JP2005199173A - データ構造、描画方法、描画装置、デバイス及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板の全面において吐出ヘッドと基板との相対的位置を補正して、液滴の着弾精度を向上させることができる描画方法であって、特に、基板の全面に対応する補正値を導く際に、補正値を求める制御装置への負担を軽減することができるデータ構造等を提供する。
【解決手段】 吐出ヘッドから吐出した1つ以上の液滴の着弾精度に関するデータの構造であって、そのデータが吐出ヘッドからの吐出工程に合わせた1つ以上の階層構造Dot,Line,Cell,Gridを有する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、基板上の所定位置に吐出ヘッドから液滴を吐出してパターンを描く描画方法及び装置に関する。
半導体集積回路など微細な配線パターンを有するデバイスの製造方法、及び液晶ディスプレイ或いは有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子の製造方法として、液滴吐出方式を用いた製造方法が注目されている。これらの製造技術では、パターン形成面にパターン形成用材料を含んだ液状材料を吐出ヘッド(インクジェット式ヘッド)から吐出することにより基板上に材料層を成膜(描画)させて、デバイスを形成するものであり、少量多種生産に対応可能である点などにおいて大変有効である。そして、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの高精細画素化等の進展とともに、基板上に形成されるパターンの微細化、高精度化の要求が高まっている。
このため、特開2003−127392号公報に示すように、吐出ヘッドを高精度に組付けることにより、液状材料の着弾精度を向上させる技術が提案されている。
特開2003−127392号公報
しかしながら、上述した技術では、吐出ヘッドを高精度に組付けるための専用の装置が必要であり、設備コストがかかってしまうという問題がある。また、基板と吐出ヘッドとの相対的な位置ずれ、複数の吐出ヘッドを一体的に構成した場合の各吐出ヘッド間の組付け誤差、或いは吐出ヘッドと基板とを相対移動させる駆動軸のたわみが存在する場合には、液状材料の着弾精度を向上させることが困難であるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、基板の全面において吐出ヘッドと基板との相対的位置を補正して、液滴の着弾精度を向上させることができる描画方法であって、特に、基板の全面に対応する補正値を導く際に、補正値を求める制御装置への負担を軽減することができるデータ構造等を提供することを目的とする。
本発明に係るデータ構造、描画方法、描画装置、デバイス及び電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、吐出ヘッド(20)から吐出した1つ以上の液滴(D)の着弾精度に関するデータの構造であって、そのデータが吐出ヘッドからの吐出工程に合わせた1つ以上の階層構造を有するようにした。この発明によれば、着弾精度に関するデータが階層構造を有するので、必要なデータだけを容易に抽出することができる。したがって、例えば、吐出ヘッドからの液滴の吐出精度を向上させるための補正値を求める際に、演算部の負担を抑えることができる。また、補正値等の計算方法の変更や他の計算に柔軟に対応することが可能となる。
例えば、吐出工程は、1つ以上のノズル(211)からなるノズル列を有する吐出ヘッド(20)から、液滴(D)が着弾すべき目標位置が1つ以上規定された基準板(Z)に向けて同時に1つ以上の液滴を吐出して、1つ以上の液滴からなる液滴列を形成する工程(S102,S103)と、1つ以上の液滴列からなる吐出区画を形成する工程(S102〜S105)とを有する。
そして、データが、個々の液滴(D)についてのずれ量の情報を有する階層(Dot)と、1つ以上の液滴についての情報を有する階層(Line)と、1つ以上の液滴列(L)についての情報を有する階層(Cell)と、1つ以上の区画(AM)についての情報を有する階層(Grid)とから構成される。
また、データが、個々の液滴(D)についての有無の情報を有する階層(Dot)と、1つ以上の液滴についての情報を有する階層(Line)と、1つ以上の液滴列(L)についての情報を有する階層(Cell)と、1つ以上の区画(AM)についての情報を有する階層(Grid)とから構成される。
第2の発明は、吐出ヘッド(20)と基板(P)とを相対移動させつつ、吐出ヘッドから基板に向けて液滴(D)を吐出してパターンを描画する方法において、第1の発明のデータ構造を有するずれ量のデータに基づいて、吐出ヘッドと基板との相対位置誤差を補正する補正値を求める補正値算出工程(S111〜S113)と、基板に向けて液滴を吐出する際に、補正値に基づいて、基板と吐出ヘッドとの相対位置を逐次変化させる補正工程(S123)と、を有するようにした。この発明によれば、基板と吐出ヘッドとの相対的な位置ずれや、吐出ヘッドと基板とを相対移動させる駆動軸のたわみ等が存在する場合であっても、基板の各位置に合わせて吐出ヘッドと基板との相対位置が、液滴が目標位置に着弾するように逐次調整(補正)されるので、基板上に精度良く所定のパターンを形成することができる。しかも、補正値を求める際の演算部の負担が抑えられるので、高速に補正を行うことができる。
第3の発明は、デバイス(600)が第1の発明の描画方法、或いは第2の発明の描画装置(100)により製造されるようにした。この発明によれば、デバイスのパターンが精度よく形成されているので、高性能なデバイスを提供することができる。例えば、高精細画素のディスプレイ等の電気光学装置を製造することができる。
第4の発明は、電子機器(800)が、第3の発明のデバイス(600)を搭載するようにした。この発明によれば、高性能なデバイスを備えるので、高性能・高品質の電子機器を提供することができる。例えば、表示手段の表示が見やすくい電気機器を製造することができる。
以下、本発明のデータ構造、描画方法、描画装置、デバイス及び電子機器の実施形態について図を参照して説明する。
以下、本発明の描画装置について図を参照しながら説明する。
図1は本発明の描画装置100を示す斜視図である。
描画装置100は、図1に示すように、基板P又は基準板Z上に液状材料を所定のパターンで供給可能な液滴吐出装置(インクジェット装置)であり、水平に設置されたベース12と、ベース12上に設けられて基板P又は基準板Zを支持するステージ38と、ベース12とステージ38との間に介在してステージ38を移動可能に支持する第1移動装置30と、ステージ38に支持されている基板P又は基準板Zに対して所定の材料を含む液状材料の液滴Dを定量的に吐出(滴下)可能な吐出ヘッドユニット20と、吐出ヘッドユニット20を移動可能に支持する第2移動装置40とを備える。
更に、吐出ヘッドユニット20から吐出した液滴Dが基準板Zに着弾した位置を検出するためのカメラと、吐出ヘッドユニット20の吐出動作や第1移動装置30及び第2移動装置40の移動動作を含む描画装置100の動作等を制御する制御装置60とを備える。
なお、ベース12の前後方向に沿った方向をY方向、これに対してベース12の左右方向に沿った方向をX方向とする。また、X方向及びY方向に垂直な方向をZ方向、Z軸回りの回転方法をθz方向とする。
第1移動装置30は、ベース12の上に設置されたガイドレール32と、このガイドレール32に沿って移動可能に支持されたスライダー34と、スライダー34を移動させるリニアモータ等の駆動部(不図示)とから構成される。
そして、制御装置60からの指示により、第1移動装置30を駆動することにより、スライダー34をガイドレール32に沿ってY方向に移動させて、位置決めすることができる。
また、スライダー34上には、Z軸回り(θz)用のモータ36を介してステージ38が支持される。モータ36は、例えばダイレクトドライブモータであり、モータ36を駆動することによりステージ38をスライダー34に対して微少にθz方向に回転させることができる。
すなわち、第1移動装置30は、ステージ38をY方向及びθz方向に移動可能に支持する。
そして、ステージ38は、基板P又は基準板Zを保持するものであり、ステージ38の上面に設けた不図示の吸着保持装置により、基板P又は基準板Zをステージ38の上に吸着保持する。
第2移動装置40は、ベース12の略中央に立設された2本の支柱14と、支柱14によりX方向に沿って固定されたコラム16と、コラム16に支持されたガイドレール42と、ガイドレール42に沿ってX方向に移動可能に支持されたスライダー44と、スライダー44を移動させるリニアモータ等の駆動部(不図示)とから構成される。
そして、制御装置60からの指示により、第2移動装置40を駆動することにより、スライダー44をガイドレール42に沿ってX方向に移動させて、位置決めすることができる。
