JP2005200692A - カチオン電着塗膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被塗物へのつきまわり性が向上し、かつガスピンホールの発生が抑制された、電着塗膜の形成方法を提供すること。
【解決手段】 平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を塗料固形分に対し1〜30重量%の量で含有するカチオン電着塗料中に被塗物を浸漬した後、電着塗装することを特徴とする、ガスピン欠陥の少ない電着塗膜の形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、被塗物へのつきまわり性が向上し、かつガスピンホールの発生が抑制された、カチオン電着塗膜の形成方法に関する。
カチオン電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、特に自動車車体等の大型で複雑な形状を有する被塗物の下塗り塗装方法として広く実用化されている。カチオン電着塗装は、カチオン電着塗料中に被塗物を陰極として浸漬させ、電圧を印加することにより行なわれる。
カチオン電着塗装の過程における塗膜の析出は電気化学的な反応によるものであり、電圧の印加により、被塗物表面に塗膜が析出する。析出した塗膜は絶縁性を有するので、塗装過程において、塗膜の析出が進行して析出膜の増加するのに従い、塗膜の電気抵抗は大きくなる。その結果、塗膜が析出した部位での塗料の析出は低下し、代わって、未析出部位への塗膜の析出が始まる。このようにして、順次被塗物に塗料固形分が析出して塗装を完成させる。本明細書中、被塗物の未着部位に塗膜が順次形成される性質をつきまわり性という。
電着塗装において、十分な膜厚を確保するために単に塗膜の電気抵抗値を上げたりすると、電着時に発生した水素ガスが原因と見られる「ガスピンホール」(ガスピンと略称する。)が発生して、塗膜外観の悪化が起こり好ましくない。
例えば特開2002−060680号公報(特許文献1)には、つきまわり性、耐ガスピン性、及びハジキ性等に優れるカチオン電着塗料組成物として、中和剤として含まれる有機酸の総量を特定する等を行なったカチオン電着塗料組成物が開示されている。
特開2002−060680号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、被塗物へのつきまわり性が向上し、かつガスピンホールの発生が抑制された、カチオン電着塗膜の形成方法を提供することにある。
本発明は、平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を塗料固形分に対し1〜30重量%の量で含有するカチオン電着塗料中に被塗物を浸漬した後、電着塗装することを特徴とする、ガスピン欠陥の少ないカチオン電着塗膜の形成方法を提供するものである。
また、本発明は、平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を塗料固形分に対し1〜30重量%の量で含有するカチオン電着塗料中に被塗物を浸漬した後、電着塗装することを特徴とする、電着塗膜のガスピン欠陥を抑制する方法を提供するものである。
本発明のカチオン電着塗装方法で使用されるカチオン電着塗料組成物は、平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を、塗料固形分に対して1〜30重量%の量で含む。この範囲の平均粒径を有する樹脂微粒子を使用することにより、ガスピン欠陥が抑制され、かつ、電着塗膜の被塗物へのつきまわり性も向上する。さらに、使用する樹脂微粒子の平均粒径およびカチオン電着塗料組成物の塗料固形分に対する樹脂微粒子の濃度の選択により、得られる硬化塗膜のグロスを所望の値に制御することができる。
本発明では、特定の平均粒径を有する樹脂微粒子を特定量配合することにより、つきまわり性とガスピン性(ガスピンが起こる性能)を改善する。改善が起こる理由は必ずしも限定的ではないが、以下の様に理解できる。図1には、樹脂微粒子が含まれている電着塗料組成物から形成された塗膜の状態の模式図を示している。図1において、1は被塗物を示し、3は電着により形成された塗膜をあらわす。塗膜3内には、樹脂微粒子2がいくつか存在し、その粒子の間隙4は電気的な導通と、水素ガスの逃げ道4を形成する。この間隙の存在が、通電量の確保によるつきまわり性の向上および水素ガスが膜外に出ることによるガスピン性の改善をもたらすものと考えられる。また、樹脂微粒子が含まれることによって、析出した電着塗膜の電気抵抗値が高くなり、それによってつきまわり性も向上する。以下、本発明で使用される、特定の樹脂微粒子を含むカチオン電着塗料組成物について説明してゆく。
カチオン電着塗料組成物
本発明の方法に使用されるカチオン電着塗料組成物は、水性媒体、水性媒体中に分散するか又は溶解した、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂、中和酸、有機溶媒および樹脂微粒子を含有する。このカチオン電着塗料組成物はさらに、顔料を含んでもよい。
樹脂微粒子
本発明の方法に使用されるカチオン電着塗料組成物は、樹脂微粒子を含有する。本明細書中の樹脂微粒子は、粒子内に架橋構造を有していてもよく、その架橋は分子内、分子間およびその混合のいずれでもよい。樹脂微粒子として、一般に、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビニルなどの有機高分子系の微粒子、およびシリコーンやフッ素などの無機成分を含有する樹脂微粒子が含まれる。
