JP2005201292A - 締め付けバンドおよび締め付けバンドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有するものとすること。
【解決手段】 この締め付けバンド2Aは、環状部分21とバンド本体突出部22を有するバンド本体部20と、バンド本体突出部22に溶接されるテコ板23と、バンド本体部20に固定され、2つの突出片24a,24bを折り曲げることでテコ板23を固定するテコ板固定部材24とを有している。そして、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24のそれぞれの板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様25を帯状に形成する。なお、締め付けバンドとしては、テコ板23とテコ板固定部材24を有しない締め付けバンドとしても良い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば、自動車の回転軸のジョイント部分を保護するためのカバーを、そのジョイント部分に固定する際に用いられる締め付けバンドおよび締め付けバンドの製造方法に関する。
自動車の回転軸のジョイント部分を保護するためのカバーは、一般にブーツとよばれており、たとえば、ディファレンシャルギヤの回転力を車輪に伝達する駆動軸のジョイント部分(ディファレンシャルギヤ側の回転軸と車輪取り付け側の回転軸とのジョイント部分)や、ハンドルの回転力を車輪操舵軸に伝達するためのジョイント部分など、多数の箇所に用いられている。1台の自動車におけるブーツの取り付け箇所は、30数箇所にも達する。
このブーツの一般的な外観形状は、その側面が図9に示すような蛇腹状をなし、その断面は円形で内部が空洞となっている。そして、このブーツ1は、その大径側端部の外周面1aと小径側端部の外周面1bに、この図9では図示しないブーツ固定用の締め付けバンド(以下では、ブーツ固定バンドという。)が環装され、このブーツ固定バンドを締め付けることによって、回転軸などに固定される。
このブーツ1は、回転軸とともに回転するものであり、特に、車軸部分に用いられるものは、車軸とともに高速回転するので、車軸に対して確実に固定されることが必要となっている。
このため、ブーツ固定バンドは、取り付け作業が簡単であることは勿論のこと、強固な締め付けを可能とする締め付け性能や、過酷な使用条件下で長期間の使用に耐え得る耐久性などに高い信頼性が要求される。このような高い信頼性の要求に対し、種々の改良が施され、実用化されてきている。
その一例として、たとえば、特許文献1(特開平10−26107号公報)に示されたブーツ固定バンド(以下、従来のブーツ固定バンドという。)がある。図10は、この従来のブーツ固定バンドを示すものである。このブーツ固定バンド2は、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分21が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が合掌するが如く所定長さだけ重ね合わせられることでバンド本体突出部22が形成されるバンド本体部20と、このバンド本体部20のバンド本体突出部22に固定され、図9で示したブーツ1を締め付ける際に、テコの原理による締め付け力を与える弧状のテコ板23と、このテコ板23をバンド本体部20に重ね合わせた状態としたときにテコ板23の先端部23aを2つの突片部24a、24bによって固定するテコ板固定部材24とからなる。
バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24は、それぞれステンレス材でなり、その板厚はバンド本体部20とテコ板固定部材24が0.3mm〜0.8mm、テコ板23はその約2倍の厚みを有している。
なお、テコ板23は、その先端部23aがバンド本体突出部22の先端部22aよりも外方に突出し、その後端部23bが、バンド本体部20における環状部分21の外周面21aに当接するように、バンド本体突出部22の先端部22a付近(点線の円で示す部分であり、以下、これを溶接部分22cという。)に、電気抵抗を用いたスポット溶接によって固定される。
このとき、テコ板23のバンド本体突出部22に対する固定位置関係は、テコ板23の弧状外周部の長手方向における中央部付近にバンド本体突出部22の溶接部分22cが位置し、かつ、テコ板23の後端部23bがバンド本体部20における環状部分21の外周面21aに当接するような位置に設定される。
そして、このように位置決めされたのち、テコ板23は、バンド本体突出部22にスポット溶接される。このスポット溶接された溶接部分22cは、バンド本体突出部22を構成する2枚の板(帯状の細長い金属板材の両端部分が合掌するが如く重ね合わせられた2枚の板)とテコ板23の合計3枚の板が張り合わされた状態となる。
このように、テコ板23とバンド本体突出部22が溶接部分22cで固定されることによって、テコ板23の先端部23aは、その先端部23aがバンド本体突出部22の先端部22aよりもさらに外方に突出し、その後端部23bはバンド本体部20における環状部分21の外周面21aに当接する位置となる。また、このとき、テコ板23の後端部23bとバンド本体突出部22の根元22bとの間隔は最適な間隔に設定される必要がある。
このような構成のブーツ固定バンド2は、テコ板23の後端部23bを支点にして、バンド本体部20における環状部分21の外周面21aにテコ板23の板面(弧の内周面)が接するまで、矢印Y1方向にテコ板23を倒すことで、当該バンド本体部20の環状部分21の径が小さくなるように変形し、それによって、ブーツ1に対して締め付け力を与える。
なお、このブーツ固定バンド2は、ブーツ1の両端側に1個ずつ設けられる。すなわち、ブーツ1の大径側端部の外周面1a用と小径側端部の外周面1b用のブーツ固定バンド2がそれぞれ用意される。それぞれのブーツ固定バンド2は、バンド本体部20の環状部分21の径などの寸法が異なるだけで、全体的な形状やその構成部品などは同じであるので、以下では、両者を区別して説明する必要のある場合を除き、同じものとして説明する。
一方、テコ板固定部材24もバンド本体部20にスポット溶接などによって固定される。このテコ板固定部材24は、テコ板23が矢印Y1方向に倒され、バンド本体部20における環状部分21の外周面21aに沿う状態となったところで、テコ板固定部材24の2つの突片部24a,24bをそれぞれ内側に折り曲げて、テコ板23をバンド本体部20の環状部分21に固定させるものである。
このような構成のブーツ固定バンド2をブーツ1の締め付けに用いる際は、まず、上述したブーツ固定バンド2のテコ板23を起こした状態(テコ板23とバンド本体部20の環状部分21とのなす角度が90度に近い状態)とする。なお、このように起こした状態とせず、テコ板23がバンド本体部20から直線状に延びている状態のままとしても良い。その後、バンド本体部20の環状部分21を、図9で示すブーツ1の大径側端部の外周面1aと小径側端部の外周面1bにそれぞれ環装するが、ここでは、ブーツ1の大径側端部を締め付ける場合を例にとって説明する。
今、ブーツ固定バンド2におけるバンド本体部20の環状部分21がブーツ1の大径側端部の外周面1aに環装された状態となっているものとし、その状態でのブーツ固定バンド2の動作について、図11の(A)(B)を参照しながら説明する。なお、図11の(A)(B)は、ブーツ固定バンド2の一部であって、締め付け動作を説明するに必要な部分のみを取り出して示すものであり、ブーツ1の図示も省略されている。
