内径路に入り込む。ボールネジ溝の他端のネジ端部では、シャフト内径路を通過したボールが、ネジ端部経路に案内され、ナットのボールネジ溝の軌道から外れた軌道からボールネジ溝に到達し、循環する。こうしたボール循環を起こすに当たり、ボールネジ溝の両端でのボール案内は、ボールネジ溝に弧状に連続して湾曲弧状に形成されたネジ端部経路自体で行われることから、ボールネジシャフト側で循環経路を形成しても、ボール案内用の特別な部材を要しない。よって、小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を図ることができる。こうしたボール循環を起こす際、ボールネジ溝のネジ溝両端では、ボールは、ネジ端部経路による案内と共に、ナットのボールネジ溝の軌道から外れるので、ボールネジシャフトの螺合対象部材であるナットのネジ駆動(ナット駆動)に支障はない。
上記した本発明のボールネジ機構は、種々の態様を採ることができ、例えば、ボールネジシャフトを、ボールネジ溝を外周に有するネジ溝シャフト部と、このネジ溝シャフト部の両端に位置するネジ溝端部シャフト部とを備えるものとし、このネジ軸端シャフトにネジ端部経路を形成する。その上で、ネジ端部シャフトが有するネジ端部経路を、ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてネジ溝端部シャフト部の外周に形成した湾曲軌道の溝形状のボール案内湾曲溝とし、このボール案内湾曲溝の軌道で、ボールをボールネジ溝のネジ端部からネジ溝シャフト部側に向かうよう案内する。
ボール案内湾曲溝の軌道でネジ溝シャフト部側に向かうよう案内されたボールは、シャフト内径路としてのシャフト貫通孔に達する。このシャフト貫通孔は、ネジ溝シャフト部を斜めに貫通して形成され、ネジ溝シャフト部両端のネジ溝端部シャフト部におけるボール案内湾曲溝を溝端部同士で連結する。よって、ボールは、このシャフト内経路を通過して、他方のボール案内湾曲溝に至り、当該案内湾曲溝に案内されて循環する。
この態様では、ボール案内湾曲溝を、ボールネジ溝から転動してきたボールがナットのボールネジ溝から遠ざかるよう陥没した深溝とすることで、ボールをナットのボールネジ溝の軌道から外して、ボールネジシャフトの螺合対象部材であるナットのネジ駆動(ナット駆動)に支障を起こさないようにする。その一方、この深溝のボール案内湾曲溝の形成箇所をシャフト外周とすることで湾曲溝の軌道長さを確保する。よって、ボール案内湾曲溝の軌道をボールをネジ溝シャフト部側に向かうよう案内するものとするに当たり、確実にその溝軌道をボールネジ溝に弧状に連続した湾曲形状とできる。しかも、シャフト貫通孔をネジ溝シャフト部を斜めに貫通させたことから、ボールネジ溝のネジ端部のボール案内湾曲溝連結箇所と、シャフト内径路の一端のボール案内湾曲溝連結箇所とを、シャフト周回りで離すことができる。このため、深溝のボール案内湾曲溝をより緩やかに湾曲した形状とできるので、ボール循環の円滑化を図ることができる。
この場合、ネジ溝シャフト部のシャフト外周に、例えば2筋のボールネジ溝を形成し、その両端のネジ溝端部シャフト部に、2筋のボールネジ溝それぞれについてボール案内湾曲溝をシャフト外周に備えつける。そして、シャフト貫通孔については、2筋のボールネジ溝のいずれかのボール案内湾曲溝を溝端部で連結するようネジ溝シャフト部を斜めに貫通するようにすることもできる。こうすれば、ボールネジシャフト側に循環経路を有するボールネジ機構を2条ねじとできるので、ネジ送りの精密化、トルク低減等の利点がある。なお、ボールネジの条数は2条に限らず、シャフト外周のスペースが許せば複数条設けるようにすることもできる。
また、ボールネジシャフトを、ボールネジ溝をシャフト外周に備え、軸方向に貫通する貫通孔と前記ネジ端部経路を有する第1シャフトと、この貫通孔に挿入され前記第1シャフトと一体となる第2シャフトとを備えるものとする。その上で、第1シャフトが有するネジ端部経路を、ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてシャフト外周から貫通孔に達するまで形成した湾曲軌道のボール案湾曲孔とし、このボール案内湾曲孔の軌道で、ボールをボールネジ溝のネジ端部から貫通孔の側まで案内する。
ボール案内湾曲孔の軌道で貫通孔まで案内されたボールは、シャフト内径路に達する。このシャフト内径路は、第1シャフト貫通孔内周と第2シャフト外周との間に形成されたシャフト間ネジ溝とされ、両端のボール案内湾曲孔を貫通孔内周における孔端部同士で連結するネジ溝の軌道であり、ボール案内湾曲孔の間でのボール転動を起こす。よって、ボールは、このシャフト内経路を通過して、他方のボール案内湾曲孔に至り、当該案内湾曲孔に案内されて循環する。なお、シャフト内径路は、必ずしもネジ溝である必要はなく、第1シャフト貫通孔内周と第2シャフト外周との間に形成された直線軌道の溝であってもよい。また、湾曲した軌道の溝であってもよい。
この態様では、ボールネジ溝から転動してきたボールをボール案内湾曲孔により第1シャフトの外周から貫通孔に案内されることで、ボールをナットのボールネジ溝の軌道から外して、ボールネジシャフトの螺合対象部材であるナットのネジ駆動(ナット駆動)に支障を起こさないようにする。その一方、このボール案内湾曲孔の形成箇所をシャフト外周から貫通孔内壁までとすることで湾曲孔の軌道長さを確保する。よって、ボール案内湾曲孔の軌道をボールを貫通孔の側に向かうよう案内するものとするに当たり、確実にその孔の軌道をボールネジ溝に弧状に連続した湾曲形状とできる。
