JP2005200608A - 色素含有ポリシロキサン、その製造方法、色素含有フィルム及びディスプレイ用前面板 - Google Patents

色素含有ポリシロキサン、その製造方法、色素含有フィルム及びディスプレイ用前面板 Download PDF

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Tomohito Yuasa
智仁 湯浅
Kyosuke Suzuki
恭介 鈴木
Kenichi Kurumada
研一 車田
Keiji Igarashi
啓二 五十嵐
Yoshihiro Kamimura
佳大 上村
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Abstract

【課題】 経時的な色彩変化がなく、また、機能の低下または消失がない色素含有材料を提供する。
【解決手段】 平均粒径が10nm〜400nmのポリシロキサンを主成分とする粒子において、その粒子内に色素がポリシロキサン100重量部に対して1〜50重量部内包されている色素含有ポリシロキサン。色素としては、560〜620nmに極大吸収波長を持つ、ポルフィリン化合物、キナクリドン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物の中から選ばれる1種または2種以上の色素、800〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を持つ、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、ニッケルジチオール化合物及びフタロシアニン化合物の中から選ばれる1種または2種以上の近赤外吸収色素等がある。形状が粒子状等がある。
【選択図】 なし





Description

本発明は、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤等の有機色素を含有するポリシロキサン、その製造方法、有機色素含有フィルム及びディスプレイ用前面板に関する。
近年、プラズマディスプレイ等のディスプレイの普及に伴い、それらから発生発射される近赤外線及び電磁波が他の機器の誤作動をまねくことが憂慮されている。その影響を防止するため、近赤外線を遮断することが要求され、それらのディスプレイ等に適用されるフィルターまたはフイルムが種々提案されている。
近赤外線光をカットするフィルターまたはフイルムが、樹脂に近赤外線吸収色素を混練し加熱成形する方法、近赤外線吸収色素の存在下に樹脂モノマーをキャスト重合する方法、近赤外線吸収色素を含む塗料を透明樹脂版、透明樹脂フイルム、透明ガラス版に塗布する方法、近赤外線吸収色素を含む接着剤に含有させて合わせ樹脂板、合わせ樹脂フイルム、合わせガラス等を作製する方法により製造することが提案されている(特許文献1参照)。また、プラズマディスプレイ用の反射防止フイルムの透明支持体に赤外線吸収染料とバインダーを含む赤外線吸収層を積層することが知られている(特許文献2参照)。
また、プラズマディスプレイは発光するときに、セル中のネオンに由来する発光が可視領域でみられ、色純度の低下がみられる。このため、赤色をより鮮明に見せるために590nm付近の光の吸収が不可欠となっている。
また、赤色光の色調補正についても、同様の手法により色純度を低下させる不要光を吸収する色素を含むフィルム及びその積層体が提案されている(特許文献3参照)。
上記の方法のように、従来近赤外線吸収色素またはネオン光吸収色素は、樹脂または接着剤に混合してフイルム化されて用いられるのが一般的であるが、経時的に色彩変化が現れ、また、吸収能が低下または消失するという問題があった。
特開平10−78509号公報(特許請求の範囲、第7〜9頁) 特開平10−180947号公報(第4頁、第27頁、第29頁) 特開2002−333517号公報(第14頁)
本発明は、経時的な色彩変化がなく、また、機能の低下または消失がない色素含有材料、その製造方法、それを含むフィルム及びこのフィルムを用いたディスプレイ用前面板を提供するものである。
本発明は、次のものに関する。
1. 平均粒径が10nm〜400nmのポリシロキサンを主成分とする粒子において、その粒子内に色素がポリシロキサン100重量部に対して1〜50重量部内包されている色素含有ポリシロキサン。
2. 色素が、560〜620nmに極大吸収波長を持つ、ポルフィリン化合物、キナクリドン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物の中から選ばれる1種または2種以上の色素であることを特徴とする項1に記載された色素含有ポリシロキサン。
3. 色素が近赤外線吸収剤であることを特徴とする項1に記載の色素含有ポリシロキサン。
4. 色素が800〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を持つ、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、ニッケルジチオール化合物及びフタロシアニン化合物の中から選ばれる1種または2種以上の近赤外吸収色素を含有することを特徴とする項3に記載された色素含有ポリシロキサン。
5. ポリシロキサンがアルコキシシランの縮合によって合成されたものであることを特徴とする項1〜4のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサン。
6. 形状が粒子状である項1〜5記載の色素含有ポリシロキサン。
7. アルコキシシランを酸で加水分解した後、色素を溶剤に溶解させた溶液を添加し、アルコキシシランを縮合させることを特徴とする色素含有ポリシロキサンの製造方法。
8. 縮合させるアルコキシシランとしてテトラエトキシシランを用いることを特徴とする項7記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
9. 有機色素を溶解させる溶剤として、アセトニトリルを用いることを特徴とする項7又は項8記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
10. 色素が560〜620nmに極大吸収波長を持つ、ポルフィリン化合物、キナクリドン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物の中から選ばれる1種または2種以上の色素であることを特徴とする項7〜9のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
11. 色素として近赤外線吸収剤を用いることを特徴とする項7〜10のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
12. 色素が800〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を持つ、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、ニッケルジチオール化合物、フタロシアニン化合物の中から選ばれる1種または2種以上の近赤外吸収色素を含有することを特徴とする項11に記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
13. 項1〜6のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサン及び樹脂を含む色素含有フィルム。
14. 項13に記載の色素含有フイルムを用いたディスプレイ用前面板。
本発明における色素含有ポリシロキサンは、空気、酸素、ラジカルといった外部環境に対して不安定な色素の安定性の向上させたものであり、色素の機能を安定的にはっきさせることができる。この色素含有ポリシロキサンは、塗料、接着剤、フイルムその他のための材料として有用である。
本発明における色素含有ポリシロキサンの製造方法では、このような色素含有ポリシロキサンを効率よく製造できる。上記の色素含有ポリシロキサンを含むフィルムは、その機能を安定的に発揮するので、近赤外線吸収能等の色素によって発揮される機能に優れ、それを安定的に発揮する。このフィルムを用いたディスプレイ用前面板は、ディスプレイにとって必要な近赤外線吸収能等の色素によって発揮される機能に優れ、それを安定的に発揮する。
本発明おける色素含有ポリシロキサンは、その外界に直接接触しない近赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素等の色素含有ポリシロキサンによって担持または包摂されているものである。その外界に直接接触するように色素含有ポリシロキサンの表面に色素が存在していても差し支えない。
上記色素含有ポリシロキサンは、粒子状、フレーク状、塊状等種々の形状で使用することができる。色素をより均一に分散させるためには粒子状にして使用することが好ましい。色素含有ポリシロキサン粒子の平均粒径は、0.01〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。
本発明おける色素含有ポリシロキサンは、例えば、樹脂組成物に分散させて、基材フィルム、透明保護フィルム、電磁波シールドフイルム、反射防止フィルム等に塗布して近赤外線遮蔽層あるいは色純度を低下させる不要光の吸収層(以下、光遮蔽層という)などを形成するのに使用することができるが、このような光学的用途においては、高い透明性が要求される。このとき、色素含有ポリシロキサンが大きいと、樹脂と粒子の屈折率の相違により、散乱光が多くなるため、フイルムの透明性が低下しやすくなる。また、色素含有ポリシロキサンが可視光の波長に対し小さいサイズになると、上記散乱光が著しく低下し、高い透明性が得られるため、このため、色素含有ポリシロキサンの大きさは、それを含む最小径球体を考えた場合、色素含有ポリシロキサンが粒子状である場合はその粒径が平均で50〜300nmであることが好ましく、色素含有ポリシロキサンが添加される樹脂の粘度の増加を考慮し、平均粒径は100〜200nmであることが最も好ましい。
特に、可視光の波長が380nm〜780nmであることから、粒径が0.4μm以上のものの割合が少ない方が好ましく、全体の5%以下であることが好ましい。
本発明で用いる色素含有ポリシロキサンの作製には、様々な方法を用いることができるが、ポリシロキサンの原料モノマーと色素を混在させた溶液中で、ポリシロキサンの原料モノマーを縮合させることにより、色素をポリシロキサン内に包摂させる方法が好ましい。
色素はポリシロキサン(SiO量として)に対して0.1〜300重量%含有されていることが好ましく、原料モノマーに対してこの量を考慮して使用される。
アルコキシシランを原料モノマーとした場合は、アルコキシシランを水の存在下に加水分解させ、この後、色素を添加して、アルコキシシランの加水分解後の縮合を行う。加水分解に際し、水はアルコシシランに対して20〜100重量%存在させることが好ましく、その反応温度は0〜60℃が好ましい。色素は有機溶剤に溶解させておくことがこのましい。また、縮合条件は、PHが1〜7の範囲で、温度が0〜200℃が好ましい。縮合と同時に、溶剤を蒸発除去する。得られた色素含有ポリシロキサンは固形化していればよく、このあと、粉砕して、適宜分級して粒径を調整する。粉砕は、ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー等を用いて行うことができる。