第2移動装置40によるスライダー44の移動方向であるフィード方向は、第1移動装置30によるスライダー34の移動方向であるスキャン方向と直交する方向である。
また、スライダー44には、モータ46、48を介して吐出ヘッドユニット20を構成するキャリッジ24が支持される。
そして、モータ46を作動することにより、吐出ヘッドユニット20をZ方向に沿って微少に上下移動して位置決め可能である。モータ48を作動することにより、吐出ヘッドユニット20をZ軸回り(θz方向)に微少回転して位置決め可能である。
すなわち、第2移動装置40は、吐出ヘッドユニット20をX方向に移動可能に支持するとともに、吐出ヘッドユニット20をZ方向、θz方向に微動可能に支持する。これにより、吐出ヘッドユニット20の液滴吐出面をステージ38上に戴置した基板P又は基準板Zに対して正確に位置合わせすることができる。
なお、吐出ヘッドユニット20の液滴吐出面と基板P又は基準板Zの上面とを1mm以下に近接させることにより、吐出した液滴の飛行曲りを抑えて、液滴の配置精度の向上が図られる。
なお、第1移動装置30による基板P或いは基準板Zの位置決め、及び第2移動装置40による吐出ヘッドユニット20の位置決めには、ガイドレール32,42等のたわみ等に起因する誤差が含まれる場合がある。したがって、吐出ヘッドユニット20と基板P或いは基準板Zとの相対位置は、X方向、Y方向、θz方向にそれぞれ微少にずれてしまう。しかも、基板P或いは基準板Zの各所においてそのずれ量が異なる。
このため、基板P或いは基準板Zに着弾した液滴Dは、基板P或いは基準板Zの各所において、異なる着弾精度を有することになる。
図2は、吐出ヘッドユニット20を液滴吐出面(下面)側から見た図である。
吐出ヘッドユニット20は、3つの吐出ヘッド22(22R,22G,22B)から構成され、これら3つの吐出ヘッド22のそれぞれから異種又は同種の液状材料が吐出されるようになっている。
吐出ヘッド22R,22G,22Bは同一構成であって、各吐出ヘッド22R,22G,22Bは一列または複数列に配列された複数のノズル221を有している。例えば、吐出ヘッド22の解像度が180dpi(1インチ当たり180点(ドット))の場合には、ノズル穴211が約141μm間隔に180個並べて形成される。なお、ノズル穴211は、エッチング法等により金属板に形成されるので、正確な位置に配置される。
そして、各吐出ヘッド22R,22G,22Bは、キャリッジ24に組み付けられて、吐出ヘッドユニット20として一体的に構成される。
なお、吐出ヘッド22R,22G,22Bは、キャリッジ24に対して正確に組付けられるとは限らず、各吐出ヘッド22R,22G,22Bが組付けられるべき位置に対して、それぞれX方向、Y方向、θz方向に組付け誤差を有する場合がある。したがって、吐出ヘッドユニット20から吐出された液滴Dは、それぞれの吐出ヘッド22の組付け誤差に応じた着弾精度を有することになる。
図3は吐出ヘッド22を示す分解斜視図、図4は吐出ヘッド22の斜視断面図である。
図3に示すように、吐出ヘッド22(22R,22G,22B)は、ノズル穴211を有するノズルプレート210と、振動板230を有する圧力室基板220と、これらノズルプレート210と振動板230とを嵌めこんで支持する筐体250とを備えている。吐出ヘッド22の主要部構造は、図4に示すように、圧力室基板220をノズルプレート210と振動板230とで挟み込んだ構造を備える。ノズルプレート210には、圧力室基板220と貼り合わせられたときにキャビティ(圧力室)221に対応することとなる位置にノズル穴211が形成されている。圧力室基板220には、シリコン単結晶基板等をエッチングすることにより、各々が圧力室として機能可能にキャビティ221が複数設けられている。キャビティ221どうしの間は側壁(隔壁)222で分離されている。各キャビティ221は供給口224を介して共通の流路であるリザーバ223に繋がっている。振動板230は、例えば熱酸化膜等により構成される。振動板230には液状材料タンク口231が設けられ、不図示のタンク(液状材料収容部)からパイプ(流路)を通して任意の液状材料を供給可能に構成されている。振動板230上のキャビティ221に相当する位置には圧電体素子240が形成されている。圧電体素子240はPZT素子等の圧電性セラミックスの結晶を上部電極および下部電極(図示せず)で挟んだ構造を備える。圧電体素子240は制御装置60から供給される吐出信号に対応して体積変化を発生可能に構成されている。
吐出ヘッドユニット20から液状材料を吐出するには、まず、制御装置60が液状材料を吐出させるための吐出信号(Spr,Spg,Spb)を吐出ヘッド22(22R,22G,22B)に供給する。液状材料は各吐出ヘッド22のキャビティ221に流入しており、吐出信号が供給された吐出ヘッド22では、その圧電体素子240がその上部電極と下部電極との間に加えられた電圧により体積変化を生ずる。この体積変化は振動板230を変形させ、キャビティ221の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ221のノズル穴211から液状材料の液滴が吐出される。液状材料が吐出されたキャビティ221には吐出によって減った液状材料が新たにタンクから供給される。
なお、吐出ヘッド22は圧電体素子240に体積変化を生じさせて液状材料の液滴Dを吐出させる構成であったが、発熱体により液状材料に熱を加えその膨張によって液滴Dを吐出させるような構成であってもよい。
図1に戻り、吐出ヘッドユニット20には、吐出ヘッドユニット20から基準板Zに向けて吐出した液滴Dを検出するためのCCD等のカメラ50が設けられる。カメラ50は、基準板Zを向くように吐出ヘッドユニット20の側面に設けられ、基準板Zの上面の画像を取得することができる。
そして、第2移動装置40を作動させることにより、カメラ50を基準板Z上の任意の位置に移動させ、基準板Zの上面に着弾した液滴Dを含む画像を取得することができる。なお、カメラ50により取得した画像データは、制御装置60のメモリ部64に送られる。
制御装置60は、各種演算処理を行う演算部62、各種情報を記憶するメモリ部64等を有する。
演算部62は、吐出ヘッドユニット20の液状材料の吐出動作や第1移動装置30及び第2移動装置18の移動動作を含む描画装置100の動作を制御する。
また、メモリ部64はカメラ50から送られて画像情報を記憶し、演算部62はその画像を処理して、液滴の着弾精度等を求めるとともに着弾精度を向上させる補正値を求めて、着弾精度の向上を図る。なお、液滴の着弾精度を向上させる方法については、後述する。
図5は基準板Zを示す図であって、図5(a)は基準板Zに形成されるマークMを示す図、図5(b)はマーク形成区画AMを示す図である。
ステージ38上に戴置される基準板Zは、液滴の着弾精度を検出するためにのみ用いられる板部材であって、ガラス等の透明材料に図5(a)に示すようなマークMが蒸着法等により予め形成されたものである。マークMは、吐出ヘッドユニット20から基準板Zに吐出される液滴Dと略同程度の大きさに形成される。なお、マークMの形状は、例えば十字形のような形状であってもよい。
そして、マークMは、基準板Zの横方向、縦方法にそれぞれ所定の間隔に配置される。横(X)方向の間隔は、吐出ヘッド22R,22G,22Bのノズル穴211の間隔の2倍の間隔に合わせてある。吐出ヘッド22R,22G,22Bのノズル間隔は、上述したように約141μmであるため、基準板Zに形成されるマークMの間隔は、約282μm程度となる。
そして、このマークMの(X方向の)列は、Y方向に互い違いに配置される。すなわち、次の段のマーク列はノズル間隔と同一の距離だけX方向にずれた位置に形成される。つまり、図5(a)に示すように、水玉模様状に配置される。
なお、縦(Y)方向のマークMの間隔は、横(X)方向の間隔の半分程度間隔であり、例えば、125μmである。
また、マークMは、基準板Zの全面に形成してもよいし、所定の領域にのみ形成してもよい。図5(b)のように、マークMを形成する区画AMを所定の間隔を空けて設けてもよい。例えば、基準板ZのX方向に13箇所、Y方向に48箇所、合計624箇所のマーク形成区画AMを設ける。
なお、マーク形成区画AMには、マークMが列(X)方向に91個、段方向(Y)方向に14段形成される。すなわち、1つのマーク形成区画AMには、1274個のマークMが形成される。
続いて、上述した描画装置100を用いて基準板Z上に液滴Dを吐出することにより、基板Pへの液滴の吐出精度を向上させる方法について説明する。
図6は描画装置100の液滴吐出精度を向上させる手順を示すフローチャート図、図7は基準板Z上に着弾した液滴Dを示す図である。
なお、吐出ヘッド22R,22G,22Bから吐出する液状材料の液滴Dとしては、同一材料であってもよいが、本実施形態では、吐出ヘッド22Rからは赤色Dr、吐出ヘッド22Gからは緑色Dg、吐出ヘッド22Bからは青色Dbの液状材料を吐出する場合について説明する。