しかも、シャフト内径路はネジ溝であることから、ボール転動に際して十分な軌道の長さを確保しつつ、ネジ溝に沿って円滑にボールの転動・循環を図ることができる。この場合、第2シャフトの径が細くてもネジ溝形成が可能となることから、この第2シャフトはもとより第1シャフト、延いては、ボールネジ機構全体の小型化に有益である。
また、ボールネジシャフトを、ボールネジ溝を外周に有するネジ溝シャフト部と、ネジ端部経路を有してネジ溝シャフト部の両端に位置するネジ溝端部シャフト部とを備えるものとする。その上で、ネジ端部シャフトが有するネジ端部経路を、ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてネジ溝端部シャフト部の内部に形成された湾曲状の軌道のボール案内湾曲孔とし、その軌道を、ボールネジ溝を転動するボールをナットのボールネジ溝から遠ざかるように案内した後に、ネジ溝シャフト部側に向かうよう折り返して案内する湾曲軌道とし、シャフト内径路については、ネジ溝シャフト部を貫通してボール案内湾曲孔を繋ぐように形成した。
ボール案内湾曲孔の軌道でナットのボールネジ溝から一旦遠ざかりその後にネジ溝シャフト部側に案内されたボールは、シャフト内径路としてのシャフト貫通孔に達し、ボール案内湾曲孔の間でのボール転動を起こす。よって、ボールは、このシャフト内経路を通過して、他方のボール案内湾曲孔に至り、当該案内湾曲孔に案内されて循環する。
この態様では、ボールネジ溝から転動してきたボールを、ネジ溝端部シャフト部の内部に形成された折り返しのボール案内湾曲孔に案内することで、ボールをナットのボールネジ溝の軌道から外して、ボールネジシャフトの螺合対象部材であるナットのネジ駆動(ナット駆動)に支障を起こさないようにする。その一方、ネジ溝端部シャフト部におけるボール案内湾曲孔の形成の様子を、ボールネジ溝を転動するボールがナットのボールネジ溝から遠ざかるように案内された後にネジ溝シャフト部側に向かうような折り返しの湾曲軌道としたので、この軌道の折り返しにより、ボール案内湾曲孔の軌道長さを確保する。よって、ボール案内湾曲孔の軌道をボールをシャフト貫通孔の側に向かうよう案内するものとするに当たり、確実にその孔の軌道をボールネジ溝に弧状に連続した湾曲形状とできる。
この場合、シャフト内径路をネジ溝シャフト部の軸心を貫通して形成するシャフト貫通孔とでき、ボールネジ溝のネジ端部からこのシャフト貫通孔までの上記折り返しのボール案内湾曲孔を、ネジ軸から見て湾曲してシャフト貫通孔に回り込むような軌道とできる。こうすれば、ボール案内湾曲孔の軌道長さを確保の上から好ましい。
また、ボールネジシャフトを、ボールネジ溝の形成範囲に亘って軸方向に形成された軸孔を備えるものとし、ネジ端部経路については、ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてシャフト外周から軸孔の内部に達するまでの湾曲軌道の孔状に形成されたボール案内湾曲孔とし、その軌道を、ボールネジ溝を転動するボールを軸孔側に案内するものとした。その上で、シャフト内径路を軸孔に挿入された管体で形成し、ボール案内湾曲孔の軌道を、ボールネジ溝を転動するボールをボールネジシャフトの内部においてナットのボールネジ溝から遠ざかるように案内した後に、ボールネジ溝シャフト部側に向かうよう折り返して案内し、管体のシャフト内径路端部に至る湾曲軌道とした。
ボール案内湾曲孔の軌道でナットのボールネジ溝から一旦遠ざかりその後にネジ溝シャフト部側に案内されたボールは、軸孔に挿入されたシャフト内径路に達し、ボール案内湾曲孔の間でのボール転動を起こす。よって、ボールは、このシャフト内経路を通過して、他方のボール案内湾曲孔に至り、当該案内湾曲孔に案内されて循環する。
この態様では、ボールネジ溝から転動してきたボールを、ボールネジシャフトの内部に形成された折り返しのボール案内湾曲孔に案内することで、ボールをナットのボールネジ溝の軌道から外して、ボールネジシャフトの螺合対象部材であるナットのネジ駆動(ナット駆動)に支障を起こさないようにする。その一方、ボール案内湾曲孔の形成の様子を、ボールネジ溝を転動するボールがボールネジシャフトの内部においてボールネジ溝の端部の外側に遠ざかるように案内された後にネジ溝シャフト部側に向かうような折り返しの湾曲軌道としたので、この軌道の折り返しにより、ボール案内湾曲孔の軌道長さをボールネジシャフトの内部で確保する。よって、ボール案内湾曲孔の軌道をボールが管体のシャフト内経路に向かうよう案内するものとするに当たり、確実にその孔の軌道をボールネジ溝に弧状に連続した湾曲形状とできる。
この場合、ネジ端部経路をシャフト内径路と一体となった管体から形成すれば、ネジ端部経路とシャフト内径路の管路の連続が確保され、好ましい。
次に、本発明に係るボールネジ機構の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1Aは第1実施例のボールネジシャフト10を示す説明図、図1Bは図1Aのボールネジシャフト10を横方向から見て示す説明図、図2はボールネジシャフト10とボールナット18との関係を示す説明図である。
図示するように、ボールネジシャフト10は、その外周にボールネジ溝12とその左右のボール案内湾曲溝14R、14Lとを備え、シャフト内部には、この両湾曲溝を連結するためのシャフト貫通孔16を有する。本実施例では、ボールネジ溝12は、図中にねじ部分として示すようにボールネジシャフト10を2周半周回するよう形成されている。このため、ボールネジ溝12両端のネジ端部12a、12bは、シャフト外周において180°位置が相違する。このようにボールネジ溝12を有するシャフト部分が本願のネジ溝シャフト部に相当する。
