JP2005200775A - ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005200775A
JP2005200775A JP2004005371A JP2004005371A JP2005200775A JP 2005200775 A JP2005200775 A JP 2005200775A JP 2004005371 A JP2004005371 A JP 2004005371A JP 2004005371 A JP2004005371 A JP 2004005371A JP 2005200775 A JP2005200775 A JP 2005200775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polylactic acid
fiber structure
acid fiber
heat resistance
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004005371A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Suzuki
俊行 鈴木
Keiji Takeda
恵司 竹田
Katsuhiko Mochizuki
克彦 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2004005371A priority Critical patent/JP2005200775A/ja
Publication of JP2005200775A publication Critical patent/JP2005200775A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

【課題】ポリ乳酸繊維構造物に関して製糸性、糸物性、汎用性、耐熱性の改善されたポリ乳酸繊維構造物を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸を主成分としてなる繊維構造物において、ポリ乳酸と反応可能な2官能基以上の官能基を有するモノマーおよび、ラジカル開始剤を含有する処理液で処理することにより、塩化メチレン溶剤に24時間浸漬後のゲル分率が10%以上、融点由来の融解熱量が80J/g以下となることを特徴とするポリ乳酸繊維構造物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法に関し、耐熱性に優れたポリ乳酸繊維構造物として好適に用いられるものである。
従来より、繊維や成型品の材料としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが用いられており、消費量が年々増加している。それに伴い、使用後の廃棄物の量も増加しており、これらの廃棄物は焼却あるいは埋め立てによって処理されるため、環境問題や処分場確保などの問題が起こっている。
このような問題に対処するため、近年、土中や水中に存在する微生物の作用により自然環境下で樹脂を分解することができる種々の生分解性ポリマーを用いた繊維の検討が各方面で盛んに行われている。中でもポリ乳酸繊維は非石油由来の原料であり生分解性であることから注目されてきており、衣料用途、産業資材用途等に使用され初めている。しかしながらポリ乳酸繊維は融点が約160℃程度であり、衣料用繊維として用いる場合ではアイロン可能な温度が低温に限られてしまうことや、産業用繊維として用いる場合ではゴム資材や樹脂コート等の製造工程で150℃以上の温度にさらされる用途には適していないという問題があった。
一方、乳酸には光学異性体が存在し、それぞれL−乳酸とD−乳酸の重合体であるポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物からなるステレオコンプレックス結晶を形成させると、ポリ−L−乳酸あるいはポリ−D−乳酸単独の結晶よりも融点が上昇することが知られている(技術文献1、2参照)。このステレオコンプレックス結晶形成は確かに融点を約50℃向上することが出来るため耐熱性を大幅に向上できるが、ポリ−D−乳酸は非常に高価であり汎用性に欠けるという問題があった。
また、耐熱性を改善するために核剤としてタルク、シリカ、乳酸カルシウム等を添加して結晶化度を向上させて耐熱性を向上させる技術が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この技術は核剤を多量に添加する必要があるため紡糸性の低下や繊維物性の低下を引き起こす問題があり、また、耐熱性もポリ乳酸の結晶化には限界があるためそれ以上の耐熱性能を向上することはできないといった問題があり、従来の技術では耐熱性、繊維物性、紡糸安定性、汎用性のいずれかに問題があり、これらの問題を解決するに至ってはいないのが現状である。
Y.Ikada,K.Jamshidi,H.Tsuji,S−H.Hyon,maromolecules.,20,904(1987) H.Tsuji,Y.Ikada,Macromol.Chem.Phys.,197,3483(1996) 特開平8−193165号報
本発明は前記した現状を鑑み、紡糸性の低下や繊維物性の低下、汎用性といった問題を解消し、かつ耐熱性に優れるポリ乳酸繊維構造物とその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は前記した課題を解決するために、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)ポリ乳酸を主成分としてなる繊維構造物において、塩化メチレン溶剤に24時間浸漬後のゲル分率が10%以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維構造物。
(2)該繊維構造物のDSC(示差走査型熱量)測定における融点由来の融解熱量が80J/g以下であることを特徴とする(1)に記載のポリ乳酸繊維構造物。