図11の(A)において、テコ板23をその後端部23bを支点として、その先端23aを矢印Y1方向に倒して行く。なお、この後端部23bは、バンド本体部20における環状部分21の外周面21aに当接した状態となっている。
これによって、テコ板23の後端部23bは、バンド本体部20の環状部分21に対して、押圧力を与えた状態で矢印Y2方向に移動する。このとき、バンド本体突出部22は、テコ板23の矢印Y1方向への折り曲げに伴ってテコ板23の先端部23a方向への引っ張り力が加わり、さらに、テコ板23の後端部23bによる環状部分21の外周面21aに対する押圧力によって、環状部分21とバンド本体突出部22は、図11の(B)のように変形して行く。これによって、バンド本体部20は、その環状部分21の径が小さくなり、ブーツ1の大径側端部の外周面1a全体に締め付け力を与える。
このようなテコ板23の締め付け動作は、テコ板23の先端部23aがバンド本体部20における環状部分21の外周面21aに当接するまで行われる。テコ板23の先端部23a付近が環状部分21の外周面21aに当接した状態となったら、テコ板固定部材24の突片部24a,24b(図10参照)をそれぞれ内側に折り曲げてテコ板23を抱え込む状態とする。この結果、テコ板23は、バンド本体部20の環状部分21に沿うように固定される。
このような従来から用いられているブーツ固定バンド2は、締め付け作業が容易で、確実な締め付け状態が得られ、かつ、締め付け後の最終的な状態において、出っ張りが少ない形状となるので、特に車軸などの高速回転部分に用いられるに適したものとなる。また、特許文献2(特開平11−218282号公報)に示される、テコ板部分を有しない締め付けバンドも同様な理由で採用されている。このように、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が所定長さだけ重ね合わせられることとなるバンド本体部を有し、このバンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材となるブーツ1などに対して締め付け力を与える締め付けバンドは、様々な分野で使用されている。
特開平10−26107号公報 特開平11−218282号公報
図10で示した、特許文献1に開示されているブーツ固定バンド2だけでなく、特許文献2に示される、テコ板部分を有しない締め付けバンドなど、自動車用のブーツなどを固定する種々の締め付けバンドは、締め付け状態の信頼性が強く要求され、過酷な使用条件下において長期間の使用にも耐える耐久性も強く要求される。
したがって、図10で示したブーツ固定バンド2においては、テコ板23のバンド本体突出部22への固定状態およびテコ板固定部材24のバンド本体部20への固定状態は、長期間、その固定状態が保持されなければならない。すなわち、テコ板23とバンド本体突出部22との溶接およびテコ板固定部材24とバンド本体部20との溶接の信頼性が要求される。また、特許文献2に示される、テコ板部分を有しない締め付けバンドにおいても、溶接部分に対しては同様の信頼性が要求される。
テコ板23のバンド本体突出部22への固定およびテコ板固定部材24のバンド本体部20への固定は、前述したように、それぞれ電気抵抗を用いたスポット溶接によって行っている。特に、テコ板23は、締め付け作業時において、前述したように、矢印Y1方向へ強い力で倒す必要があるので、その溶接部分22cに大きな荷重負荷が加わる。このため、テコ板23とバンド本体突出部22との溶接強度の信頼性はきわめて重要な課題である。
一般に、スポット溶接は、溶接対象部材同士が一点で接触した状態での溶接となるため、溶接強度が十分得られない場合もある。すなわち、スポット溶接は、図12に示すように、溶接対象部材(この図12の例では、テコ板23とバンド本体突出部22とする)に対して、1対の電極10a,10bを対向配置して、電極10a,10bの間に電流Iを流すことで行うが、溶接によって生じるナゲット層11が原因で、溶接強度を十分に得られない場合も発生する。
このナゲット層11は、この図12からもわかるように、溶接対象部材がそれぞれ1点で接触した状態では、電流Iの流れ方向に沿って板厚方向に奥深く入り込んで生じるのが一般的である。このとき、それぞれの溶接対象部材で発生するナゲット層11が干渉し合う状態にまで拡がると、溶接対象部材が薄い板材の場合などは、穴があくなどの不具合が発生することもある。
また、図10で示したブーツ固定バンド2は、テコ板23の先端部23aを矢印Y1方向に倒す際、その動作の支点となる位置からバンド本体突出部22の先端部22aの上端までの距離、つまり、テコ板23の後端部23bからバンド本体突出部22の先端部22aの上端までの距離L1によって、締め付け量が設定される。したがって、締め付け量を一定にするには、テコ板23の後端部23bから先端部22aの上端までの距離L1(図11参照)を、常に一定な値とする必要がある。
このテコ板23の後端部23bからバンド本体突出部22の先端部22aの上端までの距離L1は、テコ板23と本体突出部22とを重ね合わせたときの重なり量によって大きく左右されるが、本質的には、テコ板23のバンド本体突出部22に対する溶接位置に大きく左右されることになる。したがって、テコ板23をバンド本体突出部22に溶接する際、その溶接位置を高精度に位置決めした上で、溶接を行う必要があるが、この種のブーツ固定バンド2は大量生産されるのが一般的であるので、その都度、厳密な位置決めをして溶接するのは、きわめて生産性が悪い。
また、この種のブーツ固定バンド2や特許文献2に示される締め付けバンドは、その表面が鏡面仕上げとなっているのが、一般的であるので、テコ板23等による締め付け作業を行う際、滑り易く作業性が悪いなどの問題点もある。また、このブーツ固定バンド2等が使用されるブーツ1は、自動車メーカや車種によって、多種類存在し、それによって、ブーツ固定バンド2もその環状部分21の径やテコ板23の形状などがそれぞれ微妙に異なる場合も多い。しかし、外観上はどれも類似しているので、自動車メーカや様々な車種ごとにそれぞれのブーツ固定バンド2等の締め付けバンドを管理する際、管理が非常にやっかいであるといった問題もある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有する締め付けバンドおよび締め付けバンドの製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を達成するために、本発明の締め付けバンドは、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が合掌するが如く所定長さだけ重ね合わせられ溶接されることでバンド本体突出部が形成されたバンド本体部と、先端側がバンド本体突出部の先端よりも外方に突出し、後端側がバンド本体部の環状部分外周面に当接するように、バンド本体突出部に溶接により固定されるテコ板と、このテコ板の先端部分をバンド本体部に固定するためバンド本体部に溶接により固定されるテコ板固定部材とを有し、テコ板を、その後端側を支点にしてバンド本体部の環状部分外周面にテコ板の板面が接するまで倒すことで、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドにおいて、バンド本体部、テコ板、テコ板固定部材の各板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成している。