好ましい樹脂微粒子として、アクリル樹脂、塩化ビニル、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース、ポリエチレン、メラミン、ベンゾグアナミン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート等の樹脂微粒子が挙げられる。
アクリル樹脂の微粒子を使用する場合、架橋アクリル樹脂の微粒子を使用するのがより好ましい。架橋アクリル樹脂を使用することにより、硬化塗膜の機械的強度および耐溶剤性が改善され得るからである。
本発明で使用される樹脂微粒子の平均粒径は0.5〜20μmであり、好ましくは1〜10μmである。樹脂微粒子の平均粒径が0.5μm未満である場合は、ガスピン性の改善が得られないおそれがある。一方、樹脂微粒子の平均粒径が20μmを超える場合は、つきまわり性が劣り、また均一な膜厚の塗膜が得られないことがある。
平均粒径とは、一般に粒子の粒度(粒径が粗いか細かいか)を表わすために用いられ、重量50%に相当するメジアン径や算術平均径、表面積平均径、体積面積平均径などが使用される。本発明に用いる樹脂微粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により測定されるメジアン径を示す。
カチオン電着塗料組成物の塗料固形分に対する樹脂微粒子の濃度は、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。樹脂微粒子の濃度が30重量%を超える場合は、つきまわり性が劣るおそれがある。また、樹脂微粒子の濃度が1重量%を下まわる場合は、ガスピン性の改善が得られない。
好ましい樹脂微粒子として、積水化成品工業社製、商品名「テクポリマー」シリーズ、および綜研化学社製、商品名「ケミスノー」などが挙げられる。
樹脂微粒子を予め高濃度で水性媒体に分散させてペースト状(樹脂微粒子分散ペースト)にすることにより、電着塗料組成物に樹脂微粒子を低濃度均一状態に分散させるのが容易となる。さらに、水性媒体中に分散または溶解可能な顔料分散樹脂で樹脂微粒子を分散させることにより、樹脂微粒子の表面が顔料分散樹脂に覆われると考えられる。これにより樹脂微粒子はイオン化され、電着塗料組成物中では安定に分散し、また電着塗装工程においては、電圧の印加により樹脂微粒子が析出し易くなると考えられる。
樹脂微粒子分散ペーストは、例えば、樹脂微粒子を顔料分散樹脂ワニスに投入し、攪拌混合機などを用いて1〜30分間混合して調製してよい。顔料分散樹脂ワニスとは、顔料分散樹脂を水性媒体中に分散させたものである。顔料分散樹脂としては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性媒体としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。一般に、顔料分散樹脂は、樹脂微粒子100質量部に対して固形分比5〜100質量部の量で用いる。
顔料等の粉体を液状物に分散させる場合、均一な分散物を得るために、ボールミルやサンドグラインドミル等の分散装置が用いられることが多いが、樹脂微粒子分散ペーストの調製においてはこれらの分散装置を使用するのは好ましくない。分散手順における樹脂微粒子の耐久性は、顔料として一般的に使用される無機粉体などと比べて劣るためである。
樹脂微粒子は、このようにあらかじめ分散ペーストの形態に調製して使用してよく、又は顔料分散ペーストを調製する際に顔料と共に分散させて使用してよい。さらに、懸濁重合法により調製した樹脂微粒子を使用する場合は、懸濁状態(スラリー状)のまま、直接塗料組成物の調製に使用することもできる。その他、界面活性剤を含む水性媒体中に樹脂微粒子を分散させた状態で、塗料組成物の調製に使用することもできる。
カチオン性エポキシ樹脂
本発明で用いるカチオン性エポキシ樹脂には、アミンで変性されたエポキシ樹脂が含まれる。このカチオン性エポキシ樹脂は、特開昭54−4978号、同昭56−34186号などに記載されている公知の樹脂でよい。
カチオン性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例はビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量180〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコート807、(同、エポキシ当量170)などがある。
特開平5−306327号公報に記載される、下記式
Figure 2005200692
[式中、Rはジグリシジルエポキシ化合物のグリシジルオキシ基を除いた残基、R’はジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基、nは正の整数を意味する。]で示されるオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂をカチオン性エポキシ樹脂に用いてもよい。耐熱性及び耐食性に優れた塗膜が得られるからである。
エポキシ樹脂にオキサゾリドン環を導入する方法としては、例えば、メタノールのような低級アルコールでブロックされたブロックイソシアネート硬化剤とポリエポキシドを塩基性触媒の存在下で加熱保温し、副生する低級アルコールを系内より留去することで得られる。