ポリシロキサンの原料モノマーとしてはアルコキシシランが用いられる。
アルコキシシランとしては例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン等のテトラアルコキシシラン、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−iso−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−iso−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−iso−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−iso−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジフェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピルジフェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジフェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジフェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシランなどが挙げられる。
テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン及びジアルコキシシランは適宜の配合で使用することができる。架橋度を高めた方がよい場合には、テトラアルコキシシラン又はトリアルコキシシランを使用し、その必要がなければジアルコキシシランのみでもよい。
アルコキシシランは、有機溶剤に溶解して用いることが好ましい。この有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン等が好ましく、色素の溶解性、色素の安定性の点から、アセトニトリル、シクロペンタノン、メチルエチルケトンが最も好ましい。また、これらの有機溶剤は有機系色素を0.1〜30重量%溶解させることができる。
また、上記アルコキシシランを縮合させるため、酸性触媒が用いられる。酸性触媒としては、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸、スルホン酸、酒石酸、トリフルオロメタスルフォン酸等の有機酸、塩酸、燐酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、フッ酸等の無機酸等を用いることができる。酸性触媒の使用量は、アルコキシシランに対して0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%、0.5〜3重量%とさらに好ましくなる。これらは、加水分解の触媒としても機能する。
本発明に用いられる色素としては、近赤外線吸収色素、色純度を低下させる不要光を吸収する色素すなわちネオン光吸収色素などの機能性色素が用いられる。以下、これらを例にあげて機能性色素の説明を行う。本発明に用いられる色素としては、特に有機系色素が好ましい。
本発明で用いられる近赤外線吸収色素としては、800〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を持つ色素が使用されるが、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、ニッケルジチオール錯体化合物、フタロシアニン系化合物等から適宜選択して使用される。
アミニウム化合物及びジイモニウム化合物としてはそれぞれ式(1)及び式(2)で表される化合物がある。
Figure 2005200608
Figure 2005200608
式(1)、式(2)において、R1 〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、環式アルキル基、アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基を示しており、それらは直鎖状でもあるいは分岐鎖状のいずれでもよい。また、それぞれ同じであっても異なっていても良い。また、Xは陰イオンを示す。
式(1)、式(2)におけるR1 〜R16において、アルキル基、置換アルキル基、環式アルキル基、アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基としては、つぎのものがある。
(1)アルキル基
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基(炭素数1〜10のものが好ましい。)
(2)置換アルキル基
2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−アセトキシエチル基、カルボキメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、3−スルフェイトプロピル基、4−スルフェイトブチル基、N−(メチルスルホニル)− カルバミルメチル基、3−(アセチルスルファミル)プロピル基、4−(アセチルスルファミル)ブチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、4−シアノブチル基、3−シアノブチル基、2−シアノブチル基、5−シアノペンチル基、4−シアノペンチル基、3−シアノペンチル基、2−シアノペンチル基、6−シアノヘキシル基、5−シアノヘキシル基、4−シアノヘキシル基、3−シアノヘキシル基、2−シアノヘキシル基等、
(3)環式アルキル基
シクロヘキシル基
(4)アルケニル基
ビニル基、アリル基、プロペニル基等が、アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、
(5)置換アラルキル基
カルボキシベンジル基、スルホベンジル基、ヒドロキシベンジル基等がそれぞれあげられる。これらのRにおいて、炭素数が3〜6のアルキル基やシアノ基が置換されたアルキル基がより好適に用いられる。
式(1)、式(2)において、Xは1価の陰イオンまたは2価の陰イオンである。アミニウム化合物の場合には1価の陰イオン、ジイモニウム化合物の場合には1価の陰イオンないし2価の陰イオンを用いることができる。
1価の陰イオンとしては、有機酸1価アニオン、無機1価アニオン等があげられる。
有機酸1価アニオンとしては、酢酸イオン、乳酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、ステアリン酸イオン等の有機カルボン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンモノスルホン酸イオン、クロロベンゼンスルホン酸イオン、ニトロベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等の有機スルホン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ブチルトリフェニルホウ酸イオン等の有機ホウ酸イオン等があげられ、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等のハロゲノアルキルスルホン酸イオンもしくはアルキルアリールスルホン酸イオンが挙げられる。
無機1価アニオンとしては、例えばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオン、バナジン酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン等があげられ、好ましいものとしては、過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン等があげられる。
Xのうち2価の陰イオンとしては、ナフタレン−1、5−ジスルホン酸、R酸、G酸、H酸、ベンゾイルH酸、p−クロルベンゾイルH酸、p−トルエンスルホニルH酸、クロルH酸、クロルアセチルH酸、メタニルγ酸、6−スルホナフチル−γ酸、C酸、ε酸、p−トルエンスルホニルR酸、ナフタリン−1,6−ジスルホン酸、1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸、等のナフタレンジスルホン酸誘導体、カルボニルJ酸、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’ージスルホン酸、ジJ酸、ナフタル酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、ジフェン酸、スチルベン−4,4’−ジカルボン酸、6−スルホ−2−オキシ−3−ナフトエ酸、アントラキノン−1,8−ジスルホン酸、1,6−ジアミノアントラキノン−2,7−ジスルホン酸、2−(4−スルホフェニル)−6−アミノベンゾトリアゾール−5−スルホン酸、6−(3−メチル−5−ピラゾロニル)−ナフタレン−1,3−ジスルホン酸、1−ナフトール−6−(4−アミノ−3−スルホ)アニリノ−3−スルホン酸等の2価の有機酸イオンが挙げられる。
これらの陰イオンのうち、好ましいものとしては、例えば過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等が挙げられる。
本発明に用いられるニッケルジチオール錯体化合物は式(3)で表される化合物がある。
Figure 2005200608
式(3)において、R17、R18、R19及びR20は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基を表す。一つの芳香環に複数の置換基を有していてもよく、それらが互いに異なる置換基でも構わない。
R17、R18、R19及びR20において、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基としてはつぎのものがある。
(イ)ハロゲン原子
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、
(ロ)アルキル基
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等、
(ハ)シクロアルキル基
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等、
(ニ)アリール基
フェニル基、p−ニトロフェニル基等、
(ホ)アルキルチオ基
メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等、
(ヘ)アリールチオ基
フェニルチオ基、トリルチオ基等、
(ト)アルコキシ基
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基等、
(チ)アリールオキシ基
フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、ナフトキシ基等
(ホ)アルキルアミノ基
メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、iso−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジ−iso−プロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−iso−ブチルアミノ基、ジ−n−ペンチルアミノ基、ジ−iso−ペンチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−ヘプチルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ基、ジベンジルアミノ基等
(ニ)アリールアミノ基
ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等、
本発明に用いられるフタロシアニン化合物は式(4)で表される化合物がある。
Figure 2005200608
式(4)において、R21からR24は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、あるいは置換または未置換のアリールチオ基を表している。一つの芳香環に複数の置換基を有していてもよく、それらが互いに異なる置換基でも構わない。また、Mは2価の金属原子、3価または4価の置換金属原子、またはオキシ金属を表す。
R21からR24の例としては、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアルキルチオ基、あるいは置換または未置換のアリールチオ基としては、次のものがある。
(イ)ハロゲン原子
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子
(ロ)置換または未置換のアルキル基
メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチル−プロピル基、n−ヘキシル基、cyclo−ヘキシル基、1,3−ジメチル− ブチル基、1−iso−プロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、 n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2−メチル1−iso−プロピルプロピル基、1−エチル−3− メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−iso− プロピルブチル基、2−メチル−1−iso−プロピル基、1−t−ブチル−2− メチルプロピル基、n−ノニル基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基、
メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、γ−メトキシプロピル基、γ−エトキシプロピル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、ジメトキシエチル基、ジエトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキル基、クロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、1,1,1,3,3,3,− ヘキサフルオロ−2−プロピル基等のハロゲン化アルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アルキルアミノカルボニルアルキル基、アルコキシスルホニルアルキル基等、
(ハ)置換または未置換のアルコキシ基の例
メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、neo−ペンチルオキシ基、1,2−ジメチル−プロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、cyclo−ヘキシルオキシ基、1,3−ジメチル− ブチルオキシ基、1−iso−プロピルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルブチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、2−メチル−1−iso− プロピルプロピルオキシ基、1−エチル−3− メチルブチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−メチル−1−iso− プロピルブチルオキシ基、2−メチル−1−iso− プロピルオキシ基、1−t−ブチル−2− メチルプロピルオキシ基、n−ノニルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基、
メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、γ−メトキシプロピルオキシ基、γ−エトキシプロピルオキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、ジメトキシメトキシ基、ジエトキシメトキシ基、ジメトキシエトキシ基、ジエトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、ブチルオキシエトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシアルコキシ基、クロロメトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1,1,1,3,3,3,− ヘキサフルオロ−2− プロピルオキシ基等のハロゲン化アルコキシ基、ジメチルアミノエトキシ基、ジエチルアミノエトキシ基などのアルキルアミノアルコキシ基、ジアルキルアミノアルコキシ基等、
(ニ)置換または未置換のアリール基
フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、フッ素化フェニル基、ヨウ素化フェニル基等のハロゲン化フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ピリジル基などが挙げられる。置換または未置換のアリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アルキルフェノキシ基等、
(ホ)置換または未置換のアルキルチオ基
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、1,2−ジメチル−プロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、cyclo−ヘキシルチオ基、1,3−ジメチル− ブチルチオ基、1−iso−プロピルプロピルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、n−ヘプチルチオ基、1,4−ジメチルペンチルチオ基、2−メチル1−iso−プロピルプロピルチオ基、1−エチル−3− メチルブチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3−メチル−1−iso− プロピルブチルチオ基、2−メチル−1−iso− プロピルチオ基、1−t−ブチル−2− メチルプロピルチオ基、n−ノニルチオ基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキルチオ基、
メトキシメチルチオ基、メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、プロポキシエチルチオ基、ブトキシエチルチオ基、γ−メトキシプロピルチオ基、γ−エトキシプロピルチオ基、メトキシエトキシエチルチオ基、エトキシエトキシエチルチオ基、ジメトキシメチルチオ基、ジエトキシメチルチオ基、ジメトキシエチルチオ基、ジエトキシエチルチオ基等のアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキルチオ基、クロロメチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基、1,1,1,3,3,3,− ヘキサフルオロ−2− プロピルチオ基等のハロゲン化アルキルチオ基、ジメチルアミノエチルシチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基等のアルキルアミノアルキルチオ基、ジアルキルアミノアルキルチオ基等、
(ヘ)置換または未置換のアルキルチオ基
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、neo−ペンチルチオ基、1,2−ジメチル−プロピルチオ基、n−ヘキシルチオ基、cyclo−ヘキシルチオ基、1,3−ジメチル− ブチルチオ基、1−iso−プロピルプロピルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、n−ヘプチルチオ基、1,4−ジメチルペンチルチオ基、2−メチル1−iso−プロピルプロピルチオ基、1−エチル−3− メチルブチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3−メチル−1−iso− プロピルブチルチオ基、2−メチル−1−iso− プロピルチオ基、1−t−ブチル−2− メチルプロピルチオ基、n−ノニルチオ基等の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキルチオ基、
メトキシメチルチオ基、メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、プロポキシエチルチオ基、ブトキシエチルチオ基、γ−メトキシプロピルチオ基、γ−エトキシプロピルチオ基、メトキシエトキシエチルチオ基、エトキシエトキシエチルチオ基、ジメトキシメチルチオ基、ジエトキシメチルチオ基、ジメトキシエチルチオ基、ジエトキシエチルチオ基等のアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルキルチオ基、アルコキシアルコキシアルコキシアルキルチオ基、クロロメチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、2,2,2−トリクロロエチルチオ基、1,1,1,3,3,3,− ヘキサフルオロ−2− プロピルチオ基等のハロゲン化アルキルチオ基、ジメチルアミノエチルシチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基等のアルキルアミノアルキルチオ基、ジアルキルアミノアルキルチオ基等、
(ト)置換または未置換のアリールチオ基の例
フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アルキルフェニルチオ基等、
また、Mとしては、次のものがある。
(イ)2価の金属
