JP2005200316A - ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 - Google Patents

ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 Download PDF

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Abstract

【課題】抗アレルギー作用および便秘改善作用を有する、動物用薬剤、動物用飼料添加剤並びに動物用飼料を提供する。
【解決手段】ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料。並びにハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む、動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料。動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物におけるアレルギー性疾患および便秘の改善、治療を可能にする。

Description

本発明は、ハス(Nelumbo nucifera)の破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤および動物用薬剤に関する。また、本発明はハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む動物用飼料、動物用飼料添加剤および動物用薬剤に関する。
犬、猫をはじめとするペット動物を健康な状態で飼育するには、適切な質および量の飼料、ストレスの低減、充分な運動等、その飼育環境に配慮する必要がある。しかし、近年、飼育者の住環境上の都合からこれらペット動物が室内で飼育される場合があること、また、ペット動物の散歩用の公園、広場などが減少するなどの理由により、ペット動物の運動不足が問題となっている。また、ペット動物の飼料として、準備が容易であるという理由などから、肉類の缶詰、ジャーキー類などのいわゆるペットフードが使用される場合が多いが、ペットフードはペット動物が好んで摂取するように調製されているので、その摂取量に顕著な増加傾向が認められ、また栄養の偏りという問題もある。このような運動不足および飼料の摂取量の増加により、肥満状態となっているペット動物も多く、かかる運動不足、肥満はペット動物における便秘の原因の一因となっている。
また、近年のペット動物の飼育傾向として、室内飼育など飼育者である人間と極めて密接した環境で飼育される場合が多いことから、ペット動物が、人間のものと同様の疾患を患う場合が多い。特に、近年、人間において問題となっている、皮膚炎、鼻炎などといったアレルギー性疾患がペット動物において問題となってきている。
豚、牛、鶏等の畜産動物は、早期育成、飼育効率等を考慮して、狭い畜舎内で高密度で飼育されることが多いが、かかる飼育方法は畜産動物に対して強いストレスを負荷するものである。人間と同様に、これら畜産動物においても過剰なストレスは自律神経系の異常をもたらし、その結果アレルギー性疾患などの免疫異常が生じたり、便秘が生じたりするなどの問題が起こる。
また、魚類や甲殻類の増養殖漁業においても、一般的に高密度の飼育が行われるため、そのストレスにより、魚類や甲殻類において感染症などの免疫機能の異常を生じさせる場合がある。
便秘においては、便が排泄されないという一次的な問題だけでなく、便秘により引き起こされる二次的な弊害も問題となる。すなわち、便秘の状態が続いていると、それ自体がストレスとなり自律神経系がバランスを失うこととなる。この結果、交感神経の緊張が増大して、リンパ球に依存する免疫力の低下や活性酸素の増加による病気(胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、痔、血行の悪化、関節痛)等が生じる場合がある。また、便秘の状態を放置しておくと、大腸癌や大腸ポリープなど、急性のものでは腸閉塞や腸捻転など、大腸の病気に繋がる場合もある。
便秘を治療する薬剤としては、浸透圧性下剤として、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、芒硝等が挙げられるが、これらは大量服用で稀に中毒症状が生じたり、長期および大量服用で高マグネシウム血症が生じる等の副作用の可能性がある。また、アントラキノン系の大腸刺激性下剤として、センナ、大黄、アロエ、カスカラサクラダが主成分の便秘薬が挙げられるが、これらは、腹痛、稀に悪心、嘔吐、腹鳴りが生じるなどの副作用の可能性がある。また、フェノールフタレイン系の大腸刺激性下剤として、フェノバリン、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなどが挙げられるが、これらは悪心、嘔吐、腹痛、腹鳴り、腹部膨満感等の副作用の可能性がある。一方で、副作用がなく安全に上記疾患を改善することを目的として、人間用ではあるが、従来食されている食品から、便秘に有効なものが探索されており、乳酸菌、ホールグレインなどに含まれる食物繊維などが知られている。
しかし、上述の薬剤は、上述のように副作用が生じる可能性があるという問題がある。また、上述の薬剤による便秘の解消は、単なる対症療法にすぎず、便秘を根本的に解決することにはならない。また、乳酸菌、食物繊維など安全性の高い食品由来の素材もあるが、その効力は必ずしも充分なものと言えず、新たな素材が求められていた。
花粉症、気管支喘息あるいはアトピー性皮膚炎などの原因となるI型アレルギー反応には、動物の持つ5種類の抗体の中で、特にIgEと称される抗体が深く関与しており、アレルギー体質の個体はこの抗体をアレルギー体質でない個体よりも多く産生する傾向がある。IgEの産生は、タイプ2のヘルパーTリンパ球(Th2)に由来するインターロイキン4(IL−4)やインターロイキン13(IL−13)によって促進されるが、近年、タイプIのヘルパーTリンパ球(Th1)に由来するインターロイキン2(IL−2)やインターフェロン−γ(IFN−γ)によってこれが抑制されることが報告されている。従って、IgE産生を抑制し、アレルギー体質を改善するには、IL−4やIL−13の産生を抑制すること、またはIL−2やIFN−γの産生を促すことが重要である。また、I型アレルギー反応にはTNF(腫瘍壊死因子)も関与しているので、TNFの産生を抑制することも炎症反応の抑制に有効である。