ボール案内湾曲溝14R、14Lは、ボールネジ溝12に弧状に連続した湾曲状の経路としてボールネジシャフト10の外周に湾曲軌道の溝形状で形成され、ボールネジ溝12を転動するボールを案内する。本実施例では、ボール案内湾曲溝14R、14Lは、ボールネジ溝12との連続箇所であるネジ端部12a、12bから、シャフト外周の半周に亘って湾曲軌道で形成され、この湾曲軌道15は、ボールネジ溝12を転動してきたボールがボールネジ溝12のネジ軌道12cから外れるよう、ボールネジ溝12に弧状に連続した湾曲弧状とされている。そして、ボールネジ溝12は、ボールネジシャフト10の外周において軸上では図中のネジ端部12a〜12bの間だけに存在するが、螺合対象部材であるボールナット18ではこの範囲を越えてボールネジが連続しているので(図2参照)、ボールは、ボールネジシャフト10のボールネジ溝12はもとより、ボールナット18のボールネジ軌道から解放される必要がある。
こうした理由から、ボール案内湾曲溝14R、14Lは、ボールネジ溝12と連続した弧状の軌道でボールネジシャフト10の内側に沈み込みながら一旦シャフト端部側(詳しくは、ボールネジ溝12のネジ端部から離れる側)に延び、その後、弧状の軌道でボールネジ溝12のネジ端部の側に折り返す。この弧状の湾曲軌道15は、シャフト外周を平面に展開したと仮定した場合には、半円状の円弧軌道となる。このようにボール案内湾曲溝14R、14Lを有するシャフト部分が本願のネジ溝端部シャフト部となる。
シャフト貫通孔16は、上記した左右のボール案内湾曲溝14R、14Lをその溝端部同士で連結するよう、ボールネジシャフト10を貫通して形成され、ボール案内湾曲溝の間のボール転動を起こす。つまり、このシャフト貫通孔16は、既述したボールネジ溝12とボール案内湾曲溝14R、14Lとでボールの循環経路を形成し、ボールネジ溝12の一方のネジ端部12aの側から他方のネジ端部12aの側へのボールリターン経路となる。本実施例では、ボール案内湾曲溝14R、14Lがシャフト半周に亘って形成され、ボールネジ溝12のネジ端部12a、12bの位置が180°ずれていることから、シャフト貫通孔16は、ボールネジシャフト10をその軸心と交差するよう、斜めに貫通形成されている。
ここで、ボールの循環経路を形成するボールネジ溝12とボール案内湾曲溝14R、14Lとシャフト貫通孔16の関係について説明する。図3はボール案内湾曲溝14R、14Lの形成の様子とボールBの転動の様子を示す説明図である。なお、図にはボール案内湾曲溝14Lについての様子を示す。
図示するように、ボール案内湾曲溝14Lは、上記した湾曲軌道15の開始点、即ちネジ端部12b箇所から、ボールネジ溝12より深溝とされている。よって、ボールネジ溝12からボール案内湾曲溝14Lに転動してきたボールは、ボール案内湾曲溝14Lに落ち込んで当該溝に陥没した状態で、湾曲軌道15に沿って案内され、シャフト貫通孔16に入り込み、シャフト貫通孔16を転動して通過する。
既述したボールネジ溝12とボール案内湾曲溝14R、14Lは、ボールエンドミル等を用いた切削加工により容易に形成され、シャフト貫通孔16は、長尺ドリルを用いた深穴加工で容易に形成される。
上記した構成のボールネジシャフト10のボール循環の様子は、次のようになる。ボールネジ溝12をそのネジ軌道12cに沿って転動してきたボールBは、ネジ端部12bからは、深溝のボール案内湾曲溝14Lに陥没した状態で、ボール案内湾曲溝14Lで案内され、その湾曲軌道15に沿って転動する。この陥没により、ボールBは、ボールネジ溝12のネジ軌道12cおよびボールナット18のボールネジ溝から遠ざかってこれら軌道から外れると共に、ボールネジシャフト10の螺合対象部材であるボールナット18のネジ溝と干渉しないので、このボールナット18の駆動に支障を起こさない。
ボールBは、ボール案内湾曲溝14Lの湾曲軌道15に沿って案内されて、シャフト貫通孔16を転動して通過するので、反対側のボール案内湾曲溝14Rでは、同じくボール案内湾曲溝14Rの湾曲軌道15に沿って案内され、ボールネジ溝12に達する。これにより、ボールの循環が起こるので、ボールネジとして機能する。
本実施例では、ボールネジ溝12を転動してきたボールBをシャフト貫通孔16に導くに当たり、ボール案内湾曲溝14R、14Lをボールネジ溝12とシャフト貫通孔16のボール経路とし、両案内湾曲溝を、ボールネジシャフト10の外周において、ボールネジ溝12と連続した弧状の軌道でボールネジシャフト10の内側に沈み込みながら一旦シャフト端部側(詳しくは、ボールネジ溝12のネジ端部から離れる側)に延び、その後、弧状の軌道でボールネジ溝12のネジ端部の側に折り返すようにした。よって、ボール案内湾曲溝14R、14Lの軌道長さを十分確保できるので、ボール案内湾曲溝14R、14Lの上記した折り返しの湾曲軌道15をボールネジ溝12に弧状に連続した湾曲形状とできる。しかも、シャフト貫通孔16を、ボールネジシャフト10をその軸心と交差するよう斜めに貫通させたことから、ボールネジ溝12とボール案内湾曲溝14R、14Lの連結箇所であるネジ端部12a、12bと、ボール案内湾曲溝14R、14Lの他端、即ちシャフト貫通孔16の開口箇所とを、シャフト周回りで離すことができる。このため、深溝のボール案内湾曲溝14R、14Lをより緩やかに湾曲した形状とできるので、ボール循環の円滑化を図ることができる。