Cu(II)、Zn(II)、Co(II)、Ni(II)、Ru(II)、Rh(II)、Pd(II)、Pt(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ti(II)、Be(II)、Ca(II)、Ba(II)、1d(II)、Hg(II)、Pb(II)、Sn(II)等。
(ロ)1置換の3価金属の例
Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−Br、In−I、In−F、Tl−Cl、Tl−Br、Tl−I、Tl−F、Al−C、Al−C(CH)、In−C、In−C(CH)、In−C、Mn(OH)、Mn(OC)、Mn〔OSi(CH〕、Fe−Cl、Ru−Cl等、
(ハ)2置換の4価金属
CrC、SiCl、SiBr、SiF、SiI、ZrCl、GeCl、GeBr、GeI、GeF、SnCl、SnBr、SnF、TiCl、TiBr、TiF、Si(OH)、Ge(OH)、Zr(OH)、Mn(OH)、Sn(OH)、TiR、CrR、SiR、SnR、GeR〔Rはアルキル基、フェニル基、ナフチル基またはそれらから誘導される基を表す〕、Si(OR’)、Sn(OR’)、Ge(OR’)、Ti(OR’)、Cr(OR’)〔R’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基またはそれらから誘導される基を表す〕、Sn(SR”)、Ge(SR”)(R”はアルキル基、フェニル基、ナフチル基またはそれらから誘導される基を表す)など、
(ニ)オキシ金属の例
VO、MnO、TiOなど、
本発明における近赤外線吸収色素としては、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物は、IRG−022、IRG−040(これらは日本化薬株式会社製商品名である)、ニッケルジチオール錯体化合物は、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−159、SIR−152、SIR−162(これらは三井化学株式会社製商品名である)、フタロシアニン系化合物は、IR−10,IR−12(以上、日本触媒株式会社商品名)などの市販品を利用することができる。
これらの赤外線吸収色素のうち、ジイモニウム化合物が、最も効果的に赤外線を吸収する。
本研究で使用するネオン光吸収色素には、550〜620nmに極大吸収波長を持つ、スクアリリウム化合物、ポルフィリン化合物、シアニン化合物、キナクドリン化合物等から適宜選択して使用される。
本発明で使用するシアニン色素には次のようなものがある。
Figure 2005200608
式(5)において、Y およびY の一方は単結合で、他方は−O−または−CH −である。Y が単結合で、Y が−O−または−CH −であることが好ましい。また、Y およびY の一方は単結合で、他方は−O−であることも好ましい。Y が単結合で、Y が−O−であることが最も好ましい。Y とY とは、ベンゼン環Bの隣接する二つの炭素原子に、それぞれ結合する。Y がベンゼン環Bの4位(インドール環における位置番号、以下同様)に結合し、Y がベンゼン環Bの5位に結合するか、あるいは、Y がベンゼン環Bの5位に結合し、Y がベンゼン環Bの6位に結合することが好ましい。Y がベンゼン環Bの5位に結合し、Y がベンゼン環Bの6位に結合することが特に好ましい。
式(5)において、Y およびY の一方は単結合で、他方は−O−または−CH −である。Y が単結合で、Y が−O−または−CH −であることが好ましい。また、Y およびY の一方は単結合で、他方は−O−であることも好ましい。Y が単結合で、Y が−O−であることが最も好ましい。Y とY とは、ベンゼン環Cの隣接する二つの炭素原子に、それぞれ結合する。Y がベンゼン環Cの4位(インドリン環における位置番号、以下同様)に結合し、Y がベンゼン環Cの5位に結合するか、あるいは、Y がベンゼン環Cの5位に結合し、Y がベンゼン環Cの6位に結合することが好ましい。Y がベンゼン環Cの5位に結合し、Y がベンゼン環Cの6位に結合することが特
に好ましい。
式(5)において、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、脂肪族基である。本明細書において、脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基および置換アラルキル基を意味する。アルキル基は、環状であってもよい。鎖状アルキル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至12であることがさらに好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロヘキシルおよび2−エチルヘキシルが含まれる。
置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換アルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、カルバモイル、ウレイド、メルカプト、スルホ、スルファモイル、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NHR、−NR 、−NH−CO−R、−CO−NHR、−CONR 、−NH−CO−NHR−、−NH−CO−NR −、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO −R、−SO −O−R、−NH−SO −R、−SO−NH−Rおよび−SO −NR が含まれる。上記Rは、それぞれ、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。上記カルボキシルおよびスルホは、水素原子が解離していても、塩の状態であってもよい。置換アルキル基の例には、2−ヒドロキシエチル、2−カルボキシエチル、2−メトキシエチル、2−ジエチルアミノエチル、3−スルホプロピルおよび4−スルホブチルが含まれる。
アルケニル基は、環状であってもよい。鎖状アルケニル基は、分岐を有していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至20が好ましく、2乃至12がさらに好ましく、2乃至8が最も好ましい。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニルおよび2−ヘキセニルが含まれる。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。置換アルケニル基の置換基は、置換アルキル基の置換基と同様である。アルキニル基は、環状であってもよい。鎖状アルキニル基は、分岐を有していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至20が好ましく、2乃至12がさらに好ましく、2乃至8が最も好ましい。アルキニル基の例には、エチニルおよび2−プロピニルが含まれる。
置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。置換アルキニル基の置換基は、置換アルキル基の置換基と同様である。アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、後述するアリール基と同様である。アラルキル基の例には、ベンジルおよびフェネチルが含まれる。置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。置換アラルキル基のアリール部分は、後述するアリール基と同様である。置換アラルキル基のアルキル部分の置換基は、置換アルキル基の置換基と同様である。置換アラルキル基のアリール部分の置換基は、後述する置換アリール基の置換基と同様である。
本明細書において、芳香族基は、アリール基および置換アリール基を意味する。アリール基は、フェニルおよびナフチルであることが好ましく、フェニルであることがさらに好ましい。置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、カルバモイル、ウレイド、メルカプト、スルホ、スルファモイル、シアノ、ニトロ、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NHR、−NR 、−NH−CO−R、−CO−NHR、−CO−NR 、−NH−CO−NHR−、−NH−CO−NR −、−NH−CO−O−R、−S−R、−SO −R、−SO −O−R、−NH−SO −R、−SO −NH−Rおよび−SO −NR が含まれる。上記Rは、それぞれ、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。上記カルボキシルおよびスルホは、水素原子が解離していても、塩の状態であってもよい。
本明細書において、複素環基は、無置換複素環基および置換複素環基を意味する。複素環基の複素環は、5員環または6員環であることが好ましい。複素環に、脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環の(縮合環を含む)例には、ピリジン環、ピペリジン環、フラン環、フルフラン環、チオフェン環、ピロール環、キノリン環、モルホリン環、インドール環、イミダゾール環、ピラゾール環、カルバゾール環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、インドリン環、チアゾール環、ピラジン環、チアジアジン環、ベンゾキノリン環およびチアジアゾール環が含まれる。置換複素環基の置換基は、置換アリール基の置換基と同様である。
式(5)において、R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、脂肪族基である。R3 とR4 またはR5 とR6 とが互いに結合して、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成してもよい。式(5)において、L1 は、5個、7個または9個のメチンからなるメチン鎖である。メチンの数は、5個または7個が好ましく、7個がさらに好ましい。メチンは置換基を有していてもよい。置換基を有するメチンは、中央の(メソ位の)メチンであることが好ましい。メチンの置換基は、置換アリール基の置換基と同様である。メチン鎖の二つの置換基が結合して、5員環、6員環または7員環を形成してもよい。
式(5)において、X は、アニオンである。アニオンの例には、ハライドイオン(Cl、Br、I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF 、BF およびClO が含まれる。式(I)において、aは、0または1である。aは、シアニン染料がスルホやカルボキシルのようなアニオン性置換基を有して分子内塩を形成する場合は、0になる。aは、0であることが好ましい。式(5)において、ベンゼン環A、B、CおよびDは、置換基を有していてもよい。ベンゼン環の置換基は、置換アリール基の置換基と同様である。
Figure 2005200608
また、ネオン光吸収色素として以下の式で表されるシアニン色素を含む。