基板Pにパターンを描画する工程(パターン描画工程)に先立って、吐出ヘッド22と基板Pとの相対位置誤差を補正する補正値を求める予備工程を行う。
まず、ステップS101において、不図示の基板ローダにより、基準板Zをステージ38上に戴置する。この際、所定の方法により基準板Zのアライメント処理が行われる。これにより、基準板Zは、ステージ上に精度よく位置決めされる。
なお、後工程においてステージ38上に戴置される基板Pも同様にアライメント処理を経るので、基準板Zと基板Pとは略同一位置に戴置される。
しかしながら、このアライメント処理に常に一定の誤差が含まれる場合がある。また吐出ヘッドユニット20と第2移動装置40との組付誤差が存在する場合がある。このため、基準板Z或いは基板Pと吐出ヘッドユニット20とは、一定の相対位置誤差を有する。
次に、基準板Zに対して吐出ヘッドユニット20から液滴Dを吐出する液滴吐出工程(S101〜S109)を行う。
液滴吐出工程は、まず、第1移動装置18により吐出ヘッドユニット20をX方向の所定位置(例えば最も外側(−X側))に移動させる。そして、第1移動装置30により基準板Zを所定の一定速度にてY方向に移動させつつ、吐出ヘッドユニット20から直下に搬送される基準板Zの所定位置に向けた液滴吐出を開始する。そして、基準板ZのY方向への移動(走査)が完了したら、吐出ヘッドユニット20を+X方向に所定量だけ移動させ、再度、基準板ZをY方向に送って、液滴吐出作業を繰り返し行う。
すなわち、第1移動装置30により基準板ZをY方向に走査移動させつつ、第2移動装置40により吐出ヘッドユニット20をX方向にステップ移動させて、基準板Zに液滴Dを着弾させる。
なお、吐出ヘッドユニット20と基板PとをY方向に相対移動させて吐出作業を行う際には、吐出ヘッドユニット20のX方向、θz方向の位置、基準板Zのθz方向の位置は、一定に保たれる。
具体的には、ステップS102において、図7に示すように、マークMとマークMの間に複数の液滴Dを同時に吐出し、液滴Dの列(以下、液滴列Lという)を形成する。なお、マークMの間隔は、ノズル穴211の間隔の2倍に合わせてあるので、一つおき(例えば奇数番目)のノズル穴211から液滴Dを吐出する。つまり、90個のノズル穴211から同時に複数の液滴Dを吐出する。
そして、Y方向(マークMの段方向)に移動しつつ、赤色Dr、緑色Dg、青色Dbの順に液滴Dを吐出して、複数の液滴列Lを形成する。なお、Y方向(マークMの段方向)の液滴Dの間隔は、マークMの段方向の間隔の2倍(125μmの2倍)に合わせられる。
更に、先に液滴Dを吐出したノズル穴211とは異なる(例えば偶数番目の)90個のノズル穴211から液滴Dを吐出する。同様に、これらのノズル穴211からも、赤色Dr、緑色Dg、青色Dbの順に、マークMの段方向の2倍の間隔に合わせて液滴Dを吐出する。
次いで、ステップS103において、マーク形成区画AMへの液滴吐出作業が完了したか否かが判断され、未完了の場合には、ステップS102を繰り返す。
このような処理を行うことにより、1つのマーク形成区画AMへの液滴吐出作業が完了する。
そして、ステップS104において、吐出ヘッドユニット20を他のマーク形成区画AMに移動が行われ、ステップS105において、基板P上に形成された全てのマーク形成区画AMへの液滴吐出作業が完了したか否かが判断され、未完了の場合には、ステップS102に戻る。すなわち、基板P上に形成された全624箇所のマーク形成区画AMにおいて、上述した液滴吐出作業を行い、基板Pへの液滴吐出作業が完了する。
次いで、ステップS106において、カメラ50を用いて基準板Z上に着弾した全ての液滴Dの画像を取得する。すなわち、基準板Z上に吐出した液滴Dの数(90個×6段×624領域)だけ画像を取得し、制御装置60に送信する。具体的には、基準板Z上に着弾した液滴D毎に、その液滴Dと周辺に形成された4つのマークMを含む画像を得る。
なお、液滴DをマークM上に吐出しなかったのは、マークMが赤色Dr、緑色Dg、青色Dbの液滴Dに隠れてしまい、カメラ50でマークMを認識することが困難になってしまうからである。また、一つ置きのノズル穴211から液滴Dを吐出させたのは、ノズル穴211の間隔が狭いため、液滴Dをカメラ50で画像認識した際に隣接する液滴Dを誤検出してしまうおそれがあるからである。したがって、誤検出の可能性が殆どないのであれば、上述した吐出工程において、全てのノズル穴211から液滴Dを同時に吐出させてもよい(この場合、基準板Z上のマークMをノズル穴211と同一の間隔に形成する必要がある。)。
続いて、ステップS107において、演算部62は、得られた画像から、4つのマークMにより規定される目標位置(4つのマークMの中心を結ぶ位置)と液滴Dの着弾位置(液滴Dの中心位置)とのずれ量(ΔX,ΔY)を画像処理により検出する。この処理は、着弾した全ての液滴Dについて行われる。
そして、ステップS108において、ステップS107で得られたずれ量のデータを階層的なデータ構造に形成した後にメモリ部64に記憶する。
ここで、図8は、データ構造を模式的に示す図である。
また、階層的なデータ構造とは、各データの間の関係が全て親子関係になっているようなデータ構造のことをいう。この構造では、親に対する子は複数件存在するが、子に対する親は1件だけ存在する。
具体的には、図7に示すように、第1階層(Dot)として、得られた複数のずれ量のデータ(ΔX,ΔY)が、そのずれ量の対象となった液滴Dに対応付けられる。第2階層(Line)として、各液滴D(Dot)が、その液滴Dが属する液滴列Lに対応づけられると共に、その液滴列Lにおける位置情報が付与される。第3階層(Cell)として、各液滴列L(Line)が、その液滴列Lが属するマーク形成区画AMに対応付けられるとともに、そのマーク形成区画AMにおける位置情報が付与される。第4階層(Grid)として、各マーク形成区画AM(Cell)が、そのマーク形成区画AMが属する基準板Zに対応付けられるとともに、その基板Pにおける位置情報が付与される。
なお、階層構造を表すために、各情報に親子関係の情報(親ノードへのポインタ,子ノードへのポインタ)が付与される。また、各階層における各情報には、前後関係の情報(次ノードへのポインタ,前ノードへのポインタ)が付与される。
これにより、4つの階層(Grid,Cell,Line,Dot)の位置情報を指定することにより、任意の基準板Zにおける任意の液滴Dのずれ量のデータを呼び出すことができる。
なお、ノズルつまり等の原因により液滴Dが吐出しなかったり、飛行曲がりにより液滴Dがずれたりすると、液滴の画像を取得できない場合がある。その場合には、液滴Dが存在しないという情報を第1階層(Dot)に付与する。以後の補正値を求める演算においては、存在しない液滴Dが計算結果に影響を与えないように演算を行う。これにより、液滴Dを認識できなかった場合であっても、液滴Dの数が少数であれば、全体の処理をやりなおすこと無く以後の処理を進めることができる。
また、上述した例では全てのマーク形成区画AMに吐出した場合を説明しているが、処理時間を短縮のために、一部分のマーク形成区画AMのみに吐出を行うこともできる。吐出しなかった部分の液滴Dには存在しないという情報が付与される。この場合でも演算処理に特に変更を加える必要は無い。
このように、ステップS107で得られたずれ量のデータを階層構造とするのは、以下の理由である。
補正量を求める際には、一部あるいは全てのデータに対して、平均・分散・平行移動・回転移動などの様々な演算を行っている。現実のガラスマスク上の液滴Dの配置を模倣した階層構造をとることにより、演算の対象となるデータ郡を容易に選び出すことができる。また、各階層に対しての演算方法の変更や追加が容易である。
また、ずれ量のデータは、基準板Zの略全面に対して求められるので、そのデータを基に後述する補正値を計算すると、計算量が非常に多くなる。例えば、各液滴列Lの傾き(Δθz)は、90個の液滴Dのなかから2点の液滴Dを選び出す組合せの数(4005通り)だけ求めることができる。したがって、予め全ての液滴列Lの傾き等を求めておくと、扱うデータ数が膨大なり、演算部62及びメモリ部64を圧迫し、処理能力が低下してしまう。
ところで、補正値を求める際には、必ずしも上述した全ての傾きのデータを必要とするわけではない。例えば、各液滴列Lの傾き(Δθz)を求める場合には、90個の液滴Dを全て選んで求めても良いし、また、90個の液滴Dのなかの両端に位置する2つの液滴Dを選んで求めてもよい。多くの液滴Dを選んだ場合には、処理時間は長いが精密な演算結果を求めることができ、少しの液滴Dを選んだ場合には比較的不正確な演算結果となるが処理時間は短くすることができる。
ずれ量のデータを階層構造すれば、階層に対する演算の切り替えが容易に可能となり、状況に応じて適切な方法を選ぶことができる。
そして、ステップS108において、基準板Zをステージ38上から退避させることにより、予備工程が完了する。
次に、予備工程で得られたずれ量のデータから、必要なデータを呼び出して、補正値を算出する工程(S111〜S113)を行う。