こうしたボール循環を起こすに当たり、ボールネジ溝12の両端でのボールの転動案内を、ボールネジ溝12に弧状に連続して湾曲弧状に形成されたボール案内湾曲溝14R、14L自体で行うことができる。よって、ボールネジシャフト側で循環経路を形成しても、ボール案内用の特別な部材を要しないので、小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を図ることができる。このため、本実施例のボールネジシャフト10は、工作機械等の種々の送り機構はもとより、特に小型化が求められる部位での用途が拡大する。例えば、高圧タンクの口金内部で減圧システムを構成するインタンクバルブシステムの場合、このバルブの機器駆動に、タンク口金を通過するような駆動機構、本願のような小型のボールネジ機構を使うことができる。こうすれば、インタンクバルブシステムの高圧タンク、例えば、燃料電池システムへの水素ガスの供給源として、水素ガスを貯留する高圧タンクに適用できる。
上記したボールネジシャフト10は、次のように変形することができる。図4は変形例のボールネジシャフト10を図1Aと同様に示す説明図、図5は変形例のボールネジシャフト10を図1Bと同様に示す説明図である。
図示するように、この変形例では、ボールネジシャフト10は、この場合、シャフト外周に2筋のボールネジ溝12を形成して備え、この2筋のボールネジ溝それぞれについて、既述したボール案内湾曲溝14R、14Lとシャフト貫通孔16を有する。この変形例では、2筋のボールネジ溝12は、一方のボールネジ溝12のリードの半分の位置に他方のボールネジ溝12が位置するようにされており、ボールネジ溝形成周回は、2個のシャフト貫通孔16を貫通形成する場合に干渉しないよう、定められている。即ち、一方のボールネジ溝12はボール案内湾曲溝14R或いはボール案内湾曲溝14Lと一つのシャフト貫通孔16により他方のボールネジ溝12と連結され、この他方のボールネジ溝12も同様に一方のボールネジ溝12と連結されることで、一つのボール循環経路を形成するようにされている。この変形例によれば、ボールネジシャフト10の側に循環経路を有するボールネジ機構を2条ねじとできるので、上記した利点に加え、ネジ送りの精密化、トルク低減等の利点がある。なお、2条ネジを例に取り説明したが、2条より条数の多い場合にも構成可能である。また、循環管路も必ずしも同一のボールネジ溝に戻す必要はない。
以下、他の実施例について順次説明する。図6は第2実施例のボールネジシャフト20を示す説明図、図7はボールネジシャフト20を構成する第1シャフト24を断面視してボールネジシャフト20を示す説明図である。
本実施例のボールネジシャフト20は、ボールネジ溝22をシャフト外周に備える第1シャフト24と、その貫通孔25に挿入されて第1シャフト24と一体となる第2シャフト26とを備える。なお、両シャフトの一体化には、図示しないネジ等によりシャフト同士を固定し、位置ズレが起きないようにされている。
第1シャフト24は、ボールネジ溝22両端に当たるシャフト外周のネジ端部22a、22bから貫通孔25にかけてボールを案内するためのボール案内湾曲孔28R、28Lを有する。このボール案内湾曲孔28R、28Lは、第1シャフト24の周壁に形成されている。そして、ボール案内湾曲孔28R、28Lは、ボールネジ溝22のネジ端部22a、22bから当該ネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてシャフト外周から貫通孔25に達するまで形成された湾曲軌道を備え、この湾曲軌道で、ボールをボールネジ溝22のネジ端部22a、22bから貫通孔25の側の開口29R、29Lまで案内する。
第2シャフト26は、その外周にシャフト間ネジ溝30を有する。このシャフト間ネジ溝30は、ボールネジ溝22両端のボール案内湾曲孔28R、28Lを貫通孔25内周における孔端部の開口29R、29Lを連結するネジ溝の軌道を備え、図7に示すように、ボールBがネジ溝内で陥没した状態で、ボール転動を起こす。つまり、一方のボール案内湾曲孔28R、28Lからシャフト間ネジ溝30に達したボールBは、貫通孔25の周壁で囲まれたシャフト間ネジ溝30の溝内を転動して、他方のボール案内湾曲孔28R、28Lに至り、当該案内湾曲孔に案内されて循環する。
上記した構成のボールネジシャフト20のボール循環の様子は、次のようになる。ボールネジ溝22を転動してきたボールBは、ネジ端部22aからはボール案内湾曲孔28Lにより第1シャフト24の外周から貫通孔25に案内される。これにより、ボールBは、ボールネジ溝22の軌道から外れると共に、ボールネジシャフト20の図示しない螺合対象部材(例えば、ボールナット)のネジ溝と干渉しないので、この螺合対象部材の駆動に支障を起こさない。
ボールBは、ボール案内湾曲孔28Lの湾曲した孔軌道に沿って案内されて貫通孔25における開口29Lから第2シャフト26外周のシャフト間ネジ溝30に達し、このネジ溝を転動して通過する。そして、反対側では、ボールBは、シャフト間ネジ溝30から開口29Rを経てボール案内湾曲孔28Rに沿って案内され、ボールネジ溝22に達する。これにより、ボールの循環が起こるので、ボールネジとして機能する。
本実施例では、ボールネジ溝22を転動してきたボールBをシャフト間ネジ溝30に導くに当たり、ボール案内湾曲孔28R、28Lをボールネジ溝22とシャフト間ネジ溝30のボール経路とし、両案内湾曲孔を、その形成箇所を第1シャフト24のシャフト外周から貫通孔25内壁までとすることで湾曲孔の軌道長さを確保する。よって、ボール案内湾曲孔28R、28Lの湾曲した孔軌道をボールネジ溝22に弧状に連続した湾曲形状とできるので、ボール循環の円滑化を図ることができる。
