JP2005200316A - ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 - Google Patents
ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005200316A JP2005200316A JP2004006041A JP2004006041A JP2005200316A JP 2005200316 A JP2005200316 A JP 2005200316A JP 2004006041 A JP2004006041 A JP 2004006041A JP 2004006041 A JP2004006041 A JP 2004006041A JP 2005200316 A JP2005200316 A JP 2005200316A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lotus
- animal
- feed
- extract
- crushed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fodder In General (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
【解決手段】ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料。並びにハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む、動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料。動物用薬剤、動物用飼料添加剤および動物用飼料は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物におけるアレルギー性疾患および便秘の改善、治療を可能にする。
Description
また、近年のペット動物の飼育傾向として、室内飼育など飼育者である人間と極めて密接した環境で飼育される場合が多いことから、ペット動物が、人間のものと同様の疾患を患う場合が多い。特に、近年、人間において問題となっている、皮膚炎、鼻炎などといったアレルギー性疾患がペット動物において問題となってきている。
また、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用抗アレルギー用飼料、動物用抗アレルギー用飼料添加剤、および動物用抗アレルギー用薬剤を提供する。
また、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物を含む、動物用便秘改善用飼料、動物用便秘改善用飼料添加剤、および動物用便秘改善用薬剤を提供する。 さらに、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを含む、動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤を提供する。
また、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における血清中IgE濃度を低下できるという有利な効果を有する。
さらに、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における生体内でのIL−4産生を抑制できるという有利な効果を有する。
また、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物を有効成分として含むことにより、動物における生体内でのTNF産生を抑制できるという有利な効果を有する。
また、本発明の動物用飼料、動物用飼料添加剤、および動物用薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌とを有効成分として含むことにより、これらをそれぞれ単独で動物に摂取させた場合と比較して、単なる相加的な効果を超える、相乗的な抗アレルギー作用および便秘改善作用を達成できるという有利な効果を有する。
また、本発明において破砕物または抽出物とされるハスとしては、ハスの植物体の任意の部分を使用することができ、例えば、ハスの地下茎(レンコン)、茎、葉、根、実等またはこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、破砕物または抽出物として使用されるハスは、ハスの地下茎、茎、葉もしくは根、またはこれらの組み合わせであり、より好ましくはハスの地下茎、茎もしくは葉、またはこれらの組み合わせであり、さらにより好ましくはハスの地下茎である。
好ましくは、ハスの破砕物は、ハスを破砕処理した後に加熱処理し、さらに乾燥処理することにより得られるもの、ハスを乾燥処理した後に破砕処理して得られるもの、ハスを加熱処理した後に破砕処理して得られるもの、ハスを加熱および乾燥処理(この加熱と乾燥の順序は問わない)した後に破砕処理して得られるものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、破砕物は、ペースト、固体、粒状物、粉体、液体状(溶液、懸濁液など任意の状態を含む)など任意の形状であることができ、これらの形状を有する破砕物は、任意の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、ハスから直接に、破砕物がこれらの形状となるように製造しても良いし、上述のように、一旦乾燥処理して得られた乾燥状態の破砕物を、これらの形状になるように製造することも可能である。
ハスの破砕物の調製において乾燥処理が行われる場合には、乾燥処理方法としては、任意の、公知の方法を使用することが可能であり、例えば、フリーズドライ法、および遠赤外線乾燥法、近赤外線乾燥法をはじめとする加熱乾燥法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