まず、ステップS111において、各液滴列Lにおける2つの液滴Dのずれ量から、マークMの列と液滴列Lとの傾き、すなわちθz方向のずれ量(Δθz)を求める。
次いで、ステップS112において、ずれ量のデータから、基準板Z上の目標位置の列毎に、その列に液滴Dを吐出した吐出ヘッド22(以下、対象吐出ヘッド22という)との相対位置誤差を求める。
ここで、目標位置の列とは、各吐出ヘッド22R,22G,22Bのノズル穴211の列から同時に吐出される90個の液滴Dの着弾目標となる90個の目標位置を結んだ列(線)をいう。したがって、1つのマーク形成区画AMには、目標位置の列が6つ(段)存在する。そこで、例えば、図7の紙面の最も上段に着弾した液滴Drの列に対応する目標位置の列の場合には、吐出ヘッド22Rとの相対位置誤差を求める。
また、それぞれの目標位置の列における相対位置誤差(ΔXrn,ΔYrn,Δθzrn:nは目標位置の列の識別番号)のθz方向のずれ量(Δθzrn)は、ステップS105において求めた値をそのまま用いればよい。X方向とY方向のずれ量(ΔXrn,ΔYrn)は、90個の液滴DをそれぞれΔθz回転させたとして計算した後のX方向とY方向のずれ量(ΔXd、ΔYd)の平均値から求められる。
ここで、計算上の回転中心は、吐出ヘッドユニット20の回転中心またはステージ38の回転中心である。補正の際には、吐出ヘッドユニット20とステージ38のどちらか、もしくは両方を回転させるが、どのように補正するかにより、計算した後のX方向とY方向のずれ量(ΔXd、ΔYd)は違う値をとる。
これにより、基準板Zの各目標位置の列とその列の対象吐出ヘッド22との相対位置誤差が求められる。
次いで、ステップS113において、ステップS112で求めた目標位置の列毎の相対位置誤差から、吐出ヘッド22R,22G,22B毎に、基準板Zの全てのマーク形成区画AMについて、液滴Dを吐出した目標位置の列に対する相対位置誤差を解消させるための補正値、すなわち反数(−ΔXrn,−ΔYrn,−Δθzrn)を求める。
このため、吐出ヘッド22Rの場合には、1つのマーク形成区画AMに2つの補正値を有することから、基準板Zの全面において1248個(2個×624箇所)の補正値が求められる。
そして、各吐出ヘッド22毎の補正値(3つの補正値データファイル)をメモリ部64に送り、記憶する。
なお、上述したように、各吐出ヘッド22R,22G,22Bがそれぞれ1つのマーク形成区画AMに2つの補正値を有するが、奇数番目のノズル列と偶数番目のノズル列とを異なる吐出ヘッドと想定して、6つの吐出ヘッド毎に、基準板Zの全面において624個の補正値を求めてもよい。液滴Dの着弾位置のずれ量をより高精度に補正するためである。この場合には、6つの補正値データファイルがメモリ部64に送られる。
このように、階層的なデータ構造を有するずれ量のデータから、必要なデータを呼び出して補正値を算出するので、例えば、Y方向に並んだ液滴Dの列の傾きを求めることも可能となる。また、補正値の算出方法の変更等に容易に対応することができる。更に、補正値の他、ずれ量の平均、分散や偏差等を計算することも容易となる。
また、その際の計算時間も必要最低限に抑えることができる。
そして、これにより、補正値を算出する工程が完了する。
続いて、EL表示装置やカラーフィルタを製造するために基板Pに対して液滴Dを吐出して所定のパターンを形成するパターン描画工程(S121〜S127)を開始する。
まず、ステップS121において、基板ローダにより基板Pをステージ38上に精度よく戴置する。上述したように、基板Pは、ステージ38上の基準板Zの戴置位置と同一位置に精度よく戴置される。
そして、ステップS122において、制御装置60の演算部62は、第1移動装置30、第2移動装置18、モータ36,48に駆動信号(SX,SY,Sθz)を送り、吐出ヘッドユニット20と基板Pとを移動させる。
次に、ステップS123において、吐出ヘッド22Rから液滴Drを吐出する場合には、メモリ部64に記憶した吐出ヘッド22Rに関する補正値データの中から、吐出位置に対応する補正値(−ΔXrn,−ΔYrn,−Δθzrn)を第1移動装置30、第2移動装置18、モータ36,48に送り、吐出ヘッド22Rと基板Pとの相対位置を変化させる。
そして、ステップS124において、吐出ヘッド22Rに吐出信号(Spr)を送り、基板P上に所定のパターンを形成する描画(吐出)作業を行う。
なお、予備工程で求めた吐出ヘッド22毎の補正値データは、基準板Z上の所定位置に関してのみ求めたものである。したがって、基板Pにおける吐出位置に対応する補正値が求められていない場合がある。このため、ステップS107とステップS123との間に、吐出ヘッド22毎の補正値データから補正値が存在しない位置の補正値を所定の方法で補完する処理を行うことが望ましい。このように、補正値の補完処理を行うことにより、より高精度に吐出ヘッド22と基板Pとの相対位置を補正することができる。
次いで、ステップS125において、各吐出ヘッド22R,22G,22Bからの液滴Dの吐出が完了したか否かを判断する。すなわち、ステップS122からステップS124の工程は、吐出ヘッド22R,22G,22Bの順に3回行われる。
なお、形成するパターンによっては、全ての吐出ヘッド22R,22G,22Bからそれぞれ液滴Dr,Dg,Dbを吐出するとは限らない。
また、上述したように、各吐出ヘッド22における奇数番目のノズル列と偶数番目のノズル列とを異なる吐出ヘッドと想定して、6つの吐出ヘッドが存在するとした場合には、ステップS122からステップS124の工程をノズル列毎に6回行えばよい。
そして、ステップS125において、パターン描画が完了したか否かを判断する。すなわち、ステップS122からステップS124を繰り返し、基板P上に所定のパターンを形成する。
最後に、ステップS126において、ステージ38から基板Pを搬出することにより、パターン描画工程が完了する。
このようにして、吐出ヘッド22が基板Pに対して液滴Dを吐出する際に、当初指令された位置から、液滴Dの吐出目標位置とその位置に液滴Dを吐出する吐出ヘッド22とに応じて、基板Pとその吐出ヘッド22との相対位置(X方向,Y方向,θz回転方向)を微少変化させて、液滴Dを吐出させることができる。
したがって、基板Pと各吐出ヘッド22との相対的な位置ずれや各吐出ヘッド22と基板Pとを相対移動させる駆動軸のたわみ等が存在する場合や、また吐出ヘッド22R,22B,22Bがキャリッジ24に対して、それぞれ組付け誤差を有する場合であっても、各吐出ヘッド22R,22B,22Bと基板Pとの相対位置が逐次補正されて、各液滴Dr,Dg,Dbがそれぞれ正確な位置に着弾する。
なお、基板Pと各吐出ヘッド22とのX方向の相対位置を変化させるためには、第2移動装置40により微少移動させる。また、基板Pと各吐出ヘッド22とのY方向の相対位置を変化させるためには、第1移動装置30により微少移動させる場合の他、制御装置60から各吐出ヘッド22への吐出信号の指令タイミングを変化させてもよい。また、基板Pと各吐出ヘッド22とのθz方向の相対位置を変化させるためには、モータ36,48のいずれを駆動してもよい。また、モータ36,48の両方をそれぞれ駆動してもよい。
以上、説明したように、描画装置100によれば、基板Pの全面において、基板Pと複数の吐出ヘッド22との相対位置誤差が液滴Dの吐出の際に、吐出ヘッド22に応じて補正されるので、吐出ヘッドユニット20から吐出された液滴Dを基板Pの所定位置に高精度に着弾させることができる。したがって、描画装置100により、高精度のカラーフィルタやEL表示デバイスを製造することができる。
なお、上述した実施形態では、吐出ヘッドユニット20に3つの吐出ヘッド22が設けられる例について説明したが、1つの場合や2つの場合や4つ以上の場合であっても同様に処理すればよい。
また、上述した実施形態では、各吐出ヘッド22が1つのノズル列を有する場合について説明したが、各吐出ヘッド22が複数のノズル列を有する場合には、各ノズル列をそれぞれ1つの吐出ヘッド22と想定して、上述した実施形態と同様の処理を行えばよい。
次に、上述した構成を有する描画装置100を用いて、基板Pに対して吐出ヘッドユニット20から液状材料の液滴Dを吐出して基板P上に複数の材料層を積層することにより、基板Pに積層配線パターンを形成する方法の一例について説明する。
以下の説明では、一例として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置600及びこれを駆動するTFT(薄膜トランジスタ)を製造する手順を示す。
EL表示装置(デバイス)600は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
ここで、上述したように、描画装置100は複数の吐出ヘッド22(22R,22G,22B等)を備えており、各吐出ヘッド22からはそれぞれ異なる材料を含む液状材料の液滴Dが吐出されるようになっている。液状材料は、材料を微粒子状にし溶媒及びバインダーを用いてペースト化したものであって、各吐出ヘッド22が吐出可能な粘度(例えば50cps以下)に設定されている。