上述のようなI型アレルギー反応による疾患を改善するために、薬剤として、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、ステロイド剤などが開発され使用されている。これらの薬剤は、長期投与による症状悪化(リバウンド現象)、中枢神経に作用することによる眠気、経皮吸収による内分泌系への影響、などの副作用を伴う場合がある。一方で、副作用がなく安全に上記疾患を改善することを目的として、人間用ではあるが、従来食されている食品から、抗アレルギー作用を有するものが探索されている(特開昭61−291524、特開平1−121217、特開平7−215884等参照)。また、人間用としてすでに上市されており、広く認知されているものとしては、甜茶(Rubussuavissimus)の茶葉から熱水抽出された甜茶エキス、シソ(Perilla frutescens)の葉から熱水抽出された、シソ葉エキスなどがある。
しかし、薬剤として使用されている化合物は、上述のように副作用を有する場合が多いという問題がある。また、甜茶エキス、シソ葉エキスのように食品由来の抗アレルギー素材もあるが、これらとは異なる作用機序、より有効な薬効、および/または経済的優位性といった観点から、これら以外の食品に由来する抗アレルギー素材が求められている。
特開昭61−291524号公報 特開平1−121217号公報 特開平7−215884号公報
本発明者らは、ハスの破砕物および/または抽出物が、抗アレルギー作用並びに便秘改善作用を有することを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。さらに、本発明者らは、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む組成物が抗アレルギー作用並びに便秘改善作用に優れることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤を提供する。
また、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用抗アレルギー用飼料、動物用抗アレルギー用飼料添加剤、および動物用抗アレルギー用薬剤を提供する。
また、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用便秘改善用飼料、動物用便秘改善用飼料添加剤、および動物用便秘改善用薬剤を提供する。 さらに、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む、動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤を提供する。
本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎をはじめとするアレルギー性疾患の改善、治療を可能にするという有利な効果を有する。
また、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における血清中IgE濃度を低下できるという有利な効果を有する。
さらに、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における生体内でのIL−4産生を抑制できるという有利な効果を有する。
また、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における生体内でのTNF産生を抑制できるという有利な効果を有する。
本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における便秘を改善できるという有利な効果を有する。
また、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを有効成分として含むことにより、これらをそれぞれ単独で動物に摂取させた場合と比較して、単なる相加的な効果を超える、相乗的な抗アレルギー作用および便秘改善作用を達成できるという有利な効果を有する。
本発明において、「ハス」とは、スイレン科(Nymphaeaceae)、ハス亜科(Nelumboideae)に属するNelumbo nuciferaをいう。当該ハスの地下茎は、一般に「レンコン」と称され市販されている。
また、本発明において破砕物または抽出物とされるハスとしては、ハスの植物体の任意の部分を使用することができ、例えば、ハスの地下茎(レンコン)、茎、葉、根、実等またはこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、破砕物または抽出物として使用されるハスは、ハスの地下茎、茎、葉もしくは根、またはこれらの組み合わせであり、より好ましくはハスの地下茎、茎もしくは葉、またはこれらの組み合わせであり、さらにより好ましくはハスの地下茎である。
ハスの破砕物は、ニーダー、ミキサー、破砕機をはじめとする任意の装置を用いた任意の方法で、ハスを破砕処理することにより調製することができる。破砕処理は、水などの溶媒を添加して行っても良いし、ハスのみが破砕処理されるような態様であっても良い。本発明におけるハスの破砕物は、ハスを破砕処理して得られるそのものであっても良いし、破砕処理の前に、破砕処理と同時にもしくは破砕処理の後に、加熱および/または脱水処理されたものであっても良い。なお、加熱および/または脱水処理の有無は問わない。