ハスの抽出物の調製において乾燥処理が行われる場合には、乾燥処理方法としては、任意の、公知の方法を使用することが可能であり、例えば、フリーズドライ法、および遠赤外線乾燥法、近赤外線乾燥法をはじめとする加熱乾燥法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、動物用便秘改善用薬剤は、動物に投与することにより、当該動物の便秘を改善することができる薬剤である。
本発明の動物用薬剤の動物に対する投与量は、ハスの破砕物および抽出物の乾燥重量として、経口投与で、動物の体重1kgあたりの1日の投与量として、破砕物の場合には、好ましくは、2mg〜2000mg、より好ましくは、10mg〜1000mgである。また、抽出物の場合には、好ましくは、1mg〜1000mg、より好ましくは、5mg〜500mgである。
ここでの抗アレルギー用飼料添加剤は、当該飼料添加剤を含む飼料を摂取した動物に対して、アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料添加剤であり、好ましくは、I型アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料添加剤である。より好ましくは、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤は、花粉症、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚炎、もしくは気管支喘息、またはこれらの組み合わせを改善、治療するための飼料添加剤、すなわち花粉症改善用飼料添加剤、皮膚炎改善様飼料添加剤、または気管支喘息改善用飼料添加剤である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤は、血清中のIgE濃度を低下させるための血清中IgE濃度低下用飼料添加剤である。さらに、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤はIL−4産生抑制用飼料添加剤である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料添加剤はTNF産生抑制用飼料添加剤である。
また、動物用便秘改善用飼料添加剤は、当該飼料添加剤が添加された飼料を動物に摂取させることにより、当該動物の便秘を改善することができるものである。
本発明の飼料添加剤に含まれるハスの破砕物および抽出物の量は、飼料に添加される当該飼料添加剤の量、飼料の種類などに応じて変化するものであり、特に限定されるものではない。
ここでの抗アレルギー用飼料は、アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料であり、好ましくは、I型アレルギー反応に起因する疾患を改善、治療するための飼料である。より好ましくは、本発明の抗アレルギー用飼料は、花粉症、アトピー性皮膚炎等の皮膚炎、もしくは気管支喘息、またはこれらの組み合わせを改善、治療するための飼料、すなわち花粉症改善用飼料、皮膚炎改善用飼料、または気管支喘息改善用飼料である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料は、血清中のIgE濃度を低下させるための血清中IgE濃度低下用飼料である。さらに、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料はIL−4産生抑制用飼料である。また、他の好ましい態様は、本発明の抗アレルギー用飼料はTNF産生抑制用飼料である。
また、動物用便秘改善用飼料は、当該飼料を動物に摂取させることにより、当該動物の便秘を改善することができる飼料である。
本発明の飼料に含まれるハスの破砕物および抽出物の量は、本発明の飼料が効果を奏する限りは特に限定されるものではない。本発明の飼料は、ハスの破砕物および抽出物の乾燥重量として、動物の体重1kgあたりの1日の摂取量として、破砕物の場合には、好ましくは、2mg〜2000mg、より好ましくは、10mg〜1000mg、また抽出物の場合には、好ましくは、1mg〜1000mg、より好ましくは、5mg〜500mgを摂取することとなる飼料形態のものである。
本発明の飼料は、当該飼料を構成する原料に、ハスの破砕物および/または抽出物を添加して製造することができ、また当該飼料を構成する原料に、本発明の飼料添加剤を添加して製造することも可能である。また、飼料の種類によっては、製造された飼料に、本発明の飼料添加剤を添加して、本発明の飼料とするような態様も可能である。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
以下の各実施例1〜4、並びに比較例1および2においては、試験対象として、通常の家庭での飼育によりアレルギー性皮膚炎を発症しているイヌ(犬種は様々であった)を使用し、各群20匹とした。
動物用薬剤の投与は、約1ヶ月の間、1日1回、イヌの体重5kgあたり動物用薬剤1粒の割合となるように(ただし、後述するように2倍量の投与を行う場合はこの限りではない)、エサと混ぜて投与した。また、試験期間中は他の薬剤の投与は行わなかった。
皮膚炎の症状の改善度は、動物用薬剤投与前の症状に対する改善度を4段階(改善無し;軽度の改善;中程度の改善;顕著な改善)で目視により評価した。
レンコン抽出物と乳酸菌を含む動物用薬剤
1)レンコン抽出物の調製方法
市販のレンコン100kgの皮をむき、水洗後5〜10mm厚さにスライスした。水260Lを加え、水およびレンコンをニーダーに投入し98℃に昇温して撹拌した。99℃に昇温後30分間煮沸した。次いで、煮沸物をニーダーから取り出し、サラシでろ過して得られたろ液をフリーズドライ法により粉末にした。この操作により、3.0kgのレンコン抽出物粉末を得た。
2)動物用薬剤の調製方法
レンコン抽出物(粉末):食品用有胞子性乳酸菌粉末(1gあたり、Bacillus coagulansを50億個(菌数)以上含有、賦形剤として乳糖含有):麦芽糖水あめ=70:1:29の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