この発明では、締め付けバンドの各部材、各部の板面、特に、バンド本体部の中央部に模様が形成されることによって、滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、適正な締め付け力を得ることができ、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有するものとなる。
すなわち、バンド本体部の内周側に模様が配置されるので、摩擦抵抗を高めることができ、取り付けの作業性が良くなり。また、締め付けバンドを締め付け対象部材に対して締め付け状態としたあと、その締め付けバンドが締め付け対象部材の締め付け面上で動きにくくなるので、過酷な使用条件下においても長期間安定した締め付け力を維持できる。しかも、耐力が向上して伸び縮みの範囲が広がることから、締め付け量の許容範囲が広がり、それによって、テコ板の支点位置の誤差を吸収することができ、テコ板をバンド本体突出部に固定する際の位置決め精度の許容範囲が広くなり、適正な締め付け力を得ることができ、また生産性の向上が図れる。
また、板面の両端部には模様が付されていないので、模様の出っ張りが締め付け対象を傷つけたり、模様部分から締め付けバンドが切れるという危険性を回避できる。また、スポット溶接等の溶接をする際、被溶接部分が多数の点で接触可能となり、それによって、溶接強度を高めることができ、溶接の信頼性の向上が図れる。
また、他の発明の締め付けバンドは、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が合掌するが如く所定長さだけ重ね合わせられることでバンド本体突出部が形成されたバンド本体部と、先端側がバンド本体突出部の先端よりも外方に突出し、後端側がバンド本体部の環状部分外周面に当接するように、バンド本体突出部に固定されるテコ板と、このテコ板の先端部分をバンド本体部に固定するテコ板固定部材とを有し、テコ板を、その後端側を支点にしてバンド本体部の環状部分外周面にテコ板の板面が接するまで倒すことで、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドにおいて、少なくとも、バンド本体部の内周側の板面の両端部を除いた中央部と、テコ板のバンド本体部に当接する板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を形成している。
この発明では、バンド本体部の中央部に模様が形成されることによって、滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有するものとなる。
すなわち、バンド本体部の内周側に模様が配置されるので、摩擦抵抗を高めることができ、取り付けの作業性が良くなり。また、締め付けバンドを締め付け対象部材に対して締め付け状態としたあと、その締め付けバンドが締め付け対象部材の締め付け面上で動きにくくなるので、過酷な使用条件下においても長期間安定した締め付け力を維持できる。また、板面の両端部には模様が付されていないので、模様の出っ張りが締め付け対象を傷つけたり、模様部分から締め付けバンドが切れるという危険性を回避できる。
また、他の発明の締め付けバンドは、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が所定長さだけ重ね合わせられることとなるバンド本体部を有し、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドにおいて、バンド本体部の少なくとも内周側の板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成している。
このように、締め付けバンドのバンド本体部の内周側の板面に模様を形成することによって、締め付け対象部材との間で滑りが無くなる。このため、作業性が良くなる。また、バンド本体部の内周側に模様が配置されるので、摩擦抵抗を高めることができ、締め付けバンドを締め付け対象部材に対して締め付け状態としたあと、その締め付けバンドが締め付け対象部材の締め付け面上で動きにくくなるので、過酷な使用条件下においても長期間安定した締め付け力を維持できる。また、板面の両端部には模様が付されていないので、模様の出っ張りが締め付け対象を傷つけたり、模様部分から締め付けバンドが切れるという危険性を回避できる。
なお、バンド本体突出部形成時の固定、バンド本体突出部とテコ板との固定、またはバンド本体部とテコ板固定部材との固定が溶接にて行われるとき、板面が凹凸面となるような模様は、少なくとも、溶接を行うスポット径内においてそれぞれの被溶接部材同士が多点接触状態となるように設けられるのが好ましい。この構成を採用すると、溶接対象部材に生じるナゲット層を平坦なものとすることができ、ナゲット層同士の干渉が生じにくくなり、穴が開くなどの不都合を未然に防止することができ、溶接の信頼性を高めることができる。
また、板面が凹凸面となるような模様は、その板面に対して複数の直線状の凹部を網目状に設けることで形成するのが好ましい。この構成を採用すると、凹凸の模様を形成した後も、それらのもともとの板厚以上の厚みとなることはなく、軽量化が図れる。
また、凹部は、その深さを2μm以上で板厚の10分の1以下とするのが好ましい。このように、締め付けバンドの板面に形成される模様の深さを2μmで板厚の10分の1以下の範囲とすると、締め付け対象部材の材質の違いや締め付け対象部材の使用環境など様々な条件に対応させることができる。
また、締め付け対象部材は、自動車の回転軸のジョイント部分を保護するための保護カバーとするのが好ましい。このように、締め付け対象部材を自動車の回転軸のジョイント部分を保護するための保護カバーとすると、本発明の締め付けバンドは、締め付け作業性の面、過酷な使用条件下での耐久性などにおいて、その効果をより一層発揮することができる。
また、本発明の締め付けバンドの製造方法は、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が所定長さだけ重ね合わせられることとなるバンド本体部を有し、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドを製造する締め付けバンドの製造方法において、バンド本体部の母材をバンド本体部用の幅に切断し、その後、少なくとも一方の板面であって両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成し、その後、このバンド本体部用に切断された板材であって模様付きの板材の模様部分が内周側に配置されるようにバンド本体部をリング状に曲げ加工している。
このように、締め付けバンドの母材をバンド本体部用の幅に切断した後、模様を形成しているので、板面の中央部に模様を形成しやすくなる。また、できあがった締め付けバンドは、バンド本体部の中央部に模様が形成されることによって、滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有するものとなる。
また、模様の凹凸の差は、2μm以上で板厚の10分の1以下とするのが好ましい。このようにすると、締め付け対象部材の材質の違いや締め付け対象部材の使用環境など様々な条件に対応させることができる。
また、模様を形成する際、同時に、その模様が形成される板面の両端の角部に面取り加工を施すようにするのが好ましい。この製造方法では、面取り加工を別工程とする必要がなく、工程が増加しない。しかも、両端が同時に面取り加工されるので、一層、工程数の減少を図ることができる。