好ましくは、ハスの破砕物は、ハスを破砕処理した後に加熱処理し、さらに乾燥処理することにより得られるもの、ハスを乾燥処理した後に破砕処理して得られるもの、ハスを加熱処理した後に破砕処理して得られるもの、ハスを加熱および乾燥処理(この加熱と乾燥の順序は問わない)した後に破砕処理して得られるものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、破砕物は、ペースト、固体、粒状物、粉体、液体状(溶液、懸濁液など任意の状態を含む)など任意の形状であることができ、これらの形状を有する破砕物は、任意の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、ハスから直接に、破砕物がこれらの形状となるように製造しても良いし、上述のように、一旦乾燥処理して得られた乾燥状態の破砕物を、これらの形状になるように製造することも可能である。
ハスの破砕物の調製において乾燥処理が行われる場合には、乾燥処理方法としては、任意の、公知の方法を使用することが可能であり、例えば、フリーズドライ法、および遠赤外線乾燥法、近赤外線乾燥法をはじめとする加熱乾燥法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明においてハスの抽出物とは、ハス中の成分を溶媒に移行させて抽出物を得るといった、いわゆる溶媒を用いた抽出処理により得られる抽出物に限定されるものではなく、ハスを圧搾して得られた絞り汁をはじめとする、ハス中の任意の成分を溶媒等を使用することなく直接的に取出して得られたものも本発明にいう抽出物である。また、抽出物は室温で調製されても良いし、加熱下で調製されても良い。例えば、ハスの抽出物の例としては、ハスの細切物または破砕物を圧搾して得られた絞り汁、ハスの細切物または破砕物を加熱圧搾して得られた絞り汁、ハスの細切物または破砕物を加熱下または非加熱下で溶媒抽出して得られた抽出物等が挙げられる。溶媒抽出する場合に使用可能な溶媒としては水、エタノール、プロピレングリコール、n−ブタノール、酢酸エチルおよびクロロホルムなどの1種または2種以上の単独あるいは混合溶媒などが挙げられる。好ましくは、抽出に使用される溶媒は水である。また、抽出物は必要に応じて濃縮あるいは濃縮乾固することができる。抽出物は、ペースト、固体、粒状物、粉体、液体状(溶液、懸濁液など任意の状態を含む)など任意の形状であることができ、これらの形状を有する抽出物は、任意の公知の方法を用いて製造することができる。
ハスの抽出物の調製において乾燥処理が行われる場合には、乾燥処理方法としては、任意の、公知の方法を使用することが可能であり、例えば、フリーズドライ法、および遠赤外線乾燥法、近赤外線乾燥法をはじめとする加熱乾燥法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明における、動物用飼料、動物用飼料添加剤及び動物用薬剤においては、ハスの破砕物と抽出物はそれぞれ単独で含まれていても良いし、これら両方が含まれていても良い。
本発明において、「動物」とは、ヒト以外の任意の動物をいう。例えば、動物としては、好ましくは、ウマ、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、ハムスター、マウス、ラットをはじめとする哺乳類;ニワトリをはじめとする鳥類;魚類;および甲殻類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、動物としては、畜産用、愛玩用、観賞用などの飼育目的は問わない。
本発明の1態様は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用薬剤であり、好ましくは当該動物用薬剤は動物用抗アレルギー用薬剤または動物用便秘改善用薬剤である。ここでの抗アレルギー用薬剤は、アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための薬剤であり、好ましくは、I型アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための薬剤である。より好ましくは、本発明の抗アレルギー用薬剤は、花粉症(本発明において、花粉症とは、花粉によるアレルギー反応による症状をいい、主たる症状としては、例えば、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、咽のかゆみ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。)、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚炎、もしくは気管支喘息、またはこれらの組み合わせを改善、治療するための薬剤、すなわち花粉症改善剤、皮膚炎改善剤、または気管支喘息改善剤である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用薬剤は、血清中のIgE濃度を低下させるための血清中IgE濃度低下剤である。さらに、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用薬剤はIL−4産生抑制剤である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用薬剤はTNF産生抑制剤である。
また、動物用便秘改善用薬剤は、動物に投与することにより、当該動物の便秘を改善することができる薬剤である。
本発明における動物用薬剤は、動物に対して経口投与、または筋肉内、皮内、皮下、静脈内、下部体腔、皮膚、鼻腔内、経口もしくは経鼻吸引投与などの非経口投与により投与され得る。本発明の動物用薬剤は、動物用薬剤として許容可能な構成成分を含むことができ、当該構成成分については当業者が認識できる事項であり、特に限定されるものではない。本発明の動物用薬剤を製剤化するためには、製剤の技術分野における任意の通常の方法で製剤化することが可能であり、例えば、経口投与の場合には、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤などの剤型が採用されうる。また、経皮投与の場合には、軟膏剤、貼付剤、ローション剤、エアゾール剤などが挙げられる。すなわち、経口用固型製剤を調製する場合は、ハスの破砕物もしくは抽出物、またはこれらの組み合わせに賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤、糖衣錠剤などとすることができる。