3)動物用薬剤の投与による皮膚炎症状の改善度
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、2匹に顕著な改善が認められ、3匹に中程度の改善、さらに4匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは11匹であった。すなわち、レンコン抽出物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの45%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
レンコン破砕物と乳酸菌を含む動物用薬剤
1)レンコン破砕物の調製方法
市販のレンコンの皮をむき、水洗後5〜10mm厚さにスライスした。レトルト機を用いて加圧下で110℃で15分加熱した。加熱処理後のレンコンを細切し、細切したレンコンを50〜60℃で15時間熱風乾燥した。次いで、1mmのスクリーンを用いてアトマイザーで粉砕しレンコン破砕物(粉末)を得た。
2)動物用薬剤の調製方法
レンコン破砕物(粉末):食品用有胞子性乳酸菌粉末:麦芽糖水あめ=70:1:29の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
3)動物用薬剤の投与による皮膚炎症状の改善度
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、1匹に顕著な改善が認められ、1匹に中程度の改善、さらに4匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは14匹であった。すなわち、レンコン破砕物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの30%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
レンコン抽出物のみを含む動物用薬剤
動物用薬剤の組成が、実施例1で調製されたレンコン抽出物を含むが、乳酸菌を含まないことを除き、実施例1と同様に錠剤が調製された。
すなわち、実施例3においては、実施例1で調製されたレンコン抽出物:麦芽糖水あめ=70:30の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、1匹に中程度の改善、さらに2匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは17匹であった。すなわち、レンコン抽出物を含む本願発明の動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの15%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
レンコン抽出物のみを含む動物用薬剤の2倍量投与
実施例3で調製された、レンコン抽出物を含むが、乳酸菌を含まない動物用薬剤を使用し、当該動物用薬剤の投与量を、1日1回、イヌの体重5kgあたり2粒と、実施例3の2倍量にした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、1匹に中程度の改善、さらに3匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは16匹であった。すなわち、レンコン抽出物を含む本願発明の動物用薬剤の2倍量の投与においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの20%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
乳酸菌のみを含む動物用薬剤
動物用薬剤の組成が、乳酸菌を含むが、レンコン抽出物を含まないことを除き、実施例1と同様に錠剤が調製された。
すなわち、比較例1においては、食品用有胞子性乳酸菌粉末:麦芽糖水あめ=1:99の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を動物用薬剤とした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、0匹に中程度の改善、さらに1匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは19匹であった。すなわち、レンコン抽出物および破砕物を含まず、乳酸菌のみを含む動物用薬剤においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの5%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
乳酸菌のみを含む動物用薬剤の2倍量投与
比較例1で調製された、乳酸菌を含むが、レンコン抽出物を含まない動物用薬剤を使用し、当該動物用薬剤の投与量を、1日1回、イヌの体重5kgあたり2粒と、比較例1の2倍量にした。
皮膚炎の症状を呈しているイヌ(20匹)に動物用薬剤を1ヶ月投与した結果、20匹のイヌのうち、0匹に顕著な改善が認められ、0匹に中程度の改善、さらに2匹に軽度の改善が認められた。また、改善無しは18匹であった。すなわち、レンコン抽出物および破砕物を含まず、乳酸菌のみを含む動物用薬剤の2倍量の投与においては、皮膚炎の症状を呈しているイヌの10%において、軽度の改善以上の効果が認められた。
また、乳酸菌を含まないが、ハスの抽出物を単独で含む動物用薬剤(実施例3および4)は、乳酸菌のみを含む動物用薬剤(比較例1および2)と比較して、顕著に優れたアレルギー性皮膚炎改善の効果を奏していた。
なお、実施例1〜4並びに比較例1および2のいずれにおいても、動物用薬剤投与による重大な身体的トラブルは認められず、危険な副作用は無いことが確認できた。
スギ花粉投与マウスに対する本願発明の動物用薬剤の影響
1)動物用薬剤の調製方法