式(6)において、Z およびZ は、それぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子群である。含窒素複素環には、他の複素環、芳香族環または脂肪族環が縮合してもよい。含窒素複素環は、6員環よりも5員環の方が好ましい。5員の含窒素複素環にベンゼン環またはナフタレン環が縮合していることがさらに好ましい。含窒素複素環および縮合環の例には、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、オキサゾロカルバゾール環、オキサゾロジベンゾフラン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、インドレニン環、ベンゾインドレニン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、ピリジン環、ピロロピリジン環、フロピロール環、インドリジン環、イミダゾキノキサリン環およびキノキサリン環が含まれる。オキサゾロジベンゾフラン環が特に好ましい。含窒素複素環および縮合環は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、式(5)のベンゼン環A〜Dの置換基の例と同様である。
式(6)において、R7 およびR8 は、それぞれ独立に、脂肪族基または芳香族基である。脂肪族基および芳香族基は、式(5)で説明した脂肪族基および芳香族基と同様である。式(6)において、L は、1個または3個のメチンからなるメチン鎖である。メチン鎖は、置換基を有していてもよい。置換基は、中央の(メソ位の)メチンに結合することが好ましい。メチン鎖の置換基の例は、式(I)のベンゼン環A〜Dの置換基の例と同様である。式(6)において、b、cおよびdは、それぞれ独立に、0または1である。bおよびcは、それぞれ、0であることが好ましい。dは、シアニン染料がスルホやカルボキシルのようなアニオン性置換基を有して分子内塩を形成する場合に0になる。式(6)において、X は、アニオンである。アニオンの例には、ハライドイオン(Cl、Br、I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、PF ,BF およびClO が含まれる。式(6)で表されるシアニン染料は、カルボキシルまたはスルホを置換基として有することが好ましい。
化6で表されるシアニン染料は、下記化7で表されることが特に好ましい。
Figure 2005200608
化7において、R9 およびR10は、それぞれ独立に、脂肪族基である。式(7)において、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、脂肪族基であって、R11とR12またはR13とR14とが互いに結合して、シクロペンタン環またはシクロヘキサン環を形成してもよい。式(7)において、L は、5個、7個または9個のメチンからなるメチン鎖である。メチン鎖の定義および置換基は、式(5)のL と同様である。式(7)において、X は、アニオンである。アニオンの例は、式(5)のX と同様である。
化7において、eは、0または1である。eは、シアニン染料がスルホやカルボキシルのようなアニオン性置換基を有して分子内塩を形成する場合は、0になる。eは、0であることが好ましい。化7において、ベンゼン環E、F、GおよびHは、置換基を有していてもよい。ベンゼン環の置換基は、置換アリール基の置換基と同様である。
本発明で使用するスクアリリウム化合物としては次の一般式(8)で表されるジフェニルスクアリリウム系化合物が好ましい。
Figure 2005200608
前記一般式(I) におけるR1 のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖若しくは環状のものが挙げられ、R1 のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のものが挙げられ、R1 のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、R1 のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、R1 のハロゲン原子としては、例えば、弗素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
前記アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、水酸基、または、弗素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
また、上記R1は、隣接するR1が一緒になって、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基等のアルカンジイル基またはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等のアルキレンジオキシ基を形成していても良い。上記R1としては、1)アルコキシ基、水酸基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、2)アルコキシ基を置換基として有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖アルコキシ基、3)アルキル基、アルコキシ基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基またはアリールオキシ基、4)ハロゲン原子が好ましく、特に、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、または炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルコキシ基が好ましい。
前記一般式(8) におけるR2 の1価の置換基としては、例えば、前記R1 におけるアルキル基として挙げたと同様のアルキル基、前記R1 におけるアルコキシ基として挙げたと同様のアルコキシ基、前記R1 におけるアリール基として挙げたと同様のアリール基、前記R1 におけるアリールオキシ基として挙げたと同様のアリールオキシ基、アミノ基、及び、3−ピリジル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、2−チエニル基等の複素環基等が挙げられる。
上記、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基及び複素環基の置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子、または、前記アリール基等が挙げられ、上記アミノ基の置換基としては、アルキル基またはアリール基が挙げられる。上記R2 としては、1)シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよい直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、2)アルコキシ基、3)直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を置換基として有していてもよいシクロアルキル基、4)アルキル基、アルコキシ基或いはハロゲン原子を置換基として有していてもよいアリール基またはアリールオキシ基、5)アルキル基を置換基として有していてもよいアミノ基、または6)複素環基であることが好ましく、さらに、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルコキシ基、シクロヘキシル基、フェニル基、フェノキシ基、アミノ基、2−フリル基、または2−テトラヒドロフリル基が好ましく、特に炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基が好ましい。
前記一般式(8)におけるG は、NH基、メチルアミノ基、エチルアミノ基等の−NR3−で表される基(ここで、R3は水素原子またはアルキル基である。)または酸素原子であり、このうち−NR3−で表される基が好ましく、特にNH基が好ましい。前記一般式(I) におけるGとしては、スルホニル基が好ましい。
−G−R2で表される基として、特に好ましい置換基としては、アルキルスルホニルアミノ基、ハロアルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ハロアリールスルホニルアミノ基、アルキルアリールスルホニルアミノ基、アルコキシアリールスルホニルアミノ基が挙げられる。nは1以上の整数、m及びpは0以上の整数であり、m+n+pは5以下であり、lが1以上であることが好ましい。
更に、本発明において、ベンゼン環上のこれらの置換基は、他方のベンゼン環との間で互いに異なっていてもよく、また、一方のベンゼン環において、m及びnが2以上であるとき、R1 、及びG−G−R2で表される基は、同一環内の他の置換基との間で互いに異なっていてもよいが、前記一般式(I) で表されるジフェニルスクアリリウム系化合物としては、スクアリリウム基を挟んで左右対象であるものが好ましい。
本発明に係る色素含有ポリシロキサンは、塗料の添加剤などとして使用することができる。また、次に詳しく示す前記近赤外線遮蔽性樹脂組成物または色純度を低下させる波長を遮蔽する樹脂組成物(以下これらを光線遮蔽性樹脂組成物という)の一成分として使用することが好ましい。
この光線遮蔽性樹脂組成物は、上記の樹脂微粒子以外に、適当な樹脂成分を含有する。
樹脂成分としては、非反応性のポリマーでもよく、反応性のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の反応性化合物でもよい。反応性化合物を使用するときにはさらに、重合開始剤を含有していてもよい。
非反応性のポリマーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。
このような熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、アセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、変性オレフィン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル共重合体、ABS樹脂、AS樹脂などが用いられる。