本発明の動物用薬剤に含まれるハスの破砕物および抽出物の量は、本発明の動物用薬剤が効果を奏する限りは特に限定されるものではない。
本発明の動物用薬剤の動物に対する投与量は、ハスの破砕物および抽出物の乾燥重量として、経口投与で、動物の体重1kgあたりの1日の投与量として、破砕物の場合には、好ましくは、2mg〜2000mg、より好ましくは、10mg〜1000mgである。また、抽出物の場合には、好ましくは、1mg〜1000mg、より好ましくは、5mg〜500mgである。
本発明の他の態様は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料添加剤であり、好ましくは当該動物用飼料添加剤は動物用抗アレルギー用飼料添加剤または動物用便秘改善用飼料添加剤である。
ここでの抗アレルギー用飼料添加剤は、当該飼料添加剤を含む飼料を摂取した動物に対して、アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料添加剤であり、好ましくは、I型アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料添加剤である。より好ましくは、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤は、花粉症、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚炎、もしくは気管支喘息、またはこれらの組み合わせを改善、治療するための飼料添加剤、すなわち花粉症改善用飼料添加剤、皮膚炎改善様飼料添加剤、または気管支喘息改善用飼料添加剤である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤は、血清中のIgE濃度を低下させるための血清中IgE濃度低下用飼料添加剤である。さらに、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤はIL−4産生抑制用飼料添加剤である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤はTNF産生抑制用飼料添加剤である。
また、動物用便秘改善用飼料添加剤は、当該飼料添加剤が添加された飼料を動物に摂取させることにより、当該動物の便秘を改善することができるものである。
本発明における動物用飼料添加剤とは、動物用の飼料に添加されるものをいう。本発明の動物用飼料添加剤を製造するためには、飼料添加剤の技術分野における通常の方法で固体、顆粒、粉体、カプセル、溶液、懸濁物等の形態に製造することが可能である。本発明の飼料添加剤は、飼料添加剤として許容可能な構成成分を含むことができ、当該構成成分については当業者が認識できる事項であり、特に限定されるものではない。
本発明の飼料添加剤に含まれるハスの破砕物および抽出物の量は、飼料に添加される当該飼料添加剤の量、飼料の種類などに応じて変化するものであり、特に限定されるものではない。
本発明の他の態様は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料であり、好ましくは当該動物用飼料は動物用抗アレルギー用飼料または動物用便秘改善用飼料である。
ここでの抗アレルギー用飼料は、アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料であり、好ましくは、I型アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料である。より好ましくは、本発明の抗アレルギー用飼料は、花粉症、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎、もしくは気管支喘息、またはこれらの組み合わせを改善、治療するための飼料、すなわち花粉症改善用飼料、皮膚炎改善用飼料、または気管支喘息改善用飼料である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料は、血清中のIgE濃度を低下させるための血清中IgE濃度低下用飼料である。さらに、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料はIL−4産生抑制用飼料である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料はTNF産生抑制用飼料である。
また、動物用便秘改善用飼料は、当該飼料を動物に摂取させることにより、当該動物の便秘を改善することができる飼料である。
本発明における「飼料」としては、動物に供される飼料であればその形状、組成、製法などは特に限定されるものではなく、例えば、粉末飼料、固形飼料、ドライペレット飼料、モイストペレット飼料、エクストルーダ調製飼料、生餌などが挙げられる。
本発明の飼料に含まれるハスの破砕物および抽出物の量は、本発明の飼料が効果を奏する限りは特に限定されるものではない。本発明の飼料は、ハスの破砕物および抽出物の乾燥重量として、動物の体重1kgあたりの1日の摂取量として、破砕物の場合には、好ましくは、2mg〜2000mg、より好ましくは、10mg〜1000mg、また抽出物の場合には、好ましくは、1mg〜1000mg、より好ましくは、5mg〜500mgを摂取することとなる飼料形態のものである。
本発明の飼料は、当該飼料を構成する原料に、ハスの破砕物および/または抽出物を添加して製造することができ、また当該飼料を構成する原料に、本発明の飼料添加剤を添加して製造することも可能である。また、飼料の種類によっては、製造された飼料に、本発明の飼料添加剤を添加して、本発明の飼料とするような態様も可能である。