また、上述したように、EL表示装置600の製造に先立って、基準板Zに液滴Dを吐出して各吐出ヘッド22についての補正値(ΔXr,ΔYr,Δθzr,ΔXg,ΔYg,ΔθZg,ΔXb,ΔYb,Δθzb等)を求めておく。そして、各吐出ヘッド22から基板Pに対して液滴Dを吐出する際に、基板Pと各吐出ヘッド22との相対位置を補正して、正確な位置に液滴Dを吐出する。
そして、基板Pに対してこれら複数の吐出ヘッド22のうち、吐出ヘッド22Rから第1の材料を含む液状材料を吐出した後これを乾燥(焼成)し、次いで吐出ヘッド22Gから第2の材料を含む液状材料を第1の材料層に対して吐出した後これを乾燥(焼成)し、以下、複数の吐出ヘッドを用いて同様の処理を行うことにより、基板P上に複数の材料層が積層され、多層配線パターンが形成されるようになっている。
図9,図10,図11は、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置の一例を示す図であって、図9は有機EL表示装置600の回路図、図10は対向電極や有機エレクトロルミネッセンス素子を取り除いた状態での画素部の拡大平面図、図11は図9のA−A矢視断面図である。
図9に示す回路図のように、この有機EL表示装置600は、基板上に、複数の走査線311と、これら走査線311に対して交差する方向に延びる複数の信号線312と、これら信号線312に並列に延びる複数の共通給電線313とがそれぞれ配線されたもので、走査線311及び信号線312の各交点毎に、画素ARが設けられて構成されたものである。
信号線312に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路302が設けられている。
一方、走査線311に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路304が設けられている。また、画素領域ARの各々には、走査線311を介して走査信号がゲート電極に供給される第1の薄膜トランジスタ322と、この第1の薄膜トランジスタ322を介して信号線312から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2の薄膜トランジスタ324と、この第2の薄膜トランジスタ324を介して共通給電線313に電気的に接続したときに共通給電線313から駆動電流が流れ込む画素電極323と、この画素電極(陽極)323と対向電極(陰極)522との間に挟み込まれる発光部(発光層)360とが設けられている。
このような構成のもとに、走査線311が駆動されて第1の薄膜トランジスタ322がオンとなると、そのときの信号線312の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、第2の薄膜トランジスタ324の導通状態が決まる。そして、第2の薄膜トランジスタ324のチャネルを介して共通給電線313から画素電極323に電流が流れ、さらに発光層360を通じて対向電極522に電流が流れることにより、発光層360は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。
ここで、各画素ARの平面構造は、図10に示すように、平面形状が長方形の画素電極323の四辺が、信号線312、共通給電線313、走査線311及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。
なお、図11に示す有機EL表示装置600は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が配置された基板P側とは反対側から光を取り出す形態、いわゆるトップエミッション型である。
基板Pの形成材料としては、ガラス、石英、サファイア、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルケトンなどの合成樹脂などが挙げられる。ここで、有機EL表示装置600がトップエミッション型である場合、基板Pは不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。なお、本発明では、基板Pが可撓性を有するように形成される。
一方、TFTが配置された基板側から光を取り出す形態、いわゆるバックエミッション型においては、基板としては透明なものが用いられ、光を透過可能な透明あるいは半透明材料、例えば、透明なガラス、石英、サファイア、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルケトンなどの透明な合成樹脂などが挙げられる。特に、基板の形成材料としては、安価なソーダガラスが好適に用いられる。
図11に示すように、トップエミッション型の有機EL表示装置600は、基板Pと、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等の透明電極材料からなる陽極(画素電極)323と、陽極323から正孔を輸送可能な正孔輸送層370と、電気光学物質の1つである有機EL物質を含む発光層(有機EL層、電気光学素子)360と、発光層360の上面に設けられている電子輸送層350と、電子輸送層350の上面に設けられているアルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)等からなる陰極(対向電極)522と、基板P上に形成され、画素電極323にデータ信号を書き込むか否かを制御する通電制御部としての薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称する)324とを有している。TFT324は、走査線駆動回路304及びデータ線駆動回路302からの作動指令信号に基づいて作動し、画素電極323への通電制御を行う。
TFT324は、SiO2を主体とする下地保護層581を介して基板Pの表面に設けられている。このTFT324は、下地保護層581の上層に形成されたシリコン層541と、シリコン層541を覆うように下地保護層581の上層に設けられたゲート絶縁層582と、ゲート絶縁層582の上面のうちシリコン層541に対向する部分に設けられたゲート電極542と、ゲート電極542を覆うようにゲート絶縁層582の上層に設けられた第1層間絶縁層583と、ゲート絶縁層582及び第1層間絶縁層583にわたって開孔するコンタクトホールを介してシリコン層541と接続するソース電極543と、ゲート電極542を挟んでソース電極543と対向する位置に設けられ、ゲート絶縁層582及び第1層間絶縁層583にわたって開孔するコンタクトホールを介してシリコン層541と接続するドレイン電極544と、ソース電極543及びドレイン電極544を覆うように第1層間絶縁層583の上層に設けられた第2層間絶縁層584とを備えている。
そして、第2層間絶縁層584の上面に画素電極323が配置され、画素電極323とドレイン電極544とは、第2層間絶縁層584に設けられたコンタクトホール323aを介して接続されている。また、第2層間絶縁層584の表面のうち有機EL素子が設けられている以外の部分と陰極522との間には、合成樹脂などからなる第3絶縁層(バンク層)521が設けられている。
なお、シリコン層541のうち、ゲート絶縁層582を挟んでゲート電極542と重なる領域がチャネル領域とされている。また、シリコン層541のうち、チャネル領域のソース側にはソース領域が設けられている一方、チャネル領域のドレイン側にはドレイン領域が設けられている。このうち、ソース領域が、ゲート絶縁層582と第1層間絶縁層583とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極543に接続されている。一方、ドレイン領域が、ゲート絶縁層582と第1層間絶縁層583とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極543と同一層からなるドレイン電極544に接続されている。画素電極323は、ドレイン電極544を介して、シリコン層541のドレイン領域に接続されている。
次に、図12及び図13を参照しながら図11に示した有機EL表示装置600の製造プロセスについて説明する。
はじめに、基板P上にシリコン層541を形成する。シリコン層541を形成する際には、まず、図12(a)に示すように、基板Pの表面にTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護層581を形成する。