本発明によると、滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有する締め付けバンドおよび締め付けバンドの製造方法を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、まず、第1の実施の形態について、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は、本発明の締め付けバンドとしてのブーツ固定バンド2Aの実施の形態を示す図である。この実施の形態のブーツ固定バンド2Aの形状や構成部品は、図10で説明した従来のブーツ固定バンド2と同じであり、同一部分には同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施の形態のブーツ固定バンド2Aが従来のものと異なるのは、これら各構成部品、すなわち、環状部分21とバンド本体突出部22からなるバンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24の各板面(この実施の形態では表面および裏面の両面とする)の中央部に凹凸が形成されるような細かい模様25(図2参照)を形成したことにある。なお、図2は、図1におけるバンド本体部20の環状部分21のA−A’線断面図である。
なお、この模様25は、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24のそれぞれ板面に凹部を設けることによって形成されるもので、図2に示すように、その凹部の深さ(凸部と凹部の高さ方向の差)W1は、それぞれの構成部品の板面から2μm〜50μmの範囲で設定される。なお、凹部の深さW1は、板厚W2の10分の1以下にするのが好ましい。また、用途によっては、50μm以上としても良い。ちなみに、従来からのこの種のブーツ固定バンド2は、図10で示すように、その表面は鏡面仕上げとなっていて、その表面の粗さ、すなわち、表面の凹凸は0.5μm以下であるのが一般的であるので、それに比べると、この実施の形態で形成される模様25の深さは板面から2μm〜50μm であるので、凹凸の度合いは4倍〜100倍にもなり、板面がざらざらした手触りとなる。
模様25は、図2に示すように、板面の幅方向の中央部に形成される。この実施の形態では、模様の幅M1は、5mmで、ブーツ固定バンド2Aの幅M2は、7mmとされ、模様の端とブーツ固定バンド2Aの端部との距離M3は、両側とも1mmとされている。この距離M3は、0.5〜2mmの範囲が中央模様の形成しやすさや模様の領域を十分確保できるという面で、好ましい。また、模様の幅M1の幅M2に対する割合は、同じような観点から、50〜95%が好ましく、60〜90%がさらに好ましい。なお、ブーツ固定バンド2Aの各部、たとえば、図2に示すように、還状部分21の両端部の角部には、ヤスリなどでこすって曲面または直線状のスロープとした面取り部21bが施されている。この面取り部21bは、すべての端部に施されているが、一部のみに施すようにしても良い。
このそれぞれの構成部品の板面に形成される模様25の種類は、特に所定のものに限られるものではなく、たとえば、規則的な格子模様等の直線状の凹部を網目状に設けたものとしたり、また、不規則な曲線的な模様であってもよい。さらには、多数の円形状や角状の凹点が規則性を持って、またはランダムに形成される模様であってもよいが、いずれの場合も、図2に示すように、模様25が凹部によって描かれるもので、凸となる部分の厚さは、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24のもともとの板厚W2と同じ厚さとなっている。
また、この模様25は、細かい模様とすることが必要であり、スポット溶接を行う際のスポット径(直径2.0mm程度)において、被溶接部材同士が多点接触状態(理想的には数十点での接触状態)となるように、凹部が形成されるのが望ましい。なお、このような模様25の形成の仕方については後に説明する。
このように、ブーツ固定バンド2Aでは、各構成部品の板面の表面および裏面に、たとえば、図1に示すような模様25を形成することによって、バンド本体突出部22にテコ板23をスポット溶接する場合、その溶接部分22cは、図3に示すように、多点接触状態となる。これは、バンド本体部20の環状部分21にテコ板固定部材24をスポット溶接する場合も同様である。
このような多点接触の状態でスポット溶接を行うと、それぞれの接触点で溶接が行われ、溶接の信頼性が格段に向上し、溶接による不良品の製造度合いを大幅に減少させることができる。すなわち、このような多点接触とすることによって、電極10a,10b間に流す電流を少なくすることができ、それによって、溶接時に発生するナゲット層11は、従来の1点での接触の場合(図12参照)と異なり、1点に集中的に生じることがなくなり、各点において均等に生じるので、ナゲット層11が板厚方向に深く入り込むことがない。
これによって、このブーツ固定バンド2Aの構成部品のような0.3mm〜0.8mmといった薄板にスポット溶接しても、それぞれの板材に熱劣化が生じにくく、穴が開くなどといった不具合を防止でき、溶接の信頼性を高めることができる。
また、ブーツ固定バンド2Aの各構成部品の板面に図1に示すような模様25を形成することによって、テコ板23の位置決め精度に余裕を持たせることができる。すなわち、前述したように、テコ板23の後端部23bからバンド本体突出部22の先端部22aの上端までの距離L1(図11参照)は、適切な距離とする必要があるが、本実施の形態のように、ブーツ固定バンド2Aの各構成部品に、図1に示すような模様25を形成することによって、テコ板23の後端部23bとバンド本体突出部22の先端部22aの上端までの距離L1は、それほど厳密な精度は要求されない。この距離L1にそれほど厳密な精度が要求されないということは、テコ板23のバンド本体突出部22に対する溶接位置の位置決めも厳密に行う必要がないということである。
このように、模様25を設けることによって、テコ板23のバンド本体突出部22に対する溶接位置の位置決めも厳密に行う必要がなくなるのは、次に示す理由によるものである。
すなわち、ブーツ固定バンド2A(この場合、特にバンド本体部20)の板面に模様25が形成されることによって、その表面積が大きくなり、表面積が大きいと、伸びる量も大きく、伸びたときに元に戻る量も大きくなる。つまり、降伏点に到達するまでの間は、表面積が広いほど、上死点と下死点との間の幅が広くなる。これは、降伏点に達するまでの間では、耐力の幅が広くなる、つまり、耐力が向上するということであり、それによって、伸び縮み可能な範囲が広がることから、テコ板23の後端部23bの位置の誤差を吸収できるからである。
これによって、テコ板23をバンド本体突出部22に溶接する際の溶接位置の位置決めにそれほどの高精度さが要求されなくなる。これは、テコ板23の後端部23bからバンド本体突出部22の上端までの距離L1の許容範囲が広がることであり、たとえ、この距離L1が多少ずれても、そのずれはバンド本体部20の耐力の幅の広さで吸収されるということである。
このように、テコ板23をバンド本体突出部22に溶接する際の溶接位置の位置決めにそれほどの高精度さが要求されなくなることによって、作業性の大幅な向上が図れ、1つの種類を大量に生産する場合は勿論、多種少量生産の場合にも有利なものとなる。また、締め付けバンドとしての不良品も減少すると共に、伸び縮みの範囲が広がることで、その締め付けバンドを取り付けた際の締め付け不良も減少する。