本発明の動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料は、好ましくはハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む。すなわち、本発明における、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む、動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料は、ハスの破砕物および/または抽出物による効果と、乳酸菌のプロバイオティクス効果の相乗効果を達成できるので、抗アレルギー作用および便秘改善作用という点で有利である。動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料に含まれ得る乳酸菌の量は、当該動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料が経口投与される場合に、乳酸菌の菌数として、動物の体重1kgあたりの1日の投与量として、好ましくは、1万〜500億個(菌数)、より好ましくは、10万〜100億個(菌数)となる量であるのが望ましい。
この態様において使用可能な乳酸菌としては、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、バシラス(Bacillus)属に属する乳酸菌が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。経口摂取した場合に乳酸菌が生きたまま腸に到達し易いとの観点から、乳酸菌としては有胞子性乳酸菌が好ましい。有胞子性乳酸菌は、特に限定されるものではないが、例えば、Bacillus coagulans等が挙げられる。
理論に拘束されるのを望むものではないが、本発明におけるハスの破砕物および/または抽出物を含む薬剤、飼料添加剤および飼料を動物に経口投与した場合の抗アレルギー作用のメカニズムの1つは、当該薬剤、飼料添加剤および飼料の経口投与による、生体内におけるタイプ2のヘルパーTリンパ球(Th2)によるインターロイキン4(IL−4)の産生抑制、およびこれによるB細胞でのIgEの産生抑制に起因しているものと考えられる。また、他のメカニズムとしては、当該薬剤、飼料添加剤および飼料の経口投与による、生体内でのTNF、好ましくは、TNF−αの産生抑制による、炎症反応の抑制に起因しているものと考えられる。なお、作用メカニズムとして上述の例を挙げたが、これは、他の作用メカニズムを排除するものではない。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
以下の実施例1〜4、並びに比較例1および2においては、各薬剤の連続的投与がイヌのアレルギー性皮膚炎に及ぼす影響について検討した。
以下の各実施例1〜4、並びに比較例1および2においては、試験対象として、通常の家庭での飼育によりアレルギー性皮膚炎を発症しているイヌ(犬種は様々であった)を使用し、各群20匹とした。
動物用薬剤の投与は、約1ヶ月の間、1日1回、イヌの体重5kgあたり動物用薬剤1粒の割合となるように(ただし、後述するように2倍量の投与を行う場合はこの限りではない)、エサと混ぜて投与した。また、試験期間中は他の薬剤の投与は行わなかった。
皮膚炎の症状の改善度は、動物用薬剤投与前の症状に対する改善度を4段階(改善無し;軽度の改善;中程度の改善;顕著な改善)で目視により評価した。
実施例1
レンコン抽出物と乳酸菌を含む動物用薬剤
1)レンコン抽出物の調製方法
市販のレンコン100kgの皮をむき、水洗後5〜10mm厚さにスライスした。水260Lを加え、水およびレンコンをニーダーに投入し98℃に昇温して撹拌した。99℃に昇温後30分間煮沸した。次いで、煮沸物をニーダーから取り出し、サラシでろ過して得られたろ液をフリーズドライ法により粉末にした。この操作により、3.0kgのレンコン抽出物粉末を得た。
2)動物用薬剤の調製方法
レンコン抽出物(粉末):食品用有胞子性乳酸菌粉末(1gあたり、Bacillus coagulansを50億個(菌数)以上含有、賦形剤として乳糖含有):麦芽糖水あめ=70:1:29の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
3)動物用薬剤の投与による皮膚炎症状の改善度
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、2匹に顕著な改善が認められ、3匹に中程度の改善、さらに4匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは11匹であった。すなわち、レンコン抽出物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの45%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
実施例2
レンコン破砕物と乳酸菌を含む動物用薬剤
1)レンコン破砕物の調製方法
市販のレンコンの皮をむき、水洗後5〜10mm厚さにスライスした。レトルト機を用いて加圧下で110℃で15分加熱した。加熱処理後のレンコンを細切し、細切したレンコンを50〜60℃で15時間熱風乾燥した。次いで、1mmのスクリーンを用いてアトマイザーで粉砕しレンコン破砕物(粉末)を得た。
2)動物用薬剤の調製方法
レンコン破砕物(粉末):食品用有胞子性乳酸菌粉末:麦芽糖水あめ=70:1:29の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
3)動物用薬剤の投与による皮膚炎症状の改善度
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、1匹に顕著な改善が認められ、1匹に中程度の改善、さらに4匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは14匹であった。すなわち、レンコン破砕物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの30%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
実施例3
レンコン抽出物のみを含む動物用薬剤