特に好ましいエポキシ樹脂はオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂である。耐熱性及び耐食性に優れ、更に耐衝撃性にも優れた塗膜が得られるからである。
二官能エポキシ樹脂とモノアルコールでブロックしたジイソシアネート(すなわち、ビスウレタン)とを反応させるとオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂が得られることは公知である。このオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂の具体例及び製造方法は、例えば、特開2000−128959号公報第0012〜0047段落に記載されており、公知である。
これらのエポキシ樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、および単官能性のアルキルフェノールのような適当な樹脂で変性しても良い。また、エポキシ樹脂はエポキシ基とジオール又はジカルボン酸との反応を利用して鎖延長することができる。
これらのエポキシ樹脂は、開環後0.3〜4.0meq/gのアミン当量となるように、より好ましくはそのうちの5〜50%が1級アミノ基が占めるように活性水素化合物で開環するのが望ましい。
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物としては1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩、スルフィド及び酸混合物がある。1級、2級又は/及び3級アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するためには1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物として用いる。
具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などのほか、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの1級アミンをブロックした2級アミンがある。アミン類は複数の種類を併用して用いてもよい。
ブロックイソシアネート硬化剤
本発明のブロックイソシアネート硬化剤で使用するポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれであってもよい。
ポリイソシアネートの具体例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等のような炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4´−ジイソシアネート、及び1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートとも称される。)等のような炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のような芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カーボジイミド、ウレトジオン、ウレトンイミン、ビューレット及び/又はイソシアヌレート変性物);等があげられる。これらは、単独で、または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの多価アルコールとNCO/OH比2以上で反応させて得られる付加体ないしプレポリマーもブロックイソシアネート硬化剤に使用してよい。
ブロック剤は、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。
ブロック剤としては、通常使用されるε−カプロラクタムやブチルセロソルブ等を用いることができる。
顔料
本発明で用いられる電着塗料組成物には通常用いられる顔料を含有させてもよい。但し、本明細書でいう「顔料」には、前述の樹脂微粒子は含まれない。このような顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
このような顔料は、カチオン電着塗料組成物の塗料固形分に対して0〜40重量%、好ましくは0〜30重量%の濃度で含有させることができる。顔料濃度が上記範囲外である場合は、塗膜の外観、特に水平外観が低下するおそれがある。
顔料を電着塗料の成分として用いる場合、一般に顔料を予め高濃度で水性媒体に分散させてペースト状(顔料分散ペースト)にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂ワニスと共に水性媒体中に分散させて調製する。顔料分散樹脂としては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性媒体としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。
一般に、顔料分散樹脂は、顔料100質量部に対して固形分比20〜100質量部の量で用いる。顔料分散樹脂ワニスと顔料とを混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の通常の分散装置を用いて分散させて、顔料分散ペーストを得る。