こうしたボール循環を起こすに当たり、ボールネジ溝22の両端でのボールの転動案内を、ボールネジ溝22に弧状に連続して湾曲弧状に形成されたボール案内湾曲孔28R、28L自体で行うことができる。よって、ボールネジシャフト側で循環経路を形成しても、ボール案内用の特別な部材を要しないので、小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を図ることができる。
しかも、ボール案内湾曲孔28R、28L間のボール経路は、シャフト間ネジ溝30であることから、ボール転動に際して十分な軌道の長さを確保しつつ、ネジ溝に沿って円滑にボールの転動・循環を図ることができる。こうしたシャフト間ネジ溝30は、第2シャフト26の径が細くても形成可能であることから、この第2シャフト26はもとより第1シャフト24、延いては、ボールネジ機構全体を小型化できる。
上記したボールネジシャフト20は、次のように変形することができる。図8は変形例のボールネジシャフト20を示す説明図である。図示するように、この変形例では、シャフト間ネジ溝30を、第2シャフト26のシャフト外周面に形成した半球状のネジ溝と、第1シャフト24の貫通孔25内周面に形成した半球状のネジ溝31とで形成して備える。こうしても、上記した効果を奏することができる。なお、図6に示すように、ボール案内湾曲孔28R、28Lは、湾曲形状がボールの円滑な転動(移動)の上ではより好ましいが、第1シャフト24の外周から内周まで直線的な軌道で延びたボール案内孔とすることもできる。こうすれば、孔形成が容易となる。
また、次のように変形することもできる。図9はまた別の変形例のボールネジシャフト20を示す説明図である。既述したボールネジシャフト20では、ボール循環をネジ溝であるシャフト間ネジ溝30で行うようにしたが、必ずしもネジ溝とする必要はなく、図9の変形例に示すように構成することもできる。つまり、ボールは、シャフト外周のボールネジ溝22から第1シャフト24のボール案内湾曲孔28R、28L或いは直線軌道のボール案内孔にスムーズに移行し、その後に第1シャフト24と第2シャフト26の間の溝を通って反対側に戻ればよいことから、図9の変形例は、第1シャフト24にその外周のネジ端部22aから直線軌道でシャフト内壁まで延びたボール案内孔28Aを備える。そして、第2シャフト26の外周には、このボール案内孔28Aからスムーズにボールが移行できるよう湾曲した曲線溝30Aを両端に備え、その間を第2シャフト26のシャフト外周でほぼ直線状に延びるシャフト間直線状溝30Bでスムーズに繋ぐ。この場合、曲線溝30Aの部分が上記のシャフト間ネジ溝30の端部側ネジ溝に相当する。曲線溝30Aとシャフト間直線状溝30Bの繋ぎ箇所にあっても、ボールがスムーズに移行できるよう、連続して形成されている。こうした変形例にあっても、上記実施例のボールネジシャフト20と同一の効果を奏することができる。
図10は第3実施例のボールネジシャフト40を側面と端面を示して説明する説明図、図11はボールネジシャフト40を構成するパーツを断面で分解して示す説明図である。
本実施例のボールネジシャフト40は、ボールネジ溝42を外周に有するネジ溝シャフト部44と、その両端に接合して位置するネジ溝端部シャフト46R、46Lとを有する。ボールネジ溝42は、ネジ端部42a、42bがネジ溝シャフト部44のシャフト外周端部にくるように、ネジ溝シャフト部44のシャフト外周回りに形成されている。
ネジ溝シャフト部44は、シャフト外周のボールネジ溝42の他、軸心でシャフトを貫通する貫通孔47と、シャフト両端で貫通孔開口を取り囲むように凸状に湾曲隆起した環状隆起部48とを有する。貫通孔47は、ネジ溝端部シャフト46R、46Lが有する後述のボール案内湾曲孔50R、50LからのボールBの転動経路、つまりは一方のボール案内湾曲孔50Rの側から他方のボール案内湾曲孔50Lの側へのボールリターン経路を形成する。
環状隆起部48は、ネジ溝端部シャフト46R、46Lの嵌合対象となる共に、ネジ溝端部シャフト46R、46Lが有する後述のボール案内湾曲孔50R、50Lの孔周壁の一部を形成し、当該案内湾曲孔と協働して、ボールBを貫通孔47に導く。
ネジ溝端部シャフト46R、46Lは、ネジ溝シャフト部44の環状隆起部48が入り込む嵌合凹所51を有するほか、ボール案内湾曲孔50R、50Lを有する。このボール案内湾曲孔50R、50Lは、ボールネジ溝42両端に当たるシャフト外周のネジ端部42a、42bから当該ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてネジ溝端部シャフト46R、46Lの内部に湾曲状の軌道52で形成されている。ボール案内湾曲孔50R、50Lは、ボールネジ溝42のネジ端部42a、42bまで転動してきたボールBが当該端部からボール案内湾曲孔に入り込むよう、形成され、その軌道52は、ボールBをナットのボールネジから遠ざけつつネジ溝シャフト部44の側から遠ざかるように案内した後に、ネジ溝シャフト部44の側に向かうよう折り返して案内する湾曲した軌道とされている。そして、ボール案内湾曲孔50R、50Lの軌道52でネジ溝シャフト部44の側から一旦遠ざかりその後にネジ溝シャフト部44の側に案内されたボールBは、貫通孔47に達し、ボール案内湾曲孔50R、50Lの間でのボール転動を起こす。よって、ボールBは、この貫通孔47を通過して、他方のボール案内湾曲孔に至り、当該案内湾曲孔に案内されて循環する。
上記した構成のボールネジシャフト40のボール循環の様子は、次のようになる。ボールネジ溝42をそのネジ端部42aまで転動してきたボールBは、ネジ溝端部シャフト46Lの内部に形成された折り返しのボール案内湾曲孔50Lに入り込んで軌道52に沿って、ネジ溝シャフト部44の外周から貫通孔47に案内される。このようにボールBがボール案内湾曲孔50Lに入り込むことで、ボールBはボールネジ溝42の軌道から外れると共に、ボールネジシャフト40の図示しない螺合対象部材(例えば、ボールナット)のネジ溝と干渉しないので、この螺合対象部材の駆動に支障を起こさない。