反応性のモノマーのうちラジカル重合可能な単官能モノマとして、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、デシルアクリレート、ステアリルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリレート、ブトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシポリプロピレングリコールアクリレート、ブトキシポリプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、アルキルフェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリオキシポリアルキレングリコールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリセリンモノアクリレート等のアクリル酸エステル、上記の化合物で「アクリレート」を「メタクリレート」と読み替えて特定されるメタクリル酸エステル化合物、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等がある。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールのアクリル酸ジエステル、アクリル酸トリエステル、メタクリル酸ジエステル又はメタクリル酸トリエステル、イソシアヌル酸のアクリル酸トリエステル又はメタクリル酸トリエステル等がある。
一般式(a)
Figure 2005200608
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジアクリレート、
一般式(b)
Figure 2005200608
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜10の整数を示す)で示されるビスフェノールAのエピクロルヒドリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物、ビスフェノールAジメタクリレート、
一般式(c)
Figure 2005200608
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるリン酸のアルキレンオキシド付加物のジアクリレート、
一般式(d)
Figure 2005200608
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜10の整数を示す)で示されるフタル酸のエピクロリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物、
一般式(e)
Figure 2005200608
(ただし、式中、m及びnはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示される1,6−ヘキサンジオールのエピクロリン変性物とアクリル酸の付加エステル化物(アクイリル基を一分子中に2個有するもの)、
一般式(f)
Figure 2005200608
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、3個のmはそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるリン酸のアルキンオキシド付加物のトリアクリレート、
一般式(g)
Figure 2005200608
(ただし、式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、m、m′及びm″はそれぞれ独立に、1〜20の整数を示す)で示されるトリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリアクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、などが挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、一般式(a)で表される以下の化合物でアクリロリル基をメタクリロイル基に変更した化合物を例示することができる。
さらに、単官能(メタ)アクリレート及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルベンゼン、スチレン等のビニルモノマから1種もしくは数種類のモノマ合計100重量部に対して、水酸基、カルボキシル基、グリシジルエーテル基を有する単官能(メタ)アクリレート0.1〜10重量部を共重合させた重量平均分子量10万〜100万の共重合体に、イソシアネートエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等をポリマ中の官能基と反応させてポリマ分子鎖中にアクリロイル基又はクリロイル基を導入した共重合体を用いてもよい。
上記の樹脂成分は、透明性、皮膜強度、密着性、樹脂粘度を考慮して適宜選択される。
ポリマ、オリゴマの使用量が多いと樹脂粘度が高くなり、モノマの使用量が多いと活性エネルギー線を照射して得られた硬化物が脆弱になる傾向にある。樹脂成分自体の粘度は、塗工性の観点から、数百〜数千mPa・sの範囲にあることが好ましい。
樹脂成分が前記した反応性化合物であるとき、重合開始剤が使用される。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等の熱重合開始剤を使用することができる。熱重合開始剤の使用量は、反応性の樹脂成分全量に対して0.01〜10重量%の範囲で使用することが好ましい。
特に、反応性化合物としてエネルギー線硬化型化合物を使用する場合は、光重合開始剤が併用される。光重合開始剤としては、例えばベンゾキノン、フェナンスレンキノン、ナフトキノン、ジイソプロピルフェナンスレンキノン、ベンゾイソブチルエーテル、ベンゾイン、フロインブチルエーテル、ミヒラーケトン、ミヒラーチオケトン、フルオレノン、トリニトロフルオレノン、βーベンゾイルアミノナフタレン等の芳香族ケトン、キノン化合物、エーテル化合物、ニトロ化合物が挙げられる。光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型化合物100重量部に対して1〜20重量部の範囲で添加される。
光重合開始剤を使用するときは増感剤を併用することが好ましい。増感剤としては、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。増感剤は、エネルギー線硬化型化合物100重量部に対して通常0〜10重量部の範囲で添加される。
本発明における光線遮蔽性樹脂組成物において、前記した樹脂微粒子は、前記の樹脂成分100重量部に対して0.1〜100重量部の範囲が好ましい。微粒子の添加量が少なすぎる場合、塗工した樹脂中で微粒子が存在しない個所が多数現れるため、十分な光線遮蔽性を得ることが困難であると共に、色むらが発生する可能性が高い。また、微粒子の添加量が多すぎると樹脂の粘度が上昇し、塗工することが困難となる。樹脂微粒子の添加量は、前記の樹脂成分100重量部に対して5〜40重量部の範囲にあることがさらに好ましい。
前記光線遮蔽性樹脂組成物は、塗料又は接着剤として、さらに適宜顔料又は染料等を含有させて使用しても良いが、適当な基材に積層して光線遮蔽性積層物(フィルム、シート又は板)として使用されるのが好ましい。
この基材としては、ガラス、プラスチック板、プラスチックフィルム等が使用される。
基材としては、透明性基材が好ましく使用される。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂などのプラスチックからなるフィルムで全可視光透過率が70%以上で厚さが1mm以下のものが好ましい。これらは単層で使うこともできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして使用してもよい。前記プラスチックフィルムのうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムが好ましい。プラスチックフィルム厚さは、5〜500μmが好ましい。5μm未満だと取り扱い性が悪くなり、500μmを超えると可視光の透過率が低下してくる。10〜200μmとすることがより好ましい。
前記光線遮蔽性樹脂組成物からなる層の形成方法としては、上記基材の積層面に塗布する方法、別にフィルム化した光線遮蔽性樹脂組成物を接着剤を使用し又は使用しないで基材に積層し接着する方法等がある。
本発明における光線遮蔽性樹脂組成物からなる層(光線遮蔽層)の厚さは、微粒子中に含まれる光線吸収剤の添加量、微粒子の使用量等を勘案して、所望の光線遮蔽性を得るように適宜決定されるが、多くの場合、光線遮蔽層の厚さは、1〜20μmであることが好ましい。光線遮蔽層の厚さが導電性金属の導電層より薄い場合には、樹脂表面が幾何学図形の凹凸を拾い、光の散乱が起こり透明性を著しく損なうため、光線遮蔽層の厚さは幾何学図形の導電層より厚いことが好ましい。
また、本発明における光線遮蔽性樹脂組成物からなる層は、電磁波シールド、反射防止、色補正、ネオン光遮断、緩衝(クッション)等の他の機能を有する層と適当な順序で積層し、光線遮蔽性積層物としての多層積層物を形成していてもよい。また、本発明における光線遮蔽性樹脂組成物からなる層にこれらの機能を付与しても良い。このように機能を併用することにより製造工程を増やすことなく光線遮蔽性その他の機能を有する積層物を製造することができる。
本発明における光線遮蔽性樹脂組成物からなる層は、電磁波シールド層の上に形成されても良く、基材の電磁波シールド層とは反対面に積層しても良い。好ましくは、電磁波シールド層の上に形成される。光線遮蔽性樹脂組成物からなる層により、基材上に形成された電磁波シールド層を被覆する層として積層することは、電磁波シールド層(例えば、導電性の幾何学図形)を保護したり、導電性金属の粗化面形状が転写された接着フイルムの凹凸(透明性が損なわれている)を埋めて透明にすることができるため、特に、好ましい。
前記の電磁波シールド層について説明する。
電磁波シールド層は、好ましくは、基材の上に形成される。この基材としては前記したものを使用することができる。
電磁波シールド層自体は、導電性金属、導電性インキ等により幾何学図形に形成される。幾何学図形としては、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形(nは正の整数)、円、だ円、星型などを組み合わせた模様であり、これらの単位の単独の繰り返し、あるいは2種類以上組み合わせで使うことも可能である。電磁波シールド性の観点からは三角形が最も有効であり、可視光透過性の点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がる。可視光透過性の点から幾何学図形の開口率は50%以上が必要とされる。開口率は、60%以上がさらに好ましい。開口率は、電磁波シールド積層物の有効面積に対する有効面積から導電性金属で描かれた幾何学図形の導電性金属の面積を引いた面積の比の百分率である。ディスプレイ画面の面積を電磁波シールド積層物の有効面積とした場合、その画面が見える割合となる。
このような幾何学図形のライン幅は40μm以下、ライン間隔は100μm以上、ライン厚さは40μm以下の範囲とするのが好ましい。また幾何学図形の非視認性の観点からライン幅は25μm以下、可視光透過率の点からライン間隔は120μm以上、ライン厚さ18μm以下がさらに好ましい。ライン幅は、40μm以下、好ましくは25μm以下が好ましく、あまりに小さく細くなると表面抵抗が大きくなりすぎてシールド効果に劣るので1μm以上が好ましい。ライン厚さは40μm以下が好ましく、あまりに厚さが薄いと表面抵抗が大きくなりすぎてシールド効果に劣るので0.5μm以上が好ましく、さらに1μm以上がさらに好ましい。ライン間隔は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過率は向上する。ライン間隔が大きくなり過ぎると、電磁波シールド性が低下するため、ライン幅は1000μm(1mm)以下とするのが好ましい。なお、ライン間隔は、幾何学図形等の組合せで複雑となる場合、繰り返し単位を基準として、その面積を正方形の面積に換算してその一辺の長さをライン間隔とする。