さらに、バンド本体部20の耐力が向上し、伸び縮みの範囲が広がることで、より多くの締め付け量が得られ、それによって、ブーツ1の径の大きさに対して、ブーツ固定バンド2Aの適合範囲を広くできる利点もある。すなわち、環装すべき部分の径の大きさが多少異なる複数種類のブーツに対しても1種類のブーツ固定バンド2Aで対応できる。
また、ブーツ固定バンド2Aは、各構成部品の板面に、図1に示すような模様25を形成することによって、生産管理上においても優れたものとなる。この模様25は様々な種類を用いることができ、ブーツ1の種類ごとにブーツ固定バンド2Aの模様を決めておけば、そのブーツ固定バンド2Aは、どの自動車メーカのブーツ用であるのか、どの車種に用いるものであるのか、また、1台の自動車用のブーツであっても、どの箇所のブーツ用であるのかが、外観から一目でわかり、生産管理や在庫管理がし易くなる。
また、ブーツ固定バンド2A自体を軽量化することができる利点もある。つまり、この実施の形態のブーツ固定バンド2Aで形成される模様25は、元々の厚さの板厚に対して凹溝を形成することで実現されるので、その分だけ軽量化される。さらに、その模様25が滑り止めの役目も果たし、テコ板23を倒す際に適度なざらざら感によって滑りにくくなるので倒し加工がし易くなる。
また、この実施の形態では、バンド本体部20の環状部分21の両面に模様25が形成されているので、ブーツ1に対して締め付けしたあと、バンド本体部20における環状部分21の裏面(ブーツ1の外周面1aまたは1bに接触する部分)の模様25が滑り止めの役目も果たし、それによって、過酷な使用条件下における長期間の使用によっても締め付けが緩みにくいという利点もある。
また、この実施の形態では、バンド本体部20の環状部分21の両面の中央部に模様25が形成されているので、すなわち、板面の両端部には模様が付されていないので、模様の出っ張りが締め付け対象を傷つけたり、模様部分から締め付けバンドが切れるという危険性を回避できる。さらには、板面の両端部には模様が付されていないので、錆が発生しにくくなる。
なお、上述した模様25は、そのブーツ固定バンド2Aを用いるブーツ1の材質やそのブーツ1を自動車のどの箇所に使用するかによって、模様25の溝の深さや模様25の細かさを設定することが望ましい。これは、模様25の溝の深さや細かさによって、摩擦抵抗やスポット溶接時における電気抵抗が違ってくるためであり、ブーツ1の材質やそのブーツ1の使用条件によって、最適な模様25の溝の深さや模様25の細かさを設定することが望ましい。
具体的には、プラスチック系材料の中でも比較的硬めの材料で生成されるブーツ1に対しては、目の細かく比較的浅い溝(2μm〜10μm)で模様25が形成されたブーツ固定バンド2Aとすることで良好な結果が得られる。また、プラスチック系であってもウレタン系の比較的軟らかい材料で生成されるブーツ1に対しては、目の細かさが比較的粗く比較的深い溝(5μm〜20μm)の模様25が形成されたブーツ固定バンド2Aを用いることで良好な結果が得られる。これらプラスチック系の材料でなるブーツ1は、自動車の室内や露出度の少ない部分で、しかも、低速回転のジョイント部分に使用されることが多いため、比較的ゆるい締め付け状態で用いられる。
一方、これらプラスチック系の材質でなるブーツ1に対し、ゴム系の材質でなるブーツ1は、外部に露出し、かつ、高速回転する車軸などの過酷な使用条件下で用いられることが多く、このようなブーツ1に使用されるブーツ固定バンド2Aは、より高い品質が要求される。このようなブーツ1に用いられるブーツ固定バンド2Aは、その模様25としては、たとえば綾目模様で、深い溝(8μm〜25μm)の模様とすることで良好な結果が得られる。
なお、より高荷重の締め付けを必要とする場合は、柾目(ヘアーライン)の模様25で、その溝の深さはバンド本体部20の板厚の2%〜6%とすると好結果が得られることがわかった。
また、この実施の形態のブーツ固定バンド2Aは、テコ板23を倒して、テコ板固定部材24によって固定された状態では、出っ張りが殆ど生じることなく、全体的に見れば、バンド本体部20の環状部分21と同様の円を描く形状となるのも特徴の1つである。特に、このブーツ固定バンド2Aが、自動車の車軸のジョイント部分に用いるブーツ1の締め付け用として用いられる場合には、ブーツ1は車軸とともに高速回転するので、空気抵抗をできるだけ減らすことのできるように、ブーツ固定バンド2Aに出っ張りが少ないことが要求される。
このように、この実施の形態で説明したブーツ固定バンド2Aは、従来のこの種のブーツ固定バンド2に比べて製造効率を大幅に改善させる(約30%)ことができ、かつ、ブーツ1に対する締め付け安定性を2倍以上向上させることが可能となり、それによって、過酷な使用条件下での耐久性を大幅に向上させることができる。
また、このブーツ固定バンド2Aは、スポット溶接の不良が大きく減少し、従来は全数検査を行っていた検査を抜き取り検査での対応とすることができる。また、軽量化も達成されているため、数10箇所に利用される自動車に使用した場合に、自動車の総重量の軽減にも寄与することとなる。
ところで、このような模様25は、ブーツ固定バンド2Aを構成するそれぞれの構成部品、すなわち、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24として形成する前に付加する方法と、形成した後に付加する方法がある。生産効率を考慮すると、これらの部品を作る前の板材の段階で形成されるようにするのが好ましい。以下にこの模様形成工程について説明する。なお、中央部に精度良く模様を形成する場合は、各部材を形成した後に、模様を付加するのが好ましい。この方法は、第3の実施の形態において説明する。
この模様25は、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24などのブーツ固定バンド2Aの構成部品を生成するための板材生成工程における圧延工程で容易に形成することができる。
図4は、この圧延工程の概略を示すもので、粗圧延工程以降の工程を示している。この図4に示すように、粗圧延工程31が終了したあとの大まかな工程としては、焼鈍工程32、中間圧延工程33、焼鈍工程34、仕上げ圧延工程35、テンション・アニーリング工程36、検査・試験工程37などがある。
なお、この図4で示される圧延工程のあとに、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24とするために、圧延された材料を所定の形状および寸法に切断する切断工程などがあるが、これらの工程の詳細は、従来のブーツ固定バンド製造工程で行われているものと同じであるので、それらの図示および説明は省略する。
この図4で示すような一連の圧延工程において、ブーツ固定バンド2Aの構成部品を生成するための材料である金属(ステンレス)製の板材38への模様の形成は、中間圧延工程33または仕上げ圧延工程35で行われるが、形成する模様25の溝の深さによって、中間圧延工程33で形成するか、仕上げ圧延工程35で形成するかが決められる。
なお、ブーツ固定バンド2Aの構成部品のうち、バンド本体部20とテコ板固定部材24は、同じ板厚であるので、同じ板材38を用いることができるが、テコ板23は板厚が異なるので、テコ板用の板材38を用いて図4に示すような圧延工程を行う。
この圧延工程によって形成される模様25の溝の深さW1は、前述したように、このブーツ固定バンド2Aを用いるブーツ1の材質(プラスチック系の材質かゴム系の材質かなど)、つまり、自動車のどのような箇所で用いられるかによっても異なる。この場合、溝の深い模様25を形成する場合は、中間圧延工程33で行い、溝の浅い模様25を形成する場合は、仕上げ圧延工程35で行う。