ボールBは、ボール案内湾曲孔50Lの湾曲した孔形状の軌道52に沿って案内されてネジ溝シャフト部44の貫通孔47に達してこれを通過し、反対側では、ボール案内湾曲孔50Rに沿って案内され、ボールネジ溝42に達する。これにより、ボールの循環が起こるので、ボールネジとして機能する。
本実施例では、ボールネジ溝42を転動してきたボールBを貫通孔47に導くに当たり、ボール案内湾曲孔50R、50Lをボールネジ溝42と貫通孔47との間のボール経路とし、両案内湾曲孔の軌道52を、ボールネジ溝42を転動するボールBがネジ溝シャフト部44の側から遠ざかるように案内された後にネジ溝シャフト部44の側に向かうような折り返しの湾曲軌道とした。よって、ボール案内湾曲孔50R、50Lの軌道の長さを確保できることから、ボール案内湾曲孔50R、50Lの湾曲した孔軌道をボールネジ溝42に弧状に連続した湾曲形状とできるので、ボール循環の円滑化を図ることができる。
こうしたボール循環を起こすに当たり、ボールネジ溝42の両端でのボールの転動案内を、ボールネジ溝42に弧状に連続して湾曲弧状に形成されたボール案内湾曲孔50R、50L自体で行うことができる。よって、ボールネジシャフト側で循環経路を形成しても、ボール案内用の特別な部材を要しないので、小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を図ることができる。
また、本実施例では、ボール案内湾曲孔50R、50Lの開始点と終点を、ネジ溝シャフト部44外周のネジ端部42a、42bと、貫通孔47との接続箇所、即ちシャフト軸心とし、ボール案内湾曲孔50R、50Lを、ネジ端部42a、42bから上記したように折り返し軌道を取りつつシャフト軸心の貫通孔47に、ネジ軸から見て湾曲して回り込むようにした。よって、この回り込みの分だけ、ボール案内湾曲孔50R、50Lの軌道長さを確実に確保でき、好ましい。なお、貫通孔47をネジ溝シャフト部44を斜めに貫通するものとし、ボール案内湾曲孔50R、50Lを当該貫通孔に繋ぐように形成することもできる。
図12は第4実施例のボールネジシャフト60を側面と図中のX−X線に沿った端面を示して説明する説明図、図13はボールネジシャフト60を構成するネジ溝シャフト部64を示す説明図である。
本実施例のボールネジシャフト60は、ボールネジ溝62を外周に有するネジ溝シャフト部64と、その一端に固定される蓋体66とを有する。ボールネジ溝62は、ネジ端部62a、62bがネジ溝シャフト部64のシャフト外周の同じ側にくるように、ネジ溝シャフト部64のシャフト外周回りに形成されている。
ネジ溝シャフト部64は、ボールネジ溝62の形成範囲に亘って軸方向に形成された有底の軸孔68を備え、シャフト外周には、ボールネジ溝62の他、後述のボール案内管体70の端部が挿入される挿入孔69a、69bを有する。この挿入孔69a、69bは、ボール案内管体70がその内部および両端湾曲部を図示しないボールの経路とする都合上、このボール案内管体70が入り込むよう形成されており、シャフト外周から軸孔68に至るまで形成されている。
ボール案内管体70は、図示するように、挿入孔69a、69bに挿入セットされる管路部を含む湾曲状の挿入管路部71R、71Lと、両管路部を結ぶ直線管路部72とを有する。この挿入管路部71R、71Lは、ボールネジ溝62両端に当たるシャフト外周のネジ端部62a、62bから当該ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてシャフト外周から軸孔68の内部に至り、ボールネジ溝62のネジ端部62a、62bまで転動してきたボールが当該端部、即ち管体端部から入り込むようにされている。挿入管路部71R、71Lは、こうして管体端部から入り込んだボールをナットのボールネジ溝から遠ざけつつネジ端部62a、62bの側からも遠ざかるように案内した後に、軸孔68の内部において、ボールをその反対側に、挿入管路部71Lにあっては軸孔68の有底側に、挿入管路部71Rにあっては軸孔68の開口側に向かうよう折り返して案内する湾曲した軌道とされている。そして、ボール案内管体70の挿入管路部71R、71Lの軌道でネジ端部62a、62bの側から一旦遠ざかりその後に折り返して案内されたボールは、ボール案内管体70の直線管路部72に達し、挿入管路部71R、71L間でのボール転動を起こす。よって、ボールは、この直線管路部72を通過して、他方の挿入管路部に至り、当該挿入管路部に案内されて循環する。
ここで、上記したボール案内管体70の組み付け・固定について説明する。ボール案内管体70は、ネジ溝シャフト部64におけるネジ端部62a、62bの形成位置に合わせて、管体をベンダー加工して形成され、その際には、挿入管路部71R、71Lの上記した軌道での曲げ加工が施させる。そして、曲げ加工済みのボール案内管体70をネジ溝シャフト部64の軸孔68に挿入し、挿入管路部71R、71Lを、挿入孔69a、69bの軸孔68側の開口に管体先端から差し込む。そして、このボール案内管体70の位置決めとして、軸孔68に半円形断面の背当シャフト74を差し込み、軸孔68の開口に蓋体66を嵌合固定する。こうすることで、ボールネジシャフト60が完成する。こうして完成したボールネジシャフト60において、ボール案内管体70の両端外郭は、図示するようにネジ溝シャフト部64の外周形状に倣うようにされる。また、ボール案内管体70は、その開口端部がネジ端部62a、62bにおいてボールネジ溝62と連続するようにされる。
