JP2005199369A - ソーワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】母線に真鍮メッキを施さないことにより、被切断物中への不純物の進入を避けることができ、廃棄物の環境汚染に対する多大な配慮を必要とせず、さらに伸線性に優れたソーワイヤを提供する。
【解決手段】高張力鋼からなる直径0.05〜0.3mmの鋼線(母線)2の表面に、同母線2をA1 変態点以下の温度で酸素を含む雰囲気中で熱処理を施して表面にスケール層と脱炭層を形成し、その後酸洗により、スケール層のみを取り除くことによって緻密で均一な脱炭層のみをワイヤ表面に形成する。その後、伸線してワイヤ表面に厚さ0.1μm以上1μm以下の脱炭層3を有するソーワイヤ1を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】高張力鋼からなる直径0.05〜0.3mmの鋼線(母線)2の表面に、同母線2をA1 変態点以下の温度で酸素を含む雰囲気中で熱処理を施して表面にスケール層と脱炭層を形成し、その後酸洗により、スケール層のみを取り除くことによって緻密で均一な脱炭層のみをワイヤ表面に形成する。その後、伸線してワイヤ表面に厚さ0.1μm以上1μm以下の脱炭層3を有するソーワイヤ1を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体、セラミックなどの硬質材料の切断用ワイヤソーに好適なワイヤ(以下「ソーワイヤ」という)に関する。
ワイヤソーは、ソーワイヤを切断砥粒、一般的には炭素珪素粉、ダイヤモンド粉などの砥粒とともに被切断物に圧接しつつ走行させ切断を行う装置である。上記ソーワイヤには、切断時にかかる張力に耐えうる強度が必要なため、通常高炭素鋼線材やピアノ線材が使用されている。
このソーワイヤは直径5mm程度の原線に伸線加工とパテンティング処理を繰り返し施すことにより製造されるが、湿式伸線するときに、ワイヤとダイスとが直接接触して焼きつきが発生するのを防止するため、特許文献1に記載されているように、ワイヤに真鍮メッキを施していた。というのは、真鍮メッキがワイヤとダイスとの間における潤滑剤的な役割りをはたすため、伸線が容易になるばかりか、この真鍮メッキはソーワイヤで切断を行う際、砥粒を持ち込むという役目もはたすという利点があるからである。
特開2001−225255公報
このソーワイヤは直径5mm程度の原線に伸線加工とパテンティング処理を繰り返し施すことにより製造されるが、湿式伸線するときに、ワイヤとダイスとが直接接触して焼きつきが発生するのを防止するため、特許文献1に記載されているように、ワイヤに真鍮メッキを施していた。というのは、真鍮メッキがワイヤとダイスとの間における潤滑剤的な役割りをはたすため、伸線が容易になるばかりか、この真鍮メッキはソーワイヤで切断を行う際、砥粒を持ち込むという役目もはたすという利点があるからである。
ところで、ソーワイヤに一般的に使用されている真鍮メッキは、銅を含んでいるため、被切断物中に入り込み不純物となったり、スラリー中に残留して廃棄時の環境汚染の原因となるなどの課題がある。また、銅は人体に対して有害であるため、使用に際してはそれなりの配慮を必要とするという課題もある。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、高張力鋼からなるワイヤの表面に緻密で均一な脱炭層を形成してから伸線することで、銅を含むことなく、したがって被切断物中への不純物の進入を避けることができ、廃棄物の環境汚染に対する多大な配慮を必要とせず、さらに人体に対する有害物を含まないソーワイヤを提供しようとするものである。
本発明は、ソーワイヤを、高張力鋼からなる直径0.05〜0.3mmの鋼線の表面に、緻密で均一な厚さ0.1μm以上1μm以下の伸線工程で潤滑剤的に機能する脱炭層を形成させる構成とすることで課題解決の手段とする。
また、ソーワイヤを、高張力鋼からなる鋼線の表面に、0.1μm以上の緻密で均一な脱炭層を形成させた後に伸線し、直径0.05〜0.3mmで表面に緻密で均一な0.1μm以上1μm以下で伸線工程で潤滑剤的に機能する脱炭層を形成させる構成とすることで課題解決の手段とする。
さらに、上記脱炭層を、A1 変態点以下の温度で酸素を含む雰囲気中で上記鋼線を熱処理して同鋼線の表面にスケール層を形成し後、酸洗により同スケール層からスケールのみを取除く工程で形成させることで課題解決の手段とする。
本発明のソーワイヤでは、その表面に形成されている脱炭層は柔らかいので、この脱炭層が伸線時に潤滑剤的に機能し、その結果、伸線性に優れたソーワイヤの生産が可能となる。
また、本発明のソーワイヤは銅を含まないので、切断時に不純物が被切断物中に入るのを防ぎ、スラリー中に有毒物質が残留することも無くなる。さらに、廃棄物の環境問題に対する配慮を低減できる。
また、人体に有害な銅を含まないので、取扱いが容易となる。
また、人体に有害な銅を含まないので、取扱いが容易となる。
以下、図面とともに本発明の一実施形態について説明する。
図1はソーワイヤの断面図、図2は脱炭層の厚みと切断面のうねりとの関係の実験結果を示すグラフ、図3は脱炭層の厚みと伸線量との関係の実験結果を示すグラフである。
図1はソーワイヤの断面図、図2は脱炭層の厚みと切断面のうねりとの関係の実験結果を示すグラフ、図3は脱炭層の厚みと伸線量との関係の実験結果を示すグラフである。
SWRS82材(φ5.5mm)2(母材)にパテンティングおよび冷間伸線加工を施し、線径1mmのワイヤに仕上げ、次にこのワイヤをA1変態点(727°C)以下の温度で酸素を含む雰囲気中で熱処理を行い、ワイヤ表面にスケールを含む緻密で均一な、厚さ0.1μm以上の脱炭層3を形成させる。
その後、そのワイヤを酸洗してワイヤ表面のスケールのみを取除き、脱炭層2を残し、そのワイヤを伸線機により、φ0.05〜0.30mmに伸線し、表面に0.1μm以上1μmのソーワイヤ1を得た。