次に、図12(b)に示すように、基板Pの温度を約350℃に設定して、下地保護層581の表面にプラズマCVD法あるいはICVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体層541Aを形成する。次いで、この半導体層541Aに対してレーザアニール法、急速加熱法、または固相成長法などによって結晶化工程を行い、半導体層541Aをポリシリコン層に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/cm2 とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次いで、図12(c)に示すように、半導体層(ポリシリコン層)541Aをパターニングして島状のシリコン層541とした後、その表面に対して、TEOSや酸化ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜又は窒化膜からなるゲート絶縁層582を形成する。なお、シリコン層541は、図9に示した第2の薄膜トランジスタ324のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては第1の薄膜トランジスタ322のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、二種類のトランジスタ322、324は同時に形成されるが、同じ手順で作られるため、以下の説明において、トランジスタに関しては、第2の薄膜トランジスタ324についてのみ説明し、第1の薄膜トランジスタ322についてはその説明を省略する。
なお、ゲート絶縁層582を多孔性を有するシリコン酸化膜(SiO2膜)としてもよい。多孔性を有するSiO2膜からなるゲート絶縁層582は、反応ガスとしてSi26とO3とを用いて、CVD法(化学的気相成長法)により形成される。これらの反応ガスを用いると、気相中に粒子の大きいSiO2が形成され、この粒子の大きいSiO2がシリコン層541や下地保護層581の上に堆積する。そのため、ゲート絶縁層582は、層中に多くの空隙を有し、多孔質体となる。そして、ゲート絶縁層582は多孔質体となることによって低誘電率を有するようになる。
なお、ゲート絶縁層582の表面に水素プラズマ処理をしてもよい。これにより、空隙の表面のSi−O結合中のダングリングボンドがSi−H結合に置き換えられ、膜の耐吸湿性が良くなる。そして、このプラズマ処理されたゲート絶縁層582の表面に別のSiO2層を設けてもよい。こうすることにより、低誘電率な絶縁層が形成できる。
また、ゲート絶縁層582をCVD法で形成する際の反応ガスは、Si26+O3の他に、Si26+O2、Si38+O3、Si38+O2としてもよい。更に、上記の反応ガスに加えて、B(ホウ素)含有の反応ガス、F(フッ素)含有の反応ガスを用いてもよい。
更に、ゲート絶縁層582をインクジェット法(液滴吐出法)を用いて形成してもよい。ゲート絶縁層582を形成するための吐出ヘッドから吐出させる液状材料としては、上述したSiO2等の材料を適当な溶媒に分散してペースト化したものや、絶縁性材料含有ゾルなどが挙げられる。絶縁性材料含有ゾルとしては、テトラエトキシシラン等のシラン化合物をエタノール等の適当な溶媒に溶かしたものや、アルミニウムのキレート塩、有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類金属塩等を含有する組成物で、焼成すると無機酸化物のみになるように調合したものでもよい。インクジェット法によって形成されたゲート絶縁層582は、この後、予備乾燥される。
インクジェット法によってゲート絶縁層582を形成する際には、ゲート絶縁層582を形成するための吐出動作をする前に、下地保護層581やシリコン層541に対して液状材料の親和性を制御する表面処理をしておいてもよい。この場合の表面処理は、UV、プラズマ処理等の親液処理である。こうすることにより、ゲート絶縁層582を形成するための液状材料は下地保護層581などに密着するとともに、平坦化される。
次いで、図12(d)に示すように、ゲート絶縁層582上にアルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を含む導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングし、ゲート電極542を形成する。次いで、この状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、シリコン層541に、ゲート電極542に対して自己整合的にソース領域541s及びドレイン領域541dを形成する。この場合、ゲート電極542はパターニング用マスクとして用いられる。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域541cとなる。
次いで、図12(e)に示すように、第1層間絶縁層583を形成する。第1層間絶縁層583は、ゲート絶縁層582同様、シリコン酸化膜または窒化膜、多孔性を有するシリコン酸化膜などによって構成され、ゲート絶縁層582の形成方法と同様の手順でゲート絶縁層582の上層に形成される。
更に、第1層間絶縁層583の形成工程を、ゲート絶縁層582の形成工程と同様、インクジェット法によって行ってもよい。第1層間絶縁層583を形成するための吐出ヘッドから吐出させる液状材料としては、ゲート絶縁層582同様、SiO2等の材料を適当な溶媒に分散してペースト化したものや、絶縁性材料含有ゾルなどが挙げられる。絶縁性材料含有ゾルとしては、テトラエトキシシラン等のシラン化合物をエタノール等の適当な溶媒に溶かしたものや、アルミニウムのキレート塩、有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類金属塩等を含有する組成物で、焼成すると無機酸化物のみになるように調合したものでもよい。インクジェット法によって形成された第1層間絶縁層583は、この後、予備乾燥される。
インクジェット法によって第1層間絶縁層583を形成する際には、第1層間絶縁層583を形成するための吐出動作をする前に、ゲート絶縁層582上面に対して液状材料の親和性を制御する表面処理をしておいてもよい。この場合の表面処理は、UV、プラズマ処理等の親液処理である。こうすることにより、第1層間絶縁層583を形成するための液状材料はゲート絶縁層582に密着するとともに、平坦化される。
そして、この第1層間絶縁層583及びゲート絶縁層582にフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、ソース電極及びドレイン電極に対応するコンタクトホールを形成する。次いで、第1層間絶縁層583を覆うように、アルミニウムやクロム、タンタル等の金属からなる導電層を形成した後、この導電層のうち、ソース電極及びドレイン電極が形成されるべき領域を覆うようにパターニング用マスクを設けるとともに、導電層をパターニングすることにより、ソース電極543及びドレイン電極544を形成する。
次に、図示はしないが、第1層間絶縁層583上に、信号線、共通給電線、走査線を形成する。このとき、これらに囲まれる箇所は後述するように発光層等を形成する画素となることから、例えばバックエミッション型とする場合には、TFT324が前記各配線に囲まれた箇所の直下に位置しないよう、各配線を形成する。
次いで、図13(a)に示すように、第2層間絶縁層584を、第1層間絶縁層583、各電極543、544、前記不図示の各配線を覆うように形成する。
第1層間絶縁層583はインクジェット法によって形成される。ここで、描画装置100の制御装置60は、図13(a)に示すように、ドレイン電極544の上面に非吐出領域(非滴下領域)Hを設定し、ドレイン電極544のうち非吐出領域H以外の部分、ソース電極543及び第1層間絶縁層583を覆うように、第2層間絶縁層584を形成するための液状材料を吐出し、第2層間絶縁層584を形成する。こうすることによって、コンタクトホール323aが形成される。あるいは、コンタクトホール323aをフォトリソグラフィ法で形成してもよい。
ここで、第2層間絶縁層584を形成するための吐出ヘッドから吐出させる液状材料としては、第1層間絶縁層583同様、SiO2等の材料を適当な溶媒に分散してペースト化したものや、絶縁性材料含有ゾルなどが挙げられる。絶縁性材料含有ゾルとしては、テトラエトキシシラン等のシラン化合物をエタノール等の適当な溶媒に溶かしたものや、アルミニウムのキレート塩、有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類金属塩等を含有する組成物で、焼成すると無機酸化物のみになるように調合したものでもよい。インクジェット法によって形成された第2層間絶縁層584は、この後、予備乾燥される。
インクジェット法によって第2層間絶縁層584を形成する際には、第2層間絶縁層584を形成するための吐出動作をする前に、ドレイン電極544の非吐出領域Hに対して液状材料の親和性を制御する表面処理をしておいてもよい。この場合の表面処理は、撥液処理である。こうすることにより、非吐出領域Hには液状材料が配置されず、コンタクトホール323aを安定して形成できる。また、非吐出領域H以外のドレイン電極544上面、ソース電極543上面、第1層間絶縁層583上面には、予め親液処理を施しておくことにより、第2層間絶縁層584を形成するための液状材料は第1層間絶縁層583やソース電極543、ドレイン電極544のうち非吐出領域H以外に部分に密着するとともに、平坦化される。