本発明で使用されるカチオン電着塗料組成物は、上記成分の他に、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドなどの有機錫化合物、N−メチルモルホリンなどのアミン類、酢酸鉛、ストロンチウム、コバルト、銅などの金属塩を触媒として含んでもよい。これらは、硬化剤のブロック剤解離のための触媒として作用し得る。触媒の濃度は、電着塗料組成物中のカチオン性エポキシ樹脂と硬化剤合計の100固形分質量部に対して0.1〜6質量部であるのが好ましい。
カチオン電着塗料組成物の調製
本発明のカチオン電着塗料組成物は、上に述べたカチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、樹脂微粒子分散ペースト、および必要に応じた顔料分散ペーストおよび触媒を、水性媒体中に分散させることによって調製することができる。また、通常、水性媒体にはカチオン性エポキシ樹脂を中和して分散性を向上させるために中和酸を含有させる。中和酸は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸、アセチルグリシン等の無機酸または有機酸である。本明細書中における水性媒体とは、水か、水と有機溶剤との混合物である。水としてイオン交換水を用いるのが好ましい。使用しうる有機溶剤の例としては炭化水素類(例えば、キシレンまたはトルエン)、アルコール類(例えば、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール)、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン)、エステル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)またはそれらの混合物が挙げられる。
ブロックイソシアネート硬化剤の量は、硬化時にカチオン性エポキシ樹脂中の1級、2級アミノ基、水酸基、等の活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分でなければならず、一般にカチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分重量比(エポキシ樹脂/硬化剤)で表して一般に90/10〜50/50、好ましくは80/20〜65/35の範囲である。中和酸の量はカチオン性エポキシ樹脂のカチオン性基の少なくとも20%、好ましくは30〜60%を中和するのに足りる量である。
有機溶媒はカチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、樹脂微粒子等の樹脂成分を調製する際に溶剤として必ず必要であり、完全に除去するには煩雑な操作を必要とする。また、バインダー樹脂に有機溶媒が含まれていると造膜時の塗膜の流動性が改良され、塗膜の平滑性が向上する。
塗料組成物に通常含まれる有機溶媒としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
カチオン電着塗料組成物は、上記成分のほかに、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤など、通常使用される塗料用添加剤を含むことができる。
カチオン電着組成物の塗装方法
上記カチオン電着塗料組成物は被塗物に電着塗装され、電着塗膜を形成する。被塗物としては導電性のあるものであれば特に限定されず、例えば、鉄板、鋼板、アルミニウム板及びこれらを表面処理したもの、これらの成型物等を挙げることができる。
カチオン電着塗料組成物の電着塗装は、被塗物を陰極として陽極との間に、通常、50〜450Vの電圧を印加して行う。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となり、450Vを超えると、塗膜が破壊され異常外観となる。電着塗装時、塗料組成物の浴液温度は、通常10〜45℃に調節される。
電着過程は、カチオン電着塗料組成物に被塗物を浸漬する過程、及び、上記被塗物を陰極として陽極との間に電圧を印加し、被膜を析出させる過程、から構成される。また、電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2〜4分とすることができる。電着過程の終了後、そのまま又は水洗した後、120〜260℃、好ましくは140〜220℃で、10〜30分間焼き付けることにより硬化塗膜が得られる。得られる膜厚は硬化塗膜で5〜80μm、特に15〜25μmの範囲内にあることが好ましい。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準による。
製造例1 ブロックイソシアネート硬化剤の製造
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(コロネートHX:日本ポリウレタン(株)製)199部とメチルイソブチルケトン32部、およびジブチルスズジラウレート0.03部を秤りとり、攪拌、窒素をバブリングしながら、メチルエチルケトオキシム87.0部を滴下ロートより1時間かけて滴下した。温度は50℃からはじめ70℃まで昇温した。そのあと1時間反応を継続し、赤外線分光計によりNCO基の吸収が消失するまで反応させた。その後n−ブタノール0.74部、メチルイソブチルケトン39.93部を加え、不揮発分80%とした。
製造例2 アミン変性エポキシ樹脂エマルションの製造