その後、そのワイヤを酸洗してワイヤ表面のスケールのみを取除き、脱炭層2を残し、そのワイヤを伸線機により、φ0.05〜0.30mmに伸線し、表面に0.1μm以上1μmのソーワイヤ1を得た。
この実施形態において、ワイヤをA1変態点(727°C)以下の温度で酸素を含む雰囲気中で熱処理を行ったのは、A1変態点(727°C)以上の温度になると、再結晶が起こり、緻密で均一な脱炭層が形成し難くなるのを防ぐためである。
また、この実施形態では、従来の、スケールのみならず鋼自体も若干取除かれるというラフな酸洗時間にみられる弊害をなくすために、酸洗時間を短くするか、あるいは酸濃度を薄くして、スケールのみを取除くようにしている。
また、この実施形態では、従来の、スケールのみならず鋼自体も若干取除かれるというラフな酸洗時間にみられる弊害をなくすために、酸洗時間を短くするか、あるいは酸濃度を薄くして、スケールのみを取除くようにしている。
この実施形態のソーワイヤ1は、その表面に形成されている脱炭層3が柔らかいので、この脱炭層3が伸線時に潤滑剤的に機能し、その結果、伸線性に優れたソーワイヤ1を生産することが可能となる(この点については後に図2とともに説明する)。
また、脱炭層3を形成した後に伸線されるので、伸線を無理なく行えるとともに、脱炭層3を形成した後に伸線を行うことで、ワイヤ強度の高いソーワイヤ1を得ることができる(この点については後に図3とともに説明する)。
また、脱炭層3を形成した後に伸線されるので、伸線を無理なく行えるとともに、脱炭層3を形成した後に伸線を行うことで、ワイヤ強度の高いソーワイヤ1を得ることができる(この点については後に図3とともに説明する)。
また、この実施形態のソーワイヤ1は銅を含まないので、切断時に不純物が被切断物中に入るのを防ぎ、スラリー中に有毒物質が残留ことも無くなる。さらに、廃棄物の環境問題に対する配慮を低減できる。
また、このソーワイヤ1は人体に有害な銅を含まないので、取扱いが容易となる。
また、このソーワイヤ1は人体に有害な銅を含まないので、取扱いが容易となる。
図2の示す実験結果により、脱炭層3はその厚みが0.1μm以上の場合、切断面のうねりが小さくなることが判明した。これは、ソーワイヤ1の表面に柔らかい脱炭層3があることで砥粒の引き込み性が向上するためであると考えられる。また、脱炭層3の厚みを1μmよりも厚くしても効果上格別の差異が確認できなかった。したがって、この実施形態においては、脱炭層3の厚みは0.1μm〜1μmが実用上(製作コスト上)ベストであると判断した。
また、図3の示す実験結果により、脱炭層3の厚みを0.1μm以上とした場合、潤滑剤的効果が急激に大きくなり、その結果、この実施形態のソーワイヤ1は伸線性に優れていることが判明した。また、脱炭層3の厚みを1μmよりも厚くしても効果上格別の差異が確認できなかった。したがって、この実施形態においては、脱炭層3の厚みは0.1μm〜1μmが実用上(製作コスト上)ベストであると判断した。
さらに、0.05〜0.3mmの径の細いソーワイヤ1に適用したとき、所望の効果が得られたことも、実験により確認されている。
1:ソーワイヤ
2:母材
3:脱炭層
2:母材
3:脱炭層
Claims (3)
- 高張力鋼からなる直径0.05〜0.3mmの鋼線の表面に、緻密で均一な厚さ0.1μm以上1μm以下の脱炭層を形成されたソーワイヤ。
- 高張力鋼からなる鋼線が、表面に0.1μm以上の緻密で均一な脱炭層を形成された後に伸線されて、直径0.05〜0.3mmで表面に緻密で均一な厚さ0.1μm以上1μm以下の脱炭層を形成されたソーワイヤ。
- 上記脱炭層が、A1 変態点以下の温度で酸素を含む雰囲気中で上記鋼線を熱処理して同鋼線の表面にスケール層を形成し、その後酸洗により同スケール層からスケールのみを取除くことにより形成されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項記載のソーワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004006195A JP2005199369A (ja) | 2004-01-14 | 2004-01-14 | ソーワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004006195A JP2005199369A (ja) | 2004-01-14 | 2004-01-14 | ソーワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005199369A true JP2005199369A (ja) | 2005-07-28 |
Family
ID=34820231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004006195A Pending JP2005199369A (ja) | 2004-01-14 | 2004-01-14 | ソーワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005199369A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11314223B2 (en) | 2019-10-31 | 2022-04-26 | Caterpillar Inc. | Work tool data system and method thereof |
-
2004
- 2004-01-14 JP JP2004006195A patent/JP2005199369A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11314223B2 (en) | 2019-10-31 | 2022-04-26 | Caterpillar Inc. | Work tool data system and method thereof |
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