こうして、第2層間絶縁層584のうちドレイン電極544に対応する部分にコンタクトホール323aを形成しつつ、ドレイン電極544の上層に第2層間絶縁層584を形成したら、図13(b)に示すように、コンタクトホール323aにITO等の導電性材料を充填するように、すなわち、コンタクトホール323aを介してドレイン電極544に連続するように導電性材料をパターニングし、画素電極(陽極)323を形成する。
有機EL素子に接続する陽極323は、ITOやフッ素をドープしてなるSnO2、更にZnOやポリアミン等の透明電極材料からなり、コンタクトホール323aを介してTFT324のドレイン電極544に接続されている。陽極323を形成するには、前記透明電極材料からなる膜を第2層間絶縁層584上面に形成し、この膜をパターニングすることにより形成される。
陽極323を形成したら、図13(c)に示すように、第2層間絶縁層584の所定位置及び陽極323の一部を覆うように、第3絶縁層521である有機バンク層を形成する。第3絶縁層521はアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの合成樹脂によって構成されている。具体的な第3絶縁層521の形成方法としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に融かしたものを、スピンコート、ディップコート等により塗布して絶縁層を形成する。なお、絶縁層の構成材料は、後述する液状材料の溶媒に溶解せず、しかもエッチング等によってパターニングしやすいものであればどのようなものでもよい。更に、絶縁層をフォトリソグラフィ技術等により同時にエッチングして、開口部521aを形成することにより、開口部521aを備えた第3絶縁層521が形成される。
ここで、第3絶縁層521の表面には、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とが形成される。本実施形態においてはプラズマ処理工程により、各領域を形成するものとしている。具体的にプラズマ処理工程は、予備加熱工程と、開口部521aの壁面並びに画素電極323の電極面を親液性にする親液化工程と、第3絶縁層521の上面を撥液性にする撥液化工程と、冷却工程とを有している。
すなわち、基材(第3絶縁層等を含む基板P)を所定温度(例えば70〜80度程度)に加熱し、次いで親液化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。続いて、撥液化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行い、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性及び撥液性が所定箇所に付与されることとなる。なお、画素電極323の電極面についても、このCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、画素電極323の材料であるITO等はフッ素に対する親和性に乏しいため、親液化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
次いで、図13(d)に示すように、陽極323の上面に正孔輸送層370を形成する。ここで、正孔輸送層370の形成材料としては、特に限定されることなく公知のものが使用可能であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体(TPD)、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等からなる。具体的には、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示されるが、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされる。
なお、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用いるのが好ましい。
正孔注入/輸送層370を形成する際には、インクジェット法が用いられる。すなわち、上述した正孔注入/輸送層材料を含む組成物液状材料を陽極323の電極面上に吐出した後に、予備乾燥処理を行うことにより、陽極323上に正孔注入/輸送層370が形成される。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、正孔注入/輸送層370及び発光層(有機EL層)360の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。例えば、吐出ヘッド(不図示)に正孔注入/輸送層材料を含む組成物液状材料を充填し、吐出ヘッドの吐出ノズルを陽極323の電極面に対向させ、吐出ヘッドと基材(基板P)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインキ滴を電極面に吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理して組成物液状材料に含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層370が形成される。
なお、組成物液状材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸等との混合物を、イソプロピルアルコール等の極性溶媒に溶解させたものを用いることができる。ここで、吐出された液滴は、親液処理された陽極323の電極面上に広がり、開口部521aの底部近傍に満たされる。その一方で、撥液処理された第3絶縁層521の上面には液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からはずれて第3絶縁層521の上面に吐出されたとしても、該上面が液滴で濡れることがなく、はじかれた液滴が第3絶縁層521の開口部521a内に転がり込むものとされている。
次いで、正孔注入/輸送層370上面に発光層360を形成する。発光層360の形成材料としては、特に限定されることなく、低分子の有機発光色素や高分子発光体、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質からなる発光物質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン構造を含むものが特に好ましい。低分子蛍光体では、例えばナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、ポリメチン系、キサテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体等、または特開昭57−51781、同59−194393号公報等に記載されている公知のものが使用可能である。
発光層360は、正孔注入/輸送層370の形成方法と同様の手順で形成される。すなわち、インクジェット法によって発光層材料を含む組成物液状材料を正孔注入/輸送層370の上面に吐出した後に、予備乾燥処理を行うことにより、第3絶縁層521に形成された開口部521a内部の正孔注入/輸送層370上に発光層360が形成される。この発光層形成工程も上述したように不活性ガス雰囲気下で行われる。吐出された組成物液状材料は撥液処理された領域ではじかれるので、液滴が所定の吐出位置からはずれたとしても、はじかれた液滴が第3絶縁層521の開口部521a内に転がり込む。
次いで、発光層360の上面に電子輸送層350を形成する。電子輸送層350も発光層360の形成方法と同様、インクジェット法により形成される。電子輸送層350の形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例示される。具体的には、先の正孔輸送層の形成材料と同様に、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示され、特に2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好適とされる。インクジェット法により組成物液状材料を吐出した後、予備乾燥処理が行われる。
なお、前述した正孔注入/輸送層370の形成材料や電子輸送層350の形成材料を発光層360の形成材料に混合し、発光層形成材料として使用してもよく、その場合に、正孔注入/輸送層形成材料や電子輸送層形成材料の使用量については、使用する化合物の種類等によっても異なるものの、十分な成膜性と発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決定される。通常は、発光層形成材料に対して1〜40重量%とされ、さらに好ましくは2〜30重量%とされる。