攪拌機、冷却器、窒素注入管および滴下ロートを取り付けたフラスコに、2,4/2,6−トリレンジイソシアネート(80/20wt%)71.34部と、メチルイソブチルケトン111.98部と、ジブチルスズジラウレート0.02部を秤り取り、攪拌、窒素バブリングしながらメタノール14.24部を滴下ロートより30分かけて滴下した。温度は室温から発熱により60℃まで昇温した。その後30分間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル46.98部を滴下ロートより30分かけて滴下した。発熱により70〜75℃へ昇温した。30分間反応を継続した後、ビスフェノールAプロピレンオキシド(5モル)付加体(三洋化成工業(株)製BP−5P)41.25部を加え、90℃まで昇温し、IRスペクトルを測定しながらNCO基が消失するまで反応を継続した。
続いてエポキシ当量475のビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成(株)製YD−7011R)475.0部を加え、均一に溶解した後、130℃から142℃まで昇温し、MIBKとの共沸により反応系から水を除去した。125℃まで冷却した後、ベンジルジメチルアミン1.107部を加え、脱メタノール反応によるオキサゾリドン環形成反応を行った。反応はエポキシ当量1140になるまで継続した。
その後100℃まで冷却し、N−メチルエタノールアミン24.56部,ジエタノールアミン11.46部およびアミノエチルエタノールアミンケチミン(78.8%メチルイソブチルケトン溶液)26.08部を加え、110℃で2時間反応させた。その後エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル20.74部とメチルイソブチルケトン12.85部を加えて希釈し、不揮発物82%に調節した。数平均分子量(GPC法)1380、アミン当量94.5meq/100gであった。
別の容器にイオン交換水145.11部と酢酸5.04部を秤り取り、70℃まで加温した上記アミン変性エポキシ樹脂320.11部(固形分として75.0部)および製造例1のブロックイソシアネート硬化剤190.38部(固形分として25.0部)の混合物を徐々に滴下し、攪拌して均一に分散させた。そのあとイオン交換水を加え固形分36%に調整した。
製造例3 顔料分散樹脂ワニスの製造
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコに、エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J)382.20部と、ビスフェノールA111.98部を秤り取り、80℃まで昇温し、均一に溶解した後、2−エチル−4−メチルイミダゾール1%溶液1.53部を加え、170℃で2時間反応させた。140℃まで冷却した後、これに2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネート(不揮発分90%)196.50部を加え、NCO基が消失するまで反応させた。これにジプロピレングリコールモノブチルエーテル205.00部を加え、続いて1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール408.00部、ジメチロールプロピオン酸134.00部を添加し、イオン交換水144.00部を加え、70℃で反応させた。反応は酸価が5以下になるまで継続した。得られた樹脂ワニスはイオン交換1150.50部で不揮発分35%に希釈した。
製造例4 顔料分散ペーストの製造
サンドグラインドミルに製造例3で得た顔料分散樹脂ワニスを120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン72.0部、ジブチルスズオキシド8.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水184部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。
製造例5 樹脂微粒子分散ペーストの製造
樹脂微粒子(積水化成品工業社製、商品名「テクポリマーMBX−5」)100.0部と製造例3のカチオン性顔料分散樹脂ワニス85.7部と脱イオン水464.3部との混合物を20分攪拌し、樹脂微粒子分散ペーストを得た(固形分20%)。
製造例6 アクリル樹脂微粒子(ミクロゲル)の製造
反応容器に、脱イオン水200部を加え、75℃で加熱攪拌した。ここに2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)1部の酢酸100%中和水溶液を5分かけて滴下した。5分間エージングした後、メチルメタクリレート10部を5分かけて滴下した。さらに5分間エージングした後、ノニオン性乳化剤アクアロンRN-20(第一工業製薬社製ノニオン型乳化剤)1部と脱イオン水200部とを混合した水溶液にメタクリル酸メチル(MMA)40部、アクリル酸n-ブチル(NBA)40部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDM)10部からなるα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を加え攪拌して得られたプレエマルションを40分かけて滴下した。60分間エージングした後、冷却し、架橋アクリル樹脂微粒子の分散液を得た。得られた架橋樹脂微粒子の分散液の不揮発分は20%、pHは5.2、平均粒子径は100nmであった。