本発明の導電性金属として、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタンなどの金属、あるいはそれらの金属の2種以上を組み合わせた合金を使用することができる。導電性や回路加工の容易さ、価格の点から銅、アルミニウムまたはニッケルが好ましい。
金属から成る幾何学図形の厚さは、0.5〜40μmであることが好ましい。厚さが40μmを超えると、細かいライン幅の形成が困難であったり、視野角が狭くなる。また厚さが0.5μm未満では、表面抵抗が大きくなり、電磁波シールド効果が劣る傾向にある。
導電性金属を用いて幾何学図形を形成する方法としては、まず、透明基材に金属層を積層する。積層方法としては、金属箔と透明基材を接着剤を使用してまたは使用せずに貼り合わせる方法、透明基材上にめっきする方法、蒸着する方法等がある。
この金属層にマイクロリソグラフ法を適用して幾何学図形を形成する方法が回路加工の精度および回路加工の効率の点から好ましい。マイクロリソグラフ法では、金属層上へのレジスト膜の形成、エッチングによるレジストパターンの形成(ネガ型パターン)、金属層のエッチング、レジスト膜の剥離の工程が順次行われる。レジストパターンは、スクリーン印刷法、凹版オフセット印刷により、エッチング工程を経ないで作製することもできる。
このマイクロリソグラフ法には、フォトリソグラフ法、X線リソグラフ法、電子線リソグラフ法、イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中でも、その簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が最も効率がよい。なかでも、ケミカルエッチング法を使用したフォトリソグラフ法は、その簡便性、経済性、回路加工精度などの点から最も好ましい。
導電性金属を用いて幾何学図形を形成する別の方法としては、透明基材上に、レジストパターンを形成する工程(ネガ型パターン)、レジスト膜を除去した部分に、無電解めっきや電気めっきによるめっきまたは導電性インキを埋め込む工程、レジスト膜を除去する工程からなる方法がある。
導電性インキ(導電性ペーストを含む)により幾何学図形を形成する方法には、基材上に、オフセット印刷、凹版オフセット印刷、スクリーン印刷、凸版反転オフセット印刷等を施す方法がある。
以上説明した電磁波シールド層の周囲には、アースを取るためのアース部を額縁状に形成しておくことが好ましく、その材質は、導電性金属等の上記した導電層材料を採用することができる。電磁波シールド層の材料として上記の導電性金属箔を使用した場合、幾何学図形の形成時にアース部を残すようにすることが好ましい。
前記した金属箔と透明基材とを貼り合わせる接着剤としては、以下に示す熱可塑性樹脂がその代表的なものとしてあげられる。たとえば天然ゴム(n=1.52:nは屈折率を示す、以下同じ)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ−1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.456)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.467)、ポリビニルプロピオネート(n=1.467)などのポリエステル類やポリビニルブチラール樹脂(n=1.52)、EVA樹脂(n=1.48〜1.49)、ポリ酢酸ビニル樹脂(n=1.5)、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)やポリエステルポリウレタン(n==1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.469)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピルメタクリレート(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.487)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種類以上共重合されたものでもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
さらに、接着剤として、反応性樹脂を使用することができる。反応性樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使用することもできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように反応して又は元々分子内に水酸基を有するポリマーは接着性向上に有効である。これらの反応性樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。
上記の反応性樹脂には硬化剤が併用されることが好ましい。このような硬化剤としてはトリエチレンテトラミン、キシレンジアミン、N−アミノテトラミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、エチルメチルイミダゾールなどを使うことができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらの硬化剤の添加量は上記反応性樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、特に1〜30重量部が好ましい。
反応性樹脂は、前記の熱可塑性樹脂と併用することができる。
接着剤としては、活性エネルギー線を照射することにより硬化する感光性樹脂であることが好ましい。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等の放射線がある。感光性樹脂層は、好適には、プラスチック支持体、樹脂層及び導電性金属箔を順次積層した構成体について導電性金属で描かれる幾何学図形を形成後、活性エネルギー線を照射して硬化させることが望ましい。その後であれば、電磁波シールド性接着フィルムの被着体である電磁波遮蔽体又はディスプレイに構成した後に活性エネルギー線を照射して、感光性樹脂層を硬化させてもよい。被着体に接着させる前に照射して予め硬化の程度を少し進めておくこともできる。この場合、硬化の程度を進めた後の樹脂層の溶融粘度が、200℃における回転粘度計により測定した数値で、10000ポイズ以下であることが好ましい。これは、樹脂層の硬化の程度を進めた後でも貼り付けによる接着等の加工を可能とするため樹脂層の流動性を確保しておくためである。硬化を完全にした状態でも接着剤層が流動性や接着性を発現できるものであればそれでも良い。
上記感光性樹脂の材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等をベースポリマとし、各々にラジカル重合性あるいはカチオン重合性官能基を付与させた材料が例示できる。ラジカル重合性官能基として、アクリル基(アクリロイル基),メタクリル基(メタクリロイル基),ビニル基,アリル基などの炭素−炭素二重結合があり、反応性の良好なアクリル基(アクリロイル基)が好適に用いられる。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基(グリシジルエーテル基、グリシジルアミン基)が代表的であり、高反応性の脂環エポキシ基が好適に用いられる。具体的な材料としては、アクリルウレタン、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ポリブタジエン、エポキシ変性ポリエステル、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。
活性エネルギー線が紫外線の場合、紫外線硬化時に添加される光増感剤あるいは光開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロニウム塩等の公知の材料を使用することができる。
前記した接着剤(反応性のものは硬化後の接着剤)の屈折率としては、1.35〜1.70の範囲のものを使用することが好ましい。
以上により説明した光線遮蔽性積層物は、そのまま、又はさらにガラス板、プラスチック板のような透明基板に貼り合わせて、また、さらに、ディスプレイに装着するための枠体を構成して、プラズマディスプレイ、液晶パネルディスプレイ等のディスプレイ用前面板として、使用することができる。また、このような光線遮蔽性積層物をディスプレイの前面に直接貼り合わせて使用することができる。これらの場合の貼り合わせには、接着剤が使用されるが、この接着剤としては、前記した接着剤を使用することができる。
本発明の色素含有ポリシロキサンでは、近赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素等の機能性色素がポリシロキサン内に存在するため、樹脂組成物中の樹脂官能基、ラジカル重合開始剤等に直接接触することがない。そのため、光吸収色素の劣化が無く、特に、活性エネルギー線照射によるラジカル重合開始剤の活性化(ラジカルの発生)、反応性化合物の活性化に伴う光吸収色素の劣化が無い。
テトラエトキシシラン20g中に水1.8gおよび1規定塩酸0.5g添加し、1時間攪拌した。この溶液にジイモニウム塩(IRG−022、日本化薬株式会社製)の近赤外線吸収剤のアセトニトリル溶液を加え、さらに1時間攪拌した後、50℃で24時間乾燥させた。得られた固形物をビーズミルを用いて粉砕し、粉砕後300μm以上の粒子を除去し、平均粒径が0.01μm、0.2μm及び0.4μmの色素含有ポリシロキサン粒子を作製した。これらの粒子をそれぞれ粒子1、2、3とした。なお、平均粒径は、(株)堀場製作所製LA−920により測定した(以下も同様)。
テトラメトキシシラン15g中に水1.8gおよび燐酸0.5g添加し、1時間攪拌した。この溶液にフタロシアニン系色素のトルエン溶液を加え、さらに1時間攪拌した後、室温で24時間乾燥させた。得られた固形物を粉砕し、平均粒径が0.2μmの色素含有ポリシロキサン粒子を作製した。これを粒子4とした。
ジメトキシジメチルシラン20g中に水1.8gおよび1規定塩酸0.5g添加し、1時間攪拌する。この溶液にポルフィリン色素(TAP−2、山田化学(株)社製)のメチルエチルケトン溶液添加し、さらに1時間拡販した後、50℃で24時間乾燥させた。得られた固形物を粉砕し、平均粒径が0.2μmの色素含有ポリシロキサン粒子を作製した。これを粒子5とした。
テトラエトキシシラン10gとトリメトキシシラン10g中に水1.8gおよび1規定塩酸0.5g添加し、1時間攪拌した。この溶液にジイモニウム塩(IRG−022、日本化薬株式会社製)の近赤外線吸収剤のアセトニトリル溶液を加え、さらに1時間攪拌した後、50℃で24時間乾燥させた。得られた固形物を粉砕し、平均粒径が0.2μmの色素含有ポリシロキサン粒子を作製した。この粒子を粒子6とした。