実施例5として、実施例1で使用した動物用薬剤薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
実施例6として、実施例2で使用した動物用薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
実施例7として、実施例3で使用した動物用薬剤薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
実施例8として、実施例3で使用した動物用薬剤10gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
比較例3として、比較例1で使用した動物用薬剤5gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
比較例4として、比較例1で使用した動物用薬剤10gを粉砕し、これに蒸留水100mlを加え懸濁したものを投与用薬剤とした。
スギ花粉エキスを投与する7日前から、マウス(BALB/c;メス、3週齢)にゾンデを用いて、1個体あたり上記投与用薬剤を1日1回0.5ml経口投与した(前投与)。なお、マウスは飼料(一般市販の固形飼料)、水道水を自由に摂取できるようにして、12時間点灯−12時間消灯のサイクルで飼育を行った。
上記前投与を7日間行った後、さらに14日間、1日1回投与用薬剤(実施例5〜8、または比較例3および4)を経口投与する(本投与)と共に、並行してスギ花粉エキス(鳥居薬品;スギ花粉スクラッチ用アレルゲン)をマイクロピペットでマウスの鼻腔内に25μL滴下して、スギ花粉感作マウスを人為的に作出した。
なお、比較例5として、投与用薬剤の代わりに蒸留水を同量投与したものをコントロール群とした。なお、実験には各群9匹のマウスを使用した。
14日間の本投与の最後の投与の4時間後に、エーテル麻酔し、肝動脈より1mlシリンジを用いて採血し、37℃、60分放置後、血清を分離した。
ELISA法で血清中のIgE濃度を測定した。測定は以下の方法で行った。
a)炭酸ナトリウム緩衝液で100倍希釈した抗IgE抗体をELISA用96穴プレートのウェルに100μL入れ、室温、60分間固相化した。
b)洗浄液で2回洗浄後、post−coat用緩衝液を200μL入れ、37℃、30分間インキュベートした。
c)洗浄液で2回洗浄後、血清並びにIgE標準液(1.87;3.75;7.5;15;30ng/mL)を100μL入れ、37℃、60分間反応させた。
d)洗浄液で2回洗浄後、2000倍希釈したペルオキシダーゼ(HRP)標準抗体を100μL入れ、37℃、60分間反応させた。
e)洗浄液で3回洗浄後、発色液(o−フェニレンジアミン液;OPD液)を100μL入れ、室温、30分間反応させた。
f)発色後、停止液(3M硫酸)を100μL入れ、ELISAリーダーにて490nmでの吸光度を測定した。
g)標準曲線より、血清中のIgE濃度を算出した。
腹腔マクロファージ採取2日前に、腹腔内にチオグリコレートを1mL注入した。実験当日採血前に、3〜5mLの冷MEMを注入してよくもみ、マクロファージを採取した(3〜4回繰り返して行った)。
細胞濃度を2×106cell/mLに調整し、10μg LPS(大腸菌由来)を含むMEMに浮遊させ、1mLずつ12穴プレートのウェルに入れて37℃で24時間培養した。この培養上清を採取して、測定まで−80℃に保存した。
TNF−αは和光純薬製のキットを用いて、ELISA法によって測定した。
採血時に、脾臓を無菌的に取り出し、RPMI1640培養液を2mL入れた小型シャーレに細胞用200メッシュの金属フィルターを置き、当該フィルター上に摘出した脾臓を置き、5mL用の注射器のピストンのプッシュ面を用いて脾臓から脾臓細胞を取り出した。
得られた脾臓細胞を最終的に10% FBS、20μg ConA(コンカナバリンA)を含むRPMI1640に、1×106cell/mLとなるように調整して浮遊させた。次いで、12穴プレートに細胞浮遊液を1mLずつ入れ、5%CO2存在下で48時間培養した。この培養上清を測定まで−80℃に保存した。IL−2とIL−4の測定はELISA法で行った。測定は以下の方法で行った。
a)ELISA用96穴プレートのウェルに培養上清並びにIL−2標準液(31、25、62.5、125、250、500、1000pg/mL)を100μL入れた。
b)ビオチン化抗体(抗IL−2)を50μL入れ、室温、1時間インキュベートした。
c)3回洗浄後、ストレプトアビジン−HRPを100μL入れ、室温、30分間反応させた。
d)3回洗浄後、発色液(TMB)を100μL入れ、遮光して室温、10〜15分間反応させた。
e)停止液(硫酸)を100μL入れ、ELISAリーダーにて450nmでの吸光度を測定した。
f)標準曲線より培養上清中のIL−2濃度を算出した。
a)ELISA用96穴プレートのウェルに培養上清並びにIL−4標準液(1.21、4.4、8.75、17.5、35pg/mL)を100μL入れ、室温、2時間インキュベートした。
b)3回洗浄後、ビオチン化抗体(抗IL−4)を50μL入れ、室温、1時間インキュベートした。
c)3回洗浄後、ストレプトアビジン−HRPを100μL入れ、室温、30分間反応させた。
d)3回洗浄後、発色液(TMB)を100μL入れ、遮光して室温、15〜20分間反応させた。
e)停止液(硫酸)を100μL入れ、ELISAリーダーにて450nmでの吸光度を測定した。
f)標準曲線より培養上清中のIL−4濃度を算出した。
また、血清中のIgEを低減できるという点、並びに脾臓細胞のIL−2産生亢進およびIL−4産生抑制という点でも、ハスの破砕物または抽出物と乳酸菌とを含む本願発明の動物用薬剤は、ハスの破砕物または抽出物、或いは乳酸菌のいずれかを単独で使用する場合の単なる相加的な効果を超える、相乗的な効果を奏することが明らかとなった。
以上の結果から、レンコン抽出物または破砕物を経口投与することにより、TNF−αの産生が抑制されることが明らかとなり、本発明における抗アレルギー作用の作用機序の1つがTNF産生抑制であり得ることが推察される。また、本発明の作用機序として、生体内でのIL−2の産生が促進される一方、生体内でのIL−4の産生が抑制され、これにより血清中のIgEが低減され、これにより抗アレルギー作用が生じ得ることが推察される。