実施例1
表1に記載の塗料固形分に対する樹脂微粒子濃度になるように製造例2の樹脂エマルションと製造例5の樹脂微粒子分散ペーストを混合し、カチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の全固形分は20.0%で、全固形分中の樹脂微粒子濃度は5.0%であった。尚、各成分の重量比率および使用する樹脂微粒子の平均粒子径は、以下の各実施例および比較例において表1に示すように変化させた。
こうして得られたカチオン電着塗料組成物について、以下の方法により評価を行なった。
つきまわり性
つきまわり性は、いわゆる4枚ボックス法により評価した。すなわち、図2に示すように、4枚のリン酸亜鉛処理鋼板(JIS G 3141 SPCC-SDのサーフダインSD-5000(日本ペイント社製)処理)11〜14を、立てた状態で間隔20mmで平行に配置し、両側面下部および底面を布粘着テープ等の絶縁体で密閉したボックス10を調製した。なお、鋼板14以外の鋼板11〜13には下部に8mmφの貫通穴15が設けられている。
カチオン電着塗料4リットルを塩ビ製容器に移して第1の電着浴とした。図3に示すように、上記ボックス10を、被塗装物として電着塗料21を入れた電着塗装容器20内に浸漬した。この場合、各貫通穴15からのみ塗料21がボックス10内に侵入する。
マグネチックスターラー(非表示)で塗料21を撹拌した。そして、各鋼板11〜14を電気的に接続し、最も近い鋼板11との距離が150mmとなるように対極22を配置した。各鋼板11〜14を陰極、対極22を陽極として電圧を印加して、鋼板にカチオン電着塗装を行った。塗装は、印加開始から5秒間で鋼板11のA面に形成される塗膜の膜厚が20μmに達する電圧まで昇圧し、その後175秒間その電圧を維持することにより行った。このときの浴温は30℃に調節した。
塗装後の各鋼板は、水洗した後、170℃で25分間焼き付けし、空冷後、対極22に最も近い鋼板11のA面に形成された塗膜の膜厚と、対極22から最も遠い鋼板14のG面に形成された塗膜の膜厚とを測定し、膜厚(G面)/膜厚(A面)の比(G/A値)によりつきまわり性を評価した。この値が大きいほどつきまわり性が良いと評価できる。
ガスピン性
溶融亜鉛冷却鋼板に、200V、220V、240V、260V、280Vへそれぞれ5秒で昇圧後、175秒で電着した後、水洗し、170℃で25分間焼き付けた。試験板の塗面状態を観察し、ガスピンホールの有無を調べた。ガスピンホールが発生した電圧が高いほど、ガスピン性が良い、つまりガスピン性が改善されていると評価できる。
膜抵抗値
浴温30℃において、厚さ20μmの塗膜を電着塗装した。この塗装における塗装電圧および電着終了時の残余電流を測定し、これらの値から膜抵抗値(kΩ・cm)を算出した。
実施例2
実施例1における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、「テクポリマーMBX−15」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、実施例1と同様の手法で表1に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例3
表1に記載の塗料固形分に対する顔料濃度および樹脂微粒子濃度になるように製造例2の樹脂エマルションと製造例4の顔料分散ペーストおよび製造例5の樹脂微粒子分散ペーストを混合し、カチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の全固形分は20.0%であり、全固形分中の樹脂微粒子濃度は15.0%であった。尚、各成分の重量比率および使用する樹脂微粒子の平均粒子径は、以下の各実施例および比較例において表1に示すように変化させた。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例3における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、綜研化学社製「ケミスノーMR−2G」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、実施例3と同様の手法で表1に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例5
実施例3における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、「テクポリマーSBX−12」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、実施例3と同様の手法で表1に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例6
実施例3における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、「テクポリマーMBX−20」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、実施例3と同様の手法で表1に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例7