(3)ポリ乳酸を主成分としてなる繊維構造物を、ポリ乳酸と反応可能な2官能基以上の官能基を有するモノマーで処理することを特徴とする(1)または(2)に記載のポリ乳酸繊維構造物の製造方法。
(4)該モノマーが1種以上のビニル基および/またはグリシジル基を含有していることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のポリ乳酸繊維構造物の製造方法。
(5)該繊維構造物をラジカル開始剤を含有する処理液で処理することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載のポリ乳酸繊維構造物の製造方法。
本発明によれば、ポリ乳酸繊維構造物として用いられる用途、具体的には衣料用途、非衣料用途、産業用途などで従来に無い耐熱性に優れたポリ乳酸繊維構造物を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の耐熱性に優れるポリ乳酸繊維構造物は、ポリ乳酸を主成分としてなる繊維構造物である。
本発明でいうポリ乳酸繊維構造物とはポリ−L−乳酸を主成分として好ましくは80重量%以上含む繊維構造物のことであり、それ以外の構成成分は他のモノマーとの共重合や他のポリマーとのポリマーブレンド、他の繊維との複合繊維、混紡品等でも良い。
ポリ−L−乳酸の製造方法としては、既知の任意の重合方法等を採用することができる。最も代表的に知られているのは、L−乳酸を原料として用い、一旦無水環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合する方法(ラクチド法)であるが、L−乳酸を溶媒中で直接脱水縮合しても構わない。また、ポリ−L−乳酸の重量平均分子量としては10000〜500000の範囲が好ましく、更に好ましくは50000〜300000の範囲が好ましい。かかる範囲を下回ると物性等が低下するため好ましくない。
なお、本発明で用いるポリ−L−乳酸には本発明の効果を損なわない範囲で主体をなすポリマー以外の成分を含有してもよい。例えば、可塑剤、紫外線安定剤、つや消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗菌剤あるいは着色顔料として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加してもよい。特に紫外線安定剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダートアミン系薬剤を好ましく用いることができる。この際の添加量は繊維重量に対して0.005〜1重量%の範囲が好ましい。着色顔料としては酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料の他、シアニン系、スチレン系、フタロシアニン系、キノクリドン系、チオインディコ系などのものを使用することができる。
また、本発明のポリ乳酸繊維構造物は塩化メチレン溶剤における24時間後のポリ乳酸繊維構造物のゲル分率が10%以上であることを特徴としている。
ここでいうゲル分率とは、ポリ乳酸繊維構造物に塩化メチレン溶剤を重量比でポリ乳酸繊維構造物の100倍以上添加し、温度25℃、24時間の条件で振とう恒温槽を用いて振とう下で溶解試験を行った後、濾紙(東洋濾紙社製circle:70mmのNo.5C)で未溶解の残さを採取し、残存する塩化メチレン溶剤を50℃で2時間の条件で乾燥させ、濾紙上に残存する塩化メチレン溶剤を揮発させた後の残さ(ゲル)の重量と溶解試験前のポリ乳酸繊維構造物の重量から測定することができる。ゲル分率の算出は溶解試験前のポリ乳酸繊維構造物の重量をW0とし、溶解試験後の残さ(ゲル)の重量をW1としたときのゲル分率W(%)はW=W1/W0×100で算出することができる。
本発明者らはこのゲル分率が10%以上であるとポリ乳酸繊維の耐熱性が向上するという知見を得た。具体的には未処理のポリ乳酸繊維構造物に160℃のアイロンを当てると容易に溶融が起こり、穴あき等の実用上の欠点となるが、本発明では溶融しづらくアイロン耐熱性が飛躍的に向上し、実用上の欠点にならないことがわかった。
ゲル分率が10%未満であると耐熱性の点で好ましくない。本発明のゲル分率は耐熱性の観点から好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
また、ポリ乳酸繊維構造物のDSC(示差走査型熱量)測定における融点由来の融解熱量が80J/g以下であることが好ましい。
ここでいう融解熱量とはポリ−L−乳酸単独の融解熱量のことを指している。ポリ−L−乳酸の融解熱量は140〜180℃付近で発現し、測定にはDSC(示差走査型熱量)を用いて測定することができる。融解熱量が80J/gを越えると耐熱性の点から不十分である場合があり、さらに好ましくは70J/g以下であり、更に好ましくは60J/g以下である。
次に本発明の製造方法に関して詳細に説明する。
本発明のポリ乳酸繊維構造物は例えば以下の方法により製造することができる。
本発明のポリ乳酸繊維構造物は溶融紡糸や溶液紡糸などの製法が採用できる。環境面を考慮すると溶剤を用いない溶融紡糸が好ましい。
溶融紡糸に関しては一般的な製法を用いることが可能であり、例えば重合されたポリ−L−乳酸をプレッシャーメルター型の溶融押し出し機にて溶融した後、メタリングポンプによって計量し、紡糸パック内等で濾過された後、所望の口金形状や口金数を有する口金から吐出する。吐出された糸は融点よりも低い温度の気体中を通過させることによって冷却、固化された後、油剤を付与して引き取る。その後、1段でも2段以上の多段でも良いが延伸することでポリ乳酸繊維構造物を得ることができるが、これに限られるものではない。
また、本発明のポリ乳酸繊維構造物は用途に応じて多様な形態をとることができ、例えばモノフィラメント、マルチフィラメント、ステープル、不織布、編み物、織物など任意の形態を採用できる。