動物用薬剤の組成が、実施例1で調製されたレンコン抽出物を含むが、乳酸菌を含まないことを除き、実施例1と同様に錠剤が調製された。
すなわち、実施例3においては、実施例1で調製されたレンコン抽出物:麦芽糖水あめ=70:30の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、1匹に中程度の改善、さらに2匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは17匹であった。すなわち、レンコン抽出物を含む本願発明の動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの15%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
実施例4
レンコン抽出物のみを含む動物用薬剤の2倍量投与
実施例3で調製された、レンコン抽出物を含むが、乳酸菌を含まない動物用薬剤を使用し、当該動物用薬剤の投与量を、1日1回、イヌの体重5kgあたり2粒と、実施例3の2倍量にした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、1匹に中程度の改善、さらに3匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは16匹であった。すなわち、レンコン抽出物を含む本願発明の動物用薬剤の2倍量の投与においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの20%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
比較例1
乳酸菌のみを含む動物用薬剤
動物用薬剤の組成が、乳酸菌を含むが、レンコン抽出物を含まないことを除き、実施例1と同様に錠剤が調製された。
すなわち、比較例1においては、食品用有胞子性乳酸菌粉末:麦芽糖水あめ=1:99の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、0匹に中程度の改善、さらに1匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは19匹であった。すなわち、レンコン抽出物および破砕物を含まず、乳酸菌のみを含む動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの5%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
比較例2
乳酸菌のみを含む動物用薬剤の2倍量投与
比較例1で調製された、乳酸菌を含むが、レンコン抽出物を含まない動物用薬剤を使用し、当該動物用薬剤の投与量を、1日1回、イヌの体重5kgあたり2粒と、比較例1の2倍量にした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、0匹に中程度の改善、さらに2匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは18匹であった。すなわち、レンコン抽出物および破砕物を含まず、乳酸菌のみを含む動物用薬剤の2倍量の投与においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの10%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
上述した、実施例1〜4、並びに比較例1および2におけるアレルギー性皮膚炎の症状の改善度の結果を、各改善が認められた匹数として以下の表1に示す。なお、表1中に示される「改善率(%)」は、各群における全被験対象に対する、軽度の改善以上の改善が認められた被験対象の割合をパーセントで示したものである。
Figure 2005200316
表1に示された結果から明らかなように、ハスの破砕物または抽出物と、乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤(実施例1および2)は、それぞれを単独で使用した場合(実施例3および比較例1)と比較して優れたアレルギー性皮膚炎改善の効果を奏するだけでなく、それぞれを2倍量で使用した場合(実施例4および比較例2)よりも顕著に優れたアレルギー性皮膚炎改善の効果を奏していた。このことは、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物、或いは乳酸菌のいずれかを単独で使用する場合の単なる相加的な効果を超える、相乗的な効果を奏することが明らかとなった。
また、乳酸菌を含まないが、ハスの抽出物を単独で含む動物用薬剤(実施例3および4)は、乳酸菌のみを含む動物用薬剤(比較例1および2)と比較して、顕著に優れたアレルギー性皮膚炎改善の効果を奏していた。
なお、実施例1〜4並びに比較例1および2のいずれにおいても、動物用薬剤投与による重大な身体的トラブルは認められず、危険な副作用は無いことが確認できた。
実施例5〜8、並びに比較例3および4
スギ花粉投与マウスに対する本願発明の動物用薬剤の影響
1)動物用薬剤の調製方法
実施例5として、実施例1で使用した動物用薬剤薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
実施例6として、実施例2で使用した動物用薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
実施例7として、実施例3で使用した動物用薬剤薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
実施例8として、実施例3で使用した動物用薬剤10gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
比較例3として、比較例1で使用した動物用薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
比較例4として、比較例1で使用した動物用薬剤10gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