このように、中間圧延工程33または仕上げ圧延工程35において、ブーツ固定バンド2Aの構成部品の材料として用いられる板材38に、それぞれに適応した模様25を形成する際、これら中間圧延工程33における圧延ローラ(板材38を両面から挟む1対の圧延ローラ39a,39bの少なくとも一方)と、仕上げ圧延工程35における圧延ローラ(同じく板材を両面から挟む1対の圧延ローラ40a,40bの少なくとも一方)の少なくとも一方箇所の圧延ローラの表面に、それぞれ形成すべき模様を凸状態で形成しておけばよい。
この凸状の模様は、圧延ローラの表面に複数の円周状かつ帯状に形成されている。これは、母材となる板材の幅は、完成品としてのブーツ固定バンド2Aの幅M2の数倍以上とされているためである。このように、凸状態の模様、すなわち、凹凸状の模様が圧延ローラに形成されていることで、板材38に、複数の帯状の模様25を形成することができる。なお、この実施の形態のブーツ固定バンド2Aの場合、1対の圧延ローラ40a,40bのそれぞれに凹凸状の模様が形成されているものを使用した。
このように、板材38が圧延される際に、中間圧延工程33における1対の圧延ローラ39a,39bまたは仕上げ圧延工程35における1対の圧延ローラ40a,40bに形成されている模様が、その板材38の両面または片面に凹溝の模様25として形成される。
なお、これら中間圧延工程33における1対の圧延ローラ39a,39bと、仕上げ圧延工程35における1対の圧延ローラ40a,40bは、それぞれさまざまな種類の模様を有する圧延ローラをいくつも用意しておき、どのような模様とするかによって、圧延ローラを任意に選択して使用できるようにしておくことも可能である。
たとえば、ある自動車メーカに納品するためのブーツ用で、かつ、深溝の模様25を有するブーツ固定バンド2Aを製造する場合には、その自動車メーカ用であることを示す模様25で、かつ、最適な溝の深さで模様25を形成可能な圧延ローラを選択する。この場合、溝の深さが深いことから中間圧延工程33で模様を形成することとなり、中間圧延工程33用の圧延ローラ39a,39bとして、それに対応する模様と溝の深さを有する圧延ローラを選択して、それを中間圧延工程33に取り付けて圧延を行う。
これによって、様々な形状や溝の深さを有する模様25を形成することができ、ブーツ固定バンド2Aをどのブーツに用いるかなど、利用目的に応じた種類や溝の深さの模様25を形成することができる。それによって、耐力の幅の広さなどを設定することができ、所望とする締め付け強度を確保することができる。また、模様25の種類を識別情報として用いることもできるので、納入メーカ別、使用箇所別というように、適切な分類が行え、生産管理上便利なものとなる。
なお、中間圧延工程33における1対の圧延ローラ39a,39bおよび仕上げ圧延工程35における1対の圧延ローラ40a,40bにおいて、それぞれ1対の圧延ローラごとに同じ模様とするのが適当であると考えられる。たとえば、中間圧延工程33で模様を板材38の両面に形成する場合は、1対の圧延ローラ39a,39bは両方とも同じ模様とし、仕上げ圧延工程35で模様を板材38の両面に形成する場合は、1対の圧延ローラ40a,40bは両方とも同じ模様とするのが適当であると考えられる。しかし、板材38の表面と裏面で模様を異ならせることも可能であり、その場合は、たとえば、中間圧延工程33側で説明すれば、1対の圧延ローラ39a,39bの上側の圧延ローラ39aと下側の圧延ローラ39bで模様を異ならせればよい。
それによって、板材38の表面と裏面で、模様25を異ならせることもできる。このように、板材38の表面と裏面では模様25を異ならせ、その板材38を用いて、たとえば、バンド本体部20を生成したとすれば、バンド本体部20の表面と裏面で模様25が異なるので、その模様25の違いが、前述した耐力の違いとなって現れ、表裏とも同じ模様25とした場合とは違った締め付け強度が得られる可能性もあり、より多彩な締め付け性能を有するブーツ固定バンド2Aを得ることができる。
検査・試験工程37などの後に、切断工程と面取り工程が存在する。切断工程で、ブーツ固定バンド2Aの幅M2に切断する。このとき、模様25がその幅M2の中央にくるように切断する。その後、所定の長さに切断する。切断工程の後に、面取り工程が存在し、ブーツ固定バンド2Aの両端部の角部をヤスリなどでこすり、図2に示すように、曲面または直線状の面取り部21bを4隅に施す。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図5を参照しながら説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態の一部変更例であり、異なる部分を主にして説明する。
図5に示すように、この第2の実施の形態では、テコ板23を倒しやすい形状のテコ板23Aとしたり、テコ板固定部材24を長くしたテコ板固定部材24Aとし、図11の(B)で示されるブーツ1と接触しない非接触部分Sを無くすようにしている。この図5に示すテコ板23Aは、その上端に板厚方向に突出した指のすべり止めとなる突起部41を設けている。また、テコ板固定部材24Aは、図11の(B)に示される非接触部分Sを覆うように配置される長い舌片状の長舌片状部42を有すると共に、テコ板23Aを押さえつける際にその押しつけを容易にするための内側に突出した打出しダボ43,43が突片部24a,24bにそれぞれ設けられている。なお、この突片部24a,24bは、対向する対称位置に設置されるのではなく、周方向にずれるように配置され、折り曲げた時には、互いが重ならない位置に設置されている。
また、バンド本体部20に形成される模様25は、次のように形成されている。すなわち、バンド本体突出部22は、幅方向に平行となる線が複数引かれたあや目模様の模様25とされ、環状部分21は、直線が斜めに交差するひし形網目状(各網目はひし形)の模様25とされている。また、テコ板23Aとテコ板固定部材24Aの模様25は、ひし形網目状の模様25とされている。なお、各板面に形成される模様25は、図1に示す実施の形態のように1種類としたり、この図5に示すように2種類とするのではなく、1つの締め付けバンドにおいて3種類以上としても良い。この場合、各部材毎に異なる模様25とするのが好ましいが、1部材中に2種類以上の模様25を形成するようにしても良い。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図6から図8を参照しながら説明する。この第3の実施の形態は、第1の実施の形態とは、異なり、締め付けた後、溶接で固定するのではなく、引っ掛けと、かしめで固定するものである。なお、第1の実施の形態と同一部分には、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施の形態のブーツ固定バンド2Bは、特許文献2に示されるような、テコ板を有しないブーツ固定バンドであり、係合部26,27と、締め付け部28を有する。ブーツ固定バンド2Bの両先端の係合部26,27が重なり合うことで、1つの輪を形成している。一端となる係合部26には、長穴26aと、2つの丸穴26b,26cが形成されている。他端の係合部27には、長穴26aに入る長い突起27aと、2つの丸穴26b,26cにそれぞれ入る半球状の突起27b,27cが形成されている。長い突起27aは、環状部分21の長さ方向に長くされ、長穴26aに挿入された後、長穴26aから抜けでないようにかしめ加工がなされる。