次に本発明のポリ乳酸繊維構造物の製造方法は、上記の方法により得られた繊維構造物を、繊維構造物と反応可能な2官能基以上の官能基を有するモノマーで処理することを特徴としている。
ここでいうモノマーとはポリ乳酸と反応可能な官能基を有するモノマーである。具体的にはポリ乳酸繊維の分子末端の水酸基やカルボキシル基と反応可能な官能基もしくはラジカル重合可能な官能基を有するモノマーのことであり、また、このモノマーは官能基を2個以上有することを特徴としている。
具体的な官能基の例としては、グリシジル基、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、オキサゾリン基、アミノ基等の官能基が挙げられ、その中でも反応性に優れる点からビニル基、グリシジル基が好適である。
また、具体的なモノマーの例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ジアリルイソシアヌレート、ジメタクリルイソシアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、モノアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノメタクリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジメタクリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、モノメタクリルジグリシジルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタクリルイソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられるが、ポリ乳酸繊維構造物と反応可能な2官能基以上の官能基を有していればこれに限るものではない。
処理液中のモノマーの添加量はポリ乳酸繊維構造物に対して5wt%以上200wt%以下が好ましく、更に好ましくは10wt%以上100wt%以下であることが好ましい。
本発明ではこのモノマー含有の処理液を用いてポリ乳酸繊維構造物を処理することを特徴としている。
ここでいう処理とはモノマーを含有した処理液をポリ乳酸繊維構造物に付与し熱処理することであり、浴中処理、パッド−ドライ処理、パッド−スチーム処理などで処理することができる。
処理温度や時間は浴中処理の場合、処理温度が80℃以上130℃以下で処理時間が30分〜2時間処理することが好ましい。また、パッド−ドライ処理では処理液のピックアップが30%以上であり、処理温度が80℃〜150℃以下で、処理時間が1分〜30分であることが好ましい。また、パッド−スチーム処理ではピックアップが30%以上であり、処理温度が80℃〜150℃以下で、処理時間が1分〜30分であることが好ましい。処理方法として好ましくは密閉系で処理を行った方が好適であるため、なかでも浴中処理が好適である。
また、本発明では処理液にラジカル開始剤を含有することが、ポリ乳酸とモノマーの反応性の点で好ましい。
ラジカル開始剤としては種々のものが使用できるが、特に有機過酸化物系のラジカル開始剤が反応性の観点から好ましい。具体的にはハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタノール、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド等が挙げられる。処理液中のラジカル開始剤の添加量はモノマーの添加量に対して1wt%〜100wt%の範囲が好ましく、更に好ましくは5wt%〜50wt%の範囲である。
また、本発明ではポリ乳酸繊維構造物とモノマーの反応効率を上げるために処理液中に浸透剤や膨潤剤を含んでも良い。浸透剤としては界面活性剤を用いて繊維表面あるいは内部を親水化もしくは疎水化させることでポリ乳酸繊維構造物と処理液の親和性を向上させることができ、陰イオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン界面活性剤などを使用することができる。膨潤剤としてはポリ乳酸繊維構造物の繊維構造を緩和し、ポリ乳酸繊維構造物へのモノマーの浸透を助長する効果がある。膨潤剤の具体的な例としては、一般的な溶剤が使用可能であるが中でもベンジルアルコール、N−Nジメチルホルムアミド(DMF)、アセトンなどが好ましい。
つまり、本発明のポリ乳酸繊維構造物は得られた繊維構造物をモノマー含有処理液で処理することから実質的に紡糸性の悪化や糸物性の低下が無く、また、コスト的にも低いため汎用性が高く、耐熱性が向上したポリ乳酸繊維構造物を得ることができるのである。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例における各測定及び評価は次の通り行った。
<ゲル分率の測定>
下記の条件で容器に入れて密閉処理し、ゲル分率を測定した。
振とう恒温槽:NISSIN INCUBATOR SN−200SD
溶媒:塩化メチレン
濾紙:東洋濾紙社製circle70mmのNo.5C
処理温度:25℃
処理時間:24時間
ポリ乳酸繊維構造物:1g
塩化メチレン添加量:200g
<DSC測定>
下記の条件で行い、得られたDSCカーブから融解熱量を求めた。
測定装置:TA Instruments社製dsc2920modulatedDSC)
昇温速度:20℃/min
試料量:5〜20mg
<アイロン耐熱性>
下記の条件でポリ乳酸繊維構造物にアイロンの自重1.5kgの負荷をかけて処理した。
アイロン温度:160℃
処理時間:10秒
評価基準:穴あきが起こる場合は×、穴あきが起こらない場合は○として評価した。
実施例1