2)動物用薬剤の経口投与法とスギ花粉エキスの経鼻投与法
スギ花粉エキスを投与する7日前から、マウス(BALB/c;メス、3週齢)にゾンデを用いて、1個体あたり上記投与用薬剤を1日1回0.5ml経口投与した(前投与)。なお、マウスは飼料(一般市販の固形飼料)、水道水を自由に摂取できるようにして、12時間点灯−12時間消灯のサイクルで飼育を行った。
上記前投与を7日間行った後、さらに14日間、1日1回投与用薬剤(実施例5〜8、または比較例3および4)を経口投与する(本投与)と共に、並行してスギ花粉エキス(鳥居薬品;スギ花粉スクラッチ用アレルゲン)をマイクロピペットでマウスの鼻腔内に25μL滴下して、スギ花粉感作マウスを人為的に作出した。
なお、比較例5として、投与用薬剤の代わりに蒸留水を同量投与したものをコントロール群とした。なお、実験には各群9匹のマウスを使用した。
3)血清の採取法
14日間の本投与の最後の投与の4時間後に、エーテル麻酔し、肝動脈より1mlシリンジを用いて採血し、37℃、60分放置後、血清を分離した。
4)ELISA法(酵素免疫測定法)による血清IgE測定
ELISA法で血清中のIgE濃度を測定した。測定は以下の方法で行った。
a)炭酸ナトリウム緩衝液で100倍希釈した抗IgE抗体をELISA用96穴プレートのウェルに100μL入れ、室温、60分間固相化した。
b)洗浄液で2回洗浄後、post−coat用緩衝液を200μL入れ、37℃、30分間インキュベートした。
c)洗浄液で2回洗浄後、血清並びにIgE標準液(1.87;3.75;7.5;15;30ng/mL)を100μL入れ、37℃、60分間反応させた。
d)洗浄液で2回洗浄後、2000倍希釈したペルオキシダーゼ(HRP)標準抗体を100μL入れ、37℃、60分間反応させた。
e)洗浄液で3回洗浄後、発色液(o−フェニレンジアミン液;OPD液)を100μL入れ、室温、30分間反応させた。
f)発色後、停止液(3M硫酸)を100μL入れ、ELISAリーダーにて490nmでの吸光度を測定した。
g)標準曲線より、血清中のIgE濃度を算出した。
5)腹腔マクロファージの培養とTNF−α産生の測定
腹腔マクロファージ採取2日前に、腹腔内にチオグリコレートを1mL注入した。実験当日採血前に、3〜5mLの冷MEMを注入してよくもみ、マクロファージを採取した(3〜4回繰り返して行った)。
細胞濃度を2×10cell/mLに調整し、10μg LPS(大腸菌由来)を含むMEMに浮遊させ、1mLずつ12穴プレートのウェルに入れて37℃で24時間培養した。この培養上清を採取して、測定まで−80℃に保存した。
TNF−αは和光純薬製のキットを用いて、ELISA法によって測定した。
6)脾臓細胞の培養、並びにIL−2およびIL−4産生の測定
採血時に、脾臓を無菌的に取り出し、RPMI1640培養液を2mL入れた小型シャーレに細胞用200メッシュの金属フィルターを置き、当該フィルター上に摘出した脾臓を置き、5mL用の注射器のピストンのプッシュ面を用いて脾臓から脾臓細胞を取り出した。
得られた脾臓細胞を最終的に10% FBS、20μg ConA(コンカナバリンA)を含むRPMI1640に、1×10cell/mLとなるように調整して浮遊させた。次いで、12穴プレートに細胞浮遊液を1mLずつ入れ、5%CO存在下で48時間培養した。この培養上清を測定まで−80℃に保存した。IL−2とIL−4の測定はELISA法で行った。測定は以下の方法で行った。
IL−2の測定
a)ELISA用96穴プレートのウェルに培養上清並びにIL−2標準液(31、25、62.5、125、250、500、1000pg/mL)を100μL入れた。
b)ビオチン化抗体(抗IL−2)を50μL入れ、室温、1時間インキュベートした。
c)3回洗浄後、ストレプトアビジン−HRPを100μL入れ、室温、30分間反応させた。
d)3回洗浄後、発色液(TMB)を100μL入れ、遮光して室温、10〜15分間反応させた。
e)停止液(硫酸)を100μL入れ、ELISAリーダーにて450nmでの吸光度を測定した。
f)標準曲線より培養上清中のIL−2濃度を算出した。
IL−4の測定
a)ELISA用96穴プレートのウェルに培養上清並びにIL−4標準液(1.21、4.4、8.75、17.5、35pg/mL)を100μL入れ、室温、2時間インキュベートした。
b)3回洗浄後、ビオチン化抗体(抗IL−4)を50μL入れ、室温、1時間インキュベートした。
c)3回洗浄後、ストレプトアビジン−HRPを100μL入れ、室温、30分間反応させた。
d)3回洗浄後、発色液(TMB)を100μL入れ、遮光して室温、15〜20分間反応させた。
e)停止液(硫酸)を100μL入れ、ELISAリーダーにて450nmでの吸光度を測定した。
f)標準曲線より培養上清中のIL−4濃度を算出した。
各測定結果については、表2に示される。
Figure 2005200316
表2の結果から明らかなように、ハスの破砕物または抽出物と、乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤(実施例5および6)は、それぞれを単独で使用した場合(実施例7および比較例3)だけでなく、それぞれを2倍量で使用した場合(実施例8および比較例4)と比較しても、顕著なマクロファージのTNF−α産生抑制が認められた。このことは、マクロファージのTNF−α産生抑制という点で、本願発明の動物用薬剤は、ハスの破砕物または抽出物、或いは乳酸菌のいずれかを単独で使用する場合の単なる相加的な効果を超える、相乗的な効果を奏することが明らかとなった。
また、血清中のIgEを低減できるという点、並びに脾臓細胞のIL−2産生亢進およびIL−4産生抑制という点でも、ハスの破砕物または抽出物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤は、ハスの破砕物または抽出物、或いは乳酸菌のいずれかを単独で使用する場合の単なる相加的な効果を超える、相乗的な効果を奏することが明らかとなった。