上記した本実施例のボールネジシャフト60では、ボールネジ溝62をそのネジ端部62aまで転動してきたボールは、軸孔68に位置するボール案内管体70の挿入管路部71Lにその管体先端から内部に入り込み、上記した折り返し軌道の挿入管路部71Lに案内されて直線管路部72に達する。このようにボールがボール案内管体70の挿入管路部71Lに入り込むことで、ボールはボールネジ溝62の軌道から外れると共に、ボールネジシャフト60の図示しない螺合対象部材(例えば、ボールナット)のネジ溝と干渉しないので、この螺合対象部材の駆動に支障を起こさない。
ボールは、直線管路部72を通過し、反対側では、挿入管路部71Rに沿って案内され、ボールネジ溝62に達する。これにより、ボールの循環が起こるので、ボールネジとして機能する。
本実施例では、ボールネジ溝62を転動してきたボールを直線管路部72に導くに当たり、挿入管路部71R、71Lをボールネジ溝62と直線管路部72との間のボール経路とし、両挿入管路部の軌道を、ボールネジ溝62を転動するボールがネジ端部62a、62bの側から遠ざかるように案内した後に、軸孔68の内部において、それまでと反対側に向かうような折り返しの湾曲軌道とした。よって、ボールネジ溝62からのボールを案内する挿入管路部71R、71Lの軌道の長さを確保できることから、挿入管路部71R、71Lの湾曲した孔軌道をボールネジ溝62に弧状に連続した湾曲形状とできるので、ボール循環の円滑化を図ることができる。
こうしたボール循環を起こすに当たり、ボールネジ溝62の両端でのボールの転動案内を、ボールネジ溝62に弧状に連続して湾曲弧状に形成された挿入管路部71R、71L自体で行うことができる。よって、ボールネジシャフト側で循環経路を形成しても、ボール案内用の特別な部材を要しないので、小型化とボールの循環経路関連の構成の簡略化を図ることができる。
また、本実施例では、直線管路部72の両側の挿入管路部71R、71Lを、管体の曲げ加工を経て直線管路部72と一体としたので、ボール案内の管路の連続性が確保され、円滑なボール転動を図る上で好ましい。しかも、取り扱いも簡便となる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
第1実施例のボールネジシャフト10を示す説明図である。 図1Aのボールネジシャフト10を横方向から見て示す説明図である。 ボールネジシャフト10とボールナット18との関係を示す説明図である。 ボール案内湾曲溝14Lの形成の様子とボールBの転動の様子を示す説明図である。 変形例のボールネジシャフト10を図1Aと同様に示す説明図である。 変形例のボールネジシャフト10を図1Bと同様に示す説明図である。 第2実施例のボールネジシャフト20を示す説明図である。 ボールネジシャフト20を構成する第1シャフト24を断面視してボールネジシャフト20を示す説明図である。 変形例のボールネジシャフト20を示す説明図である。 また別の変形例のボールネジシャフト20を示す説明図である。 第3実施例のボールネジシャフト40を側面と端面を示して説明する説明図である。 ボールネジシャフト40を構成するパーツを断面で分解して示す説明図である。 第4実施例のボールネジシャフト60を側面と図中のX−X線に沿った端面を示して説明する説明図である。 ボールネジシャフト60を構成するネジ溝シャフト部64を示す説明図である。
符号の説明
10...ボールネジシャフト
12...ボールネジ溝
12a...ネジ端部
12b...ネジ端部
12c...ネジ軌道
14L...ボール案内湾曲溝
14R...ボール案内湾曲溝
15...湾曲軌道
16...シャフト貫通孔
18...ボールナット
20...ボールネジシャフト
22...ボールネジ溝
22a、22b...ネジ端部
24...第1シャフト
25...貫通孔
26...第2シャフト
28L...ボール案内湾曲孔
28R...ボール案内湾曲孔
28A...ボール案内孔
29L...開口
29R...開口
30...シャフト間ネジ溝
30A...曲線溝
30B...シャフト間直線状溝
31...ネジ溝
40...ボールネジシャフト
42...ボールネジ溝
42a、42b...ネジ端部
44...ネジ溝シャフト部
46L...ネジ溝端部シャフト
46R...ネジ溝端部シャフト
47...貫通孔
48...環状隆起部
50L...ボール案内湾曲孔
50R...ボール案内湾曲孔
51...嵌合凹所
52...軌道
60...ボールネジシャフト
62...ボールネジ溝
62a...ネジ端部
64...ネジ溝シャフト部
66...蓋体
68...軸孔
68a、68b...開口
69a、69b...挿入孔
70...ボール案内管体
71L...挿入管路部
71R...挿入管路部
72...直線管路部
74...背当シャフト
B...ボール

Claims (8)

  1. ボールが転動しつつ循環する循環経路をボールネジシャフトに備えるボールネジ機構であって、
    前記ボールネジシャフトは、
    前記循環経路の一部を形成するようシャフト外周に螺旋状に螺刻され、ボール転動を起こすボールネジ溝と、
    前記循環経路の一部を形成すると共に、前記ボールネジ溝の一方のネジ溝端部の側から他方のネジ溝端部の側へのボールリターン経路となるよう前記ボールネジシャフトの内部に形成されたシャフト内径路と、
    前記循環経路の一部を形成すると共に、前記ボールネジ溝のネジ端部から前記シャフト内径路までのボール経路となるネジ端部経路とを備え、