締め付け部28は、ペンチなどで挟まれることで、その両側のスロープ部28aが引っ張られ、ブーツ固定バンド2Bの径を小さくする部分である。ブーツ固定バンド2Bの径を小さくなる結果、ブーツ固定バンド2Bが締まることとなる。なお、係合部27の先端には、空間Sをカバーすることとなる、細幅のカバー部27dが設けられ、一方、締め付け部28の係合部26とは反対位置に、カバー部27dの最も細幅となる先端部27eを幅方向の両側から挟み込み、位置保持させる係合保持部26dが設けられている。
環状部分21と係合部26,27と締め付け部28の板面(この実施の形態では表面および裏面の両面とする)の中央部に凹凸が形成されるような細かい模様25が形成されている。この模様は25は、図7に示すように、幅方向の両端の平面部から、凸部が突出し、凹部がその凸部の間に形成されるという凹凸から形成されている。この実施の形態では、両端の平面部から、凸部の先端までの高さW3は、50μmとされ、平面部の板厚は、0.5mmとされている。なお、図7は、図6におけるバンド本体部20の環状部分21のB−B’線断面図である。
このブーツ固定バンド2Bは、バンド本体部20の母材を、バンド本体部用の幅に切断し、その後、板面の表裏であって、その両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様25を帯状に形成し、その後、バンド本体部20をリング状に曲げ加工したものである。なお、板面の表裏でなく、一方の板面であって両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様25を帯状に形成し、その後、このバンド本体部用に切断された板材であって模様25付きの板材の模様25部分が内周側に配置されるように、バンド本体部20をリング状に曲げ加工しても良い。
なお、バンド本体部20の母材を、バンド本体部用の幅に切断した後、すぐに、バンド本体部20の長さに切断してから模様25を付加しても良いが、この実施の形態では、模様25を付加した後、バンド本体部20の長さに切断している。また、この実施の形態では、曲げ加工を行う前に、係合部26,27と締め付け部28を形成しているが、曲げ加工を行った後に、係合部26,27と締め付け部28を形成しても良い。
この第3の実施の形態における模様25の形成は、図8に示すようなローラ51によって行われる。ローラ51の外周52には、ローレット模様が形成され、このローラ51をバンド本体部20の板面上で回転させることで、模様25を形成している。この実施の形態では、ローラ51の両側に面取り加工用ローラ53,53を配置し、模様25の形成と同時に、面取り加工を行っている。面取り加工用ローラ53は、ローラ51の側の外周角部がスロープ54として形成されている。このスロープ54がバンド本体部20の両端部の角部に当たり、面取り部21bが形成される。
なお、ローラ51の両側に面取り加工用ローラ53,53を配置せず、面取り加工用ローラ53,53を有する部材を別に製造し、ローラ51の使用とは、別な時に使用するようにしても良い。また、面取り加工用ローラ53,53を、図8では、ローラ51とは別体にしているが、別体とせず、一体物としても良い。
上述した各実施の形態は、本発明の好適な実施例であるが、本発明は上述の各実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更実施可能となるものである。たとえば、締め付けバンドとしては、ブーツ固定バンド以外のものとしても良い。すなわち、本発明は、帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が所定長さだけ重ね合わせられることとなるバンド本体部を有し、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンド全般に適用することができる。たとえば、水道管部分やガス管部分部分の締め付け、工作機械におけるジョイント部分のカバー部材の締め付け等にも適用することができる。
また、前述の第1、第2の実施の形態において、中間圧延工程33または仕上げ圧延工程35で模様25を形成する際、それぞれ1対の圧延ローラ39a,39bおよび40a,40bで、板材38の両面に模様25を形成するようにしたが、板材38の表面だけあるいは裏面だけというように、いずれか一方の面だけに模様25を形成させることも可能である。また、各部材の圧延工程33,35のうち、所定の1つの部材または所定の複数の部材の圧延工程のみに、模様形成用の圧延ローラを配置するようにしても良い。さらに、中間圧延工程33と仕上げ圧延工程35の両工程で模様25を形成することで、模様25の中に、異なる深さの模様を入れたり、異なる線太さの模様を形成したり、異なる線間隔の模様25を形成するようにしても良い。たとえば、中間圧延工程33で一方方向に平行な直線でかつ深くて太くて線間隔が広い模様を形成し、仕上げ圧延工程35でその直線模様に対して斜めに交差する浅くて細くて間隔が狭い直線状の模様を形成するようにしても良い。
また、中間圧延工程33または仕上げ圧延工程35で使用する、それぞれ1対の圧延ローラ39a,39bの少なくとも一方および/または圧延ローラ40a,40bの少なくとも一方に形成される凹凸状の模様25は、1周の間で異なる模様25としても良い。たとえば、圧延ローラの表面に120度間隔で3種類の模様25を設置したり、圧延ローラの表面に60度間隔で6種類の模様25を設置したり、60度間隔で2種類の模様25を交互に設けたりしても良い。また、模様25は、締め付けバンドの長さ方向の両先端にかからないようにすることが好ましいが、長さ方向の両先端まで、模様25が届くようにしても良い。
また、板材38の一方の面のみに模様25を形成することで、一方の面のみに模様25のあるバンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24を形成しても良い。このような部材であっても、まったく模様25のないものに比べれば、スポット溶接の信頼性や、テコ板23のバンド本体突出部22への溶接時の位置決めの容易さなどを改善することができる。また、耐力が向上して伸び縮みの範囲が広がるという効果も有するものとなる。特に、バンド本体部20の内周部に模様25がくるように構成すると、ざらざら部分がブーツ1に接触することとなり、滑り止めの機能も働くこととなる。
また、圧延ローラ39a,39b,40a,40bの取り替えや、バンド本体部20、テコ板23、テコ板固定部材24のそれぞれが製造された後の模様付けによって、バンド本体部20,テコ板23,テコ板固定部材24の少なくとも1つの部材の板面に模様25を設けるようにしても良い。さらに、この場合にも、一方側の板面のみに模様25を設けたり、両面に模様25を設けたりすることができる。また、上述の第1,第2の実施の形態では、テコ板23を最初から弧状に形成しているが、平板状に形成し、倒した際または倒した後に弧状となるようにしても良い。
また、さらに極端に言えば、溶接の信頼性を主に考えれば、溶接部分だけに模様25を形成することも可能である。この場合、複数の溶接箇所の少なくとも一箇所だけであってもその部分に関しては、溶接の信頼性が増すこととなり好ましい。また、溶接部分のみに模様25を設ける場合に、対向する両面ではなく一方側の板面部分のみに模様25を設けるようにしても良い。また、各部材の固定に際し、すべてにスポット溶接を使用するのではなく、一部のみにスポット溶接を採用し、他の部分は、レーザ溶接、ビーム溶接、接着剤での接着、超音波接着等の他の固定方法を採用するようにしても良い。また、溶接部分全てをスポット溶接以外の固定方法としても良い。