また、表2の結果から明らかなように、ハスの抽出物を含む動物用薬剤(実施例7および8)においては、乳酸菌を含む動物用薬剤(比較例3および4)並びに何も投与を行わなかった比較例5と比較して、顕著なマクロファージのTNF−α産生抑制が認められた。さらに、血清中のIgEを低減できるという点、並びに脾臓細胞のIL−2産生亢進およびIL−4産生抑制という点でも、ハスの抽出物を含む動物用薬剤は、顕著な効果を奏することが明らかとなった。
以上の結果から、レンコン抽出物または破砕物を経口投与することにより、TNF−αの産生が抑制されることが明らかとなり、本発明における抗アレルギー作用の作用機序の1つがTNF産生抑制であり得ることが推察される。また、本発明の作用機序として、生体内でのIL−2の産生が促進される一方、生体内でのIL−4の産生が抑制され、これにより血清中のIgEが低減され、これにより抗アレルギー作用が生じ得ることが推察される。
以下の実施例9〜12、並びに比較例6および7においては、各薬剤の連続的投与がネコの便秘に及ぼす影響について検討した。
以下の各実施例9〜12、並びに比較例6および7において、試験対象として、通常の家庭での飼育により便秘症状(1日1回の便通がないものを便秘とした)を呈しているネコ(種類は様々であった)を使用し、各群10匹とした。
動物用薬剤の投与は、約1ヶ月の間、1日1回、ネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合となるように(ただし、後述するように2倍量の投与を行うものはこの限りではない)、エサと混ぜて投与した。また、試験期間中は他の薬剤の投与は行わなかった。
便秘の症状の改善度は、1日1回以上の便通が認められたものを改善とし、1日1回の便通が認められないものを改善無しとして評価した。
使用した動物用薬剤および投与量は以下の通りである。
実施例9においては、実施例1のレンコン抽出物と乳酸菌とを含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
実施例10においては、実施例2のレンコン破砕物と乳酸菌とを含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
実施例11においては、実施例3のレンコン抽出物を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
実施例12においては、実施例3のレンコン抽出物を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.4粒の割合であった。
比較例6においては、比較例1の乳酸菌を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
比較例7においては、比較例1の乳酸菌を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.4粒の割合であった。
上述した、実施例9〜12、並びに比較例6および7における便秘症状の改善の結果を以下の表3に示す。なお、表3中に示される「改善率(%)」は、各群における全被験対象に対して、便秘症状の改善が認められた被験対象の割合をパーセントで示したものである。
Figure 2005200316
レンコン抽出物を単独で投与した場合(実施例11および12)、または乳酸菌を単独で投与した場合(比較例6および7)には、それぞれ投与量を2倍にしても(実施例12および比較例7)、レンコン抽出物または破砕物と、乳酸菌とを同時に摂取した場合(実施例9および10)の効果には遙かに及ばなかった。このことから、レンコン抽出物または破砕物と、乳酸菌とを含む動物用薬剤には、これらをそれぞれ含む動物用薬剤と比較して、これらの単なる相加的な効果を超える相乗的な便秘改善効果が認められることが明らかとなった。
レンコン抽出物の単独投与(実施例11および12)は、乳酸菌の単独投与(比較例6および7)よりも、便秘改善効果という点で顕著に優れていた。このことから、レンコン抽出物だけであっても、便秘改善に有利な効果を奏することが明らかとなった。
実施例9と実施例10を比較すると、実施例9の方が効果としては優れていた。この理由については明らかではないが、可能性の1つとして、実施例10において使用されたレンコン破砕物の調製過程が影響していることが考えられ、例えば、110℃での加熱、および/または熱風乾燥が影響している可能性が考えられる。

Claims (12)

  1. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料。
  2. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料添加剤。
  3. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用薬剤。
  4. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用抗アレルギー用飼料。
  5. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用抗アレルギー用飼料添加剤。
  6. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用抗アレルギー用薬剤。
  7. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用便秘改善用飼料。
  8. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用便秘改善用飼料添加剤。
  9. ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用便秘改善用薬剤。
  10. 乳酸菌をさらに含む、請求項1記載の動物用飼料。
  11. 乳酸菌をさらに含む、請求項2記載の動物用飼料添加剤。
  12. 乳酸菌をさらに含む、請求項3記載の動物用薬剤。
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