実施例3における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、「テクポリマーSBX−6」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、顔料濃度10.0%、樹脂微粒子濃度10.0%になるように、実施例3と同様の手法で表1に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
実施例8
実施例3における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、綜研化学社製「ケミスノーSX−350H」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、顔料濃度20.0%、樹脂微粒子濃度10.0%になるように、実施例3と同様の手法で表1に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例3と同様に、表2に記載の塗料固形分に対する顔料濃度およびアクリル樹脂微粒子濃度になるように製造例2の樹脂エマルションと製造例4の顔料分散ペーストおよび製造例6のアクリル樹脂微粒子を混合し、カチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表2に示す。
比較例2
実施例3における製造例5で用いた「テクポリマーMBX−5」の代わりに、「テクポリマーMB20X−30」を用いて製造例5と同様にして樹脂微粒子分散ペーストを製造し、実施例3と同様の手法で表2に従ってカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表2に示す。
比較例3
実施例3と同様に、表2に記載のように塗料固形分に対する樹脂微粒子濃度が全固形分の0.5%になるように、同様の手法でカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表2に示す。
比較例4
実施例3と同様に、表2に記載のように塗料固形分に対する樹脂微粒子濃度が全固形分の40.0%になるように、同様の手法でカチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20.0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表2に示す。
比較例5
表2に記載の塗料固形分に対する顔料濃度度になるように製造例2の樹脂エマルションと製造例4の顔料分散ペーストを混合し、カチオン電着塗料組成物を得た。得られたカチオン電着塗料組成物の全固形分は20.0%で、全固形分中の顔料濃度は5.0%で、樹脂微粒子濃度は0%であった。こうして得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行なった。評価結果を表2に示す。
Figure 2005200692
Figure 2005200692
上記実施例および比較例の結果から明らかであるように、カチオン電着塗装において、平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を樹脂微粒子濃度1〜30重量%の量で含む電着塗料組成物を使用することによって、電着塗料組成物のガスピン性が改善される、この範囲の平均粒径を有する樹脂微粒子を特定量使用することにより、電着塗膜の焼付け時において発生し得る水素ガスなどの逃げ道が、電着塗膜中に確保されるためと考えられる。このルートはさらに、電圧印加時の電気的な導通にもなると考えられ、これにより電着塗膜の被塗物へのつきまわり性も向上すると考えられる。また、これらの樹脂微粒子を含むことによって膜抵抗値も高くなっており(比較例3および5参照)、つきまわり性が向上している。
樹脂微粒子が含まれる電着塗料組成物から形成された塗膜の状態の模式図である。 つきまわり性を評価する際に用いるボックスの一例を示す斜視図である。 つきまわり性の評価方法を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…被塗物、
2…樹脂微粒子、
3…塗膜、
4…間隙、
10…ボックス、
11〜14…リン酸亜鉛処理鋼板、
15…貫通穴、
20…電着塗装容器、
21…電着塗料、
22…対極。

Claims (2)

  1. 平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を塗料固形分に対し1〜30重量%の量で含有するカチオン電着塗料中に被塗物を浸漬した後、電着塗装することを特徴とするガスピン欠陥の少ないカチオン電着塗膜の形成方法。
  2. 平均粒径0.5〜20μmを有する樹脂微粒子を塗料固形分に対し1〜30重量%の量で含有するカチオン電着塗料中に被塗物を浸漬した後、電着塗装することを特徴とする電着塗膜のガスピン欠陥を抑制する方法。
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WO2008050797A1 (fr) * 2006-10-25 2008-05-02 Nippon Paint Co., Ltd. Composition de revêtement pour électrodéposition cationique et son application

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