本発明によれば、滑り止めが確実となり、取り付けの作業性が良くなり、締め付け対象へダメージを与えることなく、しかも長期間安定した締め付け力を有することとなる締め付けバンドを得ることが可能となる。この結果、自動車のブーツを取り付ける際に好適となると共に、自動車内の他の部材や自動車用以外の他の部材の締め付けにも利用できる。
本発明の締め付けバンドの第1の実施の形態を説明する斜視図である。 図1のA−A’線断面を拡大して示す図である。 図1に示す締め付けバンドにおけるバンド本体突出部とテコ板とのスポット溶接の溶接状態を説明する図である。 本発明の締め付けバンドの製造方法の実施の形態を説明する図であり、締め付けバンド製造工程の一部である板材の圧延工程について説明する図である。 本発明の締め付けバンドの第2の実施の形態を説明する斜視図で、(A)はその部分斜視図で、(B)はテコ板固定部材の斜視図である。 本発明の締め付けバンドの第3の実施の形態を説明する斜視図である。 図6のB−B’線断面を拡大して示す図である。 図6に示す締め付けバンドの模様を形成するローラの正面図である。 本発明および従来の締め付けバンドによって締め付けされる締め付け対象部材である自動車部品のブーツを示す図である。 従来の締め付けバンドを示す斜視図である。 図10で示した締め付けバンドの締め付け動作を説明する図であり、(A)は締め付け動作前のテコ板やバンド本体突出部などの状態を示す図で、(B)は締め付け動作途中のテコ板やバンド本体突出部などの状態を示す図である。 図10で示した締め付けバンドにおけるバンド本体突出部とテコ板とのスポット溶接の溶接状態を説明する図である。
符号の説明
1 ブーツ(締め付け対象部材)
2 ブーツ固定バンド(締め付けバンド)
20 バンド本体部
21 環状部材
21a 環状部材の外周面
22 バンド本体突出部
22a バンド本体突出部の先端部
22b バンド本体突出部の根元
22c 溶接部分
23 テコ板
23a テコ板の先端部
23b テコ板の後端部
24 テコ板固定部材
25 模様

Claims (10)

  1. 帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が合掌するが如く所定長さだけ重ね合わせられ溶接されることでバンド本体突出部が形成されたバンド本体部と、先端側が上記バンド本体突出部の先端よりも外方に突出し、後端側が上記バンド本体部の環状部分外周面に当接するように、上記バンド本体突出部に溶接により固定されるテコ板と、このテコ板の先端部分を上記バンド本体部に固定するため上記バンド本体部に溶接により固定されるテコ板固定部材とを有し、上記テコ板を、その後端側を支点にして上記バンド本体部の環状部分外周面にテコ板の板面が接するまで倒すことで、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドにおいて、
    上記バンド本体部、上記テコ板、上記テコ板固定部材の各板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成したことを特徴とする締め付けバンド。
  2. 帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が合掌するが如く所定長さだけ重ね合わせられ固定されることでバンド本体突出部が形成されたバンド本体部と、先端側が上記バンド本体突出部の先端よりも外方に突出し、後端側が上記バンド本体部の環状部分外周面に当接するように、上記バンド本体突出部に固定されるテコ板と、このテコ板の先端部分を上記バンド本体部に固定するためのテコ板固定部材とを有し、上記テコ板を、その後端側を支点にして上記バンド本体部の環状部分外周面にテコ板の板面が接するまで倒すことで、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドにおいて、
    少なくとも、上記バンド本体部の内周側の板面の両端部を除いた中央部と、上記テコ板の上記バンド本体部に当接する板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成したことを特徴とする締め付けバンド。
  3. 帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が所定長さだけ重ね合わせられることとなるバンド本体部を有し、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドにおいて、
    上記バンド本体部の少なくとも内周側の板面の両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成したことを特徴とする締め付けバンド。
  4. 前記バンド本体突出部形成時の固定、前記バンド本体突出部と前記テコ板との固定、または前記バンド本体部と前記テコ板固定部材との固定が溶接にて行われるとき、前記板面が凹凸面となるような模様は、少なくとも、上記溶接を行うスポット径内においてそれぞれの被溶接部材同士が多点接触状態となるように設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の締め付けバンド。
  5. 前記板面が凹凸面となるような模様は、その板面に対して複数の直線状の凹部を網目状に設けることで形成したことを特徴とする請求項1、2または3記載の締め付けバンド。
  6. 前記凹部は、その深さを2μm以上で板厚の10分の1以下とすることを特徴とする請求項5記載の締め付けバンド。
  7. 前記締め付け対象部材は、自動車の回転軸のジョイント部分を保護するための保護カバーであることを特徴とする請求項1、2または3記載の締め付けバンド。
  8. 帯状の細長い金属板材を曲げて環状部分が形成されるとともに、その帯状の細長い金属板材の両端部分が所定長さだけ重ね合わせられることとなるバンド本体部を有し、当該バンド本体部の環状部分の径を小さくして、締め付け対象部材に対して締め付け力を与える締め付けバンドを製造する締め付けバンドの製造方法において、
    上記バンド本体部の母材を上記バンド本体部用の幅に切断し、
    その後、少なくとも一方の板面であって両端部を除いた中央部に、その板面が凹凸面となるような模様を帯状に形成し、
    その後、このバンド本体部用に切断された板材であって模様付きの板材の模様部分が内周側に配置されるように上記バンド本体部をリング状に曲げ加工したこと、
    を特徴とする締め付けバンドの製造方法。
  9. 前記凹凸の差が2μm以上で板厚の10分の1以下としたことを特徴とする請求項8記載の締め付けバンドの製造方法。
  10. 前記模様を形成する際、同時に、その模様が形成される板面の両端の角部に面取り加工を施すことを特徴とする請求項8または9記載の締め付けバンドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010078064A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Toyoda Gosei Co Ltd 等速ジョイント用ブーツのシール構造
US11095871B2 (en) * 2018-04-26 2021-08-17 Canon Kabushiki Kaisha System that generates virtual viewpoint image, method and storage medium

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