    該ネジ端部経路は、
    前記ボールネジ溝を転動してきたボールが螺合対象部材側のボールネジ溝の軌道から外れるよう前記ボールネジシャフトの内側に沈み込みながら、前記ボールネジ溝に弧状に連続して湾曲弧状に形成されている
    ボールネジ機構。
  2. 請求項1記載のボールネジ機構であって、
    前記ボールネジシャフトは、
    前記ボールネジ溝を外周に有するネジ溝シャフト部と、
    前記ネジ端部経路を有し、前記ネジ溝シャフト部の両端に位置するネジ溝端部シャフト部とを備え、
    前記ネジ端部シャフトが有する前記ネジ端部経路は、
    前記ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路として前記ネジ溝端部シャフト部の外周に湾曲軌道の溝形状で形成され、前記ボールネジ溝を転動するボールを前記ネジ溝シャフト部側に向かうよう案内する軌道のボール案内湾曲溝とされ、
    前記シャフト内径路は、
    前記両端のネジ溝端部シャフト部における前記ボール案内湾曲溝を溝端部同士で連結するよう前記ネジ溝シャフト部を貫通して形成され、前記ボール案内湾曲溝の間のボール転動を起こすシャフト貫通孔とされ、
    前記ボール案内湾曲溝は、前記ボールネジ溝から転動してきたボールが前記螺合対象部材側のボールネジ溝から遠ざかるよう陥没した深溝として前記シャフト外周に形成され、
    前記シャフト貫通孔は、前記ネジ溝シャフト部を斜めに貫通して形成されている
    ボールネジ機構。
  3. 請求項2記載のボールネジ機構であって、
    前記ネジ溝シャフト部は、複数筋の前記ボールネジ溝をシャフト外周に備え、
    前記両端のネジ溝端部シャフト部は、前記複数筋のボールネジ溝それぞれについて前記ボール案内湾曲溝をシャフト外周に備え、
    前記シャフト貫通孔は、前記複数筋のボールネジ溝のいずれかの前記ボール案内湾曲溝を溝端部で連結するよう前記ネジ溝シャフト部を斜めに貫通して形成されている
    ボールネジ機構。
  4. 請求項1記載のボールネジ機構であって、
    前記ボールネジシャフトは、
    前記ボールネジ溝をシャフト外周に備え、軸方向に貫通する貫通孔と前記ネジ端部経路を有する第1シャフトと、
    該貫通孔に挿入され前記第1シャフトと一体となる第2シャフトとを備え、
    前記第1シャフトが有する前記ネジ端部経路は、
    前記ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてシャフト外周から前記貫通孔に達するまでの湾曲軌道の孔状に形成され、前記ボールネジ溝を転動するボールを前記貫通孔側に案内する軌道のボール案内湾曲孔とされ、
    前記シャフト内径路は、
    前記第1シャフトの前記貫通孔内周と前記第2シャフトの外周との間に、前記両端のボール案内湾曲孔を前記貫通孔内周における孔端部同士で連結する軌道を有するよう形成され、前記ボール案内湾曲孔の間のボール転動を起こすシャフト間のボール案内溝とされている
    ボールネジ機構。
  5. 請求項4記載のボールネジ機構であって、
    前記シャフト内径路の軌道は、
    前記第1シャフトの前記貫通孔内周と前記第2シャフトの外周との間に、前記両端のボール案内湾曲孔を前記貫通孔内周における孔端部同士で連結する直線溝またはネジ溝の軌道とされている
    ボールネジ機構。
  6. 請求項1記載のボールネジ機構であって、
    前記ボールネジシャフトは、
    前記ボールネジ溝を外周に有するネジ溝シャフト部と、
    前記ネジ端部経路を有し、前記ネジ溝シャフト部の両端に位置するネジ溝端部シャフト部とを備え、
    前記ネジ端部シャフトが有する前記ネジ端部経路は、
    前記ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路として前記ネジ溝端部シャフト部の内部に形成された湾曲状の軌道のボール案内湾曲孔とされ、
    前記ボール案内湾曲孔の軌道は、
    前記ボールネジ溝を転動するボールを前記螺合対象部材側のボールネジ溝から遠ざかるように案内した後に、前記ネジ溝シャフト部側に向かうよう折り返して案内する湾曲軌道とされ、
    前記シャフト内径路は、前記ネジ溝シャフト部を貫通して前記ボール案内湾曲孔を繋ぐように形成されている
    ボールネジ機構。
  7. 請求項1記載のボールネジ機構であって、
    前記ボールネジシャフトは、
    前記ボールネジ溝の形成範囲に亘って軸方向に形成された軸孔を備え、
    前記ネジ端部経路は、
    前記ボールネジ溝に弧状に連続した湾曲状の経路としてシャフト外周から前記軸孔の内部に達するまでの湾曲軌道の孔状に形成され、前記ボールネジ溝を転動するボールを前記軸孔側に案内する軌道のボール案内湾曲孔とされ、
    前記シャフト内径路は、
    前記軸孔に挿入された管体で形成され、
    前記ボール案内湾曲孔の軌道は、
    前記ボールネジ溝を転動するボールを前記ボールネジシャフトの内部において前記螺合対象部材側のボールネジ溝から遠ざかるように案内した後に、前記ボールネジ溝シャフト部側に向かうよう折り返して案内し、前記管体のシャフト内径路端部に至る湾曲軌道とされている
    ボールネジ機構。
  8. 請求項7記載のボールネジ機構であって、
    前記ネジ端部経路は、前記シャフト内径路と一体となって管体から形成されている
    ボールネジ機構。
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