L−ラクチドに対しオクチル酸錫を150ppm混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中で192℃で10分間重合し、更に二軸押し出し機にてチップ化後、140℃の窒素雰囲気中で固相重合して重量平均分子量15.1万のポリ−L−乳酸ポリマーを得た。その後、紡糸機としてプレッシャーメルター型の溶融紡糸機を用いて紡糸温度210℃の条件で溶融し、0.3φの吐出孔を12個もつ口金から吐出させ、1000m/minで巻き取り未延伸糸を得た。この未延伸糸をそれぞれ80℃と100℃の2対のネルソンローラーを用いて1段延伸を行い延伸糸を巻き取った。その後ヨコ糸に167dtex、48フィラメントのポリ乳酸繊維からなるブレリア加工糸、タテ糸に56dtex、48フィラメントのポリ乳酸繊維からなるウーリー加工糸を配した、タテ密度76本/2.54センチ、ヨコ密度68本/2.54センチの平織組織のトロピカル布帛を得た。その後モノマーとしてメタクリル酸グリシジルをポリ乳酸繊維構造物に対して100wt%、ラジカル開始剤としてベンゾイルパーオキサイドをモノマーに対して50wt%、膨潤剤としてベンジルアルコールを処理液濃度として1wt%の構成の処理液を作製し、テクサム製ミニカラー染色機にて130℃、1時間、浴比1:50の条件で処理を行った。その後、80℃の熱水で洗浄し、100℃、2時間の条件で残存するベンジルアルコールを揮発させると共に乾燥した。乾燥したポリ乳酸繊維構造物について前記した条件でゲル分率を測定すると71.3%であった。次にDSCにより融解熱量を測定すると45.8J/gであった。次に前記した条件でアイロン耐熱性を評価すると処理後のポリ乳酸繊維構造物には穴あきが無く、良好な耐熱性を有していた。
実施例2
モノマーとしてアクリル酸グリシジルを用いた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は69.8%であり融解熱量は48.2J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例3
モノマーとしてトリアリルイソシアヌレートを用いた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は58.2%であり融解熱量は52.9J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例4
モノマーとして、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は52.1%であり融解熱量は61.5J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例5
モノマーとしてトリメタクリルイソシアヌレートを用いた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は55.1%であり融解熱量は55.3J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例6
モノマーとして、ジメタクリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いた以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は50.1%であり融解熱量は63.3J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例7
モノマーとしてメタクリル酸グリシジルをポリ乳酸繊維構造物に対して50wt%に変更した以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は44.1%であり融解熱量は64.8J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例8
モノマーとしてアクリル酸グリシジルをポリ乳酸繊維構造物に対して50wt%に変更した以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は42.7%であり融解熱量は66.2J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
実施例9
実施例1と同様にして得られたポリ−L−乳酸95部と重量平均分子量が30.2万のPURAC社製ポリ−D−乳酸を5部の割合でチップブレンドした後、二軸混練押し出し機にて溶融混練、チップ化してポリ−L−乳酸:ポリ−D−乳酸=95:5のポリマーを得た。その後、紡糸温度を260℃に変更した以外は実施例1と同様にして処理した。
その結果、ゲル分率は80.2%であり融解熱量は45.4J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると穴あきが無く良好な耐熱性を有していた。
比較例1
モノマー処理液での処理を行わなかった以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸繊維構造物を得た。
その結果、ゲル分率は0.2%であり、融解熱量は85.9J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると容易に溶融し、穴あきが起こり耐熱性が低かった。
比較例2
モノマーとしてメタクリル酸メチルをポリ乳酸繊維構造物に対して10wt%に変更した以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は4.5%であり、融解熱量は84.3J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると容易に溶融し、穴あきが起こり耐熱性が低かった。
比較例3
モノマーとしてアクリル酸メチルをポリ乳酸繊維構造物に対して10wt%に変更した以外は実施例1と同様にして処理を行った。
その結果、ゲル分率は5.1%であり、融解熱量は81.1J/gであった。また、アイロン耐熱性を評価すると容易に溶融し、穴あきが起こり耐熱性が低かった。
Figure 2005200775