テトラエトキシシラン20g中に水1.8gおよび1規定塩酸0.5g添加し、1時間攪拌した。この溶液にジイモニウム塩系の近赤外線吸収剤のアセトニトリル溶液を加え、さらに1時間攪拌した後、50℃で24時間乾燥させた。得られた固形物を粉砕し、平均粒径が0.2μmの色素含有ポリシロキサン粒子を作製した。この粒子を粒子7とした。
(比較例1)
テトラエトキシシラン10gとトリメトキシシラン10g中に水1.8gおよび1規定塩酸0.5g添加し、1時間攪拌した。この溶液を50℃で24時間乾燥させた。得られた固形物を粉砕し、平均粒径が0.2μmのポリシロキサン粒子を作製した。この粒子を粒子8とした。
(電磁波シールドフイルム作製例)
PETフイルムA−4100(東洋紡績株式会社製、厚さ125μm)にポリエステルポリウレタン樹脂(バイロンUR−1400、東洋紡績株式会社製)を乾燥塗布厚が20μmとなるように塗布し、次いで電解銅箔(三井金属鉱山株式会社製、商品名SQ−VLP厚さ12μm)を130℃、30MPa、30分の条件で貼りあわせた。前記銅箔付PETフイルムを用い、フォトリソグラフ工程で、ライン幅12μm、ラインピッチ250μmのメッシュを形成し、電磁波シールドフイルム1を得た。
500cmの三つ口フラスコにトルエン140g、メタクリル酸メチル(MMA)50g、アクリル酸エチル(EA)5g、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5g、AIBN250mgを加え、窒素でバブリングさせながら100℃で3時間、還流中で攪拌をした。得られたポリマ溶液にイソシアネートエチルメタクリレート(カレンズMOI、昭和電工株式会社製)を5g添加し、60℃で1時間攪拌して、側鎖にアクリロイル基を有するポリマ溶液を得た。このとき合成されたポリマの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を用いて測定)は70万であった。
得られたポリマ溶液100g(固形分31.7重量%)にイソボルニルアクリレート(M−156、東亞合成株式会社製)25g、トリプロピレングリコールジアクリレート(M−220, 東亞合成株式会社製)25g、窒素ガスでバブリングしながら攪拌して、脱溶剤した。さらにこの樹脂100gに実施例1で得た粒子1を20g添加し、小型攪拌脱法装置MX−201(THINKY(株)製)で20分間処理して分散させた。得られた微粒子を含有する樹脂組成物に、光開始剤イルガキュア184(チバガイギ株式会社製)を1.5g、光増感剤ダロキュア1173(チバガイギ株式会社製)を1.5g添加して紫外線硬化性を有する近赤外線吸収性樹脂組成物を得た。
この近赤外線吸収性樹脂組成物を電磁波シールドフイルム1に塗布厚が30μmとなるように塗布して、さらに離型PET、S−32(帝人デュポン(株)製)の離型処理面側を樹脂にラミネートした。次いで、UV照射装置MX−2534(ウシオ(株)製)を用いて離型PET面側から紫外線(UV)を500mJ/cm照射した。離型PETを剥離して近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム1を得た。
得られた電磁波シールドフイルム1をその透明基材が外側になるように半強化ガラス(旭硝子(株)製、厚さ2mm)の片面にSG−325(日立化成工業(株)製、アクリル系接着剤)を用いて貼り付けた。他面にはSG−325を用いて反射防止フイルム(旭硝子(株)アークトップUR−21CRNF)をその透明基材が外側になるように貼り合わせて、前面板を作製した。
この前面板について、上記と同様にして分光特性を測定した。
さらに。この前面板をSG−325を用いてプラズマディスプレイの表面に貼り合わせ、傷、貼り合わせ状態等の外観の異常の有無を目視で確認した。
粒子2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線遮吸収樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム2を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
粒子3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム3を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
粒子4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム4を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
粒子5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム5を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
粒子6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム6を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
粒子7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム7を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
(比較例2)
粒子8を用いたこと以外は実施例1と同様にして電磁はシールドフイルム7を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
(比較例3)
実施例7で用いた色素含有ポリシロキサン粒子の代わりに、ジイモニウム塩(IRG−022、日本化薬株式会社製)を樹脂100部に対し1部溶解させた樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム8を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
(比較例4)
実施例1で用いた色素含有ポリシロキサン粒子の代わりに、ポルフィリン系色素(TAP−2、山田化学(株)社製)を樹脂100部に対し1部溶解させた樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収性樹脂組成物を得、さらに、近赤外線吸収性を有する電磁波シールドフイルム8を得た。これをガラスに貼合し、前面板を作り、さらにプラズマディスプレイに装着し、概観の異常の有無を確認した。
実施例6〜12及び比較例2〜4における電磁波シールドフイルムの分光特性をUV照射の前後で紫外可視光分光光度計(V−570、日本分光株式会社製)を用いて測定し、波長380〜790nmの光線の平均透過率(%)及び波長900〜1100nmの平均透過率(%)を測定した。ただし、実施例10、比較例2及び比較例4においては、波長580〜600nmの平均透過率(%)を測定した。
各電磁波シールドフイルムの電磁波シールド性を同軸導波管変換器(日本高周波(株)製、TWC−S−024)のフランジ間に試料を挿入し、スペクトロアナライザー(YHP製、8510Bベクトルネットワークアナライザー)を用い、周波数1GHzで測定した。
さらに、各電磁波シールドフイルムのヘイズをヘイズメータ(日本電色(株)製、NDH−2000)で測定した。
また、前面板についても上記と同様にして分光特性を測定した。
以上の測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2005200608
Figure 2005200608



Claims (14)

  1. 平均粒径が10nm〜400nmのポリシロキサンを主成分とする粒子において、その粒子内に色素がポリシロキサン100重量部に対して1〜50重量部内包されている色素含有ポリシロキサン。
  2. 色素が、560〜620nmに極大吸収波長を持つ、ポルフィリン化合物、キナクリドン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物の中から選ばれる1種または2種以上の色素であることを特徴とする請求項1に記載された色素含有ポリシロキサン。
  3. 色素が近赤外線吸収剤であることを特徴とする請求項1に記載の色素含有ポリシロキサン。
  4. 色素が800〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を持つ、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、ニッケルジチオール化合物及びフタロシアニン化合物の中から選ばれる1種または2種以上の近赤外吸収色素を含有することを特徴とする請求項3に記載された色素含有ポリシロキサン。
  5. ポリシロキサンがアルコキシシランの縮合によって合成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサン。
  6. 形状が粒子状である請求項1〜5記載の色素含有ポリシロキサン。
  7. アルコキシシランを酸で加水分解した後、色素を溶剤に溶解させた溶液を添加し、アルコキシシランを縮合させることを特徴とする色素含有ポリシロキサンの製造方法。
  8. 縮合させるアルコキシシランとしてテトラエトキシシランを用いることを特徴とする請求項7記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
  9. 有機色素を溶解させる溶剤として、アセトニトリルを用いることを特徴とする請求項7又は8記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
  10. 色素が560〜620nmに極大吸収波長を持つ、ポルフィリン化合物、キナクリドン化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物の中から選ばれる1種または2種以上の色素であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
  11. 色素として近赤外線吸収剤を用いることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
  12. 色素が800〜1200nmの波長領域に極大吸収波長を持つ、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物、ニッケルジチオール化合物、フタロシアニン化合物の中から選ばれる1種または2種以上の近赤外吸収色素を含有することを特徴とする請求項11に記載の色素含有ポリシロキサンの製造方法。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の色素含有ポリシロキサン及び樹脂を含む色素含有フィルム。
  14. 請求項13に記載の色素含有フイルムを用いたディスプレイ用前面板。





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