次いで、図13(e)に示すように、電子輸送層350及び第3絶縁層521の上面に陰極522を形成する。陰極522は、電子輸送層350及び第3絶縁層521の表面全体、あるいはストライプ状に形成されている。陰極522については、もちろんAl、Mg、Li、Caなどの単体材料やMg:Ag(10:1合金)の合金材料からなる1層で形成してもよいが、2層あるいは3層からなる金属(合金を含む。)層として形成してもよい。具体的には、Li2 O(0.5nm程度)/AlやLiF(0.5nm程度)/Al、MgF2 /Alといった積層構造のものも使用可能である。陰極222は上述した金属からなる薄膜であり、光を透過可能である。
なお、上記実施形態では、各絶縁層を形成する際にインクジェット法を用いているが、ソース電極543やドレイン電極544、あるいは陽極323や陰極522を形成する際にインクジェット法を用いてもよい。予備乾燥処理は、組成物液状材料のそれぞれを吐出後、行われる。
なお、導電性材料層を構成する導電性材料(デバイス形成用材料)としては、所定の金属、あるいは導電性ポリマーが挙げられる。
金属としては、金属ペーストの用途によって銀、金、ニッケル、インジウム、錫、鉛、亜鉛、チタン、銅、クロム、タンタル、タングステン、パラジウム、白金、鉄、コバルト、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、スカンジウム、ロジウム、イリジウム、バナジウム、ルテニウム、オスミウム、ニオブ、ビスマス、バリウムなどのうち少なくとも1種の金属又はこれらの合金が挙げられる。また、酸化銀(AgO又はAg2O)や酸化銅なども挙げられる。
また、上記導電性材料を吐出ヘッドから吐出可能にペースト化する際の有機溶媒としては、炭素数5以上のアルコール類(例えばテルピネオール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、フェネチルアルコール)の1種以上を含有する溶媒、又は有機エステル類(例えば酢酸エチル、オレイン酸メチル、酢酸ブチル、グリセリド)の1種以上を含有する溶媒であればよく、使用する金属又は金属ペーストの用途によって適宜選択できる。更には、ミネラルスピリット、トリデカン、ドデシルベンゼンもしくはそれらの混合物、又はそれらにα−テルピネオールを混合したもの、炭素数5以上の炭化水素(例えば、ピネン等)、アルコール(例えば、n−ヘプタノール等)、エーテル(例えば、エチルベンジルエーテル等)、エステル(例えば、n−ブチルステアレート等)、ケトン(例えば、ジイソブチルケトン等)、有機窒素化合物(例えば、トリイソプロパノールアミン等)、有機ケイ素化合物(シリコーン油等)、有機硫黄化合物もしくはそれらの混合物を用いることもできる。なお、有機溶媒中に必要に応じて適当な有機物を添加してもよい。そして、これら溶媒に応じて、予備乾燥処理の際のガス温度が設定される。
上記実施形態の有機EL表示装置(デバイス)600を備えた電子機器800の例について説明する。
図14(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14(a)において、携帯電話1000(電子機器800)は、上記の有機EL表示装置600を用いた表示部1001を備える。
図14(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図14(b)において、腕時計1100(電子機器800)は、上記の有機EL表示装置600を用いた表示部1101を備える。
図14(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14(c)において、情報処理装置1200(電子機器800)は、キーボードなどの入力部1202、情報処理装置本体1204、上記の有機EL表示装置600を用いた表示部1206を備える。
図14(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図14(d)において、薄型大画面テレビ(電子機器)1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、上記の有機EL表示装置600を用いた表示部1306を備える。
以上のように、図14(a)〜(d)に示す電子機器800は、上記実施の形態の有機EL表示装置600を表示部1001,1101,1206,1306として備えているので、表示品位に優れ、明るい画面を備えた電子機器800となる。
上記実施形態は、本発明の描画方法を、有機EL表示デバイスの駆動用TFTの配線パターン形成に適用したものであるが、有機EL表示デバイスに限らず、PDP(プラズマディスプレイパネル)デバイスの配線パターンの製造、液晶表示デバイスの配線パターンの製造など、各種多層配線デバイスの製造に適用可能である。そして、各種多層配線デバイスを製造するに際し、導電性材料層及び絶縁性材料層のうちいずれの材料層を形成する際にもインクジェット法を適用できる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施の形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
描画装置100を示す斜視図 吐出ヘッドユニット20を示す図 吐出ヘッド22を示す分解斜視図 吐出ヘッド22の斜視断面図 基準板に形成されるマークMを示す図 描画装置100の液滴吐出精度を向上させる手順を示すフローチャート図 基準板Z上に着弾した液滴Dを示す図 データ構造を模式的に示した図 有機EL表示装置600の回路図 画素部の拡大平面図 図10の矢視断面図 有機EL表示装置600の製造プロセスを示す図 図12に続く製造プロセスを示す図 有機EL表示装置600を備える電子機器800を示す図
符号の説明
P…基板、 D(Dr,Dg,Db)…液滴、 Z…基準板、 M…マーク、 30…移動装置(補正部)、 40…移動装置(補正部)、 22(22R,22G,22B)…吐出ヘッド、 36,48…モータ(補正部)、 50…カメラ(画像検出部)、 62…演算部(ずれ量検出部、誤差算出部、補正部)、 100…描画装置、 211…ノズル穴、 600…有機EL表示装置(デバイス)、 800…電子機器、 1000…携帯電話(電子機器)、 1100…腕時計(電子機器)、 1200…情報処理装置(電子機器)、 1300…薄型大型テレビ(電子機器)、 1001,1101,1206,1306…表示部(デバイス)


Claims (7)

  1. 吐出ヘッドから吐出した1つ以上の液滴の着弾精度に関するデータの構造であって、
    前記データは、前記吐出ヘッドからの吐出工程に合わせた1つ以上の階層構造を有することを特徴とするデータ構造。
  2. 前記吐出工程は、1つ以上のノズルからなるノズル列を有する前記吐出ヘッドから、前記液滴が着弾すべき目標位置が1つ以上規定された基準板に向けて同時に1つ以上の前記液滴を吐出して、1つ以上の前記液滴からなる液滴列を形成する工程と、
    1つ以上の前記液滴列からなる吐出区画を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ構造。
  3. 前記データは、個々の前記液滴についての前記ずれ量の情報を有する階層と、
    1つ以上の前記液滴についての情報を有する階層と、
    1つ以上の前記液滴列についての情報を有する階層と、
    1つ以上の前記区画についての情報を有する階層と、
    から構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデータ構造。
  4. 前記データは、個々の前記液滴についての有無の情報を有する階層と、
    1つ以上の前記液滴についての情報を有する階層と、
    1つ以上の前記液滴列についての情報を有する階層と、
    1つ以上の前記区画についての情報を有する階層と、
    から構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のデータ構造。
  5. 吐出ヘッドと基板とを相対移動させつつ、前記吐出ヘッドから前記基板に向けて液滴を吐出してパターンを描画する方法において、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のデータ構造を有する前記ずれ量のデータに基づいて、前記吐出ヘッドと前記基板との相対位置誤差を補正する補正値を求める補正値算出工程と、
    前記基板に向けて前記液滴を吐出する際に、前記補正値に基づいて、前記基板と前記吐出ヘッドとの相対位置を逐次変化させる補正工程と、
    を有することを特徴とする描画方法。
  6. 請求項5に記載の描画方法により製造されることを特徴とするデバイス。
  7. 請求項6に記載のデバイスが搭載されることを特徴とする電子機器。


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