Claims (5)

  1. ポリ乳酸を主成分としてなる繊維構造物において、塩化メチレン溶剤に24時間浸漬後のゲル分率が10%以上であることを特徴とするポリ乳酸繊維構造物。
  2. 該繊維構造物のDSC(示差走査型熱量)測定における融点由来の融解熱量が80J/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸繊維構造物。
  3. ポリ乳酸を主成分としてなる繊維構造物を、ポリ乳酸と反応可能な2官能基以上の官能基を有するモノマーで処理することを特徴とする請求項1もしくは2に記載のポリ乳酸繊維構造物の製造方法。
  4. 該モノマーが1種以上のビニル基および/またはグリシジル基を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸繊維構造物の製造方法。
  5. 該繊維構造物をラジカル開始剤を含有する処理液で処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸繊維構造物の製造方法。
JP2004005371A 2004-01-13 2004-01-13 ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法 Pending JP2005200775A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005371A JP2005200775A (ja) 2004-01-13 2004-01-13 ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005371A JP2005200775A (ja) 2004-01-13 2004-01-13 ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005200775A true JP2005200775A (ja) 2005-07-28

Family

ID=34819725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004005371A Pending JP2005200775A (ja) 2004-01-13 2004-01-13 ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005200775A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255500A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Univ Of Fukui ポリ乳酸繊維構造材の改質処理方法
CN113026129A (zh) * 2021-03-23 2021-06-25 苏州盟红新材料科技有限公司 一种高耐热聚乳酸纤维的热定型方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008255500A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Univ Of Fukui ポリ乳酸繊維構造材の改質処理方法
CN113026129A (zh) * 2021-03-23 2021-06-25 苏州盟红新材料科技有限公司 一种高耐热聚乳酸纤维的热定型方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4655342B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物および成形品
JP3440915B2 (ja) ポリ乳酸樹脂および成形品
JP5023065B2 (ja) ポリ乳酸繊維およびその製造方法
JP4423882B2 (ja) ポリ乳酸繊維
Rigotti et al. Novel biobased polylactic acid/poly (pentamethylene 2, 5-furanoate) blends for sustainable food packaging
JP4856913B2 (ja) 高強度ポリ乳酸繊維とその製造方法
WO2008120807A1 (ja) ポリ乳酸組成物およびそれよりなる繊維
JP2002030523A (ja) ポリ乳酸繊維
JP4605640B2 (ja) ポリ乳酸繊維の製造方法
Pan et al. A clean approach for potential continuous mass production of high-molecular-weight polylactide fibers with fully stereo-complexed crystallites
JP2001323056A (ja) 脂肪族ポリエステル樹脂および成形品
JP2006233375A (ja) 合成繊維、およびそれからなる繊維構造体
JP2005200775A (ja) ポリ乳酸繊維構造物およびその製造方法
JPH0748769A (ja) 分解性不織布およびその製造方法
JP3585663B2 (ja) 生分解性モノフィラメントの製造方法
Han et al. An efficient way to change surface properties of poly (l-lactic acid) by synthesis of polycaprolactone grafted fluoropolyacrylate
JP2005126701A (ja) ポリ乳酸系重合体組成物からなる成形品
JP2005350829A (ja) 耐加水分解性に優れたポリ乳酸繊維
JP3614020B2 (ja) 脂肪族ポリエステルマルチフィラメントの製造方法
Piegat et al. Poly (ethylene terephthalate) modification with the monomer from renewable resources
JP3729062B2 (ja) 植生ネット
JP5170359B2 (ja) 樹脂組成物及び成形体
JP5155095B2 (ja) ポリ乳酸繊維
JP2003227036A (ja) ポリマーアロイ繊維
JP2010111764A (ja) 常圧カチオン可染性ポリエステル樹脂組成物およびその繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070110

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090723

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090804

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20091001

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A02 Decision of refusal

Effective date: 20100309

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02