以下の各実施例9〜12、並びに比較例6および7において、試験対象として、通常の家庭での飼育により便秘症状(1日1回の便通がないものを便秘とした)を呈しているネコ(種類は様々であった)を使用し、各群10匹とした。
動物用薬剤の投与は、約1ヶ月の間、1日1回、ネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合となるように(ただし、後述するように2倍量の投与を行うものはこの限りではない)、エサと混ぜて投与した。また、試験期間中は他の薬剤の投与は行わなかった。
便秘の症状の改善度は、1日1回以上の便通が認められたものを改善とし、1日1回の便通が認められないものを改善無しとして評価した。
実施例9においては、実施例1のレンコン抽出物と乳酸菌とを含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
実施例10においては、実施例2のレンコン破砕物と乳酸菌とを含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
実施例11においては、実施例3のレンコン抽出物を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
実施例12においては、実施例3のレンコン抽出物を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.4粒の割合であった。
比較例6においては、比較例1の乳酸菌を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.2粒の割合であった。
比較例7においては、比較例1の乳酸菌を含む動物用薬剤を使用し、投与量はネコの体重1kgあたり動物用薬剤0.4粒の割合であった。
レンコン抽出物の単独投与(実施例11および12)は、乳酸菌の単独投与(比較例6および7)よりも、便秘改善効果という点で顕著に優れていた。このことから、レンコン抽出物だけであっても、便秘改善に有利な効果を奏することが明らかとなった。
実施例9と実施例10を比較すると、実施例9の方が効果としては優れていた。この理由については明らかではないが、可能性の1つとして、実施例10において使用されたレンコン破砕物の調製過程が影響していることが考えられ、例えば、110℃での加熱、および/または熱風乾燥が影響している可能性が考えられる。
Claims (12)
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料添加剤。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用薬剤。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用抗アレルギー用飼料。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用抗アレルギー用飼料添加剤。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用抗アレルギー用薬剤。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用便秘改善用飼料。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用便秘改善用飼料添加剤。
- ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用便秘改善用薬剤。
- 乳酸菌をさらに含む、請求項1記載の動物用飼料。
- 乳酸菌をさらに含む、請求項2記載の動物用飼料添加剤。
- 乳酸菌をさらに含む、請求項3記載の動物用薬剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004006041A JP2005200316A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004006041A JP2005200316A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005200316A true JP2005200316A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34820139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004006041A Pending JP2005200316A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005200316A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100902406B1 (ko) | 2007-02-27 | 2009-06-11 | 최영생 | 장어양식용 사료 |
JP2011083281A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-04-28 | Nippon Paper Chemicals Co Ltd | 反芻動物用飼料 |
CN104887991A (zh) * | 2015-05-13 | 2015-09-09 | 柳州市耕青科技有限公司 | 一种防治牛、羊哮喘的中药草料 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6125461A (ja) * | 1984-07-16 | 1986-02-04 | Yoshihiro Ishibashi | 蓮根の成分体を含有する錠剤 |
JP2002540900A (ja) * | 1999-04-14 | 2002-12-03 | ガネデン バイオテック, インコーポレイテッド | 衛生製品に関連する微生物感染の阻害方法 |
WO2003075676A1 (en) * | 2002-03-12 | 2003-09-18 | Societe Des Produits Nestle S.A. | Probiotic delivery system |
-
2004
- 2004-01-13 JP JP2004006041A patent/JP2005200316A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6125461A (ja) * | 1984-07-16 | 1986-02-04 | Yoshihiro Ishibashi | 蓮根の成分体を含有する錠剤 |
JP2002540900A (ja) * | 1999-04-14 | 2002-12-03 | ガネデン バイオテック, インコーポレイテッド | 衛生製品に関連する微生物感染の阻害方法 |
WO2003075676A1 (en) * | 2002-03-12 | 2003-09-18 | Societe Des Produits Nestle S.A. | Probiotic delivery system |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100902406B1 (ko) | 2007-02-27 | 2009-06-11 | 최영생 | 장어양식용 사료 |
JP2011083281A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-04-28 | Nippon Paper Chemicals Co Ltd | 反芻動物用飼料 |
CN104887991A (zh) * | 2015-05-13 | 2015-09-09 | 柳州市耕青科技有限公司 | 一种防治牛、羊哮喘的中药草料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10398156B2 (en) | Animal feed compositions and feed additives | |
Zhang et al. | Dietary supplementation of Bacillus subtilis and fructooligosaccharide enhance the growth, non-specific immunity of juvenile ovate pompano, Trachinotus ovatus and its disease resistance against Vibrio vulnificus | |
JP2021527104A (ja) | サトウキビ由来の全植物繊維抽出物を使用した炎症性腸疾患の治療のための製剤 | |
JP5611203B2 (ja) | コクシジウム症防除剤およびそれを含有する飼料 | |
WO1995034218A1 (fr) | Aliments pour animaux contenant des matieres premieres medicamenteuses | |
CN105614099B (zh) | 一种改善怀孕母猪健康和提高怀孕母猪繁殖性能的功能性清洁日粮 | |
CN101664421A (zh) | 一种防治畜禽腹泻的中药生物制剂及其制备方法 | |
CN102669496A (zh) | 一种含蒙脱石肉鸡1-21日龄配合饲料及其制备方法 | |
CN102657794A (zh) | 用于预防和治疗鸡白痢的中药、制备方法和饲料 | |
CN105341363A (zh) | 一种畜禽用新型复合饲料添加剂 | |
CN106387435A (zh) | 一种饲料添加剂及其应用和饲料 | |
CN104524453B (zh) | 可用于预防肉鸡大肠杆菌感染的发酵中草药制剂及其应用 | |
CN101715893B (zh) | 一种纯天然仔猪免疫促进饲料添加剂及应用 | |
CN104322983A (zh) | 一种增强免疫力的中药复合小猪料 | |
CN111528486A (zh) | 一种含乳铁蛋白的组合物 | |
JP2005200316A (ja) | ハスの破砕物および/または抽出物を含む動物用飼料、動物用飼料添加剤並びに動物用薬剤 | |
CN115968977A (zh) | 一种减肥用宠物粮及其制备方法 | |
JP3328195B2 (ja) | 馬の体調維持増進方法 | |
JP2007055986A (ja) | 抗アレルギー剤 | |
JP2006304755A (ja) | ペット用食物 | |
CN107789394B (zh) | 一种用于治疗畜禽腹泻的组合物 | |
CN111387356A (zh) | 预防幼龄反刍动物腹泻的中草药饲料添加剂及其制备方法和用途 | |
Vangroenweghe et al. | Application of high energy and protein diets in combination with a live avirulent Escherichia coli F4 vaccine against post-weaning diarrhea | |
Ul Haq et al. | Prebiotics: the gut ecology modifiers | |
CN105878875A (zh) | 一种用于防治禽坏死性肠炎的中药超微粉颗粒剂及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070109 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070109 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100513 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100914 |